説明

記録機能付目盛装置およびそれを備えた流動体収容器

【課題】被収容物の収容量を視認可能な箇所に併設されて、その収容量の測点や、収容物を導入する際の目標点を高精度にかつ確実に記録することができる記録機能付目盛装置を提供する。
【解決手段】被収容物18の液位10を視認可能な箇所(長窓8)に併設され、複数の平板体2aを互いに面接触させながら積層してなる平板体積層体2を貫通して複数の平板体2aを一体に保持する支持軸3を有し、複数の平板体2aが目盛として機能しつつ、支持軸3上を平板体2aの平面方向にスライドして,又は,平板体2aが支持軸を基軸にして回動して,平板体積層体2から突出することにより被収容物18の液位10に関する測点又は目標点を一時的に記録可能であることを特徴とする記録機能付目盛装置1Aによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電所や火力発電所等において、薬品を一時保管する際に用いる流動体収容器に、目的とする液体等の流動体を注入する際に、流動体収容器における、例えば、液位の現在レベルや注入目標レベルを視認可能に記録することができ、かつ、その記録の消去も容易にでき、しかも、常設して繰り返し使用することができる記録機能付目盛装置、および、それを用いた流動体収容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火力発電所や原子力発電所では、発電設備に使用する溶液のpHを調整する目的で、pH調整用の薬品(例えば、液体)の供給量に応じてポンプ等で自動的に供給するシステムを備えている。
このようなシステムにより薬品を供給する際に、薬品の原液をそのまま用いると、微妙な濃度の調整が難しいため、予め希釈した薬品を用いている。
この場合、希釈済薬品を一時置きする収容器内において薬品の原液と、希釈用の液体を混合する必要があり、この作業に先立って、収容器内に薬品の原液と希釈液とを所望量(容積)だけ正確に計り取る必要があった。
通常、薬品を一時置きするための収容器には、収容器内の薬品の液位を直接又は間接的に監視可能にするために鉛直上下方向に伸びる長窓が設けられており、この長窓から液位を直接又はフロート位置等を視認することにより液位の確認することができる。
また、この長窓にはスケール(目盛り)が隣設されており、このスケールの目盛を読み取ることで収容器内への薬品の原液の供給量(容積)や、希釈液の供給量(容積)を制御していた。
より具体的には、薬品(原液)又は希釈液を供給する前の収容器の液位の位置におけるスケールに鉛筆等で印を付け,あるいは、付箋紙などにより目印をしておき、次に、目標とする液位を定めてそこに鉛筆等で印を付け,あるいは、付箋紙などにより目印をしてから、ポンプ等により実際に薬品(原液)又は希釈液を供給していた。
【0003】
前者の場合、すなわち、スケールに鉛筆等で印を付ける場合、長年にわたりこの作業を繰り返すと、スケール上における過去の記録と現作業時の記録の判別が困難になり、作業ミスが生じる恐れがある上、作業性が向上し難かった。
後者の場合、すなわち、スケールに付箋紙などにより目印を付す場合、何らかの原因で付箋紙が外れてしまうと、薬品の注入量が分からなくなってしまい、収容器内の薬液の濃度を測定して、薬品や希釈液の供給量を算出しなければならず、かえって作業が煩雑になる恐れがあった。
本願発明と同じ解決すべき課題を有する先行技術文献は現時点では発見されていないが、本願発明と関連があると考えられる構成を有する先行技術文献としては以下に示すようなものが知られている。
【0004】
特許文献1には「心肺係数測定装置」という名称で、胸部レントゲン写真等の画像情報から、電卓等で計算をすることなく、極めて容易にかつ迅速に心肺係数を求めることのできる心肺係数測定装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明は、文献中の符号をそのまま用いて説明すると、写真画像から、肺13の幅方向寸法と心臓14の幅方向寸法を採取し、心臓の幅方向寸法の肺の幅方向寸法に対する比で表される心肺係数を求める心肺係数測定装置1であって、直線方向に伸縮させられて、目盛り間隔が変更される可変百分目盛6と、上記可変百分目盛の全長を肺の幅方向寸法に対応させて固定できる目盛固定手段8とを備えることを特徴とするものである。
上記構成の特許文献1に開示される発明によれば、肺及び心臓の幅方向寸法を容易に採取できるとともに、寸法の採取と同時に数値計算を行うことなく心肺係数を求めることができ、しかも極めて簡単な構成であるため低価格で提供することができるという効果を有する。
【0005】
特許文献2には「浴槽」という名称で、入浴中に体の容積を測定して体脂肪状態或は体重管理を可能にする浴槽に関する考案が開示されている。
特許文献2に開示される考案である浴槽は、入浴により変化する可能性のある水位範囲の断面積がほぼ一定の浴槽において、湯量の単位増加量に相応して上昇する水位に対応して原点目盛から絶対値目盛を付されたスケールが、浴槽内面における少なくとも入浴により変化する可能性のある水位範囲に、上下方向にスライド可能に取付けられていることを特徴とするものである。
