説明

記録及び/又は再生装置

【課題】 ディスクトレイに取り付けられる蓋体とフロントパネルの挿脱口との隙間を小さくし、見栄えを良くすると共に、装置本体内への塵埃等の浸入を防止する。
【解決手段】 内部に光ディスク2の記録再生部が設けられた装置本体3と、光ディスク2を保持して装置本体3の内外に移動するディスクトレイ5と、ディスクトレイ5の前面部には、ベース部材12が固定されるベース部材12と、ディスクトレイ5の挿脱口6が設けられ、装置本体3の一側面に配設されるフロントパネル4と、挿脱口6に略嵌合して挿脱口6を閉塞する蓋体11と、ベース部材12と蓋体11とを、蓋体11がベース部材12に対して移動可能に連結する弾性体13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を保持する記録媒体トレイが装置本体に対して挿脱口から出し入れされ、記録媒体トレイに挿脱口を閉塞する蓋体が設けられた記録及び/又は再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクの記録及び/又は再生装置には、光ディスクを記録及び/又は再生部に搬送するディスクトレイを備えたものがある。この記録及び/又は再生装置では、装置本体の前面のフロントパネルに、ディスクトレイが出入りする挿脱口が形成され、この挿脱口は、ディスクトレイの前面部に取り付けられた蓋体によって閉塞されるようになっている。
【0003】
ところで、蓋体が装置本体のフロントパネルの挿脱口を閉塞した状態において、蓋体と挿脱口との間には、0.5mm程度の隙間が形成されている。この隙間は、ディスクトレイやフロントパネルの取付誤差によって、ディスクトレイに取り付けられた蓋体が挿脱口に嵌合しなくなることを防止するために設けられている。
【0004】
しかしながら、この挿脱口とディスクトレイに取り付けられた蓋体との間に形成される隙間は、目視可能な溝となって外観上現れることになり、装置本体の更なる見栄えの向上を図るに当たっての妨げとなる。
【0005】
また、この隙間は、塵埃等の浸入孔ともなる。高密度に情報信号が記録される光ディスクにあっては、信号記録面に塵埃等が付着すると、正確に情報信号を記録したり読み出すことができなくなってしまうことがある。
【0006】
【特許文献1】特開平10−312616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置本体の表面において、ディスクトレイに取り付けられる蓋体とパネルの挿脱口との隙間を小さくし、見栄えを良くすることができる記録及び/又は再生装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、ディスクトレイに取り付けられる蓋体とパネルの挿脱口との隙間を小さくし、装置本体内への塵埃等の浸入を防止することができる記録及び/又は再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る記録及び/又は再生装置は、内部に記録媒体の記録及び/又は再生部が設けられた装置本体と、上記記録媒体を保持して上記装置本体の内外に移動する記録媒体トレイと、上記記録媒体トレイの挿脱口が設けられ、上記装置本体の一側面に配設されるパネルと、上記挿脱口に略嵌合して上記挿脱口を閉塞する蓋体と、上記記録媒体トレイと上記蓋体とを、上記蓋体が上記記録媒体トレイの前面部に対して移動可能に連結する弾性体とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、挿脱口を閉塞する蓋体は、記録媒体トレイの前面部に弾性体によって移動可能に連結され、蓋体が挿脱口を閉じるとき、挿脱口に呼び込まれて挿脱口を閉塞する。したがって、蓋体と挿脱口の間の隙間を小さくすることができ、内部に塵埃等を浸入しにくくし、また、外観の見栄えを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した記録再生装置を図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、本発明を適用した記録再生装置1は、光ディスク2を記録媒体に用いる据え置き型の装置であって、外筐を構成する略矩形の装置本体3を有する。この装置本体3には、前面に、操作面を構成するフロントパネル4が取り付けられる。このフロントパネル3には、光ディスク2を保持するディスクトレイ5の挿脱口6が形成されている。
【0013】
フロントパネル4には、更に、挿脱口6の近傍に、装置本体3の電源釦7a、ディスクトレイ5のイジェクト釦7b等の操作釦等で構成された操作部7が形成されている。
【0014】
