説明

記録再生方法および装置

【課題】並列動作させるハードディスク記録再生システムの数の変更に対し容易に対処できる記録再生方法および装置を提供すること。
【解決手段】システムコントローラ34は2つの外部接続ポート(外部接続ポートINと外部接続ポートOUT)を持ち、それぞれの外部接続ポート(外部接続ポートIN、外部接続ポートOUT)が別のハードディスク記録再生システムの外部接続ポート(外部接続ポートOUT、外部接続ポートIN)と制御ラインにより接続されている。システムコントローラ34が持つ2つの外部接続ポートの内、一方の外部接続ポート(外部接続ポートIN)は外部からのコマンドを受ける機能を持ち、他方の外部接続ポート(外部接続ポートOUT)はコマンドを送出する機能を持ち、それぞれ機能的に異なり、この2つの外部接続ポートにより、複数システムの並列動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置にアクセスし、映像処理されたデータを前記記憶装置に記録または再生する記録再生方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクビデオレコーダで、扱うビデオ信号を標準画質から高画質にする、画面分解能を標準からHDにする、フレームレートを標準から高フレームレートにするなど高性能にすると、それに伴いハードディスクドライブに記録再生するデータの量も増大し、より高速で連続したデータの記録再生が必要となる。こうした状況下で、記録再生システムの性能が追いつかない場合に、二つのシステムを並列に動作させて、システム性能を上げる対応が考えられる。
【0003】
図3は、このような二つのシステムを並列動作させ、2ストリームのビデオ信号の記録再生を行うように構成した従来の記録再生装置を示すブロック図である。
符号600,700は並列動作させる二つのシステムを示しており、第1のハードディスク記録再生システム600と第2のハードディスク記録再生システム700とを並列動作させ、2ストリームのビデオ信号の記録再生を行う。
第1のハードディスク記録再生システム600はビデオ信号入力ブロック551、ストリームエンコーダ553、エンコーダ用バッファ554、第1のハードディスクドライブ555、デコーダ用バッファ556、ストリームデコーダ557、ビデオ信号出力ブロック558、ビデオ信号同期回路562、ファイルシステム563およびシステムコントローラ564を備えている。なお、ビデオ信号入力ブロック551、ストリームエンコーダ553、ストリームデコーダ557およびビデオ信号出力ブロック558によりビデオ信号入出力部561を構成している。
また、第2のハードディスク記録再生システム700はビデオ信号入力ブロック571、ストリームエンコーダ573、エンコーダ用バッファ574、第2のハードディスクドライブ575、デコーダ用バッファ576、ストリームデコーダ577、ビデオ信号出力ブロック578、ビデオ信号同期回路582、ファイルシステム583およびシステムコントローラ584を備えている。なお、ビデオ信号入力ブロック571、ストリームエンコーダ573、ストリームデコーダ577およびビデオ信号出力ブロック578によりビデオ信号入出力部581を構成している。
また、第1のハードディスク記録再生システム600のビデオ信号同期回路562と第2のハードディスク記録再生システム700のビデオ信号同期回路582とは制御信号ライン591で接続され、第1のハードディスク記録再生システム600と第2のハードディスク記録再生システム700との間のビデオ同期がとられるように構成されている。
【0004】
また、第1のハードディスク記録再生システム600と第2のハードディスク記録再生システム700とへコマンドを送るための制御ライン592は、これら両方のシステムに共通のコマンドを送ることが出来るような構成となっている。この制御ライン592の接続構成としては、コマンドを発行する側に各ハードディスク記録再生システムに対応するコマンド発行ポートを設け、各コマンド発行ポートと対応するハードディスク記録再生システムとを制御ラインで接続する第1の接続構成、制御ラインを分岐し、各ハードディスク記録再生システムと接続する第2の接続構成、さらには制御ラインをバス化する第3の接続構成などが考えられる。
【0005】
次に動作について説明する。
図3に示す記録再生装置では、第1のハードディスク記録再生システム600と第2のハードディスク記録再生システム700との動作が一致する必要がある。このため第1のハードディスク記録再生システム600と第2のハードディスク記録再生システム700とへ同一のコマンドを送り、2台のハードディスク記録再生システムが同一動作を行うように制御する必要がある。
このような第1のハードディスク記録再生システム600と第2のハードディスク記録再生システム700とにおいて、ビデオ信号の記録時には、第1のハードディスク記録再生システム600のシステムコントローラ564と第2のハードディスク記録再生システム700のシステムコントローラ584へ制御ライン592により同一のコマンドが送出される。そして、分割されたビデオ信号が入力ビデオ信号1と入力ビデオ信号2として入力される。入力ビデオ信号1はビデオ信号入力ブロック551へ入力され、入力ビデオ信号2はビデオ信号入力ブロック571に入力される。
ビデオ信号同期回路562では、ビデオ信号入力ブロック551へ入力された入力ビデオ信号1に同期を取ることで後段のブロックで必要な垂直同期信号、水平同期信号およびクロック信号を含む各種信号を生成する。また、ビデオ信号同期回路582では、ビデオ信号入力ブロック571へ入力された入力ビデオ信号2に同期を取ることで後段のブロックで必要な垂直同期信号、水平同期信号およびクロック信号を含む各種信号を生成する。
また、ビデオ信号同期回路562とビデオ信号入力ブロック571とは制御信号ライン591で接続されているため、第1のハードディスク記録再生システム600と第2のハードディスク記録再生システム700との間のビデオ同期がとられている。
次にストリームエンコーダ553では、入力された入力ビデオ信号1に対してコーデックを行い、ビデオ信号の圧縮を行う。また、ストリームエンコーダ573では、入力された入力ビデオ信号2に対してコーデックを行い、ビデオ信号の圧縮を行う。
次に、ストリームエンコーダ553でコーデックされ圧縮されたデータはエンコーダ用バッファ554へ送られて一時保存され、またストリームエンコーダ573でコーデックされ圧縮されたデータはエンコーダ用バッファ574へ送られて一時保存され、その後、順次、第1のハードディスクドライブ555と第2のハードディスクドライブ575へ書き込まれる。
【0006】
ビデオ信号の再生時には、分割記録されたビデオデータを第1のハードディスクドライブ555と第2のハードディスクドライブ575からそれぞれデコーダ用バッファ556とデコーダ用バッファ576に読み出す。
その後、デコーダ用バッファ556からはストリームデコーダ557へデータを順次送り出し、またデコーダ用バッファ576からはストリームデコーダ577へデータを順次送り出す。
ストリームデコーダ557では、データのコーデック圧縮を解凍して、次のビデオ信号出力ブロック558に送る。また、ストリームデコーダ577では、データのコーデック圧縮を解凍して、次のビデオ信号出力ブロック578に送る。
