説明

触媒担体及びその製造方法

【課題】触媒性能をより高めた触媒担体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】触媒担体は、アルミナ基多孔体である。触媒担体は、シリマナイト族鉱物に由来するムライトを含有する。触媒担体は、92.5質量%〜95.9質量%のAl成分と、3.7質量%〜7.0質量%のSiO成分と、1質量%以下のその他の成分と、を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミナ質触媒担体及びその製造方法に関し、特に、エチレンオキサイドの製造に用いられる触媒担体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミナ質多孔体は、各種化学反応の触媒担体として使用されており、例えば、エチレンを部分酸化してエチレンオキサイドを製造するための触媒担体として使用されることがある。
【0003】
エチレンオキサイドの製造は、一般には、銀触媒の存在下で、エチレンを分子状酸素によって直接気相酸化することによって行われる。アルミナ質多孔体は、この銀触媒の担体として使用されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1に記載の部分酸化用アルミナ触媒担体の製造方法においては、部分酸化用アルミナ触媒担体は、低ソーダアルミナ粉体に、ムライト質無機結合剤をアルミナ2次粒子とムライト質無機結合剤の合計量中に1〜15重量%含有させた後、又はコロイダルシリカをアルミナ2次粒子の量に対し0.01〜2.0重量%含有させた後、焼成することにより製造される。
【0005】
特許文献2に記載の、酸化エチレン製造用触媒担体に用いるα−アルミナ質多孔質担体の製造方法においては、酸化エチレン製造用触媒担体は、低ソーダアルミナ二次粒子のα−アルミナ粉末92〜97重量部とムライト質の無機結合剤3〜8重量部とからなるアルミナ原料100重量部に対し、カルボキシルメチルセルロースを2.3〜4.0重量部添加して成形体となし、該成形体をローラーハースキルンを用いて温度1520〜1560℃かつ5〜8時間で焼成することによって製造されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平2−49779号公報
【特許文献2】特許第3469746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
【0008】
例えば、エチレンオキサイドの製造において、エチレンからエチレンオキサイドへの反応効率は触媒担体によっても影響される。
【0009】
特許文献1に記載の背景技術においては、比表面積、摩耗強度及び圧壊強度の向上が図られている。また、特許文献2に記載の背景技術においては、迅速に焼成可能で、均一な物性を有する触媒担体が製造されている。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の触媒担体では、反応効率の向上は、その目的とはされていない。
【0010】
木発明の目的は、触媒性能をより高めることができる触媒担体及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1視点によれば、触媒担体は、アルミナ基多孔体である。触媒担体は、シリマナイト族鉱物に由来するムライトを含有する。
【0012】
上記第1視点の好ましい形態によれば、触媒担体は、シリマナイト族鉱物に由来するシリカをさらに含有する。
【0013】
上記第1視点の好ましい形態によれば、触媒担体は、92.5質量%〜95.9質量%のAl成分と、3.7質量%〜7.0質量%のSiO成分と、1質量%以下のその他の成分と、を含有する。
【0014】
上記第1視点の好ましい形態によれば、ムライト及びシリカは、シリマナイト族鉱物の熱分解によって生成されたものを含有する。
【0015】
本発明の第2視点によれば、触媒担体の製造方法は、アルミナ及び結合剤の合計質量に対して、80質量%〜95質量%のアルミナと、5質量%〜20質量%の結合剤と、を含有する混合物を作製する工程と、混合物を1400℃〜1600℃で焼成する工程と、を含む。結合剤は、シリマナイト族鉱物に由来する。
【0016】
上記第2視点の好ましい形態によれば、触媒担体の製造方法は、混合物を作製する工程の前に、シリマナイト族鉱物を熱分解して、ムライトを含有する結合剤を作製する工程をさらに含む。
【0017】
上記第2視点の好ましい形態によれば、結合剤は、シリカをさらに含有する。
【0018】
上記第2視点の好ましい形態によれば、結合剤は、Al成分を58質量%〜62質量%、SiO成分を36質量%〜39質量%、及びその他の成分を5質量%以下含有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の触媒担体及び本発明の製造方法によって製造された触媒担体を用いることにより、反応効率を高めることができる。例えば、エチレンオキサイドの合成反応における触媒担体として用いることにより、エチレンオキサイドの製造効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1において製造した触媒担体のX線回折パターン。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の触媒担体について説明する。本発明の触媒担体は、アルミナ基多孔質体である。本発明の触媒担体は、基体としてα‐アルミナ(Al)と、結合剤としてムライト(3Al・2SiO)を含有する。結合剤は、シリカ(SiO)をさらに含有すると好ましい。