装置本体3のディスクトレイ5は、イジェクト釦7bが押されることによって、装置本体3に内蔵されたモータや複数のギヤで構成された移動操作機構によって、挿脱口6を介して装置本体3内外に移動される。このディスクトレイ5は、略矩形の板状をなすトレイ本体5aを有し、このトレイ本体5aの一方の主面には、光ディスク3と略同じ大きさで光ディスク2が回転可能な状態で保持されるディスク凹部5bが形成されている。ディスクトレイ5は、装置本体3に内蔵された移動操作機構によって、ディスク凹部5bの光ディスク2が交換できる程度にまで、装置本体3より突出され、また、装置本体3内に収納される。
【0015】
装置本体3には、更に、装置本体3内の収納位置にあるディスクトレイ5の光ディスク2の記録再生を行うための記録再生部が設けられている。この記録再生部は、ディスクトレイ5が装置本体3内の収納位置にあるとき、ディスク凹部5bに載置されている光ディスク2を回転する回転駆動部を有する。この回転駆動部は、スピンドルモータの駆動軸に光ディスク2のセンタ孔2aに係合するディスクテーブルを一体的に設けている。ディスクテーブルと対向する位置には、クランピングプレートが取り付けられており、光ディスク3は、ディスクテーブルがセンタ孔2aに係合されると共に、ディスクテーブルとクランピングプレートとにより回転可能に挟持され、ディスクテーブルと一体的に回転する。
【0016】
また、記録再生部には、ディスクテーブルに装着された光ディスク2の径方向に移動する光ピックアップが設けられている。この光ピックアップは、半導体レーザ、対物レンズ、受光素子等の光学部品を有し、半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズで集光して光ディスク2の信号記録面に照射し、光ディスク2で反射した戻りの光ビームを受光素子で検出することによって、対物レンズのフォーカシング制御、トラッキング制御を行いながら光ディスク2に記録された情報信号の読み出しや光ディスク2に対して情報信号の記録を行う。この光ピックアップは、ステッピングモータや複数のギヤ等でなるスレッド機構によって、光ディスク2の記録再生に従って光ディスク2の径方向に移動される。
【0017】
ディスクトレイ5の前面には、ディスクトレイ5が装置本体3の収納位置に収納されているとき、フロントパネル4の挿脱口6を閉塞する蓋体11が取り付けられている。この蓋体11は、上側が直線で下側両コーナ部が略円弧をなすように形成されたフロントパネル4の挿脱口6の形状に対応して形成されている。蓋体11は、挿脱口6に略嵌合されるものであるから、正確には、挿脱口6より僅かに小さく形成され、挿脱口6と挿脱口6に略嵌合された蓋体11との間には、隙間8が形成される。この隙間8は、従来より狭いものとなっており、装置本体3の見栄えの悪化を防止し、また、装置本体3内の記録再生部に塵埃等の浸入を防止している。
【0018】
蓋体11は、図2に示すように、ベース部材12を介してディスクトレイ5の前面部5cに取り付けられる。ベース部材12は、ディスクトレイ5の前面部5cに一体的固定され、蓋体11とは、図3及び図4に示すように、コイルバネ等でなる弾性体13を介して連結される。そこで、蓋体11の裏面には、長手方向の両側に、弾性体12の一端が係止される蓋側係止片14,14が形成されている。また、蓋側係止片14,14の内側には、互いに平行にガイド片15,15が形成されている。ガイド片15,15の先端側には、ベース部材12に対する抜け止めとなる係合部15a,15aが内側に突出して形成されている。更に、ガイド片15,15の内側には、長手方向に沿って、ベース部材12の位置を規制する位置規制片16が直線的に形成されている。また、位置規制片16の下側には、ベース部材12に対する蓋体11の移動量を規制する規制ピン18,18が形成されている。更に、蓋体11の裏面には、両端部に、フロントパネル4の挿脱口6の開口端両側に形成されたパネル側突き当て部に突き当てられる蓋側突き当て部17,17が形成されている。更に、蓋体11の裏面には、その下端に、蓋体11が挿脱口6に略嵌合しているとき、下側にずれることを防止するストッパ19,19が形成されている。また、蓋体11の外周面は、裏面側から表面側に向かって外側に傾斜する蓋側傾斜面20が形成されている。この蓋側傾斜面20は、挿脱口6に嵌合される際の挿脱口6へのガイド面となる。
【0019】
以上のような蓋体11が取り付けられるベース部材12は、図3及び図4に示すように、蓋体11との連結部分を上側から覆う覆板21とこの覆板21から立ち上がり形成された補強板22とが形成されている。
【0020】
