説明

記録媒体およびその記録媒体駆動装置

【課題】 変形に強く、取り扱いが容易で且つ携行性に優れた安価な記録媒体およびその記録媒体駆動装置を提供する。
【解決手段】 記録媒体10Aの先端を前記装着部20の挿入孔22に挿入した状態でねじ込むと、記録媒体10Aの記録面(外円筒部材11の外周面)がピックアップ30Aに対向した状態で周方向に移動させられるため、ピックアップ30Aが記録媒体10Aに記録されているデータを読み出すことができる。前記ピックアップ30は、記録媒体10の記録面と対向する位置に固定しておくだけでよく、ピックアップを移動させる手段を必要としないため、簡単な構成で且つ安価な記録媒体駆動装置とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体およびその記録媒体駆動装置に関わり、特に比較的大きな記憶容量とすることができるとともに携帯に便利で変形しにくい記録媒体およびその記録媒体駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触型の記憶媒体としては、例えばCDやDVDなどのディスク形式の記憶媒体があり、また携行可能な記録媒体として例えば半導体フラッシュメモリを用いた記憶媒体などが存在する。
【0003】
前記ディスク形式の記憶媒体は比較的安価であるため、ソフトウェアのサンプル品などを配布する際の記憶媒体としても使用されている。またフラッシュメモリを用いた記憶媒体は、小型であるため携行性に優れているという特徴を有する。
【0004】
しかし、ディスク形式の記憶媒体はディスク自体が変形しやすいという問題がある。この点、記録方式にホログラムを用いる場合のものではデータの記録および再生の際に波長変調または角度変調を用いる必要があるため、特にディスクの記録面側にレーザー光源と再生手段とが一緒に設けられる反射型のものでは前記ディスクにわずかな変形があると、ディスクの記録面で反射した回折光が乱反射しやすくなってデータを正しく再生することができないという問題が生じる。しかも、ディスクの表面は露出しているため、傷付きやすいという欠点を有している。
【0005】
一方、フラッシュメモリを用いた記憶媒体は、高価であるため慎重に取り扱う必要がある。さらにフラッシュメモリでは、将来的にメモリチップのサイズが縮小化されていくと、ひとつのセルに加えようとした電圧が隣のセルに干渉してデータを壊してしまうため、さらなる小型・大容量化が難しいという問題を有している。
【0006】
ところで、比較的変形に強く、しかも取り扱いも容易で安価な記憶媒体としては円筒型の記憶媒体が存在する。前記円筒型の記憶媒体は、もともとはエジソンのレコードをその起原とするものであるが、例えば以下の特許文献1、2などにも記載されている。
【特許文献1】特開平7−212796号公報
【特許文献2】特開2003−296941号公報の図7
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1、2に記載された円筒型の記録媒体は、いずれも機器内臓型であるため、携行性に欠けるという問題がある。
【0008】
また特許文献1に記載のものは、三次元立体画像の動画をスクリーン上に生成することを目的とするものであるため、読み取り用の再生手段を有しない構成である。
【0009】
一方、特許文献2には、ドラム基板80の外部に移動可能な読み書き装置82が設けられている旨が記載されているが、その詳細な構成については記載されていない。
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、変形し難く且つ安価で携行性に優れた円筒型の記録媒体を提供することを目的としている。
また簡単な構成で且つ安価な記録媒体駆動装置を提供することを目的としている。
【0011】
さらに本発明は、円筒型の記録媒体を記録し、または再生するのに適した記録媒体駆動装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の円筒型の記録媒体は、外周面を形成する外円筒部材と、内周面を形成する内円筒部材と、前記外円筒部材と前記内円筒部材との間に封止された光記録材料とを有し、前記外円筒部材と前記内円筒部材の少なくとも一方が光透過性を有する材料で形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の記録媒体では記録面が円筒形状であり、記録領域を広くすることができるため、記憶容量を高めることができる。
【0014】
上記において、前記外円筒部材の外周面と前記内円筒部材の内周面のいずれか一方にねじが形成されていることが好ましい。
【0015】
本発明の記録媒体は円筒形であるため、ディスク状の記録媒体に比較して変形に強く、携行性に優れたものとすることができる。またフラッシュメモリを用いた半導体メモリに比較して、取り扱いが容易で安価なものとすることができる。
【0016】
また本発明は、内周面又は外周面に雄ねじが形成された円筒型の記録媒体にデータを記録し、または前記記録媒体に記録されているデータの再生を行う記録媒体駆動装置であって、
前記ねじに噛み合う別体のねじを備えた嵌着部と、前記記録媒体の内周面又は外周面と対向する位置に固定されたピックアップとを有することを特徴とするものである。
【0017】
上記発明では、記録媒体を装着部に装填するだけで、非接触型でありながらピックアップを移動させることなく、簡単な構成で記録または再生を行うことができる。
