角膜内皮細胞撮影装置
【課題】 異なる撮影位置での細胞画像をスムーズに取得する。
【解決手段】 照明光源からの照明光を被検者眼角膜に向けて斜めから照射する照明光学系、角膜内皮細胞を含む前記角膜からの反射光を撮像素子により受光して角膜内皮細胞画像を取得する撮像光学系、を備える装置本体と、被検者眼に対して前記装置本体を相対移動させる駆動手段と、前記駆動手段の駆動を制御することにより前記装置本体を上下左右方向に移動させ、上下左右方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により順次取得する連続撮影手段と、を備える。
【解決手段】 照明光源からの照明光を被検者眼角膜に向けて斜めから照射する照明光学系、角膜内皮細胞を含む前記角膜からの反射光を撮像素子により受光して角膜内皮細胞画像を取得する撮像光学系、を備える装置本体と、被検者眼に対して前記装置本体を相対移動させる駆動手段と、前記駆動手段の駆動を制御することにより前記装置本体を上下左右方向に移動させ、上下左右方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により順次取得する連続撮影手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者眼の角膜内皮の細胞像を撮影する角膜内皮細胞撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、照明光源からの照明光を角膜に向けて斜めから照射し、その角膜からの反射光束を撮像素子により受光して非接触にて角膜内皮の細胞像を得る装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
例えば、特許文献1では、角膜上の撮影部位を選択するためのスイッチとして、角膜上部、中央、下部に対応するスイッチがそれぞれ設けられている。そして、ある選択スイッチが押されると、アライメント基準となるレチクルが移動される。それから、検者は、位置変更されたレチクルと、アライメント輝点が一致するようにアライメントを行った後、選択された角膜位置での細胞像を撮影する。
また、撮影部位を変更する構成としては、固視灯の点灯位置を変更する手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−189909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一回の内皮細胞の撮像範囲は限られており、細胞状態の適否を判断する上で不十分な場合がある。
そして、上記のように撮影位置を選択する装置の場合、異なる撮影位置での細胞画像を得ようとしても、その都度、撮影位置を選択する必要がある。
また、固視灯の位置を変更する場合、通常、眼の視線方向が変更され、固視状態が不安定となるため、時間がかかる。また、ある撮影位置近傍での内皮画像を一体的に取得するのは難しい。
【0006】
本発明は、上記問題点を鑑み、異なる撮影位置での細胞画像をスムーズに取得できる角膜内皮細胞撮影装置を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0008】
(1)
照明光源からの照明光を被検者眼角膜に向けて斜めから照射する照明光学系、角膜内皮細胞を含む前記角膜からの反射光を撮像素子により受光して角膜内皮細胞画像を取得する撮像光学系、を備える装置本体と、
被検者眼に対して前記装置本体を相対移動させる駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御することにより前記装置本体を上下左右方向に移動させ、上下左右方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により順次取得する連続撮影手段と、
を備えることを特徴とする。
(2)
各撮影位置での角膜に対する前後方向のアライメント状態を検出するZアライメント検出手段と、
前記Zアライメント検出手段の検出結果に基づいて前記装置本体の前後位置を調整するZ調整手段と、
を備えることを特徴とする(1)の角膜内皮細胞撮影装置。
(3)
角膜上における撮影範囲を予め設定する設定手段を備え、
前記連続撮影手段は、前記駆動手段の駆動を制御することにより、前記設定手段によって設定された撮影範囲における内皮画像が撮影されるように前記装置本体を移動させることを特徴とする(1)〜(2)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
(4)
前記設定手段は、モニタ上に表示された角膜画像上において撮影範囲を設定可能であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
(5)
前記連続撮影手段は、各撮影位置にて前記装置本体を前後方向に移動させ、前後方向に関する異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により連続的に取得することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
(6)
前記連続撮影手段は、前記装置本体を所定方向に直線的に移動させ、前記所定方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により連続的に取得することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
(7)
被検者眼の角膜中心に対する上下左右方向のアライメント状態を検出するXYアライメント検出手段と、
前記XYアライメント検出手段の検出結果に基づいて前記装置本体を移動させ、撮影位置を角膜中心近傍に調整するXY調整手段と、を備え、
前記連続撮影手段は、前記XY調整手段によって撮影位置が調整された後、前記装置本体を上下左右方向に移動させ、角膜中心近傍での内皮画像を前記撮像素子により順次取得することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記問題点を鑑み、異なる撮影位置での細胞画像をスムーズに取得できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の外観側方構成図である。
【0011】
装置100は、いわゆる据え置き型の装置であって、基台1と、基台1に取り付けられた顔支持ユニット2と、図示なき摺動機構により基台1上で移動可能に設けられた移動台3と、移動台3に対して移動可能に設けられ、後述する撮影系及び光学系を収納する撮影部(装置本体)4と、を備える。
【0012】
撮影部4は、移動台3に設けられたXYZ駆動部6により、被検眼Eに対して左右方向(X方向)、上下方向(Y方向)及び前後方向(Z方向)に移動される。移動台3は、ジョイスティック5の操作により、基台1上をXZ方向に移動される。また、検者が回転ノブ5aを回転操作することにより、撮影部4はXYZ駆動部6のY駆動によりY方向に移動される。ジョイスティック5の頂部には、スタートスイッチ5bが設けられている。表示モニタ95は、撮影部4の検者側に設けられている。なお、本実施形態では、図示なき摺動機構又はXYZ駆動部6により撮影部4が眼Eに対して相対的に移動される。
【0013】
なお、撮影部4を移動させる構成としては、メカニカルな摺動機構を設けず、駆動部6のモータの駆動によって撮影部4を左右眼に対して移動させる構成であってもよい。また、本装置は、ジョイスティック5のような手動用操作部材としてタッチパネルを有する構成であってもよい。
【0014】
図2は、撮影部4に収納された光学系を上方から見たときの光学配置と,制御系の構成の一例を示す概略構成図である。図3は第1投影光学系、第2投影光学系を被検者側からみたときの図である。光学系の全体構成は、照明光学系10、撮像光学系30、正面投影光学系50、第1投影光学系60a,60b、第2投影光学系65a〜65d(図3参照)、内部固視光学系70a〜70g、外部固視光学系75a〜75f、前眼部観察光学系80、Zアライメント検出光学系85、を有する。
【0015】
照明光学系10は、照明光源12からの照明光を角膜Ecに向けて斜めから照射する。照明光学系10は、内皮撮影用の可視光を発する照明光源(例えば、可視LED、フラッシュランプ)12、集光レンズ14、スリット板16、可視光反射・赤外透過のダイクロイックミラー18、投光レンズ20、を有する。照明光源12から発せられた光は、集光レンズ14を介してスリット板16を照明する。そして、スリット板16を通過したスリット光は、ダイクロイックミラー18を介して投光レンズ20によって収束され、角膜に照射される。ここで、スリット板16と角膜Ecは、対物レンズ20に関して略共役な位置に配置されている。
【0016】
撮像光学系30は、内皮細胞を含む角膜Ecからの反射光を撮像素子により受光することにより内皮細胞画像を取得する。撮像光学系30は、光軸L1に関して照明光学系10と左右対称であり、対物レンズ32、可視光反射・赤外透過のダイクロイックミラー34、マスク35、第1結像レンズ36、全反射ミラー38、第2結像レンズ42、内皮細胞像を取得するための専用の第1の二次元撮像素子(例えば、二次元CCD、CMOS、等)44を有する。マスク35は、対物レンズ32に関して角膜Ecと略共役な位置に配置されている。第1結像レンズ36、及び第2結像レンズ42は、内皮像を撮像素子44上に結像させる結像光学系を形成する。撮像素子44は、撮像光学系30のレンズ系に関して角膜Ecと略共役な位置に配置されている。
【0017】
照明光学系10による角膜反射光は、光軸L3方向(斜め方向)に向かい、対物レンズ32によって収束された後、ダイクロイックミラー34によって反射され、マスク35にて一旦結像され、内皮細胞像を取得する際にノイズとなる光が遮光される。そして、マスク35を通過した光は、第1結像レンズ36、全反射ミラー38、第2結像レンズ42を介して二次元撮像素子84に結像される。これにより、高倍率の角膜内皮細胞像が取得される。なお、撮像素子44の出力は、制御部90に接続され、取得された細胞像は、メモリ92に記憶される。また、細胞像はモニタ95に表示される。
【0018】
正面投影光学系50は、正面から角膜Ecに向けてアライメント指標を投影する。正面投影光学系50は、赤外光源51、投光レンズ53、ハーフミラー55、を有し、XYアライメント検出用の赤外光を観察光軸L1方向から角膜Ecに投影する。光源51から発せられた赤外光は、投光レンズ53により平行光束に変換された後、ハーフミラー55により反射され、角膜Ecの中心部に投影され、指標i10が形成される(図4参照)。
