説明

記録再生装置

【課題】従来の記録再生装置は、既存のデータのうちの再生対象の区間が指示されるとその区間のデータを再生するが、その再生後に新規のデータを続けて記録するには、ユーザに複雑な操作を要求する。
【解決手段】記録再生装置100は、音又は画像に関する既存のデータを取得する第1データ取得部2と、既存のデータのうちの再生対象の区間の指定を受け付ける区間受付部1bと、その区間のデータを再生する再生部3と、区間受付部1bが区間の指定を受け付けた場合、その区間のデータの再生が終了した後に、音又は画像に関する新規のデータを取得する第2データ取得部6と、第2データ取得部6が取得した新規のデータを記録媒体Aに記録する記録部7とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音又は画像のデータの記録及び再生を行う記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、楽器や語学の練習のためにテープレコーダやボイスレコーダ等の記録再生装置が利用されている。例えば、楽器や語学のレッスンを受けている者(以下、「生徒」という。)は、先生が演奏する音や発する音を模範音として記録再生装置により記録し、後にそれを再生して模範音を参考に練習する。その後、生徒は自らが演奏する音や発する音を記録再生装置により記録し、先生の模範音と自らの音とを再生して聞き比べ、更なる練習を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−28384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生徒は、レッスンの対象となっている楽曲や会話の全体ではなく、特定の区間を重点的に練習することも多く、全体のデータのうちの特定の区間の模範音を繰り返し聞くこともある。そして、生徒は、特定の区間が再生された後にそれをまねて自らの音を記録し、それらを再生して聞き比べ、練習を行う。
【0005】
しかしながら、従来の記録再生装置は、模範音の全体のデータのうちの特定の区間のデータを再生した後に生徒の音を記録する場合、ユーザに複雑な操作を要求する。
【0006】
すなわち、従来の記録再生装置は、既存のデータのうちの再生対象の区間が指示されるとその区間のデータを再生するが、その再生後に新規のデータを続けて記録するには、ユーザに複雑な操作を要求する。
【0007】
本発明は、簡単な操作により、既存のデータのうちの再生対象の区間のデータを再生した後に新規のデータを続けて記録する記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明の記録再生装置は、音又は画像に関する既存のデータを取得する第1データ取得部と、前記既存のデータのうちの再生対象の区間の指定を受け付ける区間受付部と、前記区間受付部が受け付けた指定の区間のデータを再生する再生部と、前記区間受付部が前記指定を受け付けた場合、前記区間のデータの再生が終了した後に、音又は画像に関する新規のデータを取得する第2データ取得部と、前記第2データ取得部が取得した前記新規のデータを記録媒体に記録する記録部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、簡単な操作により、既存のデータのうちの再生対象の区間のデータを再生した後に新規のデータを続けて記録する記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1の記録再生装置の構成図である。
【図2】実施の形態1の記録再生装置の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図3】既存のデータと、リピート区間と、新規のデータと、リピート区間及び新規のデータの再生とを説明するための図である。
【図4】リピート区間の終点が再生され、新規のデータが記録媒体へ記録されていることを示す図である。
【図5】リピート区間と新規のデータとのいずれが再生されているのかを示す図である。
【図6】記録媒体に複数の新規のデータが存在している状況を示す図である。
【図7】実施の形態1の第2の記録再生装置の構成図である。
【図8】実施の形態2の記録再生装置の構成図である。
【図9】実施の形態2の記録再生装置の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図10】リピート区間と新規のデータとが繰り返して再生される際の動作の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
先ず、実施の形態1の記録再生装置100の構成を図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1の記録再生装置100の構成図である。
【0013】
