説明

記録再生装置及び記録再生方法

【課題】録画した放送番組を再生する際、利用者にとって効率の良い再生を実現する記録再生装置及び記録再生方法を提供する。
【解決手段】記録再生装置は、放送番組を記録する記録手段と、記録された前記放送番組の番組情報を取得する番組情報取得手段と、初期設定において記録された前記放送番組を再生する際の再生速度を、前記番組情報に応じて所定の再生速度に設定する再生速度設定手段と、前記再生速度設定手段によって設定された前記所定の再生速度で再生する再生手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、デジタル放送によって受信した番組を記録することが可能な記録再生装置及び記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上デジタル放送、BS/CSデジタル放送が本格的に運用され、多くの番組が高画質、高音質で視聴できる環境が整ってきた。デジタル放送は、電子番組表(EPG(Electronic Program Guide))の仕組みが備えられており、受信機のリモコンのボタンを押すだけで、当日あるいは1週間先までの番組表が表示され、放送時間や出演者など、番組内容の表示や知りたい情報の検索、番組の視聴予約や録画予約を簡単に行うことができる。
【0003】
チャンネル数の増加に伴い、視聴者が視聴したい番組の放送時間が増大し、また放送時間が重複したりすることが起きるため、番組を録画して利用者の都合に合わせて番組を視聴する機会が増えてきた。録画した番組を再生する際の再生速度を適切に制御し、視聴者によって効率の良い再生をする再生方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−244404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
利用者が番組を記録する際、利用者が指定したキーワードや嗜好に合致した番組を自動的に録画する機能があり、これを使用すると利用者が特に重要視しない番組が録画される場合がある。このような利用者にとって視聴の優先度が大きくない番組の再生では早見早聞再生機能を利用する場合がある。早見早聞再生機能とは、通常の再生速度を1倍速とすると、1倍速より大きい再生速度で音声を伴って再生する機能である。この機能を利用すると短時間で番組の内容を把握することができる。
【0006】
しかしながら、早見早聞再生機能を利用する度に、再生開始直後に機能設定メニューを呼び出して早見早聞再生の操作を行うことになり煩わしい。
【0007】
本発明の目的は、上記したような事情に鑑み成されたものであって、録画した放送番組を再生する際、利用者にとって効率の良い再生を実現する記録再生装置及び記録再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、実施形態によれば、記録再生装置は、放送番組を記録する記録手段と、記録された前記放送番組の番組情報を取得する番組情報取得手段と、初期設定において記録された前記放送番組を再生する際の再生速度を、前記番組情報に応じて所定の再生速度に設定する再生速度設定手段と、前記再生速度設定手段によって設定された前記所定の再生速度で再生する再生手段とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る記録再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】リモコンの実施形態を示した概観図。
【図3】初期設定ウィンドウが画面に表示された状態を示した図。
【図4】自動再生速度変更設定ウィンドウが画面に表示された状態を示した図。
【図5】番組ジャンル設定ウィンドウが画面に表示された状態を示した図。
【図6】自動再生速度変更設定ウィンドウが画面に表示された状態を示した図。
【図7】キーワード入力ウィンドウが画面に表示された状態を示した図。
【図8】自動再生速度変更設定ウィンドウが画面に表示された状態を示した図。
【図9】再生速さ設定ウィンドウが画面に表示された状態を示した図。
【図10】自動再生速度変更設定ウィンドウが画面に表示された状態を示した図。
【図11】自動再生速度変更設定ウィンドウが画面に表示された状態を示した図。
【図12】初期設定における再生速度設定処理の動作手順を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態の記録再生装置1の構成を示したブロック図である。アンテナ2は、放送局30から送信された放送電波を受信するための地上デジタル放送あるいは衛星デジタル放送用のアンテナである。
【0011】
チューナ3は、地上デジタル放送あるいは衛星デジタル放送の放送信号の中から所望のチャンネルの放送信号を選局する。チューナ3は、複数のチューナユニットから構成されており、同時に複数の放送を受信することができる。
