説明

記録再生装置および電源管理方法

【課題】利便性を向上させることができるとともに待機電力を抑制する。
【解決手段】記録再生装置10は、電源管理部23により主切替部13および記憶部用切替部15を制御されて、第1の待機状態、第1の待機状態より消費電力が多い第2の待機状態、および第2の待機状態より消費電力が多い通常起動状態の3種の給電状態で駆動される。待機部20は、時計部21、通常起動時刻の履歴を記憶する履歴記憶部22、電源部11を制御する電源管理部23などを有する。電源管理部23は、履歴記憶部22に記憶されている通常起動状態に移行開始した時刻の履歴にもとづいてユーザが通常起動すべき旨の指示を記録再生装置10に与える時刻を予測し、この時刻の少し前の時刻を次回通常起動のための準備開始時刻と決定し、この準備開始時刻に第1の待機状態から第2の待機状態に移行するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、待機電力を抑制した記録再生装置およびこの記録再生装置の電源管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策が叫ばれ、家庭用電気機器の待機電力の大きさが問題とされている。一方、家庭用電気機器は、高機能化に伴い、完全に電源を断った状態からの起動処理に要する時間が長くなる傾向にある。
【0003】
特に、HDDを記録媒体として用いた記録再生装置では、HDDに対する給電を停止した状態からHDDが起動するまでに要する時間が長いために、ユーザからの起動要求から起動完了までの時間を短縮するべく、待機時にもHDDに対して給電することが多い。
【0004】
従来、この種の記録再生装置の待機電力を削減する技術に、特開2000−173252号公報(特許文献1)に開示されたものがある。
【0005】
この特許文献1に開示された電源制御装置は、記録再生装置と、記録再生装置と互いに信号を送受信可能に構成された双方向情報伝達手段と、記録再生装置から受信した各種データを記憶する記憶手段と、記録再生装置に対する電力供給を行う電源ラインオン・オフ手段と、を備える。
【0006】
この電源制御装置は、記録再生装置からあらかじめ録画予約に関する情報を取得して記憶手段に記憶してから、電源ラインオン・オフ手段により記録再生装置の電源を完全に遮断するようになっている。この結果、記録再生装置からは一度録画予約情報が失われるものの、待機電力を大きく抑制することができる。そして、録画予約時間より第1の準備期間だけ前の時刻に記録再生装置に対する電力供給を開始し、録画予約時間より第2の準備期間(第1の準備期間より短い)だけ前の時刻に記録再生装置に対して録画予約情報を送信することにより、記録再生装置のウォームアップ時間を設け、確実に録画予約が実行できるようになっている。
【特許文献1】特開2000−173252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術は、記録再生装置をあらかじめ設定された録画予約時間にもとづき起動させることができるものの、記録再生装置と互いに信号を送受信可能な装置を必要としてしまい煩雑である。また、従来の技術は、あらかじめ設定された時間にもとづいて起動することしかできず、ユーザの生活態様は考慮されていない。たとえば、ユーザが起床後に記録再生装置を起動させる場合、従来の技術では、電源が完全に遮断された状態から起動する必要があるため、起動までに要する時間が長く、非常に不便である。
【0008】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、利便性を向上させることができるとともに待機電力を抑制することができる記録再生装置およびこの記録再生装置の電源管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る記録再生装置は、上述した課題を解決するために、第1の待機状態と、前記第1の待機状態より消費電力の多い第2の待機状態と、前記第2の待機状態より消費電力の多い通常起動状態との3つの状態のいずれかで給電可能な電源部と、常時給電される待機部と、前記第2の待機状態および前記通常起動状態で給電される録画データ記憶部と、前記通常起動状態でのみ給電される主要部と、を備え、前記待機部は、時計部と、前記電源部を制御する電源管理部と、通常起動時刻の履歴を記憶する履歴記憶部と、を有し、前記時計部は、常時時刻を計時するとともに、あらかじめ設定された時刻に設定時刻信号を前記制御部に出力可能に構成され、前記電源管理部は、前記履歴記憶部に前記通常起動状態に移行開始した時刻を記憶させる書込み部と、前記通常起動時刻の履歴にもとづき次回の通常起動時刻を予測し、この予測した次回通常起動時刻よりも第1の所定の時間だけ前の時刻を次回通常起動の準備開始時刻として決定し、この決定した準備開始時刻を前記時計部に与える起動時刻決定部と、前記第1の待機状態でありかつ前記決定された準備開始時刻になると、前記電源部を制御して前記録画データ記憶部に給電させることにより前記第1の待機状態から前記第2の待機状態へ移行させる切替制御部と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
