説明

記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、パラメータ調整方法、並びにこれらを適用した保存装置、コンピュータ・システム及び記録媒体

【課題】記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、パラメータ調整方法、並びにこれらを適用した保存装置、コンピュータ・システム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】記録媒体で、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する領域を、集団ディフェクト領域として決定する段階と、前記集団ディフェクト領域でのトラック当たりディフェクトサイズに基づいて、論理的トラック長を示す第1パラメータ値を調整する段階と、前記調整された第1パラメータ値を適用し、リード処理またはライト処理を行う段階と、を含むことを特徴とする、記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に係わるリード(read)処理方法またはライト(write)処理方法、及び装置に係り、特に、ディフェクトが存在する記録媒体でのリード処理方法またはライト処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連した先行技術としては、特許文献1及び特許文献2などがある。
【0003】
保存装置の一つであるディスクドライブは、ホスト機器から発せられる命令によって、記録媒体に/からデータをライト/リードすることによって、コンピュータ・システム運用に寄与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2004−0045644号公報
【特許文献2】特開2009−181672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ディスクドライブは、近年の高容量化、高密度化及び小型化に伴い、記録媒体でのディフェクトが発生する可能性が高まっている。これによって、ディフェクトが発生した記録媒体で、効率的にリード処理またはライト処理を実行させるための研究が必要になっている。
【0006】
本発明の目的は、記録媒体でのディフェクト発生状態によって、リード動作またはライト動作に関連したパラメータ値を調整し、リードまたはライトを行う記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法を提供するところにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、記録媒体でのディフェクト発生状態によって、リード動作またはライト動作に関連したパラメータ値を調整し、リードまたはライトを行う保存装置を提供するところにある。
【0008】
また、本発明のさらに他の目的は、ネットワーク上で、記録媒体でのディフェクト発生状態によって、リード動作またはライト動作に関連したパラメータ値を調整するパラメータ調整方法を提供するところにある。
【0009】
また、本発明のさらに他の目的は、記録媒体でのディフェクト発生状態によって、リード動作またはライト動作に関連したパラメータ値を調整し、リードまたはライトを行うコンピュータ・システムを提供するところにある。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、記録媒体でのディフェクト発生状態によって、リード動作またはライト動作に関連したパラメータ値を調整し、リード動作またはライト動作を処理する方法を行うプログラムコードが記録された記録媒体を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のある観点による記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法は、記録媒体で、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する領域を集団ディフェクト領域として決定する段階、前記集団ディフェクト領域でのトラック当たりディフェクトサイズに基づいて、論理的トラック長を示す第1パラメータ値を調整する段階、及び前記調整された第1パラメータ値を適用し、リード処理またはライト処理を行う段階を含む。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記臨界サイズは、記録媒体でのトラック・スイッチング所要時間に相応するトラック長に設定してもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記臨界サイズは、記録媒体でのトラック・スイッチング所要時間に相応するサーボセクタ数またはデータセクタ数に設定してもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域として決定する段階は、記録媒体でディフェクトが発生するデータセクタを検出する段階、及び前記ディフェクトが発生するデータセクタの分布によって、トラック当たり臨界サイズを超えるデータセクタでディフェクトが検出される領域を、集団ディフェクト領域として決定する段階を含んでもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域は、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが少なくとも一つ以上の隣接したトラックで発生する領域として決定してもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域は、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが、少なくとも一つ以上の隣接したトラックで発生し、前記ディフェクトの発生するデータセクタが隣接したトラックの対向する位置に初期設定された比率以上含む場合に、集団ディフェクト領域として決定してもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記記録媒体でディフェクトが発生するデータセクタを検出する段階は、トラックに記録されたサーボ信号を再生しつつ、サーボセクタ別サーボゲインを検出する段階、及び前記検出されたサーボセクタ別サーボゲインのサイズが、初期設定された第1臨界値を超えるサーボセクタに含まれたデータセクタを、ディフェクトセクタとして決定する段階を含んでもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記サーボセクタ別サーボゲインは、サーボセクタ別にサーボ情報が記録領域で生成されたサーボゲイン値の平均値として算出してもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記記録媒体でディフェクトが発生するデータセクタを検出する段階は、トラックに記録されたサーボ信号を再生しつつサーボセクタ別にサーボゲインを検出する段階、トラック別に当該トラックに含まれたサーボセクタに係わるサーボゲインの平均値を算出する段階、前記計算された平均値に、0より大きくて1より小さい比例定数を乗じて第2臨界値を算出する段階、及び前記検出されたサーボセクタ別サーボゲインのサイズが、前記第2臨界値を超えるサーボセクタに含まれたデータセクタを、ディフェクトセクタとして決定する段階を含んでもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記記録媒体でディフェクトが発生するデータセクタを検出する段階は、前記記録媒体にテストデータをライトする段階、前記記録媒体に記録されたテストデータを読み取りつつデータセクタ別にエラーが発生して訂正されたエラー訂正コード(ECC)シンボルの個数を算出する段階、及び前記算出されたデータセクタ別エラーが発生して訂正されたエラー訂正コードシンボルの個数が、初期設定された第3臨界値を超える場合、当該データセクタをディフェクトセクタとして決定する段階を含んでもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域は、ディスクのデータゾーン単位で決定してもよい。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域に含まれた各トラックでのトラック方向の集団ディフェクト領域の長さは、データゾーン別に同一に決定してもよい。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ディスク半径方向の前記集団ディフェクト領域の幅を、前記集団ディフェクト領域が含まれたデータゾーンの幅と同一になるように拡張させて決定してもよい。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域が存在するゾーンの幅と、ディスク半径方向の前記集団ディフェクト領域の幅との比率が、初期設定された比率を超える場合、前記集団ディフェクト領域の幅を、前記集団ディフェクト領域が含まれたデータゾーンの幅と同一に拡張させ、そうではない場合には、実際ディフェクトが発生したトラックだけを含むように、前記集団ディフェクト領域の幅を決定してもよい。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記第1パラメータ値は、物理的トラック長から、トラック方向の集団ディフェクト領域の長さを差し引いた値として調整してもよい。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記第1パラメータ値は、トラック当たりデータセクタの総個数から、1つのトラックに係わる前記集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタの個数を差し引いた値として調整してもよい。
【0027】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックでの開始セクタ位置を示す第2パラメータ値を決定する段階をさらに含んでもよい。
【0028】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックに係わる第2パラメータ値は、集団ディフェクト領域後の最初のデータセクタ位置を示す値として決定してもよい。
【0029】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックに係わる第2パラメータ値は、サーボ・インデックスマーク情報が検出される位置と、集団ディフェクト領域後の最初のデータセクタ位置との間に存在するデータセクタの個数として決定してもよい。
【0030】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域で決定された第2パラメータ値と、前記第1パラメータ値とを適用し、前記リード処理またはライト処理において、前記集団ディフェクト領域が始まる位置で、トラック・スイッチング動作を行なってもよい。
【0031】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタについては、論理的ブロックアドレスを割り当てないように、論理的トラック長を調整してもよい。
【0032】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点による記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法は、ディスクで、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する集団ディフェクト領域で、トラック当たりディフェクトサイズに基づいて、論理的トラック長を示す第1パラメータ値を調整する段階、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックでの集団ディフェクト領域後の最初のデータセクタ位置を示す第2パラメータ値を決定する段階、及び前記第1パラメータ値と第2パラメータ値とを適用し、リード処理またはライト処理を行う段階を含み、前記リード処理またはライト処理を行う段階で、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックで、サーボ・インデックスマーク情報が検出される時点から発生するセクタパルスの個数が、第2パラメータ値と一致する場合に、開始セクタ位置を知らせる信号を生成させ、前記開始セクタ位置を知らせる信号発生時点から発生するセクタパルスの個数が、第1パラメータ値と一致する場合に、最後のセクタ位置を知らせる信号を生成させることを特徴とする。
【0033】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記リード処理またはライト処理を行う段階で、前記最後のセクタ位置を知らせる信号を利用して最後のセクタを検出し、検出された最後のセクタにアクセスしてからトラック・スイッチング制御信号を生成させてもよい。