【0022】
本発明の触媒担体において、α−アルミナの含有率は75質量%〜90質量%、ムライトの含有率は10質量%〜25質量%であると好ましい。また、触媒担体がシリカを含有する場合、シリカの含有率は0.5質量%〜1質量%であると好ましい。化学成分で表記すれば、本発明の触媒担体において、Al成分の含有率は、92.5質量%〜95.9質量%であると好ましく、93.7質量%〜94.2質量%であるとより好ましい。また、SiO成分の含有率は、3.7質量%〜7.0質量%であると好ましく、5.4質量%〜5.8質量%であるとより好ましい。その他の成分(不純物)の含有率は、1質量%以下であると好ましい。その他の成分としては、例えば、酸化鉄(Fe)、酸化チタン(TiO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、及び酸化ジルコニウム(ZrO)のうち少なくとも1つが挙げられる。
【0023】
本発明の触媒担体は、結晶性シリカを含有しないか、含有しているとしてもその量は微量であると好ましい。例えば、本発明の触媒担体のX線回折パターンにおいては、結晶性シリカは、検出されないか、検出されたとしてもアルミナ及びムライトのピークと比較して十分に小さいと好ましい。
【0024】
本発明の触媒担体における好ましい吸水率は、33質量%〜36質量%である。
【0025】
本発明の触媒担体における好ましい比表面積は、1.19m/g〜1.23m/gである。
【0026】
本発明の触媒担体における好ましい圧壊強度は65N以上である。
【0027】
本発明の触媒担体における好ましい摩耗率は1%以下である。
【0028】
本発明の触媒担体におけるムライトとシリカは、結合剤として機能する。ムライト及びシリカは、それぞれ独立に添加したものでもよいし、天然鉱物又は合成鉱物の熱分解によって生成されたものであってもよい。
【0029】
熱分解によってムライト及びシリカを生成する鉱物としては、例えば、シリマナイト族鉱物が挙げられる。シリマナイト族鉱物は、Al・SiO成分系の天然鉱物である。シリマナイト族鉱物としては、結晶系の視点によれば、シリマナイト(珪線石、sillimanite)、カイヤナイト(カイアナイト、藍晶石、kyanite)、アンダルサイト(アンダリュサイト、紅柱石、andalusite)の三種が存在するが、いずれも本発明に使用することができる。
【0030】
次に、本発明の触媒担体の製造方法について説明する。
【0031】
まず、基質となるアルミナ粉末と、結合剤とを混合して混合物を作製する。
【0032】
アルミナ粉末は、α−アルミナが好ましい。アルミナ粉末の1次粒子の平均粒径は、1μm〜5μmであると好ましい。また、アルミナ粉末の2次粒子の平均粒径は、30μm〜60μmであると好ましい。また、アルミナ粉末は仮焼品であると好ましい。
【0033】
結合剤としては、ムライト及びシリカの混合物、又はシリマナイト族化合物を使用すると好ましい。シリマナイト族鉱物を使用する場合、焼成ないし仮焼したものを結合剤としてもよいし、焼成ないし仮焼していないものを結合剤としてもよい。
【0034】
シリマナイト族鉱物を焼成して結合剤を作製する場合、シリマナイト族鉱物の焼成温度は、シリマナイト族鉱物がムライト及びシリカに分解するような温度(例えば1550℃〜1800℃)であると好ましい。シリマナイト、カイヤナイト、及びアンダルサイトは、それぞれ、産地等によって分解温度が異なることもあるので、使用する種類によってそれぞれ適した加熱温度を設定する。また、シリマナイト族鉱物を使用する場合、シリマナイト、カイヤナイト、及びアンダルサイトのうち、いずれか1種類を用いてもよいし、複数種類用いてもよい。
【0035】
結合剤において、Al成分の含有率は、58質量%〜62質量%であると好ましい。また、SiO成分の含有率は、36質量%〜39質量%であると好ましい。その他の成分(不純物)の含有率は、5質量%以下であると好ましい。その他の成分としては、例えば、酸化鉄(Fe)、酸化チタン(TiO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、及び酸化ジルコニウム(ZrO)のうち少なくとも1つが挙げられる。
【0036】
シリマナイト族鉱物を焼成して作製した結合剤は、X線回折測定によって検出される結晶性シリカを含有すると好ましい。この結晶性シリカのほとんどは、シリマナイト族鉱物が熱分解することによって生成したものである。なお、未焼成のシリマナイト族鉱物のX線回折測定では、含有される各鉱物のピークが検出される。
【0037】