【0019】
第1投影光学系60a,60bは、斜めから角膜Ecに向けて無限遠のアライメント指標を投影する。第1投影光学系60a,60bは、光軸L1に対して所定の角度でそれぞれ傾斜して配置されている。第1投影光学系60a,60bは、赤外光源61a、61bと、コリメータレンズ63a、63bと、をそれぞれ有し、光軸L1を挟んで左右対称に配置され、眼Eに対して無限遠の指標を投影する(図2参照)。なお、第1投影光学系60a,60bは、光軸L1を通る水平方向と略同一経線上に配置されている(図3参照)。
【0020】
光源61a、61bから出射された光は、コリメータレンズ63a、63bによりそれぞれコリメートされた後、角膜Ecに投影され、指標i20、i30が形成される(図4参照)。
【0021】
第2投影光学系65a〜65dは、複数の斜め方向から角膜Ecに向けて有限遠のアライメント指標をそれぞれ投影する。第2投影光学系65a〜65dは、光軸L1に対しそれぞれ傾斜して配置されている。第2投影光学系65a〜65dは、赤外光源66a〜66dをそれぞれ有し、光軸L1を挟んで左右対称に配置され、眼Eに対して有限遠の指標を投影する。なお、第2投影光学系65a、65bは、光軸L1に対して上方に配置され、Y方向に関して互いに同じ高さに配置されている。また、第2投影光学系65c、65dは、光軸L1に対して下方に配置され、Y方向に関して互いに同じ高さに配置されている。また、第2投影光学系65a、65bと、第2投影光学系65c、65dは、光軸L1を挟んで上下対称な関係で配置されている。
【0022】
ここで、光源66a、66bからの光は角膜Ecの上部に向けて斜め上方向から照射され、光源66a、66bの虚像である指標i40、i50が形成される。また、光源66c、66dからの光は角膜Ecの下部に向けて斜め下方向から照射され、光源66c、66dの虚像である指標i60、i70が形成される(図4参照)。
【0023】
上記のような指標投影光学系によれば、指標i10は、眼Eの角膜頂点に形成される(図4参照)。また、第1投影光学系60a、60bによる指標i20、i30は、指標i10と同じ水平位置において、指標i10に関し左右対称に形成される。さらに、第2投影光学系65a、65bによる指標i40、i50は、指標i10より上方において、指標i10に関し左右対称に形成される。第2投影光学系65c、65dによる指標i60、i70は、指標i10より下方において、指標i10に関し左右対称に形成される。
【0024】
内部固視光学系70a〜70gは、眼Eに対して内部から固視標を投影する。内部固視光学系70a〜70gは、可視光源(固視灯)71a〜71g、投光レンズ73、可視反射・赤外透過のダイクロイックミラー74、を有する。光源71から発せられた可視光は、投光レンズ73により平行光束に変換された後、ダイクロイックミラー74により反射され、眼Eの眼底に投影される。また、図示無き外部固視光学系が前述の第1投影光学系及び第2投影光学系の近傍に配置される。
【0025】
内部固視光学系70a〜70iは、光軸L4に対して直交する方向に関して異なる位置に配置される複数の固視標を有し、眼Eの固視方向を各方向に誘導する。内部固視光学系70a〜70iは、撮影部3の内部に設けられる。例えば、可視光源71aは、光軸L4近傍に配置され、眼Eを正面方向に誘導することにより角膜の中心部の内皮画像を得るために用いられる。また、複数の可視光源71b〜71iは、光軸L4を中心とする同一円周上に配置され、被検者から見て、所定角度毎に配置されている。図2では、0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、305度の各位置に45度ずつ配置されている。可視光源71b〜71iは、眼Eの視線方向を周辺方向に誘導することにより角膜中心の周辺における内皮画像を得るために用いられる。
【0026】
外部固視光学系75a〜75fは、外部から固視標を投影する。外部固視光学系75a〜75fは、XY方向に関して異なる位置に配置される複数の固視標を有し、被検眼の固視方向を内部固視光学系70より大きく振らせる。外部固視光学系75a〜75fは、撮影部3の外側であって、眼E側に設けられる。例えば、外部固視光学系75a〜75fは、可視光源(固視灯)76a〜76fを有し、光軸L1を中心とする同一円周上で、被検者から見て、2時、4時、6時、8時、10、12時の各位置に配置されている。可視光源76a〜76fは、眼Eの視線方向を周辺方向に誘導することにより角膜の周辺部における内皮画像を得るために用いられる。この場合、可視光源71b〜71gによって取得される画像よりさらに外側の内皮細胞像が取得される。
【0027】
例えば、角膜下部を撮影する場合、固視灯(固視標)の位置が上方に設定され、眼Eの固視が上方向に誘導される。また、角膜上部を撮影する場合、固視灯(固視標)の位置が下方に設定され、眼Eの固視が下方向に誘導される。
【0028】
図2に戻る。前眼部観察光学系80は、前眼部像を正面から観察する。前眼部観察光学系80は、対物レンズ82、前眼部正面像を取得するための二次元撮像素子84、を有し、第1の撮像素子44とは異なる第2の撮像素子84を有し、前眼部像及びアライメント指標を第2撮像素子84により撮像する。二次元撮像素子84としては、例えば、2次元CCDイメージセンサ(Charge coupled device image sensor)、二次元CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)が用いられる。
【0029】
図示なき前眼部照明光源により照明された前眼部は、ダイクロイックミラー75、ハーフミラー55、対物レンズ82を介して二次元撮像素子84に撮像される。また、同様に、正面投影光学系50、第1投影光学系60a,60bと、第2投影光学系65a〜65d、による角膜反射像は二次元撮像素子84に受光される。
【0030】
撮像素子84の出力は制御部90に接続され、図4に示すように、モニタ95には、撮像素子84によって撮像された前眼部像が表示される。なお、モニタ95上に電子的に表示されるレチクルLTは、XYアライメントの基準を示している。なお、観察光学系80は、眼Eに対する撮影部4のアライメント状態を検出するための検出光学系を兼用する。
【0031】
Zアライメント検出光学系85は、眼Eに対する撮影部4のZ方向におけるアライメント状態を検出する。Zアライメント検出光学系85は、角膜Ecに向けて斜め方向から検出用光束を投光する投光光学系85aと、投光光学系85aによる角膜反射光束を受光する受光光学系85bと、を有する。そして、投光光学系85aの光軸L2と受光光学系85bの光軸L3は、観察光軸L1に関して左右対称な位置に配置される。
【0032】
投光光学系85aは、例えば、赤外光を発する照明光源86、集光レンズ87、ピンホール板88、レンズ20からなる。ここで、ピンホール板88と角膜Ecは、レンズ20に関して略共役な位置に配置される。受光光学系85bは、例えば、レンズ32、一次元受光素子(ラインセンサ)89からなる。ここで、一次元受光素子89と角膜Ecは、レンズ32に関して略共役な位置に配置される。
【0033】
光源86から出射された赤外光は、集光レンズ87を介してピンホール板88を照明する。そして、ピンホール板88の開口を通過した光は、レンズ20を介して角膜Ecに投光される。そして、その角膜反射光は、レンズ32、ダイクロイックミラー34を介して受光素子89にて受光される。
【0034】
受光素子89の出力は制御部90に接続され、眼Eに対するZアライメント検出に利用される。ここで、受光素子89上に受光されるアライメント光束は、Z方向における撮影部4と眼Eとの位置関係によって受光位置が変化される。例えば、制御部90は、受光素子89からの検出信号において角膜反射光の位置を検出し、Z方向のアライメント状態を検出する。なお、受光素子89を用いたアライメント検出は、眼Eに対する精密なアライメントのために利用される。
【0035】
制御部90は、装置全体の制御を行う。そして、制御部90には、回転ノブ5a、スタートスイッチ5b、XYZ駆動部6、二次元撮像素子44、84、各光源、記憶手段としてのメモリ92、モニタ95、操作部96、が接続されている。
【0036】
例えば、制御部90は、モニタ95の表示を制御する。また、制御部90は、アライメント指標の受光結果に基づいてXYZ方向における眼Eに対する撮影部4のアライメント状態を検出する。そして、制御部90は、その検出結果に基づいて撮影部4の移動を指令する信号を出力する。また、制御部90は、受光素子89の受光結果に基づいて眼Eに対する撮影部4のZ方向のアライメント状態を検出する。
【0037】
以上のような構成を備える装置において、その動作について説明する。図4は角膜中心部の内皮を撮影する場合の前眼部観察画面の一例を示す図であり、図4(a)はアライメントずれがある場合の表示例であり、図4(b)はアライメントが適正な状態における表示例である。
【0038】
この場合、光源71aが点灯され、眼Eの固視方向が正面に誘導される。まず、検者は、被検者に固視標を注視させる。また、モニタ95に表示された前眼部像を観察しながら、眼Eに対する撮影部4のアライメントを行う。
【0039】
上記のようにしてラフなアライメントが行われると、図4(a)に示すように、拡散光による角膜指標像が撮像素子64の受光面に検出される。制御部90は、画像の左上の座標位置から、画面の右下に向かって輝点を探索する。そして、指標i40、i50、i60、i70が検出されるようになると、制御部90は、検出された輝点の位置を検出する。
【0040】
そして、制御部90は、指標i40、i50、i60、i70からなる矩形の中心位置を略角膜頂点として検出し、XY方向におけるアライメントずれ方向/偏位量を検出する。そして、制御部90は、駆動部6の駆動を制御し、アライメントずれが所定のアライメント許容範囲に入るように撮影部4をXY方向に移動させる。これにより、広範囲での自動アライメントが可能となる。
【0041】
以上のようにして撮影部4が移動され、指標像i10が検出されると、制御部90は、上記指標像i40〜i70によるアライメントを終了し、指標像i10を用いたアライメントを行う。ここで、制御部90は、指標像i10と、指標像i40〜i70とをその位置関係から判別する。
【0042】
