説明

記入用紙を利用したデータ処理システム及びデータ処理方法

【課題】関係者、特にデータ入力者等の間から、記入された個人情報等の流出・漏洩を防ぐことができる記入用紙と、その記入用紙を利用して収集した個人情報等をデータ化する際のデータ処理システム及びデータ処理方法を提供する。
【解決手段】アンケート用紙10は、個人情報等26を記入することができる複数の情報記入欄14から構成される情報記入領域12を有する。情報記入欄14は、ミシン目16によって、第一情報記入欄14aと第二情報記入欄14bとに区画されている。ミシン目16に沿ってアンケート用紙10を二つの紙片20,22に分断することにより、第一情報記入欄14aに記入された情報断片26aは右側の紙片20に、第二情報記入欄14bに記入された情報断片26bは左側の紙片22にそれぞれ含まれる。分割された情報断片26a,26bは、識別番号に従ってデータ化の際に元の個人情報等26に復元できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報等の各種情報を記入する申込用紙やアンケート用紙等に利用される記入用紙、また、その記入用紙を利用して収集した各種情報をデータ化する際のデータ処理システム及びデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な商取引(銀行口座の開設や各種契約の申込み等)において利用される申込用紙や、懸賞等の応募に利用されるアンケート用紙には、氏名、住所、電話番号、生年月日、職業、年収等の個人情報やプライバシー情報(以下、個人情報等)を記入する機会が多い。それらの個人情報等は、他人に知られると個人の私生活が露になって予期せぬ不都合が生じるおそれがあり、本来は秘密にしておきたいと考えている人が多いのが一般的である。そのため、近年では、個人情報等の保護の重要性に対する関心が高まり、種々の規制や法整備が進んできている。その結果、申込者やアンケート回答者等の個人情報等を提供する側の者(以下、個人情報等提供者)は、提供した個人情報等がどのように取り扱われているか過敏になっているのは勿論、提供された個人情報等を収集する側の企業等も、その個人情報等の取り扱いに関しては非常に配慮しているのが現状である。
【0003】
上記のような背景から、個人情報等を記入させる申込用紙やアンケート用紙等の記入用紙には、収集した個人情報等を守るため、様々な工夫が為されている。
例えば、記入用紙において、個人情報記入欄が設けられている領域上に剥離剤層を形成し、その記入用紙の一部を粘着剤層を備えた情報隠蔽部として、その情報隠蔽部を折り畳んで個人情報記入欄上に貼付した際に個人情報記入欄に記入された記入情報を覆い隠し、その記入情報を第三者に盗み見られない状態に隠蔽することができる記入用紙が開発されている(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−144640号公報
【特許文献2】特開2007−152757号公報
【0005】
しかしながら、近年、個人情報等(例えば一般企業が所有する顧客情報)がその個人情報等を収集する側の企業等に属する者(以下、関係者)の間から流出(漏洩)する事件が多発しているように、関係者の中に、取得した個人情報等を営利目的や犯罪目的で故意に流出させる悪意のある者が存在することも事実である。上記引用文献に記載されている技術は、個人情報等提供者が記入した後、関係者が開封するまでの間、第三者の盗み見を防ぐものではあるが、関係者によるその提供された個人情報等の不正な取得や流出を防ぐものではない。
【0006】
例えば、コンピュータが広く普及している現代社会では、一般的に、収集した個人情報等は電子化され、データベース上に記録され保持されることが多い。このような場合、個人情報等提供者によって記入用紙に記入された個人情報等をデータベースに入力するための作業が必要になる。そのデータ入力作業の際に、関係者の一種であってその個人情報等に接することができるデータ入力者は、データ入力作業を遂行するため、その個人情報等の内容を全て把握することが必要である。仮に、そのデータ入力者が営利目的や犯罪目的等の悪意を持ってその記入用紙に記入されている個人情報等の内容に接した場合、そのデータ入力者による悪意の取得を防止することは困難であるだけでなく、その悪意取得者から持ち出された個人情報等がさらなる第三者にまで無制限に流出してしまう可能性がある。特に、データ入力作業に関しては、銀行や保険会社等の個人情報等を収集する企業が自ら行う場合よりも、外部のシステム業者等に委託している場合も多いため、収集した個人情報等の管理が難しい。外注先での個人情報等保護に関する教育が不十分で安全管理や危機管理が行き届いていない場合には、データ入力者等の担当者や作業員の責任感も希薄になり、その外注先から簡単に流出してしまうおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記の点に鑑みて為されたものであり、申込用紙やアンケート用紙等に利用される記入用紙であって、関係者、特に個人情報等の記入内容をデータ化する際のデータ入力者等、の間からの情報流出・情報漏洩を防ぐことができる記入用紙を提供することを目的とする。また、その記入用紙を利用して収集した個人情報等の各種情報をデータ化する際のデータ処理システム及びデータ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る記入用紙は、各種情報を記入するための複数の情報記入欄を有する記入用紙において、前記各情報記入欄に記入された前記情報を単体ではその内容が特定できないような2以上の情報断片に分割するための目安となる区画手段で区画し、前記情報を分割した場合に前記一の情報断片と前記他の情報断片とをその後に結合して前記情報全体の内容を復元するために前記一の情報断片と前記他の情報断片とに互いに対応するための識別番号を備えることを特徴とする。また、前記区画手段をミシン目又は間欠的スリットとして前記記入用紙を2以上の紙片に分断することを特徴とする。さらに、前記情報記入欄に前記情報を記入する際に、情報を分割する目安となる補助表示を備えたことを特徴とする。
