解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置
【課題】解剖台の上層流状送風手段からの風速を、解剖台の吸引口へ吸引される風速より小とすることにより、被剖検体からホルムアルデヒドが剖検者の顔面部分まで拡散上昇することなく、解剖台の吸引口より吸引して除去して、前記剖検者がホルムアルデヒドを吸引することなく、安全に解剖作業ができるようにする。
【解決手段】解剖台１の四側外周縁に突設された縁枠２に、被剖検体Ｂから発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸引口３を備えた解剖台１の上面天井６部分に、層流状送風手段８を設置し、該層流状送風手段８から前記解剖台１上に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段８からの風速を、解剖台１の吸引口３へ吸引される風速より小とする。
【解決手段】解剖台１の四側外周縁に突設された縁枠２に、被剖検体Ｂから発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸引口３を備えた解剖台１の上面天井６部分に、層流状送風手段８を設置し、該層流状送風手段８から前記解剖台１上に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段８からの風速を、解剖台１の吸引口３へ吸引される風速より小とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置に関し、例えば、医学部の学生等の剖検者が解剖実習を受ける際に、ホルマリン処理され、解剖台上に載置された被剖検体から発する有害な気体であるホルムアルデヒドの拡散を防止することにより、剖検者の健康を損なうことなく、解剖実習を安全に受けることができる解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えば、医学部の学生等の複数の剖検者が、解剖台を取り囲んで、ホルマリン処理された被剖検体を解剖する解剖実習を受ける場合、解剖により被剖検体から人体にとって有害なホルムアルデヒドが発散し、剖検者がそれを吸引して体調を崩す例が非常に多く見受けられる。また、遺体を解剖台上に載置して、ホルマリンによる防腐処理をする場合、前記と同様にホルムアルデヒドが発散し、作業者が体調を崩すことも多い。
【０００３】
そして、前記ホルムアルデヒドによる剖検者への悪影響を予防する方法として、現在解剖台の四側外周縁に突設された縁枠に、被剖検体から発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸気口を備えた、例えば、下記の特許文献１に開示されているような解剖台が実用に供されている。
【０００４】
また、下記の特許文献２には、解剖台の上面天井部分に送風用ブロア、ＨＥＰＡフィルタおよびハニカム構造の整流格子を備えたエア浄化装置を設置したものが開示されており、前記エア浄化装置からエアを被剖検体に送風することにより、前記エアが、該被剖検体の処理において発生した、微粉塵、体液（血液等）、ウイルス、細菌等を含有する浮遊微粉塵等を含むと共に、該エアをフードにより受けて、吸引口から吸引ダクトに吸引される旨記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００７−２４４７６２号公報
【特許文献２】特開２００１−６１９０９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
前記特許文献１記載のような吸気口を備えた、従来実用に供されている解剖台では、例えば、解剖実習時において、被剖検体から気化したホルムアルデヒドが、前記吸気口から吸引されずに上昇拡散して、剖検者が吸引してしまうという課題があった。
【０００７】
また、前記特許文献２には、解剖台の上面天井部分に取り付けられたエア浄化装置からエアを被剖検体に送風することにより、該被剖検体の処理において発生した、微粉塵、体液（血液等）、ウイルス、細菌等を含有する浮遊微粉塵等を含んだエアを、フードにより受けて吸引口から吸引ダクトに吸引される旨記載されているが、該被剖検体から発するホルムアルデヒドをフードで受けて、吸引口から吸引して排気する旨の記載は全くされていないので、前記エア浄化装置から被剖検体に送風されたエアが、該被部検体に当ってバウンドし、ほとんどのエアが吸引口から吸引されず、該エアによって被剖検体からホルムアルデヒドが拡散上昇して、剖検者が吸引してしまうという課題があった。
【０００８】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、解剖台の四側外周縁に突設された縁枠に、被剖検体から発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸引口を備えた解剖台の上面天井部分に、層流状送風手段を設置し、該層流状送風手段から前記解剖台上に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段からの風速を、解剖台の吸引口へ吸引される風速より小とすることにより、被剖検体からホルムアルデヒドが拡散上昇することなく、該ホルムアルデヒドを解剖台の吸引口より吸引して除去して、剖検者がホルムアルデヒドを吸引することのない、解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明は、解剖台の四側外周縁に突設された縁枠に、被剖検体から発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸引口を備えた解剖台の上面天井部分に層流状送風手段を設置し、該層流状送風手段から前記解剖台上に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段からの風速を、解剖台の各吸引口へ吸引される風速より小とするという手段を採用することにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【００１０】