そして、制御部90は、指標像i10の座標位置を略角膜頂点として検出し、XY方向におけるアライメントずれ方向/偏位量を検出する。そして、制御部90は、駆動部6の駆動を制御し、アライメントずれが所定のアライメント許容範囲内に入るように撮影部4をXY方向に移動させる。
【0043】
また、上記のようにして指標像i10が検出されるようになると、同様に、無限遠の指標像i20、i30が検出される。そこで、制御部90は、前述のように検出される無限遠の指標像i20、i30の間隔と有限遠の指標像i60、i70の間隔とを比較することによりZ方向のアライメントずれ方向/偏位量を求める(第1のアライメント検出)。そして、制御部90は、Z方向のアライメントずれが所定のアライメント許容範囲に入るように撮影部4をZ方向に移動させる(第1自動アライメント)。
【0044】
この場合、制御部90は、測定部3が作動距離方向にずれた場合に、前述の無限遠指標i20、i30の間隔がほとんど変化しないのに対して、有限遠の指標像i60、i70の像間隔が変化するという特性を利用して、Z方向のアライメントずれを求める(詳しくは、特開平6−46999号参照)。なお、指標像i60、i70の代わりに、指標像i40、i50が利用されてもよい。また、光軸L1からの指標の距離(指標高さ)に基づいてZアライメントが検出されてもよい。
【0045】
そして、制御部90は、第1のZアライメント検出においてアライメント状態が適正と判定されると、第1自動アライメントの作動を停止し、検出光学系85を用いた第2のZアライメント検出及びその検出結果に基づく第2の自動アライメントを作動させる。
【0046】
制御部90は、光源86を点灯させアライメント光束を角膜Ecに投光する(光源86を予め点灯させていてもよい)と共に、その角膜反射光束を受光素子89にて検出する。そして、制御部90は、受光素子89からの受光結果に基づいて駆動部6の駆動を制御し、撮影部4をZ方向に移動させる。
【0047】
例えば、制御部90は、受光素子89から出力される受光信号に基づいて角膜上皮からの反射光束に対応するピークPを検出し、受光素子89上における上皮ピークの位置Pzを検出する(図5参照)。そして、制御部90は、上皮からの反射光束による受光信号のピークが受光素子89上の所定位置(例えば、中心位置)にくるように駆動部6を駆動させる。
【0048】
前述したアライメント動作によって、XYZ方向のアライメント状態がアライメント完了の条件を満たしたら、制御部90は、XYZ方向のアライメントが合致したと判定し、トリガ信号を発する。
【0049】
制御部90は、トリガ信号が発せられると、照明光源12を発光させ、可視照明光による角膜内皮細胞像を二次元撮像素子44にて取得する。その後、制御部90は、光源12を点灯させると共に、駆動部6の駆動を制御して、撮影部4を眼Eに向かって前進させていく。
【0050】
光源12は、二次元撮像素子44のフレームレートに同期して連続的に点滅される。例えば、一枚の撮像時間が30msの場合、画像の取得開始から数msの間、光源12が点灯され、その後、消灯される。そして、次の画像の取得が開始されると、光源12が点灯される。すなわち、このような点滅動作が繰り返される。
【0051】
二次元撮像素子44は、そのフレームレートに合わせて撮像信号を随時制御部90に出力する。これにより、内皮の撮像画像が複数取得される。そして、制御部90は、出力画像の内、ある条件(例えば、内皮細胞像が適正に取得されている)を満たす画像を静止画としてメモリ92に記憶させる。これにより、内皮細胞像が撮影される。この場合、制御部90は、予め設定された所定枚数をメモリ92に記憶するようにしてもよい。そして、制御部90は、メモリ92に記憶された撮影画像をモニタ95に出力する。
【0052】
<XY方向連続撮影> 概して、制御部90は、駆動部6の駆動を制御することにより撮影部4をXY方向に移動させ、XY方向に関して異なる角膜位置での細胞画像を連続的に撮影する。例えば、制御部90は、XY方向に関して撮影部4を直線的に移動させ、内皮画像を連続的に取得する。
【0053】
図6は角膜上に設定された撮影範囲の一例を示す図である。撮影範囲Pは、例えば、角膜中心P1を中心として上下・左右・斜めの少なくともいずれかに存在する複数個の撮影部位を含む。この場合、例えば、角膜中心と観察光軸L1が合致したときのアライメント位置が基準位置として設定され、各撮影部位に対応する撮影位置への撮影部4の移動量が設定される。
【0054】
図6では、撮影範囲Pは、撮影部位P1〜撮影部位P9の9個の部位に対応する。撮影範囲Pは、ある直線方向(例えば、左右方向)に関して撮影部位が一列に並ぶような範囲であってもよいし、サークル状に撮影部位が並ぶような範囲であっても良い。また、撮影範囲Pは、予め設定された範囲であってもよいし、検者によって設定される範囲であってもよい(詳しくは後述する)。また、複数種の撮影範囲が予め用意され、検者によってある撮影範囲が設定されるようにしてもよい。
【0055】
次に、制御部90は、駆動部6の駆動を制御して、各撮影部位に対応する位置に向けて撮影部4を移動させる。なお、各撮影部位への撮影順序については予め設定される。例えば、制御部90は、撮影部位P1を起点として、撮影部位P2、P3、・・・順で、撮影部4が所定の軌跡(拡大図の矢印参照)を描くように撮影部4を移動させる。そして、制御部90は、各撮影位置において、照明光源12を発光させ、内皮細胞像を撮像素子44にて順次取得する。そして、取得された細胞像は、各撮影部位P1〜P9と対応付けされ、メモリ92に記憶される。
【0056】
なお、制御部90は、撮影部4を撮影範囲P内で連続的に移動させ、その移動中に照明光源12を連続発光(常時点灯、所定間隔でのフラッシュを含む)させることにより、細胞像を連続的に撮影するようにしてもよい。また、制御部90は、各撮影位置にて撮影部4を停止させた状態で細胞像を撮影するようにしてもよい。
【0057】
以上のようにして連続撮影が完了したら、制御部90は、図7に示すように、撮影部位間の位置関係に合わせた表示形式にて各細胞像をモニタ95の画面上に表示する。表示形式としては、これに限定されず、制御部90は、所定数の列(例えば、2列)にて各細胞像を並列表示するようにしてもよい。また、制御部90は、所定数(例えば、3つ)の画像をモニタ95上に表示し、検者の操作に応じて画像を更新するようにしてもよい。
【0058】
以上のようにすれば、眼Eの視線方向を変更することなく、角膜中心近傍での複数位置に関する細胞像をスムーズに取得できる。例えば、一定の位置での内皮撮影と比較すると、広い撮影範囲で細胞像が得られる。
【0059】
なお、上記説明においては、固視位置が中心に固定された状態でXY方向に関して異なる部位への連続撮影を行う構成としたが、これに限定されない。すなわち、眼Eの固視方向が、ある方向に固定された状態において、眼Eに対する撮影部4のXY位置を変更することにより複数の細胞像を連続的に取得する構成であればよい。例えば、固視位置が上方に固定された状態で,XY方向に関して異なる部位への連続撮影を行う。これにより、角膜の周辺部の下方における細胞像が広い撮影範囲で得られる。
【0060】
なお、上記XY連続撮影において、制御部90は、各撮影位置において、前後方向に関する異なる位置にて内皮細胞を連続撮影するようにしてもよい。例えば、制御部90は、各撮影位置にて撮影部4を前後方向に移動させ、前後移動中に照明光源12を連続発光させ、各位置での細胞像を複数取得する。
【0061】
この場合、制御部90は、XY方向に関して撮影部4の移動を停止させた状態で撮影部4をZ方向に移動させながら連続撮影を行うようにしてもよい。また、制御部90は、XY方向の移動中に撮影部3をZ方向に移動させながら連続撮影を行うようにしてもよい。
【0062】
<各撮影位置に対するZアライメント判定及び位置調整> 上記XY連続撮影において、XY方向での位置が変更される場合、Z方向に関するアライメントがずれてしまう可能性がある。例えば、角膜は曲面形状であるから、Z方向における内皮位置は、撮影部位によって異なる。そこで、制御部90は、上記XY連続撮影の作動中において、Z方向に関する自動アライメントを行うようにしてもよい。
【0063】
例えば、制御部90は、撮像素子44にて取得される撮像画像を画像処理により解析し、内皮細胞像が取得された撮像画像か否かを判定する。そして、制御部90は、その判定結果を用いて、撮像画像中に内皮細胞像が含まれるように撮影部4を前後方向に移動させる。この場合、内皮細胞像の輝度レベル及び面積を利用して内皮細胞像の有無を判定してもよいし、撮像素子44上の内皮細胞像の位置が所定位置か否かを判定するようにしてもよい。
【0064】
図8は撮像素子によって撮像される内皮細胞像を用いてZ方向のアライメントを検出する場合の一例を示す図である。撮影部位P1に対応する第1の内皮画像を取得する場合、制御部90は、駆動部6の駆動を制御し、撮影部位P1に対する自動アライメントを作動させる。そして、XYZのアライメントが完了したら、制御部90は、撮影部4を前進させていき、内皮画像を連続的に撮影する。
【0065】
ここで、制御部90は、照明光源12を連続的に点灯させ、撮像素子44によって取得される撮影画像中に内皮細胞像が含まれるように、駆動部6の駆動を制御する。例えば、制御部90は、図8に示すように、内皮像Nの輝度分布による第1エッジN1と第2エッジを画像処理(例えば、エッジ検出)により検出し、第1エッジN1と第2エッジN2の中間位置Ncを検出する。なお、制御部90は、輝度、出現順序等によって、上皮像と内皮像を判別できる。
【0066】
内皮像Nの中心位置Ncが検出されると、制御部90は、中心位置Ncが撮像素子44上の所定位置Cに形成されるように、駆動部6の駆動を制御する。そして、撮像素子44の中心に内皮像Nが取得された画像が取得されると、制御部90は、撮影部位P1の撮影完了と判断する。
【0067】
その後、制御部90は、撮影部4をXY方向に移動させ、撮影部位P2〜P9に対し、撮影部4を順次移動させる。ここで、制御部90は、撮影部4のXY方向への移動に加えて、制御部90は、撮像素子44上の所定位置Cに対する中心位置NcのずれΔZを検出し、そのずれΔZが許容範囲内に収まるように撮影部3を移動させる。制御部90は、ずれΔZが許容範囲内であれば、Z方向における駆動部6の駆動を停止する一方、ずれΔZが許容範囲外であれば、Z方向に関して駆動部6の駆動を制御することにより、ずれが解消される方向に撮影部3を移動させる。
【0068】
このようにすれば、XY方向に関して撮影位置が変更される場合であっても、Z方向のアライメント位置が調整されるため、各撮影位置での細胞像が安定して得られる。