【0034】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記リード処理またはライト処理を行う段階で、前記トラック・スイッチング制御信号に基づいて、ヘッドを移動させるボイスコイルモータ駆動電流を生成させてもよい。
【0035】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点による保存装置は、データを保存するための複数のトラックを含む記録媒体、前記記録媒体にアクセスして情報をライトまたはリードするメディア・インターフェース、及び前記記録媒体の目標トラックに/からデータをライト/リードするように、前記メディア・インターフェースを制御するプロセッサを含み、前記プロセッサは、前記記録媒体で、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する集団ディフェクト領域が存在する場合に、前記集団ディフェクト領域でトラック当たりディフェクトサイズに基づいて、論理的トラック長を示す第1パラメータ値を調整することを特徴とする。
【0036】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、トラックに記録されたサーボ信号を再生する区間で、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインに基づいて、ディフェクトセクタを決定するディフェクトセクタ検出部をさらに含んでもよい。
【0037】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記ディフェクトセクタ検出部は、トラックに記録されたサーボ信号を再生する区間で、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインを入力し、サーボセクタ別サーボゲインを算出するサーボセクタ別サーボゲイン算出部、及び前記サーボセクタ別サーボゲインのサイズが、初期設定された第1臨界値を超えるサーボセクタに含まれたデータセクタを、ディフェクトセクタとして決定するディフェクトセクタ判定部を含んでもよい。
【0038】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記ディフェクトセクタ検出部は、トラックに記録されたサーボ信号を再生する区間で、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインを入力し、サーボセクタ別サーボゲインを算出するサーボセクタ別サーボゲイン算出部、前記算出されたサーボセクタ別サーボゲインを保存するバッファ、トラック単位で、前記算出されたサーボセクタ別サーボゲインの平均値を計算し、トラック別平均サーボゲインを算出するトラック別サーボゲイン算出部、前記トラック別平均サーボゲインに、0より大きくて1より小さい比例定数を乗じて第2臨界値を算出する臨界値算出部、及び前記バッファで読み取ったサーボセクタ別サーボゲインのサイズが、前記第2臨界値を超えるサーボセクタに含まれたデータセクタを、ディフェクトセクタとして決定するディフェクトセクタ判定部を含んでもよい。
【0039】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、テストデータが記録された記録媒体から読み取った情報に含まれたエラー訂正コードを利用してエラー訂正処理を実行するECC処理部、前記ECC処理部でデータセクタ別にエラーが発生して訂正されたエラー訂正コードシンボルの個数を算出するセクタ別ECC訂正シンボル個数算出部、及び前記データセクタ別にエラーが発生して訂正されたエラー訂正コードシンボルの個数が、初期設定された第3臨界値を超える場合、当該データセクタをディフェクトセクタとして決定するディフェクトセクタ判定部を含んでもよい。
【0040】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、前記集団ディフェクト領域に含まれた各トラックでのトラック方向の集団ディフェクト領域の長さを、データゾーン別に同一に決定することが望ましい。
【0041】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、物理的トラック長から、トラック方向の集団ディフェクト領域の長さを差し引いた値として、第1パラメータ値を調整してもよい。
【0042】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、トラック当たりデータセクタの総個数から、1つのトラックに係わる前記集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタの個数を差し引いた値として、第1パラメータ値を調整してもよい。
【0043】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、前記第1パラメータ値を、前記集団ディフェクト領域に含まれたあらゆるトラックで、同じ値として調整してもよい。
【0044】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックでの開始セクタ位置を示す第2パラメータ値を、同一に決定してもよい。
【0045】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックに係わる第2パラメータ値は、集団ディフェクト領域後の最初のデータセクタ位置を示す値として決定してもよい。
【0046】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックに係わる第2パラメータ値を、サーボ・インデックスマーク情報が検出される位置と、集団ディフェクト領域後の最初のデータセクタ位置との間に存在するデータセクタの個数として決定してもよい。
【0047】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、前記第1パラメータ値を、前記記録媒体、または前記保存装置に含まれた不揮発性メモリに保存させてもよい。
【0048】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックでの開始セクタ位置を示す第2パラメータ値を、前記保存装置に含まれた不揮発性メモリに保存させてもよい。
【0049】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、再生されるサーボ情報から、サーボ・インデックスマーク情報が検出される場合に、第1信号を生成させるサーボ・インデックスマーク情報検出部、前記第1信号が入力されればリセットされ、入力されるセクタパルスの個数をカウントして出力するセクタカウンタ1、サーボ・インデックスマーク情報検出の位置と、前記集団ディフェクト領域が終わる位置との間に含まれたセクタ個数を示す第2パラメータ値と、前記セクタカウンタ1でカウンティングされた値とを比較する比較器1、及び前記第2パラメータ値と、前記セクタカウンタ1でカウンティングされた値とが一致する場合に、第2信号を生成させる開始セクタ検出部をさらに含み、前記第2信号に基づいて、トラックでの開始セクタ位置を見つけ出し、リード動作またはライト動作を実行するように制御することを特徴とする。
【0050】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、前記第2信号が入力されればリセットされ、入力されるセクタパルスの個数をカウントして出力するセクタカウンタ2、前記セクタカウンタ2から出力される値と、前記第1パラメータ値とを比較する比較器2、及び前記セクタカウンタ2から出力される値と、前記第1パラメータ値とが一致する場合に、当該セクタが終わる地点でトラック・スイッチング制御信号を生成させるトラック・スイッチング制御信号生成部をさらに含んでもよい。
【0051】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記プロセッサは、前記集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタについては、論理的ブロックアドレスを割り当てないように、論理的トラック長を調整してもよい。
【0052】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によるコンピュータ・システムは、接続された保存装置を動作させるためのコマンドを発するホスト機器、及び前記ホスト機器から発せられるコマンドに基づいて、ホスト機器から伝送される情報を記録媒体に/からライト/リードし、前記ホスト機器に伝送する保存装置を含み、前記保存装置は、前記記録媒体で、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する集団ディフェクト領域が存在する場合に、前記集団ディフェクト領域でトラック当たりディフェクトサイズに基づいて、論理的トラック長を示す第1パラメータ値を調整してもよい。
【0053】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記保存装置は、トラック当たりデータセクタの総個数から、1つのトラックに係わる前記集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタの個数を差し引いた値として前記第1パラメータ値を調整してもよい。
【0054】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記保存装置は、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックでの開始セクタを示す第2パラメータ値を、集団ディフェクト領域後の最初のデータセクタ位置を示す値として決定してもよい。
【0055】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記保存装置は、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックでのリード処理またはライト処理を実行する場合、前記第1パラメータ値と、集団ディフェクト領域に含まれたトラックでの開始セクタを示す第2パラメータ値とを適用し、前記集団ディフェクト領域が始まる位置で、トラック・スイッチング動作を行ってもよい。
【0056】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点による保存装置のパラメータ調整方法は、ネットワークに接続された端末機から集団ディフェクト処理用プログラムをダウンロードする段階、及び前記ダウンロードされた集団ディフェクト処理用プログラムを保存装置で実行させる段階を含み、前記集団ディフェクト処理用プログラムは、保存装置の記録媒体でディフェクト検査を行い、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する領域を、集団ディフェクト領域として決定し、前記集団ディフェクト領域でのトラック当たりディフェクトサイズに基づいて、論理的トラック長を示す第1パラメータ値を調整するタスクを実行することを特徴とする。
【0057】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト処理用プログラムは、トラック当たりデータセクタの総個数から、1つのトラックに係わる前記集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタの個数を差し引いた値として、第1パラメータ値を調整するタスクを実行してもよい。
【0058】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記集団ディフェクト処理用プログラムは、前記集団ディフェクト領域に含まれた各トラックでの開始セクタ位置を示す第2パラメータ値を、前記集団ディフェクト領域が終わった後に来る最初のデータセクタ位置を示す値として決定するタスクを実行してもよい。
【0059】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点による記録媒体は、前記の記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、あるいは保存装置のパラメータ調整方法をコンピュータで実行させるためのプログラムコードが記録されている。
【発明の効果】
【0060】
以上説明したように本発明は、多様な形態の保存装置に適用され、特に、ハードディスクドライブに適用する場合、ディスクドライブで集団的に発生するディフェクトによる保存容量の損失を最小化させることができ、またディフェクトリストで管理するデータセクタの個数が減り、ディフェクトリストを保存するメモリ容量を減らことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の技術的思想による一実施形態によるコンピュータ・システムの構成図である。