【0012】
復調器4は、各々のデジタル放送の変調方式に対応して復調する。地上デジタル放送の信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調で、衛星デジタル放送の信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調で、MPEG(Moving Picture Experts Group)−TS(Transport Stream)に復調され、デコード処理部5に出力される。また、復調器4は、送受信部23を介してインターネット等のネットワーク31から受信したIP放送を復調する。
【0013】
デコード処理部5は、MPEGデコーダ、映像音声デコーダ等の機能を有する。デコード処理部5は、復調器4から送信されたMPEG−TSデータをセクション化して、番組情報のデータをデコードする。映像PES(Packetized Elementary Stream)に対しては映像ES(Elementary Stream)化、音声PESに対しては音声ES化を行って映像データ及び音声データをデコードする。
【0014】
また、デコード処理部5は、記録装置18から入力された映像データ及び音声データをデコードする。更に、デコード処理部5は、外部記憶装置20から入力された映像データ及び音声データをデコードする機能を有する。
【0015】
重畳処理部6は、デコード処理部5からの映像データと、バス12を介して転送されるデータ放送やGUI(Graphical User Interface)制御手段26によるウィンドウ描画をプレーン管理して、映像データとの重ね合わせを行い、映像処理部7に送る。
【0016】
映像処理部7は、表示装置8で表示可能なフォーマット(画素数、フレーム周波数、走査方式)に変換したり、表示色を任意に調整したりして、表示装置8に出力して映像を画面9に表示させる。
【0017】
音声処理部10は、デコード処理部5から伝送されたデジタルの音声データを、スピーカ11あるいはイヤーホーンで再生可能なアナログ音声信号に変換した後、スピーカ11あるいはイヤーホーンに出力して音声を再生させる。なお、表示装置8やスピーカ11は記録再生装置1の外部にあってもよい。また記録再生装置1と別の筐体に納められていてもよい。
【0018】
記録再生装置1は、上記した受信動作を含むその全ての動作を制御部13によって統括的に制御されている。制御部13はMPU(Micro Processing Unit)14が搭載されており、バス12を介して接続された各構成要素を制御する。
【0019】
RAM(Random Access Memory)15は、制御部13のデータ処理に必要な各種データを格納するリード/ライトメモリであり、映像データ等を格納するバッファメモリとして動作する。ROM(Read Only Memory)16は読出し専用メモリであり、MPU14が実行する制御のプログラムなどを格納している。
【0020】
フラッシュメモリ17は、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ17は、録画番組情報、録画予約情報等を記憶する機能を有する。
【0021】
記録装置18は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)或いはODD(Optical Disc Drive)等を含む記録手段である。記録装置18には情報を記録再生するためのエンコーダとデコーダが搭載されており、該エンコーダとデコーダを介してMPEG−TSデータが記録再生形態に適したフォーマットに変調されHDD、SSD或いはODDに記録され、また再生される。再生データは、デコード処理部5でデコードされる。
【0022】
外部インターフェース19は、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)、eSATA(external Serial ATA(AT Attachment))、SD(Secure Digital)(登録商標)メモリカード、あるいはHDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)等のインターフェースであり、USBメモリやUSB外部機器、SDメモリカード、HDD、SSD、CD、DVD、Blu-ray(登録商標)記録再生機等のドライブ類を含む外部記憶装置20が接続される。
【0023】
外部インターフェース19を介して外部記憶装置20に放送番組を記録することができる。記録装置18または外部記憶装置20のどちらに記録するかを利用者が選択できる。また、記録再生装置1は、外部記憶装置20に記録された映像または音声情報を再生することができる。
【0024】