実施の形態1の記録再生装置100は、音のデータの記録及び再生を行う装置であって、図1に示すように、受付部1と、第1データ取得部2と、再生部3と、音出力部4と、音取得部5と、第2データ取得部6と、記録部7と、制御部8と、表示部9と、発光部10とを有する。なお、図1には、音のデータが予め記録されている記録媒体Aも表示されている。以下の説明では、記録媒体Aに予め記録されている音のデータを「既存のデータ」と表記する。
【0014】
受付部1は、実施の形態1の記録再生装置100のユーザの指示を受け付ける構成部であって、再生受付部1aと、区間受付部1bと、記録受付部1cとを有する。再生受付部1aは、記録媒体Aに記録されている既存のデータの再生の指示を受け付け、区間受付部1bは、既存のデータのうちの繰り返して再生する区間を受け付け、記録受付部1cは、新たな音のデータの記録の指示を受け付ける。受付部1は、例えば、ユーザが図示しない操作部に入力した操作に対応する指示を操作部から受け付ける部分である。操作部は記録再生装置に設けられており、例えば再生ボタン、区間ボタン、記録ボタンなどを有している。また、受付部1は、図示しないリモコン送信機からのリモコン信号を受信する受信部であってもよい。
【0015】
第1データ取得部2は、記録媒体Aから音のデータを取得する。再生部3は、第1データ取得部2によって取得される音のデータを再生する。音出力部4は、再生部3によって再生されるデータの音を実施の形態1の記録再生装置100の外部に出力する。音取得部5は、実施の形態1の記録再生装置100の外部から音を取得し、その音のデータを生成する。以下の説明では、音取得部5が生成する音のデータを「新規のデータ」と表記する。
【0016】
第2データ取得部6は、音取得部5から新規のデータを取得する。記録部7は、第2データ取得部6によって取得される新規のデータを記録媒体Aに記録する。制御部8は、再生部3及び記録部7等の動作を制御する。表示部9は、例えば液晶表示装置であって情報を表示する。発光部10は、例えば発光ダイオードであって光を発する。
【0017】
次に、実施の形態1の記録再生装置100の動作を図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1の記録再生装置100の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【0018】
ユーザが、実施の形態1の記録再生装置100の筐体に設けられている再生ボタンを押下し、記録媒体Aに記録されている既存のデータの再生を指示すると、再生受付部1aはその指示を受け付け、第1データ取得部2は、記録媒体Aから既存のデータを取得する。再生部3は、第1データ取得部2によって取得された既存のデータを再生し(S1)、音出力部4は、再生部3によって再生された既存のデータの音を実施の形態1の記録再生装置100の外部に出力する。
【0019】
既存のデータが再生されているとき、ユーザは、既存のデータのうちの特定の区間を繰り返して再生させたいと考えることがある。例えば、ユーザが楽器のレッスンを受けている者であり、既存のデータがそのレッスンの先生が演奏した音のデータであって、そのうちの特定の区間のみを繰り返し聞いて練習しようと考え、その区間を繰り返して再生させたいと考えることがある。
【0020】
その場合、既存のデータのうちの繰り返して再生させたいと考える区間(以下、「リピート区間」という。)の始点が再生されたとき、ユーザは、実施の形態1の記録再生装置100の筐体に設けられている区間ボタンを押下する。それにより、区間受付部1bは、リピート区間の始点を受け付け、再生部3はその位置を保持する(S2)。ユーザが区間ボタンを押下しても既存のデータの再生は続行しており、リピート区間の終点が再生されたとき、ユーザは区間ボタンを再び押下する。それにより、区間受付部1bは、リピート区間の終点を受け付け、再生部3はその位置を保持する(S2)。
【0021】
このようにして、区間受付部1bは、図3(B)に示す既存のデータのうちの符号“a”と符号“b”とで挟まれるリピート区間Xを受け付ける(S2)。図3は、既存のデータ及びリピート区間等を説明するための図であって、図3(A)は、既存のデータを説明するための図であり、図3(B)は、リピート区間Xを説明するための図である。図3(A)及び図3(B)において、符号“S”は既存のデータの始点を示し、符号“E”は既存のデータの終点を示している。図3(B)において、符号“a”はリピート区間Xの始点を示し、符号“b”はリピート区間Xの終点を示している。図3(C)及び図3(D)については後述する。
【0022】
区間受付部1bがリピート区間を受け付けると、再生部3はリピート区間を再生し(S3)、音出力部4は、再生部3によって再生されるリピート区間の音を実施の形態1の記録再生装置100の外部に出力する。
【0023】