覆板21は、略矩形をなし、短辺である両側に側板23,23が形成されている。側板23,23の内側は、蓋体11のガイド片15,15の挿入空間部24,24となっており、側板23,23と対向する位置には、ガイド片15,15の係合部15a,15aが係合する係合孔25,25が形成されている。係合孔25,25は、蓋体11がベース部材12に対して近接離間する方向を長辺とする略矩形の貫通孔であり、蓋体11は、ガイド片15,15の係合部15a,15aが係合孔25,25内を移動する範囲でベース部材12に対して近接離間する方向に移動する。
【0021】
また、覆板11には、蓋体11と対向するように弾性体13の他端が係止されるベース側係止片26,26が形成されている。弾性体13は、例えばコイルバネであり、一端が蓋体11側の蓋側係止片14,14に係止され、他端がベース側係止片26,26に係止されることによって、蓋体11とベース部材12とを連結する。挿入空間部24,24には、蓋体11のガイド片15,15が挿入される他、弾性体13も配される。覆板21は、挿入空間部24の上面を閉塞することで、ディスクトレイ5が装置本体3より排出したときにも、ガイド片15,15や弾性体13が外側から視認されないようにする。なお、弾性体13は、コイルバネの他に、ゴム等を用いても良い。
【0022】
以上のような覆板21に対して補強板22は略垂直に一体的に形成され、覆板21の強度補強をしている。補強板22には、蓋体11の規制ピン18,18が挿入される規制孔27,27が形成されている。規制孔27,27は、蓋体11の規制ピン18,18が挿入されることによって、蓋体11の上下左右方向の移動量を規制する。また、補強板22の先端部には、蓋体11のストッパ19,19の逃げとなる凹部28,28が形成されている。
【0023】
更に、覆板11には、図3及び図4に示すように、ベース側係止片26,26に隣り合うようにしてディスクトレイ5の前面への取付片29,29が形成されている。取付片29,29は、ディスクトレイ5の前面の両側に形成された係合凹部31,31に係合されることによって、ディスクトレイ5とベース部材12とを一体的にする。補強板22には、ディスクトレイ5の前面と対向する面に、ディスクトレイ5の前面に突き当てられる突き当て片32,32,33が形成されている。また、突き当て片32,32の先端部には、係止突起32a,32aが形成されている。係止突起32a,32aは、ディスクトレイ5の前面に形成された凹部32b,32bに係止されることによって、取付片29,29と共にベース部材12のディスクトレイ5からの脱落を防止する。
【0024】
ベース部材12によってディスクトレイ5に取り付けられる蓋体11が略嵌合されるフロントパネル4の挿脱口6は、図5に示すように、フロントパネル4のパネル面4aに対して窪んだ凹部6aを有し、この凹部6aの底面に、ディスクトレイ5そのものが出入りする略矩形の挿通孔6bが形成されている。また、挿脱口6の長手方向の両側、具体的には、挿通孔6bの両側には、蓋体11の裏面に形成された蓋側突き当て部17,17が突き当てられるパネル側突き当て部34,34が突出して形成されている。また、挿脱口6の下側の略中央にも、蓋体11が突き当てられるパネル側突き当て部35が突出して形成されている。
【0025】
また、挿脱口6の凹部6aの側面には、蓋体11の蓋体側傾斜面20に対応したパネル側傾斜面36が形成されている。このパネル側傾斜面36は、蓋体11が挿脱口6に略嵌合される際の挿脱口6へのガイド面となる。蓋体側傾斜面20やパネル側傾斜面36の傾斜角は、例えば約30°である。
【0026】
次に、組立方法について説明すると、図3及び図6に示すように、先ず、蓋体11とベース部材12とが弾性体13によって連結される。具体的に、弾性体13の一端は、蓋体11の蓋体側係止片14に係止され、他端は、ベース部材12のベース側係止片26に係止される。これと共に、蓋体11のガイド片15,15は、ベース部材12の挿入空間部24に挿入され、係合部15a,15aが係合孔25,25に係合される。更に、蓋体11の規制ピン18,18は、ベース部材12の規制孔27,27に挿入される。また、蓋体11の位置規制片16上には、ベース部材12の覆板21が重ね合わされる。これにより、蓋体11は、位置規制片16上にベース部材12の覆板21が重ね合わされて上側への移動が規制されると共に、ベース部材12に対して規制ピン18,18が挿入された規制孔27,27の範囲内で上下左右方向に移動可能に取り付けられることになる。
【0027】
蓋体11が弾性体13によって連結されたベース部材12は、更に、ディスクトレイ5の前面部5cに取り付けられる。具体的に、ベース部材12は、覆板21に形成された取付片29,29をディスクトレイ5の前面部5cに形成された係合凹部31,31に係合させ、更に、突き当て片32,32の先端部には、係止突起32a,32aをディスクトレイ5の前面に形成された凹部32b,32bに係止させることによって、ディスクトレイ5の前面部に一体的に取り付けられる。