【0069】
なお、制御部90は、第1の撮影部位P1に対応する第1位置(他の撮影位置でもよい)にて内皮像が取得されたときのZ方向のアライメント位置情報Zaを受光素子89の受光結果に基づいて取得し、位置情報Zaに対応するアライメント位置に撮影部3が移動されるように駆動部6の駆動を制御するようにしてもよい。
【0070】
制御部90は、第1位置にて内皮像が取得されたときの受光素子89の受光結果をメモリ92に記憶させておく。そして、XY方向に関する連続撮影中において、制御部90は、受光素子89から出力される受光信号に基づいてZ方向におけるアライメント状態を検出する。そして、制御部90は、受光素子89の受光結果が位置情報Zaになるように駆動部6のフィードバック制御を行う。
【0071】
例えば、制御部90は、内皮像が取得されたときの上皮の位置をメモリ92に記憶し、メモリ92に記憶された位置に上皮が受光されるように駆動部6のフィードバック制御を行うようにしてもよい。
【0072】
また、制御部90は、受光素子89によるアライメント検出において、内皮反射に対応する受光信号を検出するようにしてもよい。例えば、XY方向に関する連続撮影中において、制御部90は、内皮からの反射光束による受光信号のピークが受光素子89上の所定位置(例えば、中心位置)にくるように駆動部6のフィードバック制御を行う。
【0073】
<各撮影位置に対するXYアライメント判定> なお、上記装置において、眼Eに対する撮影部4の相対位置を検出し、その検出結果に基づいて、各撮影位置へのアライメント誘導・アライメント判定を行うようにしてもよい。
【0074】
概して、制御部90は、XYアライメントの検出結果に基づいて撮影部4を移動させ、撮影位置を角膜中心近傍に調整する。そして、制御部90は、角膜中心近傍に撮影位置が調整された後、撮影部4を上下左右方向に移動させ、角膜中心近傍での内皮画像を撮像素子44により順次取得する。この場合、例えば、角膜中心部撮影用の固視灯を被検者眼が視認できる範囲内であれば、撮影位置の調整が可能である。
【0075】
例えば、制御部90は、各撮影位置に対して自動アライメントを作動させることにより、各撮影位置に撮影部4を順次自動的に移動させる。そして、各撮影位置での内皮細胞像を取得する。このとき、制御部90は、撮影位置の変更に応じて眼Eに対する撮影部4のアライメント完了位置を変更する。
【0076】
図9は、各撮影位置に対応する指標像i10の受光位置を表す。例えば、各撮影位置P1〜P9に関して、撮像素子84上におけるアライメント完了位置が設定され、予めメモリ92に記憶される。このとき、角膜中心と光軸L1が一致された位置が基準位置O1として用いられる。言い換えれば、各撮影位置P1〜P9に関して、光軸L1が撮影位置にアライメントされた状態での受光位置K1と基準位置O1との間の距離がオフセット量として設定される。
【0077】
図10はある撮影部位(P2)の内皮細胞像を取得する際のアライメント検出手法の一例を示す図である。撮影部位P1に対応する内皮像を取得するとき、制御部90は、基準位置O1と受光位置K1とのアライメント偏位量Δd1を検出する。そして、制御部90は、偏位量Δd1が許容範囲内に入るように駆動部6を駆動させた後、内皮像を撮像する。
【0078】
撮影部位P1での撮影が終了したら、制御部90は、基準位置O1と受光位置K1とのアライメント偏位量Δd1に対し、撮影位置P2に対応するオフセット量ΔPを差し引く。そして、制御部90は、偏位量Δd1に対してオフセット量ΔPがかけられたアライメント偏位量Δd2を検出する。
【0079】
そして、制御部90は、偏位量Δd2が許容範囲内に入るように駆動部6を駆動させた後、内皮像を撮像する。その後、制御部90は、撮影位置を変更し、変更された撮影位置に対する自動アライメント及び撮影を順次行う。
【0080】
このようにすれば、XY方向に関する連続撮影を行う場合、設定された各撮影位置での細胞像を安定的に取得できる。
【0081】
なお、上記説明において、角膜輝点を検出することにより眼Eに対するアライメント状態を検出する構成としたが、これに限定されない。眼Eの特徴部位を画像処理で検出することによりアライメント状態を検出してもよい。例えば、眼Eの瞳孔中心を検出することによりアライメントを検出する。このとき、瞳孔中心と光軸L1が一致された位置が前述の基準撮影位置として用いられるようにしてもよい。
【0082】
<検者による撮影範囲の変更>
図11はモニタ95上で撮影範囲Pを設定する場合の一例を示す図である。モニタ95に表示された前眼部上において撮影範囲を設定する場合、制御部90は、撮影範囲に対応するフレームFをモニタ95上に電子的に表示するようにしてもよい。そして、制御部90は、撮影範囲を変更するために設定された所定の操作部材からの操作信号に基づいて、モニタ95の画面上に表示されたフレームFの位置、大きさを変更する。
【0083】
撮影範囲を設定するための操作部材としては、例えば、操作部96に設けられた所定のスイッチが用いられる。また、モニタ95の画面上に形成されるタッチパネルであってもよい。
【0084】
制御部90は、操作部材に基づくフレームFの変更に応じて撮影範囲を変更する。この場合、モニタ95におけるフレームFの表示位置と、眼Eに対する撮影部4の相対位置との対応関係が予めメモリ95に記憶される。撮影範囲内におけるXY方向の撮影位置については、各撮影位置が所定の間隔で設定されてもよいし、各撮影位置が任意に設定されてもよい。
【0085】
フレームFが調整された後、撮影スイッチ5bが押されると、制御部90は、設定された撮影範囲における内皮画像が撮影されるように撮影部4を順次移動させ、各撮影位置における細胞像を取得する。
【0086】
なお、上記のように連続撮影を行う場合において、内部固視光学系70は、眼Eに対して無限遠の光束を投影する構成であることが好ましい。このようにすれば、眼Eに対して撮影部4がXY方向に移動された場合であっても、眼Eの視線方向が保持されるため、異なるXY位置での細胞像が安定的に取得される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の外観側方構成図である。
【図2】撮影部に収納された光学系を上方から見たときの光学配置と,制御系の構成の一例を示す概略構成図である。
【図3】第1投影光学系、第2投影光学系を被検者側からみたときの図である。
【図4】角膜中心部の内皮を撮影する場合の前眼部観察画面の一例を示す図であり、図4(a)はアライメントずれがある場合の表示例であり、図4(b)はアライメントが適正な状態における表示例である。
【図5】ラインセンサ上に検出された上皮ピークについて示す図である。
【図6】角膜上に設定された撮影範囲の一例を示す図である。
【図7】撮影部位間の位置関係に合わせた表示形式にて各細胞像をモニタの画面上に表示する場合の一例を示す図である。
【図8】撮像素子によって撮像される内皮細胞像を用いてZ方向のアライメントを検出する場合の一例を示す図である。
【図9】各撮影位置に対応する指標像i10の受光位置を表す図である。
【図10】ある撮影部位(P2)の内皮細胞像を取得する際のアライメント検出手法の一例を示す図である。
【図11】モニタ上で撮影範囲Pを設定する場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
4 撮影部(装置本体)
6 駆動部
10 照明光学系
12 照明光源
30 撮像光学系
44 撮像素子
80 前眼部観察光学系
85 Zアライメント検出光学系
85a 投光光学系
85b 受光光学系
90 制御部
95 モニタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者眼の角膜内皮の細胞像を撮影する角膜内皮細胞撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、照明光源からの照明光を角膜に向けて斜めから照射し、その角膜からの反射光束を撮像素子により受光して非接触にて角膜内皮の細胞像を得る装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
例えば、特許文献1では、角膜上の撮影部位を選択するためのスイッチとして、角膜上部、中央、下部に対応するスイッチがそれぞれ設けられている。そして、ある選択スイッチが押されると、アライメント基準となるレチクルが移動される。それから、検者は、位置変更されたレチクルと、アライメント輝点が一致するようにアライメントを行った後、選択された角膜位置での細胞像を撮影する。
また、撮影部位を変更する構成としては、固視灯の点灯位置を変更する手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−189909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一回の内皮細胞の撮像範囲は限られており、細胞状態の適否を判断する上で不十分な場合がある。
そして、上記のように撮影位置を選択する装置の場合、異なる撮影位置での細胞画像を得ようとしても、その都度、撮影位置を選択する必要がある。
また、固視灯の位置を変更する場合、通常、眼の視線方向が変更され、固視状態が不安定となるため、時間がかかる。また、ある撮影位置近傍での内皮画像を一体的に取得するのは難しい。
【0006】
本発明は、上記問題点を鑑み、異なる撮影位置での細胞画像をスムーズに取得できる角膜内皮細胞撮影装置を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0008】
(1)
照明光源からの照明光を被検者眼角膜に向けて斜めから照射する照明光学系、角膜内皮細胞を含む前記角膜からの反射光を撮像素子により受光して角膜内皮細胞画像を取得する撮像光学系、を備える装置本体と、
被検者眼に対して前記装置本体を相対移動させる駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御することにより前記装置本体を上下左右方向に移動させ、上下左右方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により順次取得する連続撮影手段と、
を備えることを特徴とする。
(2)
各撮影位置での角膜に対する前後方向のアライメント状態を検出するZアライメント検出手段と、
前記Zアライメント検出手段の検出結果に基づいて前記装置本体の前後位置を調整するZ調整手段と、
