説明

計量投与器具

粉末(2)をスプレー(3)として計量投与する計量投与器具(1)が開示される。計量投与器具は、ダクト(5)を有し、粉末を解凝集するガス圧力によって粉末はダクトを通って計量投与できる。ダクトは、方向転換部分(12)のところで、少なくとも約90°の角度がつけられると共に、(或いは)、二股部分(15)のところで、2つの互いに逆の方向に方向転換され、その結果、粉末が固体表面(14)に衝突して粉末の解凝集が生じるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載された粉末を計量投与する計量投与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
計量投与器具、特に吸入器を介して投与される薬剤は、呼吸系中の特定の部位を最適に標的とするようになっている。これら部位としては、鼻内通路、のど(咽頭)及び肺の中の種々の場所、例えば、気管支、細気管支及び肺胞領域が挙げられる。薬剤を標的領域に投与できるかどうかは、とりわけ、粒子の空気力学的サイズで決まる。現在理解されると考えられているように、空気力学的径が2μm未満の粒子は、肺の肺胞領域内に堆積するのに潜在的に最適であると考えられている。空気力学的径が2μmから約5μmの粒子は、細気管支又は気管支領域への投与に、より適している場合がある。空気力学的サイズの範囲が6μmよりも大きく、より好ましくは10μmよりも大きな粒子は、喉頭領域、のど、又は、鼻内通路への投与に適している。
【0003】
大抵の場合、高い吸入可能な割合及び高い投与効率を達成し、即ち、特に肺の中の所望の領域に達する割合を高くすることが望ましい。これは、種々の要因、特に生じたスプレーのプルーム(噴霧柱)の性状、例えばプルームの伝搬速度、粒子サイズ及びその分布状態、微小粒子の割合、ガスの割合等で決まる。本発明では、所望のスプレープルーム(噴煙柱)性状として、好ましくは、小さな粒子サイズ、直径が6μm以下の薬剤粒子の高い割合、低い伝搬速度、長いスプレー発生持続時間、及び(又は)、可能な吸入の長い持続時間、及び(又は)、或る特定の量の粉末を計量投与するのに必要な少量のガスが挙げられる。
【0004】
特に、本発明は、薬剤を肺に投与する乾燥粉末吸入器に関する。多くの乾燥粉末吸入器は、市場に出ており又は提案された。大きな2つの形式があり、即ち、受動式及び能動式が存在する。受動式吸入器では、粉末を解凝集して粉末を肺に移送するのに必要なエネルギーの全ては、ユーザ又は患者の呼吸によって得られる。能動式吸入器では、粉末を解凝集するのを助ける追加のエネルギー源が存在する。
【0005】
大抵の粉末吸入器は、粉末が追加のエネルギー源の助け無しに患者により吸入される受動式のものである。受動式に吸入器に関する問題は、肺に実際に入る粉末の吸入可能なフラクション又は割合は、主として、患者の呼吸に依存している。粉末及びそれ故に吸入可能なフラクションの解凝集は、吸入器具を通る吸入空気の流量の関数であり、したがって、患者ごとに大幅なばらつきがある。
【0006】
乾燥粉末吸入器は、一回投与型吸入器及び多数回投与型吸入に細分される。多数回投与型吸入器は、投与分が個々に貯蔵された予備計量型吸入器及び粉末投与分が吸入器内で計量される計量型吸入器に更に細分される。
【0007】
多数回投与予備計量型吸入器は、個別の投与分が厳密な工場条件下で計量され、粉末が大気から極めて容易に隔離できるという利点を有している。多くの用途では、活性ダクト粉末は、キャリヤ、例えばラクトースと混ぜ合わされ、かかるキャリヤは、大気から水分を吸収する傾向があり、それにより、これらがくっつき合って解凝集するのが困難になる。
【0008】
本発明は、特に、薬剤を含む粉末、又は、薬剤から成る粉末を計量投与する能動式でガス動力式の予備計量多数回投与又は一回投与器具に関する。
【0009】
本発明の出発点をなす国際公開第92/12799(A1)号パンフレットは、流体の流れを微細粒子サイズのスプレーの状態に変換する予備計量投与器具を開示しており、かかる器具では、環状の流れが、粉末で満たされたステムを通って、流れの成分相互間の剪断力により流れをスプレーの状態にばらばらにするのに十分なその流れ中の速度勾配により生じる。山形のダクトが、ステムの出口からスプレーヘッドの出口オリフィスまで延びている。
【0010】
【特許文献1】国際公開第92/12799(A1)号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、公知の器具は、粉末を解凝集したり所望の特性を備えたゆっくりとしたスプレープルームを生じさせたりするのには最適ではない。
【0012】
本発明の目的は、粉末の良好な解凝集を行う改良型計量投与器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、請求項1に記載されている計量投与器具によって達成される。好ましい実施形態は、従属形式の請求項に記載されている内容である。
【0014】
本発明の主要な一観点は、ダクトが、方向転換部分のところで少なくとも約90°の角度がつけられると共に、(或いは)、二股部分のところで2つの互いに逆の方向に方向転換されて粉末が固体表面(衝突又は偏向表面)に衝突して粉末解凝集が生じるようにすることにある。表面又は壁に対する粉末粒子の衝突の結果として、粉末粒子の驚くほど良好な解凝集が生じる。その説明として言えることは、粉末粒子の衝突、又は、偏向により非常に大きな剪断力が生じるということである。本発明に従って衝突及び粉末解凝集のために方向転換部分、及び(又は)、二股部分を用いることは、先行技術においては認識されていなかった。
【0015】
好ましい実施形態によれば、ダクトは、粉末の解凝集を一段と促進するために多数の方向転換部分、及び(又は)、多数の二股部分を有する。特に、ダクトは、粉末を粉末解凝集のために特に方向転換部分、及び(又は)、二股部分の付近でダクト壁の2つの固体表面、又は、多数の固体表面、又は、表面部分に衝突させるように設計されている。
【0016】
好ましくは、ダクトは、互いに逆方向に交互に曲げられると共に、(或いは)、角度がつけられる。これにより、非常に良好な粉末解凝集が行われるコンパクトな設計を得ることができる。
【0017】
好ましい実施形態によれば、ダクトは、毛管である。これにより、固体表面に対する粉末粒子の非常に効果的な衝突が生じ、かくして、良好な粉末解凝集が生じる。好ましくは、ダクトは、マウスピース入口のところに配置されると共に、(或いは)、ダクトの後ろに流れの絞りが無い状態でマウスピース内に出る。
【0018】
好ましくは、ダクトは、平らな断面を有する。粉末は、加圧ガスによってダクト中に押し込められて粉末が解凝集すると共に粉末微粒子を含むスプレーが生じる。ダクトの平らな断面の最も長い辺と最も短い辺の比は、少なくとも2.0である。驚くべきことに、特に円形又は疑似円形ダクトによるよりも粉末の所与の容積又は質量の場合に少量のガスにより非常に良好な解凝集及びより細かい粒子を達成できる。この作用効果は、平らな断面が平べったくない断面の場合よりも断面積が所与の場合に長い周長(周囲長さ)を提供するということによって説明できる。この長い周長の結果として、ガス及び粉末と接触する広いダクト表面が得られ、その結果、断面積(水力直径)を変化させないで、即ち、流れ抵抗又は質量流量を著しくは変化させないで、高い剪断力に起因して良好な解凝集を達成することができる。
【0019】
好ましくは、平らな断面の最も長い辺と最も短い辺の比は、3から50であり、最も好ましくは約5から30である。かくして、小さな粉末粒径を含むスプレーとしての良好な解凝集が行われた粉末の高い出力を比較的低いガス圧力、比較的低いガス量及び比較的低いガス流量によって達成することができる。計量投与器具は、高い吸入可能フラクションを含み、所望のスプレープルーム特性を備えたプルームの解凝集乾燥粉末を生じさせる。
【0020】