一方、本発明に係る電源管理方法は、上述した課題を解決するために、第1の待機状態と、前記第1の待機状態より消費電力の多い第2の待機状態と、前記第2の待機状態より消費電力の多い通常起動状態との3つの状態のいずれかで給電可能な電源部と、常時給電される待機部と、前記第2の待機状態および前記通常起動状態で給電される録画データ記憶部と、前記通常起動状態でのみ給電される主要部と、を備えた記録再生装置の電源管理方法であって、通常起動時刻を記憶して履歴を作成するステップと、前記生成した通常起動時刻の履歴にもとづき次回の通常起動時刻を予測するステップと、前記予測した次回通常起動時刻よりも第1の所定の時間だけ前の時刻を準備開始時刻として決定するステップと、前記第1の待機状態でありかつ前記決定された準備開始時刻になると、前記電源部を制御して前記第1の待機状態から前記第2の待機状態へ移行するステップと、を有することを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る記録再生装置およびこの記録再生装置の電源管理方法によれば、利便性を向上させることができるとともに待機電力を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る記録再生装置およびこの記録再生装置の電源管理方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、録画データを記憶する記憶手段としてHDDおよびDVDを用いることができるHDD/DVDレコーダを記録再生装置の一例として示す。
【0013】
図1は、本発明に係る記録再生装置10の一実施形態を示す概略的な機能ブロック図である。
【0014】
記録再生装置10は、電源部11と、待機部20と、録画データ記憶部としてのHDD30と、ディスクドライブ部31と、主要部40とを有する。
【0015】
電源部11は、主電源12、主切替部13、記憶部用電源14、記憶部用切替部15および待機電源16を有し、商用電源から電力を供給される。図1に示すように、主電源12は、主切替部13を介して主要部40と接続される。記憶部用電源14は、記憶部用切替部15を介してHDD30およびディスクドライブ部13と接続される。また、待機電源16は、待機部20と常時接続される。
【0016】
待機部20は、待機電源16から常時給電される。待機部20は、時計部21、通常起動時刻の履歴を記憶する履歴記憶部22、電源部11を制御する電源管理部23、デジタルチューナ部24およびリモコン受信部25を有する。
【0017】
記録再生装置10は、電源管理部23により主切替部13および記憶部用切替部15を制御されて、第1の待機状態、第1の待機状態より消費電力が多い第2の待機状態、および第2の待機状態より消費電力が多い通常起動状態の3種の給電状態で駆動される。
【0018】
第1の待機状態は、主切替部13および記憶部用切替部15がともに開放され、待機部20のみに給電されている状態である。
【0019】
第2の待機状態は、主切替部13が解放される一方、記憶部用切替部15が短絡され、待機部20、HDD30およびディスクドライブ部31に給電されている状態である。
【0020】
通常起動状態は、主切替部13および記憶部用切替部15がともに短絡され、待機部20、HDD30、ディスクドライブ部31および主要部40に給電されている状態である。
【0021】
時計部21は、常時時刻を計時するとともに、あらかじめ設定された時刻に設定時刻信号を前記制御部に出力可能に構成される。
【0022】
履歴記憶部22は、電源管理部23により制御されて、通常起動状態に移行開始した時刻の履歴を記憶する。履歴記憶部22は、たとえばフラッシュメモリによって構成することができる。
【0023】
図2は、図1に示す電源管理部23の機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。なお、この機能実現部の一部または全部は、ハードウエアロジックによって構成されてもよい。
【0024】
電源管理部23は、マイクロプロセッサやプログラムメモリなどで構成され、プログラムメモリに格納されたプログラムをマイクロプロセッサが実行することにより、少なくとも履歴判定部23a、起動時刻決定部23b、切替制御部23c、HDD起動制御部23d、通常起動判定部23eおよび書込み部23fとして機能する。これらの機能実現部23a〜23fは、マイクロプロセッサを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0025】