本発明は、層流状送風手段からの風速を、解剖台の吸引口へ吸引される風速より小とすることにより、被剖検体からホルムアルデヒドが剖検者の顔面部分まで拡散上昇することなく、解剖台の吸引口より吸引して除去して、前記剖検者がホルムアルデヒドを吸引することなく、安全に解剖することができるという優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の全体を示す概略縦断面図である。
【図２】本発明の実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の要部を示す概略縦断面図である。
【図３】本発明の実施例２による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の要部を示す概略縦断面図である。
【図４】本発明の実施例３による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の要部を示す概略縦断面図である。
【実施例１】
【００１２】
本発明の実施例１を図１および図２に基づいて詳細に説明する。本発明の実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置は、特許文献１に開示されているような解剖台１を、本発明の実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置を構成する解剖台として使用する。すなわち、本発明における解剖台１は、該解剖台１の四側外周縁に突設された縁枠２に被剖検体Ｂから発するホルムアルデヒドを吸引し除去するための吸引口３を備えている。
【００１３】
そして、前記解剖台１の被剖検体Ｂから発するホルムアルデヒドを吸引口３から、図示していない吸引ファンを作動させて吸引すると、該吸引されたホルムアルデヒドは、前記解剖台１の下面の吸引ボックス４へ吸引された後、該吸引ボックス４から解剖室５の天井６を貫通して屋外まで延長して開口された排気パイプ７を介して屋外へ排気される。なお、前記排気パイプ７は、図１に示す天井６ではなく、床や壁面を貫通して取り付けてもよい。
【００１４】
前記排気パイプ７を介して屋外へ排気されたホルムアルデヒドは、図示していない従来公知のガス吸着手段等の有害気体の除去手段により除去され、無害化して大気中へ排気される。
【００１５】
前記構成より成る解剖台１上の天井６の下面には、層流状送風手段８が垂設されている。すなわち、層流状送風手段８は、前記解剖台１の上方より、被剖検体Ｂを含む前記吸引口３の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台１より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部９を備えた断面逆凹状のケーシング１０の天板１１に、送風ダクト１２の下流端を連通する連通口１３を開口する一方、前記送風ダクト１２は、その下流端部が前記ケーシング１０の連通口１３に開口連通されると共に、該送風ダクト１２の上流側は、天井６の上面を通って解剖室５外へ延設されている。また、前記送風ダクト１２の上流側には、外気を導入するため、送風ブロア１４が設置されている。
【００１６】
そして、前記ケーシング１０の送風開口部９に、解剖台１へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有する、例えば、濾紙をプリーツ状に折曲して濾過面積を大としたフィルタ１５を装着固定し、且つ前記連通口１３の下面には、送風ダクト１２から送風されるエアを前記フィルタ１５へ拡散して送風するバッフル板１６が設置されている。
【００１７】
なお、前記バッフル板１６に代えて、図示していないが、円錐形状、または平板状をしたダンパを、前記ケーシング１０、または送風ダクト１２に設置して、解剖室５内より前記円錐形状ダンパを上下動させたり、または平板状ダンパの角度を調整して、前記送風ダクト１２から送風されるエアを拡散して、前記フィルタ１５へ送風してもよい。
【００１８】
また、前記フィルタ１５の下面のケーシング１０の送風開口部９には、該フィルタ１５を保護すると共に、風速分布の均一性を図るパンチング板１７を設置することが好ましい。なお、図示していないが、該パンチング板１７に代えて、前記フィルタ１５の下面にラス網を一体に接合固定してもよい。この場合、ラス網は、該フィルタ１５の保護のためのみで、風速分布の均一性を図ることはできない。なお、図中、１８は被剖検体Ｂを照射する照明器具である。
【００１９】
そして、発明者が種々テストした結果、層流状送風手段８から解剖台１上に送風されるエアの風速は、特に限定する必要はないが、好ましくは、０．２ｍ／ｓｅｃ〜０．４５ｍ／ｓｅｃ、特に好ましくは、０．２５ｍ／ｓｅｃ〜０．３５ｍ／ｓｅｃの範囲内とすることが推奨され、解剖台１の吸引口３から吸引されるエアの風速は、特に限定する必要はないが、好ましくは、０．３５ｍ／ｓｅｃ〜１．２５ｍ／ｓｅｃ、特に好ましくは、０．５ｍ／ｓｅｃ〜１．０ｍ／ｓｅｃの範囲内とすることが推奨される。
【００２０】
前記範囲内の風速であって、前記層流状送風手段８からの風速を、解剖台１の吸引口３へ吸引される風速より小とすることにより、被剖検体Ｂからホルムアルデヒドが拡散上昇することなく、これを解剖台１の吸引口３より吸引して除去して、剖検者がホルムアルデヒドを吸引することなく、安全に解剖実習を受けたり、解剖作業をすることができる。
【００２１】
前記のように構成された実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の作用について説明する。先ず、前記層流状送風手段８を構成する送風ブロア１４を作動させると共に、解剖台１の図示していない吸引ファンを作動させて、解剖を開始する。前記層流状送風手段８から、前記好ましい範囲内の風速で、前記解剖台１に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段８からの風速を、前記吸引口３から吸引する風速より小とすることにより、該層流状送風手段８から送風されたエアは、被剖検体Ｂを中心として吸引口３側へ分岐し、前記送風されたエアのうち、被剖検体Ｂの周縁部のエアは吸引口３側へ湾曲して流速を速めて、前記被剖検体Ｂ上に送風されたエアを巻込んで、前記層流状送風手段８より送風されるエア全部を吸引口３より吸引するので、被剖検体Ｂからホルムアルデヒドが剖検者の顔面部分の高さまで拡散上昇することなく、これを解剖台１の吸引口３より吸引して除去することができる。