微粉の平均粒径が5μm未満の場合、代表的には75μm×1500μmの実質的に長方形のダクトが、良好に働くことが判明した。粉末の平均粒径が30μmを超えると、代表的には200μm×1500μmのダクトが、良好に働く。非円形のダクトは、好ましくは、粉末の粒径に応じて20μmから1000μmの水力直径を有することが必要である。ダクトは、薬剤適合性のある任意の材料で作られるのが良く、かかる材料としては、プラスチック又は金属が挙げられる。2本以上の非円形ダクトを平行に用いられるのが良い。
【0021】
ダクトは、好ましくは、長さが少なくとも5又は10の水力直径を有し、好ましくは、10から60の水力直径を有する(水力直径は、断面積4つ分をダクト周長で除算して得られた比として定義される)。圧力が所与の場合、非円形ダクトが長ければ長いほど、患者に投与される粉末がそれだけ一層遅くなる。しかしながら、ダクトが長過ぎる場合、貯蔵・混合チャンバ内に速度を混合チャンバが空にならない程度まで減少させるのが良い。
【0022】
特に、300kPa未満のガス圧力により粉末をダクト中に押し込んで粉末を解凝集すると共に粒径が細かいスプレーを生じさせることが可能である。したがって、最適なスプレープルーム特性、特に、低い伝搬速度を発生することができる。
【0023】
口の中及び上気道の中での粉末の衝突を最小限に抑えるためにガス及び粉末の出口速度を最小限に抑えることが有利である。しかしながら、出口速度が高ければ高いほど、粉末の破砕又は解凝集がそれだけ一層に良好になる。これに対する一解決策は、2本以上の衝突ダクト又は好ましくは30°から180°であり、好ましくは90°から150°の角度をなして衝突する粉末ジェットを用いることによりダクト出口のところにおけるガスと粉末の混合物の出口速度を遅くすることである。これは、本発明の別の観点である。特に、多数の、少なくとも2つの粉末スプレージェットを衝突させ、即ち、かかる粉末スプレージェットが互いに当たってスプレーの伝搬速度を減速させると共に、(或いは)、粉末を解凝集する。これは、上述した所望のスプレープルーム特性を支援する。変形例として、断面が増大するディフューザを用いてダクトの出口のところのガス及び粉末の流れを減速させても良い。
【0024】
任意のガスを用いることができる。例えば、液化ガス、例えばHFA134a及びHFA227を用いることができる。かかる器具では、ガスは、粉末リザーバへの連結手段を備えた計量弁を収容した加圧キャニスタ内に貯蔵される。変形例として、ピストンシリンダ装置、ベロー又は任意他のガスポンプを用いて、例えば、大気を加圧しても良い。かかる器具では、ユーザ又は患者は、使用に先立って計量投与器具の準備又はプライミングを行う必要がある。一回投与型器具の場合、圧縮空気入りのあらかじめ加圧されたキャニスタを用いるのが良い。
【0025】
貯蔵チャンバ(リザーバ)、及び(又は)、混合チャンバを完全に空にするのに必要なガスの量は、粉末の容積又は質量で決まる。粉末の質量が0.1mgから50mgの場合、0.2mgから300mgのガスの量が必要である。例えば、平均粒径が4μmの5mgの粉末では、空気の質量が約20mgから60mgの場合、100kPaから200kPaの圧縮空気が10cm3から20cm3が必要である。粗い粉末の場合、解凝集に必要なエネルギーが少ないので、代表的には100kPaゲージ圧を下回る低い圧力状態で必要なガスの量は少ない。
【0026】
全ての粉末を追い出すのに必要な貯蔵チャンバ(リザーバ)、及び、オプションとしての混合チャンバの容積は、粉末の容積又は質量で決まる。かかる容積は、好ましくは、粉末の投与量に応じて0.002cm3から0.2cm3であることが必要である。粉末の投与量が多ければ多いほど、リザーバ・混合チャンバは、それだけ一層大きいことが必要である。例えば、粉末投与量が5mgの場合、完全な混合を行うためには0.015cm3から0.03cm3の容積が必要である。好ましくは、チャンバ容積(貯蔵チャンバの容積及びオプションとしての混合チャンバの容積)と粉末容積の比は、1.2から4であるべきである。
【0027】
リザーバは、好ましくは、鋭利な縁(エッジ)を備えていない円筒形のものであることが必要である。その理由は、これらの鋭利な縁は、粉末堆積物を引き寄せる場合があるからである。1つ又は複数のガス入口は、好ましくは、ガスがチャンバ表面の全てを掃過して粉末がチャンバ表面上に堆積するのを阻止するように位置決めされるべきである。好ましくは、入口は、出口から見て最も遠くに位置するチャンバ端、即ち、非円形ダクトの近くに位置されるべきである。リザーバ及び混合チャンバの入口及び出口の相対位置は、ガス粉末混合物がチャンバ内に乱流による渦を形成して解凝集を最大にし、又は、スムーズな非乱流がチャンバ内で達成されるような仕方で設定されるのが良い。
【0028】
好ましくは、非円形ダクト後の表面積は、上述の表面への粉末の付着又は損失を極力少なくするよう最小限に抑えられる。本発明は、吸入後に器具内に保持される粉末が殆ど無く又は全く無く、しかもそれ故に計量された質量と投与された(送り出された)質量がほぼ同じであるという利点を有する。
【0029】
好ましくは、粉末は、300kPa未満という比較的低いガス圧力によりダクト又はノズル等中に押し込まれ、それにより、粉末が解凝集されると共に、(或いは)、スプレーが生じる。実験結果の示すところによれば、かかる低い圧力は、良好な解凝集を達成するのに十分であり、しかも、ゆっくりとしたスプレーを達成するのに最適である。
【0030】
本発明の別の観点、利点及び特徴は、特許請求の範囲の記載及び好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図中、同一の参照符号は、同一又は類似のコンポーネントについて使用されており、この場合、同一の性状、又は、類似の性状、特徴又は利点は、たとえ繰り返しの説明が省かれていても実現され、又は、達成され、或いは、実現可能であり、又は、達成可能である。さらに、互いに異なる実施形態の特徴及び観点を任意所望の仕方で組み合わせることができると共に、(或いは)、粉末を所望どおりに計量投与する他の計量投与器具、又は、計量投与する方法に使用できる。
【0032】
図1は、本発明の計量投与器具1を概略部分断面図で、又、例示目的で縮尺通りではない状態で示している。計量投与器具1は、特にガス作動式である。好ましくは、計量投与器具1は、ユーザ又は患者(図示せず)用の吸入器、特に乾燥粉末吸入器である。
【0033】
計量投与器具1は、粉末2を計量投与するように設計されており、かかる粉末は、特に、少なくとも1種類の粉末を含み、又は、少なくとも1種類の薬剤から成る。粉末2は、純粋な薬剤であっても良く、少なくとも2種類の薬剤の混合物であっても良い。加うるに、粉末2は、少なくとも1つの他の物質、特にキャリヤ、例えばラクトースを含むのが良い。
【0034】
好ましくは、粉末粒子の平均直径は、約2μmから7μmであり、特に6μm以下である。これは、特に、粉末2が、例えば、ラクトースのようなキャリヤを全く含んでいない場合に当てはまる。
【0035】
粉末2がキャリヤ、例えばラクトース、及び、少なくとも1種類の薬剤を含んでいる場合、粉末2は、粒径が20μmから300μmであり、特に約30μmから60μmであるのが良い。しかしながら、以下に詳細に説明する解凝集の結果として、この場合であっても、例えば約10μm以下の小さな粒径を有するスプレー3が得られる。特に、解凝集中、薬剤をキャリヤから分離することができ、従って、計量投与器具を吸入器として用いた場合、主として粒径が約2μmから6μmという小さい粒径に起因して薬剤が吸入され、大きなキャリヤは、嚥下されることになる。代替的に、又は、追加的に、キャリヤの破砕又は割れが、解凝集中に可能である。
【0036】
上述すると共に後述する上記直径は、大部分の中程度の空気力学的径として理解されるのが良く、且つ(或いは)、スプレー3の粒子の粒径又はフラクションに当てはめ可能である。