操作受信部21は、操作機器22から送信される操作信号を受信し、制御部13に転送する。操作機器22は、例えば、赤外線あるいはBluetooth等による無線通信を利用したリモコン(リモートコントローラ、remote controller)、有線式あるいは無線式キーボード等であり、操作信号を送出する。操作受信部21は、これらリモコン、キーボード等から操作信号を受信する。
【0025】
記録再生装置1は、送受信部23を介してインターネット等のネットワーク31に接続されている。これにより、記録再生装置1は、ネットワーク31上にあるサーバ32等の機器と送受信部23を介して情報伝送を行なうことができる。
【0026】
図2は、リモコン40の実施形態を示した概観図である。リモコン40は赤外線あるいはBluetooth等による無線通信を利用して、記録再生装置1の操作受信部21へ操作信号を送る。電源ボタン41は、記録再生装置1の電源をオンまたはオフする。詳細には記録再生装置1を待機状態から動作状態、または動作状態から待機状態にするボタンである。
【0027】
選局ボタン42は、チャンネル番号を直接選択する1から12までの番号が振られたボタンである。また、選曲ボタン42は、文字を入力するときにも用いられる。記録再生装置1が文字入力のモードに設定された状態で文字入力が可能となる。携帯電話と同様な入力操作で文字を入力する。チャネル送りボタン43は、チャネル番号を順送りまたは逆送りで選局するボタンであり、選局ボタン42と同様にチャネルを選局するときに用いられる。音量調整ボタン44は、番組を視聴するときの音量を調整するボタンである。
【0028】
カーソルボタン45は表示装置8の画面9に表示されたGUI画面の各種の情報ウィンドウ内のカーソルの移動や各種項目の選択ボタンの移動を行うためのボタンである。左方向カーソルボタン45aはカーソルを左方向に移動させるときに用いるボタンである。右方向カーソルボタン45b、上方向カーソルボタン45c、下方向カーソルボタン45dはそれぞれカーソルを右方向、上方向、下方向に移動させるときに用いる。決定ボタン46は、カーソルボタン45a〜45dで移動した先の位置または画面上のボタンを実行するときに用いられる。
【0029】
番組表ボタン47は、番組表を画面9に表示するときに操作する専用の操作ボタンである。メニューボタン48は、記録再生装置1に用意された各種の設定項目を表示するときに押下するボタンである。利用者は、階層表示された複数の項目の中から目的の設定項目を選択する。
【0030】
戻るボタン49は一つ前の操作段階の画面へ戻るときに使うボタンである。終了ボタン50は、一連の操作を終了するときに操作するボタンである。録画番組ボタン51は録画番組のリストを表示するためのボタンである。録画番組のリストの表示形式は複数あり、利用者が選択できる。
【0031】
4色の色ボタン52は、左から青ボタン52a、赤ボタン52b、緑ボタン52c、黄ボタン52dの順に配置されている。画面9上に色により区別された項目や色による選択の表示があるときに使用する。記録装置操作ボタン53は、記録装置18に記録された番組を再生する際に、再生(53a)、停止、一時停止、早送り再生、早戻し再生、次番組スキップ、先頭戻り・前番組スキップするためのボタンである。
【0032】
図1において、制御部13は、番組情報取得手段24、記録管理手段25、GUI制御手段26、再生速度設定手段27、再生速度制御手段28、キーワード取得手段29の機能を有する。これらの機能は、制御部13のMPU14が実行するアプリケーションであり、通常はROM16に格納されており、使用時にはMPU14によって読み出され実行される。
【0033】
番組情報取得手段24は、各番組のSI(Service Information)情報を取得し、管理する。SI情報はこれを元にしてEPGデータによる番組表が作成されたり、番組の記録(録画)予約あるいは記録(録画)された番組の管理に利用される。
【0034】
記録再生装置1は、複数のチューナ3を搭載しており、複数の番組について録画指定を行うことが可能である。利用者は、画面9上の電子番組表(EPG(Electronic Program Guide))を見ながら、番組を選択して録画または録画予約することができる。
【0035】
EPGは多チャンネル化が進む中で利用者が容易に番組を選択することを目的に提供されている。新聞などにおけるテレビ番組欄の表示様態を真似て記録再生装置1の画面9上に表示される。利用者は、画面9の番組表を見ながらリモコン40を使って番組選択や詳細情報の表示、録画予約に利用する。
【0036】
EPGデータによる番組表の表示様態は放送受信機メーカや記録再生装置の機種によって異なっているが、記録再生装置1においては、上述した新聞などにおけるテレビ番組欄のように横方向にチャンネル軸、縦方向に時間軸として表示し現在時刻以降に放送される番組が並ぶように表示される。番組を選択するとその番組の番組名、放送日時以外に、番組のジャンル、出演者や番組内容等の詳細情報が表示される。