リピート区間が再生されているとき、ユーザは、音のデータを記録媒体Aに記録したいと考えることがある。例えば、ユーザが楽器のレッスンを受けている者であり、既存のデータがそのレッスンの先生が演奏した音のデータであって、既存のデータの一部であるリピート区間の音を聞いた後に先生が演奏した音と自らが演奏する音とを聞き比べるために、ユーザは、自らが演奏する音のデータを記録媒体Aに記録したいと考えることがある。
【0024】
その場合、リピート区間が再生されているとき、ユーザは、実施の形態1の記録再生装置100の筐体に設けられている記録ボタンを押下し、新規のデータの記録媒体Aへの記録を指示し、記録受付部1cはその指示を受け付ける(S4)。
【0025】
制御部8は、リピート区間の終点が再生された後に新規のデータの記録媒体Aへの記録が行われることを表示部9により表示させる。また、制御部8は、発光部10を点滅させ、リピート区間の終点が再生された後に新規のデータの記録媒体Aへの記録が行われることを実施の形態1の記録再生装置100の外部に報知させる。
【0026】
そして、制御部8は、リピート区間の終点が再生されたか否かを判断する(S5)。リピート区間の終点が再生されていなければ(S5でNo)、リピート区間の再生が続行する。リピート区間の終点が再生されたと判断すると(S5でYes)、制御部8は、新規のデータの記録媒体Aへの記録が開始されることを示す音を音出力部4により出力させ、新規のデータの記録媒体Aへの記録の開始を実施の形態1の記録再生装置100の外部に報知させる。
【0027】
例えば、制御部8は、「ピッ」という音を音出力部4により出力させ、新規のデータの記録媒体Aへの記録の開始を実施の形態1の記録再生装置100の外部に報知させる。これにより、ユーザは、記録対象の音のデータである新規のデータの記録媒体Aへの記録が開始されたことを知ることができる。例えば、ユーザが楽器のレッスンを受けている者であれば、後に先生が演奏した音と自らが演奏する音とを聞き比べるために、ユーザは、楽器の演奏を開始することができる。
【0028】
音取得部5は、実施の形態1の記録再生装置100の外部から音を取得し、その音についてのデータである新規のデータを生成し、第2データ取得部6は、音取得部5から新規のデータを取得し、記録部7は、第2データ取得部6によって取得された新規のデータの記録媒体Aへの記録を開始する(S6)。
【0029】
その際、制御部8は、図4に示すように、リピート区間の終点が再生され、新規のデータが記録媒体Aへ記録されていることを示す情報を表示部9により表示させる。また、制御部8は、発光部10を連続的に発光させ、新規のデータが記録媒体Aへ記録されていることを実施の形態1の記録再生装置100の外部に報知させる。なお、図4は、リピート区間の終点が再生され、新規のデータが記録媒体Aへ記録されていることを示す図であって、図4において、水平方向のバーの斜線が施されている部分は、リピート区間の再生が終了していることを、又は新規データのうちの記録が終了している部分を示している。実施の形態1では、このようにリピート区間の再生状態と新規のデータの記録状態とを同時に表示するようにしている。
【0030】
制御部8は、新規のデータの記録媒体Aへの記録が開始した時を基準として、リピート区間の再生期間に所定の期間を加えた期間(以下、「規定期間」という。)が到来したか否かを判断する(S7)。規定期間が到来していなければ(S7でNo)、新規のデータの記録媒体Aへの記録は続行し、規定期間が到来したら(S7でYes)、記録部7は、新規のデータの記録媒体Aへの記録を終了する(S8)。すなわち、図3(C)に示すように、符号“a’”を始点とし、符号“b’”を終点とする新規のデータYが、記録媒体Aに記録される。図3(C)は、新規のデータYを説明するための図である。
【0031】
制御部8は、新規のデータの記録媒体Aへの記録が終了し、リピート区間と新規のデータとが連続して再生されることを示す音を音出力部4により出力させる。例えば、制御部8は、「ピッピッ」という音を音出力部4により出力させ、リピート区間と新規のデータとが連続して再生されることを実施の形態1の記録再生装置100の外部に報知させる。
【0032】
新規のデータの記録媒体Aへの記録が終了すると、第1データ取得部2は、記録媒体Aからリピート区間と新規のデータとを取得し、再生部3は、第1データ取得部2によって取得されたリピート区間と新規のデータとを連続して再生する(S9)。すなわち、図3(D)に示すように、再生部3は、リピート区間Xと新規のデータYとを連続して再生する(S8)。図3(D)は、リピート区間Xと新規のデータYとが連続して再生される様子を示す図である。そして、音出力部4は、再生部3によって再生されたリピート区間の音と新規のデータの音とを実施の形態1の記録再生装置100の外部に連続して出力する。これにより、ユーザは、リピート区間の音と新規のデータの音とを聞き比べることができる。
【0033】