【0037】
図1は、粉末2をスプレー3として計量投与する際の計量投与器具1を非常に概略的に示している。スプレー3は、微粒子(粉末粒子)を含み、即ち、好ましくは、6μm以下の細かい粒径を有する。特に、スプレー3は、上述した所望のスプレープルーム特性を有する。
【0038】
計量投与器具1は、粉末2を貯蔵する貯蔵器具4を受け入れるようになっており、又は、粉末2を貯蔵する貯蔵器具4を有するようになっている。貯蔵器具4は、計量投与器具1に組み込まれるのが良く、又は、計量投与器具1の一部をなすのが良い。変形例として、貯蔵器具4は、計量投与器具1内に挿入でき、又は、計量投与器具1に連結でき、オプションとして交換できる別個の部品、特に容器、カートリッジ、ブリスタ等であっても良い。
【0039】
計量投与器具1又は貯蔵器具4は、好ましくは、ダクト5を有し、粉末2は、粉末2を解凝集すると共に、(或いは)、スプレー3を形成するためにダクト5を通って計量投与される。
【0040】
ダクト5は、好ましくは出口6のところに設けられたノズル又は絞り(図示せず)を有するのが良い。
【0041】
計量投与器具1は、好ましくは加圧ガスを用いて粉末2をダクト5中に押し込んで粉末2を解凝集すると共に、(或いは)、細かい粒径のスプレー3を生じさせる。好ましくは、計量投与器具1は、加圧ガスをもたらす手段、この実施形態では、好ましくは、取っ手又はアクチュエータ8によって指示されているように作動でき、又は、手動で操作できる空気ポンプを有する。具体的に言えば、空気ポンプ7は、ベローズから成り、又は、ベローズによって形成される。しかしながら、空気ポンプは、ピストンシリンダ装置であっても良い。空気ポンプ7に代えて、加圧ガスをもたらす手段は、計量投与器具1に動力を及ぼし、即ち、粉末2を所望通りに計量投与するための加圧又は液化ガスを収容したカプセル、容器等であっても良い。
【0042】
空気ポンプ7は、300kPa未満のガス圧力、特に約50kPaから200kPaのガス圧力を提供することができる。これは、好ましくは、計量投与器具1を作動させるのに十分である。液化ガス又は加圧ガスの入った容器を用いる場合、ガス圧力の範囲は、100kPaから約700kPaの場合がある。この場合、ガスを貯蔵器具4、特に、その貯蔵チャンバ10内に供給する前に、例えば、調節又は制御手段9によって、この圧力を好ましい圧力範囲まで減少させ、又は、抑制するのが良い。オプションとしての調節又は制御手段9は、特に、ガス流量、及び(又は)、ガス圧力を調節し、絞り(抑制し)、且つ(或いは)、制御する弁、フローレストリクタ(制流子)、毛管等である。
【0043】
好ましくは、本明細書及び特許請求の範囲に記載された全ての圧力値は、ゲージ圧、即ち圧力差である。全ての圧力値は、ガス貯蔵手段、例えば、加圧ガス又は液化ガス入りの容器内の圧力、又は、空気ポンプ7によりもたらされる圧力に関し、或いは、チャンバ10、及び(又は)、ダクト5内で働く圧力に関する。
【0044】
計量投与器具1又は貯蔵器具4は、好ましくは、一回の計量投与作業で計量投与されるべき一回投与分の粉末2を収容した少なくとも1つの貯蔵チャンバ10を有している。
【0045】
計量投与のため、ガスを圧力下でガス供給源又は入口11等を介して、貯蔵チャンバ10・粉末2に供給する。好ましくは、入口11は、加圧ガスをもたらす手段、即ち、特に空気ポンプ7、又は、調節、若しくは、制御手段9に連結され、又は、連結可能である。ガスは、貯蔵チャンバ10内にそれぞれの流れを生じさせて少なくとも本質的に全ての粉末2をダクト5中に押し込む。
【0046】
ガスが貯蔵チャンバ10に供給されると、パウダー2のそれぞれの投与分がガスと共に計量投与され、即ちガスと混合された状態でダクト5中に押し込まれ、そして、図1に示すようにスプレー3として放出される。
【0047】
好ましくは、貯蔵器具4、特にチャンバ10は、鋭利な縁、コーナ部等を備えておらず、滑らかな輪郭を有しており、その結果、ガスは、チャンバ表面を全て掃過して粉末2がかかるチャンバ表面上に堆積するのを阻止すると共に、パウダー2の完全な放出を保証し、又は、パウダー2の完全な放出を可能にすることができるようになっている。特に、ガス入口11は、軸方向又は出口方向に関してダクト5と反対側に配置されている。
【0048】
貯蔵器具4は、一回分の投与のための貯蔵チャンバ10を1つしか備えなくても良く、この場合、貯蔵器具4は、一回投与専用であり、又は、貯蔵器具4は、多数の貯蔵キャビティ10を有しても良く、かくして、次々に計量投与できる粉末2の多数の投与分を収容しても良い。
【0049】
計量投与器具1により、特に空気ポンプ7によりもたらされるガス供給源は、好ましくは、計量投与操作が必要な場合に一時的にのみ、任意適当な仕方で、それぞれの貯蔵器具4又は貯蔵チャンバ1、特に、それぞれのガス入口11に結合可能である。例えば、穿通要素、結合要素等を押して、特に、かかる要素をそれぞれの密封要素、ダイヤフラム、メンブレン、壁部分等に挿通させて開き、又は、それぞれの貯蔵チャンバ10へのガス供給を可能にすることにより、ガス入口11・それぞれの貯蔵チャンバ10に流体結合するのが良い。
【0050】
図2は、図1の拡大断面図、特に、図1に記載された計量投与器具1のダクト設計の拡大断面図である。この場合、ダクト5は、少なくとも1つの方向転換部分12のところで少なくとも約90°の角度がつけられている。この実施形態では、ダクトは、多数の方向転換部分12を有する。
【0051】
ダクト5にその入口13のところで流入した粉末2は、図2に示すように各方向転換部分12のところで固体表面(衝突領域)14に衝突する。この実施形態では、ダクト5は、互いに逆方向に交互に曲げられると共に、(或いは)、好ましくは、角度がつけられている。ダクト5は、図1及び図2の実施形態では、全部で6つの衝突箇所又は領域14を有している。ダクト5は、好ましくは、各方向転換部分12のところで約90°の角度がつけられている。
【0052】
図3では、ダクト5は、好ましくは、蛇行状パターンを辿っている。しかしながら、他の設計、特に、折り曲げ設計も可能である。
【0053】
粉末2の解凝集は、好ましくは、粉末2が、好ましくは、細いダクト5、又は、平らなダクト5を流通して解凝集されることにより支援され、又は、一段と促進される。
【0054】
図3は、本発明の計量投与器具1のダクト5の他の実施形態を示している。この場合、ダクト5は、追加的に、又は、代替的に、粉末2のリザーバ(貯蔵チャンバ10)として用いられる。この場合、別個の貯蔵チャンバ10、又は、追加の貯蔵チャンバ10は不要である。その代わり、ダクト5は、ガスと粉末2の十分な混合を可能にするよう設定されており、粉末2の十分な解凝集を達成することができる。
【0055】
好ましくは、ダクト5の入口13に隣接して位置する第1の部分は、貯蔵チャンバ10を形成すると共に、(或いは)、粉末2で満たされる。
【0056】
図3の実施形態では、10個の方向転換部分12、及び、かくして、10個の衝突箇所又は固体表面14が形成されている。
【0057】
図4は、好ましくは、ジグザグ状のダクト形状、又は、互い違いのダクト形状をした別の実施形態を示している。この場合、ダクト5は、少なくとも2つの方向転換部分12を有し、ダクト5は、90°よりも大きな角度がつけられ、特に135°よりも大きな角度がつけられ、好ましくは、約150°の角度がつけられており、その結果、非常に良好な粉末解凝集が得られる。
【0058】
図5は、本発明の計量投与器具1のダクト5の別の実施形態を示している。この場合、ダクト5は、二股部分15のところで2つの互いに逆の方向に分けられ、その結果、粉末2は、2つの固体表面14に当たって粉末の解凝集が行われるようになっている。具体的に言えば、ダクト4は、2つの別々の枝路又はダクト5a,5bに分けられ又は枝分かれしている。各枝路5a,5bは、上述したような方向転換部分12を有している。具体的に言えば、2つの枝路5a,5bの出口方向は、図5の実施形態では本質的に互いに平行である。しかしながら、他のダクト、又は、出口形態も可能である。