を備えることを特徴とする(1)の角膜内皮細胞撮影装置。
(3)
角膜上における撮影範囲を予め設定する設定手段を備え、
前記連続撮影手段は、前記駆動手段の駆動を制御することにより、前記設定手段によって設定された撮影範囲における内皮画像が撮影されるように前記装置本体を移動させることを特徴とする(1)〜(2)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
(4)
前記設定手段は、モニタ上に表示された角膜画像上において撮影範囲を設定可能であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
(5)
前記連続撮影手段は、各撮影位置にて前記装置本体を前後方向に移動させ、前後方向に関する異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により連続的に取得することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
(6)
前記連続撮影手段は、前記装置本体を所定方向に直線的に移動させ、前記所定方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により連続的に取得することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
(7)
被検者眼の角膜中心に対する上下左右方向のアライメント状態を検出するXYアライメント検出手段と、
前記XYアライメント検出手段の検出結果に基づいて前記装置本体を移動させ、撮影位置を角膜中心近傍に調整するXY調整手段と、を備え、
前記連続撮影手段は、前記XY調整手段によって撮影位置が調整された後、前記装置本体を上下左右方向に移動させ、角膜中心近傍での内皮画像を前記撮像素子により順次取得することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記問題点を鑑み、異なる撮影位置での細胞画像をスムーズに取得できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の外観側方構成図である。
【0011】
装置100は、いわゆる据え置き型の装置であって、基台1と、基台1に取り付けられた顔支持ユニット2と、図示なき摺動機構により基台1上で移動可能に設けられた移動台3と、移動台3に対して移動可能に設けられ、後述する撮影系及び光学系を収納する撮影部(装置本体)4と、を備える。
【0012】
撮影部4は、移動台3に設けられたXYZ駆動部6により、被検眼Eに対して左右方向(X方向)、上下方向(Y方向)及び前後方向(Z方向)に移動される。移動台3は、ジョイスティック5の操作により、基台1上をXZ方向に移動される。また、検者が回転ノブ5aを回転操作することにより、撮影部4はXYZ駆動部6のY駆動によりY方向に移動される。ジョイスティック5の頂部には、スタートスイッチ5bが設けられている。表示モニタ95は、撮影部4の検者側に設けられている。なお、本実施形態では、図示なき摺動機構又はXYZ駆動部6により撮影部4が眼Eに対して相対的に移動される。
【0013】
なお、撮影部4を移動させる構成としては、メカニカルな摺動機構を設けず、駆動部6のモータの駆動によって撮影部4を左右眼に対して移動させる構成であってもよい。また、本装置は、ジョイスティック5のような手動用操作部材としてタッチパネルを有する構成であってもよい。
【0014】
図2は、撮影部4に収納された光学系を上方から見たときの光学配置と,制御系の構成の一例を示す概略構成図である。図3は第1投影光学系、第2投影光学系を被検者側からみたときの図である。光学系の全体構成は、照明光学系10、撮像光学系30、正面投影光学系50、第1投影光学系60a,60b、第2投影光学系65a〜65d(図3参照)、内部固視光学系70a〜70g、外部固視光学系75a〜75f、前眼部観察光学系80、Zアライメント検出光学系85、を有する。
【0015】
照明光学系10は、照明光源12からの照明光を角膜Ecに向けて斜めから照射する。照明光学系10は、内皮撮影用の可視光を発する照明光源(例えば、可視LED、フラッシュランプ)12、集光レンズ14、スリット板16、可視光反射・赤外透過のダイクロイックミラー18、投光レンズ20、を有する。照明光源12から発せられた光は、集光レンズ14を介してスリット板16を照明する。そして、スリット板16を通過したスリット光は、ダイクロイックミラー18を介して投光レンズ20によって収束され、角膜に照射される。ここで、スリット板16と角膜Ecは、対物レンズ20に関して略共役な位置に配置されている。
【0016】
撮像光学系30は、内皮細胞を含む角膜Ecからの反射光を撮像素子により受光することにより内皮細胞画像を取得する。撮像光学系30は、光軸L1に関して照明光学系10と左右対称であり、対物レンズ32、可視光反射・赤外透過のダイクロイックミラー34、マスク35、第1結像レンズ36、全反射ミラー38、第2結像レンズ42、内皮細胞像を取得するための専用の第1の二次元撮像素子(例えば、二次元CCD、CMOS、等)44を有する。マスク35は、対物レンズ32に関して角膜Ecと略共役な位置に配置されている。第1結像レンズ36、及び第2結像レンズ42は、内皮像を撮像素子44上に結像させる結像光学系を形成する。撮像素子44は、撮像光学系30のレンズ系に関して角膜Ecと略共役な位置に配置されている。
【0017】
照明光学系10による角膜反射光は、光軸L3方向(斜め方向)に向かい、対物レンズ32によって収束された後、ダイクロイックミラー34によって反射され、マスク35にて一旦結像され、内皮細胞像を取得する際にノイズとなる光が遮光される。そして、マスク35を通過した光は、第1結像レンズ36、全反射ミラー38、第2結像レンズ42を介して二次元撮像素子84に結像される。これにより、高倍率の角膜内皮細胞像が取得される。なお、撮像素子44の出力は、制御部90に接続され、取得された細胞像は、メモリ92に記憶される。また、細胞像はモニタ95に表示される。
【0018】
正面投影光学系50は、正面から角膜Ecに向けてアライメント指標を投影する。正面投影光学系50は、赤外光源51、投光レンズ53、ハーフミラー55、を有し、XYアライメント検出用の赤外光を観察光軸L1方向から角膜Ecに投影する。光源51から発せられた赤外光は、投光レンズ53により平行光束に変換された後、ハーフミラー55により反射され、角膜Ecの中心部に投影され、指標i10が形成される(図4参照)。
【0019】
第1投影光学系60a,60bは、斜めから角膜Ecに向けて無限遠のアライメント指標を投影する。第1投影光学系60a,60bは、光軸L1に対して所定の角度でそれぞれ傾斜して配置されている。第1投影光学系60a,60bは、赤外光源61a、61bと、コリメータレンズ63a、63bと、をそれぞれ有し、光軸L1を挟んで左右対称に配置され、眼Eに対して無限遠の指標を投影する(図2参照)。なお、第1投影光学系60a,60bは、光軸L1を通る水平方向と略同一経線上に配置されている(図3参照)。
【0020】
光源61a、61bから出射された光は、コリメータレンズ63a、63bによりそれぞれコリメートされた後、角膜Ecに投影され、指標i20、i30が形成される(図4参照)。
【0021】
第2投影光学系65a〜65dは、複数の斜め方向から角膜Ecに向けて有限遠のアライメント指標をそれぞれ投影する。第2投影光学系65a〜65dは、光軸L1に対しそれぞれ傾斜して配置されている。第2投影光学系65a〜65dは、赤外光源66a〜66dをそれぞれ有し、光軸L1を挟んで左右対称に配置され、眼Eに対して有限遠の指標を投影する。なお、第2投影光学系65a、65bは、光軸L1に対して上方に配置され、Y方向に関して互いに同じ高さに配置されている。また、第2投影光学系65c、65dは、光軸L1に対して下方に配置され、Y方向に関して互いに同じ高さに配置されている。また、第2投影光学系65a、65bと、第2投影光学系65c、65dは、光軸L1を挟んで上下対称な関係で配置されている。
【0022】
ここで、光源66a、66bからの光は角膜Ecの上部に向けて斜め上方向から照射され、光源66a、66bの虚像である指標i40、i50が形成される。また、光源66c、66dからの光は角膜Ecの下部に向けて斜め下方向から照射され、光源66c、66dの虚像である指標i60、i70が形成される(図4参照)。
【0023】
上記のような指標投影光学系によれば、指標i10は、眼Eの角膜頂点に形成される(図4参照)。また、第1投影光学系60a、60bによる指標i20、i30は、指標i10と同じ水平位置において、指標i10に関し左右対称に形成される。さらに、第2投影光学系65a、65bによる指標i40、i50は、指標i10より上方において、指標i10に関し左右対称に形成される。第2投影光学系65c、65dによる指標i60、i70は、指標i10より下方において、指標i10に関し左右対称に形成される。
【0024】
内部固視光学系70a〜70gは、眼Eに対して内部から固視標を投影する。内部固視光学系70a〜70gは、可視光源(固視灯)71a〜71g、投光レンズ73、可視反射・赤外透過のダイクロイックミラー74、を有する。光源71から発せられた可視光は、投光レンズ73により平行光束に変換された後、ダイクロイックミラー74により反射され、眼Eの眼底に投影される。また、図示無き外部固視光学系が前述の第1投影光学系及び第2投影光学系の近傍に配置される。
【0025】
内部固視光学系70a〜70iは、光軸L4に対して直交する方向に関して異なる位置に配置される複数の固視標を有し、眼Eの固視方向を各方向に誘導する。内部固視光学系70a〜70iは、撮影部3の内部に設けられる。例えば、可視光源71aは、光軸L4近傍に配置され、眼Eを正面方向に誘導することにより角膜の中心部の内皮画像を得るために用いられる。また、複数の可視光源71b〜71iは、光軸L4を中心とする同一円周上に配置され、被検者から見て、所定角度毎に配置されている。図2では、0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、305度の各位置に45度ずつ配置されている。可視光源71b〜71iは、眼Eの視線方向を周辺方向に誘導することにより角膜中心の周辺における内皮画像を得るために用いられる。
【0026】