【実施例２】
【００２２】
次に、本発明の実施例２を図３に基づいて詳細に説明する。本発明の実施例２による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置と、前記実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置との違いは、層流状送風手段が異なるだけである。従って、実施例２を説明する図３において、実施例１のものと同一構成を有するものは、同一符号を用いて説明すると共に、その作用については、説明を省略する。
【００２３】
本発明実施例２による解剖実習台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置を構成する解剖台１上の天井６の下面には、層流状送風手段２１が垂設されている。すなわち、層流状送風手段２１は、前記解剖台１の上方より、被剖検体Ｂを中心として前記吸引口３の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台１より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部９を備えた断面逆凹状のケーシング１０の天板１１に、送風ダクト１２の下流端を連通する連通口１３を開口する一方、前記送風ダクト１２は、その下流端部が前記ケーシング１０の連通口１３に開口連通されると共に、該送風ダクト１２の上流側は、天井６の上面を通って解剖室５外へ延設されている。また、前記送風ダクト１２の上流側には、外気を導入するため、送風ブロア１４が設置されている。
【００２４】
前記ケーシング１０の送風開口部９には、解剖台１へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有する、パンチング板２２を設置すると共に、前記連通口１３の下面に、送風ダクト１２から送風されるエアを前記パンチング板２２へ拡散して送風する、円錐形状をしたダンパ２３が設置されている。前記ダンパ２３には、該ダンパ２３から前記パンチング板２２を貫通して延設された調節ボルト２４の上端が固定されおり、該調節ボルト２４をパンチング板２２の下面から適宜回動することにより、前記ダンパ２３を上下動させて、該パンチング板２２上方へ送風されるエアの拡散度を調節することができる。
【００２５】
なお、前記円錐形状をしたダンパ２３に代えて、図示していないが、平板状ダンパを送風ダクト１２内に設置して、解剖室５内より前記平板状ダンパの角度を調整して、前記送風ダクト１２から送風されるエアを拡散して、前記パンチング板２２へ送風してもよい。
【００２６】
前記のように構成された実施例２による解剖実習台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の作用について説明する。先ず、前記層流状送風手段２１を構成する送風ブロア１４を作動させると共に、解剖台１の図示していない吸引ファンを作動させて、解剖を開始する。前記層流状送風手段２１から、前記実施例１において記載した好ましい範囲内の風速で、前記解剖台１に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段２１からの風速を、前記吸引口３から吸引する風速より小とすることにより、被剖検体Ｂからホルムアルデヒドが剖検者の顔面部分の高さまで拡散上昇することなく、これを解剖台１の吸引口３より吸引して除去することができる。そして、その他の作用は、前記実施例１と同一であるので、説明を省略する。
【実施例３】
【００２７】
次に、本発明の実施例３を図４に基づいて詳細に説明する。本発明の実施例３による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置と、前記実施例１・２による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置との違いは、該実施例１・２による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置が、送風ダクトを備えているのに対し、実施例３は送風ダクトを備えていない層流状送風手段となっている点が異なるだけである。従って、実施例３を説明する図４において、実施例１のものと同一構成を有するものは、同一符号を用いて説明すると共に、その作用については説明を省略する。
【００２８】
本発明の実施例３による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置を構成する解剖台１上の天井の下面には、層流状送風手段３１が垂設されている。すなわち、層流状送風手段３１は、前記解剖台１の上方より、被剖検体Ｂを含む前記吸引口３の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台１より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部９を備えた断面逆凹状のケーシング１０の天板１１に、送風ファン３２を設置すると共に、前記ケーシング１０の送風開口部９に、解剖台１へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有する、例えば、濾紙をプリーツ状に折曲して濾過面積を大としたフィルタ１５を装着固定し、更に前記フィルタ１５の下面のケーシング１０の送風開口部９には、該フィルタ１５を保護すると共に、風速分布の均一性を図るパンチング板１７を設置することが好ましい。なお、図示していないが、該パンチング板１７に代えて、前記フィルタ１５の下面にラス網を一体に接合固定してもよい。この場合、ラス網は、該フィルタ１５の保護のためのみで、風速分布の均一性を図ることはできない。なお、図中、１８は被剖検体Ｂを照射する照明器具である。