ビデオ信号出力ブロック558では、解凍されたビデオ信号へビデオ信号同期回路562により同期信号等を付加して、システムに入力されたビデオ信号と同様の波形を生成し出力する。
また、ビデオ信号出力ブロック578では、解凍されたビデオ信号へビデオ信号同期回路582により同期信号等を付加して、システムに入力されたビデオ信号と同様の波形を生成し出力する。
【0007】
システムコントローラ564は、第1のハードディスク記録再生システム600のコントロールを行い、システムコントローラ584は、第2のハードディスク記録再生システム700のコントロールを行うもので、ソフトウェアを含むコントローラである。
また、上記した一連の動作において、OSの下で動作しているファイルシステム563は、第1のハードディスクドライブ555に記録または再生したデジタルビデオデータのファイルを管理し、ファイルシステム583は、第2のハードディスクドライブ575に記録、または再生したデジタルビデオデータのファイルを管理する。
【0008】
図4は、図3に示す従来の記録再生装置において扱われるビデオ信号を示す説明図である。一つのストリームのビデオ信号は、並列システムでは二つのストリームのビデオ信号として信号処理が行われる。図4(a)に示すように、〔1〕,〔2〕,〔3〕,〔4〕,〔5〕,〔6〕,〔7〕,〔8〕,〔9〕,〔10〕・・・と順に並んだ一つのストリーム信号を、並列処理用に分割して、図4(b)、(c)に示すように、〔1〕,〔3〕,〔5〕,〔7〕,〔9〕・・・のストリーム信号と〔2〕,〔4〕,〔6〕,〔8〕,〔10〕・・・のストリーム信号に分割構成された信号として扱う。
【0009】
このような、記録再生装置としては、複数のビデオ入力ポートから入力されたビデオ信号を、それぞれ同時に記録しながらCUE点を指定し、その後、再生の際に、複数のポートで指定されたCUE点に頭出しを行い、複数のポートで同期してスローモーション再生を行うものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−293976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って従来の記録再生装置では、並列動作させるハードディスク記録再生システムの数を増加させる場合に、制御ライン592の接続構成として前記第1の接続構成を採用していると、コマンドを発行する側のコマンド発行ポートの数を増加させる必要があり、このため最初からハードディスク記録再生システムの増加を想定し、コマンド発行ポートの数を多めに用意するか、あるいはハードディスク記録再生システムの増加に応じてコマンド発行ポートを追加することになる課題がある。
また、前記第2の接続構成を採用している場合、ハードディスク記録再生システムの増加に応じて制御ライン592の分岐数を増加させればよいが、ファンアウトを考慮する必要があるため、最初からハードディスク記録再生システムの増加を想定した設計が必要となり、コストの上昇を招くという課題がある。
また前記第2の接続構成を採用している場合、システムとして複雑になり、さらにコストの上昇を招くという課題がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、並列動作させるハードディスク記録再生システムの数の変更に対し容易に対処できる記録再生方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、記憶装置へアクセスし、前記記憶装置に記録したビデオ信号を読み出し再生する記録再生装置であって、ビデオ信号が入力されるビデオ信号入力ブロックと、前記ビデオ信号入力ブロックに入力されたビデオ信号を圧縮するストリームエンコーダと、前記ストリームエンコーダにより圧縮されたビデオ信号を一時的に蓄える書き込み用バッファと、前記書き込み用バッファを介して前記圧縮されたビデオ信号を記録する前記記憶装置と、前記記憶装置から読み出された圧縮されたビデオ信号を一時的に蓄える読み出し用バッファと、前記読み出し用バッファを介して読み出された前記圧縮されたビデオ信号を伸張するストリームデコーダと、前記ストリームデコーダにより伸張されたビデオ信号を出力するビデオ信号出力ブロックと、前記入力されたビデオ信号に同期をとり、同期信号、クロック信号を含む各種信号を生成するビデオ信号同期回路と、圧縮されたビデオ信号を、前記記憶装置へ記録する際のファイル管理を行う管理手段と、与えられたコマンドを含む制御情報に応じた動作を行い、前記記憶装置に対する前記圧縮されたビデオ信号の書き込みおよび読み出しを含む、各部の制御を行うシステムコントローラとを有し、前記ビデオ信号同期回路は、並列動作する他の記録再生装置との間の同期を確立するための同期確立手段を備え、前記システムコントローラは、前記コマンドを含む制御情報を受信するための外部接続用受信ポートと、前記外部接続用受信ポートから受信した前記制御情報を外部出力するための外部接続用出力ポートとを備えたことを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、記憶装置へアクセスし、前記記憶装置に記録したビデオ信号を読み出し再生する記録再生方法であって、ビデオ信号同期回路によりビデオ信号入力ブロックに入力されたビデオ信号に同期をとり、同期信号、クロック信号を含む各種信号を生成する同期ステップと、前記ビデオ信号入力ブロックに入力されたビデオ信号をストリームエンコーダで圧縮し、前記圧縮されたビデオ信号を書き込み用バッファへ一時的に蓄え、前記書き込み用バッファを介して前記圧縮されたビデオ信号を前記記憶装置へ記録する記録ステップと、前記記憶装置から圧縮されたビデオ信号を読み出し用バッファを介して読み出し、前記圧縮されたビデオ信号をストリームデコーダで伸張し、前記伸張されたビデオ信号をビデオ信号出力ブロックから出力する読み出しステップと、前記圧縮されたビデオ信号を、前記記憶装置へ記録する際のファイル管理を管理手段が行う管理ステップと、前記記憶装置に対する前記圧縮されたビデオ信号の書き込みおよび読み出しを含む、各部の制御を、与えられたコマンドを含む制御情報に応じてシステムコントローラが行う制御ステップとを有し、前記同期ステップは、並列動作する他の記録再生装置との間の同期を同期確立手段により確立し、前記制御ステップは、前記コマンドを含む制御情報を外部接続用受信ポートにより受信する受信ステップと、前記受信ステップで前記外部接続用受信ポートから受信した前記制御情報を外部接続用出力ポートから外部出力する出力ステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このような本発明の記録再生方法および装置によれば、並列動作させるハードディスク記録再生システムを容易に増減でき、システム構成のフレキシビリティを向上させた記録再生方法および装置を提供できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態による記録再生方法および装置について図面を参照して説明する。