本発明に係る記入用紙を利用したデータ処理システムは、各種情報を記入するための複数の情報記入欄を有する記入用紙において、前記各情報記入欄に記入された前記情報を単体ではその内容が特定できないような2以上の情報断片に分割するための目安となる区画手段で区画し、前記情報を分割した場合に前記一の情報断片と前記他の情報断片とをその後に結合して前記情報全体の内容を復元するために前記一の情報断片と前記他の情報断片とに互いに対応する識別番号を備える記入用紙に記入された前記情報をデータ化するデータ処理システムにおいて、前記一の情報断片と前記他の情報断片とをそれぞれデータ素材として個別に入力する入力手段と、前記入力手段により個別に入力された前記データ素材を前記識別番号に従って結合し一の記入情報データを完成させる結合手段と、前記結合手段によって完成された前記記入情報データを記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする。また、前記情報断片を前記データ素材として前記入力手段により入力する前段階において、前記情報を画像情報として取り込む取込手段と、前記取込手段により取り込んだ前記画像情報を前記一の情報断片と前記他の情報断片とに分割する分割手段と、前記分割手段により分割された前記一の情報断片と前記他の情報断片とをそれぞれ別々の画像情報として保存する保存手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る記入用紙を利用したデータ処理方法は、各種情報を記入するための複数の情報記入欄を有する記入用紙において、前記各情報記入欄に記入された前記情報を単体ではその内容が特定できないような2以上の情報断片に分割するための目安となる区画手段で区画し、前記情報を分割した場合に前記一の情報断片と前記他の情報断片とをその後に結合して前記情報全体の内容を復元するために前記一の情報断片と前記他の情報断片とに互いに対応する識別番号を備える記入用紙に記入された前記情報をデータ化するデータ処理方法において、前記一の情報断片と前記他の情報断片とをそれぞれデータ素材として個別に入力する入力ステップと、前記入力ステップにより個別に入力された前記データ素材を前記識別番号に従って結合し一の記入情報データを完成させる結合ステップと、前記結合ステップによって完成された前記記入情報データを記憶する記憶ステップとを備えたことを特徴とする。また、前記情報断片を前記データ素材として前記入力ステップにより入力する前段階において、前記情報を画像情報として取り込む取込ステップと、前記取込ステップにより取り込んだ前記画像情報を前記一の情報断片と前記他の情報断片とに分割する分割ステップと、前記分割ステップにより分割された前記一の情報断片と前記他の情報断片とをそれぞれ別々の画像情報として保存する保存ステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る記入用紙は、分割されたそれぞれの情報断片単体では情報記入欄に記入された個人情報等の内容を特定できないようにすると共に、それぞれの情報断片に互いに対応する識別番号を付与しておき、分割後にそれぞれの情報断片を再結合して元の個人情報等の内容を復元できるようにしているので、例えば、その記入用紙に記入された個人情報等をデータベース上に記録する際に、一の個人情報等について、その情報断片ごとに複数の異なるデータ入力者に担当させることができるようになる。そのため、各データ入力者は与えられたその情報断片だけでは個人情報等の内容を把握や特定することができず、仮に営利目的や犯罪目的等の悪意を持ったデータ入力者が存在したとしても、各データ入力者が取得できる情報断片だけでは情報としては全く価値がないので、個人情報等の流出や漏洩を好適に防ぐことができる。また、記入用紙にミシン目やスリットを形成し、記入用紙を手で簡単に複数の紙片に切り離すことができるようにすれば、記入用紙を物理的に複数の紙片に分断することも容易となり、各データ入力者に、記入用紙の紙片として、それぞれが担当する情報断片だけを確実に配布することができる。さらに、記入用紙の情報記入欄に個人情報等を記入する際に目安となる補助文字、補助記号、補助線等を予め記載しておけば、個人情報等提供者が困惑したり間違えて記入したりすることを好適に防止することができる。
【0010】
本発明に係る記入用紙を利用したデータ処理システムやデータ処理方法では、一の個人情報等の一部であるそれぞれの情報断片をデータ素材として個別に入力した場合でも、データ入力後に識別番号に従ってその各データ素材を結合して一の記入情報データとして元の個人情報等の内容を復元できるので、一の個人情報等について、その情報断片ごとに複数の異なるデータ入力者に担当させることができるようになる。そのため、各データ入力者は与えられたその情報断片だけでは個人情報等の内容を把握や特定することができず、仮に営利目的や犯罪目的等の悪意を持ったデータ入力者が存在したとしても、各データ入力者が取得できる情報断片だけでは情報としては全く価値がないので、個人情報等の流出や漏洩を好適に防ぐことができる。また、データ入力の前段階において、個人情報等を画像情報データとして取り込んで、その画像情報データを機械的に複数の情報断片として分割して保存し、担当する各データ入力者にそれぞれ振り分けることとすれば、人為的に記入用紙をわざわざ複数の紙片に分断させて各データ入力者に配布するという手間を省くこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る記入用紙を利用したアンケート用紙の概略的な正面図である。