【0018】
また本発明は、円筒状の記録媒体に情報を記録し、または前記記録媒体に記録されている情報を再生するピックアップと、前記ピックアップを搭載した可動部材と、を有する記録媒体駆動装置であって、前記可動部材を移動させる移動部材が前記記録媒体の内部または外部に設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
また、前記記録媒体を周方向に回転させる回転駆動部材が設けられていることを特徴とする。
【0020】
上記において、前記記録媒体の記録面に沿って移動するピックアップが、2以上設けられているものが好ましい。
【0021】
上記手段では、記録媒体への書き込みスピードまたは読み出しスピードを速めることができる。
【0022】
また前記回転駆動部材が、記録媒体を保持する保持部材と、前記保持部材を回転させる駆動モータで形成されており、この場合前記駆動モータがステッピングモータであることが好ましい。
【0023】
上記手段では、ピックアップを記録媒体上の記録位置に正確に対向させることができるため、再生又は記録動作を確実に行うことができる。すなわち、記録エラーや再生エラーの発生頻度を少なくすることができる。
【0024】
例えば、前記ピックアップは、参照光を発する光源と、前記参照光の大きさを拡大するビームエクスパンダと、ビームエクスパンダを通過した参照光を反射させて記録媒体の表面に入射する際の入射角度を調整するミラーを備えた光走査器と、反射後の参照光を集光して前記記録媒体に送る集束レンズと、記録媒体から戻された再生光の情報を読み取って電気信号に変換させる撮像部材とを有するものとして構成できる。
【0025】
また本発明は、前記記載の記録媒体を収納するハウジングと、前記ハウジングの一方の端面を覆う蓋部と、他方の端面を覆う底部とを備えたカートリッジ型の記録媒体であって、
前記ハウジングには、前記記録媒体の記録面に対向するスリットが形成されていることを特徴とするものである。
【0026】
この記録媒体では、記録面(外周面)が外部に直接的に露出されることがないため、前記記録面を保護することができる。記録エラーや再生エラーなどの発生を低減することができる。
【0027】
上記においては、前記記録媒体が、前記ハウジング内で回転自在に保持されていることが好ましく、例えば前記蓋部には、前記記録媒体を回転させる動力伝達部材を設ける構成とすることで実現できる。
【0028】
上記手段では、記録時や再生時に必要な記録面だけを部分的に選択して前記スリットを介して露出させることができる。
【0029】
さらに本発明は、前記いずれかに記載されたカートリッジ型の記録媒体用の記録媒体駆動装置であって、
カートリッジ内に収納された記録媒体に情報を記録し、または前記記録媒体に記録されている情報を再生するピックアップと、前記ピックアップを所定の移動方向に移動させる移動部材と、を備え、
前記ピックアップは、前記カートリッジに形成されたスリットを通じて前記記録媒体に対する情報の記録または再生を行うことを特徴とするものである。
【0030】
上記発明では、カートリッジ内に収納された記録媒体への記録または再生を確実に行うことが可能となる。
【0031】
上記においては例えば、前記ピックアップが、少なくとも参照光を発生する光源と、前記参照光を拡大するビームエクスパンダと、前記参照光を平行にするコリメータレンズと、ミラーの傾き角度を調整し前記記録媒体に対する前記参照光の入射角度を自在に設定するミラーアクチュエータと、前記記録媒体から戻される再生光のうち不用な光を遮断するピンホールフィルタと、前記ピンホールフィルタを通過した再生光を読み取って電気信号に変換する撮像部材と、を有する構成とすることができる。
上記手段では、再生型の記録媒体駆動装置を提供することができる。
【0032】
また前記ピックアップが、さらに情報を含むデータ光を生成する空間光変調器を有する構成とすることもできる。
上記手段では、さらに記録機能を有する記録媒体駆動装置を提供することができる。
【0033】
また上記においては、前記記録媒体を、周方向に所定の角度ピッチで回転させる回転駆動部材が設けられていることが好ましい。
【0034】
上記手段では、記録媒体に情報が記載された所定の記録位置とスリットとを対向させることができる。よって、再生や記録動作を確実に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0035】
本発明では、変形に強く、取り扱いが容易で且つ携行性に優れた安価な記録媒体およびその記録媒体駆動装置を提供することができる。
【0036】
また円筒型の記録媒体を記録し、または再生するのに適した記録媒体駆動装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1は本発明の実施の形態における記録媒体の基本的な構成を示し、Aは記録媒体の縦方向断面図、Bは記録媒体の横方向断面図、図2は円筒型の記録媒体を用いた第1の実施の形態を示し、Aは装填前の状態、Bは装填後の状態を示している。また図3は円筒型の記録媒体を用いた第2の実施の形態を示し、Aは装填前の状態、Bは装填後の状態を示している。
【0038】