ハードディスクビデオレコーダで、扱うビデオ信号を標準画質から高画質にする、画面分解能を標準からHDにする、フレームレートを標準から高フレームレートにするなど高性能にすると、それに伴いハードディスクドライブに記録再生するデータの量も増大し、より高速で連続したデータの記録再生が必要となる。こうした状況下で、記録再生システムの性能が追いつかない場合に、二つのシステムを並列に動作させて、システム性能を上げる対応が考えられる。こうした二つのシステムを並列に動作させる場合に、ビデオ信号を扱う場合には2台のシステム間で映像を正常に記録再生するためには、システム間の信号同期と同一コマンド制御が必要になる。
このような、同一コマンド制御を行うように構成した複数台のハードディスク記録再生システムからなるハードディスクビデオレコーダの機能ブロック図を図1に示す。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態による記録再生方法が適用される記録再生装置の構成を示す機能ブロック図である。この記録再生装置では、複数のハードディスク記録再生システム(図1では第1のハードディスク記録再生システムと第2のハードディスク記録再生システムのみ示す)において各ハードディスク記録再生システム間でハードウェア同期がとられるとともに同一コマンド制御が行われる。
図1において、第1のハードディスク記録再生システム100は、ビデオ信号入力ブロック1、ストリームエンコーダ3、エンコーダ用バッファ4、第1のハードディスクドライブ(記憶装置)5、デコーダ用バッファ(読み出し用バッファ)6、ストリームデコーダ7、ビデオ信号出力ブロック8、ビデオ信号同期回路12、ファイルシステム13およびシステムコントローラ14を備えている。なお、ビデオ信号入力ブロック1、ストリームエンコーダ3、ストリームデコーダ7およびビデオ信号出力ブロック8によりビデオ信号入出力部11を構成している。
また、第2のハードディスク記録再生システム200はビデオ信号入力ブロック21、ストリームエンコーダ23、エンコーダ用バッファ24、第2のハードディスクドライブ(記憶装置)25、デコーダ用バッファ26、ストリームデコーダ27、ビデオ信号出力ブロック28、ビデオ信号同期回路32、ファイルシステム33およびシステムコントローラ34を備えている。なお、ビデオ信号入力ブロック21、ストリームエンコーダ23、ストリームデコーダ27およびビデオ信号出力ブロック28によりビデオ信号入出力部31を構成している。
また、第1のハードディスク記録再生システム100と第2のハードディスク記録再生システム200とのハードウェア同期をとるための構成として、第1のハードディスク記録再生システム100のビデオ信号同期回路12と第2のハードディスク記録再生システム200のビデオ信号同期回路32とが制御信号ライン41により接続されている。
【0017】
第1のハードディスク記録再生システム100において、ビデオ信号入力ブロック1は、入力ビデオ信号1を第1のハードディスク記録再生システム100へ入力するための回路である。
ストリームエンコーダ3は、ビデオ信号入力ブロック1から出力された入力ビデオ信号1を圧縮しエンコードする回路である。
エンコーダ用バッファ4は、ストリームエンコーダ3から出力された圧縮されエンコードされたディジタルビデオデータを一時的に蓄えるメモリである。
第1のハードディスクドライブ5は、前記エンコーダ用バッファ4に一時的に蓄えられた圧縮されたディジタルビデオデータを記録する。
デコーダ用バッファ6は、第1のハードディスクドライブ5から読み出されたディジタルビデオデータを一時的に蓄えるメモリである。
ストリームデコーダ7は、第1のハードディスクドライブ5から読み出された圧縮されているディジタルビデオデータを伸長しデコードする回路である。
ビデオ信号出力ブロック8は、デコードされたビデオ信号に同期信号などを付加しシステムに入力された入力ビデオ信号1と同様の波形にして出力する回路である。
ビデオ信号同期回路12は、入力ビデオ信号1と入力ビデオ信号2(ハードディスク記録再生システムがさらに複数接続された記録再生装置であって、これらハードディスク記録再生システムが並列動作するように構成されているときには他の並列動作するハードディスク記録再生システムに入力される入力ビデオ信号も含む)に同期をとり、後段で必要な垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号を含む各種信号を生成する回路であり、これら信号の複数システム間での同期を確立する。
ファイルシステム13は、第1のハードディスクドライブ5を管理下におき、圧縮されたディジタルビデオデータを、第1のハードディスクドライブ5へ振り分けて記録する際のファイル管理を行う。
【0018】
システムコントローラ14は、第1のハードディスク記録再生システム100のエンコーダ用バッファ4へ一時的に蓄えられたディジタルビデオデータについて、第1のハードディスクドライブ5への書き込みについての制御を行う。また、再生要求されたファイルに対し、第1のハードディスクドライブ5を管理下におくファイルシステム13を制御し、その要求ファイルである第1のハードディスクドライブ5に記録されているファイルを特定し読み出しが出来るようにするものである。
また、システムコントローラ14は2つの外部接続ポートINと外部接続ポートOUTを持ち、外部接続ポートINが別のハードディスク記録再生システムの外部接続ポートOUTと制御ラインにより接続され、外部接続ポートOUTが前記別のハードディスク記録再生システムの外部接続ポートINと制御ラインにより接続されている。第1のハードディスク記録再生システム100のシステムコントローラ14が持つ2つの外部接続ポートの内、一方の外部接続ポートINは外部からのコマンドを受ける機能を持ち、他方の外部接続ポートOUTはコマンドを送出する機能を持ち、それぞれ機能的に異なっている。そして、このシステムコントローラ14が持つ2つの外部接続ポートINと外部接続ポートOUTにより、複数のハードディスク記録再生システムの並列動作を制御する。システムコントローラ14は、その他、第1のハードディスク記録再生システム100において各部の制御を行う。システムコントローラ14は、例えば、CPU、制御プログラムなどを格納するROM、ワーキングエリアを提供するRAM、周辺回路とのインタフェースをとるインタフェース部などがバスによって接続されたマイクロコンピュータによって構成されたものであり、前記CPUが制御プログラムを実行することにより機能するものである。
【0019】
第2のハードディスク記録再生システム200において、ビデオ信号入力ブロック21は、入力ビデオ信号2を第2のハードディスク記録再生システムへ入力するための回路である。
ストリームエンコーダ23は、ビデオ信号入力ブロック21から出力された入力ビデオ信号2を圧縮しエンコードする回路である。
エンコーダ用バッファ24は、ストリームエンコーダ23から出力された圧縮されエンコードされたディジタルビデオデータを一時的に蓄えるメモリである。
第2のハードディスクドライブ25は、前記エンコーダ用バッファ24に一時的に蓄えられた圧縮されたディジタルビデオデータを記録する。
デコーダ用バッファ26は、第2のハードディスクドライブ25から読み出されたディジタルビデオデータを一時的に蓄えるメモリである。
ストリームデコーダ27は、第2のハードディスクドライブ25から読み出された圧縮されているディジタルビデオデータを伸長しデコードする回路である。