結合剤の添加率は、アルミナ粉末と結合剤の合計質量に対して、好ましくは1質量%〜30質量%、さらに好ましくは1質量%〜15質量%である。上記組成の結合剤の添加率をこの範囲にすることにより、エチレンオキサイド製造用の触媒担体として用いた場合に好ましい転化率及び選択率を得ることができる。
【0038】
次に、アルミナ粉末と結合剤の混合物に、溶媒(例えば水)、成形用バインダ及び気孔形成材を添加する。
【0039】
成形用バインダとしては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等を添加することができる。成形用バインダの添加率は、アルミナ粉末と結合剤の合計質量に対して2質量%〜10質量%であると好ましい。
【0040】
気孔形成材は、焼成によって作製される触媒担体を多孔質体にするものである。気孔形成材としては、平均粒径が125μm〜1000μmのクルミ粒、ナッツ殻、石油コークス、カーボン粉、グラファイト、ポリエチレン等を使用することができる。気孔形成材の添加率は、アルミナ粉末と結合剤の合計質量に対して、例えば1質量%〜15質量%とすることができる。
【0041】
次に、混合物を所定形状に成形する。成形方法は、押出成形等、適宜好適な方法を選択することができる。
【0042】
次に、成形体を焼成する。成形条件は、例えば、焼成温度1400℃〜1600℃、焼成時間2時間〜5時間とすることができる。これにより、触媒担体を製造することができる。
【0043】
結合剤中にシリカが存在する場合、少なくともその一部は、焼成により基体のアルミナと反応してムライトになると考察される。
【0044】
本発明の触媒担体をエチレンオキサイド製造用に使用する場合には、触媒となる銀を触媒担体に担持させる。
【実施例】
【0045】
[触媒担体の製造]
結合剤の原料が異なる本発明の触媒担体を作製し、それぞれについて物性を測定した。アルミナの原料として、2次粒子の粉砕して1次粒子にした時の平均粒径1μm〜3μm、球状2次粒子の中心粒径(累積度50%の粒径)35μm〜55μm、比表面積約2m/g、NaO濃度が0.1質量%以下の低ソーダα−アルミナを使用した。結合剤は、表1に示す組成のものを使用した。「混合前焼成の有無」欄が「有」の場合、シリマナイト族鉱物を約1550℃で仮焼してムライトと結晶性シリカに熱分解したものを結合剤として使用している。「無」の場合、シリマナイト族鉱物を焼成せずにそのまま結合剤として使用している。結合剤の平均粒径は1μm〜10μmである。また、比較例として、シリマナイト族鉱物以外の結合剤を使用した触媒担体を作製した。比較例における結合剤の組成を表2に示す。表2において、「混合前焼成の有無」欄が「有」のものは、1550℃で焼成したものである。実施例3及び4の鉱物は、シリマナイトとカイヤナイトを50%ずつ混合したものである。
【0046】
実施例1〜8においては、まず、α−アルミナ粉末85質量%及び結合剤15質量%の混合物を作製し、そこに成形用バインダとしてメチルセルロースを当該混合物の質量に対して8質量%、及びイオン交換水を当該混合物の質量に対して35質量%添加して、混練機を用いて混練した。次に、混練物を押出成形によって外径9.5mm、内径4.3mm及び高さ9.5mmの円筒形状に成形し、成形物を80℃のオーブンで16時間乾燥させた。次に、乾燥させた成形物を最高温度1450℃で4時間保持して焼成し、触媒担体を製造した。各触媒担体の物性値及び組成を表3及び表4に示す。
【0047】
実施例9においては、α−アルミナ粉末91質量%及び結合剤9質量%の混合物を作製し、実施例10においては、α−アルミナ粉末83質量%及び結合剤17質量%の混合物を作製した。それ以外は、実施例1〜8の上記方法と同様である。
【0048】
[比表面積の測定]
触媒担体の比表面積は、BET法(連続流動式BET1点法窒素ガス吸着)により測定した。使用した装置は、マウンテック社製Macsorb HM−1210である。
【0049】
[吸水率の測定]
触媒担体の吸水率は、JISR2205に準拠して煮沸法により測定した。
【0050】
[圧壊強度の測定]
触媒担体の圧壊強度は、木屋式硬度計(藤原製作所製KHT−20型)を用いて測定した。表の数値は、25回の測定値の平均値である。
【0051】
[摩耗率の測定]
試料75gをステンレス鋼製ポット(幅91mm×径91mm)に入れ、ボールミルで106rpmの条件で30分間粉砕した。粉砕前の質量/粉砕後の質量によって得られた値を摩耗率とした。
【0052】
[組成の測定]
触媒担体の組成は、蛍光X線装置(リガク社製ZSX100e)を用いて測定した。
【0053】
[X線回折パターンの測定]