図1に示すように、本発明における記録媒体1は円筒(ドラム)形状をしている。前記記録媒体10は、外側に設けられた外円筒部材11とその内側に設けられた内円筒部材12とを同軸状に設けた二重構造をしている。前記外円筒部材11と内円筒部材12の少なくとも一方は、ガラス又はアクリルなどの光透過性を有する材料で形成されている。前記外円筒部材11と内円筒部材12との間には隙間13が形成されており、この隙間13には光記録材料14が充填されている。前記記録媒体10の長手方向の両端には、前記光記録材料14の漏れを防止する封止部材15,15が設けられている。なお、前記光記録材料14としては例えばフォトポリマーや塩化銀系の公知の材料などを用いることができ、このような光記録材料14は例えば特開平11−52824号公報などに記載されている。
【0039】
この記録媒体10は反射型であり、記録面の一方の面を同じ波長からなる物体光(データ光)と参照光とで同時に照射すると、データが干渉縞として前記光記録材料14内に形成されるとともにこの干渉縞を記録することが可能とされている。そして、このような干渉縞が記録された記録媒体10の前記一方の面を前記同様の参照光で照光すると、前記一方の面側に前記干渉縞によって回折させられた再生光が出力されるため、この再生光を例えばCCDやCMOSイメージセンサなどからなる撮像部材で捕えることにより、記録媒体10に記録されたデータを読み出すことが可能とされている。
【0040】
また記録媒体10は物体光と参照光の位置を変えるだけで記録位置を変えることができ、一つに記録位置では前記物体光及び参照光の波長又は記録面に対する入射角度を変えるだけで複数のデータを多重に記録することが可能とされている。なお、前記記録媒体上の記録位置はブックと称され、1つのデータが波長又は入射角度ごとに記録されたものはページと称される。例えば、1ページは20KB(キロバイト)程度の情報量を有し、1ブックは20ページ程度の情報量を有する。前記記録媒体10はこのようなブック(記録位置)を1000箇所ほど有している。したがって、1つの記録媒体10は400MB(メガバイト)ほどの記憶容量を有している。
【0041】
なお、前記ページの容量や前記ブックの容量は今後増える傾向にある。このため、前記記録媒体10は、将来的にギガ単位、さらにはテラ単位の容量を有することが期待されている。
【0042】
このような記録媒体10は、半導体フラッシュメモリを用いたメモリカードのように、記録時および再生時にメモリセルの入出力端子に導通接触して電気信号の送受信を直接行う必要がないため、チップサイズを縮小化していったときにデータが壊れやすくなるという問題もない。
【0043】
図2A,Bに第1の実施の形態として示す円筒型の記録媒体10Aは、少なくとも記録面側となる前記外円筒部材11が光透過性の材料で形成されており、他方の内円筒部材12の内壁にはピッチ寸法が広い雄ねじ部12aが形成されている。また前記記録媒体10Aの一端には把持部16が一体に形成されている。
【0044】
一方、図3A,Bに第2の実施の形態として示す円筒型の記録媒体10Bは、少なくとも記録面側となる前記内円筒部材12が光透過性の材料で形成されており、外円筒部材11の外周面には雄ねじ部13aが形成されている。また前記記録媒体10Bの一端には把持部16が一体に形成されている。
【0045】
前記記録媒体10A,10Bの大きさは、例えば外円筒部材11の外径寸法が5mm以内、長さ寸法が2cm以内と、極めて携行性に優れている。なお、第1の実施の形態に示す記録媒体10Aの場合には、人の手や他の物体が前記外円筒部材11に直接触れやすい構造であるため、その外周側の記録面に傷を付ける機会を少なくする必要がある。このため、例えばリップステックのごとく、前記記録媒体10Bが保護用の外ケースに収納された状態で持ち運ぶようにすることが好ましい。一方、第2の実施の形態に示すものでは、一般的に記録媒体10Bの内部が外部から触れ難い構造であるため、内円筒部材12の内壁(記録面)は傷付き難いという特徴を有している。ただし、塵埃が記録媒体10B内部へ侵入することを防ぐ必要があるため、上記同様に記録媒体10Bを外ケースで覆う構成とすることが好ましい。
【0046】
上記記録媒体10Aは、例えば図2A、図3Aに示すようなコンピュータなどの電子機器の前面、背面または側面などに形成された装着部20に装着される。前記装着部20は、パネル面21と、このパネル面に形成された挿入孔22を有している。
【0047】
図2A,Bに示す第1の実施の形態では、前記挿入孔22内には前記記録媒体10Aが嵌着される嵌着部23が設けられている。前記嵌着部23は凸状をしており、外形寸法は前記記録媒体10Aの内径寸法よりもわずかに小さく、その外周面には雌ねじ23aが形成されている。
【0048】
すなわち、図2Bに示すように、前記記録媒体10Aを例えば時計回り方向に回しながら前記装着部20に螺着することにより、前記記録媒体10Bを前記装着部20に装着することが可能とされている。
【0049】
前記装着部20内で且つ嵌着部23と対向する位置にはピックアップ30Aが固定されている。前記記録媒体10Aが前記装着部20に装着されたときには、ピックアップ30Aと前記記録媒体10Aの外円筒部材11の外周面との間に所定の隙間が形成されるようになっている。
【0050】
一方、図3A,Bに示す第2の実施の形態では、前記パネル面21の裏面21aにシリンダ状の嵌着部24が固定されている。前記嵌着部24の内壁24Aには前記記録媒体10Bの雄ねじ部13aに噛み合う雌ねじ24aが形成されており、その開口端24Bが前記挿入孔22に対向させられている。すなわち、図3Bに示すように、前記記録媒体10Bを例えば時計回り方向に回しながら前記装着部20に螺着することにより、前記記録媒体10Bを前記装着部20に装着することが可能とされている。