【0037】
EPGデータは映像・音声などと同様にパケット化され、多重されて送信されている。番組情報のデータは、SI(Service Information、番組配列情報)のEIT(Event Information Table)に含まれており、デコード処理部5から出力された情報を番組情報取得手段24が解析してプログラムに従って番組表を生成し、GUI制御手段26が番組表のGUI画面を生成する。生成された番組表は、重畳処理部6、映像処理部7を経て画面9に表示される。
【0038】
番組情報のデータには、放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細等の個々の番組に関する情報が含まれている。放送番組は、その内容と対象などによって複数に分類されている。デジタル放送では、番組に番組分類の情報を含めて放送されており、EPGデータによりその番組分類を確認することができる。例えば、地上デジタル放送の規格では、番組は、「ニュース/報道」、「スポーツ」、「情報/ワイドショー」、「ドラマ」、「音楽」、「バラエティ」、「映画」、「アニメ/特撮」、「ドキュメンタリ/教養」、「劇場/公演」、「趣味/教育」、「福祉」、「その他」に分類されている。これらが番組情報のデータから確認可能となっており、番組分類を判定することが可能となっている。
【0039】
記録管理手段25は、利用者の要求に基づいて設定された予約情報を管理する。利用者は画面9上のEPGデータによる番組表を見ながら、リモコンを使って番組を選択して録画または録画予約することができる。また、キーワード予約やシリーズ予約などによる自動録画予約をすることができるが、記録管理手段25はそれらの予約情報を管理する。また、記録管理手段25は、予約された番組の記録処理、また視聴中の番組の記録処理を行う。
【0040】
記録管理手段25は、記録装置18あるいは外部記憶装置20に記録された番組を管理する。記録管理手段25は、記録された番組の番組情報(放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細、番組分類等)、記録時間、録画番組が再生済みか未再生かの区別等を、フラッシュメモリ17、または記録装置18あるいは外部記憶装置20に記録し、録画番組の情報を管理する。記録管理手段25は、録画番組リストの生成、録画番組の再生や削除、編集等の処理を実行する。
【0041】
記録再生装置1は、番組のジャンル、キーワードなどの条件を指定して録画予約できる。利用者が予め指定した1個または複数の録画用キーワードに合致した番組情報を含む番組を自動的に記録する機能を備えている。制御部13は、利用者が予め指定した1個または複数の録画用キーワードをフラッシュメモリ17に記憶させ、記録管理手段25は、この録画用キーワードを番組情報に含む番組を抽出し記録できる設定を有する。
【0042】
GUI制御手段26は、GUI(Graphical User Interface)データを生成し、この生成されたGUIデータはバス12を介して重畳処理部6へ送信される。重畳処理部6に送付されたGUIデータは、例えば放送番組の映像データに重畳処理されたり、或いはGUI単独画面として処理され、映像処理部7へ伝送され画面9に表示される。
【0043】
利用者は番組を再生する際の再生速度を番組分類毎に変更するかしないかを設定することができる。実際には、初期設定において、再生速度を変更したい番組分類を選択し、キーワードによる設定、再生速度の大きさを設定する。
【0044】
再生速度設定手段27は、利用者の指示に従って、記録された放送番組を再生する際の再生速度を、番組情報に応じて利用者の指示した所定の再生速度に設定する。再生速度設定手段27は、初期設定において設定された再生に関する設定値をフラッシュメモリ17に記憶させる。
【0045】
初期設定とは、利用者が記録再生装置1を購入後に、設定値に何も変更を加えていない出荷されたままの状態(デフォルト設定値)から最初に行うデフォルト設定値を変更する設定のことである。あるいは、初期設定とは、記録再生装置1の電源を投入した度毎に、記録や再生の動作をさせる前に、記録や再生等の機能に関して最初に行う設定値を変更する設定のことである。
【0046】
再生速度のデフォルト設定値は、全ての番組分類において、1倍速である。1倍速とは、番組のオリジナルの再生速度である。再生速度を変更するとは、再生速度を例えば1.5倍や2倍に大きくするとか0.5倍に小さくするということである。再生速度が1倍を超えていれば、早見早聞き再生となる。再生速度が約3倍以内の場合には、音声が付随する。音声の声色は、再生速度に応じて音程を変化させる場合と、聞いていて違和感が生じないように音程の変化を小さくして再生速度に応じて早口になったりゆっくりとした口調の音声としたりする場合がある。
【0047】