【図2】図1に図示された保存装置のソフトウェア運用体系図である。
【図3】本発明の技術的思想による一実施形態によるディスクドライブのヘッドディスク・アセンブリの平面図である。
【図4】本発明の技術的思想による一実施形態によるディスクドライブの電気的な構成図である。
【図5】本発明に適用される記録媒体のディスクの1トラックに係わるセクタ構造を示す図面である。
【図6】図5に図示されたサーボ情報領域の構造を示す図面である。
【図7】本発明の技術的思想による一実施形態によるサーボゲインを算出する自動ゲイン制御回路の構成図である。
【図8】本発明の技術的思想による一実施形態によるディフェクトセクタ検出部の構成図である。
【図9】本発明の技術的思想による他の実施形態によるディフェクトセクタ検出部の構成図である。
【図10】本発明の技術的思想によるさらに他の実施形態によるディフェクトセクタ検出部の構成図である。
【図11】本発明の技術的思想による一実施形態による開始セクタ検出回路の構成図である。
【図12】本発明の技術的思想による一実施形態によるトラック・スイッチング制御回路の構成図である。
【図13】本発明の技術的思想による一実施形態による記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法のフローチャートである。
【図14】本発明の技術的思想による一実施形態による集団ディフェクト領域決定方法のフローチャートである。
【図15】本発明の技術的思想による一実施形態によるディフェクトセクタ検出方法のフローチャートである。
【図16】本発明の技術的思想による他の実施形態によるディフェクトセクタ検出方法のフローチャートである。
【図17】本発明の技術的思想によるさらに他の実施形態によるディフェクトセクタ検出方法のフローチャートである。
【図18】本発明の技術的思想による他の実施形態による記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法のフローチャートである。
【図19】本発明の技術的思想による一実施形態による、トラック方向でのサーボセクタ単位で集団ディフェクト領域を決定する方法を説明するためのトラック構成図である。
【図20】本発明の技術的思想による他の実施形態による、トラック方向でのデータセクタ単位で集団ディフェクト領域を決定する方法を説明するためのトラック構成図である。
【図21】本発明の技術的思想による一実施形態による、トラック方向の集団ディフェクト領域の長さを決定する方法について説明するためのトラック構成図である。
【図22】本発明の技術的思想による一実施形態による、ディスク半径方向の集団ディフェクト領域の幅を決定する方法について説明するためのトラック構成図である。
【図23】本発明の技術的思想による一実施形態による、集団ディフェクトについてゾーン別に集団ディフェクト領域を決定する方法について説明するためのデータゾーン概念図である。
【図24】本発明の技術的思想による一実施形態による、集団ディフェクトについてゾーン別に集団ディフェクト領域を決定する方法について説明するためのデータゾーン概念図である。
【図25】本発明の技術的思想による一実施形態による、集団ディフェクトについてゾーン別に集団ディフェクト領域を決定する方法について説明するためのデータゾーン概念図である。
【図26】本発明の技術的思想による一実施形態による、集団ディフェクトについてゾーン別に集団ディフェクト領域を決定する方法について説明するためのデータゾーン概念図である。
【図27】本発明の技術的思想による一実施形態による、集団ディフェクトについてゾーン別に集団ディフェクト領域を決定する方法について説明するためのデータゾーン概念図である。
【図28】本発明の技術的思想による一実施形態による、集団ディフェクト領域での論理的トラック長を調整する方法について説明するためのトラック構成図である。
【図29】本発明の技術的思想による一実施形態による、集団ディフェクト領域でのトラック・スイッチング動作について説明するためのトラック構成図を有している。
【図30】本発明を適用しない場合の集団ディフェクト領域でのトラック・スイッチング動作を概念的に示すトラック構成図である。
【図31】本発明の技術的思想による一実施形態による、集団ディフェクト領域を含むトラックでのライト動作時のライト・ゲートパルス波形図である。
【図32】本発明の技術的思想による一実施形態による、ネットワークを介して保存装置のパラメータを調整する方法について説明するためのネットワーク構成図である。
【図33】本発明の技術的思想による一実施形態による、保存装置のパラメータ調整方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明の技術的思想による実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。しかし、本発明の技術的思想による実施形態は、さまざまな異なる形態に変形され、本発明の範囲が、後述の実施形態によって限定されるものであると解釈されることがあってはならない。本発明の技術的思想による実施形態は、本発明が属する技術分野で当業者に、本発明についてさらに完全に説明するために提供されるものである。添付図面で、同じ符号は、終始同じ要素を意味する。
【0063】
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明の技術的思想による望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0064】
図1に図示されているように、本発明の技術的思想による一実施形態によるコンピュータ・システムは、保存装置1000、ホスト機器2000及びコネクタ3000を具備する。
【0065】
より詳細には、保存装置1000は、プロセッサ110、ROM(read−only memory)120、RAM(random−access memory)130、メディア・インターフェース(I/F)140、メディア150、ホスト・インターフェース(I/F)160及びバス170を具備する。
【0066】
ホスト機器2000は、保存装置1000を動作させるためのコマンドを発し、コネクタ3000を介して接続された保存装置1000に伝送し、発せられたコマンドによって、保存装置1000とデータを伝送したり受信するプロセスを行う。
【0067】
コネクタ3000は、ホスト機器2000のインターフェース・ポートと、保存装置1000のインターフェース・ポートとを電気的に連結する手段であり、データコネクタと電源コネクタとが含まれる。一例として、SATA(serial advanced technology attachment)インターフェースを利用する場合に、コネクタ3000は、7ピンのSATAデータコネクタと、15ピンのSATA電源コネクタとから構成されうる。
【0068】
SATA標準によれば、SATA電源コネクタの11番ピンポートは、オプションとして、スタッガード・スピンアップ(SSU:staggered spin−up)用途と規定されている。スタッガード・スピンアップ機能は、1つのホスト機器に、いくつかのディスクドライブが連結されている場合、ホスト機器のパワーオン時に、それぞれのディスクドライブを順次に起動させて待機状態に転換させる機能である。
【0069】
まず、保存装置1000の構成手段について説明する。
【0070】
プロセッサ110は、コマンドを解釈し、解釈された結果によって、データ保存装置の構成手段を制御する役割を行う。プロセッサ110は、コードオブジェクト管理ユニットを含んでおり、コードオブジェクト管理ユニットを利用し、メディア150に保存されているコードオブジェクトを、RAM 130にローディングさせる。プロセッサ110は、図13ないし図18のフローチャートによる記録媒体に係わるリード(read)処理方法またはライト(write)処理方法、並びに図33のフローチャートによる保存装置のパラメータ調整方法を実行させるためのコードオブジェクトを、RAM 130にローディングさせる。
【0071】
それにより、プロセッサ110は、RAM 130にローディングされたコードオブジェクトを利用し、図13ないし図18のフローチャートによる記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、並びに図33のフローチャートによる保存装置のパラメータ調整方法に係わるタスク(task)を実行する。プロセッサ110による、記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、並びに保存装置のパラメータ調整方法については、下記図13ないし図18及び図33についての説明で詳細に取り扱う。
【0072】
ROM 120には、データ保存装置を動作させるのに必要なプログラムコード及びデータが保存されている。
【0073】
RAM 130には、プロセッサ110の制御によって、ROM 120またはメディア150に保存されたプログラムコード及びデータがローディングされる。
【0074】
メディア150は、保存装置の主記録媒体であり、ディスクまたは不揮発性半導体メモリ素子を含むことができる。保存装置は、一例としては、ディスクドライブを含むことができ、ディスクドライブでのディスク及びヘッドが含まれたヘッドディスク・アセンブリ100の細部構成を図3に図示した。
【0075】
図3を参照すれば、ヘッドディスク・アセンブリ100は、スピンドルモータ14によって回転する少なくとも1つのディスク12を含んでいる。ヘッドディスク・アセンブリ100は、ディスク12の表面に隣接するように位置したヘッド16をさらに含んでいる。
【0076】
ヘッド16は、それぞれのディスク12の磁界を感知して磁化させることによって、回転するディスク12から/に情報の読み取り(リード(read))/書き込み(ライト(write))を行うことができる。典型的には、ヘッド16は、各ディスク12表面に結合されている。たとえ単一のヘッド16として図示されて説明されているとしても、これは、ディスク12を磁化させるための記録用ヘッドと、ディスク12の磁界を感知するための分離された読み取り用ヘッドとからなると理解しなければならない。読み取り用ヘッドは、磁気抵抗(MR:magneto−resistive)素子から構成されている。ヘッド16は、磁気ヘッド(magnetic head)または変換器(transducer)とも呼ばれる。
【0077】
ヘッド16は、スライダ20に統合されている。スライダ20は、ヘッド16とディスク12表面との間に、空気ベアリング(air bearing)を生成させる構造によってなっている。スライダ20は、ヘッドジンバル・アセンブリ22に結合されている。ヘッドジンバル・アセンブリ22は、ボイスコイル26を有するアクチュエータ・アーム24に付着されている。ボイスコイル26は、ボイスコイルモータ(VCM:voice coil motor)30を特定するように、マグネチック・アセンブリ28に隣接するように位置している。ボイスコイル26に供給される電流は、ベアリング・アセンブリ32に対して、アクチュエータ・アーム24を回転させるトルクを発生させる。アクチュエータ・アーム24の回転は、ディスク12の表面を横切ってヘッド16を移動させる。
【0078】
情報は、典型的には、ディスク12の環状トラック内に保存される。各トラック34は、複数のセクタを含んでいる。1トラックに係わるセクタ構成を、図5に図示した。
【0079】
図5に図示されているように、1つのサーボセクタ区間Tには、サーボ情報領域Sと、データ領域とから構成され、データ領域には、複数個のデータセクタDが含まれる。もちろん、1つのサーボセクタ区間に、単一のデータセクタDが含まれるように構成することもできる。そして、サーボ情報領域Sには、細部的には、図6のような信号が記録されている。
【0080】
図6に図示されているように、サーボ情報領域Sには、プリアンブル(preamble)601、サーボ同期表示信号602、グレイコード(gray code)603及びバースト(burst)信号604が記録されている。
【0081】
プリアンブル601は、サーボ情報読み出し時にクロック同期を提供し、またサーボセクタ前にギャップ(gap)をおいて、一定のタイミングマージンを提供する。そして、自動ゲイン制御(AGC)回路のゲインを決定するのに利用される。
【0082】
サーボ同期表示信号602は、サーボ・アドレスマーク(SAM:servo address mark)及びサーボ・インデックスマーク(SIM:servo index mark)から構成される。サーボ・アドレスマークは、サーボセクタの開始を示す信号であり、サーボ・インデックスマークは、トラックでの最初のサーボセクタの開始を示す信号である。
【0083】
グレイコード603は、トラック情報を提供し、バースト信号604は、ヘッド16がトラック34の中央を追従するように制御するのに利用される信号であり、一例としては、A,B,C,D4個のパターンから構成される。すなわち、4個のバーストパターンを組み合わせて、トラック追従制御時に使われる位置エラー信号を生成させる。