特許文献2に開示される考案によれば、浴槽の内面に目盛を配列することにより、入浴者の容積が測定可能となり、入浴時に肥満状態もしくは体重の増減をチェックできるようになる。したがって、これらを目安にした健康管理を行える。また、体重との比から比重を演算することにより、肥満度もしくは体脂肪率を基にした健康管理も可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−568号公報
【特許文献2】実開平5−68391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
薬品を一時置き用の収容器に供給する薬品や希釈液の計量方法としては、薬品一時置き用の容器本体に薬品を導入する際に、ポンプ等における流動量を算出するという手段を採用することも考えられるが、現場においては、ポンプが可動しているにも関わらず、導出されるべき薬品が一時置き容器内に導出されていないというトラブルが生じる場合もあり、薬品の調整を正確かつ確実に行うためには、一時置き用の容器に実際に導出された薬品の量(容積)を計量して薬品の希釈や混合を行うことが望ましかった。
この場合、薬品を一時置きするための容器本体には、その収容物の、例えば、液位等を確認するための長窓が設けられており、この長窓にはスケールが併設されているので、そのスケールの数値を読み取ってノート等に記録するなどによれば、理論上は正確に薬品の導入量(容積)の計算が可能になる。
しかしながら、人が作業を行うに当たり、人為的なミスを完全に防ぐことは不可能である。例えば、スケール上の数値を読み間違えたり、ノート等への数値の記載にミスが起こる可能性もあり、この場合、一時置き置き用の容器本体内に収容中の薬品の濃度までもが不適切なものになってしまい、使用できなくなってしまったり、あるいはその調整にかえって手間と時間がかかってしまう恐れがあった。
【0008】
このような事態を回避するために、一時置き用の容器本体に設けられるスケールに、測点又は目標点をその位置に直に一時的に記録できることが望ましかった。
また、このような目的のために先に述べたような、特許文献1や特許文献2に開示されるような構成を適用することも考えられるが、測点又は目標点を記録する、測定アームや、インディケータに不意にズレが生じる恐れがあり、その場合も、一時置き置き用の容器本体内に収容中の薬品の濃度が不適切なってしまう恐れがあった。
【0009】
他方、特許文献1や特許文献2に開示されるような構成を適用した場合には、スケールに予め備えられる測定アームや、インディケータの数と同じ数の測点又は目標点しかスケール上に記録しておくことができないので、複数種類の薬品を混合して調整する必要がある場合には、特許文献1や特許文献2に開示されるような構成では対応できないという課題があった。
また、多数の測点又は目標点を記録可能にすべく、スケールに測定アームや、インディケータを多数個取り付けた場合には、個々の測定アームや、インディケータの可動範囲が制限されてしまい、目的とする位置に記録できない恐れがあり、結果として発明又は考案の目的を達することができなくなってしまうという矛盾が生じてしまっていた。
【0010】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、スケール上の最小目盛単位で高精度に複数個所の測点又は目標点等を一時的に記録することができ、かつ、その消去も容易であり、その際に電力等の動力を用いる必要のない、記録機能付目盛装置およびそれを備えた流動体収容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明である記録機能付目盛装置は、被収容物の液位を視認可能な箇所に併設され、複数の平板体を互いに面接触させながら積層してなる平板体積層体を貫通して複数の平板体を一体に保持する支持軸を有し、複数の平板体が目盛として機能しつつ、支持軸上を平板体の平面方向にスライドして,又は,平板体が支持軸を基軸にして回動して,平板体積層体から突出することにより被収容物の液位に関する測点又は目標点を一時的に記録可能であることを特徴とするものである。
上記構成の発明において、平板体積層体はスケールとして作用し、平板体積層体を構成する平板体の厚み(端面)は、スケールにおける個々の目盛として作用する。また、支持軸は平板体積層体を貫通して一体に保持するという作用を有する。つまり、請求項1記載の発明は、支持軸を備えることで,平板体の端面が個々の目盛として機能するスケールになる。
そして、この平板体積層体を構成する平板体から,目的とする平板体を選んで取り出し、支持軸上を平板体の平面方向と平行にスライドさせて平板体積層体から突出させることで,又は,平板体を支持軸を基軸に回動させて,平板体積層体から突出させることで、その位置を平板体積層体から目立たせて測点又は目標点の記録にするという作用を有する。