【0059】
図5の実施形態では、粉末粒子が当たり、かくして、解凝集が起こる3つの衝突箇所14が形成されている。
【0060】
図6は、同様な実施形態を示している。この場合、ダクト枝路5a,5bは、それぞれの方向転換部分12のところで90°よりも大きな角度がつけられ、次に、互いに逆方向に曲げられて出口方向が互いに角度をなし、又は、傾斜すると共に、(或いは)、ディフューザ16が出口速度を減速するためにダクト、又は、チャネル5の出口6のところ、又は、この中に形成されている。
【0061】
図7は、ダクト5の枝路5a,5bが図5の実施形態と類似した少なくとも実質的に互いに平行な出口方向で、しかしながら、互いに近接した状態で出る別の実施形態を示している。
【0062】
図8は、ダクト5の2つの枝路5a,5bが出口6のところで互いに接合された別の類似の実施形態を示している。図9は、図8に類似した別の実施形態を示しており、この場合、ディフューザ16は、枝路5a,5bの共通出口6のところに形成されている。
【0063】
図10は、本発明の計量投与器具1のダクト5の別の実施形態を示している。この場合、ダクト5は、実質的に、図8の2つのダクト構造体を繰り返したものである。相互連結部17は、第1のダクト構造体の出口、及び、第2のダクト構造体の入口を形成し、かかる出口と入口は、連続して連結されている。
【0064】
この実施形態では、ダクト5は、多数の、即ち、少なくとも2つの二股部分5を有し、ダクト5は、2つの方向に分けられ、好ましくは、正反対の方向に分けられ、又は、分割されている。
【0065】
注目されなければならないこととして、互いに異なるダクト構造体、及び(又は)、ダクト構造体の互いに異なる特徴を任意適当な仕方で組み合わせることができる。
【0066】
図11は、速度を減速させる手段を備えた別のダクト構造体を概略断面図で示しており、前記手段は、多数の粉末ジェットスプレー衝突手段18を形成する。前記手段18は、図1に示すように互いに衝突し、又は、互いに当たる多数の、少なくとも2つの粉末スプレージェットPを形成する。この実施形態では、ダクト5は、2つの部分5a,5bに分かれ、これら部分5a,5bは、開口部、又は、出口6が互いに対して傾けられて部分5a,5bから噴出する粉末ジェットPが互いに対して傾けられて衝突するように設計されている。例えば、図11に示すように、ダクト5の少なくとも2つの部分5a,5bを形成するために分流器19、又は、任意の案内手段を流路中に設けるのが良い。
【0067】
粉末ジェットP相互間の衝突角度αは、30°から180°であり、好ましくは、少なくとも90°であり、特に約90°から150°である。粉末ジェットPの衝突の結果として、スプレー3の速度が減少すると共に、(或いは)、粉末2の解凝集が生じると共に、(或いは)、キャリヤからの薬剤粒子の分離が生じると共に、(或いは)、スプレー3の良好な集束が得られる。これら作用効果は、衝突角αで決まる。衝突角αが大きいと、その結果、作用効果が良好になる。液体ジェットとは対照的に、衝突角αが90°以上であることが可能であり、且つ、好ましい。これら角度は、以下の実施形態にも当てはまる。
【0068】
ダクト5は、好ましくは、図11に示す実施形態では、貯蔵チャンバ10に少なくとも接線方向に連結される。好ましくは、ダクト5は、円筒形チャンバ14の一方の軸方向端部のところで混合チャンバ10に連結され、ガス入口11は、チャンバ10の他方の軸方向端部に連結されている。特に、ガス入口11は又、貯蔵チャンバ10に接線方向に連結されており、ガスに流入するとスワールが生じ、スワール方向は、ダクト5を通るガスと粉末2の混合物の放出を支援し、スワール方向は、スワールの回転方向に接線方向に繋がっている。
【0069】
図12は、粉末ジェット衝突手段18の別の実施形態を概略断面図で示している。この場合、2本又は3本以上のダクト5は、傾斜部分、又は、出口部分5cを有し、これらの傾斜部分、又は、出口部分は、前記出口部分5cから噴出された粉末ジェットPが互いに衝突するように、互いに対して傾けられている。
【0070】
図11及び図12の実施形態は、3つ以上の粉末ジェットPを衝突させるのにも適している。例えば、図面の平面に垂直な断面平面にほぼ同じ構造を設け、その結果、4つの出口方向及び粉末ジェットPがコーヌス(conus)の表面上に配置されるようにすることが可能である。しかしながら、同様な作用効果を有する多くの他の構造が可能である。
【0071】
追記されなければならないこととして、ダクト部分5a〜5cの断面は、好ましくは必ずしも長方形、又は、平らな形である必要はなく、任意適当な断面形状を取ることができる。
【0072】
好ましくは、ガス入口11又はガス供給部は、ダクト5又は出口6よりも小さな断面積を有し、したがって、ガス流量は、計量投与中、出口側によってではなく、即ち、ダクト5又は出口6によってではなく、入口によって定められるようになる。この場合、ガスと粉末2の混合物は、比較的低いガス圧力によりダクト5、及び(又は)、任意他の適当な出口、例えば、出口6中に押し込まれ、ガス流量は、この段階の間、少なくとも主としてガス入口11又はガス入口11の上流側の任意他の絞りの断面によって制御される。ダクト5、及び(又は)、出口6を通って粉末2を放出するガス圧力が比較的低いので、スプレー3の低い放出速度、及び、かくして、低い伝搬速度を達成することができる。加うるに、スプレー3の伝搬速度を減速させる手段、具体的には、粉末ジェット衝突手段18を用いると、スプレー3の伝搬速度を一段と減少させることができる。
【0073】
好ましくは、スプレー3の平均速度(出口・マウスピースから10cm離れたところで測定した平均速度)は、2m/s未満であり、特に1m/s未満である。好ましくは、スプレー3の平均持続時間は、少なくとも0.2秒又は0.3秒であり、特に約0.5秒から2秒である。
【0074】
好ましくは、ダクト5は、平らな(内側)断面を有する。図13aから図13cは、ダクト5の潜在的に取り得る断面を示している。図13aは、実質的に長方形の断面を示している。図13bは、2つの湾曲した部分により互いに連結された2つの互いに反対側の真っ直ぐな側部を有する平らな断面を示している。図13cは、長円形又は楕円形の断面を示している。
【0075】
本発明では、断面は、断面の最も長い辺、又は、側部d1と最も短い辺、又は、側部d2の比が少なくとも2.0である場合、平らなものであると考えられる。好ましくは、比は、3から50であり、特に約5から70である。図6に示す断面は、縮尺通りではないことが指摘される。
【0076】
最も長い辺d1は、好ましくは、0.5mmから5mm、特に1mmから3mmである。最も好ましくは、最も長い辺d1と細かい粒径(望ましい粒径)(スプレー3の粉末粒子又は薬剤粒子の大部分の平均直径)は、500未満であり、好ましくは、300未満であり、特に約30から300である。
【0077】
最も短い辺d2は、好ましくは、0.05mmから0.5mmであり、特に約0.07mmから0.25mmである。最も好ましくは、最も短い辺d2と細かい粒径(望ましい粒径)(スプレー3の粉末粒子又は薬剤粒子の大部分の平均直径)は、50未満、好ましくは30未満であり、特に約3から20である。
【0078】
ダクト5の長さは、好ましくは、平らな断面の長さを意味している。かくして、ダクト5は、大きな長さを有し、即ち、他の断面形状、及び(又は)、大きな断面積を有する別の部分を有するのが良く、その結果、ガスと粉末2の混合物に対するこれら他の部分の影響は、平らな断面を有するダクト5の部分と比較して、低い。しかしながら、平らな断面の断面積、及び(又は)、形状は、ダクト5の長さ(平らな断面を有する部分)全体にわたって様々であって良い。かくして、ダクト5の断面領域は、入口から出口までテーパし、或いは、この逆の関係が成り立つことが可能である。