【００２９】
前記のように構成された実施例３による解剖実習台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の作用について説明する。先ず、前記層流状送風手段３１を構成する送風ファン３２を作動させると共に、解剖台１の図示していない吸引ファンを作動させて、解剖を開始する。前記層流状送風手段３１から、前記実施例１において記載した好ましい範囲内の風速で、前記解剖台１に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段３１からの風速を、前記吸引口３から吸引する風速より小とすることにより、被剖検体Ｂからホルムアルデヒドが剖検者の顔面部分の高さまで拡散上昇することなく、これを解剖台１の吸引口３より吸引して除去することができる。そして、その他の作用は、前記実施例１と同一であるので、説明を省略する。
【符号の説明】
【００３０】
Ｂ 被剖検体
１ 解剖台
２ 縁枠
３ 吸引口
４ 吸引ボックス
５ 解剖実習室
６ 天井
７ 排気パイプ
８ 層流状送風手段
９ 送風開口部
１０ ケーシング
１１ 天板
１２ 送風ダクト
１３ 連通口
１４ 送風ブロア
１５ フィルタ
１６ バッフル板
１７ パンチング板
１８ 照明器具
２１ 層流状送風手段
２２ パンチング板
２３ ダンパ
２４ 調節ボルト
３１ 層流状送風手段
３２ 送風ファン
【技術分野】
【０００１】
本発明は、解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置に関し、例えば、医学部の学生等の剖検者が解剖実習を受ける際に、ホルマリン処理され、解剖台上に載置された被剖検体から発する有害な気体であるホルムアルデヒドの拡散を防止することにより、剖検者の健康を損なうことなく、解剖実習を安全に受けることができる解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えば、医学部の学生等の複数の剖検者が、解剖台を取り囲んで、ホルマリン処理された被剖検体を解剖する解剖実習を受ける場合、解剖により被剖検体から人体にとって有害なホルムアルデヒドが発散し、剖検者がそれを吸引して体調を崩す例が非常に多く見受けられる。また、遺体を解剖台上に載置して、ホルマリンによる防腐処理をする場合、前記と同様にホルムアルデヒドが発散し、作業者が体調を崩すことも多い。
【０００３】
そして、前記ホルムアルデヒドによる剖検者への悪影響を予防する方法として、現在解剖台の四側外周縁に突設された縁枠に、被剖検体から発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸気口を備えた、例えば、下記の特許文献１に開示されているような解剖台が実用に供されている。
【０００４】
また、下記の特許文献２には、解剖台の上面天井部分に送風用ブロア、ＨＥＰＡフィルタおよびハニカム構造の整流格子を備えたエア浄化装置を設置したものが開示されており、前記エア浄化装置からエアを被剖検体に送風することにより、前記エアが、該被剖検体の処理において発生した、微粉塵、体液（血液等）、ウイルス、細菌等を含有する浮遊微粉塵等を含むと共に、該エアをフードにより受けて、吸引口から吸引ダクトに吸引される旨記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００７−２４４７６２号公報
【特許文献２】特開２００１−６１９０９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
前記特許文献１記載のような吸気口を備えた、従来実用に供されている解剖台では、例えば、解剖実習時において、被剖検体から気化したホルムアルデヒドが、前記吸気口から吸引されずに上昇拡散して、剖検者が吸引してしまうという課題があった。
【０００７】
また、前記特許文献２には、解剖台の上面天井部分に取り付けられたエア浄化装置からエアを被剖検体に送風することにより、該被剖検体の処理において発生した、微粉塵、体液（血液等）、ウイルス、細菌等を含有する浮遊微粉塵等を含んだエアを、フードにより受けて吸引口から吸引ダクトに吸引される旨記載されているが、該被剖検体から発するホルムアルデヒドをフードで受けて、吸引口から吸引して排気する旨の記載は全くされていないので、前記エア浄化装置から被剖検体に送風されたエアが、該被部検体に当ってバウンドし、ほとんどのエアが吸引口から吸引されず、該エアによって被剖検体からホルムアルデヒドが拡散上昇して、剖検者が吸引してしまうという課題があった。
【０００８】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、解剖台の四側外周縁に突設された縁枠に、被剖検体から発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸引口を備えた解剖台の上面天井部分に、層流状送風手段を設置し、該層流状送風手段から前記解剖台上に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段からの風速を、解剖台の吸引口へ吸引される風速より小とすることにより、被剖検体からホルムアルデヒドが拡散上昇することなく、該ホルムアルデヒドを解剖台の吸引口より吸引して除去して、剖検者がホルムアルデヒドを吸引することのない、解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明は、解剖台の四側外周縁に突設された縁枠に、被剖検体から発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸引口を備えた解剖台の上面天井部分に層流状送風手段を設置し、該層流状送風手段から前記解剖台上に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段からの風速を、解剖台の各吸引口へ吸引される風速より小とするという手段を採用することにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【００１０】