【図2】同アンケート用紙に必要事項を記入した状態を示す概略的な正面図である。
【図3】同アンケート用紙を必要事項の記入後に分断させた状態を示す概略的な正面図である。
【図4】同アンケート用紙を利用して収集した情報をデータ化する際に利用されるデータ処理システムの機能構成を示す略ブロック図である。
【図5】同データ処理システムを利用したデータ入力の流れを示す概要図である。
【図6】同データ処理システムにより処理する際のデータ構造を示す図である。
【図7】同データ処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】同データ処理システムにおいて情報を分割する処理工程の一例を示す概要図である。
【図9】同データ処理システムにおいて情報を分割する処理工程の一例を示す概要図である。
【図10】同データ処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に詳述する実施形態においては、関係者、特に個人情報等の記入内容をデータ化する際のデータ入力者等による個人情報等の流出や漏洩を好適に防止することができる本発明の一例として、個人情報等を記入する機会が多い各種アンケート用紙を例に挙げて説明する。
【実施例1】
【0013】
まず、本発明の第一の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る記入用紙を利用したアンケート用紙10の概略的な正面図である。図2は、アンケート用紙10に必要事項を記入した状態を示す概略的な正面図である。図3は、アンケート用紙10を必要事項の記入後に分断させた状態を示す概略的な正面図である。
【0014】
図1に示す通り、本実施例における記入用紙(以下、アンケート用紙10)は、表面に、氏名、生年月日、住所、電話番号、FAX番号、email、職業、年収等の各種個人情報等を手書きで記入することができる情報記入領域12を有する。情報記入領域12は、その個人情報等の種類ごとに情報記入欄14を構成しており、即ち、情報記入領域12はそれらの複数の情報記入欄14の集合体である。各情報記入欄14はそれぞれ、後述するミシン目16によって、第一情報記入欄14aと第二情報記入欄14bとに区画されている。また、その情報記入領域12の下の領域には、各種質問とその質問に対する回答を選択して手書きで記入することができるアンケート回答欄となるアンケート記入領域18を有する。
【0015】
アンケート用紙10のほぼ中央には、情報記入領域12(情報記入欄14)を区画するための区画手段であると共に、その情報記入領域12やアンケート記入領域18を含めてアンケート用紙10を二つの紙片20,22(図3参照)に分断するための分断手段としてのミシン目16が形成されている。このミシン目16により、アンケート用紙10は、はさみやカッター等の道具を使用せず、手で簡単に二つの紙片20,22に分断することができる。このミシン目16に沿ってアンケート用紙10を二つの紙片20,22に分断することにより、各情報記入欄14も第一情報記入欄14aと第二情報記入欄14bとに分断され、第一情報記入欄14aは左側の紙片20に、第二情報記入欄14bは右側の紙片22にそれぞれ含まれることになる。
【0016】
アンケート用紙10には、それぞれ一枚ごとに識別番号24が付与されており、例えば、本実施例に示すアンケート用紙10の識別番号24は「0001」である。この識別番号24は「0001」〜「xxxx」までアンケート用紙10の枚数分だけ存在する。本実施例では、その識別番号24「0001」がミシン目16を挟んで左右に一箇所ずつ合計二箇所に記載されている。なお、識別番号24は連番である必要はなく、システムで予め発行した番号であればデータ化する際に識別番号24の入力間違いを低減することができる。
【0017】
アンケート用紙10の情報記入欄14には、アンケート回答者(以下、回答者)の一連の個人情報等26やアンケートの回答を、ミシン目16を挟んで左右に分けて手書きで記入することができる。このアンケート用紙10では、情報記入欄14のうち、左側の欄(第一情報記入欄14a)と右側の欄(第二情報記入欄14b)のどちら側に何を記入するかが重要である。そのため、情報記入欄14には、回答者がアンケート用紙10への記入時に困惑したり、間違えて記入しないように、記入時の目安となる文字や括弧等が補助文字・補助記号(以下、補助表示28)として予め印字してある。
【0018】
例えば、本実施例のアンケート用紙10においては、氏名を記入する情報記入欄14には、「姓(セイ)」を左側の第一情報記入欄14aに、「名(メイ)」を右側の第二情報記入欄14bに記入することがわかるように補助表示28が予め記載(印字)されている。同様に、生年月日を記入する情報記入欄14には、左側の第一情報記入欄14aに年月を記入することを示す「T・S・H 年 月」と、右側の第二情報記入欄14bに日付を記入することを示す「 日」と予め記載されている。住所を記入する情報記入欄14には、左側の第一情報記入欄14aに町・字名までを記入することを示す「都/道/府/県 市/区/群 町/字/丁目」と、右側の第二情報記入欄14bに地番以降を記入することを示す「番地(建物名)」と予め記載されている。電話番号やFAX番号を記入する情報記入欄14には、左側の第一情報記入欄14aに市外局番と市内局番を記入することを示す「( ) 」と、右側の第二情報記入欄14bに加入者番号を記入することを示す「− 」と予め記載されている。emailアドレスを記入する情報記入欄14には、右側の第二情報記入欄14bに@マーク以降のドメインを記入することを示す「@ 」と予め記載されている。職業(年収)を記入する情報記入欄14には、右側の第二情報記入欄14bに年収を記入することを示す「( 万円)」と予め記載されている。