【0079】
最も好ましくは、ダクト5は、断面積が一定であり、即ち、直径、及び(又は)、形状が一定の平らな断面の少なくとも一部分を有する。
【0080】
ダクト5の長さ、即ち、平らな断面を有する部分は、3mmから80mmであり、特に5mmから15mmであるのが良い。好ましくは、ダクト長さは、ダクト5の平均水力直径に合わされており、したがって、ダクト5の長さと平均水力直径の比は、少なくとも5であり、特に約10であり、好ましくは20から60以上であり、この場合、水力直径は、断面積4つ分をダクト周長で除算して得られた比として定義される。
【0081】
好ましくは円形又は円筒形若しくは円錐形のチャンバ10の直径は、粉末2の各投与分の容積又は質量で決まる。一回分の投与量は、例えば1mgから2mg(キャリヤの無い純粋薬剤)であり、又は、2mgから10mg(薬剤とキャリヤ、特にラクトースのブレンド)であるのが良い。第1の場合、直径の範囲は、好ましくは、1.5mmから2.5mmである。第2の場合、直径の範囲は、好ましくは、2mmから5mmである。好ましくは、ダクト5の断面は、同様に様々である。例えば、最も短い辺d2は、第1の場合では約0.07mmから0.1mmであり、第2の場合では約0.15mmから0.25mmである。大きい方の(内側の)辺d1は、粉末のサイズ又は粒径には、それほど強く依存しない。好ましくは、大きい方の辺は、第1の場合では約1mmから2mmであり、第2の場合では約1mmから3mmである。
【0082】
ダクト5の平均水力直径は、好ましくは、1mm未満であり、特に0.1mmから0.6mmである。
【0083】
好ましくは、ダクト5は、カバーを備えた平らな溝により成形されると共に、(或いは)、形成される。
【0084】
計量投与器具1又は貯蔵器具4は、粉末2の一回分を同時に投与し、特に、計量投与された粉末2の全質量流量又は出力を増大させて所望の投与量が所望通りに、且つ(或いは)、必要に応じて十分に短い時間で放出でき、又は、投与できるようにする多数の出口5を有するのが良い。
【0085】
図14は、計量投与器具1の別の実施形態を非常に概略的な断面図で示している。この実施形態では、貯蔵器具4は、好ましくは、多数の貯蔵キャビティを備えた円板上のカートリッジ、容器、ブリスタ等である。貯蔵器具4を段階的に回転させ、又は、割送りすることができ、その結果、粉末2を貯蔵キャビティ10から次々に投与することができるようになっている。この実施形態では、ガスを軸方向に供給するのが良く、ガスと粉末2の混合物を特にユーザ又は患者(図示せず)のためのマウスピース20内に半径方向に計量投与するのが良い。好ましくは、粉末2は少なくとも1つのダクト5、及び(又は)、出口6を介して直接マウスピース20内に投与される。最も好ましくは、ダクト5・出口6は、マウスピース20内に配置され、特に、マウスピース20の開口部に関して引っ込んだ状態で配置される。これは、好ましくは、図1及び図2に示す計量投与器具1についても当てはまる。
【0086】
注目されなければならないこととして、本発明、具体的には計量投与器具1、及び(又は)、貯蔵器具4は、1種類の薬剤、複数種類の薬剤のブレンド、又は、少なくとも2種類又は3種類の別々の薬剤を計量投与するために使用できる。後者の場合、別々の薬剤を別々の貯蔵チャンバ10内に貯蔵し、計量投与操作中、薬剤を共通混合チャンバ内かこれらのそれぞれの貯蔵チャンバ10内かのいずれかの中でガスと混合する。さらに、別々の薬剤を共通のダクト5、若しくは、出口6、又は、別々のダクト5、若しくは、出口6を通って放出することができる。後者の場合、別々の薬剤は、別々のダクト5・出口6を出た後に、又は、マウスピース31内で、若しくは、任意の他の適当な(追加の)混合チャンバ内で混合されることになる。また、別々の薬剤の粉末ジェットを衝突させることにより別々の薬剤を混合することが可能である。別々の薬剤を計量投与するため、共通のガス供給源若しくはガスを加圧させる手段、例えば、空気ポンプ7、又は、別々のガス供給源・加圧ガスを提供する手段を用いることが可能である。
【0087】
以下において、本発明の作用効果を示す2つの実施例について説明する。
【0088】
(実施例1):90.0重量%のラクトース200、9.7重量%の微小ラクトース及び0.3重量%のチオトロピウムのブレンドを用いた。ラクトース200の平均粒子直径は、約45μmであり、微小ラクトースの平均粒子直径は、約4μmであり、チオトロピウムの平均粒子直径は、約4μmであった。約5.5mgのブレンドを粉末2として貯蔵及び混合チャンバ10内に入れた。かかる貯蔵及び混合チャンバは、直径が3mmであり、軸方向長さが3mmの実質的に円筒形の形をしていた。5ml(5ミリリットル)の圧縮空気を入口オリフィスが0.5mmのガス入口からゲージ圧力が約100kPaの状態でチャンバ10内に送り込んだ。粉末2を最も短い辺が約0.18mmであり、最も長い辺が約1.5mmの実質的に長方形断面のダクト5経由で計量投与した。ダクト5は、2つのダクト部分5a,5b(具体的には図11に示されている)に分けられ、各部分は、最も短い辺が約0.18mmであり、最も長い辺が約0.75mmの実質的に長方形の断面を有していた。部分5a,5bを含むダクト5の全長は、約8mmであった。その結果として、計量された質量の100%、即ち、チャンバ10内の粉末2の全てが投与された。直径の平均値と大部分の平均微小フラクションのうちの約50%を30l(30リットル)/分と60l(60リットル)/分の両方でアンダーソン・カスケード・インパクタ(Anderson Cascade Impactor)によって測定した。
【0089】
(実施例2):平均粒子直径が4μmのフェノテロールを約1.5mg粉末2として貯蔵及び混合チャンバ10内に入れ、かかる貯蔵及び混合チャンバは、直径が2mm、軸方向長さが2mmの実質的に円筒形の形をしていた。5ml(5ミリリットル)の圧縮空気を入口オリフィスが0.5mmのガス入口からゲージ圧力が約150kPaの状態でチャンバ10内に送り込んだ。粉末2を最も短い辺が約0.075mmであり、最も長い辺が約1.5mmの実質的に長方形断面のダクト5経由で計量投与した。ダクト5は、2つのダクト部分5a,5b(具体的には図11に示されている)に分けられ、各部分は、最も短い辺が約0.075mmであり、最も長い辺が約0.75mmの実質的に長方形の断面を有していた。部分5a,5bを含むダクト5の全長は、約8mmであった。その結果として、計量された質量の100%、即ち、チャンバ10内の粉末2の全てが投与された。直径の平均値と大部分の平均微小フラクションのうちの約45%を30l(30リットル)/分と60l(60リットル)/分の両方でアンダーソン・カスケード・インパクタによって測定した。
【0090】
粉末2又は薬剤は、以下の物質、又は、これら物質の任意の混合物のうちの任意の1つを含むのが良い。粉末2又は薬剤は、好ましくは、以下の群から選択された追加の薬理学的に有効な物質又は物質の混合物を含んでも良い。
【0091】
抗コリン作動薬