再生速度制御手段28は、記録装置18、デコード処理部5、重畳処理部6、映像処理部7、表示装置8、音声処理部10、スピーカ11、制御部13等によって構成される再生手段が記録された番組を再生する際の再生速度を制御し、設定された再生速度で再生する。再生速度制御手段28は、再生速度設定手段27によって設定された再生速度で再生する。
【0048】
再生速度設定手段27によって設定された番組分類に属する番組が再生されたとき、再生の最初から指定された再生速度で再生が開始される。利用者は、再生が開始された後で再生速度を変更する必要がないので利用者にとって効率の良い再生を実現することができる。指定された再生速度で再生している途中で、例えば、リモコン40の再生ボタン53aを押下すれば、通常の再生速さ(1倍速)になる。
【0049】
キーワード取得手段29は、利用者が入力したキーワードと一致するキーワードを番組情報の中から検索し、そのキーワードを含む録画番組を抽出し取得する。記録管理手段25が管理する番組の番組情報の中から利用者が入力したキーワードと一致するキーワードを検索して取得する機能を有する。番組情報のデータには、放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細等の個々の番組に関する情報が含まれており、キーワード取得手段29は、番組情報のデータを分析してキーワードを検索する。
【0050】
キーワード取得手段29は、利用者が入力したキーワードと一致するキーワードを含む番組情報を取得した場合には、この番組情報を再生速度設定手段27へ伝達する。再生速度設定手段27は、この番組情報の録画番組が再生速度変更の対象番組であることをフラッシュメモリ17に記憶させる。
【0051】
例えば、利用者が、番組分類としてスポーツを設定し、再生速度として2倍と設定した場合には、番組分類がスポーツの番組は全て再生開始から再生速度が2倍で再生される。キーワードとして「プロ野球」と設定した場合には、スポーツの分類の内、番組情報の中に「プロ野球」というキーワードが含まれた番組のみ再生速度が2倍で再生される。従って少なくともプロ野球中継のような録画番組は再生開始から2倍で再生される。スポーツの分類であっても番組情報の中に「プロ野球」というキーワードが含まれていなければ、通常の1倍速で再生される。キーワードが入力されない場合には、キーワードによる制限は掛からない。番組分類を指定して再生速度を変更する際、指定した番組分類の番組の中で更にキーワードによって番組の選択範囲を絞り込むことができる。
【0052】
図3は、初期設定における初期設定ウィンドウ60が画面9に表示された状態を示した図である。記録再生装置1の表示装置8の画面9内に初期設定ウィンドウ50が表示される。利用者がリモコン40のメニューボタン48を押下した場合に初期設定ウィンドウ50が表示される。初期設定ウィンドウ50が表示された後で、利用者がリモコン40のカーソルボタン45a〜45dを操作して、初期設定ウィンドウ50内の左側部分に表示された複数の初期設定項目61(破線で囲んだ部分)の中の再生機能設定部62にカーソルを移動(ハイライト部を移動、図3においては斜線で表示している)させ、決定ボタン46を押下すると、再生機能設定を選択することができる。
【0053】
図3において、再生機能設定が選択されると初期設定ウィンドウ50内の右側部分に再生機能設定の階層下の複数の再生機能設定項目63(破線で囲んだ部分)が表示される。利用者は、リモコン40のカーソルボタン45a〜45dを操作して、自動再生速度変更設定部64にハイライト部を移動させ決定ボタン46を押下することにより、自動再生速度変更設定を選択することができる。画面9に自動再生速度変更設定ウィンドウ65が表示される。
【0054】
図4は、自動再生速度変更設定ウィンドウ65が画面9に表示された状態を示した図である。自動再生速度変更設定ウィンドウ65の内部には、番組ジャンル66、キーワード67、再生速さ68の各設定項目がある。これらの設定は複数設定することができ、例えば図4においては6個の入力欄が表示されている。カーソルボタン45c、45dの操作によって更に多くの設定入力欄を表示できるようにしてもよい。
【0055】
番組ジャンルとは番組分類のことである。番組ジャンル66の設定には利用者が自動再生速度変更を適用したい番組分類を設定する。設定したい番号の番組ジャンルの欄にカーソルまたはハイライト部を移動して決定ボタン46を押下すると番組ジャンル設定ウィンドウ69が表示される。
【0056】
図5は、番組ジャンル設定ウィンドウ69が画面9に表示された状態を示した図である。番組ジャンル設定ウィンドウ69の内部には、番組分類が表示されている。図5の例では、「全てのジャンル」、「ニュース/報道」、「スポーツ」、「情報/ワイドショー」、「ドラマ」、「音楽」、「バラエティ」、「映画」、「アニメ/特撮」、「ドキュメンタリ/教養」、「劇場/公演」、「趣味/教育」、「福祉」、「その他」の番組ジャンルが表示されている。この内「全てのジャンル」は、番組分類ではないが、全ての番組分類について自動再生速度変更を設定する場合に使用する設定項目である。