【0084】
ディスク12の記録可能な領域には、論理ブロックアドレスが割り当てられる。ディスクドライブで論理ブロックアドレスは、シリンダ/ヘッド/セクタ情報に変換され、ディスク12の記録領域が指定される。ディスク12は、ユーザがアクセスできないメンテナンス・シリンダ(maintenance cylinder)領域と、ユーザがアクセスすることができるユーザデータ領域とに区分される。メンテナンス・シリンダ領域をシステム領域と称することもある。メンテナンス・シリンダ領域には、ディスクドライブ制御に必要な各種情報が保存されており、もちろん、本発明による記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、並びに保存装置のパラメータ調整方法を行うのに必要な情報も保存されている。そして、集団ディフェクト領域(massive defective area)に関連した情報が、ディスク12のメンテナンス・シリンダ領域に保存される。前記集団ディフェクト領域に関連した情報は、集団ディフェクト領域に含まれたトラックでの開始セクタを示すセクタ#0の位置に係わるパラメータ情報と、集団ディフェクト領域で調整された論理的トラック長を示すパラメータ情報と、を含む。そして、集団ディフェクト領域に関連した情報には、記録媒体での集団ディフェクト領域の位置を示す情報を含む。
【0085】
ヘッド16は、異なるトラックにある情報を読んだり記録するために、ディスク12の表面を横切って移動する。ディスク12には、ディスクドライブに多様な機能を具現させるための複数個のコードオブジェクトが保存されうる。一例として、MP3プレーヤの機能を行うためのコードオブジェクト、ナビゲーション機能を行うためのコードオブジェクト、多様なビデオゲームを行うためのコードオブジェクトなどが、ディスク12に保存されうる。
【0086】
再び図1を参照すれば、メディア・インターフェース140は、プロセッサ110がメディア150にアクセスし、情報をライトまたはリードできるように処理する構成手段である。ディスクドライブとして具現される保存装置でのメディア・インターフェース140は、細部的には、ヘッドディスク・アセンブリ100を制御するサーボ回路と、データリード/ライトのための信号処理を行うリード/ライトチャネル回路と、を含む。
【0087】
ホスト・インターフェース160は、パソコン(PC)、モバイル機器のような、ホスト機器2000とのデータ送受信処理を実行する手段であり、例えば、SATAインターフェース、PATA(parallel advanced technology attachment)インターフェース、USB(universal serial bus)インターフェースのような多様な規格のインターフェースを利用することができる。
【0088】
バス170は、保存装置の構成手段間の情報を伝達する役割を行う。
【0089】
次に、保存装置の一例であるハードディスクドライブ(HDD)のソフトウェア運用体系について、図2を参照して説明する。
【0090】
図2に図示されているように、HDDのメディア150Aには、複数のコードオブジェクト(CODEOBJECT 1〜N)が保存されている。
【0091】
ROM 120には、ブートイメージ(BOOT IMAGE)及び圧縮されたRTOS(real time operating system)イメージ(PACKED RTOS IMAGE)が保存されている。
【0092】
ディスクに保存されたコードオブジェクトは、ディスクドライブの動作に必要なコードオブジェクトだけではなく、ディスクドライブに拡張することができる多様な機能に関連したコードオブジェクトも含まれる。特に、図13ないし図18のフローチャートによる記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、並びに図33のフローチャートによる保存装置のパラメータ調整方法を実行させるためのコードオブジェクトが、HDDメディア150Aのディスクに保存されている。もちろん、図13ないし図18及び図33のフローチャートによる方法を実行させるためのコードオブジェクトを、HDDメディア150Aのディスクの代わりに、ROM 120に保存することもできる。そして、MP3プレーヤ機能、ナビゲーション機能、ビデオゲーム機能などの多様な機能を行うコードオブジェクトも、ディスクに保存されうる。
【0093】
RAM 130には、ブーティング過程で、ROM 120からブートイメージ(BOOT IMAGE)を読み取り、圧縮解除されたRTOSイメージ(UNPACKED RTOS IMAGE)がローディングされる。そして、HDDメディア150Aに保存されているホスト・インターフェース遂行に必要なコードオブジェクトがRAM 130にローディングされる(LOADED CODE OBJECT)。もちろん、RAM 130には、データを保存するための領域(DATA AREA)も割り当てられている。
【0094】
チャネル回路200には、データリード/ライトのための信号処理を行うのに必要な回路が内蔵されており、サーボ回路210には、データリード/ライト動作を行うために、ヘッドディスク・アセンブリ100を制御するのに必要な回路が内蔵されている。
【0095】
RTOS(real time operating system)110Aは、リアルタイム運用体系プログラムであり、ディスクを利用した多重プログラム運用体系である。タスクによって優先順位が高い前位(foreground)では、リアルタイム多重処理を行い、優先順位が低い後位(background)では、一括処理を行う。そして、ディスクからのコードオブジェクトのローディングと、ディスクへのコードオブジェクトのアンローディングと行う。
【0096】
RTOS 110Aは、コードオブジェクト管理ユニット(COMU(code object management unit)110−1、コードオブジェクト・ローダ(COL(code object loader))110−2、メモリハンドラ(MH(memory handler))110−3、チャネル制御モジュール(CCM(channel control module))110−4及びサーボ制御モジュール(SCM(servo control module))110−5を管理し、要請された命令によるタスクを実行する。RTOS 110Aはまた、アプリケーション・プログラム220を管理する。
【0097】
より詳細には、RTOS 110Aは、ディスクドライブのブーティング過程で、ディスクドライブ制御に必要なコードオブジェクトを、RAM 130にローディングさせる。従って、ブーティング過程を実行してから、RAM 130にローディングされたコードオブジェクトを利用して、ディスクドライブを動作させることができる。
【0098】
COMU 110−1は、コードオブジェクトが記録されている位置情報を保存し、仮想アドレスを実際のアドレスに変換させ、バスを仲裁する処理を行う。また、実行されているタスクの優先順位に係わる情報も保存されている。そして、コードオブジェクトに係わるタスク遂行に必要なタスク制御ブロック(TCB:task control block)情報及びスタック情報も管理する。
【0099】
COL 110−2は、COMU 110−1を利用して、HDDメディア150Aに保存されているコードオブジェクトをRAM 130にローディングさせたり、RAM 130に保存されているコードオブジェクトを、HDDメディア150Aにアンローディングさせる処理を行う。これにより、COL 110−2は、HDDメディア150Aに保存されている図13ないし図18及び図33のフローチャートによる方法を実行させるためのコードオブジェクトを、RAM 130にローディングさせることができる。
【0100】
RTOS 110Aは、RAM 130にローディングされたコードオブジェクトを利用し、後述する図13ないし図18のフローチャートによる記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、並びに図33のフローチャートによる保存装置のパラメータ調整方法を実行させることができる。
【0101】
MH 110−3は、ROM 120及びRAM 130にデータをライトしたりリードする処理を行う。
【0102】
CCM 110−4は、データリード/ライトのための信号処理を行うのに必要なチャネル制御を行い、SCM 110−5は、データリード/ライトを行うために、ヘッドディスク・アセンブリを含むサーボ制御を行う。
【0103】
次に、図1に図示された本発明の技術的思想による一実施形態による保存装置1000の一例であるディスクドライブ1000の電気的な回路構成を図4に図示してある。
【0104】
図4に図示されているように、本発明の技術的思想による一実施形態によるディスクドライブ1000は、プリアンプ410、リード/ライト(R/W)チャネル420、プロセッサ430、ボイスコイルモータ(VCM)駆動部440)、スピンドルモータ(SPM)駆動部450)、ROM 460、RAM 470及びホスト・インターフェース480を具備する。
【0105】
プロセッサ430は、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、マイクロ・プロセッサ、マイクロ・コントローラなどになりうる。プロセッサ430は、ホスト・インターフェース480を介して、ホスト機器2000から受信されるコマンドによって、ディスク12から情報を読み取ったり、またはディスク12に情報を記録するために、リード/ライトチャネル420を制御する。
【0106】
プロセッサ430は、ボイスコイルモータ(VCM)30を駆動させるための駆動電流を供給するVCM駆動部440に結合されている。プロセッサ430は、ヘッド16の動きを制御するために、VCM駆動部440に制御信号を供給する。
【0107】
プロセッサ430は、スピンドルモータ(SPM)14を駆動させるための駆動電流を供給するSPM駆動部450にまた結合されている。プロセッサ430は、電源が供給されれば、スピンドルモータ14を目標速度で回転させるために、SPM駆動部450に制御信号を供給する。
【0108】
プロセッサ430は、ROM 460及びRAM 470とそれぞれ結合されている。ROM 460には、ディスクドライブを制御するファームウェア及び制御データが保存されている。図13ないし図18のフローチャートによる記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、並びに図33のフローチャートによる保存装置のパラメータ調整方法を実行させるためのプログラムコード及び情報がROM 460に保存されうる。もちろん、図13ないし図18のフローチャートによる記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、並びに図33のフローチャートによる保存装置のパラメータ調整方法を実行させるためのプログラムコード及び情報は、ROM 460の代わりに、ディスク12のメンテナンス・シリンダ領域に保存されることもできる。
【0109】
RAM 470には、プロセッサ430の制御によって、ROM 460またはディスク12に保存されたプログラムコードが初期化モードでローディングされ、ホスト・インターフェース480を介して受信されるデータ、またはディスク12から読み取ったデータが臨時的に保存される。
【0110】
RAM 470は、DRAM(dynamic random−access memory)またはSRAM(static random access memory)によって具現することができる。また、RAM 470は、SDR(single data rate)方式またはDDR(double data rate)方式で駆動されるように設計することができる。
【0111】
そして、プロセッサ430は、ROM 460、またはディスク12のメンテナンス・シリンダ領域に保存されたプログラムコード及び情報を利用し、図13ないし図18及び図33に図示されたようなフローチャートによって、記録媒体に係わるリード処理またはライト処理及びパラメータ調整を実行するように、ディスクドライブを制御することができる。
【0112】
次に、ディスクドライブのデータリード動作及びデータライト動作について説明する。
【0113】
データ読み取り(read)モードで、ディスクドライブは、ディスク12から、ヘッド16によって感知された電気的な信号を、プリアンプ410で増幅させる。その後、リード/ライトチャネル420で、信号の大きさによってゲインを自動的に可変させる自動ゲイン制御回路(図7参照)によって、プリアンプ410から出力される信号を増幅させ、これをデジタル信号に変換させた後、復号処理を行ってデータを検出する。検出されたデータは、プロセッサ430で、一例として、エラー訂正コード(ECC:error correction code)であるリード・ソロモン符号を利用したエラー訂正処理を実行した後、ストリームデータに変換し、ホスト・インターフェース480を介して、ホスト機器2000に伝送する。