外部固視光学系75a〜75fは、外部から固視標を投影する。外部固視光学系75a〜75fは、XY方向に関して異なる位置に配置される複数の固視標を有し、被検眼の固視方向を内部固視光学系70より大きく振らせる。外部固視光学系75a〜75fは、撮影部3の外側であって、眼E側に設けられる。例えば、外部固視光学系75a〜75fは、可視光源(固視灯)76a〜76fを有し、光軸L1を中心とする同一円周上で、被検者から見て、2時、4時、6時、8時、10、12時の各位置に配置されている。可視光源76a〜76fは、眼Eの視線方向を周辺方向に誘導することにより角膜の周辺部における内皮画像を得るために用いられる。この場合、可視光源71b〜71gによって取得される画像よりさらに外側の内皮細胞像が取得される。
【0027】
例えば、角膜下部を撮影する場合、固視灯(固視標)の位置が上方に設定され、眼Eの固視が上方向に誘導される。また、角膜上部を撮影する場合、固視灯(固視標)の位置が下方に設定され、眼Eの固視が下方向に誘導される。
【0028】
図2に戻る。前眼部観察光学系80は、前眼部像を正面から観察する。前眼部観察光学系80は、対物レンズ82、前眼部正面像を取得するための二次元撮像素子84、を有し、第1の撮像素子44とは異なる第2の撮像素子84を有し、前眼部像及びアライメント指標を第2撮像素子84により撮像する。二次元撮像素子84としては、例えば、2次元CCDイメージセンサ(Charge coupled device image sensor)、二次元CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)が用いられる。
【0029】
図示なき前眼部照明光源により照明された前眼部は、ダイクロイックミラー75、ハーフミラー55、対物レンズ82を介して二次元撮像素子84に撮像される。また、同様に、正面投影光学系50、第1投影光学系60a,60bと、第2投影光学系65a〜65d、による角膜反射像は二次元撮像素子84に受光される。
【0030】
撮像素子84の出力は制御部90に接続され、図4に示すように、モニタ95には、撮像素子84によって撮像された前眼部像が表示される。なお、モニタ95上に電子的に表示されるレチクルLTは、XYアライメントの基準を示している。なお、観察光学系80は、眼Eに対する撮影部4のアライメント状態を検出するための検出光学系を兼用する。
【0031】
Zアライメント検出光学系85は、眼Eに対する撮影部4のZ方向におけるアライメント状態を検出する。Zアライメント検出光学系85は、角膜Ecに向けて斜め方向から検出用光束を投光する投光光学系85aと、投光光学系85aによる角膜反射光束を受光する受光光学系85bと、を有する。そして、投光光学系85aの光軸L2と受光光学系85bの光軸L3は、観察光軸L1に関して左右対称な位置に配置される。
【0032】
投光光学系85aは、例えば、赤外光を発する照明光源86、集光レンズ87、ピンホール板88、レンズ20からなる。ここで、ピンホール板88と角膜Ecは、レンズ20に関して略共役な位置に配置される。受光光学系85bは、例えば、レンズ32、一次元受光素子(ラインセンサ)89からなる。ここで、一次元受光素子89と角膜Ecは、レンズ32に関して略共役な位置に配置される。
【0033】
光源86から出射された赤外光は、集光レンズ87を介してピンホール板88を照明する。そして、ピンホール板88の開口を通過した光は、レンズ20を介して角膜Ecに投光される。そして、その角膜反射光は、レンズ32、ダイクロイックミラー34を介して受光素子89にて受光される。
【0034】
受光素子89の出力は制御部90に接続され、眼Eに対するZアライメント検出に利用される。ここで、受光素子89上に受光されるアライメント光束は、Z方向における撮影部4と眼Eとの位置関係によって受光位置が変化される。例えば、制御部90は、受光素子89からの検出信号において角膜反射光の位置を検出し、Z方向のアライメント状態を検出する。なお、受光素子89を用いたアライメント検出は、眼Eに対する精密なアライメントのために利用される。
【0035】
制御部90は、装置全体の制御を行う。そして、制御部90には、回転ノブ5a、スタートスイッチ5b、XYZ駆動部6、二次元撮像素子44、84、各光源、記憶手段としてのメモリ92、モニタ95、操作部96、が接続されている。
【0036】
例えば、制御部90は、モニタ95の表示を制御する。また、制御部90は、アライメント指標の受光結果に基づいてXYZ方向における眼Eに対する撮影部4のアライメント状態を検出する。そして、制御部90は、その検出結果に基づいて撮影部4の移動を指令する信号を出力する。また、制御部90は、受光素子89の受光結果に基づいて眼Eに対する撮影部4のZ方向のアライメント状態を検出する。
【0037】
以上のような構成を備える装置において、その動作について説明する。図4は角膜中心部の内皮を撮影する場合の前眼部観察画面の一例を示す図であり、図4(a)はアライメントずれがある場合の表示例であり、図4(b)はアライメントが適正な状態における表示例である。
【0038】
この場合、光源71aが点灯され、眼Eの固視方向が正面に誘導される。まず、検者は、被検者に固視標を注視させる。また、モニタ95に表示された前眼部像を観察しながら、眼Eに対する撮影部4のアライメントを行う。
【0039】
上記のようにしてラフなアライメントが行われると、図4(a)に示すように、拡散光による角膜指標像が撮像素子64の受光面に検出される。制御部90は、画像の左上の座標位置から、画面の右下に向かって輝点を探索する。そして、指標i40、i50、i60、i70が検出されるようになると、制御部90は、検出された輝点の位置を検出する。
【0040】
そして、制御部90は、指標i40、i50、i60、i70からなる矩形の中心位置を略角膜頂点として検出し、XY方向におけるアライメントずれ方向/偏位量を検出する。そして、制御部90は、駆動部6の駆動を制御し、アライメントずれが所定のアライメント許容範囲に入るように撮影部4をXY方向に移動させる。これにより、広範囲での自動アライメントが可能となる。
【0041】
以上のようにして撮影部4が移動され、指標像i10が検出されると、制御部90は、上記指標像i40〜i70によるアライメントを終了し、指標像i10を用いたアライメントを行う。ここで、制御部90は、指標像i10と、指標像i40〜i70とをその位置関係から判別する。
【0042】
そして、制御部90は、指標像i10の座標位置を略角膜頂点として検出し、XY方向におけるアライメントずれ方向/偏位量を検出する。そして、制御部90は、駆動部6の駆動を制御し、アライメントずれが所定のアライメント許容範囲内に入るように撮影部4をXY方向に移動させる。
【0043】
また、上記のようにして指標像i10が検出されるようになると、同様に、無限遠の指標像i20、i30が検出される。そこで、制御部90は、前述のように検出される無限遠の指標像i20、i30の間隔と有限遠の指標像i60、i70の間隔とを比較することによりZ方向のアライメントずれ方向/偏位量を求める(第1のアライメント検出)。そして、制御部90は、Z方向のアライメントずれが所定のアライメント許容範囲に入るように撮影部4をZ方向に移動させる(第1自動アライメント)。
【0044】
この場合、制御部90は、測定部3が作動距離方向にずれた場合に、前述の無限遠指標i20、i30の間隔がほとんど変化しないのに対して、有限遠の指標像i60、i70の像間隔が変化するという特性を利用して、Z方向のアライメントずれを求める(詳しくは、特開平6−46999号参照)。なお、指標像i60、i70の代わりに、指標像i40、i50が利用されてもよい。また、光軸L1からの指標の距離(指標高さ)に基づいてZアライメントが検出されてもよい。
【0045】
そして、制御部90は、第1のZアライメント検出においてアライメント状態が適正と判定されると、第1自動アライメントの作動を停止し、検出光学系85を用いた第2のZアライメント検出及びその検出結果に基づく第2の自動アライメントを作動させる。
【0046】
制御部90は、光源86を点灯させアライメント光束を角膜Ecに投光する(光源86を予め点灯させていてもよい)と共に、その角膜反射光束を受光素子89にて検出する。そして、制御部90は、受光素子89からの受光結果に基づいて駆動部6の駆動を制御し、撮影部4をZ方向に移動させる。
【0047】
例えば、制御部90は、受光素子89から出力される受光信号に基づいて角膜上皮からの反射光束に対応するピークPを検出し、受光素子89上における上皮ピークの位置Pzを検出する(図5参照)。そして、制御部90は、上皮からの反射光束による受光信号のピークが受光素子89上の所定位置(例えば、中心位置)にくるように駆動部6を駆動させる。
【0048】
前述したアライメント動作によって、XYZ方向のアライメント状態がアライメント完了の条件を満たしたら、制御部90は、XYZ方向のアライメントが合致したと判定し、トリガ信号を発する。
【0049】
制御部90は、トリガ信号が発せられると、照明光源12を発光させ、可視照明光による角膜内皮細胞像を二次元撮像素子44にて取得する。その後、制御部90は、光源12を点灯させると共に、駆動部6の駆動を制御して、撮影部4を眼Eに向かって前進させていく。
【0050】
光源12は、二次元撮像素子44のフレームレートに同期して連続的に点滅される。例えば、一枚の撮像時間が30msの場合、画像の取得開始から数msの間、光源12が点灯され、その後、消灯される。そして、次の画像の取得が開始されると、光源12が点灯される。すなわち、このような点滅動作が繰り返される。
【0051】
二次元撮像素子44は、そのフレームレートに合わせて撮像信号を随時制御部90に出力する。これにより、内皮の撮像画像が複数取得される。そして、制御部90は、出力画像の内、ある条件(例えば、内皮細胞像が適正に取得されている)を満たす画像を静止画としてメモリ92に記憶させる。これにより、内皮細胞像が撮影される。この場合、制御部90は、予め設定された所定枚数をメモリ92に記憶するようにしてもよい。そして、制御部90は、メモリ92に記憶された撮影画像をモニタ95に出力する。
【0052】
<XY方向連続撮影> 概して、制御部90は、駆動部6の駆動を制御することにより撮影部4をXY方向に移動させ、XY方向に関して異なる角膜位置での細胞画像を連続的に撮影する。例えば、制御部90は、XY方向に関して撮影部4を直線的に移動させ、内皮画像を連続的に取得する。
【0053】