抗コリン作動薬は、好ましくは、チオトロピウム、チオトロピウムブロミド、オキシトロピウムブロミド、フルトロピウムブロミド、イプラトロピウムブロミド、グリコピロニウム塩、トロスピウムクロリド、トルテロジン、2,2−ジフェニルプロピオンアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、2,2−ジフェニルプロピオンアシッドスコピンエステル−メトブロミド、2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸スコピンエステル−メトブロミド、2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸トロペノルエステル−メトブロミド、3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジルアシッドトロペノールエステル−メトブロミド、3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジルアシッドスコピンエステル−メトブロミド、4,4′−ジフルオロベンジルアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、4,4′−ジフルオロベンジルアシッドスコピンエステル−メトブロミド、3,3′−ジフルオロベンジルアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、3,3′−ジフルオロベンジルアシッドスコピンエステル−メトブロミド、9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボンアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、9−フルオロ−フルオレン−9−カルボンアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボンアシッドスコピンエステル−メトブロミド、9−フルオロ−フルオレン−9−カルボンアシッドスコピンエステル−メトブロミド、9−メチル−フルオレン−9−カルボンアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、9−メチル−フルオレン−9−カルボンアシッドスコピンエステル−メトブロミド、ベンジルアシッドシクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド、2,2−ジフェニルプロピオンアシッドシクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド、9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボンアシッドシクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド、9−メチル−フルオレン−9−カルボンアシッドシクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド、9−メチル−キサンテン−9−カルボンアシッドシクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド、9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボンアシッドシクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド、4,4′−ジフルオロベンジルアシッドメチルエステルシクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド、9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボンアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボンアシッドスコピンエステル−メトブロミド、9−メチル−キサンテン−9−カルボンアシッドスコピンエステル−メトブロミド、9−メチル−キサンテン−9−カルボンアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、9−エチル−キサンテン−9−カルボンアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボンアシッドトロペノルエステル−メトブロミド、9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボンアシッドスコピンエステル−メトブロミド、並びに、オプションとして、ラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態、及び、オプションとして薬理学的に容認できる酸添加塩、及び、その水和物が挙げられる。
【0092】
ベータ−交換神経興奮薬
ベータ−交換神経興奮薬は、好ましくは、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロクサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、インダクテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモル、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルチプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモル、ソテレノット、スルホンテロール、チアラミド、テルブタリン、トルブテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンゾルスルホナミド、5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチロキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾル−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオルメチルフェニル)−2−ター−ブチルアミノ)エタノール及び1−(4−エトキシカルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(ター−ブチルアミノ)エタノール、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態、並びに、オプションとして、これらの薬理学的に容認できる酸添加塩、及び、水和物の形態の中から選択される。
【0093】
ステロイド
ステロイドは、好ましくは、プレドニソロン、プレドニソン、ブチキソコルトプロピオネート、RPR−106541、フルニソリド、ベクロメタソン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカソン、モメタソン、シクレソニド、ロフレポニド、ST−126、デキサメタソン、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオンアシッド(S)−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオンアシッド(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−3S−イル)エステル及びエチプレドノール−ジクロロアセテート(BNP−166)、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態、並びに、オプションとして、これらの薬理学的に容認できる酸添加塩、及び、水和物の形態の中から選択される。
【0094】
PDEIV阻害薬
