説明

親綱支柱の屋根面取付治具

【課題】一般的な屋根での仮設手摺の設置に際しても、鉄骨建築物等の建設工事で仮設手摺の設置の際に使用されている親綱支柱を適用可能にする屋根面取付治具を提供する。
【解決手段】屋根面取付治具20においては、第1のアングル材21の一方の端部に、第2のアングル材22が第1のアングル材21と直交するように溶接で固定され、第1のアングル材21の他方の端部に、第3のアングル材23が第1のアングル材21と直交するように溶接で固定されているとともに、第2のアングル材22に親綱支柱取付部(溝形鋼)24が溶接で固定されており、第2のアングル材22と第3のアングル材23には、屋根面1にビス26で固定するためのビスホール25が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設業の仮設材に関するものであり、特に親綱支柱を屋根面に取り付けるための取付治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄骨建築物等の建設工事においては、安全用の仮設手摺として親綱を張る際に親綱支柱を使用する。
【0003】
図4に示すように、親綱支柱10は、上部に設けられている連結環11に親綱3のフック4が掛かるようになっているとともに、下部に設けられている掴み部12がボルト13等によって鉄骨9等に固定されて立設される構造になっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−121072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
屋根面での手摺の設置においては、屋根の形状にもよるが、一般的に使用できる仮設材が少ない。A型バリケードを設置するとしても、その固定度に課題が残る。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、一般的な屋根での仮設手摺の設置に際しても、鉄骨建築物等の建設工事で仮設手摺の設置の際に使用されている親綱支柱を適用可能にする屋根面取付治具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0008】
[1]鉄骨建築物等の建設工事で親綱を張るために使用され、下部の掴み部で鉄骨等に固定して立設される親綱支柱を、屋根面に設置するための屋根面取付治具であって、
第1のアングル材と、該第1のアングル材の一方の端部に第1のアングル材と交差するように取り付けられた第2のアングル材と、前記第1のアングル材の他方の端部に第1のアングル材と交差するように取り付けられた第3のアングル材と、前記第2のアングル材に取り付けられて、前記親綱支柱の下部の掴み部がクランプされて前記親綱支柱が固定される親綱支柱取付部とを備え、ビスによって屋根面に固定されることを特徴とする親綱支柱の屋根面取付治具。
【0009】
[2]前記第3のアングル材は、第1のアングル材の長手方向にスライドできるようになっていることを特徴とする前記[1]に記載の親綱支柱の屋根面取付治具。
【発明の効果】
【0010】
本発明の親綱支柱の屋根面取付治具によって、一般的な屋根での仮設手摺の設置に際しても、鉄骨建築物等の建設工事で仮設手摺の設置の際に使用されている親綱支柱を使用することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における親綱支柱の屋根面取付治具を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における親綱支柱の屋根面取付治具を屋根面に設置した状態を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態における親綱支柱の屋根面取付治具を使用して仮設手摺を設置した状態を示す図である。
【図4】鉄骨建築物等の建設工事の際に使用される親綱支柱を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態における親綱支柱の屋根面取付治具を図面に基づいて説明する。
【0013】
本発明の一実施形態における親綱支柱の屋根面取付治具は、前述の図4に示したような、鉄骨建築物等の建設工事で親綱3を張るために使用されている親綱支柱10を屋根面に設置するために使用するものである。
【0014】
図1は、この実施形態における親綱支柱の屋根面取付治具を示すものであり、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図、図1(c)は親綱支柱10を取り付けた状態を示す側面図である。
【0015】
図1に示すように、この実施形態における親綱支柱の屋根面取付治具20は、第1のアングル材21の一方の端部に、第2のアングル材22が第1のアングル材21と直交するように溶接で固定され、第1のアングル材21の他方の端部に、第3のアングル材23が第1のアングル材21と直交するように、スライドホール27に取り付けられたフラットバー28に溶接で固定されている。そして、第2のアングル材22に親綱支柱取付部(溝形鋼)24が溶接で固定されている。また、第2のアングル材22と第3のアングル材23には、この屋根面取付治具20を屋根面(屋根材の下地である母屋)にビスで固定するためのビスホール25が設けられている。
【0016】
一方、前述したように、親綱支柱10は、上部に連結環11を備えているともに、下部に掴み部12とボルト13を備えている。
【0017】
これによって、この親綱支柱の屋根面取付治具20においては、図1(c)に側面図、図2に斜視図を示すように、この屋根面取付治具20をビスホール25とビス26によって屋根面1(屋根材の下地である母屋)に固定するとともに、親綱支柱10の下部の掴み部12を親綱支柱取付部(溝形鋼)24に嵌合させ、ボルト13でクランプすることによって、親綱支柱10を屋根面取付治具20に固定することができる。
【0018】
なお、第3のアングル材23が第1のアングル材21の長手方向にスライドできるように、第1のアングル材21には前述のようにスライドホール27が設けられている。これは、屋根上母屋材は標準的には900mmピッチであるが、個々の場所でそのピッチに誤差が生じている可能性があるので、その誤差をスライドホール27によって対応できるようにしたものである。
【0019】
また、ビスホール25を長穴状にして、必要な固定強度に応じて、ビス26を増し打ちできるようにしている。
【0020】
そして、図3は、このような屋根面取付治具20を用いて屋根面1に複数の親綱支柱10を立設し、それらの親綱支柱10間に親綱3を張ることで、仮設手摺2を設置した状態を示している。
【0021】
このようにして、この実施形態においては、鉄骨建築物等の建設工事で使用されている親綱支柱10を屋根面1に対して容易でかつ強固に設置することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 屋根
2 仮設手摺
3 親綱
4 フック
9 鉄骨
10 親綱支柱
11 連結環
12 掴み部
13 ボルト
20 親綱支柱の屋根面取付治具
21 第1のアングル材
22 第2のアングル材
23 第3のアングル材
24 親綱支柱取付部(溝形鋼)
25 ビスホール
26 ビス
27 スライドホール
28 フラットバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨建築物等の建設工事で親綱を張るために使用され、下部の掴み部で鉄骨等に固定して立設される親綱支柱を、屋根面に設置するための屋根面取付治具であって、
第1のアングル材と、該第1のアングル材の一方の端部に第1のアングル材と交差するように取り付けられた第2のアングル材と、前記第1のアングル材の他方の端部に第1のアングル材と交差するように取り付けられた第3のアングル材と、前記第2のアングル材に取り付けられて、前記親綱支柱の下部の掴み部がクランプされて前記親綱支柱が固定される親綱支柱取付部とを備え、ビスによって屋根面に固定されることを特徴とする親綱支柱の屋根面取付治具。
【請求項2】
前記第3のアングル材は、第1のアングル材の長手方向にスライドできるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の親綱支柱の屋根面取付治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−158868(P2012−158868A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17356(P2011−17356)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)