履歴判定部23aは、履歴記憶部22を検索し、所要の時間幅内において、通常起動状態に移行開始した履歴があるかどうか判定する。
【0026】
起動時刻決定部23bは、履歴記憶部22に記憶されている通常起動状態に移行開始した時刻の履歴にもとづいてユーザが通常起動すべき旨の指示を記録再生装置10に与える時刻(次回起動時刻)を予測し、この時刻の少し前(第1の所定の時間だけ前)の時刻を次回通常起動のための準備開始時刻と決定し、この準備開始時刻に第1の待機状態から第2の待機状態に移行するようにする。
【0027】
切替制御部23cは、主切替部13および記憶部用切替部15を制御することにより、記録再生装置10を、第1の待機状態、第2の待機状態および通常起動状態の3種の給電状態で駆動する。
【0028】
HDD起動制御部23dは、HDD30の回転が安定した後、HDD30の管理情報の読み込みなどHDD30を起動する準備を行う。
【0029】
通常起動判定部23eは、リモコン25aを介して、または主切替部13(主電源12スイッチ)を介して、ユーザから通常起動すべき旨の指示があったかどうかを判定する。
【0030】
書込み部23fは、ユーザから通常起動すべき旨の指示を受けると、この指示を受けた時刻を、通常起動状態に移行開始した時刻として履歴記憶部22に記憶させる。
【0031】
デジタルチューナ部24は、デジタル放送情報を受信する。ここで、デジタル放送情報とは、テレビ局が放送する番組の映像データ、音声データおよびその他のデータ(PSI/SIデータなど)をいうものとする。
【0032】
なお、図1で、デジタルチューナ部24を常時給電の対象としているのは、デジタル放送情報に含まれうる緊急放送信号への対応や、EPGデータの取得や、記録再生装置10のファームアップデート情報の取得などを随時実行可能とすることにより、ユーザの利便性をより向上させるためである。
【0033】
リモコン受信部25は、ユーザの操作に対応した信号をリモコン25aから受信し、受信した信号に応じた出力をCPU41に与える。リモコン受信部25は、ユーザからリモコン25aを介して通常起動するべき旨の指示をいつでも受付けられるよう、常時給電される。
【0034】
録画データ記憶部としてのHDD30は、録画データを記憶する。また、ディスクドライブ部31は、装填されたDVDに録画データを記憶させる。HDD30およびディスクドライブ部31は、第2の待機状態および通常起動状態では給電され、第1の待機状態では給電されない。
【0035】
一般に、HDD30に対して給電を開始してからHDD30に対してデータを安定して読み書き可能となるまでには時間がかかる。また、ディスクドライブ部31にDVDがセットされていると、ディスクドライブ部31に対して給電を開始してからDVDを認識するまでに時間がかかる。このため、第1の待機状態にある記録再生装置10に対してユーザから通常起動すべき旨の指示があると、HDD30およびディスクドライブ部31の起動に時間を要してしまい、通常起動の完了までに時間がかかってしまう。
【0036】
一方、HDD30およびディスクドライブ部31に給電されている第2の待機状態からであれば、迅速に通常起動を完了することができるが、第2の待機状態は、第1の待機状態に比べて消費電力が多いという問題がある。
【0037】
できるだけ第1の待機状態を長く取り、かつ通常起動される直前には第2の待機状態にあることが望ましい。そこで、本実施形態に係る記録再生装置10は、起動時刻決定部23bにより準備開始時刻を決定し、この準備開始時刻に第1の待機状態から第2の待機状態に移行するようにする。
【0038】
主要部40は、記録再生装置10の本来の機能を実行する。主要部40は、CPU41、RAM42、ROM43、表示部44、音声出力部45、AVデコーダ部46およびAVエンコーダ部47を有する。
【0039】
CPU41は、ROM43内に記憶されたプログラムおよびプログラムの実行のために必要なデータをRAM42へロードし、プログラムに従って記録再生装置10の本来機能を実現する。
【0040】
RAM42は、CPU41が実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。
【0041】
ROM43は、記録再生装置10の起動プログラムをはじめとする各種プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0042】
なお、ROM43は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPU41により読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、ROM43内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
【0043】