【0051】
前記嵌着部24の底部24Cには、前記底部24Cから前記開口端24Bの方向に向かって延びる円柱状のピックアップ30Bが設けられている。前記ピックアップ30Bは、前記内壁24Aから中心側で且つ等距離の位置に中空状態で固定されており、前記記録媒体10Bが前記嵌着部24内に装着されたときにも前記記録媒体10Bの内円筒部材12の内壁との間に所定の隙間が形成されるようになっている。
【0052】
なお、第1および第2の実施の形態に示すものでは、前記雌ねじと前記雄ねじの長手方向のピッチ寸法が共に広く形成されており、例えば2回転させるだけで容易に装着させることができるようになっている。
【0053】
前記ピックアップ30A,30Bは、例えば参照光(レーザー光)を発生する光源として機能する面発光型レーザー(VCSEL;Vertical Cavity Surface-Emitting Laser)と、前記参照光の大きさを拡大するビームエクスパンダと、ビームエクスパンダを通過した参照光を反射させて記録媒体10の表面に入射する際の入射角度を調整するミラーを備えた光走査器と、反射後の参照光を集光して前記記録媒体10上の任意の一点へ送る集束レンズと、記録媒体10で回折して戻ってくる再生光(回折光)の情報を読み取って電気信号に変換させる撮像部材などを有している。
【0054】
前記記録媒体10の先端を前記装着部20の挿入孔22に挿入した状態で、前記把持部16を時計回り方向に回転させると、第1の実施の形態では前記記録媒体10Aを嵌着部23に装着させることができ、同様に第2の実施の形態では前記記録媒体10Bを嵌着部24に装着させることができる。
【0055】
このとき、第1の実施の形態では記録媒体10Aの記録面(外円筒部材11の外周面)が前記ピックアップ30Aに対向した状態で周方向に移動させられ、また第2の実施の形態では記録媒体10Bの記録面(内円筒部材12の内周面)が前記ピックアップ30Bに対向した状態で周方向に移動させられる。
【0056】
このため、いずれの実施の形態においても、前記ピックアップ30(30Aまたは30B)が記録媒体10(10Aまたは10B)に記録されているデータを読み出すことができる。特に、人が記録媒体10を回転させるスピードは、モータなどを用いて回転させる場合に比較して低速であるため、前記記録媒体10上の任意の各記録位置(ブック)内にそれぞれ記録されているデータをページごとに確実に読み出すことが可能である。
【0057】
上記第1および第2の実施の形態では、いずれもピックアップ30は、記録媒体10の記録面と対向する位置に固定しておくだけでよく、ピックアップ30を移動させる手段を必要としないため、簡単な構成で且つ安価な記録媒体駆動装置とすることが可能である。
【0058】
図4は本発明の記録媒体駆動装置の第1の実施の形態を示す斜視図、図5は本発明の記録媒体駆動装置の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【0059】
図4および図5に示す記録媒体駆動装置は、例えばコンピュータ本体や外部記憶装置などの電子機器内に搭載されるものである。
【0060】
図4に示す記録媒体駆動装置40Aでは記録媒体10Cを回転させる回転駆動部材41と、前記記録媒体10の記録面に沿ってピックアップを移動させる移動部材45Aとを有している。
【0061】
前記記録媒体10Cは、図1に示す記録媒体10と同じ構成であるが、この実施の形態に示すものでは外周面側に記録面が設けられている。
【0062】
前記回転駆動部材41は、前記記録媒体10を保持する保持部材42と前記保持部材42に回転を与える駆動モータ43とが設けられている。前記保持部材42は、記録媒体10Cの内円筒部材12内に挿入され、その内壁を保持する保持円筒部42Aと基端部42Bを有している。図4に示すように、保持円筒部42AのY2側に半径方向に進退自在に突出するロック部42bをいくつか設け、前記記録媒体10Cの内円筒部材12の内周面に設けられた凹部を嵌合する構成にすると、記録媒体10Cを位置決めした状態で確実に保持することができる点で好ましい。
【0063】
駆動モータ43は例えばステッピングモータであり、その駆動軸43aが前記保持部材42の基端部42Bの底面の中心を軸支している。前記回転駆動部材41では、駆動モータ43を駆動させることにより、前記保持部材42に保持されている記録媒体10Cを周方向に所定のピッチ角度で間欠的にまたは連続的に回転させることが可能とされている。
【0064】
前記移動部材45Aはガイド軸46、スクリュー軸47および可動部材48Aとを有している。前記ガイド軸46とスクリュー軸47とは電子機器内に互いに平行な状態で配置されており、前記スクリュー軸47は回転自在に支持されている。前記スクリュー軸47の一端には歯車47aが固定されており、この歯車47aには図示しない駆動モータの駆動軸に直接または間接的に接続されている。前記駆動モータが回転すると、その駆動力が駆動軸を介して前記歯車47aに伝達されるため、前記スクリュー軸47と歯車47aとが一体的に回転させられる。
【0065】
前記可動部材48Aは、図示X1方向に突出するとともにY方向において互いに平行に対向し合う一対の第1の支持部48a,48aと、図示X2方向に突出するとともにZ方向において互いに平行に対向し合う一対の第2の支持部48b,48bとを有している。