図6は角膜上に設定された撮影範囲の一例を示す図である。撮影範囲Pは、例えば、角膜中心P1を中心として上下・左右・斜めの少なくともいずれかに存在する複数個の撮影部位を含む。この場合、例えば、角膜中心と観察光軸L1が合致したときのアライメント位置が基準位置として設定され、各撮影部位に対応する撮影位置への撮影部4の移動量が設定される。
【0054】
図6では、撮影範囲Pは、撮影部位P1〜撮影部位P9の9個の部位に対応する。撮影範囲Pは、ある直線方向(例えば、左右方向)に関して撮影部位が一列に並ぶような範囲であってもよいし、サークル状に撮影部位が並ぶような範囲であっても良い。また、撮影範囲Pは、予め設定された範囲であってもよいし、検者によって設定される範囲であってもよい(詳しくは後述する)。また、複数種の撮影範囲が予め用意され、検者によってある撮影範囲が設定されるようにしてもよい。
【0055】
次に、制御部90は、駆動部6の駆動を制御して、各撮影部位に対応する位置に向けて撮影部4を移動させる。なお、各撮影部位への撮影順序については予め設定される。例えば、制御部90は、撮影部位P1を起点として、撮影部位P2、P3、・・・順で、撮影部4が所定の軌跡(拡大図の矢印参照)を描くように撮影部4を移動させる。そして、制御部90は、各撮影位置において、照明光源12を発光させ、内皮細胞像を撮像素子44にて順次取得する。そして、取得された細胞像は、各撮影部位P1〜P9と対応付けされ、メモリ92に記憶される。
【0056】
なお、制御部90は、撮影部4を撮影範囲P内で連続的に移動させ、その移動中に照明光源12を連続発光(常時点灯、所定間隔でのフラッシュを含む)させることにより、細胞像を連続的に撮影するようにしてもよい。また、制御部90は、各撮影位置にて撮影部4を停止させた状態で細胞像を撮影するようにしてもよい。
【0057】
以上のようにして連続撮影が完了したら、制御部90は、図7に示すように、撮影部位間の位置関係に合わせた表示形式にて各細胞像をモニタ95の画面上に表示する。表示形式としては、これに限定されず、制御部90は、所定数の列(例えば、2列)にて各細胞像を並列表示するようにしてもよい。また、制御部90は、所定数(例えば、3つ)の画像をモニタ95上に表示し、検者の操作に応じて画像を更新するようにしてもよい。
【0058】
以上のようにすれば、眼Eの視線方向を変更することなく、角膜中心近傍での複数位置に関する細胞像をスムーズに取得できる。例えば、一定の位置での内皮撮影と比較すると、広い撮影範囲で細胞像が得られる。
【0059】
なお、上記説明においては、固視位置が中心に固定された状態でXY方向に関して異なる部位への連続撮影を行う構成としたが、これに限定されない。すなわち、眼Eの固視方向が、ある方向に固定された状態において、眼Eに対する撮影部4のXY位置を変更することにより複数の細胞像を連続的に取得する構成であればよい。例えば、固視位置が上方に固定された状態で,XY方向に関して異なる部位への連続撮影を行う。これにより、角膜の周辺部の下方における細胞像が広い撮影範囲で得られる。
【0060】
なお、上記XY連続撮影において、制御部90は、各撮影位置において、前後方向に関する異なる位置にて内皮細胞を連続撮影するようにしてもよい。例えば、制御部90は、各撮影位置にて撮影部4を前後方向に移動させ、前後移動中に照明光源12を連続発光させ、各位置での細胞像を複数取得する。
【0061】
この場合、制御部90は、XY方向に関して撮影部4の移動を停止させた状態で撮影部4をZ方向に移動させながら連続撮影を行うようにしてもよい。また、制御部90は、XY方向の移動中に撮影部3をZ方向に移動させながら連続撮影を行うようにしてもよい。
【0062】
<各撮影位置に対するZアライメント判定及び位置調整> 上記XY連続撮影において、XY方向での位置が変更される場合、Z方向に関するアライメントがずれてしまう可能性がある。例えば、角膜は曲面形状であるから、Z方向における内皮位置は、撮影部位によって異なる。そこで、制御部90は、上記XY連続撮影の作動中において、Z方向に関する自動アライメントを行うようにしてもよい。
【0063】
例えば、制御部90は、撮像素子44にて取得される撮像画像を画像処理により解析し、内皮細胞像が取得された撮像画像か否かを判定する。そして、制御部90は、その判定結果を用いて、撮像画像中に内皮細胞像が含まれるように撮影部4を前後方向に移動させる。この場合、内皮細胞像の輝度レベル及び面積を利用して内皮細胞像の有無を判定してもよいし、撮像素子44上の内皮細胞像の位置が所定位置か否かを判定するようにしてもよい。
【0064】
図8は撮像素子によって撮像される内皮細胞像を用いてZ方向のアライメントを検出する場合の一例を示す図である。撮影部位P1に対応する第1の内皮画像を取得する場合、制御部90は、駆動部6の駆動を制御し、撮影部位P1に対する自動アライメントを作動させる。そして、XYZのアライメントが完了したら、制御部90は、撮影部4を前進させていき、内皮画像を連続的に撮影する。
【0065】
ここで、制御部90は、照明光源12を連続的に点灯させ、撮像素子44によって取得される撮影画像中に内皮細胞像が含まれるように、駆動部6の駆動を制御する。例えば、制御部90は、図8に示すように、内皮像Nの輝度分布による第1エッジN1と第2エッジを画像処理(例えば、エッジ検出)により検出し、第1エッジN1と第2エッジN2の中間位置Ncを検出する。なお、制御部90は、輝度、出現順序等によって、上皮像と内皮像を判別できる。
【0066】
内皮像Nの中心位置Ncが検出されると、制御部90は、中心位置Ncが撮像素子44上の所定位置Cに形成されるように、駆動部6の駆動を制御する。そして、撮像素子44の中心に内皮像Nが取得された画像が取得されると、制御部90は、撮影部位P1の撮影完了と判断する。
【0067】
その後、制御部90は、撮影部4をXY方向に移動させ、撮影部位P2〜P9に対し、撮影部4を順次移動させる。ここで、制御部90は、撮影部4のXY方向への移動に加えて、制御部90は、撮像素子44上の所定位置Cに対する中心位置NcのずれΔZを検出し、そのずれΔZが許容範囲内に収まるように撮影部3を移動させる。制御部90は、ずれΔZが許容範囲内であれば、Z方向における駆動部6の駆動を停止する一方、ずれΔZが許容範囲外であれば、Z方向に関して駆動部6の駆動を制御することにより、ずれが解消される方向に撮影部3を移動させる。
【0068】
このようにすれば、XY方向に関して撮影位置が変更される場合であっても、Z方向のアライメント位置が調整されるため、各撮影位置での細胞像が安定して得られる。
【0069】
なお、制御部90は、第1の撮影部位P1に対応する第1位置(他の撮影位置でもよい)にて内皮像が取得されたときのZ方向のアライメント位置情報Zaを受光素子89の受光結果に基づいて取得し、位置情報Zaに対応するアライメント位置に撮影部3が移動されるように駆動部6の駆動を制御するようにしてもよい。
【0070】
制御部90は、第1位置にて内皮像が取得されたときの受光素子89の受光結果をメモリ92に記憶させておく。そして、XY方向に関する連続撮影中において、制御部90は、受光素子89から出力される受光信号に基づいてZ方向におけるアライメント状態を検出する。そして、制御部90は、受光素子89の受光結果が位置情報Zaになるように駆動部6のフィードバック制御を行う。
【0071】
例えば、制御部90は、内皮像が取得されたときの上皮の位置をメモリ92に記憶し、メモリ92に記憶された位置に上皮が受光されるように駆動部6のフィードバック制御を行うようにしてもよい。
【0072】
また、制御部90は、受光素子89によるアライメント検出において、内皮反射に対応する受光信号を検出するようにしてもよい。例えば、XY方向に関する連続撮影中において、制御部90は、内皮からの反射光束による受光信号のピークが受光素子89上の所定位置(例えば、中心位置)にくるように駆動部6のフィードバック制御を行う。
【0073】
<各撮影位置に対するXYアライメント判定> なお、上記装置において、眼Eに対する撮影部4の相対位置を検出し、その検出結果に基づいて、各撮影位置へのアライメント誘導・アライメント判定を行うようにしてもよい。
【0074】
概して、制御部90は、XYアライメントの検出結果に基づいて撮影部4を移動させ、撮影位置を角膜中心近傍に調整する。そして、制御部90は、角膜中心近傍に撮影位置が調整された後、撮影部4を上下左右方向に移動させ、角膜中心近傍での内皮画像を撮像素子44により順次取得する。この場合、例えば、角膜中心部撮影用の固視灯を被検者眼が視認できる範囲内であれば、撮影位置の調整が可能である。
【0075】
例えば、制御部90は、各撮影位置に対して自動アライメントを作動させることにより、各撮影位置に撮影部4を順次自動的に移動させる。そして、各撮影位置での内皮細胞像を取得する。このとき、制御部90は、撮影位置の変更に応じて眼Eに対する撮影部4のアライメント完了位置を変更する。
【0076】
図9は、各撮影位置に対応する指標像i10の受光位置を表す。例えば、各撮影位置P1〜P9に関して、撮像素子84上におけるアライメント完了位置が設定され、予めメモリ92に記憶される。このとき、角膜中心と光軸L1が一致された位置が基準位置O1として用いられる。言い換えれば、各撮影位置P1〜P9に関して、光軸L1が撮影位置にアライメントされた状態での受光位置K1と基準位置O1との間の距離がオフセット量として設定される。
【0077】
図10はある撮影部位(P2)の内皮細胞像を取得する際のアライメント検出手法の一例を示す図である。撮影部位P1に対応する内皮像を取得するとき、制御部90は、基準位置O1と受光位置K1とのアライメント偏位量Δd1を検出する。そして、制御部90は、偏位量Δd1が許容範囲内に入るように駆動部6を駆動させた後、内皮像を撮像する。
【0078】
撮影部位P1での撮影が終了したら、制御部90は、基準位置O1と受光位置K1とのアライメント偏位量Δd1に対し、撮影位置P2に対応するオフセット量ΔPを差し引く。そして、制御部90は、偏位量Δd1に対してオフセット量ΔPがかけられたアライメント偏位量Δd2を検出する。
【0079】
そして、制御部90は、偏位量Δd2が許容範囲内に入るように駆動部6を駆動させた後、内皮像を撮像する。その後、制御部90は、撮影位置を変更し、変更された撮影位置に対する自動アライメント及び撮影を順次行う。
【0080】
このようにすれば、XY方向に関する連続撮影を行う場合、設定された各撮影位置での細胞像を安定的に取得できる。
【0081】