この場合、平板体積層体から突出した平板体を,上述した手順の逆を行って平板体積層体の元の位置に戻してやることで、その平板体は他の平板体との区別がつかなくなるので、結果として、測点又は目標点の記録は消去されることになる。
このため、請求項1記載の記録機能付目盛装置においては、例えば、液位等の測点又は目標点に関する位置情報を、上述のような消去の操作がなされるまでスケール(平板体積層体)上に継続して記録し続けておくという作用を有する。そして、上述のような消去の操作を行った際には、何の痕跡も残さずその記録を請求項1記載の記録機能付目盛装置から消去するという作用を有する。
また、請求項1記載の記録機能付目盛装置では、平板体の全てが個別にスライド又は回動可能に構成されている。このことはすなわち、平板体の全てが測点又は目標点の記録ツールとしての機能を有していることを意味している。
【0012】
請求項2記載の発明である記録機能付目盛装置は、請求項1記載の記録機能付目盛装置であって、平板体の端面は、所望枚数毎に色分けされることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1記載の発明と同じ作用に加えて、平板体の端面を所望枚数毎に色分けしておくことで、請求項2記載の記録機能付目盛装置上において目盛の読み取りを容易にするという作用を有する。
【0013】
請求項3記載の発明である記録機能付目盛装置は、請求項1又は請求項2に記載の記録機能付目盛装置であって、平板体の端部は、個々の平板体の操作を容易にするために突出部又は湾曲部を備えることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明と同じ作用に加えて、平板体の端部に形成される突出部又は湾曲部は、平板体をスライド又は回動させる際に、目的とする平板体の取り出しや、押し出しを容易にして、スライド又は回動操作を容易にするという作用を有する。
【0014】
請求項4記載の発明である流動体収容器は、容器本体と、この容器本体に流動体なる収容物を導入するための導入口と,収容物を容器本体から導出するための導出口と,容器本体の内部に収容される収容物の量を外から直接又は間接的に視認するために鉛直方向に伸長する長窓とを有する流動体収容器であって、長窓に請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の記録機能付目盛装置を併設することを特徴とするものである。
上記構成の発明において、長窓に併設される記録機能付目盛装置は、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載される記録機能付目盛装置と同じ作用を有する。
また、請求項4記載の流動体収容器において、容器本体は、流動体を一時的に収容するという作用を有する。そして、容器本体に設けられる導入口は、容器本体内に流動体なる収容物を供給するという作用を有する。さらに、導出口は、容器本体内に一時収容された収容物を外部に導出させるという作用を有する。
また、容器本体に設けられる長窓は、容器本体の内部に収容される収容物の量を外から直接又は間接的に視認可能にするという作用を有する。
このような請求項4記載の流動体収容器によれば、例えば、容器本体内に目的とする量(容積)の収容物を導入する場合に、収容物を供給する前に,例えば,液位を請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載される記録機能付目盛装置を用いてその収容物の、例えば、液位を測点として記録しておき、また、導入目標値を目標点として記録しておき、その後、目標点に達するまで収容物を導入口から供給することで、容器本体内において収容物の容積の計量を正確かつ容易にするという作用を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1記載の記録機能付目盛装置では、平板体積層体を構成する個々の平板体が、スケールにおける目盛であるとともに,測点又は目標点を一時的に記録するための記録ツールとして機能する。そして、この平板体は、支持軸上をスライドしたり、支持軸を基軸に回動する以外はその取り付け位置が変更されることはないので、すなわち、個々の平板体は、その同一平面上を移動することはあっても支持軸上をその伸長方向に移動することはないので、測点又は目標点を正確にかつ確実に記録しておくことができる。
この結果、収容物を収容する容器の断面積が均一な(略均一の概念も含む)場合に、請求項1記載の記録機能付目盛装置を用いることで、収容物の増加量又は減少量を高精度に知ることができる。
この結果、収容物を収容する容器内における薬品等の流動体の希釈作業又は混合作業を高精度かつ容易に行うことができる。
また、請求項1記載の記録機能付目盛装置は、測点又は目標点を記録する場合に電力を用いないので、省エネルギーでかつメンテナンスが容易な記録機能付目盛装置を提供することができる。また、記録すべき測点又は目標点が単数の場合でも複数(多数)の場合でも、請求項1記載の記録機能付目盛装置1つで対応することができるので、汎用性の高い記録機能付目盛装置を提供することができる。