【0066】
第1の支持部48a,48aには、図示Y方向に貫通するとともに、その内面に雌ねじ部が形成された貫通孔48a1,48a1が形成されている。そして、前記貫通孔48a1,48a1に前記スクリュー軸47が挿通されており、前記貫通孔48a1,48a1の雌ねじと前記スクリュー軸47外周面に形成された雄ねじとが噛み合わされている。また第2の支持部48bと第2の支持部48bとの間に前記ガイド軸46が設けられている。
【0067】
すなわち、前記可動部材48Aは、X方向の両端が前記ガイド軸46とスクリュー軸47に支持されている。そして、前記スクリュー軸47が回転するとその駆動力が前記スクリュー軸47の雄ねじから第1の支持部48a,48aの雌ねじに伝達されることにより、可動部材48Aが図示Y1方向およびY2方向に移動させられるようになっている。すなわち、前記ガイド軸46とスクリュー軸47とは前記可動部材48Aを記録媒体10Cの長手方向(Y方向)に移動させる移動部材45Aを形成している。なお、前記可動部材48Aの下面(Z2側の面)は、記録媒体10Cの外周面に対向する円弧状の凹面48cで形成されている。
【0068】
前記可動部材48Aには、上記図2A,Bおよび図3A,B同様の構成からなるピックアップ30Cが搭載されている。そして、前記ピックアップ30Cに設けられた図示しない集束レンズと撮像部材とが、前記可動部材48Aの凹面48cを介して前記記録媒体10Cの記録面(外周面)に対向するように配置されている。よって、前記移動部材45Aが駆動させられると、前記図示しない集束レンズと撮像部材が前記記録媒体10Cの記録面(外周面)に対向しながら図示Y方向に移動できるようになっている。
【0069】
一方、図5に示す記録媒体駆動装置40Bは、前記記録媒体駆動装置40Aとほぼ同様の構成である。ただし、記録媒体10Dが前記内円筒部材12の内壁に記録面が設けられている点、およびガイド軸46、スクリュー軸47および可動部材48Bからなる移動部材45Bが前記記録媒体10Dの内円筒部材12の内部において移動自在に設けられている点が大きく異なっている。また可動部材48Bの底面は円弧状と凸面48dで形成されており、可動部材48Bに搭載されたピックアップ30Dに設けられた図示しない集束レンズと撮像部材とが、前記凸面48dを介して前記記録媒体10Dの記録面(内周面)に対向するように配置されている。よって、上記同様に前記移動部材45Bが駆動させられると、前記図示しない集束レンズと撮像部材が前記記録媒体10Dの記録面(内周面)に対向しながら図示Y方向に移動できるようになっている。
【0070】
図4および図5に示す記録媒体駆動装置40(40A又は40B)では、駆動モータ43を駆動させて前記記録媒体10(10C又は10D)を所定の回転角度で回転させると、例えば記録媒体10に周方向に所定のピッチ角度で記録されている各記録位置(ブック)を、前記図示しない集束レンズ及び撮像部材にそれぞれ対向させることができる。そして、ある記録位置と前記集束レンズ及び撮像部材が対向している間に、前記ピックアップ30(30C又は30D)では、内部に設けられた光走査器のミラー角度を所定のピッチ角度で変更することにより、前記記録位置に存在するすべてのページをスキャンし、各ページに記録されているデータの読み出しを行う。
【0071】
次に、この記録媒体駆動装置40では、1ピッチ角度分だけ記録媒体10を回転させて、前記図示しない集束レンズ及び撮像部材を周方向に隣接する次の記録位置(ブック)に対向させることにより、同様にその記録位置に存在するすべてのページをスキャンし、各ページに記録されているデータの読み出しが行われる。
【0072】
そして、前記記録媒体10に記録されている1回転分の再生が終了すると、前記可動部材48(48A又は48B)をY方向に移動させ、長手方向に隣接する次の列に位置する記録位置(ブック)に対向させる。そして、上記同様に記録媒体10をピッチ角度で回転させながらピックアップ30を駆動することにより、その列に設けられた各記録位置内のデータの読み出しを行うことができる。
【0073】
なお、ブック(記録位置)が記録媒体10の外周面または内周面にスパイラル状に形成されるように記録されている場合には、前記可動部材48のY方向への移動と記録媒体10の所定のピッチ角度での周方向への回転とを同期させるようにすると、ブックにページごとに記録されているデータを連続的に読み出すことが可能となる。
【0074】
図6は図4の記録媒体駆動装置の応用例を示し、図4にて矢印4方向から見た場合に相当する正面図である。
【0075】
図6に示す記録媒体駆動装置50は、記録媒体10Cの周囲に4つの移動部材51,52,53および54を設けた場合を示している。各移動部材は上記図4に示したガイド軸46、スクリュー軸47および可動部材48Aとから構成されるものと同様である。
【0076】
移動部材51,52,53および54の各可動部材48Aは、互いに独立してY方向に自在に移動できるように支持されている。したがって、例えば、各移動部材51,52,53および54の各ピックアップ30Cが、それぞれ周方向に1/4周分づつ担当するようにしたり、あるいは長手方向に1/4領域分づつ担当したりさせることができる。この場合には、1ヶ当たりのピックアップ30Cが担当する読み出し領域を少なくすることができるため、記録媒体駆動装置50の全体的な読み出し時間を短縮することが可能となる。すなわち、読み出しスピードの速い記録媒体駆動装置50とすることができる。