このように、補助表示28は、第一情報記入欄14aと第二情報記入欄14bとに区画された各情報記入欄14のそれぞれに記入すべき事項を指示するものである。これにより、回答者は、情報記入欄14のうち、左側の欄(第一情報記入欄14a)と右側の欄(第二情報記入欄14b)に記入すべき個人情報等26の内容を判別できる。なお、これらの補助表示28は、文字や記号等の他にもマス目等の補助線等でも代用できる。また、これらの補助表示28に代えて、ミシン目16の左右に個人情報等26をどのように分割して記入するかを示した記入例を別紙として一緒に渡し、左側の欄(第一情報記入欄14a)と右側の欄(第二情報記入欄14b)に記入すべき個人情報等26の内容を判別できるようにしておいても良い。
【0019】
次に、このアンケート用紙10に個人情報等26やアンケートの回答を記入した一記入例を図2に示す。例えば、本実施例における回答者の場合、図2に示す通り、氏名欄(フリガナ)にはミシン目16より左側の第一情報記入欄14aに「山田(ヤマダ)」と名字だけを、ミシン目16より右側の第二情報記入欄14bに「太郎(タロウ)」と名前だけを記入することができる。同様に、生年月日欄には、ミシン目16より左側の第一情報記入欄14aに「H1年12月」と年月だけを、ミシン目16より右側の第二情報記入欄14bに「31日」と日付だけを記入する。住所欄には、ミシン目16より左側の第一情報記入欄14aに「東京都港区赤坂1丁目」と町・字名までを、ミシン目16より右側の第二情報記入欄14bに「2−3 ABCビル4F」と地番以降のように、それぞれ住所が特定できない事項ごとに分割して記入する。電話番号欄やFAX番号欄には、ミシン目16より左側の第一情報記入欄14aに「03−1234」と市外局番と市内局番を、ミシン目16より右側の第二情報記入欄14bに「5678」や「5679」と加入者番号のように、それぞれ電話番号やFAX番号が特定できない事項ごとに分割して記入する。email欄には、ミシン目16より左側の第一情報記入欄14aに「yamada」とローカル部だけを、ミシン目16より右側の第二情報記入欄14bに「example.com」と@マーク以降のドメインだけを記入する。職業(年収)欄には、ミシン目16より左側の第一情報記入欄14aに「会社員」と職業だけを、ミシン目16より右側の第二情報記入欄14bに「400万円」と年収だけを記入する。また、アンケート回答欄であるアンケート記入領域18には、質問事項ごとに複数のチェックボックスが用意されているので、回答者はそれぞれ任意のチェックボックスにレ印等を記入する。
【0020】
上記の通り、個人情報等26やアンケートの回答が記入されたアンケート用紙10は、図3に示す通り、ミシン目16を境として二つの紙片20,22に分断することができる。このように、アンケート用紙10を二つの紙片20,22に分断することによって、情報記入欄14も第一情報記入欄14aと第二情報記入欄14bとの二つに分割され、当然、その情報記入欄14に記入されている一連の個人情報等26も二つの情報断片26a,26bとに分割される。
【0021】
このとき、左側の紙片20に含まれる第一情報記入欄14aには、情報断片26aとして「フリガナ:ヤマダ、氏名:山田、生年月日:H1年12月、住所:東京都港区赤坂1丁目、電話番号:03−1234、FAX番号:03−1234、email:yamada、職業(年収):会社員」等の情報しか記入されていないため、個人情報等26の一部が不明なままで、その左側の紙片20の第一情報記入欄14aに記入された情報断片26aだけでは回答者の個人情報等26を完全に把握、特定することはできない。同様に、右側の紙片22に含まれる第二情報記入欄14bにも、情報断片26bとして「フリガナ:タロウ、氏名:太郎、住所:2−3 ABCビル4F、電話番号:5678、FAX番号:5679、email:example.com、職業(年収):400万円」等の情報しか記入されていないため、個人情報等26の一部が不明なままで、その右側の紙片22の第二情報記入欄14bに記入された情報断片26bだけでは回答者の個人情報等26を完全に把握、特定することはできない。
【0022】
また、アンケート記入領域18も二つの紙片20,22に分断され、そこに記入された一連のアンケートの回答も二つに分割される。即ち、左側の紙片20に含まれるアンケート記入領域の一部18aには、質問1、質問3、質問5の回答が記入されており、右側の紙片22に含まれるアンケート記入領域の一部18bには、質問2、質問4、質問6の回答が記入されている。なお、アンケート記入領域18は、本実施例のアンケート用紙10のように質問事項ごとに左右の紙片20,22に分けるようにしておいてもよいし、一つの質問事項が左右の紙片20,22に跨るように構成し、同じ質問に対する回答の選択肢を左右の紙片20,22に分けて記載しておいても良い。
【0023】
分断された二つの紙片20,22には、それぞれ同じ回答者のアンケート用紙10であることを示す識別番号24(本実施例では「0001」)が付与されている。そのため、アンケート用紙10は、二つの紙片20,22に分断後もその識別番号24を照合して、左の紙片20の第一情報記入欄14aに記入されている情報断片26aと右の紙片22の第二情報記入欄14bに記入されている情報断片26bとを結合し、元の個人情報等26を完全に復元することができる。なお、個人情報等26を復元する際には、二つの紙片20,22を接着剤等で結合して元の一枚のアンケート用紙10に戻す必要はなく、後述するように、データ入力後に、紙片20に含まれる第一情報記入欄14aに記入された情報断片26aと紙片22に含まれる第二情報記入欄14bに記入された情報断片26b同士をデータベース内で結合し、元の個人情報等26が復元できれば良い。