さらに、特許文献1や特許文献2に開示される発明や考案では、スケール上をスライド移動する測定アームや、インディケータを仮に複数設けた場合、測定アームや、インディケータの幅が、スケール上の最小単位の目盛よりも大きく構成されているため、記録しようとする測点又は目標点が複数で、それらか互いに近接している場合に記録できない場合がある。これに対して、請求項1記載の発明では、記録しようとする測点又は目標点同士の間隔が、平板材1枚の厚み以上であれば、確実に記録することができる。
従って、請求項1記載の発明によれば、汎用性が高く高精度な記録機能付目盛装置を提供することができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同じ効果に加えて、平板体積層体を構成する個々の平板体の端面が所望枚数毎に色分けされていることで、請求項2記載の記録機能付目盛装置上において記録された、測点又は目標点同士の距離を目算し易くすることができる。
この結果、記録機能付目盛装置において既に記録された測点又は目標点から離れた位置に、新たに目標点を設定して記録する必要がる場合に、正確に目的とする平板体を抽出することができる。
この結果、作業効率を向上するとともに、作業時におけるミスの発生も防止することができる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明と同じ効果に加えて、平板体の端部に突出部又は湾曲部を備えることで、目的とする平板体の平板体積層体からの取り出しが容易になり、測点又は目標点を記録する際に平板体をスムースにスライド又は回動させることができる。
この結果、請求項3記載の記録機能付目盛装置への測点又は目標点の記録作業の作業性を向上することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、容器本体中に一時保管中の収容物が残っている状態で、そのままその容器本体を用いて、例えば、薬品等の流動体の希釈作業又は混合作業を行う際に、現時点の収容物の収容量を示す,例えば,液位等の測点、及び、新たに導入しようとしている収容物の導入量の目標となる目標点が多数あり、かつ、それらが互いに近接している場合でも正確にかつ確実にそれらを記録しておくことができる。
この結果、容器本体を用いた薬品等の希釈作業や混合作業の作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係る記録機能付目盛装置の概念図である。
【図2】本発明の実施例1に係る記録機能付目盛装置を備えた流動体収容器の側面図である。
【図3】(a),(b)はいずれも本発明の実施例2に係る記録機能付目盛装置の側面図である。
【図4】本発明の実施例3に係る記録機能付目盛装置の概念図である。
【図5】本発明の実施例4に係る記録機能付目盛装置の概念図である。
【図6】本発明の実施例5に係る記録機能付目盛装置の概念図である。
【図7】(a)は本発明の実施例6に係る記録機能付目盛装置の平面図であり、(b)は本発明の実施例6に係る記録機能付目盛装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態に係る記録機能付目盛装置およびそれを備えた流動体収容器について実施例1乃至実施例6を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1に係る記録機能付目盛装置及びそれを備えた流動体収容器について図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係る記録機能付目盛装置の概念図である。
図1に示すように、実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aは、多数の短冊状の平板体2aを積層した平板体積層体2に支持軸3を挿通して一体に支持固定したものである。
このような記録機能付目盛装置1Aは、個々の平板体2aの端面17が1つ1つの目盛を構成するスケールであり、図1に示すように、個々の平板体2aは、支持軸3を基軸に、それぞれの平板体2aの同一平面上において回動移動させることができる。より具体的に説明すると、記録機能付目盛装置1Aにおける個々の平板体2aは、図1中の符号Aで示す方向に回動移動させることができる。
そして、図1に示すように平板体積層体2から目的とする平板体2aを取り出して回動移動させて平板体積層体2から突出させると、この平板体2aは外観上目立つので、スケールである平板体積層体2上において目印になる。つまり、平板体積層体2上における所望の平板体2aの位置を視認可能に記録しておくことができ。
また、平板体積層体2から突出した平板体2aを、再び回動させて平板体積層体2に戻してやることで、この平板体2aは他の平板体2aと区別がつかなくなってしまう。つまり、この動作により平板体積層体2上の記録は消去されたことになる。
【0022】
このような実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aによれば、個々の目盛が平板体2aからなるスケール状の平板体積層体2において、目的とする位置を記録しておくことができる。