【0077】
上記各実施の形態では、主として再生装置の場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、記録装置であってもよく、あるいは記録装置と再生装置の双方を備えた記録媒体駆動装置であってもよい。
【0078】
図7は円筒型の記録媒体の応用例としてのカートリッジ型の記録媒体を示す分解斜視図、図8は図7に示す記録媒体とその記録媒体駆動装置を示す斜視図、図9はピックアップ内の構成を示す概略図である。
【0079】
図7に示す円筒形の記録媒体10Eは、上記記録媒体10Cと同様に外周面側に記録面が設けられている。ただし、この記録媒体10Eはカートリッジ60内に収納されている点で記録面が直接的に露出している前記記録媒体10Cと相違している。
【0080】
前記カートリッジ60は、一方に端部を覆う蓋部61と、他方の端部を覆う底部62と、前記蓋部61と底部62との間に設けられたハウジング63を有している。この実施の形態に示すハウジング63は円筒形状をしており、その側面には長手方向に延びる1本のスリット63aが形成されている。このカートリッジ60では、前記スリット63aを通じて内部に設けられた記録媒体10Eの記録面を部分的に露出されるようになっている。なお、前記ハウジング63の外形は円筒形状に限られるものではなく、角型の筒体であってもよい。また前記ハウジング63はアクリルなど透明な合成樹脂材料で形成されていてもよいし、あるいは不透明な合成樹脂材料または金属材料で形成されていてもよい。
【0081】
前記蓋部61の裏面には、前記記録媒体10Eの一方の端面を保持する保持部材64が設けられている。前記保持部材64はその中心に回転軸64aを有している。前記回転軸64aは蓋部61に形成された中心孔に挿入され、且つ前記蓋部61の外部に突出している。そして、この回転軸64aの先端に動力伝達部材として機能する小歯車65が固定されている。このため、前記小歯車65に回転を与えると、前記回転軸64a、前記保持部材64を介して、前記記録媒体10Eを回転軸64a回りに回転させることが可能とされている。
【0082】
なお、底部62の上面には、前記記録媒体10Eの他端の回転を許容する回転保持部材(図示せず)を設けるようにした構成が好ましい。前記回転保持部材としては、回転時に前記記録媒体10Eの軸が振れないような部材、例えば回転台座のようなものであってよいし、前記記録媒体10Eの他方の端面が摺動する環状の溝で形成することもできる。
【0083】
上記カートリッジ型の記録媒体では、記録面(外周面)が外部に直接露出されることがないため、前記記録面を傷や汚れなどから保護することができる。このため、記録エラーや再生エラーなどの発生を低減することができる。
【0084】
内部に記録媒体10Eを備えたカートリッジ60は、上記同様にコンピュータなどの電子機器の前面、背面または側面などに形成された装着部(図示せず)に装着される。このとき、図8に示すように、装着部内では、前記ハウジング63の側方(図8ではZ1方向)の位置に記録媒体駆動装置40Cが設けられる。
【0085】
前記記録媒体駆動装置40Cは、上記記録媒体駆動装置40Aと同じ構成であり、ピックアップ30Cを搭載した可動部材48Cを前記記録媒体10Eの長手方向(Y方向)に自在に移動できる移動部材45Aを有している。
【0086】
一方、この実施の形態に示すピックアップ30Cは再生専用であり、参照光(レーザー光)を発生する光源31と、前記参照光を拡大するビームエクスパンダ32と、前記参照光を平行な光にするコリメータレンズ33と、前記参照光の向きを変えるとともに記録媒体10Eの記録面に入射する際の入射角度を設定するミラー34aの傾き角度を調整するミラーアクチュエータ34と、前記記録媒体10Eで回折して戻ってくる再生光(回折光)のうち不用な光を遮断するピンホールフィルタ35と、前記ピンホールフィルタ35を通過した再生光(回折光)の情報を読み取って電気信号に変換するCCDやCMOSイメージセンサなどからなる撮像部材36とを有している。なお、ピックアップ30Cが記録動作も可能とするためには、空間光変調器で形成したデータ光を前記参照光とともに記録媒体10Eに向けて出力される構成とすればよい。
【0087】
この前記ピックアップ30Cの各部材は、ミラー34aで反射させられた参照光と、前記記録媒体10Eで回折して戻ってくる再生光とが、常に前記カートリッジ60に形成されたスリット63aを通過できるように配置されている。
【0088】
このため、前記ピックアップ30Cを搭載した可動部材48Cが、移動方向であるY方向に移動したとしても、前記参照光は前記スリット63aを通じて記録媒体10E上のいずれか記録位置を照射することが可能である。同時に、前記記録媒体10Eからの再生光は前記スリット63aを通じて外部に出力され、さらに前記ピンホールフィルタ35を介して前記撮像部材36において読み取ることが可能とされている。
【0089】
図8に示すように、装着部内にカートリッジ60が装着されると、蓋部61側に設けられた前記小歯車65が、装着部内に設けられた減速ギヤ71に噛み合う。前記減速ギヤ71にはステッピングモータ(回転駆動部材)72の出力ギヤ72aが噛み合っている。このため、ステッピングモータ72が回転すると、その動力は前記出力ギヤ72a、減速ギヤ71および小歯車65を介して前記記録媒体10Eに伝達される。これにより、前記記録媒体10Eは、前記カートリッジ60内で所定の方向に回転させられる。