本発明は、層流状送風手段からの風速を、解剖台の吸引口へ吸引される風速より小とすることにより、被剖検体からホルムアルデヒドが剖検者の顔面部分まで拡散上昇することなく、解剖台の吸引口より吸引して除去して、前記剖検者がホルムアルデヒドを吸引することなく、安全に解剖することができるという優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の全体を示す概略縦断面図である。
【図２】本発明の実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の要部を示す概略縦断面図である。
【図３】本発明の実施例２による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の要部を示す概略縦断面図である。
【図４】本発明の実施例３による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の要部を示す概略縦断面図である。
【実施例１】
【００１２】
本発明の実施例１を図１および図２に基づいて詳細に説明する。本発明の実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置は、特許文献１に開示されているような解剖台１を、本発明の実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置を構成する解剖台として使用する。すなわち、本発明における解剖台１は、該解剖台１の四側外周縁に突設された縁枠２に被剖検体Ｂから発するホルムアルデヒドを吸引し除去するための吸引口３を備えている。
【００１３】
そして、前記解剖台１の被剖検体Ｂから発するホルムアルデヒドを吸引口３から、図示していない吸引ファンを作動させて吸引すると、該吸引されたホルムアルデヒドは、前記解剖台１の下面の吸引ボックス４へ吸引された後、該吸引ボックス４から解剖室５の天井６を貫通して屋外まで延長して開口された排気パイプ７を介して屋外へ排気される。なお、前記排気パイプ７は、図１に示す天井６ではなく、床や壁面を貫通して取り付けてもよい。
【００１４】
前記排気パイプ７を介して屋外へ排気されたホルムアルデヒドは、図示していない従来公知のガス吸着手段等の有害気体の除去手段により除去され、無害化して大気中へ排気される。
【００１５】
前記構成より成る解剖台１上の天井６の下面には、層流状送風手段８が垂設されている。すなわち、層流状送風手段８は、前記解剖台１の上方より、被剖検体Ｂを含む前記吸引口３の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台１より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部９を備えた断面逆凹状のケーシング１０の天板１１に、送風ダクト１２の下流端を連通する連通口１３を開口する一方、前記送風ダクト１２は、その下流端部が前記ケーシング１０の連通口１３に開口連通されると共に、該送風ダクト１２の上流側は、天井６の上面を通って解剖室５外へ延設されている。また、前記送風ダクト１２の上流側には、外気を導入するため、送風ブロア１４が設置されている。
【００１６】
そして、前記ケーシング１０の送風開口部９に、解剖台１へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有する、例えば、濾紙をプリーツ状に折曲して濾過面積を大としたフィルタ１５を装着固定し、且つ前記連通口１３の下面には、送風ダクト１２から送風されるエアを前記フィルタ１５へ拡散して送風するバッフル板１６が設置されている。
【００１７】
なお、前記バッフル板１６に代えて、図示していないが、円錐形状、または平板状をしたダンパを、前記ケーシング１０、または送風ダクト１２に設置して、解剖室５内より前記円錐形状ダンパを上下動させたり、または平板状ダンパの角度を調整して、前記送風ダクト１２から送風されるエアを拡散して、前記フィルタ１５へ送風してもよい。
【００１８】
また、前記フィルタ１５の下面のケーシング１０の送風開口部９には、該フィルタ１５を保護すると共に、風速分布の均一性を図るパンチング板１７を設置することが好ましい。なお、図示していないが、該パンチング板１７に代えて、前記フィルタ１５の下面にラス網を一体に接合固定してもよい。この場合、ラス網は、該フィルタ１５の保護のためのみで、風速分布の均一性を図ることはできない。なお、図中、１８は被剖検体Ｂを照射する照明器具である。
【００１９】
そして、発明者が種々テストした結果、層流状送風手段８から解剖台１上に送風されるエアの風速は、特に限定する必要はないが、好ましくは、０．２ｍ／ｓｅｃ〜０．４５ｍ／ｓｅｃ、特に好ましくは、０．２５ｍ／ｓｅｃ〜０．３５ｍ／ｓｅｃの範囲内とすることが推奨され、解剖台１の吸引口３から吸引されるエアの風速は、特に限定する必要はないが、好ましくは、０．３５ｍ／ｓｅｃ〜１．２５ｍ／ｓｅｃ、特に好ましくは、０．５ｍ／ｓｅｃ〜１．０ｍ／ｓｅｃの範囲内とすることが推奨される。
【００２０】
前記範囲内の風速であって、前記層流状送風手段８からの風速を、解剖台１の吸引口３へ吸引される風速より小とすることにより、被剖検体Ｂからホルムアルデヒドが拡散上昇することなく、これを解剖台１の吸引口３より吸引して除去して、剖検者がホルムアルデヒドを吸引することなく、安全に解剖実習を受けたり、解剖作業をすることができる。
【００２１】