【0028】
図6に示すように、ディスクトレイ5が装置本体3内の収納位置にあり、挿脱口6を蓋体11が閉塞しているとき、ディスクトレイ5に一体的に取り付けられているベース部材12は、一端が蓋体11の蓋側係止片14,14に係止されている弾性体13を、蓋体11を挿脱口6に引き込む図6中矢印D方向に引っ張って伸長させ、蓋体11の裏面とベース部材12の覆板21の端部とを離間させた状態とし、蓋体11を挿脱口6に引き込むようにしている。したがって、蓋体11は、蓋側突き当て部17が挿脱口6のパネル側突き当て部34,34に圧接されると共に、下側略中央部を突き当て部35に圧接され、挿脱口6に密着された状態にあり、挿脱口6と蓋体11との間の隙間8より塵埃等が浸入しにくくなっている。なお、図6の蓋体11が挿脱口6を閉塞した状態においては、弾性体13が伸長していない通常状態であっても良い。
【0029】
光ディスク2の交換等のためにイジェクト釦7bが押され、ディスクトレイ5を装置本体2に移動するとき、図7に示すように、ディスクトレイ5に一体的に取り付けられているベース部材12は、弾性体13の図7中反矢印D方向の収縮力によって蓋体11の裏面とベース部材12の覆板21の端部とが近接した状態となり、この状態で、ディスクトレイ5は、装置本体3の外側に移動されることになる。
【0030】
光ディスク2の交換等が終了すると、再度イジェクト釦7bが押されることによって、ディスクトレイ5は、装置本体3内に収納される。ここで、蓋体11が挿脱口6に略嵌合される直前において、蓋体11は、ディスクトレイ5の前面部と一体のベース部材12と弾性体13によって連結され、位置規制片16上にベース部材12の覆板21が重ね合わされ上側への移動が規制された状態で、ベース部材12に対して規制ピン18,18が挿入された規制孔27,27の範囲内で上下左右方向に移動可能である。そして、蓋体11の外周面には、裏面側から表面側に向かって外側に傾斜する蓋側傾斜面20が形成され、挿脱口6の凹部6aの側面には、蓋体11の蓋体側傾斜面20に対応したパネル側傾斜面36が形成されている。したがって、蓋体11が挿脱口6に対して位置がずれているときであっても、パネル側傾斜面36に蓋側傾斜面20に当接し、蓋体11が挿脱口6に呼び込まれるようにして蓋体11のベース部材12に対する位置が修正されて、蓋体11は、挿脱口6に略嵌合されることになる。
【0031】
挿脱口6と蓋体11との間に形成される間隙8は、従来より狭いものとなっているが、蓋体11は、弾性体13によってベース部材12に対して移動可能であるから、蓋体11、ディスクトレイ5、ベース部材12等の取付誤差が大きく発生しているときであっても、ベース部材12に対する位置が修正されて、確実に挿脱口6に略嵌合されることになる。そして、蓋体11は、蓋体側傾斜面20及びパネル側傾斜面36によって、より円滑に挿脱口6に嵌合されることになる。そして、以上のような記録再生装置1では、挿脱口6と蓋体11との隙間8が狭いことから、装置本体3内に塵埃等が浸入することを防止することができると共に、外観の見栄えを良くすることができる。
【0032】
次に、図8を参照して本発明の変形例を説明する。図8に示す例は、上述のようにベース部材12を用いることなく、蓋体11をディスクトレイ5に直接取り付けることを特徴とする。図8(A)及び図8(B)に示すように、蓋体11には、長手方向の両側に、互いに平行な一対の取付片41,41が形成され、取付片41,41間には、弾性体13の一端を係止するための蓋側係止片42が形成されている。一方、ディスクトレイ5の前面部には、蓋体11の取付片41,41間に挿入される互いに平行な一対のガイド片43,43が形成され、ガイド片43,43間には、弾性体13の他端が係止されるトレイ側係止片44が形成されている。また、一方のガイド片43には、係合部45が形成され、一方の取付片41の係合孔46に係合される。これにより、蓋体11は、ディスクトレイ5の前面部と弾性体13により連結され、ガイド片43の係合部45が係合した係合孔46の範囲内で移動可能な状態でディスクトレイ5の前面部に取り付けられることになる。
【0033】
蓋体11が挿脱口6を閉塞しているとき、図8(A)に示すように、ディスクトレイ5は、一端が蓋体11の蓋側係止片42に係止されている弾性体13を、蓋体11を挿脱口6に引き込む図8(A)中矢印D方向に引っ張って伸長させ、蓋体11の裏面を挿脱口6に圧接した状態にあり挿脱口6と蓋体11との間の隙間8より塵埃等が浸入しにくくなっている。
【0034】