なお、制御部8は、リピート区間と新規のデータとが連続して再生されているとき、図5に示すように、リピート区間と新規のデータとのいずれが再生されているのかを示す情報を表示部9により表示させる。図5(A)は、リピート区間が再生されていることを示す図であり、図5(B)は、新規のデータが再生されていることを示す図である。図5(A)及び図5(B)において、水平方向のバーの斜線が施されている部分は、リピート区間又は新規データのうちの再生が終了している部分を示している。このように、表示部9は、リピート区間が再生されているとき、図5(A)に示す情報を表示し、新規のデータが再生されているとき、図5(B)に示す情報を表示する。実施の形態1では、このようにリピート区間の再生状態と新規のデータの再生状態とを同時に表示するようにしている。
【0034】
制御部8は、リピート区間及び新規のデータの再生が終了すると、新規のデータを消去させるための指示をユーザに行わせる手間を省略して、記録媒体Aから新規のデータを消去し(S10)、実施の形態1の記録再生装置100の動作は終了する。
【0035】
上述したように、実施の形態1の記録再生装置100は、リピート区間が再生されているときに新規のデータの記録が指示されると、リピート区間の終点が再生された後に、新規のデータを記録媒体Aに記録し、その後、リピート区間と新規のデータとを連続して再生する。実施の形態1の記録再生装置100のユーザが楽器のレッスンを受けている者であり、既存のデータがそのレッスンの先生が演奏した音のデータであって、ユーザが自らが演奏した音のデータを新規のデータとして実施の形態1の記録再生装置100により記録媒体Aに記録させれば、ユーザは、データの再生の指示を行わなくてもリピート区間と新規のデータとを聞き比べることができる。
【0036】
なお、リピート区間と新規のデータとが連続して再生されるとき、リピート区間と新規のデータとのいずれが先に再生されてもよい。
【0037】
また、実施の形態1の記録再生装置100は、リピート区間が指示されると、リピート区間が再生されているときに新規のデータの記録が指示されなくても、リピート区間の終点が再生された後に、新規のデータを記録媒体Aに記録し、その後、リピート区間と新規のデータとを連続して再生してもよい。これにより、実施の形態1の記録再生装置100は、既存のデータのうちの再生対象の区間が指示されると、その区間のデータを再生するとともに、その指示とは別の記録の指示がなくても新規のデータを記録媒体に記録するという効果が発揮される。
【0038】
また、リピート区間は、既存のデータの一部ではなくて既存のデータの全部であってもよい。
【0039】
また、新規のデータの期間は、リピート区間の再生期間に所定の期間を加えた期間であると限定されない。新規のデータの期間は、リピート区間の再生期間に1以上の所定の係数を乗じることによって得られる期間であってもよい。リピート区間と新規のデータとを比較するためには、新規のデータの期間は、リピート区間の再生期間以上の期間であることが望ましいが、リピート区間の再生期間より短い期間であってもよい。なお、リピート区間の再生期間は、リピート区間に対応する期間と同義である。
【0040】
また、リピート区間と新規のデータとが連続して再生されるとき、制御部8は、リピート区間の再生の直前に音出力部4により所定の音を出力させ、リピート区間の再生が開始することを実施の形態1の記録再生装置100の外部に報知してもよい。同様に、制御部8は、新規のデータの再生の直前に音出力部4により所定の音を出力させ、新規のデータの再生が開始することを実施の形態1の記録再生装置100の外部に報知してもよい。その際、リピート区間の再生の直前に出力される音と、新規のデータの再生の直前に出力される音とは、両者を区別するために異なることが好ましい。
【0041】
また、上述した実施の形態1では、制御部8は、ステップS6において、新規のデータの記録媒体Aへの記録が開始した時を基準として規定期間が到来したかどうかを判断するが、制御部8は、新規のデータの記録媒体Aへの記録の終了が指示されたか否かを判断してもよい。その場合、記録の終了が指示されなければ、新規のデータの記録媒体Aへの記録は続行し、記録の終了が指示されれば、記録部7は、新規のデータの記録媒体Aへの記録を終了する。
【0042】
また、記録部7は、所定の期間の無音の新規のデータを記録媒体Aに記録した場合、又は、第2データ取得部6が所定の期間の無音を検出した場合、新規のデータの記録媒体Aへの記録を終了してもよい。いずれにしても、新規のデータの記録媒体Aへの記録が終了すると、再生部3は、リピート区間と新規のデータとを連続して再生する。なお、第2データ取得部6は、所定の期間、無音が続いたことを検出すると、新規のデータの取得を終了してもよい。
【0043】
また、第2データ取得部6が新規のデータを取得して記録部7が新規のデータを記録媒体Aに記録しているときに、再生部3は、リピート区間を再生してもよい。その際、ユーザは、自らの音を記録させるために、再生部3によって再生される音をヘッドホンを介して聞いてもよい。
【0044】