【0024】
識別番号24の記載箇所は、情報記入欄14を分割できる数だけ存在し、ミシン目16でアンケート用紙10を情報記入欄14の一部分ごとにそれぞれの紙片に分断する場合は、各紙片ごとに必ず識別番号24が記載されている構成とする。本実施例のように二つの紙片20,22に分断する場合であれば、識別番号24は左右の紙片20,22にそれぞれ記載されており、その識別番号24によって、左右二つに分割されたそれぞれの情報記入欄14a,14bに記入されたそれぞれの情報断片26a,26bを照合でき、互いにどの回答者によって記入された情報断片26a,26bであるかが判別できる構成である。なお、本実施例においては、図1乃至図3に示す通り、識別番号24は、紙片20では左上側に表示し、紙片22では右上側に表示しているが、両紙片20,22とも、左上(下)側、右上(下)側等のように同一の場所に表示するようにしても良い。また、識別番号24は、本実施例のように原則として同一の番号や記号を付与する形式が望ましいが、必ずしも同一であることに限定されず、それぞれの情報断片26a,26bの対応関係が判別できるものであれば良い。また、識別番号24は、本実施例のような数字や英字等の他にも、例えば、記号、図形、色彩等でもあっても良い。
【0025】
なお、アンケート用紙10を複数の紙片(本実施例では二つの紙片20,22)に分断するためのミシン目16は、間欠的なスリット等でも構わない。また、情報記入欄14を複数に区画できれば、単なる線が印刷してあるだけでも構わない。また、そのミシン目16の数は、分断後の紙片の数に応じて適宜形成することができる。したがって、本実施例では二つの紙片20,22に分断することとしているが、分断後の紙片の数は、二つに限らず、三つでも四つでもそれ以上でも構わない。このとき、幾つの紙片に分断する場合であっても、各紙片単体では記入された個人情報等26の内容を把握、特定できないようにし、それぞれの紙片ごとに上述のように識別番号24を付与することとする。なお、本実施例の場合は、手で簡単に分断できるが、はさみやカッター等の道具を使用して裁断しても構わない。
【0026】
以下、上述したアンケート用紙10を利用して回答者により記入された個人情報等26をデータベース36に保存して管理する際のデータ処理の方法について説明する。
図4は、アンケート用紙10を利用して収集した個人情報等26をデータ化する際に利用されるデータ処理システム30の機能構成を示す略ブロック図である。図4に示す通り、本実施例におけるデータ処理システム30は、入力手段である複数(本実施例では二つ)の入力端末32と、結合手段であるDBMS34及び記憶手段であるデータベース36とを備えたデータベースサーバ38とから構成されている。この構成により、アンケート用紙10によって回答者により記入された個人情報等26を電子化してデータベース36上に記録し、保存及び管理しておくことができる。なお、一般的に入力端末32やデータベースサーバ38は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここで記載するのは、本発明におけるデータ処理システム30において作用効果を奏する特徴的な機能のみとし、その他の既知の機能や装置等については図示及び説明を省略する。
【0027】
次に、このデータ処理システム30によるデータ化の流れを図5乃至図7に基づいて説明する。図5は、アンケート用紙10とデータ処理システム30とを利用したデータ入力の流れを示す概要図である。図6は、データ処理システム30により処理する際のデータ構造を示す図である。図7は、データ処理システム30の処理の流れを示すフローチャートである。
【0028】
図5に示す通り、まず、アンケート用紙10は、個人情報等26が回答者により記入された後、上述の通り、二つの紙片20,22に分断される。分断された二つの紙片20,22は、それぞれ別々のデータ入力者40,42の手元に渡る。ここでは、左側半分の紙片20はデータ入力者40に、右側半分の紙片22はデータ入力者42に渡される。このとき、アンケート用紙10は、その他何十人、何百人かの回答者の分とまとめて束になって一括して各データ入力者40,42に配布されるのが一般的である。
それぞれの紙片20,22を受け取ったデータ入力者40,42は、その紙片20,22から読取れる情報(情報断片26a,26b)をもとに、入力端末32を操作して次々にデータ入力作業を進める。
【0029】
このとき、上述した通り、各紙片20,22にそれぞれ記入されている情報断片26a,26bだけでは、元の個人情報等26の内容を完全に把握も特定もできないので、データ入力者40,42は、自分が如何なる回答者のデータを入力しているのは全く見当が付かない。したがって、それだけでも十分に個人情報等26の保護になるが、さらに、仮に、データ入力者40が、営利目的や犯罪目的等の悪意を持って個人情報等26を流出・漏洩させようと企んだとしても、データ入力者40が取得できる情報断片26aは「フリガナ:ヤマダ、氏名:山田、生年月日:H1年12月、住所:東京都港区赤坂1丁目、電話番号:03−1234、FAX番号:03−1234、email:yamada、職業(年収):会社員」等だけであり、その情報断片26aだけでは個人が特定できず情報として不完全であり、個人情報等26として体を為さないため、全く価値がない。
なお、このデータ入力者40,42同士は、互いに接点のないようにするのが好ましい。例えば、下請けや外注する場合であれば異なる業者、また、同じ業者であっても異なる建物や部屋に配置したり、入力作業の時間(勤務時間)が重ならないように配慮すれば、元の個人情報等26がデータ入力者40,42の共謀によって復元されるリスクが格段に減少する。
【0030】