ディスクトレイ5が装置本体3より突出すると、図8(B)に示すように、弾性体13の図7中反矢印D方向の収縮力によって蓋体11の裏面とベース部材12の覆板21の端部とが近接した状態となる。この状態において、ディスクトレイ5の前面部に弾性体13によって連結されている取り付けられている蓋体11は、取付片41,41の間隔の範囲内及び係合部45が係合した係合孔46の範囲内で移動可能である。したがって、挿脱口6を閉塞するとき、弾性体13によってディスクトレイ5の前面部と連結されている蓋体11は、挿脱口に対して位置がずれていたとしても、その位置が修正されて挿脱口6に略嵌合されることになる。
【0035】
したがって、図8に示す例によっても、挿脱口6と蓋体11との隙間8を狭くすることができ、これにより、装置本体3内に塵埃等が浸入することを防止することができると共に、外観の見栄えを良くすることができる。
【0036】
なお、以上の例では、ディスクトレイ5に光ディスク2を載置させる場合を説明したが、ディスクトレイ5に載置する記録媒体としては、光ディスク3の他、光磁気ディスクや磁気ディスクであっても良く、更に、これらのディスクを収納したディスクカートリッジ、更にテープカートリッジであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を適用した記録再生装置の要部斜視図である。
【図2】蓋体がベース部材を介して取り付けられたディスクトレイを表面側から見た斜視図である。
【図3】蓋体、ベース部材、ディスクトレイを裏面側から見た分解斜視図である。
【図4】蓋体にベース部材が取り付けられた状態を、裏面側から見た斜視図である。
【図5】蓋体が略嵌合される挿脱口の斜視図である。
【図6】蓋体が挿脱口を閉塞した状態を示す断面図である。
【図7】蓋体が挿脱口を開いた状態を示す断面図である。
【図8】本発明の変形例であり、ディスクトレイが蓋体が直接取り付けられた状態を示す平面図であり、(A)は、閉じた状態、(B)は、開いた状態を示す。
【符号の説明】
【0038】
1 記録再生装置、2 光ディスク、3 装置本体、4 フロントパネル、4a パネル面、5 ディスクトレイ、5a トレイ本体、5b ディスク凹部、5c 前面部、6 挿脱口、6a 凹部、6b 挿通孔、7a イジェクト釦、8 隙間、11 蓋体、12 ベース部材、13 弾性体、14 蓋側係止片、15 ガイド片、15a 係合部、16 位置規制片、17 蓋側突き当て部、18 規制ピン、19 ストッパ、20 蓋側傾斜面、21 覆板、22 補強板、23 側板、24 挿入空間部、25 係合孔、26 ベース側係止片、27 規制孔、28 凹部、29 取付片、31 係合凹部、32 突き当て片、32a 係止突起、32b 凹部、33 突き当て片、34,35 パネル側突き当て部、36 パネル側傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に記録媒体の記録及び/又は再生部が設けられた装置本体と、
上記記録媒体を保持して上記装置本体の内外に移動する記録媒体トレイと、
上記記録媒体トレイの挿脱口が設けられ、上記装置本体の一側面に配設されるパネルと、
上記挿脱口に略嵌合して上記挿脱口を閉塞する蓋体と、
上記記録媒体トレイと上記蓋体とを、上記蓋体が上記記録媒体トレイの前面部に対して移動可能に連結する弾性体とを備える記録及び/又は再生装置。
【請求項2】
上記記録媒体トレイの前面部には、ベース部材が固定され、上記蓋体は、上記ベース部材に上記弾性体を介して移動可能に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の記録及び/又は再生装置。
【請求項3】
上記蓋体の裏面には、上記ベース部材に上記弾性体を介して移動可能に取り付けられた蓋体の移動量を規制する規制ピンが形成され、
上記ベース部材の上記蓋体の裏面と対向する面には、上記規制ピンが挿入される規制孔が形成されていることを特徴とする請求項2記載の記録及び/又は再生装置。
【請求項4】
上記パネルの挿脱口の開口端は、外側に向かって広がるように傾斜面が形成され、上記蓋体の外周端は、上記パネルの挿脱口の傾斜面と略平行な傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の記録及び/又は再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−323928(P2006−323928A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145959(P2005−145959)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】