更に、上述した実施の形態1では、制御部8は、リピート区間と新規のデータとの連続再生が終了すると、記録媒体Aから新規のデータを消去するが、制御部8は、リピート区間及び新規のデータの再生が終了しても、新規のデータを消去しなくてもよい。その場合、リピート区間に対応する複数の新規のデータが記録媒体Aに存在する事態も起こりうるが、その際、実施の形態1の記録再生装置100は、複数の新規のデータのうちのユーザによって選択されたデータと、複数の新規のデータのうちの最後に記録媒体Aに記録されたデータと、リピート区間とを連続して再生してもよい。
【0045】
例えば、図6に示すように、No.1からNo.7までの7個の新規のデータが記録媒体Aに存在していてもよい。図6では、No.1のデータが最後に記録されたデータであり、No.7のデータが最先に記録されたデータであって、数が大きいほどデータは古いという状況を想定している。実施の形態1の記録再生装置100は、図7に示すように、記録媒体Aに存在する複数の新規のデータのうちの何れかの選択をユーザから受け付ける選択受付部1dを更に有する。ここで、ユーザが記録媒体Aに存在している7個の新規のデータのうちのNo.1のデータを選択し、選択受付部1dがその選択を受け付けた場合、再生部3は、ユーザによって選択されたNo.1のデータと、最後に記録されたNo.7のデータと、リピート区間とを連続して再生する。また、この時、再生部3は、複数の新規のデータのうちのユーザによって選択されたNo.1のデータと、最後に記録されたNo.7のデータと、リピート区間の内、いずれか2つを連続再生するようにしてもよい。
【0046】
No.1のデータが最初の練習のときに記録された音のデータであり、No.7のデータが最後の練習のときに記録された音のデータであり、リピート区間が先生の演奏した音の特定の区間の音のデータであれば、ユーザは、自らの音と先生の音とを聞き比べることができるとともに、上達の程度を知ることができる。すなわち、ユーザは、複数の新規のデータを比較することができる。
【0047】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2の記録再生装置200を図8及び図9を用いて説明する。
【0048】
図8は、実施の形態2の記録再生装置200の構成図であり、図9は、実施の形態2の記録再生装置200の動作の各ステップを示すフローチャートである。実施の形態2の記録再生装置200は、図1に示す実施の形態1の記録再生装置100の各構成部に加えて停止受付部1eを有する。実施の形態2の記録再生装置200と図1に示す実施の形態1の記録再生装置100とは多くの点で共通しているので、以下では、実施の形態2の記録再生装置200の構成をその動作とともに説明する。
【0049】
ユーザが、実施の形態2の記録再生装置200の筐体に設けられている再生ボタンを押下し、記録媒体Aに記録されている既存のデータの再生を指示すると、再生受付部1aはその指示を受け付け、第1データ取得部2は、記録媒体Aから既存のデータを取得する。再生部3は、第1データ取得部2によって取得された既存のデータを再生し(S21)、音出力部4は、再生部3によって再生された既存のデータの音を実施の形態2の記録再生装置200の外部に出力する。
【0050】
既存のデータが再生されているとき、ユーザは、既存のデータのうちの特定の区間を繰り返して再生させたいと考えることがある。その場合、既存のデータのうちの繰り返して再生させたいと考える区間(リピート区間)の始点が再生されたとき、ユーザは、実施の形態2の記録再生装置200の筐体に設けられている区間ボタンを押下する。それにより、区間受付部1bは、リピート区間の始点を受け付け(S22でYes)、再生部3はその位置を保持する(S23)。
【0051】
ユーザが区間ボタンを押下しても既存のデータの再生は続行しており、リピート区間の終点が再生されたとき、ユーザは区間ボタンを再び押下する。それにより、区間受付部1bは、リピート区間の終点を受け付け(S24でYes)、再生部3はその位置を保持する(S25)。このようにして、リピート区間が指定される。
【0052】
そして、再生部3は、リピート区間の繰り返し再生を開始する(S26)。音出力部4は、再生部3によって繰り返して再生されるリピート区間の音を実施の形態2の記録再生装置200の外部に出力する。
【0053】
リピート区間が繰り返して再生されているとき、ユーザは、リピート区間を変更したいと考える場合がある。その場合、ユーザは区間ボタンを再び押下し、リピート区間の変更を指示し、区間受付部1bは、リピート区間の変更の指示を受け付け(S27でChg)、実施の形態2の記録再生装置200の動作はステップS22に移行する。
【0054】
また、リピート区間が繰り返して再生されているとき、ユーザは、音のデータを記録媒体Aに記録したいと考える場合がある。その場合、ユーザは、実施の形態2の記録再生装置200の筐体に設けられている記録ボタンを押下し、新規のデータの記録媒体Aへの記録を指示し、記録受付部1cはその指示を受け付ける(S27でRec)。
【0055】