この場合、平板体積層体2上において所望の位置を記録するための部材である平板体2aは、その同一平面上を回動移動する以外は移動しないので、つまり、平板体2aが、支持軸3上をその伸長方向に移動することはないので、平板体2aにより記録された位置が、上述の消去の動作が行われるまで位置ズレを起こす等により変化することはない。
従って、実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aによれば、平板体積層体2上における目的とする位置を、正確に記録しておくことができる。
【0023】
また、実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aによれば、理論上はスケールである平板体積層体2の目盛を構成する平板体2aの数と同数の位置を記録しておくことができる。
しかしながら、記録すべき複数個所の位置が、互いに平板体積層体2上において平板体2aの厚み単位で連続している場合には、移動すべき複数の平板体2aを回動させて平板体積層体2上に突出させた際に、その複数の平板体2aが連続して連なった状態になってしまい、結果として、個々の平板体2aを目立たせて目印として機能させることができなくなってしまう。
このため、実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aにおいて記録しておくべき位置が複数ある場合、それらは互いに少なくとも平板体2aの厚み1枚分は離れている必要がある。
よって、実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aによれば、上述の条件を満たすことで、最大で、平板体積層体2を構成する平板体2aの数の1/2と同数個所の位置を同時にかつ正確に記録しておくことができる。
例えば、実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aにおいて、個々の平板体2aの厚みが1mmであり、平板体積層体2の支持軸3方向の長さが30cmである場合には、最大で150か所の位置を同時にかつ正確に記録しておくことができる。また、個々の平板体2aの厚みが1mmであり、平板体積層体2の支持軸3方向における長さが60cmの場合には、最大で300か所の位置を同時にかつ正確に記録しておくことができる。
なお、この平板体2aの厚みは、上述の1mmに限定されることなく、その厚み分液位が上下すると、その流動体収容器においてどの程度の収容流動体が増減するかという換算が容易に設定されるとよい。すなわち、平板体2aの1枚の厚みが、0.1立方メートルに相当したり、10リットルに相当するように設定する場合である。もちろん、平板体2aの強度が担保できる厚みである必要がある。
【0024】
次に、図2を参照しながら、実施例1に係る流動体収容器4について詳細に説明する。図2は本発明の実施例1に係る記録機能付目盛装置を備えた流動体収容器の側面図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2に示すように、実施例1に係る流動体収容器4は、薬品等の流動体を一時置きするための容器本体5に、上述の実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aを設けたものである。
より具体的には、実施例1に係る流動体収容器4は、中空状の容器本体5の側面に、容器本体5の内部に収容される収容物の量を外から直接又は間接的に視認するための鉛直方向(略鉛直方向の概念も含む)に伸長する長窓8が設けられており、この長窓8の伸長方向と平行に(略平行の概念も含む)実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aが併設されたものである。
また、容器本体5は、例えば、薬品等の流動体を一時置きするための容器であり、容器本体5の上方には外部から容器本体5の中空部に流動体を導入するための導入口6が設けられ、さらに、容器本体5の下方には容器本体5内に収容された収容物(流動体)を外部に導出するための導出口7が設けられている。
なお、ここでは容器本体5内に一時置きする収容物が液体である場合を例に挙げて説明しているが、長窓8から容器本体5内の収容物の量が目視により確認できるものであれば、収容物は、ゾル状物質や、粒状物質でもよい。また、実施例1に係る流動体収容器4では、容器本体5への流動体の導入は導入口6の上流側に設けられるポンプ9により行うよう構成されている。
【0025】
上述のような実施例1に係る流動体収容器4によれば、例えば、記録機能付目盛装置1Aに、容器本体5に収容される液体の液面10の現在レベル(測点)や、導入口6から新たに収容物を容器本体5に導入する際の目標レベル(目標点)を記録しておくことができる。