ビデオ信号出力ブロック28は、デコードされたビデオ信号に同期信号などを付加しシステムに入力された入力ビデオ信号2と同様の波形にして出力する回路である。
【0020】
ビデオ信号同期回路32は、入力ビデオ信号1と入力ビデオ信号2(ハードディスク記録再生システムがさらに複数接続された記録再生装置であって、これらハードディスク記録再生システムが並列動作するように構成されているときには他の並列動作するハードディスク記録再生システムに入力される入力ビデオ信号も含む)に同期をとり、後段で必要な垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号を含む各種信号を生成する回路であり。これら信号の複数システム間での同期を確立する。
ファイルシステム33は、第2のハードディスクドライブ25を管理下におき、圧縮されたディジタルビデオデータを、第2のハードディスクドライブ25へ振り分けて記録する際のファイル管理を行う。
システムコントローラ34は、第2のハードディスク記録再生システム200のエンコーダ用バッファ24へ一時的に蓄えられたディジタルビデオデータについて、第2のハードディスクドライブ25への書き込みについての制御を行う。また、再生要求されたファイルに対し、第2のハードディスクドライブ25を管理下におくファイルシステム33を制御し、その要求ファイルである第2のハードディスクドライブ25に記録されているファイルを特定し読み出しが出来るようにするものである。
また、システムコントローラ34は2つの外部接続ポート(外部接続ポートINと外部接続ポートOUT)を持ち、それぞれの外部接続ポート(外部接続ポートIN、外部接続ポートOUT)が別のハードディスク記録再生システムの外部接続ポート(外部接続ポートOUT、外部接続ポートIN)と制御ラインにより接続されている。第2のハードディスク記録再生システム200のシステムコントローラ34が持つ2つの外部接続ポートの内、一方の外部接続ポート(外部接続ポートIN)は外部からのコマンドを受ける機能を持ち、他方の外部接続ポート(外部接続ポートOUT)はコマンドを送出する機能を持ち、それぞれ機能的に異なっている。そして、このシステムコントローラ34が持つ2つの外部接続ポートにより、複数システムの並列動作を制御する。システムコントローラ34は、その他、第2のハードディスク記録再生システム200において各部の制御を行う。システムコントローラ34は、例えば、CPU、制御プログラムなどを格納するROM、ワーキングエリアを提供するRAM、周辺回路とのインタフェースをとるインタフェース部などがバスによって接続されたマイクロコンピュータによって構成されたものであり、前記CPUが制御プログラムを実行することにより機能するものである。
【0021】
次に動作について説明する。
なお、以下の説明は第1のハードディスク記録再生システム100と第2のハードディスク記録再生システム200が並列動作するものとして説明する。
ビデオ信号の記録時には、分割されたビデオ信号が入力ビデオ信号1と入力ビデオ信号2として入力される。そして、入力ビデオ信号1はビデオ信号入力ブロック1へ入力され、入力ビデオ信号2はとビデオ信号入力ブロック21に入力される。
第1のハードディスク記録再生システム100では、垂直同期、水平同期信号、クロック信号等の後段で必要な各種信号をビデオ信号同期回路12が入力ビデオ信号1から生成する。第2のハードディスク記録再生システム200では、垂直同期、水平同期信号、クロック信号等の後段で必要な各種信号をビデオ信号同期回路32が入力ビデオ信号2から生成する。
次に第1のハードディスク記録再生システム100では、ストリームエンコーダ3が、入力された入力ビデオ信号1に対してコーデックを行い、ビデオ信号の圧縮を行う。また、第2のハードディスク記録再生システム200では、ストリームエンコーダ23が、入力された入力ビデオ信号2に対してコーデックを行い、ビデオ信号の圧縮を行う。
次に、第1のハードディスク記録再生システム100では、ストリームエンコーダ3でコーデックされ圧縮されたビデオデータはエンコーダ用バッファ4へ送られる。また、第2のハードディスク記録再生システム200では、ストリームエンコーダ23でコーデックされ圧縮されたビデオデータはエンコーダ用バッファ24へ送られる。その後、エンコーダ用バッファ4へ一時的に記憶されたビデオデータは、順次、第1のハードディスクドライブ5へ書き込まれる。また、エンコーダ用バッファ24へ一時的に記憶されたビデオデータは、順次、第2のハードディスクドライブ25へ書き込まれる。
【0022】
ビデオ信号の再生時には、分割記録されたビデオデータを第1のハードディスクドライブ5と第2のハードディスクドライブ25からそれぞれデコーダ用バッファ6とデコーダ用バッファ26に読み出す。
その後、デコーダ用バッファ6からはストリームデコーダ7へビデオデータが順次送り出され、またデコーダ用バッファ26からはストリームデコーダ27へビデオデータが順次送り出される。
【0023】
ストリームデコーダ7では、ビデオデータのコーデック圧縮を解凍して、次のビデオ信号出力ブロック8に送る。また、ストリームデコーダ27では、ビデオデータのコーデック圧縮を解凍して、次のビデオ信号出力ブロック28に送る。
ビデオ信号出力ブロック8では、解凍されたビデオ信号に同期信号等を付加して、システムに入力された入力ビデオ信号1と同様の波形を生成し出力する。また、ビデオ信号出力ブロック28では、解凍されたビデオ信号に同期信号等を付加して、システムに入力された入力ビデオ信号2と同様の波形を生成し出力する。
【0024】
また、ビデオ信号の記録時、再生時共に、第1のハードディスク記録再生システム100のビデオ信号同期回路12と第2のハードディスク記録再生システム200のビデオ信号同期回路32とにより、第1のハードディスク記録再生システム100と第2のハードディスク記録再生システム200とはハード的にVideoSync信号が同期した状態になる。
第1のハードディスク記録再生システム100のシステムコントローラ14では、コマンドを受ける機能を持つ外部接続ポートINに、コマンドを発行できる機能を持つコマンド発行装置である例えばパーソナルコンピュータを接続し、コマンドを用意する。そして、第1のハードディスク記録再生システム100(並列接続した複数のハードディスク記録再生システムの端のシステム)のコマンドを受ける外部接続ポートINに前記コマンドを入力する。
この結果、第1のハードディスク記録再生システム100では、外部接続ポートINへ入力されたコマンドは、システムコントローラ14でコマンド解析が行われ、解析されたコマンドに従った制御が実行される。第1のハードディスク記録再生システム100では、外部接続ポートINへコマンドが入力されると同時に、入力されたと全く同じコマンドを、外部接続ポートOUTから第2のハードディスク記録再生システム200の外部接続ポートINへ出力する。
【0025】
第2のハードディスク記録再生システム200では、外部接続ポートINへ入力されたコマンドは、システムコントローラ34でコマンド解析が行われ、解析されたコマンドに従った制御が実行される。第2のハードディスク記録再生システム200では、外部接続ポートINへコマンドが入力されると同時に、入力されたと全く同じコマンドを、外部接続ポートOUTから出力する。