制御部8は、リピート区間の終点が再生された後に新規のデータの記録媒体Aへの記録が行われることを表示部9により表示させる(S28)。また、制御部8は、発光部10を点滅させ、リピート区間の終点が再生された後に新規のデータの記録媒体Aへの記録が行われることを実施の形態2の記録再生装置200の外部に予告する(S28)。
【0056】
そして、制御部8は、リピート区間の終点が再生されたか否かを判断する(S29)。リピート区間の終点が再生されていなければ(S29でNo)、リピート区間の再生が続行する。リピート区間の終点が再生されたと判断すると(S29でYes)、制御部8は、新規のデータの記録媒体Aへの記録が開始されることを示す音を音出力部4により出力させ、新規のデータの記録媒体Aへの記録の開始を実施の形態2の記録再生装置200の外部に報知させる(S30)。例えば、制御部8は、「ピッ」という音を音出力部4により出力させ、新規のデータの記録媒体Aへの記録の開始を実施の形態2の記録再生装置200の外部に報知させる(S30)。これにより、ユーザは、記録対象の音のデータである新規のデータの記録媒体Aへの記録が開始されたことを知ることができる。
【0057】
音取得部5は、実施の形態2の記録再生装置200の外部から音を取得し、その音についてのデータである新規のデータを生成し、第2データ取得部6は、音取得部5から新規のデータを取得し、記録部7は、第2データ取得部6によって取得される新規のデータの記録媒体Aへの記録を開始する(S31)。その際、制御部8は、発光部10を連続的に発光させ、新規のデータが記録媒体Aに記録されていることを実施の形態2の記録再生装置200の外部に報知させる。また、制御部8は、図4に示すように、リピート区間の終点が再生され、新規のデータが記録媒体Aへ記録されていることを示す情報を表示部9により表示させる。
【0058】
制御部8は、新規のデータの記録媒体Aへの記録が開始した時を基準として、リピート区間の再生期間に所定の期間を加えた規定期間が到来したか否かを判断する(S32)。また、制御部8は、停止受付部1eが新規のデータの記録媒体Aへの記録の停止を受け付けたか否かを判断する(S32)。規定期間が到来しておらず、停止受付部1eが記録の停止を受け付けていなければ(S32でNo)、新規のデータの記録媒体Aへの記録は続行する。それに対して、規定期間が到来した場合、又は、停止受付部1eが記録の停止を受け付けた場合(S32でYes)、記録部7は、新規のデータの記録媒体Aへの記録を終了する(S33)。
【0059】
新規のデータの記録が終了すると、制御部8は、新規のデータの記録媒体Aへの記録が終了し、リピート区間と新規のデータとが連続して再生されることを示す音を音出力部4により出力させる(S34)。例えば、制御部8は、「ピッピッ」という音を音出力部4により出力させ、リピート区間と新規のデータとが連続して再生されることを実施の形態2の記録再生装置200の外部に予告する(S34)。
【0060】
そうすると、第1データ取得部2は、記録媒体Aからリピート区間と新規のデータとを取得し、再生部3は、第1データ取得部2によって取得されたリピート区間と新規のデータとの繰り返し再生を開始する(S35)。そして、音出力部4は、再生部3によって再生されたリピート区間の音と新規のデータの音とを実施の形態2の記録再生装置200の外部に連続して出力する。これにより、ユーザは、リピート区間の音と新規のデータの音とを聞き比べることができる。
【0061】
なお、再生部3がリピート区間と新規のデータとの繰り返し再生を行う際の具体的な手順は図10に示す通りである。図10は、リピート区間と新規のデータとが繰り返して再生される際の動作の手順を示すフローチャートである。すなわち、再生部3はリピート区間を再生し(S41)、リピート区間の再生が終了すると、制御部8は、リピート区間の再生が終了したことを示すリピート区間再生終了音を音出力部4により出力させる(S42)。そして、再生部3は新規のデータを再生し(S43)、新規のデータの再生が終了すると、制御部8は、新規のデータの再生が終了したことを示す新規のデータ再生終了音を音出力部4により出力させる(S44)。そして、実施の形態2の記録再生装置200の動作はステップS41に移行する。
【0062】
また、制御部8は、リピート区間と新規のデータとが連続して再生されているとき、図5に示すように、リピート区間と新規のデータとのいずれが再生されているのかを示す情報を表示部9により表示させる。具体的には、表示部9は、リピート区間が再生されているとき、図5(A)に示す情報を表示し、新規のデータが再生されているとき、図5(B)に示す情報を表示する。このように、表示部9は、リピート区間の再生状態と新規のデータの再生状態とを同時に表示する。
【0063】
図9に戻り、リピート区間と新規のデータとが繰り返して再生されているとき(S35)、記録受付部1cが記録の指示を受け付けた場合(S36でRec)、制御部8は、記録媒体Aに記録されている新規のデータを消去する(S37)。そして、実施の形態2の記録再生装置200の動作はステップS28に移行する。
