説明

視認ラベル付き容器

【課題】金型を変更することなくラベルを変更するだけで目盛の種類を変えることが可能であると共に、残量確認用の目盛が判読容易で、かつ同一容器を他種製品用の容器として使用可能な視認ラベル付き容器を提供する。
【解決手段】 不透明な容器体(1)の胴部(3)の一部を第1窓部(5)に形成すると共に、第2窓部(11)が形成されたラベル(10)を前記容器体の胴部(3)に貼着して、第2窓部(11)と第1窓部(5)との重合部を介して前記容器体の内容物の残量を確認可能に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器体内容物の残量を視認するための視認ラベル付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器体にその内容物を観察するための窓部が設けられた容器が従来技術として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−57072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
窓部が設けられた容器に目盛を付する要請があるが、彫刻による目盛では、容器体内容物の種類に応じて目盛の形態を変更する必要がある場合に金型を変更しなければならないが、そうすると新規な金型を製作しなければならないことになるばかりか、彫刻による場合には、目盛と容器体が同色になるため目盛が判読し難いものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、金型を変更することなくラベルを変更するだけで目盛の種類を変えることが可能であると共に、残量確認用の目盛が判読容易で、かつ同一容器を他種製品用の容器として使用可能な視認ラベル付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、不透明な容器体1の胴部3の一部を透明または半透明にして第1窓部5に形成すると共に、ラベル10を前記容器体胴部3に貼着し、該ラベルと前記第1窓部(5)とを介して容器体の内容物を視認可能に設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記ラベル10をインモールド成形により前記容器体胴部3に貼着したことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明は、不透明にしたラベル10の一部を透明または半透明にして第2窓部11に形成し、該第2窓部11と前記容器体1の第1窓部5との重合部を介して前記容器体内容物の残量を確認可能に設けたことを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記容器体1の第1窓部5と前記ラベル10の第2窓部11とを上下方向へ延びる帯状部に形成すると共に、容器体の第1窓部5の幅とラベルの第2窓部11の幅との一方を他方より大にして他方を一方の窓部内に位置させたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、前記容器体の一対のパーティングライン間に前記ラベル10を設けたことを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、前記容器体(1)の第1窓部(5)と対応するラベル(10)部分に目盛を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、容器体の胴部に貼着可能なラベルに目盛を付するため、容器体内容物の種類に応じて目盛の形態等を変更する必要がある場合には、ラベルを変えるだけで金型を変更する必要がないため、容易かつ安価に目盛の変更に対応可能であると共に、同一容器を他種製品用の容器として使用可能であり、また、目盛を地色と異なる色にすることができるため目盛の判読が容易である。
【0013】
また、本発明は、目盛付きラベルをインモールド成形により容器体の胴部に貼着するため、例えば印刷により目盛を容器体に付する場合のように後工程を必要としないため製造が容易である。
【0014】
さらに、本発明は、容器体の第1窓部5の幅とラベルの第2窓部11の幅との一方を他方より大にして他方を一方の窓部内に位置させるため、ラベルの位置が左右へ多少ずれても他方の窓部が一方の窓部外へはみ出すことがなく、したがって、残量を確認するための左右の幅が狭くなるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る視認ラベル付き容器の側面図である。
【図2】他の種類の目盛を示す図1相当図である。
【図3】さらなる他の種類の目盛を示す図1相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
本発明に係る容器は、容器体とラベルを構成要素とする。
1は容器体で、底壁2から起立する胴部3の上端から肩部を介して口頸部4を起立する。容器体は遮光効果を有する不透明にする。
【0018】
容器体が不透明であると、容器体の内容物の残量が確認できないため、本実施形態では胴部3の下端から口頸部4の上端にかけて上下方向へ延びる帯状の透明または半透明の第1窓部5を形成するが、該第1窓部5は容器体の一部にだけ設けてもよく、その長さに特に限定はない。
【0019】
10はラベルで、その形状に特に限定はないが本実施形態では不透明にして上下方向へ延びる帯状の透明または半透明の第2窓部11を形成すると共に、第2窓部11の左右いずれか一方または双方の側縁に残量を計量するための目盛12を付する。
【0020】
目盛12は図1に示すように短い横線を上下方向に間隔をおいて配列して所定の横線に数字等の記号を付したものでもよく、あるいは図2に示すように目盛12をより詳細にしてもよく、あるいは図3に示すように一回分の使用量等を示す目印でもよく、容器体内容物の種類に応じて適宜の形態を選択できる。また、ラベル10には目盛12以外に模様等の加飾を施すことができる。
【0021】
第2窓部11の幅は第1窓部5の幅より小さくして、第2窓部11を第1窓部5の左右方向中間部に位置させる。このようにすることで第2窓部11が実線で示す所定の位置より一点鎖線で示すように左右方向へ多少ずれても第1窓部5からはみ出すことがなく、したがって、残量確認のための第2窓部11の幅が減少することがない。もちろん上記とは逆に第2窓部11の幅を第1窓部5の幅より大にして、第1窓部5を第2窓部11内に位置させても同様の作用効果が得られる。
【0022】
なお、ラベル10は本実施形態では窓部が付設された不透明のものを使用するが、これに限ることなく透明のものを用いることも可能である。この場合には第2窓部11を設ける必要はなく、また、目盛12は第1窓部5の側縁に対応するラベル10部分に設ける。
【0023】
ラベル10は容器体1の成形後、その胴部3に貼着することも可能であるが、本実施形態では、ラベル10はインモールド成形により容器体1の胴部3に貼着する。すなわち、ブロー成形用の金型内面にラベルを添設した状態で、第1窓部5形成部が設けられた円筒状のパリソン内部へ空気を吹込むことによりラベルを容器体へ貼着させる。なお、成形後、型開きして容器体を取り出すため、ラベル10は容器体の軸線と平行なパーティングラインにまたがるような態様では容器体に貼着させることはできず、一対のパーティングライン間の容器体部分に貼着するようにする。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、容器体内容物の残量を視認するための視認ラベル付き容器の分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 容器体
3 胴部
4 口頸部
5 第1窓部
10 ラベル
11 第2窓部
12 目盛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明な容器体(1)の胴部(3)の一部を透明または半透明にして第1窓部(5)に形成すると共に、ラベル(10)を前記容器体の胴部(3)に貼着して、該ラベルと前記第1窓部(5)とを介して容器体の内容物を視認可能に設けたことを特徴とする視認ラベル付き容器。
【請求項2】
前記ラベル(10)をインモールド成形により前記容器体の胴部(3)に貼着したことを特徴とする請求項1記載の視認ラベル付き容器。
【請求項3】
不透明にしたラベル(10)の一部を透明または半透明にして第2窓部(11)に形成し、該第2窓部(11)と前記容器体(1)の第1窓部(5)との重合部を介して前記容器体の内容物の残量を確認可能に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の視認ラベル付き容器。
【請求項4】
前記容器体(1)の第1窓部(5)と前記ラベル(10)の第2窓部(11)とを上下方向へ延びる帯状部に形成すると共に、容器体の第1窓部(5)の幅とラベルの第2窓部(11)の幅との一方を他方より大にして他方を一方の窓部内に位置させたことを特徴とする請求項3記載の視認ラベル付き容器。
【請求項5】
前記容器体の一対のパーティングライン間に前記ラベル(10)を設けたことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の視認ラベル付き容器。
【請求項6】
前記容器体(1)の第1窓部(5)と対応するラベル(10)部分に目盛を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の視認ラベル付き容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−116515(P2012−116515A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267084(P2010−267084)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】