また、記録機能付目盛装置1Aに容器本体5の液位の測点や目標点を記録するに当たり、電力を一切使用する必要がないので、より具体的には、平板体積層体2に上の目的とする平板体2aを選んで回動操作するだけで良いので、実施例1に係る流動体収容器4の収容量を記録する際のランニングコストやメンテナンスコストをほぼゼロにすることができる。
また、特に、実施例1に係る流動体収容器4を、断面積が一定の(略一定の概念も含む)筒体により構成した場合には、長窓8に併設される記録機能付目盛装置1Aが計量用スケールとして機能するので、薬品等を正確に希釈したり混合することができる。
【0026】
ここで、図2を参照しながら、実施例1に係る流動体収容器4を用いて薬品(例えば、液体)を希釈する場合の手順について説明する。
実施例1に係る流動体収容器4を用いて薬品(例えば、液体)を希釈するには、まず、作業開始時に容器本体5内に収容される収容物18のレベル(例えば、液面10)に相当する位置の、平板体積層体2における平板体2aを回動操作することにより測点Bを記録機能付目盛装置1Aに記録する(ステップS1)。
ついで、薬品を導入口6から容器本体5に導入する際の収容物18の目標レベル(例えば、液面10)を決めて、その位置に相当する位置の平板体積層体2の平板体2aを回動操作して目標点Cとして記録機能付目盛装置1Aに記録する(ステップS2)。
さらに、導入口6から容器本体5内に希釈液を導入する際の収容物18の液面10の目標レベルを新たに決めて、その位置に相当する位置の平板体積層体2の平板体2aを回動操作して目標点Dとして記録機能付目盛装置1Aに記録する(ステップS3)。
この後、上記目標点Cまで実際に薬品を導入し、収容物18の液面10のレベルが目標点Cに達したら薬品の注入を停止し、今度は、目標点Dに達するまで導入口6から容器本体5内に希釈液を注入すればよい(ステップS4)。
さらに、必要に応じて容器本体5内の収容物18を、予め容器本体5に設けられた撹拌設備(図示せず),あるいは、容器本体5とは別に設けられる撹拌設備により容器本体5内の収容物18を十分に撹拌すればよい。
【0027】
なお、ここでは薬品を希釈液で希釈する場合を例に挙げて説明したが、容器本体5内において複数の薬品等を混合する場合も上述のステップS1〜S4に従って作業を行うとよい。また、混合すべき流動体(例えば、薬品)が2種類以上ある場合には、記録機能付目盛装置1Aの平板体積層体2上に、混合すべき流動体(例えば、薬品)の種類に応じた数の目標点を記録しておけばよい。
この場合、実施例1に係る流動体収容器4を用い,かつ,その容器本体5の断面積が均一(略均一の概念も含む)なものを用いることで、容器本体5に導入された収容物の量(容積)を正確に計量しながら、薬品等の流動体の希釈や混合を行うことができる。また、その導入量(容積)を計量するための記録機能付目盛装置1Aにおいて、測点や目標点が不意にズレたりして分からなくなる恐れがないので、容器本体5内において薬品等の流動体を高精度に希釈したり、混合することができる。
そして、実施例1に係る流動体収容器4によれば、容器本体5の外において希釈又は混合すべき薬品等の流動体を、別途計量する必要がないので希釈作業又は混合作業の作業性を向上することができる。
このように、実施例1に係る流動体収容器4によれば、電子的な手段により常時高精度に容器本体5への薬品等の流動体の導入量を監視する必要はないものの、容器本体5内に収容される収容物の濃度を高精度に調整する必要がある場合に、過剰設備になることなく十分な機能を発揮させることができる。
また、流動体収容器4の配備に係るコストや、メンテナンスに係るコストも廉価にできるので、原子力発電所や火力発電所における作業性を向上するとともに、設備投資を小さくすることができる。
なお、図2では流動体収容器4として、先の図1に示す記録機能付目盛装置1Aを備えた場合を例に挙げて説明しているが、この記録機能付目盛装置1Aに代えて、以下に示す実施例2乃至実施例6に係る記録機能付目盛装置を用いることもできる。その際の、使用方法ならび作用、効果は実施例1に係る流動体収容器4の場合とほぼ同じである。なお、実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aとの相違点については以下に示すそれぞれの実施例において説明する。
【実施例2】
【0028】
図3を参照しながら本発明の実施例2に係る記録機能付目盛装置について詳細に説明する。
図3(a),(b)はいずれも本発明の実施例2に係る記録機能付目盛装置の側面図である。なお、図1又は図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aでは、スケールとして機能する平板体積層体2の個々の目盛を構成する平板体2aの端面17は、全て同じ幅(厚み)でしかも同じ色なので、目盛を読む場合に煩雑であった。
このような事情に鑑み、実施例2に係る記録機能付目盛装置1B,1Cでは、図3(a),(b)に示すように、平板体積層体2を構成する平板体2aの端面17を、所望枚数毎に色分けしたものである。
図3(a)は、その一例として、平板体2aを、例えば、5枚毎に1枚の平板体2aを他の平板体2aの端面17と区別できるよう色分けした記録機能付目盛装置1Bの側面図であり、図3(b)は、他の例として、平板体2aを、例えば、5枚毎に他の5枚の平板体2aの端面17と区別できるよう色分けした記録機能付目盛装置1Cの側面図である。