前記のように構成された実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の作用について説明する。先ず、前記層流状送風手段８を構成する送風ブロア１４を作動させると共に、解剖台１の図示していない吸引ファンを作動させて、解剖を開始する。前記層流状送風手段８から、前記好ましい範囲内の風速で、前記解剖台１に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段８からの風速を、前記吸引口３から吸引する風速より小とすることにより、該層流状送風手段８から送風されたエアは、被剖検体Ｂを中心として吸引口３側へ分岐し、前記送風されたエアのうち、被剖検体Ｂの周縁部のエアは吸引口３側へ湾曲して流速を速めて、前記被剖検体Ｂ上に送風されたエアを巻込んで、前記層流状送風手段８より送風されるエア全部を吸引口３より吸引するので、被剖検体Ｂからホルムアルデヒドが剖検者の顔面部分の高さまで拡散上昇することなく、これを解剖台１の吸引口３より吸引して除去することができる。
【実施例２】
【００２２】
次に、本発明の実施例２を図３に基づいて詳細に説明する。本発明の実施例２による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置と、前記実施例１による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置との違いは、層流状送風手段が異なるだけである。従って、実施例２を説明する図３において、実施例１のものと同一構成を有するものは、同一符号を用いて説明すると共に、その作用については、説明を省略する。
【００２３】
本発明実施例２による解剖実習台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置を構成する解剖台１上の天井６の下面には、層流状送風手段２１が垂設されている。すなわち、層流状送風手段２１は、前記解剖台１の上方より、被剖検体Ｂを中心として前記吸引口３の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台１より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部９を備えた断面逆凹状のケーシング１０の天板１１に、送風ダクト１２の下流端を連通する連通口１３を開口する一方、前記送風ダクト１２は、その下流端部が前記ケーシング１０の連通口１３に開口連通されると共に、該送風ダクト１２の上流側は、天井６の上面を通って解剖室５外へ延設されている。また、前記送風ダクト１２の上流側には、外気を導入するため、送風ブロア１４が設置されている。
【００２４】
前記ケーシング１０の送風開口部９には、解剖台１へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有する、パンチング板２２を設置すると共に、前記連通口１３の下面に、送風ダクト１２から送風されるエアを前記パンチング板２２へ拡散して送風する、円錐形状をしたダンパ２３が設置されている。前記ダンパ２３には、該ダンパ２３から前記パンチング板２２を貫通して延設された調節ボルト２４の上端が固定されおり、該調節ボルト２４をパンチング板２２の下面から適宜回動することにより、前記ダンパ２３を上下動させて、該パンチング板２２上方へ送風されるエアの拡散度を調節することができる。
【００２５】
なお、前記円錐形状をしたダンパ２３に代えて、図示していないが、平板状ダンパを送風ダクト１２内に設置して、解剖室５内より前記平板状ダンパの角度を調整して、前記送風ダクト１２から送風されるエアを拡散して、前記パンチング板２２へ送風してもよい。
【００２６】
前記のように構成された実施例２による解剖実習台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の作用について説明する。先ず、前記層流状送風手段２１を構成する送風ブロア１４を作動させると共に、解剖台１の図示していない吸引ファンを作動させて、解剖を開始する。前記層流状送風手段２１から、前記実施例１において記載した好ましい範囲内の風速で、前記解剖台１に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段２１からの風速を、前記吸引口３から吸引する風速より小とすることにより、被剖検体Ｂからホルムアルデヒドが剖検者の顔面部分の高さまで拡散上昇することなく、これを解剖台１の吸引口３より吸引して除去することができる。そして、その他の作用は、前記実施例１と同一であるので、説明を省略する。
【実施例３】
【００２７】
次に、本発明の実施例３を図４に基づいて詳細に説明する。本発明の実施例３による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置と、前記実施例１・２による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置との違いは、該実施例１・２による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置が、送風ダクトを備えているのに対し、実施例３は送風ダクトを備えていない層流状送風手段となっている点が異なるだけである。従って、実施例３を説明する図４において、実施例１のものと同一構成を有するものは、同一符号を用いて説明すると共に、その作用については説明を省略する。
【００２８】
本発明の実施例３による解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置を構成する解剖台１上の天井の下面には、層流状送風手段３１が垂設されている。すなわち、層流状送風手段３１は、前記解剖台１の上方より、被剖検体Ｂを含む前記吸引口３の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台１より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部９を備えた断面逆凹状のケーシング１０の天板１１に、送風ファン３２を設置すると共に、前記ケーシング１０の送風開口部９に、解剖台１へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有する、例えば、濾紙をプリーツ状に折曲して濾過面積を大としたフィルタ１５を装着固定し、更に前記フィルタ１５の下面のケーシング１０の送風開口部９には、該フィルタ１５を保護すると共に、風速分布の均一性を図るパンチング板１７を設置することが好ましい。なお、図示していないが、該パンチング板１７に代えて、前記フィルタ１５の下面にラス網を一体に接合固定してもよい。この場合、ラス網は、該フィルタ１５の保護のためのみで、風速分布の均一性を図ることはできない。なお、図中、１８は被剖検体Ｂを照射する照明器具である。