【0057】
利用者はこれらの中から1個を選択して登録する。実際には、リモコン40のカーソルボタン45a〜45dを操作して、目的のジャンルにカーソルまたはハイライト部を移動させ決定ボタンを押下することにより、番組ジャンルを選択することができる。例えば、「スポーツ」70を選択して決定ボタン46を押下すると画面9には、図6で示した自動再生速度変更設定ウィンドウ65が表示される。
【0058】
図6は、自動再生速度変更設定ウィンドウ65が画面9に表示された状態を示した図である。番組ジャンル66の1番目の項目が「スポーツ」の表示に変わり番組分類が「スポーツ」に設定された状態を示している。キーワード67の設定は、設定した番組分類に対して番組情報にキーワードを含む番組についてだけ自動再生速度変更を適用するもので、キーワード67の設定項目の欄にカーソルまたはハイライト部を移動して決定ボタン46を押下するとキーワード入力ウィンドウ71が表示される。
【0059】
図7は、キーワード入力ウィンドウ71が画面9に表示された状態を示した図である。利用者はリモコン40の選曲ボタン42を操作して文字入力欄72に文字を入力する。図7においては、文字入力欄72に例えば、「プロ野球」と入力された状態を示している。文字入力欄72にキーワードを入力し決定ボタン46を押下すると、画面9には図8で示した自動再生速度変更設定ウィンドウ65が表示される。
【0060】
図8は、自動再生速度変更設定ウィンドウ65が画面9に表示された状態を示した図である。キーワード67の1番目の項目に「プロ野球」のキーワードが設定された状態を示している。再生速さの設定は、再生速さ68の設定項目の欄にカーソルまたはハイライト部を移動させ決定ボタン46を押下して、画面9に再生速さ設定ウィンドウ73をさせて行う。
【0061】
図9は、再生速さ設定ウィンドウ73が画面9に表示された状態を示した図である。利用者は、リモコン40のカーソルボタン45c、45dを操作して再生速さを選択する。図9においては、再生速度として2倍が選択された状態を示している。利用者が決定ボタン46を押下すると再生速度が2倍に設定され、画面9には図10で示した自動再生速度変更設定ウィンドウ65が表示される。
【0062】
図10は、自動再生速度変更設定ウィンドウ65が画面9に表示された状態を示した図である。再生速さ68の1番目の項目に「2倍」が設定された状態を示している。図10において、自動再生速度変更設定の1番目の項目が、番組ジャンル66が[スポーツ]、キーワード67が「プロ野球」、再生速さ68が2倍に設定された状態を示す。
【0063】
図11は、自動再生速度変更設定ウィンドウ65が画面9に表示された状態を示した図である。図11において、2番目の項目が、番組ジャンル66が[スポーツ]、キーワード67が「ゴルフ」、再生速さ68が2.5倍に設定され、3番目の項目が、番組ジャンル66が[情報/ワイドショー]、キーワード67は設定無し、再生速さ68が1.5倍に設定され、4番目の項目が、番組ジャンル66が[バラエティ]、キーワード67は設定無し、再生速さ68が1.5倍に設定された状態を示す。キーワードが入力されていない場合には、キーワードによる制限は掛からない。自動再生速度変更設定が終了したならば終了ボタン50を押下する。
【0064】
図11に示された設定によって、再生された番組の番組分類が「スポーツ」で、番組情報に「プロ野球」というキーワードが含まれていれば、再生速さが2倍で再生される。番組分類が「スポーツ」で、番組情報に「ゴルフ」というキーワードが含まれていれば、再生速さが2.5倍で再生される。番組分類が「情報/ワイドショー」であれば、再生速さが1.5倍で再生される。番組分類が「バラエティ」であれば、再生速さが1.5倍で再生される。条件が重なった場合には、設定番号の小さい設定条件が優先される。
【0065】
図12は、初期設定における再生速度設定処理の動作手順を示したフローチャートである。S11において、制御部13は、初期設定メニューの表示指示があったかを判定する。利用者がリモコン40のメニューボタン48を押下したならば、操作受信部21がリモコン40から送信される操作信号を受信し、制御部13に転送する。制御部13は、初期設定メニューの表示指示があったと判定する。制御部13が、表示指示があったと判定したばあいには、S12へ移り、表示指示がない場合には、表示指示があるまで待機する。
【0066】
S12において、制御部13は、画面9に初期設定メニューウィンドウ60を表示する。S13において、制御部13は、再生機能設定部62が選択されたかを判定する。再生機能設定部62が選択されたならばS14へ移り、再生機能設定部62が選択されず、他の設定機能が選択されたならばS15へ移り、選択された機能の設定モードに移行する。