【0114】
データ書き込み(write)モードで、ディスクドライブは、ホスト・インターフェース480を介して、ホスト機器からデータを入力され、プロセッサ430で、リード・ソロモン符号によるエラー訂正用シンボルを付加し、リード/ライトチャネル420によって、記録チャネルに適するように符号化処理した後、プリアンプ410によって増幅された記録電流で、ヘッド16を介してディスク12に記録させる。
【0115】
次に、RAM 470にローディングされた図13ないし図18のフローチャートによる記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法、並びに図33のフローチャートによる保存装置のパラメータ調整方法を実行させるためのプログラムコード及び情報を利用し、プロセッサ430によって、記録媒体に係わるリードまたはライトを行う動作について説明する。
【0116】
まず、ディスクのドライブでの集団ディフェクト領域を決定するために、ディフェクト検査を行わねばならない。ディフェクト検査は、ディスクドライブの製造工程で行われる。そして、ユーザ環境でも、ディフェクト検査を行うことができるが、これについては、図32及び図33で説明する。
【0117】
本発明の一実施形態によるサーボゲインを利用してディフェクト検査を行う場合に、図7のようなサーボゲインを算出する自動ゲイン制御回路が利用される。
【0118】
図7に図示されているように、自動ゲイン制御回路は、可変ゲイン増幅器(VGA)701、低域通過フィルタ(LPF)702、アナログ/デジタル変換器(ADC)703及びゲイン制御器704から構成される。自動ゲイン制御回路は、図4のリード/ライトチャネル420に含まれる。
【0119】
可変ゲイン増幅器701は、プリアンプ410から入力される再生信号S_inを、ゲイン制御器704によって生成されるゲイン値Giで増幅させ、低域通過フィルタ702に出力する。
【0120】
低域通過フィルタ702は、可変ゲイン増幅器701から出力される信号の低周波帯域の信号だけを通過させ、高周波ノイズは遮断させる。
【0121】
アナログ/デジタル変換器703は、低域通過フィルタ702から出力されるアナログ信号を、デジタル信号に変換させて出力する。デジタル変換された信号S_outは、リード/ライトチャネル420のデコーダ(図面せず)で復号処理される。
【0122】
ゲイン制御器704は、アナログ/デジタル変換器703から出力されるデジタル信号を入力し、入力されるデジタル信号の大きさによって、可変ゲイン増幅器701のゲイン値Giを制御する。すなわち、入力されるデジタル信号の大きさが、目標値に達していない場合には、ゲイン値Giを増加させ、目標値を超える場合には、ゲイン値Giを減少させる。従って、ゲイン値Giは、可変ゲイン増幅器701に入力される信号の大きさに反比例する特性を有する。
【0123】
特に、可変ゲイン増幅器701に入力される信号の大きさが非常に小さい場合には、可変ゲイン増幅器701のゲイン値Giを最大値に増加させても、アナログ/デジタル変換器703から出力されるデジタル信号の大きさが目標値に達していない現象が発生しうる。
【0124】
このように、自動ゲイン制御回路で生成されるゲイン値Giは、プロセッサ430に出力される。
【0125】
それにより、プロセッサ430は、図8のような本発明の一実施形態によるディフェクトセクタ検出回路によって、ディフェクトセクタを判定することができる。
【0126】
図8に図示されているように、本発明の一実施形態によるディフェクトセクタ検出回路は、サーボゲイン算出部801及びディフェクトセクタ判定部802を具備する。
【0127】
サーボゲイン算出部801は、トラックに記録されたサーボ信号を再生する区間の間、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインを入力し、サーボセクタ別サーボゲインを算出する。一例として、サーボセクタ単位で、サーボ信号が再生される区間の間、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインの平均値を計算し、サーボセクタ別サーボゲインを算出することもできる。
【0128】
ディフェクトセクタ判定部802は、サーボゲイン算出部801から出力されるサーボセクタ別サーボゲインを入力し、入力されたサーボセクタ別サーボゲインのサイズが、第1臨界値TH1を超えるサーボセクタに含まれたデータセクタを、ディフェクトセクタとして決定し、ディフェクトセクタを示す情報diを出力する。ここで、第1臨界値TH1は、データライト処理またはデータリード処理を成功して行うことができるサーボゲインの境界値であり、実験を介して設定することができる。
【0129】
次に、プロセッサ430は、図9のような本発明の他の実施形態によるディフェクトセクタ検出回路によって、ディフェクトセクタを判定することができる。
【0130】
図9に図示されているように、本発明の他の実施形態によるディフェクトセクタ検出回路は、第1サーボゲイン算出部901、バッファ902、第2サーボゲイン算出部903、臨界値算出部904及びディフェクトセクタ判定部905を具備する。
【0131】
第1サーボゲイン算出部901は、トラックに記録されたサーボ信号を再生する区間の間、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインを入力し、サーボセクタ別サーボゲインを算出する。一例として、サーボセクタ単位でサーボ信号が再生される区間の間、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインの平均値を計算し、サーボセクタ別サーボゲインを算出することもできる。
【0132】
バッファ902には、1トラックに係わるサーボセクタ別に算出されたサーボゲインが保存される。バッファ902は、図4に図示されたディスクドライブのRAM 470でもって具現することができる。
【0133】
第2サーボゲイン算出部903は、トラック単位で算出されたサーボセクタ別サーボゲインの平均値を計算し、トラック別サーボゲインを算出する。
【0134】
臨界値算出部904は、第2サーボゲイン算出部903で計算されたトラック別サーボゲインに比例定数αを乗じ、第2臨界値TH2を算出する。ここで、比例定数αは、0より大きくて1より小さい値であり、実験を介して、データライト処理またはデータリード処理を成功して行うことができるサーボゲインの境界値である第2臨界値TH2を算出するように設定することができる。
【0135】
ディフェクトセクタ判定部905は、バッファ902で読み取ったサーボセクタ別サーボゲインのサイズが、臨界値算出部904で計算された第2臨界値TH2を超えるサーボセクタに含まれたデータセクタをディフェクトセクタとして決定し、ディフェクトセクタを示す情報diを出力する。
【0136】
次に、本発明の他の実施形態によるエラー訂正処理を利用してディフェクト検査を行うディフェクトセクタ検出回路について、図10を参照して説明する。
【0137】
図10に図示されているように、本発明の他の実施形態によるディフェクトセクタ検出回路は、ECC処理部1001、セクタ別ECC訂正シンボル個数算出部1002及びディフェクトセクタ判定部1003を具備する。
【0138】
ECC処理部1001は、リード・ソロモン(Reed Solomon)復号器(図面せず)でテストデータが記録された記録媒体のデータセクタから読み取った情報に含まれたエラー訂正コード(ECC)を利用し、エラー訂正処理を実行する。ECC処理部1001は、データセクタから読み取った情報に含まれたエラー訂正コードシンボル中から、エラーが訂正されたECC訂正シンボルを検出し、検出されたECC訂正シンボルを示す情報を出力する。
【0139】
ECC訂正シンボル個数算出部1002は、ECC処理部1001から出力されるECC訂正シンボルを示す情報を利用し、データセクタ別にエラーが訂正されたECC訂正シンボルの個数を算出する。
【0140】
ディフェクトセクタ判定部1003は、データセクタ別にエラーが発生して訂正されたECC訂正シンボルの個数が、第3臨界値を超える場合、当該データセクタをディフェクトセクタとして決定し、ディフェクトセクタを示す情報diを出力する。ここで、第3臨界値は、1つのセクタで、エラー訂正処理を正常に行うことができる最大ECCシンボルの個数と同じであるか、あるいは小さく設定する。一例として、1つのセクタで正常にエラー訂正処理することができる最大ECCシンボルの個数の90%に第3臨界値を設定することができる。
【0141】
次に、ディスクドライブのプロセッサ430は、前述のようなディフェクトセクタ検出回路で検出されたディフェクトセクタの分布状態を分析し、集団ディフェクト領域を決定する。
【0142】
参考までに、ディスクドライブでの集団ディフェクトは、ディスクをディスクドライブに組み立てる過程で発生するディスクたわみ(warping)現象、またはディスクに磁性層が不均一に生成される現象などによって発生しうる。もちろん、それ以外の多様な原因によって、ディスクでの集団ディフェクトが生成されうる。
【0143】
プロセッサ430は、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する領域を、集団ディフェクト領域として決定する。ここで、臨界サイズは、ディスクでのトラック・スイッチング所要時間に相応するトラック長に設定することができる。具体的に臨界サイズは、ディスクでのトラック・スイッチング所要時間に相応するサーボセクタ数またはデータセクタ数に設定することができる。
【0144】
また、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域を、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが、少なくとも一つ以上の隣接したトラックで発生する領域として決定することもできる。
【0145】
そして、プロセッサ430は、単一トラックで臨界サイズを超える連続したデータセクタでのディフェクトが、少なくとも一つ以上の隣接したトラックで連続的に発生し、ディフェクトが発生する連続したデータセクタが、隣接したトラックの対向する位置に初期設定された比率以上含む場合に、集団ディフェクト領域として決定することもできる。
【0146】
プロセッサ430は、トラック方向の集団ディフェクト領域の長さMDD_LENGTHを、図19に図示されているように、サーボセクタ単位で決定することができる。また、トラック方向の集団ディフェクト領域の長さMDD_LENGTHを、図20に図示されているように、データセクタ単位で決定することもできる。
【0147】
そして、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域に含まれた各トラックでのトラック方向の集団ディフェクト領域の長さMDD_LENGTHを、ディスクのデータゾーン別に同一に決定することができる。具体的には、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域に含まれた各トラックでの連続するディフェクトデータセクタをいずれも含むように、図21に図示されているように、トラック方向の集団ディフェクト領域の長さMDD_LENGTHを決定することができる。
【0148】
次に、プロセッサ430で、ディスク半径方向の集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHを決定する方法について、図22を参照して説明する。
【0149】
プロセッサ430は、ディスク半径方向の集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHを、実際に連続的なディフェクトが発生したトラックだけを含むように決定することができる。また、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHが、集団ディフェクト領域が含まれたゾーンの幅ZONE_WIDTHと同一になるように、集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHを拡張させて決定することもできる。
【0150】
そして、プロセッサ430は、他の実施形態として、集団ディフェクト領域が存在するゾーンの幅ZONE_WIDTHに係わるディスク半径方向の集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHの比率が、初期設定された比率を超える場合に、集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHを、集団ディフェクト領域が含まれたゾーンの幅ZONE_WIDTHと同一に拡張させて決定し、そうではない場合には、実際に連続的なディフェクトが発生したトラックだけを含むように、集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHを決定することができる。ここで、初期設定された比率は、一例として、50%に決定することができ、もちろん、初期設定された比率は、異なる値として決定することもできる。