【0090】
この実施の形態では、ステッピングモータ72が所定のステップで間欠的に回転させられると、前記記録媒体10Eが所定の角度ピッチで回転させられるようになっている。
【0091】
図9に示すように、この記録媒体10Eにおいては、記録面に対するデータの記録位置(ブック)は、前記所定の角度ピッチで周方向に形成されるとともに、長手方向についても所定のピッチで形成されている。すなわち、データの記録位置(ブック)は、記録媒体10Eの記録面(外周面)に対しマトリックス状に記録されている。
【0092】
ここで、周方向に所定のピッチ角度で並ぶ記録位置(ブック)の集合を行m(個別に行m1,行m2,行m3,・・・とする。)とし、長手(Y)方向に所定のピッチで並ぶ記録位置(ブック)の集合を列n(個別に列n1,列n2,列n3,・・・とする。)と定義する。
【0093】
前記記録媒体10Eの回転が停止した状態では、前記記録媒体10Eの記録面に記録されているデータの記録位置(ブック)が常にスリット63aに対向する状態にある。このため、前記記録媒体10Eを前記所定の角度ピッチで回転させると、常にピックアップ30Cと前記記録面上のいずれかの行mとが前記スリット63aを介して対向する。
【0094】
前記ピックアップ30Cでは、前記ミラーアクチュエータ34の角度が、前記スリット63aが延びる方向に沿って所定の角度ピッチで変更される。そして、前記所定の角度ピッチごとに前記ミラーアクチュエータ34を停止させ、その都度前記撮像部材36が駆使されてデータの読み取りが行われる。
【0095】
これにより、例えば、行列(m1,n2)に位置する記録位置(ブック)B1内に角度多重方式により記録されている全ページに記録されているデータを読み出すことができる。
【0096】
次に、この記録媒体駆動装置40Cではステッピングモータ72が駆動される。そして、前記記録媒体10Eが所定の角度ピッチだけ周方向に回転させられ、隣接する行m2が前記スリット63aに対向させられる。そして、上記同様の動作が繰り返されることにより、行列(m2,n2)に位置する記録位置(ブック)B2に記録されている全ページ分のデータの読み出しが可能となる。
【0097】
このように、前記記録媒体10Eを周方向に所定の角度ピッチで回転させながら前記ピックアップ30Cを動作させることにより、列n2上で且つ周方向に並ぶ全ての記録位置(ブック)B1,B2,・・・・に記録されている全ページ分のデータを読み出すことができる。
【0098】
そして、この記録媒体駆動装置40Cでは、列n2における一周分のデータの読み出しが終了すると、前記移動部材45Aが駆動され可動部材48CをY方向に所定のピッチだけ移動させる。そして、上記同様の動作を繰り返すことにより、例えば、隣接する列n3上で且つ周方向に並ぶデータの読み出しを行うことができる。さらに、同様の動作を繰り返すことにより、前記記録媒体10Eに記載されている全てのデータを読み出すことが可能である。
【0099】
なお、移動部材45Aが駆動されて、行m1上で且つY方向に並ぶ全てのデータを読み出し、次に記録媒体10Eを所定の回転角度だけ回転させて隣接する行m2上で且つY方向に並ぶ全てのデータを読み出すようにしてもよい。すなわち先に移動部材45Aを駆動させて1つの行mに並ぶデータを読み出し、次にステッピングモータ72を駆動させて隣接する次の行mに並ぶデータを読み出すようにしてもよい。
【0100】
ところで、上記の各実施の形態においては、角度多重方式を用いて記録されたデータを読み出す場合について説明したが、本発明の記録媒体で記録可能な記録方式は角度多重方式に限られるものではない。例えば、記録位置を所定量づつシフトさせながら記録動作を行うことで多重記録を行うシフト多重方式のものであってもよい。
【0101】
このシフト多重方式では、円筒形の記録媒体の記録面に対し、前記記録位置を螺旋に沿って記録することでデータを連続的に記録することが可能となる。
【0102】
このようなデータを読み出す場合には、前記ステッピングモータ72による周方向の回転動作と、前記移動部材45AによるY方向への直線的な移動動作とを同期させながら行うことにより可能である。すなわち、ピックアップ30が、記録媒体の周囲を螺旋状に移動するように制御することにより、全てのデータを読み出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は本発明の実施の形態における記録媒体の基本的な構成を示し、Aは記録媒体の縦方向断面図、Bは記録媒体の横方向断面図、
【図2】円筒型の記録媒体を用いた第1の実施の形態を示し、Aは装填前の状態、Bは装填後の状態、
【図3】円筒型の記録媒体を用いた第2の実施の形態を示し、Aは装填前の状態、Bは装填後の状態、
【図4】本発明の記録媒体駆動装置の第1の実施の形態を示す斜視図、
【図5】本発明の記録媒体駆動装置の第2の実施の形態を示す斜視図、
【図6】図4の記録媒体駆動装置の応用例を示し、図4にて矢印4方向から見た場合に相当する正面図、
【図7】円筒型の記録媒体の応用例としてのカートリッジ型の記録媒体を示す分解斜視図、
【図8】図7に示す記録媒体とその記録媒体駆動装置を示す斜視図、
【図9】ピックアップ内の構成を示す概略図、
【符号の説明】
【0104】
10,10A,10B,10C,10D 記録媒体
11 外円筒部材
12 内円筒部材
12a 雄ねじ部
13 隙間
13a 雄ねじ部