なお、上記説明において、角膜輝点を検出することにより眼Eに対するアライメント状態を検出する構成としたが、これに限定されない。眼Eの特徴部位を画像処理で検出することによりアライメント状態を検出してもよい。例えば、眼Eの瞳孔中心を検出することによりアライメントを検出する。このとき、瞳孔中心と光軸L1が一致された位置が前述の基準撮影位置として用いられるようにしてもよい。
【0082】
<検者による撮影範囲の変更>
図11はモニタ95上で撮影範囲Pを設定する場合の一例を示す図である。モニタ95に表示された前眼部上において撮影範囲を設定する場合、制御部90は、撮影範囲に対応するフレームFをモニタ95上に電子的に表示するようにしてもよい。そして、制御部90は、撮影範囲を変更するために設定された所定の操作部材からの操作信号に基づいて、モニタ95の画面上に表示されたフレームFの位置、大きさを変更する。
【0083】
撮影範囲を設定するための操作部材としては、例えば、操作部96に設けられた所定のスイッチが用いられる。また、モニタ95の画面上に形成されるタッチパネルであってもよい。
【0084】
制御部90は、操作部材に基づくフレームFの変更に応じて撮影範囲を変更する。この場合、モニタ95におけるフレームFの表示位置と、眼Eに対する撮影部4の相対位置との対応関係が予めメモリ95に記憶される。撮影範囲内におけるXY方向の撮影位置については、各撮影位置が所定の間隔で設定されてもよいし、各撮影位置が任意に設定されてもよい。
【0085】
フレームFが調整された後、撮影スイッチ5bが押されると、制御部90は、設定された撮影範囲における内皮画像が撮影されるように撮影部4を順次移動させ、各撮影位置における細胞像を取得する。
【0086】
なお、上記のように連続撮影を行う場合において、内部固視光学系70は、眼Eに対して無限遠の光束を投影する構成であることが好ましい。このようにすれば、眼Eに対して撮影部4がXY方向に移動された場合であっても、眼Eの視線方向が保持されるため、異なるXY位置での細胞像が安定的に取得される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の外観側方構成図である。
【図2】撮影部に収納された光学系を上方から見たときの光学配置と,制御系の構成の一例を示す概略構成図である。
【図3】第1投影光学系、第2投影光学系を被検者側からみたときの図である。
【図4】角膜中心部の内皮を撮影する場合の前眼部観察画面の一例を示す図であり、図4(a)はアライメントずれがある場合の表示例であり、図4(b)はアライメントが適正な状態における表示例である。
【図5】ラインセンサ上に検出された上皮ピークについて示す図である。
【図6】角膜上に設定された撮影範囲の一例を示す図である。
【図7】撮影部位間の位置関係に合わせた表示形式にて各細胞像をモニタの画面上に表示する場合の一例を示す図である。
【図8】撮像素子によって撮像される内皮細胞像を用いてZ方向のアライメントを検出する場合の一例を示す図である。
【図9】各撮影位置に対応する指標像i10の受光位置を表す図である。
【図10】ある撮影部位(P2)の内皮細胞像を取得する際のアライメント検出手法の一例を示す図である。
【図11】モニタ上で撮影範囲Pを設定する場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
4 撮影部(装置本体)
6 駆動部
10 照明光学系
12 照明光源
30 撮像光学系
44 撮像素子
80 前眼部観察光学系
85 Zアライメント検出光学系
85a 投光光学系
85b 受光光学系
90 制御部
95 モニタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光源からの照明光を被検者眼角膜に向けて斜めから照射する照明光学系、角膜内皮細胞を含む前記角膜からの反射光を撮像素子により受光して角膜内皮細胞画像を取得する撮像光学系、を備える装置本体と、
被検者眼に対して前記装置本体を相対移動させる駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御することにより前記装置本体を上下左右方向に移動させ、上下左右方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により順次取得する連続撮影手段と、
を備えることを特徴とする角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項2】
各撮影位置での角膜に対する前後方向のアライメント状態を検出するZアライメント検出手段と、
前記Zアライメント検出手段の検出結果に基づいて前記装置本体の前後位置を調整するZ調整手段と、
を備えることを特徴とする請求項1の角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項3】
角膜上における撮影範囲を予め設定する設定手段を備え、
前記連続撮影手段は、前記駆動手段の駆動を制御することにより、前記設定手段によって設定された撮影範囲における内皮画像が撮影されるように前記装置本体を移動させることを特徴とする請求項1〜2のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項4】
前記設定手段は、モニタ上に表示された角膜画像上において撮影範囲を設定可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項5】
前記連続撮影手段は、各撮影位置にて前記装置本体を前後方向に移動させ、前後方向に関する異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により連続的に取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項6】
前記連続撮影手段は、前記装置本体を所定方向に直線的に移動させ、前記所定方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により連続的に取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項7】
被検者眼の角膜中心に対する上下左右方向のアライメント状態を検出するXYアライメント検出手段と、
前記XYアライメント検出手段の検出結果に基づいて前記装置本体を移動させ、撮影位置を角膜中心近傍に調整するXY調整手段と、を備え、
前記連続撮影手段は、前記XY調整手段によって撮影位置が調整された後、前記装置本体を上下左右方向に移動させ、角膜中心近傍での内皮画像を前記撮像素子により順次取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項1】
照明光源からの照明光を被検者眼角膜に向けて斜めから照射する照明光学系、角膜内皮細胞を含む前記角膜からの反射光を撮像素子により受光して角膜内皮細胞画像を取得する撮像光学系、を備える装置本体と、
被検者眼に対して前記装置本体を相対移動させる駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御することにより前記装置本体を上下左右方向に移動させ、上下左右方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により順次取得する連続撮影手段と、
を備えることを特徴とする角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項2】
各撮影位置での角膜に対する前後方向のアライメント状態を検出するZアライメント検出手段と、
前記Zアライメント検出手段の検出結果に基づいて前記装置本体の前後位置を調整するZ調整手段と、
を備えることを特徴とする請求項1の角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項3】
角膜上における撮影範囲を予め設定する設定手段を備え、
前記連続撮影手段は、前記駆動手段の駆動を制御することにより、前記設定手段によって設定された撮影範囲における内皮画像が撮影されるように前記装置本体を移動させることを特徴とする請求項1〜2のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項4】
前記設定手段は、モニタ上に表示された角膜画像上において撮影範囲を設定可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項5】
前記連続撮影手段は、各撮影位置にて前記装置本体を前後方向に移動させ、前後方向に関する異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により連続的に取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項6】
前記連続撮影手段は、前記装置本体を所定方向に直線的に移動させ、前記所定方向に関して異なる撮影位置での内皮画像を前記撮像素子により連続的に取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【請求項7】
被検者眼の角膜中心に対する上下左右方向のアライメント状態を検出するXYアライメント検出手段と、
前記XYアライメント検出手段の検出結果に基づいて前記装置本体を移動させ、撮影位置を角膜中心近傍に調整するXY調整手段と、を備え、
前記連続撮影手段は、前記XY調整手段によって撮影位置が調整された後、前記装置本体を上下左右方向に移動させ、角膜中心近傍での内皮画像を前記撮像素子により順次取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの角膜内皮細胞撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−213524(P2012−213524A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81048(P2011−81048)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000135184)株式会社ニデック (745)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000135184)株式会社ニデック (745)
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