入力端末32により入力された情報断片26a,26bは、それぞれ電子化されデータ素材46a,46b(図6参照)となり、データベースサーバ38に送られる。なお、本実施例においては、入力端末32とデータベースサーバ38とを回線にて接続する構成としているが、データ素材46a,46bをデータベースサーバ38に送る形態はこれに限らず、例えば、データ入力者40,42がそれぞれ在宅でデータ入力作業を行い、その入力したデータ素材46a,46bを磁気ディスク、光ディスク、USBメモリ等の各種リムーバブルメディアに保存して、データベースサーバ38の管理者に提出する形態でも構わない。
【0031】
この時点、即ち、データ素材46a,46bがデータベースサーバ38に送られてきた時点では、まだこのデータ素材46a,46b単体からは個人情報等26を把握や特定することはできない。
図6に示す通り、本実施例におけるデータ素材46a,46bは、「識別番号−項目−記入事項」というデータ構造となっている。例えば、紙片20に記入された情報断片26aの内容を電子化したデータ素材46aには、「0001−氏名−山田、0001−生年月日−H01/12、0001−住所−東京都港区赤坂1丁目、0001−TEL−03−1234、0001−FAX−03−1234、0001−EMAIL−yamada、・・・」等の情報が含まれており、それらの情報がまとまって一つのレコードを形成している。また、紙片22に記入された情報断片26bの内容を電子化したデータ素材46bには、「0001−氏名−太郎、0001−生年月日−31、0001−住所−2−3 ABCビル4F、0001−TEL−5678、0001−FAX−5679、0001−EMAIL−Eexample.com、・・・」等の情報が含まれており、それらの情報がまとまって一つのレコードを形成している。
【0032】
データベースサーバ38に送られてきたデータ素材46a,46bは、データベースサーバ38内のDBMS34における処理によって、対応する識別番号24ごとに互いに結合され一の個人情報データ46として完成させられる。その後、このデータ素材46a,46bの結合体から成る個人情報データ46はデータベース36に記憶される。
図6に示す通り、個人情報データ46には、「0001−氏名−山田太郎、0001−生年月日−H01/12/31、0001−住所−東京都港区赤坂1−2−3 ABCビル4F、0001−TEL−03−1234−5678、0001−FAX−03−1234−5679、0001−EMAIL−yamada@example.com、・・・」等の個人情報等26が完全な状態で記録されており、それらの情報がまとまって一つのレコードを形成している。したがって、この個人情報データ46にアクセスすれば、個人情報等26は完全に把握、特定することができ、必要に応じていつでも有効利用できる。
【0033】
ここで、上記説明したデータ入力におけるデータ処理システム30の具体的な処理の一例を図7のフローチャートを利用して詳述する。なお、ここでは、便宜上、データ素材46aが既に入力済みであり待機データ素材として存在している場合であって、これからデータ素材46bが入力された場合の処理を例にとって説明する。
【0034】
まず、入力端末32により情報断片26bがデータ素材46bとして入力されると(ステップ101)、そのデータ素材46bに含まれている識別番号24と、既に取り込まれ済みの待機データ素材であるデータ素材46aの識別番号24とを照合する(ステップ102)。本実施例では、対応するデータ素材46a,46b(情報断片26a,26b)には同一の識別番号24が付与されることとしているので、ここではその識別番号24が同一か否かを判断する。識別番号24が同一である場合(YES)、その二つのデータ素材46a,46bを結合する(ステップ103)。次に、その結合されたデータ素材46a,46bによって、個人情報データ46が完成したか否かを判断する(ステップ104)。個人情報データ46が個人情報等26を完全に把握、認識できるものとして完成している場合(YES)、データベース36にその個人情報データ46を記憶して(ステップ105)、処理を終了する。一方、識別番号24が対応しないデータ素材(ステップ102がNO)や個人情報データ46としては未完成なデータ素材(ステップ104がNO)が存在する場合は、それらのデータ素材を待機データ素材として待機させ(ステップ106)、処理を終了する。
なお、本実施例ではデータ素材46a,46bは情報断片26a,26bの数に比例して二つであるが、三つ、四つ等、個人情報等26をさらに複数の情報断片に分けている場合は、上記処理を個人情報データ46が完成するまで繰り返すことになる。
【実施例2】
【0035】
これまで説明してきたように上記の実施形態では、個人情報等26を分割する目安となる区画手段としてミシン目16を設け、物理的にアンケート用紙10という紙媒体を予め二つの紙片20,22に分断することとし、その分断後の紙片20,22をそれぞれのデータ入力者40,42に配布してデータ入力することとしている。しかし、情報記入領域12(情報記入欄14)に記入された個人情報等26の内容を情報断片26a,26bのように複数に分割することができれば、上記第一の実施形態のアンケート用紙10のようにその紙媒体自体を物理的に二つに分断させることは必要としない。
【0036】
そこで、以下、本発明の他の実施形態について、図8乃至図10に基づいて説明する。図8及び図9は、他の実施形態におけるアンケート用紙10に記入された個人情報等26を情報断片26a,26bに分割する処理工程の一例を示す概要図である。図10は、データ処理システム30における処理の流れを示すフローチャートである。
【0037】