14 光記録材料
15 封止部材
16 把持部
20 装着部
21 パネル面
22 挿入孔
23 嵌着部
23a 雌ねじ
24 嵌着部
24a 雌ねじ
30,30A,30B,30C,30D ピックアップ
31 光源
32 ビームエクスパンダ
33 コリメータレンズ
34a ミラー
34 ミラーアクチュエータ
35 ピンホールフィルタ
36 撮像部材
40,40A,40B 記録媒体駆動装置
41 回転駆動部材
42 保持部材
42A 保持円筒部
42B 基端部
43 駆動モータ
45 移動部材
46 ガイド軸
47 スクリュー軸47
48,48A,48B 可動部材
51,52,53,54 移動部材
60 カートリッジ
61 蓋部
62 底部
63 ハウジング
63a スリット
64 保持部材
65 小歯車(動力伝達部材)
72 ステッピングモータ(回転駆動部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面を形成する外円筒部材と、内周面を形成する内円筒部材と、前記外円筒部材と前記内円筒部材との間に封止された光記録材料とを有し、前記外円筒部材と前記内円筒部材の少なくとも一方が光透過性を有する材料で形成されていることを特徴とする円筒型の記録媒体。
【請求項2】
前記外円筒部材の外周面と前記内円筒部材の内周面のいずれか一方にねじが形成されていることを特徴とする請求項1記載の円筒型の記録媒体。
【請求項3】
内周面又は外周面に雄ねじが形成された円筒型の記録媒体にデータを記録し、または前記記録媒体に記録されているデータの再生を行う記録媒体駆動装置であって、
前記ねじに噛み合う別体のねじを備えた嵌着部と、前記記録媒体の内周面又は外周面と対向する位置に固定されたピックアップとを有することを特徴とする記録媒体駆動装置。
【請求項4】
円筒状の記録媒体に情報を記録し、または前記記録媒体に記録されている情報を再生するピックアップと、前記ピックアップを搭載した可動部材と、を有する記録媒体の駆動装置であって、前記可動部材を移動させる移動部材が前記記録媒体の内部または外部に設けられていることを特徴とする記録媒体駆動装置。
【請求項5】
前記記録媒体を周方向に回転させる回転駆動部材が設けられていることを特徴とする請求項4記載の記録媒体駆動装置。
【請求項6】
前記記録媒体の記録面に沿って移動するピックアップが、2以上設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の記録媒体駆動装置。
【請求項7】
前記回転駆動部材が、記録媒体を保持する保持部材と、前記保持部材を回転させる駆動モータで形成されていることを特徴とする請求項5記載の記録媒体駆動装置。
【請求項8】
前記駆動モータがステッピングモータであることを特徴とする請求項7記載の記録媒体駆動装置。
【請求項9】
前記ピックアップは、参照光を発する光源と、前記参照光の大きさを拡大するビームエクスパンダと、ビームエクスパンダを通過した参照光を反射させて記録媒体の表面に入射する際の入射角度を調整するミラーを備えた光走査器と、反射後の参照光を集光して前記記録媒体に送る集束レンズと、記録媒体から戻された再生光の情報を読み取って電気信号に変換させる撮像部材とを有する請求項3ないし8のいずれか記載の記録媒体駆動装置。
【請求項10】
請求項1記載の記録媒体を収納するハウジングと、前記ハウジングの一方の端面を覆う蓋部と、他方の端面を覆う底部とを備えたカートリッジ型の記録媒体であって、
前記ハウジングには、前記記録媒体の記録面に対向するスリットが形成されていることを特徴とするカートリッジ型の記録媒体。
【請求項11】
前記記録媒体が、前記ハウジング内で回転自在に保持されている請求項10記載のカートリッジ型の記録媒体。
【請求項12】
前記蓋部には、前記記録媒体を回転させる動力伝達部材が設けられている請求項11記載のカートリッジ型の記録媒体。
【請求項13】
前記請求項10ないし12のいずれかに記載されたカートリッジ型の記録媒体用の記録媒体駆動装置であって、
カートリッジ内に収納された記録媒体に情報を記録し、または前記記録媒体に記録されている情報を再生するピックアップと、前記ピックアップを所定の移動方向に移動させる移動部材と、を備え、
前記ピックアップは、前記カートリッジに形成されたスリットを通じて前記記録媒体に対する情報の記録または再生を行うことを特徴とする記録媒体駆動装置。
【請求項14】
前記ピックアップが、少なくとも参照光を発生する光源と、前記参照光を拡大するビームエクスパンダと、前記参照光を平行にするコリメータレンズと、ミラーの傾き角度を調整し前記記録媒体に対する前記参照光の入射角度を自在に設定するミラーアクチュエータと、前記記録媒体から戻される再生光のうち不用な光を遮断するピンホールフィルタと、前記ピンホールフィルタを通過した再生光を読み取って電気信号に変換する撮像部材と、を有する請求項13記載の記録媒体駆動装置。
【請求項15】
前記ピックアップが、さらに情報を含むデータ光を生成する空間光変調器を有する請求項14記載の記録媒体駆動装置。
【請求項16】
前記記録媒体を、周方向に所定の角度ピッチで回転させる回転駆動部材が設けられている請求項13ないし15のいずれかに記載の記録媒体駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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