【００２９】
前記のように構成された実施例３による解剖実習台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置の作用について説明する。先ず、前記層流状送風手段３１を構成する送風ファン３２を作動させると共に、解剖台１の図示していない吸引ファンを作動させて、解剖を開始する。前記層流状送風手段３１から、前記実施例１において記載した好ましい範囲内の風速で、前記解剖台１に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段３１からの風速を、前記吸引口３から吸引する風速より小とすることにより、被剖検体Ｂからホルムアルデヒドが剖検者の顔面部分の高さまで拡散上昇することなく、これを解剖台１の吸引口３より吸引して除去することができる。そして、その他の作用は、前記実施例１と同一であるので、説明を省略する。
【符号の説明】
【００３０】
Ｂ 被剖検体
１ 解剖台
２ 縁枠
３ 吸引口
４ 吸引ボックス
５ 解剖実習室
６ 天井
７ 排気パイプ
８ 層流状送風手段
９ 送風開口部
１０ ケーシング
１１ 天板
１２ 送風ダクト
１３ 連通口
１４ 送風ブロア
１５ フィルタ
１６ バッフル板
１７ パンチング板
１８ 照明器具
２１ 層流状送風手段
２２ パンチング板
２３ ダンパ
２４ 調節ボルト
３１ 層流状送風手段
３２ 送風ファン
【特許請求の範囲】
【請求項１】
解剖台の四側外周縁に突設された縁枠に、被剖検体から発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸引口を備えた解剖台の上面天井部分に、層流状送風手段を設置し、該層流状送風手段から前記解剖台上に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段からの風速を、解剖台の吸引口へ吸引される風速より小とすることを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項２】
請求項１記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、層流状送風手段が、解剖台上方より被剖検体を含む吸引口の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部を備えた断面逆凹状のケーシングの天板に、送風ダクトの下流端を連通する連通口を開口する一方、前記送風ダクトは、その下流端部が前記ケーシングの連通口に開口連通されると共に、該送風ダクトの上流側は、天井の上面を通って解剖室外へ延設され、且つ該送風ダクトの上流側には、外気を導入する送風ブロアが設置される一方、前記ケーシングの送風開口部に、前記解剖台へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有するフィルタを装着固定し、且つ前記連通口の下面に、送風ダクトから送風されるエアを前記フィルタへ拡散して送風するバッフル板を設置して形成されたことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項３】
請求項２記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、バッフル板に代えて円錐形状ダンパ、または平板状ダンパを用いたことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項４】
請求項１記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、層流状送風手段が、解剖台上方より被剖検体を含む吸引口の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部を備えた断面逆凹状のケーシングの天板に、送風ダクトの下流端を連通する連通口を開口する一方、前記送風ダクトは、その下流端部が前記ケーシングの連通口に開口連通されると共に、該送風ダクトの上流側は、天井の上面を通って解剖室外へ延設され、且つ該送風ダクトの上流側には、外気を導入する送風ブロアが設置される一方、前記ケーシングの送風開口部に、前記解剖台へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有するパンチング板を着固定し、且つ前記連通口の下面に、送風ダクトから送風されるエアを前記パンチング板へ拡散して送風する円錐形状ダンパを上下動可能に設置して形成されたことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項５】
請求項３記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、円錐形状ダンパに代えて平板状ダンパを用いたことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項６】
請求項１記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置に置いて、層流状送風手段が、解剖台の上方より被剖検体を含む吸引口の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部を備えた断面逆凹状のケーシングの天板に、送風ファンを設置すると共に、前記ケーシングの送風開口部に、前記解剖台へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有するフィルタを装着固定したことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項７】