【0029】
このような実施例2に係る記録機能付目盛装置1B,1Cによれば、平板体積層体2をスケールとして用いてその目盛を読む際に、目盛数の目算を容易にして、目盛の読み間違えを防止することができる。
【実施例3】
【0030】
図4を参照しながら実施例3に係る記録機能付目盛装置について詳細に説明する。
図4は本発明の実施例3に係る記録機能付目盛装置の概念図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図1に示す実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aでは、平板体2a同士が隙間なく隣り合っているので、平板体積層体2から平板体2aを取り出す際に、目的とする平板体2aを円滑に取り出すのが難しいと考えられる。
このような事情に鑑み、実施例3に係る記録機能付目盛装置1Dでは、平板体積層体2を構成する個々の平板体2aの厚み部分(端面17)の下半分に切り欠き11を形成して透かすことで、個々の平板体2aの端部近傍が、隙間を有しながら独立して配置されるように構成したものである。
【0031】
このような実施例3に係る記録機能付目盛装置1Dによれば、平板体積層体2から目的とする平板体2aを取り出す際に、その近隣の平板体2aに触れ難くなるので、目的とする平板体2aを円滑に取り出して回動操作することができる。
この結果、平板体積層体2への、測点や目標点の記録作業の作業効率を向上するとともに、平板体2aの取り違いによる記録位置間違いを防止して作業精度も高めることができる。
なお、特に図示しないが、先の実施例2に係る記録機能付目盛装置1B,1Cの構成と、図4に示す実施例3に係る記録機能付目盛装置1Dの構成とを組み合わせた構成としてもよい。この場合、実施例2に係る記録機能付目盛装置1B,1Cによる効果と、実施例3に係る記録機能付目盛装置1Dによる効果とを併せた効果を発揮させることができる。
【実施例4】
【0032】
実施例4に係る記録機能付目盛装置について図5を参照しながら詳細に説明する。
図5は本発明の実施例4に係る記録機能付目盛装置の概念図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例4に係る記録機能付目盛装置1Eは、先の実施例3の冒頭に記載したような課題を別の構成を備えることにより解決したものである。
具体的には、実施例4に係る記録機能付目盛装置1Eは、平板体積層体2から目的とする平板体2aを取り出しやすくするために、先の実施例3に係る記録機能付目盛装置1Dでは、平板体2aの厚み部分に切り欠き11を形成して個々の平板体2aの端部を独立させたが(図4を参照)、実施例4に係る記録機能付目盛装置1Eでは、平板体2aの支持軸3により軸支されない側の端部で,かつ,平板体2aの同一平面上に突出部12aを形成して平板体2aの取り出しを容易にした。
【0033】
この場合、平板体2aの角19が、平板体積層体2の側面に突出した状態になるので、この角19に指の爪や、筆記具の先端を引っ掛ければ、目的とする平板体2aを容易に取り出すことができる。
また、先の図4に示す実施例3に係る記録機能付目盛装置1Dでは、その製造時に平板体2aの厚み部分に別途切り欠き11を形成するための加工が必要であるため、その製造が煩雑になることが予想される。また、個々の平板体2aが薄い場合には、切り欠き11が形成されることで、平板体2aの強度の低下が生じる恐れもあるが、実施例4に係る記録機能付目盛装置1Eの場合には、平板材から平板体2aを切り取る際の平面形状を変形するだけよいので、その製造コストを廉価にすることができる。
なお、特に図示しないが、先の実施例2に係る記録機能付目盛装置1B,1Cの構成と、図4に示す実施例4に係る記録機能付目盛装置1Eの構成とを組み合わせた構成としてもよい。この場合、実施例2に係る記録機能付目盛装置1B,1Cによる効果と、実施例4に係る記録機能付目盛装置1Eによる効果とを併せた効果を発揮させることができる。
【実施例5】
【0034】
実施例5に係る記録機能付目盛装置について図6を参照しながら詳細に説明する。
図6は本発明の実施例5に係る記録機能付目盛装置の概念図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例5に係る記録機能付目盛装置1Fも、先の実施例3の冒頭に記載したような課題を別の構成を備えることにより解決したものである。
具体的には、実施例5に係る記録機能付目盛装置1Fは、平板体積層体2から目的とする平板体2aを取り出しやすくするために、支持軸3により軸支される側の平板体2aの端部で,かつ,平板体2aと同一平面方向に湾曲する湾曲部12bを備えたものである。