こちらの実施形態においては、送信側のファクシミリ50やスキャナ56等でアンケート用紙10の情報記入領域12(情報記入欄14)に記入された個人情報等26を画像情報データとして取り込む際、又はその取り込んだ画像情報データを受信側のファクシミリ52やサーバ54等で保存する際に、その個人情報等26を複数の情報断片26a,26bに分割し、それぞれの情報断片26a,26bを別々の画像情報データとして保存する構成としている。
【0038】
例えば、アンケート用紙10には、上記第一の実施形態のミシン目16に代えて、図8に示す通り、そのアンケート用紙10のほぼ中央に個人情報等26を分割する目安となる区画線48が記載されている。このアンケート用紙10は、個人情報等26が回答者により記入された後、取込手段としてのファクシミリ50により画像情報データとして取り込まれる。その取り込まれた画像情報データは、画像の分割機能を持つサーバ54と連動する受信側のファクシミリ52に送信される。ファクシミリ52に送信されてきた画像情報データは、分割手段且つ保存手段としてのサーバ54によって、区画線48を目安にして複数の情報断片26a,26bに分割され(ここでは二つ)、その後、それぞれ別々の画像情報データとしてそのサーバ54内に保存される。なお、このとき、ファクシミリ52自体に画像の分割機能を持たせておき、その分割手段としてのファクシミリ52にて個人情報等26を情報断片26a,26bに分割し、それぞれ別々の画像情報データとして保存手段としてのサーバ54内に保存する構成としても良い。
【0039】
分割された画像情報データは、それぞれデータ入力者40,42に電子メディアやインターネット等を利用して転送されるので、各データ入力者40,42はその分割された画像情報データをそれぞれ入手し、その情報を基にデータ入力作業を行う。このとき、各データ入力者40,42は各自のパソコン等(図示略)のモニタ上でその分割された画像情報データを確認してデータ入力作業を行えば良いので、その分割された画像情報データをそれぞれ紙片20,22として印刷することは必ずしも要しないが、図8に示すように、各データ入力者40,42が、印刷により紙片20,22として出力したり、パソコン等(図示略)を利用してサーバ54にアクセスし、その分割された画像情報データを紙片20,22として取り出すようにしても良い。なお、これ以降のデータ入力の流れ、即ち、情報断片26a,26b(例えば、別々に印刷された二つの紙片20,22)が、それぞれ別々のデータ入力者40,42の手元に渡り、データ入力作業が行われる点は、上述の第一の実施形態にて説明した通りであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0040】
また、ファクシミリ50,52に代えて、図9に示す通り、スキャナ56やサーバ54を取込手段、分割手段及び保存手段として利用することもできる。ここでも、まず、アンケート用紙10は、個人情報等26が回答者により記入された後、取込手段としてのスキャナ54により画像情報データとして取り込まれる。その取り込まれた画像情報データは、分割手段且つ保存手段としてのサーバ54に送信され、区画線48を目安にして複数の情報断片26a,26bに分割され(ここでは二つ)、その後、それぞれ別々の画像情報データとしてサーバ54内に保存される。分割された画像情報データは、それぞれデータ入力者40,42に電子メディアやインターネット等を利用して転送されるので、各データ入力者40,42はその分割された画像情報データをそれぞれ入手し、その情報を基にデータ入力作業を行う。なお、これ以降のデータ入力の流れ、即ち、情報断片26a,26b(例えば、別々に印刷された二つの紙片20,22)が、それぞれ別々のデータ入力者40,42の手元に渡り、データ入力作業が行われる点は、上述の第一の実施形態にて説明した通りであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0041】
次に、この他の実施形態におけるデータ処理システム30において、アンケート用紙10に記入された個人情報等26を情報断片26a,26bに分割する具体的な処理の一例を図10のフローチャートを利用して詳述する。
【0042】
まず、送信側のファクシミリ50やスキャナ56等の取込手段よりアンケート用紙10の情報記入領域12(情報記入欄14)に記入された個人情報等26を画像情報データとして取り込むと(ステップ201)、受信側のファクシミリ52やサーバ54等に送信する(ステップ202)。受信側のファクシミリ52やサーバ54等はその画像情報データを受信すると(ステップ203)、その画像情報データの辺の長さを測定して、その画像情報データが縦長になるように回転させる画像調整を行う(ステップ204)。そして、画像調整を経て縦長に調整された画像情報データの一部をコピーして新たな画像情報データを作成する(ステップ205)。本実施例では、区画線48を目安にして、まず、左側半分程度、好ましくは、中央の区画線48よりも若干右側の範囲までをコピーする。即ち、この新たな画像情報データが後ほど印刷する左側の紙片20に含まれる内容(情報断片26a)となる。引き続き、元の画像情報データに未コピー部分が残っているか否かを判断し(ステップ206)、未コピー部分が残っている場合は(YES)、同様にその画像情報データの一部(未コピー部分)をコピーして新たな画像情報データをまた作成する(ステップ205)。本実施例では、区画線48を目安にして、今度は右側半分程度、好ましくは、中央の区画線48よりも若干左側の範囲までをコピーする。即ち、今度はこの新たな画像情報データが後ほど印刷する右側の紙片22に含まれる内容(情報断片26b)となる。さらに、元の画像情報データに未コピー部分が残っているか否かを判断し(ステップ206)、元の画像情報データの全てを新たな画像情報データに再編集し終わり、未コピー部分が既に残っていない場合は(NO)、再編集したその新たな画像情報データごとに保存する(ステップ207)。全ての画像情報データをそれぞれ別々に保存し終わったら処理を終了する。なお、それらの画像情報データの保存後、プリンタ等(図示略)で情報断片26a,26bごとにそれぞれ別々の紙片20,22として印刷しても良い。