【0151】
図23ないし図27を参照して、本発明の技術的思想による一実施形態による多様な形態を有する集団ディフェクトについて、ゾーン別に、プロセッサ430で集団ディフェクト領域を決定する方法について説明する。
【0152】
図23を参照すれば、単一の集団ディフェクトが、1つのデータゾーンNで発生する場合、プロセッサ430は、実際の集団ディフェクト領域Aと、集団ディフェクトが発生していない領域B及び領域Cとを含み、集団ディフェクト領域の幅を、集団ディフェクト領域が含まれたデータゾーンの幅と同一になるように、集団ディフェクト領域の幅を拡張させて決定する。
【0153】
図24を参照すれば、集団ディフェクトが、複数のデータゾーンN,N+1にわたって発生する場合、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域が存在するデータゾーンの幅に係わるディスク半径方向の集団ディフェクト領域の幅の比率が、初期設定された比率を超えるデータゾーンNでは、集団ディフェクト領域の幅を、集団ディフェクト領域が含まれたデータゾーンNの幅と同一になるように決定し、集団ディフェクト領域が存在するデータゾーンの幅に係わるディスク半径方向の集団ディフェクト領域の幅の比率が、初期設定された比率を超えないデータゾーンN+1では、実際に連続的なディフェクトが発生したトラックだけを含むように、集団ディフェクト領域の幅を決定することができる。すなわち、データゾーンNでのみ、集団ディフェクト領域が(A+C)に拡張され、データゾーンN+1でのディフェクト領域Bの範囲は、拡張されない。
【0154】
図25を参照すれば、複数の集団ディフェクトが、1つのデータゾーンNで発生する場合、プロセッサ430は、データゾーンNに存在する複数の集団ディフェクトがいずれも含まれるように、トラック方向の集団ディフェクト領域の長さMDD_LENGTHを決定することができる。すなわち、データゾーンNで発生する1つの集団ディフェクト領域A、他の集団ディフェクト領域B、及び集団ディフェクトが発生していない領域Cを含む領域を、データゾーンNでの集団ディフェクト領域の範囲として決定することができる。
【0155】
図26を参照すれば、隣接したゾーンN,N+1で、それぞれ独立的な集団ディフェクトが発生する場合、プロセッサ430は、データゾーンNとデータゾーンN+1とでそれぞれ独立して集団ディフェクト領域を決定する。すなわち、データゾーンNとデータゾーンN+1とでそれぞれ存在する集団ディフェクト領域の幅の比率が、初期設定された比率を超える場合、データゾーンNとデータゾーンN+1とで、それぞれの集団ディフェクト領域の幅を、当該データゾーンの幅と同一になるように拡大させる。従って、データゾーンNの集団ディフェクト領域は、(A+B+C)領域として決定され、データゾーンN+1の集団ディフェクト領域は、(D+E+F)領域として決定される。
【0156】
図27を参照すれば、1つの集団ディフェクトが複数のデータゾーンにわたって発生し、もう1つのデータゾーンで複数の集団ディフェクトが発生する場合、プロセッサ430は、データゾーンNとデータゾーンN+1とで、それぞれ独立して集団ディフェクト領域を決定する。すなわち、データゾーンNでは、集団ディフェクトが発生する領域Aとして集団ディフェクト領域を決定する。そして、データゾーン単位で単一の集団ディフェクト領域の範囲を決定するために、データゾーンN+1では、集団ディフェクト領域が(B+C+D)領域として決定される。
【0157】
プロセッサ430は、図29に図示されているように、集団ディフェクト領域に含まれたトラックでの集団ディフェクト領域後の最初のデータセクタを、開始セクタを意味するセクタ#0として決定する。すなわち、最初のデータセクタ位置情報として、開始セクタ位置を示す第2パラメータ値をスキュー情報MDD_SKEWとして表示することもできる。
【0158】
換言すれば、トラックでのセクタの開始を知らせるSIM情報が検出されるセクタ位置から、集団ディフェクト領域後の最初のデータセクタ位置までの区間長を、スキュー情報MDD_SKEWとして定義することができ、スキュー情報MDD_SKEWは、サーボセクタ数またはデータセクタの数として表示することができる。
【0159】
図28に図示されたトラック構成図を参照すれば、トラック方向での集団ディフェクト領域が、セクタ位置DAsから始まり、セクタ位置DAeで終わる場合、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域での調整された論理的トラック長を示す第1パラメータ値であるSpTC’を数式1のように計算することができる。
【0160】
(数1)
SpTC’=SpTC−DDSC (数式1)
【0161】
ここで、SpTCは、物理的なトラック長を示し、DDSCは、集団ディフェクト領域の長さを示している。
【0162】
具体的には、SpTCは、1つのトラックに含まれたデータセクタの総個数を意味し、DDSCは、1つのトラックについて、集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタの総個数を意味する。参考的までに、DDSCは、前述のトラック方向の集団ディフェクト領域の長さMDD_LENGTHと同じ概念のパラメータ値である。
【0163】
集団ディフェクト領域での論理的トラック長を示す第1パラメータ値であるSpTC’は、トラック当たりデータセクタの総個数から、トラック当たり集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタの総個数を差し引いたデータセクタ個数として調整される。すなわち、集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタについては、論理的なアドレスを割り当てない方式で、論理的トラック長を調整する。これによって、集団ディフェクト領域に含まれたセクタについては、ディフェクトリストを生成させる必要がなくなる。
【0164】
プロセッサ430は、集団ディフェクト領域に関連した情報を、ディスク12またはROM 460に保存させるように、ディスクドライブを制御する。集団ディフェクト領域に関連した情報には、集団ディフェクト領域での論理的セクタ#0位置を示す第2パラメータ値と、集団ディフェクト領域で調整された論理的トラック長を示す第1パラメータ値とのトラック当たり論理的セクタ個数を示す情報が含まれる。そして、集団ディフェクト領域に関連した情報には、ヘッド情報、集団ディフェクト領域の開始シリンダ情報、集団ディフェクト領域の最後のシリンダ情報などが含まれる。
【0165】
もし集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHが、集団ディフェクト領域が含まれたゾーンの幅ZONE_WIDTHと同一になるように、集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHを決定する方式を採用する場合、集団ディフェクトのトラック位置を示す情報には、ヘッド情報及びゾーン情報などが含まれる。
【0166】
プロセッサ430は、ディスク12またはROM 460に保存された集団ディフェクト領域に関連した情報を、RAM 470にローディングさせた後、ローディングされた集団ディフェクト領域に関連した情報を利用し、データリード動作またはライト動作を実行する。
【0167】
図11は、データリード処理またはライト処理を実行する過程で、トラックでの開始セクタ位置を検出する本発明の一実施形態による開始セクタ検出回路の構成図である。図11に図示された開始セクタ検出回路は、ディスクドライブのプロセッサ430に含まれるように設計することができる。また、図11に図示された開始セクタ検出回路は、プロセッサ430に含まれないように設計することもできる。すなわち、開始セクタ検出回路を、リード/ライトチャネル420に含まれるように設計することもできる。
【0168】
図11に図示されているように、本発明の一実施形態による開始セクタ検出回路は、SIM情報検出部1101、セクタカウンタ1 1102、比較器1 1103及び開始セクタ検出部1104を具備する。
【0169】
SIM情報検出部1101は、再生されるサーボ信号から、サーボ・インデックスマーク(SIM)情報が検出される場合、第1信号を生成させる。SIM情報は、トラックでの最初のサーボセクタの開始を示す信号である。
【0170】
セクタカウンタ1 1102は、SIM情報検出部1101から、第1信号S1が入力されればリセットされ、入力されるデータセクタパルスの個数をカウントし、カウンティングされたセクタ個数情報を出力する。
【0171】
比較器1 1103は、サーボ・インデックスマーク情報検出の位置と、第2パラメータ値とに該当するスキュー情報P1と;セクタカウンタ1 1102でカウンティングされたセクタ情報と;を比較し、比較結果に相応する信号を出力する。リードまたはライトするトラックが、集団ディフェクト領域に含まれた場合、スキュー情報P1は、MDD_SKEW値になる。
【0172】
開始セクタ検出部1104は、比較器1 1103から出力される信号に基づいて、スキュー情報MDD_SKEWと、セクタカウンタ1 1102でカウンティングされたセクタ情報とが一致する場合、開始セクタを示す第2信号S2を生成させる。
【0173】
従って、かような回路によって、当該トラックでの論理的なセクタ#0の開始セクタを検出することができる。プロセッサ430は、このように検出された論理的なセクタ#0に基づいて、当該トラックでのデータリード処理またはライト処理を行う。
【0174】
次に、プロセッサ430は、図12に図示された本発明の一実施形態によるトラック・スイッチング制御回路を利用し、トラック・スイッチング制御を行う。
【0175】
図12に図示されているように、本発明の一実施形態によるトラック・スイッチング制御回路は、セクタカウンタ2 1201、比較器2 1202及びトラック・スイッチング制御信号生成部1203を具備する。
【0176】
前記の開始セクタ検出回路は、ディスクドライブのプロセッサ430に含まれるように設計することができる。
【0177】
セクタカウンタ2 1201は、図11に図示された開始セクタ検出部1104から、第2信号S2が入力されればリセットされ、入力されるデータセクタパルスの個数をカウントし、カウンティングされたセクタ個数情報を出力する。
【0178】
比較器2 1202は、トラック当たり論理的セクタの個数P2と、セクタカウンタ2 1201でカウンティングされたセクタ個数とを比較し、比較結果に相応する信号を出力する。リードまたはライトするトラックが、集団ディフェクト領域に含まれている場合には、トラック当たり論理的セクタの個数情報P2は、論理的トラック長が調整された第1パラメータ値のSpTC’値になる。
【0179】
トラック・スイッチング制御信号生成部1203は、トラック当たり論理的セクタの個数情報P2と、セクタカウンタ2 1201でカウンティングされたセクタ情報とが一致する場合、当該セクタが終わる地点で、トラック・スイッチング制御信号を生成させる。トラック・スイッチング制御信号は、ヘッド16が現在追従しているディスク12のトラック位置が、Nトラックである場合、Nトラック位置からN+1トラック位置にヘッド16の位置を移動させるための制御信号である。
【0180】
図4を参照すれば、このように生成されたトラックスイッチ制御信号は、VCM駆動部440に印加され、VCM駆動部440は、トラックスイッチ制御信号に相応する駆動電流を発生させ、ボイスコイルモータ30に出力する。それにより、ボイスコイルモータ30の駆動によってヘッド16は、NトラックからN+1トラックの位置に移動する。
【0181】
これにより、図29に図示されているように、集団ディフェクト領域では、論理的トラック長が調整されたSpTC’値に該当する位置であるセクタ#MAXで、トラック・スイッチング動作遂行を始める。そして、集団ディフェクト領域で、トラック・スイッチング動作が完了する。参考までに、集団ディフェクト領域に含まれた各トラックでのトラック方向の集団ディフェクト領域の長さを、ディスクのゾーン別に同一に決定することによって、集団ディフェクト領域に含まれた各トラックでのセクタ#MAXの位置は、図29に図示されているように同一になる。
【0182】
次に、プロセッサ430の制御よって実行される本発明の技術的思想による一実施形態による、記録媒体でのディフェクト処理方法について、図13ないし図17のフローチャートを参照して説明する。
【0183】
まず、図13に図示された本発明の技術的思想による一実施形態による記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法について説明する。
【0184】
プロセッサ430は、記録媒体であるディスク12での集団ディフェクト領域を決定するプロセスを行うように、ディスクドライブを制御する(S101)。集団ディフェクト領域を決定するプロセスの一実施形態について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0185】