【0064】
他方、リピート区間と新規のデータとが繰り返して再生されているとき(S35)、区間受付部1bがリピート区間の変更の指示を受け付けた場合(S36でRep)、制御部8は、記録媒体Aに記録されている新規のデータを消去する(S38)。そして、実施の形態2の記録再生装置200の動作は終了する。
【0065】
なお、ステップS35においてリピート区間と新規のデータとが連続して再生されるとき、リピート区間と新規のデータとのいずれが先に再生されてもよい。
【0066】
また、実施の形態2の記録再生装置200は、リピート区間が指示されると、リピート区間が再生されているときに新規のデータの記録が指示されなくても、リピート区間の終点が再生された後に、新規のデータを記録媒体Aに記録し、その後、リピート区間と新規のデータとを連続して再生してもよい。これにより、実施の形態2の記録再生装置200は、既存のデータのうちの再生対象の区間が指示されると、その区間のデータを再生するとともに、その指示とは別の記録の指示がなくても新規のデータを記録媒体に記録するという効果が発揮される。
【0067】
また、リピート区間は、既存のデータの一部ではなくて既存のデータの全部であってもよい。
【0068】
また、新規のデータの期間は、リピート区間の再生期間に所定の期間を加えた期間であると限定されない。新規のデータの期間は、リピート区間の再生期間に1以上の所定の係数を乗じることによって得られる期間であってもよい。リピート区間と新規のデータとを比較するためには、新規のデータの期間は、リピート区間の再生期間以上の期間であることが望ましいが、リピート区間の再生期間より短い期間であってもよい。
【0069】
また、上述した実施の形態2では、新規のデータの記録媒体Aへの記録が開始した時を基準として規定期間が到来した場合(S32でyes)と、停止受付部1eが新規のデータの記録媒体Aへの記録の停止を受け付けた場合(S32でyes)、記録部7は、新規のデータの記録媒体Aへの記録を終了する(S33)。しかしながら、記録部7は、所定の期間の無音の新規のデータを記録媒体Aに記録した場合、又は、第2データ取得部6が所定の期間の無音を検出した場合、新規のデータの記録媒体Aへの記録を終了してもよい。いずれにしても、新規のデータの記録媒体Aへの記録が終了すると、再生部3は、リピート区間と新規のデータとを連続して再生する。なお、第2データ取得部6は、所定の期間、無音が続いたことを検出すると、新規のデータの取得を終了してもよい。
【0070】
また、第2データ取得部6が新規のデータを取得して記録部7が新規のデータを記録媒体Aに記録しているときに、再生部3は、リピート区間を再生してもよい。その際、ユーザは、自らの音を記録させるために、再生部3によって再生される音をヘッドホンを介して聞いてもよい。
【0071】
更に、上述した実施の形態2では、制御部8は、リピート区間と新規のデータとが繰り返して再生されているとき、記録受付部1cが記録の指示を受け付けた場合、記録媒体Aに記録されている新規のデータを消去する。また、制御部8は、リピート区間と新規のデータとが繰り返して再生されているとき、区間受付部1bがリピート区間の変更の指示を受け付けた場合、記録媒体Aに記録されている新規のデータを消去する。
【0072】
しかしながら、制御部8は、リピート区間と新規のデータとが繰り返して再生されているとき、記録受付部1cが記録の指示を受け付けても、区間受付部1bがリピート区間の変更の指示を受け付けても、新規のデータを消去しなくてもよい。その場合、リピート区間に対応する複数の新規のデータが記録媒体Aに存在する事態も起こりうるが、その際、実施の形態2の記録再生装置200は、複数の新規のデータのうちのユーザによって選択されるデータと、複数の新規のデータのうちの最後に記録媒体Aに記録されたデータと、リピート区間とを連続して再生してもよい。
【0073】
つまり、実施の形態2の記録再生装置200の受付部1は、記録媒体Aに存在する複数の新規のデータのうちの何れかの選択をユーザから受け付け、再生部3は、複数の新規のデータのうちのユーザによって選択されたデータと、複数の新規のデータのうちの最後に記録媒体Aに記録されたデータと、リピート区間とを連続して再生してもよい。また、この時、再生部3は、複数の新規のデータのうちのユーザによって選択されるデータと、複数の新規のデータのうちの最後に記録媒体Aに記録されたデータと、リピート区間の内、いずれか2つを連続再生するようにしてもよい。
【0074】
なお、上述した各実施の形態では、再生及び記録の対象のデータが音のデータである場合を想定して説明したが、再生及び記録の対象のデータは、画像のデータであってもよい。画像には、動画及び静止画が含まれる。
【符号の説明】
【0075】