【0043】
このような形態であれば、アンケート用紙10そのものをミシン目16により分断する必要もなく、データ入力者40,42の手に渡るときには、個人情報等26の内容を複数の情報断片26a,26bに分割できているので、データ入力者40,42による情報の不正取得、データ入力者40,42からの情報流出・情報漏洩を第一の実施形態と同様に防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明にかかる記入用紙やこの記入用紙を利用したデータ処理システム及びデータ処理方法であれば、収集した個人情報等をデータベースに入力する際における、データ入力者による個人情報等の不正取得や流出・漏洩を好適に防止することができるので、個人情報等を記入する機会が多い各種申込用紙やアンケート用紙に好適に利用でき、スムーズ、且つ、安全確実に個人情報等を収集することができる。
【符号の説明】
【0045】
10 アンケート用紙
12 情報記入領域
14 情報記入欄
14a 第一情報記入欄
14b 第二情報記入欄
16 ミシン目
20 紙片
22 紙片
24 識別番号
26 個人情報等
26a 情報断片
26b 情報断片
28 補助表示
30 データ処理システム
32 入力端末
34 DBMS
36 データベース
46 個人情報データ
46a データ素材
46b データ素材
48 区画線
50 ファクシミリ
52 ファクシミリ
54 サーバ
56 スキャナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種情報を記入するための複数の情報記入欄を有する記入用紙において、前記各情報記入欄に記入された前記情報を単体ではその内容が特定できないような2以上の情報断片に分割するための目安となる区画手段で区画し、前記情報を分割した場合に前記一の情報断片と前記他の情報断片とをその後に結合して前記情報全体の内容を復元するために前記一の情報断片と前記他の情報断片とに互いに対応するための識別番号を備えることを特徴とする記入用紙。
【請求項2】
前記区画手段をミシン目又は間欠的スリットとして前記記入用紙を2以上の紙片に分断することを特徴とする請求項1記載の記入用紙。
【請求項3】
前記情報記入欄に前記情報を記入する際に、情報を分割する目安となる補助表示を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の記入用紙。
【請求項4】
各種情報を記入するための複数の情報記入欄を有する記入用紙において、前記各情報記入欄に記入された前記情報を単体ではその内容が特定できないような2以上の情報断片に分割するための目安となる区画手段で区画し、前記情報を分割した場合に前記一の情報断片と前記他の情報断片とをその後に結合して前記情報全体の内容を復元するために前記一の情報断片と前記他の情報断片とに互いに対応する識別番号を備える記入用紙に記入された前記情報をデータ化するデータ処理システムにおいて、
前記一の情報断片と前記他の情報断片とをそれぞれデータ素材として個別に入力する入力手段と、前記入力手段により個別に入力された前記データ素材を前記識別番号に従って結合し一の記入情報データを完成させる結合手段と、前記結合手段によって完成された前記記入情報データを記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項5】
前記情報断片を前記データ素材として前記入力手段により入力する前段階において、前記情報を画像情報として取り込む取込手段と、前記取込手段により取り込んだ前記画像情報を前記一の情報断片と前記他の情報断片とに分割する分割手段と、前記分割手段により分割された前記一の情報断片と前記他の情報断片とをそれぞれ別々の画像情報として保存する保存手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載のデータ処理システム。
【請求項6】
各種情報を記入するための複数の情報記入欄を有する記入用紙において、前記各情報記入欄に記入された前記情報を単体ではその内容が特定できないような2以上の情報断片に分割するための目安となる区画手段で区画し、前記情報を分割した場合に前記一の情報断片と前記他の情報断片とをその後に結合して前記情報全体の内容を復元するために前記一の情報断片と前記他の情報断片とに互いに対応する識別番号を備える記入用紙に記入された前記情報をデータ化するデータ処理方法において、
前記一の情報断片と前記他の情報断片とをそれぞれデータ素材として個別に入力する入力ステップと、前記入力ステップにより個別に入力された前記データ素材を前記識別番号に従って結合し一の記入情報データを完成させる結合ステップと、前記結合ステップによって完成された前記記入情報データを記憶する記憶ステップとを備えたことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項7】
前記情報断片を前記データ素材として前記入力ステップにより入力する前段階において、前記情報を画像情報として取り込む取込ステップと、前記取込ステップにより取り込んだ前記画像情報を前記一の情報断片と前記他の情報断片とに分割する分割ステップと、前記分割ステップにより分割された前記一の情報断片と前記他の情報断片とをそれぞれ別々の画像情報として保存する保存ステップとを備えたことを特徴とする請求項6記載のデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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