請求項１・請求項３または請求項６のいずれかに記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、層流状送風手段から解剖台上に送風されるエアの風速は、０．２ｍ／ｓｅｃ〜０．４５ｍ／ｓｅｃの範囲内であり、且つ前記解剖台の吸引口から吸引されるエアの風速は、０．３５ｍ／ｓｅｃ〜１．２５ｍ／ｓｅｃの範囲内とすること特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項１】
解剖台の四側外周縁に突設された縁枠に、被剖検体から発するホルムアルデヒドを吸引して除去するための吸引口を備えた解剖台の上面天井部分に、層流状送風手段を設置し、該層流状送風手段から前記解剖台上に層流状に送風すると共に、前記層流状送風手段からの風速を、解剖台の吸引口へ吸引される風速より小とすることを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項２】
請求項１記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、層流状送風手段が、解剖台上方より被剖検体を含む吸引口の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部を備えた断面逆凹状のケーシングの天板に、送風ダクトの下流端を連通する連通口を開口する一方、前記送風ダクトは、その下流端部が前記ケーシングの連通口に開口連通されると共に、該送風ダクトの上流側は、天井の上面を通って解剖室外へ延設され、且つ該送風ダクトの上流側には、外気を導入する送風ブロアが設置される一方、前記ケーシングの送風開口部に、前記解剖台へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有するフィルタを装着固定し、且つ前記連通口の下面に、送風ダクトから送風されるエアを前記フィルタへ拡散して送風するバッフル板を設置して形成されたことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項３】
請求項２記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、バッフル板に代えて円錐形状ダンパ、または平板状ダンパを用いたことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項４】
請求項１記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、層流状送風手段が、解剖台上方より被剖検体を含む吸引口の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部を備えた断面逆凹状のケーシングの天板に、送風ダクトの下流端を連通する連通口を開口する一方、前記送風ダクトは、その下流端部が前記ケーシングの連通口に開口連通されると共に、該送風ダクトの上流側は、天井の上面を通って解剖室外へ延設され、且つ該送風ダクトの上流側には、外気を導入する送風ブロアが設置される一方、前記ケーシングの送風開口部に、前記解剖台へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有するパンチング板を着固定し、且つ前記連通口の下面に、送風ダクトから送風されるエアを前記パンチング板へ拡散して送風する円錐形状ダンパを上下動可能に設置して形成されたことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項５】
請求項３記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、円錐形状ダンパに代えて平板状ダンパを用いたことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項６】
請求項１記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置に置いて、層流状送風手段が、解剖台の上方より被剖検体を含む吸引口の手前付近まで層流状に送風できるよう、該解剖台より巾および長さをやや小さく形成した送風開口部を備えた断面逆凹状のケーシングの天板に、送風ファンを設置すると共に、前記ケーシングの送風開口部に、前記解剖台へ噴き出すエアの風速分布を均一にする作用を有するフィルタを装着固定したことを特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【請求項７】
請求項１・請求項３または請求項６のいずれかに記載の解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置において、層流状送風手段から解剖台上に送風されるエアの風速は、０．２ｍ／ｓｅｃ〜０．４５ｍ／ｓｅｃの範囲内であり、且つ前記解剖台の吸引口から吸引されるエアの風速は、０．３５ｍ／ｓｅｃ〜１．２５ｍ／ｓｅｃの範囲内とすること特徴とする解剖台におけるホルムアルデヒド拡散防止装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１０−２２７４４２（Ｐ２０１０−２２７４４２Ａ）
【公開日】平成２２年１０月１４日（２０１０．１０．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−８０５０５（Ｐ２００９−８０５０５）
【出願日】平成２１年３月２７日（２００９．３．２７）
【特許番号】特許第４４７３９３１号（Ｐ４４７３９３１）
【特許公報発行日】平成２２年６月２日（２０１０．６．２）
【出願人】（０００１６３６６０）近藤工業株式会社 (28)
【公開日】平成２２年１０月１４日（２０１０．１０．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年３月２７日（２００９．３．２７）
【特許番号】特許第４４７３９３１号（Ｐ４４７３９３１）
【特許公報発行日】平成２２年６月２日（２０１０．６．２）
【出願人】（０００１６３６６０）近藤工業株式会社 (28)
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