100 実施の形態1の記録再生装置、 1 受付部、 2 第1データ取得部、 3 再生部、 4 音出力部、 5 音取得部、 6 第2データ取得部、 7 記録部、 8 制御部、 9 表示部、 10 発光部、 A 記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音又は画像に関する既存のデータを取得する第1データ取得部と、
前記既存のデータのうちの再生対象の区間の指定を受け付ける区間受付部と、
前記区間受付部が受け付けた指定の区間のデータを再生する再生部と、
前記区間受付部が前記指定を受け付けた場合、前記区間のデータの再生が終了した後に、音又は画像に関する新規のデータを取得する第2データ取得部と、
前記第2データ取得部が取得した前記新規のデータを記録媒体に記録する記録部と
を備える記録再生装置。
【請求項2】
前記再生部は、前記区間受付部が前記指定を受け付けた場合、前記新規のデータが前記記録媒体に記録された後に、前記区間のデータと前記新規のデータとを連続して再生する
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
更に、
前記再生部が前記新規のデータを再生した後に、前記新規のデータを前記記録媒体から消去する制御部を備える
請求項2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
更に、
表示部と、
前記区間のデータの再生状態と、前記新規のデータの記録状態又は再生状態とを同時に前記表示部に表示させる制御部と
を備える請求項2に記載の記録再生装置。
【請求項5】
更に、前記区間のデータが再生されているときに、前記新規のデータの記録の指示を受け付ける記録受付部を備え、
前記第2データ取得部は、前記区間受付部が前記指定を受け付けるとともに、前記記録受付部が前記記録の指示を受け付けた場合、前記新規のデータを取得する
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記第2データ取得部は、前記区間のデータに対応する期間以上の期間の前記新規のデータを取得する
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項7】
更に、再生されるデータに関する情報を報知する報知部を備え、
前記再生部は、前記新規のデータが前記記録媒体に記録された後に、前記区間のデータと前記新規のデータとを連続して再生し、
前記報知部は、前記再生部が前記区間のデータと前記新規のデータとを連続して再生する場合、前記再生部が前記区間のデータを再生するのか前記新規のデータを再生するのかを区別して報知する
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項8】
更に、複数の前記新規のデータが前記記録媒体に記録された場合、複数の前記新規のデータのうちの何れかを再生対象のデータとして受け付ける選択受付部を備え、
前記再生部は、前記区間のデータと、前記記録部が前記記録媒体に最後に記録した前記新規のデータと、前記選択受付部が受け付けた前記新規のデータとを連続して再生する
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項9】
前記再生部は、前記第2データ取得部が前記新規のデータを取得しているときに前記区間のデータを再生する
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項10】
前記第2データ取得部は、所定の期間、無音が続いたことを検出すると、前記新規のデータの取得を終了する
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項11】
更に、前記新規のデータの記録の指示を受け付ける記録受付部を備え、
前記記録部は、前記再生部が前記区間のデータを繰り返して再生しているときに前記記録受付部が前記記録の指示を受け付けた場合、前記区間のデータの再生が終了した後に、前記新規のデータの前記記録媒体への記録を開始する
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項12】
前記再生部は、前記新規のデータが前記記録媒体に記録された後に、前記区間のデータと前記新規のデータとを繰り返して再生する
請求項11に記載の記録再生装置。
【請求項13】
更に、前記再生部が前記区間のデータと前記新規のデータとを繰り返して再生しているときに前記記録受付部が新たな記録の指示を受け付けた場合、前記新規のデータを前記記録媒体から消去する制御部を備える
請求項12に記載の記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−257558(P2010−257558A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110066(P2009−110066)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】