この結果、並列接続された複数のハードディスク記録再生システムにコマンドが伝播して、全てのハードディスク記録再生システムで同じコマンドが実行される。
具体的な実装システムでは、システムの外部接続用のコマンドポートには、組み込みシステム等では、UART,I2C,専用のLVDS接続などがあり、その端ではUSB,Ethernet(登録商標)等もある。システムの外部接続用のコマンドポートに、UART、USBなどを選択した場合には、コマンドポートにコマンドを発行する機能を持つ装置として、ノートPCなどが使用できる。また、コマンドの具体例を以下に示す。コマンド種類 記録ピクセル ビット/ピクセル データレート ファイル名 (Ex. Capture 640x480 24bit 8Mbps Filename)
【0026】
以上、説明したように、この実施の形態によれば、コマンドを一つのハードディスク記録再生システムに入力するだけで、並列動作させたい全てのシステムに同じ動作をさせることが出来る。
また、複数システムの制御を一つのコマンド発行で行うので、並列動作するシステムが異なる動作をすることがなく、全て同じ動作をする。
また、コマンドに付属するパラメータに関しても、同様の特徴がある。言い換えると、並列動作する全てのシステムで、コマンド動作に対するパラメータが同じになる。
また、同じ構造のシステムを複数台用意し、これらを数珠つなぎに構成し、その端のシステム、つまりハードディスク記録再生システムの外部接続ポートINにコマンドを送出すれば、全ての装置が同一の動作をする。システム構成のフレキシビリティが有る。
たとえば、複数のビデオストリームソースがある場合に、これを再生してそれぞれディスプレーに表示する装置で、ディスプレーをマトリックス上に2×2、4×3、16×16、16×9などに配置した構成が容易に実現できる。
また、数台から数百台或いはそれ以上の構成での並列動作が容易に行える。
また、複数台のシステムを並列接続して大規模なシステムを構成した場合にも、システム構成の基本となる単体のシステムは全て同じである為に、装置が故障した場合でも、故障した1台を取り除くか交換すれば、大規模システムの修復が容易に行える。また、システム構成要素である単体システムを事前に用意しておけば、短時間の修復が可能になる。
また、並列接続数が数百にもなるような大規模なシステムであっても、修復交換用の単体システムは数台のシステムの場合と同じで、小規模なもので事前に用意するのに負担が小さい。
なお、以上の説明ではハードディスクドライブにビデオデータを記録するとして説明したが、ビデオデータの記録媒体としてはハードディスクなどの回転系記録媒体である必要はなく、半導体メモリなどの記憶装置であってもよい。
【0027】
(第2の実施の形態)
この第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態の記録再生装置の機能に加えて、さらに複数の並列動作しているハードディスク記録再生システムからの動作状況報告であるステータス信号を返送する機能を付加したことが特徴である。
従って、コマンドによる複数台の並列システムの制御に関しては、第1の実施の形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
図2は、この第2の記録再生方法が適用される記録再生装置の構成を示す機能ブロック図である。図2において図1と同一または相当の箇所については同一の符号を付し説明を省略する。
以下、複数の並列動作するハードディスク記録再生システムからの動作状況報告であるステータス信号を返送する機能について説明する。
基本的には、この動作状況報告であるステータス信号を返送する機能は、コマンドによる複数台の並列システムのコントロールと同じであるが、以下の点が異なる。
並列動作させる場合のコマンドは各ハードディスク記録再生システムで全く同じであったが、動作状況報告であるステータス信号は、並列動作している各システムの動作状況は異なるので、どのシステムからの動作状況報告であるか判別する必要がある。そのため予め各ハードディスク記録再生システムにユニーク番号を付けておく。各ハードディスク記録再生システムのシステムコントローラは付加されたユニーク番号を保持する機能を持つ。
動作状況報告であるステータス信号は、動作状態を示すパラメータのほかに予め付与されたユニークな番号も添付して送るようにする。
各ハードディスク記録再生システムが自分の動作状況報告であるステータス信号を発送している時に、隣接するハードディスク記録再生システムからの動作状況報告であるステータス信号を受けたときは、バッファしておいて、自分のステータス信号を発送し終えた後に、バッファしておいた隣接するハードディスク記録再生システムのステータス信号の発送を行い、ステータス信号の衝突を回避する。
【0028】
ここで図2を参照して並列に動作するハードディスク記録再生システムの数を増加させた場合に、複数の並列動作するハードディスク記録再生システムで動作状況報告であるステータス信号を返送する機能の動作を説明する。
図2に示すように、ハードディスク記録再生システムが複数接続されている状況は前記第1の実施の形態と同じである。
各ハードディスク記録再生システムのブロックの動作は前述と同様である。また、これらのハードディスク記録再生システムを複数並列に接続するビデオ信号同期回路間の制御信号ライン41による接続と、各ハードディスク記録再生システムのシステムコントローラの外部接続ポートINと外部接続ポートOUT、外部接続ポートOUTと外部接続ポートINとの制御ラインによる接続も同じである。
また、並列接続されるハードディスク記録再生システム間の制御ラインによる接続では、各ハードディスク記録再生システムのシステムコントローラは2つの外部接続ポート(外部接続ポートIN、外部接続ポートOUT)を持ち、それぞれのポートが別のシステムの外部接続ポート(外部接続ポートOUT、外部接続ポートIN)に接続するのも同じである。
しかし、各ハードディスク記録再生システムのシステムコントローラが持つ2つの外部接続ポートの内、一方の外部接続ポートINは外部からのコマンドを受ける機能の他にステータス信号を送出する機能を併せ持ち、他方の外部接続ポートOUTはコマンドを送出する機能のほかにステータス信号受け取ってバッファする機能を併せ持つ。
そして、このシステムコントローラが持つ2つの外部接続ポートにより、複数のハードディスク記録再生システムの並列動作を制御するコマンドの他に、並列動作する各ハードディスク記録再生システムの動作状況報告であるステータス信号を返送する機能が追加されている。
【0029】
以下、動作状況報告であるステータス信号を返送する機能について、その具体的な動作フローを以下に示す。
複数の並列動作をしているハードディスク記録再生システムの中の、動作状況報告であるステータス信号を返送する各ハードディスク記録再生システムは、そのハードディスク記録再生システムに事前に割り当てられたユニークな番号を含んだ、動作状況報告であるステータス信号を発行できるように構成する。
そして、このステータス信号を、外部からのコマンドを受ける機能の他にステータス信号を送出する機能を併せ持つ、外部接続ポートINから送出する。
隣接して接続されたハードディスク記録再生システムでは、コマンドを送出する機能のほかにステータス信号を受け取ってバッファする機能を併せ持つ外部接続ポートOUTで前記送出されたステータス信号を受け、このステータス信号をバッファする。