AVデコーダ部46は、デジタルAVデータをデコードするブロックである。デジタルAVデータは、デジタルチューナ部31から受けたMPEG−TSデータ、HDD30およびディスクドライブ部31から受けたデジタルデータなどから供給される。また、デジタルAVデータには、MPEG−2、MPEG−4 AVC、VC−1などのビデオデータと、MPEG−2 audio、AAC、LPCMなどのオーディオデジタルデータが含まれている。
【0044】
AVデコーダ部46は、デコードした映像データをLCDやPDPなどにより構成される表示部44に与えてデジタル放送情報に含まれる映像などを表示部44を介して出力させ、デコードした音声データを音声出力部45(スピーカ)に与えてデジタル放送情報に含まれる音声などを音声出力部45を介して出力させ、その他のデータをCPU41に与えてその他のデータに含まれる番組情報などの情報をHDD30に記憶させる。
【0045】
AVエンコーダ部47は、アナログ信号をエンコードし、デジタルAVデータを生成する機能を有する。アナログ信号は、外部入力およびアナログチューナなどを介して供給される。
【0046】
次に、本実施形態に係る記録再生装置10の動作の一例について説明する。
【0047】
図3は、図1に示す記録再生装置10の電源管理部23により、通常起動状態に移行開始した時刻の履歴にもとづいて次回起動時刻を予測して、この予測した次回起動時刻の少し前(第1の所定の時間だけ前)の時刻を次回通常起動のための準備開始時刻と決定する際の手順を示すフローチャートである。図3において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0048】
この手順は、あらかじめ、履歴記憶部22に通常起動状態に移行開始した時刻の履歴が記憶されてスタートとなる。
【0049】
なお、以下の説明では、第1の所定の時間を10分、準備開始時刻を決定する周期(第3の所定の時間)を1時間とする場合の例について示す。第3の所定の時間が1時間の場合の一例として、7時ジャストからの1時間(7時台)、8時ジャストからの1時間(8時台)などの履歴にもとづいて準備開始時刻を決定する場合の例について示す。この場合、時計部21には、各時ジャストの時刻から第1の所定の時間だけ前の毎時50分に準備開始時刻を決定すべき旨の信号を出力するようあらかじめ設定しておく。
【0050】
まず、ステップS1において、時計部21は、現在時刻が「50分」であるかどうか判定する。たとえば、現在の時刻が7時50分である場合、「50分」であるためステップS2に進む。一方、「50分」でない場合は、時計部21は、引き続き現在時刻を監視する。
【0051】
次に、ステップS2において、履歴判定部23aは、履歴記憶部22を検索し、次の1時間、すなわち8時台に通常起動状態に移行開始した履歴があるかどうか判定する。通常起動状態に移行開始した履歴がある場合は、ステップS3に進む。一方、ない場合は、8時台に通常起動状態に移行する可能性が低いと判断して一連の手順を終了する。
【0052】
次に、ステップS3において、起動時刻決定部23bは、履歴記憶部22から8時台の履歴を抽出する。この抽出方法には、履歴記憶部22に記憶されている8時台の全ての履歴を抽出する方法をはじめ、同じ曜日の履歴のみを抽出する方法、曜日を平日と休日に分けて抽出する方法、昨日1日だけを抽出する方法など、さまざまな方法が考えられ、これらのどれを用いてもよい。また、どの方法を選択するかをユーザによってリモコン25aを介して決定されてもよい。以下の説明では、履歴記憶部22に記憶されている8時台の全ての履歴を抽出する方法を用いる場合の例について示す。
【0053】
次に、ステップS4において、起動時刻決定部23bは、8時台の履歴にもとづいて次回の通常起動時刻を予測する。この予測方法としては、8時台の全ての履歴の平均を取る方法や、今日に近い履歴ほど影響が大きくなるような重み付けをして予測する方法などが考えられる。
【0054】
次に、ステップS5において、起動時刻決定部23bは、予測した次回通常起動時刻よりも第1の所定の時間(10分)だけ前の時刻を次回通常起動の準備開始時刻として決定し、この決定した準備開始時刻twを時計部21に設定する。
【0055】
以上の手順により、通常起動状態に移行開始した時刻の履歴にもとづいて次回起動時刻を予測して、この予測した次回起動時刻から次回通常起動のための準備開始時刻を決定することができる。
【0056】
図4は、準備開始時刻に第2の待機状態へ移行し、予測した次回起動時刻を第2の待機状態で迎える際の手順を示すフローチャートである。図4において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0057】
この手順は、あらかじめ、起動時刻決定部23bにより、準備開始時刻twが決定され、この準備開始時刻twが時計部21に設定されてスタートとなる(図3ステップS5参照)。
【0058】
なお、以下の説明では、図3に示した手順の結果、次回通常起動時刻が8時15分と予測され、準備開始時刻twが8時5分と決定された場合の例について説明する。