図14を参照すれば、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域を決定するために、まず、ディスクに係わるディフェクト検査を行うように、ディスクドライブを制御する(S201)。
【0186】
本発明の一実施形態によるディフェクト検査を行うプロセスについて、図15のフローチャートを参照して説明する。
【0187】
図15を参照すれば、プロセッサ430は、サーボセクタ別にサーボゲインを検出するように、ディスクドライブを制御する(S301)。すなわち、プロセッサ430は、トラックに記録されたサーボ信号を再生する区間の間、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインを入力して、サーボセクタ別サーボゲインを算出するように、ディスクドライブを制御する。一例として、サーボセクタ単位でサーボ信号が再生される区間の間、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインの平均値を計算し、サーボセクタ別サーボゲインを検出することができる。
【0188】
次に、プロセッサ430は、段階301(S301)で検出されたサーボセクタ別サーボゲインと、第1臨界値TH1とを比較する(S302)。ここで、第1臨界値TH1は、データライトまたはデータリードを成功して行うことができるサーボゲインの境界値であり、実験を介して設定することができる。
【0189】
プロセッサ430は、段階302(S302)の比較結果、検出されたサーボセクタ別サーボゲインが、第1臨界値TH1を超える場合、当該サーボセクタに含まれたデータセクタを、ディフェクトセクタとして判定する(S303)。
【0190】
本発明の他の実施形態によるディフェクト検査を行うプロセスについて、図16のフローチャートを参照して説明する。
【0191】
図16を参照すれば、プロセッサ430は、トラック単位で、サーボセクタ別にサーボゲインG_SECTORを検出するように、ディスクドライブを制御する(S401)。トラックに記録されたサーボ信号を再生する区間の間、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインを入力し、サーボセクタ別サーボゲインG_SECTORを算出する。一例として、サーボセクタ単位でサーボ信号が再生される区間の間、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインの平均値を計算し、サーボセクタ別サーボゲインG_SECTORを算出することもできる。
【0192】
次に、プロセッサ430は、段階401(S401)で、トラック単位で算出されたサーボセクタ別サーボゲインの平均値G_TAVRを計算する(S402)。
【0193】
次に、プロセッサ430は、段階402(S402)で計算されたトラック単位で算出されたサーボセクタ別サーボゲインの平均値G_TAVRに比例定数αを乗じ、第2臨界値TH2を計算する(S403)。ここで、比例定数αは、0より大きくて1より小さい値であり、実験を介してデータライトまたはデータリードを成功して行うことができるサーボゲインの境界値である第2臨界値TH2を算出するように設定することができる。
【0194】
次に、プロセッサ430は、段階401(S401)で算出されたサーボセクタ別に、サーボゲインG_SECTORと、第2臨界値TH2とを比較する(S404)。
【0195】
次に、プロセッサ430は、段階404(S404)の比較結果、段階401(S401)で算出されたサーボセクタ別に、サーボゲインG_SECTORが第2臨界値TH2を超える場合、当該サーボセクタに含まれたデータセクタを、ディフェクトセクタとして判定する(S405)。
【0196】
本発明のさらに他の実施形態によるディフェクト検査を行うプロセスについて、図17のフローチャートを参照して説明する。
【0197】
図17を参照すれば、プロセッサ430は、ディスク12のデータ領域にテストデータをライトするように、ディスクドライブを制御する(S501)。
【0198】
次に、プロセッサ430は、データ領域にライトされたテストデータをリードするように、ディスクドライブを制御する(S502)。
【0199】
次に、プロセッサ430は、テストデータが記録されたディスク12のデータセクタから読み取った情報に含まれたエラー訂正コード(ECC)シンボルのうち、エラーが訂正されたECCシンボルを検出し、データセクタ別にエラーが訂正されたECCシンボルの個数N(i)_ECCを算出する(S503)。
【0200】
次に、プロセッサ430は、データセクタ別にエラーが訂正されたECCシンボルの個数N(i)_ECCと、第3臨界値TH3とを比較する(S504)。第3臨界値TH3は、1つのセクタで、エラー訂正処理を正常に行うことができる最大ECCシンボルの個数と同じであるか、あるいは小さく設定する。一例として、1つのセクタで、正常にエラー訂正処理することができる最大ECCシンボルの個数の90%に第3臨界値を設定する。
【0201】
次に、プロセッサ430は、段階504(S504)の比較結果、データセクタ別にエラー訂正コードシンボルのうち、エラーが訂正されたECCシンボルの個数N(i)_ECCが第3臨界値TH3を超える場合、当該データセクタをディフェクトセクタとして判定する(S505)。
【0202】
前記図15ないし図17に図示された方法によって、ディフェクト検査を行う。
【0203】
再び図14を参照すれば、プロセッサ430は、前記の図15ないし図17に図示された方法を適用し、段階201(S201)によるディフェクト検査を行った後、ディフェクト検査結果によって発生したディフェクトセクタの分布状態を分析し、トラック当たり臨界サイズを超えるディフェクトが検出されているか否かを判断する(S202)。ここで、臨界サイズは、ディスクでのトラック・スイッチング所要時間に相応するトラック長に設定することができる。具体的に臨界サイズは、ディスクでのトラック・スイッチング所要時間に相応するサーボセクタ数またはデータセクタ数に設定することができる。
【0204】
プロセッサ430は、段階202(S202)の判断結果、トラック当たり臨界サイズを超えるディフェクトが検出される場合、N個の隣接トラックで臨界サイズを超えるディフェクトが検出されているか否かを判断する(S203)。ここで、Nは、1以上の整数として決定することができる。
【0205】
プロセッサ430は、段階203(S203)の判断結果、連続するN個の隣接トラックで、臨界サイズを超えるディフェクトが検出される場合、当該ディフェクトセクタが含まれる領域を、集団ディフェクト領域として決定する(S204)。プロセッサ430は、単一トラックで臨界サイズを超えるディフェクトが、少なくとも一つ以上の隣接したトラックで発生し、ディフェクトの発生するデータセクタが、隣接したトラックの対向する位置に初期設定された比率以上含む場合、当該ディフェクトセクタが含まれる領域を、集団ディフェクト領域として決定することもできる。
【0206】
本発明の他の実施形態によれば、集団ディフェクト領域を決定するプロセスでも、図14のフローチャートで、段階203(S203)を省略することもできる。すなわち、隣接トラックでのディフェクト発生に関係なしに、記録媒体でトラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する領域を、集団ディフェクト領域として決定することもできる。
【0207】
プロセッサ430は、図19ないし図27で詳細に説明したような方式で、集団ディフェクト領域の長さMDD_LENGTHと、集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHとを決定することができる。
【0208】
再び図13を参照すれば、プロセッサ430は、前記のような方式で集団ディフェクト領域を決定してから、集団ディフェクト領域での論理的トラック長を調整する(S102)。具体的には、集団ディフェクト領域での論理的トラック長を示す第1パラメータ値を、前記の数式1を利用して調整する。
【0209】
次に、プロセッサ430は、調整された第1パラメータ値を適用し、集団ディフェクト領域が含まれたゾーンでのリード処理またはライト処理を行うように、ディスクドライブを制御する(S103)。すなわち、集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタについては、論理的なアドレスを割り当てない方式で、論理的トラック長を調整することによって、ディフェクトリストを保存するためのメモリ容量を減らす。換言すれば、集団ディフェクト領域に含まれたデータセクタを、ディフェクトリストから除外させることによって、ディフェクト処理するデータセクタの総個数を減らすことによって、ディフェクトリスト容量及びディフェクト処理時間を短縮させることができる。
【0210】
これによって、比較的少ない容量のRAM 470を利用し、ディスク全体に係わるディフェクトリストを一度にローディングさせた後、ディフェクト処理を行い、ディフェクト処理時間を短縮させることができる。
【0211】
本発明の技術的思想による他の実施形態による、記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法について、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0212】
図18に図示されたフローチャートにおいて、段階601(S601)及びS602(S602)は、それぞれ図13に図示されたフローチャートの段階101(S101)及び段階102(S102)で実行される動作と同一であるので、重複説明を避ける。
【0213】
プロセッサ430は、記録媒体での集団ディフェクト領域を決定する段階601(S601)、及び集団ディフェクト領域での論理的トラック長を調整する段階602(S602)を実行した後、集団ディフェクト領域でのセクタ#0位置を決定するプロセスを行う(S603)。具体的には、図29に図示されているように、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域に含まれた各トラックでの開始セクタのセクタ#0の位置を示す第2パラメータ値を、集団ディフェクト領域が終わった後に来る最初のデータセクタ位置を示す値として決定する。
【0214】
次に、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域で調整された論理的トラック長を示す第1パラメータ値、及びセクタ#0に係わる位置を示す第2パラメータ値を適用し、リード動作またはライト動作を行うように、ディスクドライブを制御する(S604)。すなわち、プロセッサ430は、集団ディフェクト領域に含まれた各トラックで、図29に図示されているように、セクタ#0のデータセクタで、リード動作またはライト動作を始め、セクタ#MAXのデータセクタで、リード動作またはライト動作を終えた後、トラック・スイッチング動作を行う。
【0215】
このように、集団ディフェクト領域に含まれたディフェクト領域で、トラック・スイッチング動作を行うことによって、ディスク1回転時間の間、1つのトラックに係わるリード動作またはライト動作を完了させ、隣接した次のトラックへのスイッチング動作まで完了されられるという事実が分かる。
【0216】
そして、集団ディフェクト領域に含まれたトラックについて、セクタ#0位置を示す情報MDD_SKEWを同一に適用することによって、集団ディフェクト領域でのトラックスキュー計算が必要ではなくなり、リード動作またはライト動作に係わるオーバーヘッド(overhead)を減らす。
【0217】
また、集団ディフェクト領域に含まれたトラックでのリード動作またはライト動作を行うために、セクタ#0位置を示す情報MDD_SKEW、及び調整されたトラック当たり論理的セクタ個数を示す情報だけを必要として、さらなるテーブル情報などが必要ではなく、簡単に集団ディフェクト領域で、リード動作またはライト動作を処理することができる。
【0218】
参考までに、本発明の技術的思想による記録媒体でのディフェクト処理方法を適用し、集団ディフェクト領域に含まれたトラックでライト動作を実行する場合のライト・ゲートパルスWGの波形図を図31に図示した。
【0219】
図31を参照すれば、ライト・ゲートパルスWGが発生しない区間D1〜D6が、集団ディフェクト領域に含まれた各トラックの連続的なディフェクト領域が発生した区間を示す。図31は、トラック・スイッチング動作が集団ディフェクト領域内でなされるので、ディスク1回転長の区間、1つのトラックに係わるライト動作を完了し、隣接した次のトラックへのスイッチング動作まで完了することができるということを示している。
【0220】