PDEIV阻害薬は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィルリン、ロフルミラスト、アリフロ(チロミラスト)、CP−325,366、BY343、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンザミド、NCS−613、プマフェンチン、(−)p−[(4aR*,10bS*])−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンザミド、(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[3−シクロペンチロキシ]−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、3−(シクロペンチロキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N′−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチロキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−炭素酸]、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピル−メトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オル]、(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチロキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチロキシ]−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリドン]アセテート、CDP840、ベイ(Bay)−198004、D−4418、PD−168787、T−440、T2585、アロフィルリン、アチゾラン、V−11294A、C1−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、及び、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(ター−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態、並びに、オプションとして、これらの薬理学的に容認できる酸添加塩、及び、水和物の形態の中から選択される。
【0095】
LTD4拮抗薬
LTD4拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチレチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸、プランルカスト、ザフィルルカスト、[2−[[2−(4−ター−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707及びL−733321、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態、並びに、オプションとして、これらの薬理学的に容認できる酸添加塩、及び、水和物の形態の中から選択される。
【0096】
EGFRキナーゼ阻害薬
EGFRキナーゼ阻害薬は、好ましくは、セツキマブ(cetuximab )、トラスツズマブ(trastuzumab )、ABX−EGF、マブ(Mab )ICR−62、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォニン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチロキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−2−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチロキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタネスルフォニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタネスルフォニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタネスルフォニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アミノ]−6−{1−[N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ]カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタネスルフォニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタネスルフォニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタネスルフォニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、及び、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、並びに、オプションとして、これらのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態、並びに、オプションとして、これらの薬理学的に容認できる酸添加塩、及び、水和物の形態の中から選択される。
【0097】
さらに、化合物は、ベータミメティック(betamimetic(s))、バッカクアルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP拮抗薬、ホスホジエステラーゼV阻害薬、オプションとして、ラセミ化合物、エナンチオマー、又は、ジアステレオマーの形態、及び、オプションとして、薬理学的に許容できる酸追加塩、及び、その水和物の群から選択されたものであっても良い。
【0098】
薬理学的に容認できる酸を含む酸添加塩は、例えば、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドリオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレアート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルオルスルホネート、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートである。
【0099】
抗アレルギー薬として、クロモグリク酸二ナトリウム、ネドクロミルが挙げられる。
【0100】
アルカロイドの誘導体として、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミンが挙げられる。
【0101】
さらに、欧州特許第1,003,478号明細書に開示されているように、吸入可能な巨大分子を薬理学的に有効な物質として使用できる。
【0102】
吸入目的のため、上述した薬理学的に有効な物質を含む薬剤、薬剤調合物、及び、これらの混合物を用いることができると共に、これらの薬理学的に有効な物質、塩、エステル、並びに、これらの薬理学的に有効な物質、塩、エステルの組合せを用いることが可能である。
【0103】
さらに、欧州特許第1,003,478号明細書に開示されているように、吸入可能な巨大分子を薬理学的に有効な物質として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一実施形態としての計量投与器具の概略断面図である。
【図2】図1の計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図3】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図4】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図5】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図6】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図7】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図8】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図9】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図10】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図11】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図12】別の実施形態としての計量投与器具のダクトの概略断面図である。