このステータス信号をバッファしたハードディスク記録再生システムは、前記バッファに一時保存したステータス信号を、外部からのコマンドを受ける機能の他にステータス信号を送出する機能を併せ持つ、外部接続ポートINより隣接するハードディスク記録再生システムに送出する。
そして、このステータス信号のバッファと、外部接続ポートINより隣接するハードディスク記録再生システムに前記バッファしたステータス信号を送出する動作を繰り返し、最終的にコマンドを発行する装置がステータス信号を受け取り、その情報からシステム状況を把握する。
ステータス信号の具体例を以下に示すと、コマンドキー システムユニーク番号 システム状況 システムエラー (Ex.Status No=7 Enc=Start Error=VideoInput)となる。
【0030】
以上、説明したようにこの第2の実施の形態によれば、コマンドを用意し、一つのハードディスク記録再生システムに入力し、並列動作させたい全てのハードディスク記録再生システムに同じ動作をさせることが出来るコマンドを発行する装置が、コマンドの発行と共に、並列動作する全てのハードディスク記録再生システムの動作状況報告であるステータス信号を得ることが出来る。
また、ステータス信号には、並列動作するハードディスク記録再生システムに事前に割り当てられたユニークな番号が付けてあるので、その情報から各ハードディスク記録再生システムの個別の状況を、コマンドの発行装置は知ることができ、総合的なシステムコントロールが可能となる。
また、各ハードディスク記録再生システムが同時に、動作状況報告であるステータス信号を発送した場合にも、各ハードディスク記録再生システムに装備したステータス信号をバッファする機能により、ステータス信号の衝突は回避され、コマンドの発行装置は各ハードディスク記録再生システムのステータス信号を衝突しないで独立して受けることが出来る。
【0031】
(第3の実施の形態)
この第3の実施の形態の記録再生装置は、前記第1の実施の形態の機能に加えて、事前に各ハードディスク記録再生システムにユニーク番号を付け、複数の並列動作している各ハードディスク記録再生システムを個別に、コマンド発行機能を持つ装置から制御できるようにしたものである。
従って、コマンドによる複数台の並列動作しているハードディスク記録再生システムにおける全システムの同一動作制御に関しては、前記第1の実施の形態と同様なのでここでは説明を省略する。
この第3の実施の形態では、複数台の並列動作するハードディスク記録再生システムにおいて、事前にユニークな番号を設定できる。この場合、全てのハードディスク記録再生システムに対して異なる番号を付けることも出来るし、グループ分けした何台かに同じ番号を付けても良い。
そして、コマンドのパラメータに、ユニークな番号を設定できる。
各ハードディスク記録再生システムのシステムコントローラは、入ってくるコマンドパラメータ内のユニークな番号と、前記各ハードディスク記録再生システムに設定したユニークな番号とが一致した時のみ、入ってきたコマンドの選択的な動作を行う。
具体的には、複数の並列動作する各ハードディスク記録再生システムにおいて、事前にユニークな番号を設定しておく。
また、コマンドのパラメータに、ユニークな番号を設定する。
各ハードディスク記録再生システムのシステムコントローラは、入ってくるコマンドの前記設定されているパラメータ内のユニークな番号と、自らに設定された前記ユニークな番号とが一致した時のみ、入ってきたコマンドに対して動作する。
各ハードディスク記録再生システムのシステムコントローラは、入ってくるコマンドの前記設定されたパラメータ内のユニークな番号と、自らに対し設定されている前記ユニークな番号とが一致しない場合は、動作せずにコマンドを無視する。
この場合、入ってきたコマンドをそのまま隣接システムに送出する動作は行う。
入ってくるコマンドの前記設定されているパラメータ内のユニークな番号と、自らに設定された前記ユニークな番号とが一致した時は、入ってきたコマンドをそのまま隣接システムに送出する動作を行う他に、全てのハードディスク記録再生システムに対して異なる番号を付けてある場合には、隣接するハードディスク記録再生システムへの送出をストップすることも可能である。
コマンドの具体例を以下に示すと、コマンド種類 ユニーク番号 記録ピクセル ビット/ピクセル データレート ファイル名 (Ex. Capture 3 640x480 24bit 8Mbps Filename)となる。この例では、ユニーク番号を3に設定しているので、複数台の並列システム内の事前に設定したユニーク番号3の半ハードディスク記録再生システムのみがこのコマンドに反応して動作し、他のハードディスク記録再生システムはこのコマンドに対して無視する。
個別操作の例としては、各ハードディスク記録再生システムが出力するファイル名を個別に設定するなどが出来る。
【0032】
以上、説明したように、この第3の実施の形態によれば、並列に動作するハードディスク記録再生システム間で、コマンドに連続するパラメータが、そのまま並列動作するハードディスク記録再生システムにエコーのように伝わっていくので、同じパラメータによるシステム制御が実現でき、各ハードディスク記録再生システムの動作が同じになるように制御できる。
また、並列動作するハードディスク記録再生システムのそれぞれにパラメータを別々に与える必要がなく、操作が容易となる。
また、同じ構造のハードディスク記録再生システムを複数台用意し、これらを数珠つなぎに接続し、その端のハードディスク記録再生システムの外部接続ポートINにコマンドを送れば、全てのハードディスク記録再生システムが同一の動作をする。
また、システムの接続台数を自由に変更することができ、システム構成のフレキシビリティーが増す。
また、分配方式に比べ、ファンアウトを気にしないでよい。このためハードディスク記録再生システムを幾つでも数珠つなぎに接続できるので、特に追加の設備は不要で、数台から数百台或いはそれ以上の接続でも可能である。
同じ構造のハードディスク記録再生システムを複数台用意し、これらを数珠つなぎに接続し、その端のハードディスク記録再生システムの外部接続ポートINにコマンドを送れば、全てのハードディスク記録再生システムが同一の動作をするので、システムが故障した場合でも、その内の1台の故障しているハードディスク記録再生システムを交換すればよいなどメンテナンスが容易となる。
また、1台のハードディスク記録再生システムをスペアとして持ち、故障時にはそのスペアに交換することで故障に素早く対処できる。
また、故障に対処するために所持しなければならないスペアの種類が少なくて済み、スペアのためのコストが抑制できる。
また同一動作をさせるのに、1台のハードディスク記録再生システムにコマンドを送ればよく、全てのハードディスク記録再生システムに同じ動作をさせることが出来、操作性が向上する。
状況に応じて何台の構成でも可能。複数のビデオソースがあり、これを再生してそれぞれ複数のディスプレーに表示する装置で、2×2、4×3、16×16などのディスプレー構成が容易に実現できる。(Nストリームビデオ×N台並列システム×N台テレビ)