【0059】
また、あらかじめ、第2の所定の時間が15分である旨の情報が時計部21に与えられているものとする。
【0060】
ステップS11において、時計部21は、現在時刻tがtw(8時5分)に到達したかどうか判定する。到達した場合はステップS12に進む。一方、まだ到達していない場合は、時計部21は、引き続き現在時刻tを監視する。
【0061】
次に、ステップS12において、切替制御部23cは、記憶部用切替部15を短絡し、HDD30およびディスクドライブ部31に対して記憶部用電源から給電を開始して、第1の待機状態から第2の待機状態に移行する。
【0062】
次に、ステップS13において、HDD起動制御部23dは、HDD30の回転が安定した後、HDD30の管理情報の読み込みなどHDD30を起動する準備を行う。また、DVDが装填されている場合は、このステップS13でディスクドライブ部31はDVDの回転を開始し起動準備を行う。
【0063】
次に、ステップS14において、通常起動判定部23eは、ユーザから通常起動すべき旨の指示があったかどうかを判定する。ユーザから通常起動すべき旨の指示がなかった場合は、ステップS15に進む。一方、ユーザから通常起動すべき旨の指示があった場合は、ステップS17に進む。
【0064】
次に、ステップS15において、時計部21は、現在時刻が、準備開始時刻に対して第2の所要の時間(たとえば15分)を加えた時刻をこえているかどうか判定する。越えている場合はステップS16に進む。一方、まだ越えていない場合はステップS14に戻る。
【0065】
次に、ステップS16において、切替制御部23cは、記憶部用切替部15を開放し、HDD30への給電を停止して第2の待機状態から第1の待機状態へ戻る。
【0066】
ステップS15およびステップS16を実行することにより、第2の所定の時間経過後に第1の待機状態に移行することができるため、予測した次回通常起動時刻が適切でなかった場合でも消費電力の無駄を最小限に抑えることできる。
【0067】
他方、ステップS14でユーザから通常起動すべき旨の指示を受けた場合は、ステップS17において、書込み部23fは、この指示を受けた時刻を、通常起動状態に移行開始した時刻として履歴記憶部22に記憶させる。
【0068】
次に、ステップS18において、切替制御部23cは、主切替部13を短絡し、主要部40に対して主電源12から給電を開始して、第2の待機状態から通常起動状態へ移行する。
【0069】
以上の手順により、準備開始時刻に第2の待機状態へ移行し、予測した次回起動時刻を第2の待機状態で迎えることができる。
【0070】
本実施形態に係る記録再生装置10は、ユーザの通常起動指示の履歴にもとづいて、次回起動時刻を予測し、この時刻の近傍でのみHDD30およびディスクドライブ部31を給電待機状態にする。このため、ユーザ自らはなんら操作を行うことなく、自動的に、ユーザの生活態様を考慮した待機状態を実現することができる。したがって、本実施形態に係る記録再生装置10によれば、ユーザの利便性を向上させることができるとともに、待機電力を極力抑制することができる。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0072】
また、本発明の実施形態では、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係る記録再生装置の一実施形態を示す概略的な機能ブロック図。
【図2】図1に示す電源管理部の機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図。
【図3】図1に示す記録再生装置の電源管理部により、通常起動状態に移行開始した時刻の履歴にもとづいて次回起動時刻を予測して、この予測した次回起動時刻の少し前(第1の所定の時間だけ前)の時刻を次回通常起動のための準備開始時刻と決定する際の手順を示すフローチャート。
【図4】準備開始時刻に第2の待機状態へ移行し、予測した次回起動時刻を第2の待機状態で迎える際の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0074】
10 記録再生装置
11 電源部
12 主電源
13 主切替部
14 記憶部用電源
15 記憶部用切替部
16 待機電源
20 待機部
21 時計部
22 履歴記憶部
23 電源管理部
23a 履歴判定部
23b 起動時刻決定部
23c 切替制御部
23d HDD起動制御部
23e 通常起動判定部
23f 書込み部
24 デジタルチューナ部
25 リモコン受信部
25a リモコン
30 HDD
31 ディスクドライブ部
40 主要部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
44 表示部
45 音声出力部
46 AVデコーダ部