【図13a】一断面を備えたダクトの断面図である。
【図13b】別の断面を備えたダクトの断面図である。
【図13c】別の断面を備えたダクトの断面図である。
【図14】別の実施形態としての計量投与器具の概略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に薬剤を含む粉末、又は、薬剤から成る粉末(2)を粉末微粒子を含むスプレー(3)として計量投与する計量投与器具(1)であって、前記計量投与器具(1)が、ダクト(5)を有し、前記粉末(2)を解凝集するガス圧力によって前記粉末が前記ダクトを通って計量投与できる、計量投与器具において、
前記ダクト(5)は、前記粉末(2)が固体表面(14)に衝突して粉末の解凝集が生じるように方向転換部分(12)のところで、少なくとも約90°の角度がつけられると共に(或いは)二股部分(15)のところで、2つの互いに逆の方向に方向転換されることを特徴とする、計量投与器具。
【請求項2】
前記ダクト(5)は、多数の方向転換部分(12)を有することを特徴とする、請求項1記載の計量投与器具。
【請求項3】
前記ダクト(5)は、多数の二股部分(15)を有することを特徴とする、請求項1又は2記載の計量投与器具。
【請求項4】
前記ダクト(5)は、前記粉末(2)を多数の固体表面又は表面部分(14)に衝突させて粉末の解凝集が生じるように設計されていることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項5】
前記ダクト(5)は、互いに逆方向に交互に曲げられると共に、(或いは)、角度がつけられていることを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項6】
前記ダクト(5)は、毛管であることを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項7】
前記ダクト(5)は、前記計量投与器具(1)のマウスピース(20)内に直接延び出ていることを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項8】
前記ダクト(5)は、平らな断面を有し、好ましくは、前記平らな断面の最も長い辺(d1)と最も短い辺(d2)の比は、少なくとも2.0であることを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項9】
前記最も長い辺(d1)は、0.5mmから5mmであり、好ましくは約1mmから3mmであると共に、(或いは)、前記最も短い辺(d2)は、0.05mmから0.5mmであり、好ましくは約0.07mmから0.25mmであると共に、(或いは)、前記平らな断面は、実質的に長円形であり、又は、長方形であることを特徴とする、請求項8記載の計量投与器具。
【請求項10】
前記計量投与器具(1)は、前記粉末(2)を前記ダクト(5)中に押し込むと共に、(或いは)、前記粉末(2)を計量投与するための加圧ガス、特に、空気をもたらす手段を有することを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項11】
前記計量投与器具(1)は、加圧ガスをもたらす手段として空気ポンプ(7)を有し、前記空気ポンプ(7)は、好ましくは、手動で操作できることを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項12】
前記計量投与器具(1)は、一回投与分の粉末(2)が入っており、又は、多数回投与分が次々に計量投与できるように、別々の多数回投与分の粉末(7)が入っている、好ましくは、交換可能な貯蔵器具(4)を受け入れ、又は、交換可能な貯蔵器具(4)を有するようになっていることを特徴とする、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項13】
前記貯蔵器具(4)は、粉末(2)の各投与分が別個のダクト(5)又は出口(6)を通って計量投与されるように構成されていることを特徴とする、請求項12記載の計量投与器具。
【請求項14】
前記貯蔵器具(4)は、カートリッジ、ブリスタ、カプセル、又は、容器であることを特徴とする、請求項12又は13記載の計量投与器具。
【請求項15】
前記計量投与器具(1)は、特に計量投与される粉末(2)の全質量流量を増大させるために粉末(2)の一回分を同時に計量投与する多数のダクト(5)を有することを特徴とする、請求項1〜14のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項16】
前記計量投与器具(1)、及び(又は)、前記貯蔵器具(4)は、各投与分の粉末(2)が別個のダクト(5)、又は、未使用のダクト(5)を通って計量投与されるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜15のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項17】
前記計量投与器具(1)は、好ましくは、前記ダクト(5)の出口のところに設けられていて、前記スプレー(3)の伝搬速度を減速させる手段、特にディフューザ(16)を有することを特徴とする、請求項1〜16のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項18】
前記計量投与器具(1)は、前記粉末(2)を一段と解凝集すると共に、(或いは)、前記スプレー(3)の伝搬速度を減速すると共に、(或いは)、別々の粉末(2)を混合するために少なくとも2つの粉末ジェット(P)を衝突させる粉末ジェット衝突手段(18)を有することを特徴とする、請求項1〜17のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項19】
前記粉末粒子の平均粒径は、前記粉末(2)が純粋薬剤、又は、薬剤のブレンドである場合、2μmから7μmであり、又は、前記粉末粒子の平均粒径は、前記粉末(2)がキャリヤ、例えば、ラクトースと少なくとも1種類の薬剤のブレンドである場合、20μmから300μmであることを特徴とする、請求項1〜18のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。
【請求項20】
前記計量投与器具(1)は、乾燥粉末吸入器であることを特徴とする、請求項1〜19のうちいずれか一項に記載の計量投与器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−533104(P2009−533104A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504570(P2009−504570)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003459
【国際公開番号】WO2007/118490
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(503277020)ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D−44227 Dortmund,Germany