ユニークな番号を各ハードディスク記録再生システムに付けて、各ハードディスク記録再生システムを個別に動作させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態による記録再生方法が適用される記録再生装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による記録再生方法が適用される記録再生装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】従来の記録再生装置を示すブロック図である。
【図4】従来の記録再生装置において扱われるビデオ信号を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1,21……ビデオ信号入力ブロック、3,23……ストリームエンコーダ、4,24……エンコーダ用バッファ(書き込み用バッファ)、5……第1のハードディスクドライブ(記憶装置)、6,26……デコーダ用バッファ(読み出し用バッファ)、7,27……ストリームデコーダ、8,28……ビデオ信号出力ブロック、25……第2のハードディスクドライブ(記憶装置)、12,32……ビデオ信号同期回路、14,34……システムコントローラ、13,33……ファイルシステム(管理手段)、41……制御信号ライン、100……第1のハードディスク記録再生システム、200……第2のハードディスク記録再生システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置へアクセスし、前記記憶装置に記録したビデオ信号を読み出し再生する記録再生装置であって、
ビデオ信号が入力されるビデオ信号入力ブロックと、
前記ビデオ信号入力ブロックに入力されたビデオ信号を圧縮するストリームエンコーダと、
前記ストリームエンコーダにより圧縮されたビデオ信号を一時的に蓄える書き込み用バッファと、
前記書き込み用バッファを介して前記圧縮されたビデオ信号を記録する前記記憶装置と、
前記記憶装置から読み出された圧縮されたビデオ信号を一時的に蓄える読み出し用バッファと、
前記読み出し用バッファを介して読み出された前記圧縮されたビデオ信号を伸張するストリームデコーダと、
前記ストリームデコーダにより伸張されたビデオ信号を出力するビデオ信号出力ブロックと、
前記入力されたビデオ信号に同期をとり、同期信号、クロック信号を含む各種信号を生成するビデオ信号同期回路と、
圧縮されたビデオ信号を、前記記憶装置へ記録する際のファイル管理を行う管理手段と、
与えられたコマンドを含む制御情報に応じた動作を行い、前記記憶装置に対する前記圧縮されたビデオ信号の書き込みおよび読み出しを含む、各部の制御を行うシステムコントローラと、
を有し、
前記ビデオ信号同期回路は、並列動作する他の記録再生装置との間の同期を確立するための同期確立手段を備え、
前記システムコントローラは、
前記コマンドを含む制御情報を受信するための外部接続用受信ポートと、
前記外部接続用受信ポートから受信した前記制御情報を外部出力するための外部接続用出力ポートと、
を備えたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記同期確立手段は、
並列動作する同一構成の他の記録再生装置のビデオ信号同期回路との間を接続手段により接続することで前記他の記録再生装置との間の同期を確立し、
前記システムコントローラは、
前記コマンドを含む制御情報を発行する制御情報発行装置から出力された前記制御情報を前記外部接続用受信ポートにより受信し、前記受信した前記制御情報を、前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置の外部接続用受信ポートへ前記外部接続用出力ポートから出力することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記同期確立手段は、
並列動作する同一構成の他の記録再生装置のビデオ信号同期回路との間を接続手段により接続することで前記他の記録再生装置との間の同期を確立し、
前記システムコントローラは、
前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置の外部接続用出力ポートから外部出力された前記コマンドを含む制御情報を前記外部接続用受信ポートにより受信し、前記受信した前記制御情報を、前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置の外部接続用受信ポートへ前記外部接続用出力ポートから出力することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記制御情報は、コマンドおよびそのパラメータを含むことを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記制御情報はコマンドおよびそのパラメータを含み、前記パラメータは記録再生装置ごとに設定された固有情報を含んでおり、
前記システムコントローラは、自分自身の記録再生装置に設定された固有情報を保持しており、受信した前記制御情報のパラメータの固有情報が前記保持している固有情報と一致しているときのみ、前記制御情報のコマンドに応じた動作を行うことを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記制御情報はコマンドおよびそのパラメータを含み、前記パラメータは複数の記録再生装置のグループごとに設定された固有情報を含んでおり、
前記システムコントローラは、自分自身の記録再生装置が所属するグループに設定された固有情報を保持しており、受信した前記制御情報のパラメータの固有情報が前記保持している固有情報と一致しているときのみ、前記制御情報のコマンドに応じた動作を行うことを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記システムコントローラの外部接続用受信ポートは、前記コマンドを含む制御情報の受信と、システムコントローラの動作状況であるステータス信号の外部出力機能を備え、
前記外部接続用出力ポートは、前記外部接続用受信ポートから受信した前記制御情報の外部出力機能と、システムコントローラの動作状況であるステータス信号の受信およびバッファ保持機能とを備えていることを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記同期確立手段は、
並列動作する同一構成の他の記録再生装置のビデオ信号同期回路との間を接続手段により接続することで前記他の記録再生装置との間の同期を確立し、
前記システムコントローラは、
自分自身の記録再生装置に設定された固有情報を保持しており、
前記コマンドを含む制御情報を発行する制御情報発行装置から出力された前記制御情報を前記外部接続用受信ポートにより受信し、前記受信した前記制御情報を、前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置の外部接続用受信ポートへ前記外部接続用出力ポートから出力する機能と、
前記システムコントローラ自身の動作状況であるステータス信号および前記システムコントローラ自身の固有情報を前記外部接続用受信ポートから前記制御情報発行装置へ外部出力する機能と、