実施例1における触媒担体のX線回折パターンを測定した。測定装置は、株式会社リガク製X線回折装置(RINT−TTRIII)である。測定条件は、集中法(管電圧50kV、管電流50mA)、スキャンスピード4°/min、スキャンステップ0.02°、走査範囲10°〜70°である。図1に、触媒担体のX線回折パターンの測定結果を示す。シリマナイト族鉱物を焼成したものを結合剤として用いても、シリマナイト族鉱物を焼成しないで結合剤として用いても触媒担体のX線回折パターンに変化は無かった。触媒担体のX線回折パターンによれば、α‐アルミナ及びムライトが検出されたが、結晶性シリカは検出されなかった。シリマナイト族鉱物を焼成した結合剤は結晶性シリカを含有しているので、触媒担体が結晶性シリカを含有していない(あるいは、ほとんど含有していない)ということは、結合剤中の結晶性シリカないしSiO成分は、触媒担体作製時の焼成によって、基体のアルミナと反応して(例えばムライトとなって)残存量が減少したか、あるいは非晶質になったものと推察される。また、未焼成のシリマナイト族鉱物を結合剤として使用した場合、結合剤が触媒担体作製時の焼成によってムライト及び結晶性シリカに分解したとしても、当該結晶性シリカは、同様に、アルミナと反応するか、あるいは非晶質になったと推察される。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
[触媒性能試験]
本発明の触媒担体について触媒性能試験を実施した。触媒性能試験は、実施例1及び比較例1の触媒担体に、同条件下にて銀触媒を担持させ、エチレンからエチレンオキサイドへの反応における所定転化率における反応温度、及び選択率を測定した。
【0059】
触媒を担持させた触媒担体を内径25mm、管長11000mmの外部が加熱型の二重管式ステンレス製反応器に充填し、該充填層に、エチレン20容量%、酸素7容量%、炭酸ガス7容量%、残余がメタン、窒素、アルゴン、エタンからなり、さらに二塩化エチレン1ppmからなる混合ガスを導入し、反応圧力24kg/cmG、空間速度5500Hr−1、熱媒温度230℃まで昇温し反応を行った。表5に、反応開始10日後及び1年後の反応温度及び選択率を示す。選択率は、[エチレンオキサイドに変化したエチレンのモル数]/[反応したエチレンのモル数]×100によって算出した値である。反応温度は、転化率が10%となったときの反応温度を示す。なお、ここでいう転化率とは、[反応したエチレンのモル数]/[原料ガス中のエチレンのモル数]×100によって算出される値である。
【0060】
実施例1に係る触媒担体によれば、比較例1に係る触媒担体に比べて、製造直後及び1年後に拘わらず、高い反応効率が得られることが分かった。特に、製造から1年後の触媒担体であっても反応温度を7℃下げることができ、また、選択率も6%向上させることができた。これより、本発明の触媒担体は、反応性を高めることができ、経済的に優れた効果を有することが分かる。
【0061】
【表5】

【0062】
本発明の触媒担体及びその製造方法は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、上記実施形態に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0063】
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミナ基多孔体であり、
シリマナイト族鉱物に由来するムライトを含有することを特徴とする触媒担体。
【請求項2】
シリマナイト族鉱物に由来するシリカをさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の触媒担体。
【請求項3】
92.5質量%〜95.9質量%のAl成分と、
3.7質量%〜7.0質量%のSiO成分と、
1質量%以下のその他の成分と、を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒担体。
【請求項4】
ムライト及びシリカは、シリマナイト族鉱物の熱分解によって生成されたものを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒担体。
【請求項5】
アルミナ及び結合剤の合計質量に対して、80質量%〜95質量%のアルミナと、5質量%〜20質量%の結合剤と、を含有する混合物を作製する工程と、
前記混合物を1400℃〜1600℃で焼成する工程と、を含み、
前記結合剤は、シリマナイト族鉱物に由来することを特徴とする触媒担体の製造方法。
【請求項6】
前記混合物を作製する工程の前に、
シリマナイト族鉱物を熱分解して、ムライトを含有する前記結合剤を作製する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の触媒担体の製造方法。
【請求項7】
前記結合剤は、シリカをさらに含有することを特徴とする請求項6に記載の触媒担体の製造方法。
【請求項8】
前記結合剤は、Al成分を58質量%〜62質量%、SiO成分を36質量%〜39質量%、及びその他の成分を5質量%以下含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の触媒担体の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−212634(P2011−212634A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85468(P2010−85468)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【Fターム(参考)】