47 AVエンコーダ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の待機状態と、前記第1の待機状態より消費電力の多い第2の待機状態と、前記第2の待機状態より消費電力の多い通常起動状態との3つの状態のいずれかで給電可能な電源部と、
常時給電される待機部と、
前記第2の待機状態および前記通常起動状態で給電される録画データ記憶部と、
前記通常起動状態でのみ給電される主要部と、
を備え、
前記待機部は、
時計部と、前記電源部を制御する電源管理部と、通常起動時刻の履歴を記憶する履歴記憶部と、
を有し、
前記時計部は、常時時刻を計時するとともに、あらかじめ設定された時刻に設定時刻信号を前記制御部に出力可能に構成され、
前記電源管理部は、
前記履歴記憶部に前記通常起動状態に移行開始した時刻を記憶させる書込み部と、
前記通常起動時刻の履歴にもとづき次回の通常起動時刻を予測し、この予測した次回通常起動時刻よりも第1の所定の時間だけ前の時刻を次回通常起動の準備開始時刻として決定し、この決定した準備開始時刻を前記時計部に与える起動時刻決定部と、
前記第1の待機状態でありかつ前記決定された準備開始時刻になると、前記電源部を制御して前記録画データ記憶部に給電させることにより前記第1の待機状態から前記第2の待機状態へ移行させる切替制御部と、
を有することを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記切替制御部は、
前記決定された準備開始時刻に前記第1の状態から前記第2の待機状態へ移行させた後かつ第2の所定の時間経過する前に前記通常起動状態への移行要求を受けると、前記電源部を制御して前記主要部への給電を開始して前記第2の待機状態から前記通常起動状態へ移行させる、
請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記切替制御部は、
前記決定された準備開始時刻に前記第1の状態から前記第2の待機状態へ移行させた後、前記第2の所定の時間経過すると、前記電源部を制御して前記録画データ記憶部への給電を停止して前記第2の待機状態から前記第1の待機状態へ移行させる、
請求項2記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記起動時刻決定部は、
第3の所定の時間ごとに前記準備開始時刻を決定する、
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記電源部は、
主電源と、主切替手段と、待機電源と、記憶部用電源と、記憶部用切替手段と、
を有し、
前記待機部は、前記待機電源から常時給電され、
前記録画データ記憶部は、前記記憶部用電源から前記記憶部用切替手段を介して給電され、
前記主要部は、前記主電源から前記主切替手段を介して給電され、
前記切替制御部は、
前記主切替手段および前記記憶部用切替手段を制御することにより、前記第1の待機状態、前記第2の待機状態、および前記通常起動状態の3つの状態のいずれかの給電状態を実現する、
請求項4記載の記録再生装置。
【請求項6】
第1の待機状態と、前記第1の待機状態より消費電力の多い第2の待機状態と、前記第2の待機状態より消費電力の多い通常起動状態との3つの状態のいずれかで給電可能な電源部と、
常時給電される待機部と、
前記第2の待機状態および前記通常起動状態で給電される録画データ記憶部と、
前記通常起動状態でのみ給電される主要部と、
を備えた記録再生装置の電源管理方法であって、
通常起動時刻を記憶して履歴を作成するステップと、
前記生成した通常起動時刻の履歴にもとづき次回の通常起動時刻を予測するステップと、
前記予測した次回通常起動時刻よりも第1の所定の時間だけ前の時刻を準備開始時刻として決定するステップと、
前記第1の待機状態でありかつ前記決定された準備開始時刻になると、前記電源部を制御して前記第1の待機状態から前記第2の待機状態へ移行するステップと、
を有することを特徴とする電源管理方法。
【請求項7】
前記決定された準備開始時刻に前記第1の状態から前記第2の待機状態へ移行させた後かつ第2の所定の時間経過する前に前記通常起動状態への移行要求を受けると、前記電源部を制御して前記主要部への給電を開始して前記第2の待機状態から前記通常起動状態へ移行するステップ、
をさらに有する請求項6記載の電源管理方法。
【請求項8】
前記切替制御部は、
前記決定された準備開始時刻に前記第1の状態から前記第2の待機状態へ移行させた後、前記第2の所定の時間経過すると、前記電源部を制御して前記録画データ記憶部への給電を停止して前記第2の待機状態から前記第1の待機状態へ移行するステップ、
をさらに有する請求項7記載の電源管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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