【0067】
S14において、制御部13は、自動再生速度変更設定部64が選択されたかを判定する。自動再生速度変更設定部64が選択されたならばS16へ移り、自動再生速度変更設定部64が選択されず、他の設定機能が選択されたならばS17へ移って選択された機能の設定モードに移行する。
【0068】
S16において、再生速度設定手段26は、画面9に自動再生速度変更設定ウィンドウを表示する。S18において再生速度設定手段26は、利用者の指示に応じて番組ジャンル、キーワード、再生速さの各設定ウィンドウを表示し、各設定項目を設定する。設定終了後、利用者の終了指示に応じて終了する。
【0069】
以上のように、初期設定における再生に関する自動再生速度変更設定において、番組分類66、キーワード67、再生速さ68の各項目を設定することにより、該当する番組が再生されるときに最初から設定された再生速さで再生される。録画した放送番組を再生する際、再生の都度早見早聞再生機能等の操作を行う必要がなく、利用者にとって効率の良い再生を実現することができる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 記録再生装置
2 アンテナ
3 チューナ
4 復調器
5 デコード処理部
6 重畳処理部
7 映像処理部
8 表示装置
9 画面
10 音声処理部
11 スピーカ
12 バス
13 制御部
14 MPU
15 RAM
16 ROM
17 フラッシュメモリ
18 記録装置
19 外部インターフェース
20 外部記憶装置
21 操作受信部
22 操作機器
23 送受信部
24 番組情報取得手段
25 記録管理手段
26 GUI制御手段
27 再生速度設定手段
28 再生速度制御手段
29 キーワード取得手段
30 放送局
31 ネットワーク
32 サーバ
40 リモコン
42 選局ボタン
45a、45b、45c、45d カーソルボタン
46 決定ボタン
48 メニューボタン
50 終了ボタン
60 初期設定ウィンドウ
61 初期設定項目
62 再生機能設定部
63 再生機能設定項目
64 自動再生速度変更設定部
65 自動再生速度変更設定ウィンドウ
66 番組ジャンル
67 キーワード
68 再生速さ
69 番組ジャンル設定ウィンドウ
71 キーワード入力ウィンドウ
72 文字入力欄
73 再生速さ設定ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組を記録する記録手段と、
記録された前記放送番組の番組情報を取得する番組情報取得手段と、
初期設定において記録された前記放送番組を再生する際の再生速度を、前記番組情報に応じて所定の再生速度に設定する再生速度設定手段と、
前記再生速度設定手段によって設定された前記所定の再生速度で再生する再生手段と
を有する記録再生装置。
【請求項2】
前記再生速度設定手段は、初期設定において記録された前記放送番組を再生する際の再生速度を、前記番組情報の番組分類に応じて所定の再生速度に設定する請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記再生速度設定手段は、初期設定において記録された前記放送番組を再生する際の再生速度を、前記番組情報に含まれるキーワードに応じて所定の再生速度に設定する請求項1記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記再生速度設定手段は、初期設定において記録された前記放送番組を再生する際の再生速度を、前記番組情報の番組分類と前記番組情報に含まれるキーワードに応じて所定の再生速度に設定する請求項1記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記再生速度設定手段は、初期設定において前記番組分類と前記キーワードと前記再生速度を一つの画面で表示する請求項4記載の記録再生装置。
【請求項6】
放送番組を記録し、
記録された前記放送番組の番組情報を取得し、
初期設定において記録された前記放送番組を再生する際の再生速度を、前記番組情報に応じて所定の再生速度に設定し、
設定された前記所定の再生速度で再生する記録再生方法。
【請求項7】
前記初期設定において記録された前記放送番組を再生する際の再生速度を、前記番組情報の番組分類と前記番組情報に含まれるキーワードに応じて所定の再生速度に設定する請求項6記載の記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−105218(P2012−105218A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254211(P2010−254211)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】