もし本発明による記録媒体でのディフェクト処理方法を適用しない場合には、図30に図示されているように、集団ディフェクト領域に含まれたトラックでのセクタ#0の位置は、トラック・スイッチング時間を考慮してトラック別に変わる。そして、論理的トラック長は、物理的トラック長と同じになる。これによって、集団ディフェクト領域での1つのトラックに係わるリード動作またはライト動作を完了し、隣接した次のトラックへのスイッチング動作まで完了するためには、ディスク1回転時間に、トラック・スイッチング所要時間を加えた時間が必要であるという事実が分かる。
【0221】
次に、本発明の技術的思想による一実施形態による、ネットワークを介してディスクドライブに係わる記録媒体でのディフェクト処理を行う方法について説明する。
【0222】
まず、ネットワークを介してディスクドライブに係わるリード処理またはライト処理に関連したパラメータを調整する方法が遂行されるネットワークシステムについて、図32を参照して説明する。
【0223】
図32に図示されているように、本発明の技術的思想による一実施形態によるネットワークシステムは、プログラム提供端末機3201、ネットワーク3202、ホストPC 3203及びHDD 3204を具備する。
【0224】
ネットワーク3202は、インターネットのような通信網で具現されうる。
【0225】
プログラム提供端末機3201には、図13ないし図18及び図33に図示された本発明の技術的思想によるディフェクトが発生した記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法を実行させるためのパラメータ調整用プログラムが保存されている。
【0226】
プログラム提供端末機3201は、ネットワーク3202を介して接続されたホストPC 3203でのプログラム伝送要請によって、パラメータ調整用プログラムを、ホストPC 3203に伝送するプロセスを行う。
【0227】
ホストPC 3203は、ネットワーク3202を介して、プログラム提供端末機3201に接続した後、パラメータ調整用プログラムの伝送を要請し、要請した集団ディフェクト処理用プログラムを、プログラム提供端末機3201からダウンロードする動作を行うことができるハードウェア及びソフトウェアを具備している。
【0228】
そして、ホストPC 3203は、プログラム提供端末機3201からダウンロードされたパラメータ調整用プログラムによって、図13ないし図18に図示された本発明の技術的思想による保存装置のパラメータ調整方法をHDDで実行させることができる。
【0229】
次に、本発明の技術的思想による一実施形態による、ネットワークを介してディフェクトが発生した記録媒体でのパラメータ調整処理を行う方法について、図32及び図33を参照して説明する。
【0230】
まず、ディスクドライブを保存装置として利用するホストPC 3203で、ネットワーク3202を介して、プログラム提供端末機3201に接続する(S701)。
【0231】
プログラム提供端末機3201に接続した後、ホストPC 3203は、パラメータ調整用プログラムの伝送を要請する情報を、プログラム提供端末機3201に伝送する(S702)。
【0232】
それにより、プログラム提供端末機3201は、ホストPC 3203側に、要請されたパラメータ調整用プログラムを伝送することによって、ホストPC 3203は、パラメータ調整用プログラムをダウンロードする(S703)。
【0233】
その後、ホストPC 3203は、ダウンロードされたパラメータ調整用プログラムを、ディスクドライブで実行させるように処理する(S704)。
【0234】
これにより、ディスクドライブの記録媒体での集団ディフェクト領域を決定する段階705(S705)、及び集団ディフェクト領域に関連した情報を生成させる段階706(S706)をそれぞれ遂行する。段階705及び段階706は、図13ないし図18に図示された本発明の技術的思想による記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法によって行われる。
【0235】
ここで、集団ディフェクト領域に関連した情報には、集団ディフェクト領域での論理的セクタ#0位置を示す第2パラメータ値、及び集団ディフェクト領域で調整された論理的トラック長を示す第1パラメータ値が含まれる。
【0236】
そして、集団ディフェクト領域に関連した情報には、集団ディフェクトのトラック位置を示す情報のヘッド情報、集団ディフェクト領域の開始シリンダ情報、集団ディフェクト領域の最後のシリンダ情報などが含まれる。
【0237】
もし集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHが、集団ディフェクト領域が含まれたゾーンの幅ZONE_WIDTHと同一になるように、集団ディフェクト領域の幅MDD_WIDTHを決定する方式を採用する場合、集団ディフェクトのトラック位置を示す情報には、ヘッド情報及びゾーン情報などが含まれる。
【0238】
次に、段階706(S706)で生成される集団ディフェクト領域に関連した情報を、ディスクドライブのディスクまたは不揮発性メモリに保存する(S707)。
【0239】
かような方法により、ネットワークを介してダウンロードされたプログラムによって、ディスクドライブの記録媒体でのディフェクト処理方法を行う。
【0240】
本発明は、方法、装置、システムなどとして実行されうる。ソフトウェアとして実行されとき、本発明の構成手段は、必然的に必要な作業を実行するコードセグメントである。プログラムまたはコードセグメントは、プロセッサで読み取り可能な媒体に保存されてうる。プロセッサで読み取り可能な媒体の例としては、電子回路、半導体メモリ素子、ROM、フロッピー(登録商標)メモリ、イレーザブルROM(EROM:erasable read−only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、ハードディスクなどがある。
【0241】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0242】
本発明は、多様な形態の保存装置に適用され、特にHDDに適用可能である。
【符号の説明】
【0243】
12 ディスク
14 スピンドルモータ
16 ヘッド
20 スライダ
22 ヘッドジンバル・アセンブリ
24 アクチュエータ・アーム
26 ボイスコイル
28 マグネット・アセンブリ
30 ボイスコイルモータ
32 ベアリング・アセンブリ
34 トラック
100 ハードディスク・アセンブリ
110 プロセッサ
110−1 オブジェクト管理ユニット
110−2 コードオブジェクト・ローダ
110−3 メモリハンドラ
110−4 チャネル制御モジュール
110−5 サーボ制御モジュール
110A RTOS
120,460 ROM
130,470 RAM
140 メディア・インターフェース
150 メディア
150A ハードディスクドライブのメディア
160,480 ホスト・インターフェース
170 バス
200 チャネル回路
210 サーボ回路
220 アプリケーション・プログラム
410 プリアンプ
420 リード/ライトチャネル
430 プロセッサ
440 ボイスコイルモータ駆動部
450 スピンドルモータ駆動部
601 プリアンブル
602 サーボ同期表示回路
603 グレイコード
604 バースト信号
701 可変ゲイン増幅器
702 低域通過フィルタ
703 アナログ/デジタル変換器
704 ゲイン制御器
801 サーボゲイン算出部
802,905,1003 ディフェクトセクタ判定部
901 第1サーボゲイン算出部
902 バッファ
903 第2サーボゲイン算出部
904 臨界値算出部
1000 保存装置
1001 ECC処理部
1002 セクタ別ECC訂正シンボル個数算出部
1101 SIM情報検出部
1102 セクタカウンタ1
1103 比較器1
1104 開始セクタ検出部
1201 セクタカウンタ2
1202 比較器2
1203 トラック・スイッチング制御信号生成部
2000 ホスト機器
3000 コネクタ
3201 AS提供端末機
3202 ネットワーク
3203 ホストPC
3204 HDD


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体で、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する領域を、集団ディフェクト領域として決定する段階と、
前記集団ディフェクト領域でのトラック当たりディフェクトサイズに基づいて、論理的トラック長を示す第1パラメータ値を調整する段階と、
前記調整された第1パラメータ値を適用し、リード処理またはライト処理を行う段階と、を含むことを特徴とする、記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法。
【請求項2】
前記臨界サイズは、記録媒体でのトラック・スイッチング所要時間に相応するトラック長に設定することを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法。
【請求項3】
前記臨界サイズは、記録媒体でのトラック・スイッチング所要時間に相応するサーボセクタ数またはデータセクタ数に設定することを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法。
【請求項4】
前記集団ディフェクト領域として決定する段階は、
記録媒体でディフェクトが発生するデータセクタを検出する段階と、
前記ディフェクトが発生するデータセクタの分布によって、トラック当たり臨界サイズを超えるデータセクタでディフェクトが検出される領域を、集団ディフェクト領域として決定する段階と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法。
【請求項5】
前記集団ディフェクト領域として決定する段階は、初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが、少なくとも一つ以上の隣接したトラックで発生する領域を前記集団ディフェクト領域として決定することを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法。
【請求項6】
前記集団ディフェクト領域として決定する段階は、初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが、少なくとも一つ以上の隣接したトラックで発生し、前記ディフェクトの発生するデータセクタが隣接したトラックの対向する位置に初期設定された比率以上含む領域を、前記集団ディフェクト領域として決定することを特徴とする、請求項5に記載の記録媒体に係わるリード処理方法またはライト処理方法。
【請求項7】
データを保存するための複数のトラックを含む記録媒体と、
前記記録媒体にアクセスし、情報をライトまたはリードするメディア・インターフェースと、
前記記録媒体の目標トラックに/からデータをライト/リードするように、前記メディア・インターフェースを制御するプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、前記記録媒体で、トラック当たり初期設定された臨界サイズを超えるディフェクトが発生する集団ディフェクト領域が存在する場合、前記集団ディフェクト領域でトラック当たりディフェクトサイズに基づいて、論理的トラック長を示す第1パラメータ値を調整することを特徴とする、保存装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
トラックに記録されたサーボ信号を再生する区間で、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインに基づいて、ディフェクトセクタを決定するディフェクトセクタ検出部をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の保存装置。
【請求項9】
前記ディフェクトセクタ検出部は、
トラックに記録されたサーボ信号を再生する区間で、自動ゲイン制御回路で生成されるサーボゲインを入力し、サーボセクタ別サーボゲインを算出するサーボゲイン算出部と、
前記サーボセクタ別サーボゲインのサイズが、初期設定された第1臨界値を超えるサーボセクタに含まれたデータセクタを、ディフェクトセクタとして決定するディフェクトセクタ判定部と、を含むことを特徴とする、請求項8に記載の保存装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記集団ディフェクト領域に含まれたトラックに係わる第2パラメータ値は、集団ディフェクト領域後の最初のデータセクタ位置を示す値として決定することを特徴とする、請求項7に記載の保存装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−89229(P2012−89229A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225795(P2011−225795)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】