他のシステムコントローラの動作状況であるステータス信号および前記他のシステムコントローラの固有情報の受信を前記外部接続用出力ポートで行い、前記受信したステータス信号および固有情報を前記外部接続用受信ポートから前記制御情報発行装置へ外部出力する機能と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項9】
前記同期確立手段は、
並列動作する同一構成の他の記録再生装置のビデオ信号同期回路との間を接続手段により接続することで前記他の記録再生装置との間の同期を確立し、
前記システムコントローラは、
自分自身に設定された固有情報を保持しており、前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置から前記コマンドを含む制御情報を前記外部接続用受信ポートで受信し、前記システムコントローラ自身の動作状況であるステータス信号および前記システムコントローラ自身の固有情報を前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置へ前記外部接続用受信ポートから外部出力する機能と、
前記外部接続用受信ポートで受信した前記制御情報を前記外部接続用出力ポートから前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置へ外部出力する機能と、前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置のシステムコントローラの動作状況であるステータス信号および前記システムコントローラの固有情報の受信を前記外部接続用出力ポートで行い、前記受信したステータス信号および固有情報を前記外部接続用受信ポートから前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置へ外部出力する機能とを備えていることを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項10】
前記同期確立手段は、
並列動作する同一構成の他の記録再生装置のビデオ信号同期回路との間を接続手段により接続することで前記他の記録再生装置との間の同期を確立し、
前記システムコントローラは、
自分自身の記録再生装置に設定された固有情報を保持しており、
前記コマンドを含む制御情報を発行する制御情報発行装置から出力された前記制御情報を前記外部接続用受信ポートにより受信し、前記受信した前記制御情報を、前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置の外部接続用受信ポートへ前記外部接続用出力ポートから出力する機能と、
前記システムコントローラ自身の動作状況であるステータス信号および前記システムコントローラ自身の固有情報を前記外部接続用受信ポートから前記制御情報発行装置へ外部出力する機能と、
他のシステムコントローラの動作状況であるステータス信号および前記他のシステムコントローラの固有情報の受信を前記外部接続用出力ポートで行い、このとき前記システムコントローラ自身の動作状況であるステータス信号および前記システムコントローラ自身の固有情報を前記外部接続用受信ポートから前記制御情報発行装置へ外部出力していると、前記受信したステータス信号および固有情報をバッファへ保持し、前記外部出力の終了後、前記バッファへ保持したステータス信号および固有情報を前記外部接続用受信ポートから前記制御情報発行装置へ外部出力する機能と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項11】
前記同期確立手段は、
並列動作する同一構成の他の記録再生装置のビデオ信号同期回路との間を接続手段により接続することで前記他の記録再生装置との間の同期を確立し、
前記システムコントローラは、
自分自身に設定された固有情報を保持しており、前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置から前記コマンドを含む制御情報を前記外部接続用受信ポートで受信し、前記システムコントローラ自身の動作状況であるステータス信号および前記システムコントローラ自身の固有情報を前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置へ前記外部接続用受信ポートから外部出力する機能と、
前記外部接続用受信ポートで受信した前記制御情報を前記外部接続用出力ポートから前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置へ外部出力する機能と、前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置のシステムコントローラの動作状況であるステータス信号および前記システムコントローラの固有情報の受信を前記外部接続用出力ポートで行い、このとき前記システムコントローラ自身の動作状況であるステータス信号および前記システムコントローラ自身の固有情報を前記外部接続用受信ポートから前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置へ外部出力していると、前記受信したステータス信号および固有情報をバッファへ保持し、前記外部出力の終了後、前記バッファへ保持したステータス信号および固有情報を前記外部接続用受信ポートから前記並列動作する同一構成の他の記録再生装置へ外部出力する機能とを備えていることを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項12】
記憶装置へアクセスし、前記記憶装置に記録したビデオ信号を読み出し再生する記録再生方法であって、
ビデオ信号同期回路によりビデオ信号入力ブロックに入力されたビデオ信号に同期をとり、同期信号、クロック信号を含む各種信号を生成する同期ステップと、
前記ビデオ信号入力ブロックに入力されたビデオ信号をストリームエンコーダで圧縮し、
前記圧縮されたビデオ信号を書き込み用バッファへ一時的に蓄え、前記書き込み用バッファを介して前記圧縮されたビデオ信号を前記記憶装置へ記録する記録ステップと、
前記記憶装置から圧縮されたビデオ信号を読み出し用バッファを介して読み出し、前記圧縮されたビデオ信号をストリームデコーダで伸張し、前記伸張されたビデオ信号をビデオ信号出力ブロックから出力する読み出しステップと、
前記圧縮されたビデオ信号を、前記記憶装置へ記録する際のファイル管理を管理手段が行う管理ステップと、
前記記憶装置に対する前記圧縮されたビデオ信号の書き込みおよび読み出しを含む、各部の制御を、与えられたコマンドを含む制御情報に応じてシステムコントローラが行う制御ステップとを有し、
前記同期ステップは、並列動作する他の記録再生装置との間の同期を同期確立手段により確立し、
前記制御ステップは、
前記コマンドを含む制御情報を外部接続用受信ポートにより受信する受信ステップと、
前記受信ステップで前記外部接続用受信ポートから受信した前記制御情報を外部接続用出力ポートから外部出力する出力ステップと、
を備えたことを特徴とする記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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