先の実施例1乃至実施例4に係る記録機能付目盛装置においては、いずれも支持軸3に軸支されない側の平板体2aの端部を紙面手前側に引き出して回動操作することにより、平板体積層体2から目的とする平板体2aを突出させるよう構成しているのに対して、実施例5に係る記録機能付目盛装置1Fでは、平板体積層体2を構成する平板体2aの湾曲部12bの端面17を紙面手前から奥側に押し込むことで、すなわち、図6中において符号Eで示す方向に湾曲部12bを押し込むことで、支持軸3により軸支されない側の端部が回動して跳ね上がり、平板体積層体2から平板体2aを突出させることができるよう構成したものである。
なお、平板体2aの湾曲部12bの押し込み操作の際には、筆記具等の先端を利用するとよい。
【0035】
このような実施例5に係る記録機能付目盛装置1Fによれば、平板体積層体2から目的とする平板体2aの取り出しを容易にすることができるとともに、実施例4に係る記録機能付目盛装置1Eの場合と同様に、平板材から平板体2aを切り取る際の平面形状を変形するだけで容易に製造できるためその製造コストを廉価にすることができる。
また、特に図示しないが、先の実施例2に係る記録機能付目盛装置1B,1Cの構成と、図6に示す実施例5に係る記録機能付目盛装置1Fの構成とを組み合わせた構成としてもよい。この場合、実施例2に係る記録機能付目盛装置1B,1Cによる効果と、実施例5に係る記録機能付目盛装置1Fによる効果とを併せた効果を発揮させることができる。
【実施例6】
【0036】
図7を参照しながら実施例6に係る記録機能付目盛装置について詳細に説明する。
図7(a)は本発明の実施例6に係る記録機能付目盛装置の平面図であり、(b)は本発明の実施例6に係る記録機能付目盛装置の概念図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先の実施例1乃至実施例5に係る記録機能付目盛装置は、いずれも平板体積層体2を構成する平板体2aを、支持軸3を基軸に回動操作することにより、平板体積層体2から突出させることができるよう構成したが、平板体2aを回動動作によらず、スライド操作により平板体積層体2から突出させることができるよう構成してもよい。
具体的には、実施例6に係る記録機能付目盛装置1Gは、図7(b)に示すように、中央部に長孔16が穿設された平板材15を積層してなる平板体積層体2の長孔16に、軸14が挿通されて、この長孔16の両端部に止め板13がそれぞれ設けられて平板体積層体2を一体に固定したものである。
このような実施例6に係る記録機能付目盛装置1Gにおいては、軸14上を、平板材15をその長手方向にスライド移動させることで、図7(a)に示すように、平板体積層体2から突出した状態にすることができる。
すなわち、平板体積層体2上の所望の位置において、測点又は目標点を記録することができる。
【0037】
このような実施例6に係る記録機能付目盛装置1Gは、先の実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aと比較して、平板材15の操作方法が異なるのみでその作用、効果については実施例1に係る記録機能付目盛装置1Aと同じである。
また、実施例6に係る記録機能付目盛装置1Gの構成に、先の実施例2乃至4に係る記録機能付目盛装置1B〜1Eの構成をそれぞれ組み合わせた構成としてもよい。
あるいは、実施例6に係る記録機能付目盛装置1Gの構成に、先の実施例2に係る記録機能付目盛装置1B,1Cの構成を加えたものに、さらに、実施例3に係る記録機能付目盛装置1D,又は,実施例4に係る記録機能付目盛装置1Eの構成を組み合わせた構成としてもよい。
この場合、それぞれの実施例に係る発明の効果を組み合わせた効果が発揮される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明したように本発明は、薬品等の流動体を一時置きする容器本体においてその収容量を直接又は間接的に視認可能な箇所に併設されて、その収容量の測点や、収容物を導入する際の目標点を高精度にかつ確実に記録することができる記録機能付目盛装置及びそれを備えた流動体収容器に関するものであり、プラント等の設備や実験施設等の分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1A〜1G…記録機能付目盛装置 2…平板体積層体(スケール) 2a…平板体 3…支持軸 4…流動体収容器 5…容器本体 6…導入口 7…導出口 8…長窓 9…ポンプ 10…液面 11…切り欠き 12a…突出部 12b…湾曲部 13…止め板 14…軸 15…平板材 16…長孔 17…端面 18…収容物 19…角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容物の液位を視認可能な箇所に併設され、複数の平板体を互いに面接触させながら積層してなる平板体積層体を貫通して前記複数の平板体を一体に保持する支持軸を有し、
前記複数の平板体が目盛として機能しつつ、前記支持軸上を前記平板体の平面方向にスライドして,又は,前記平板体が前記支持軸を基軸にして回動して,前記平板体積層体から突出することにより前記被収容物の液位に関する測点又は目標点を一時的に記録可能であることを特徴とする記録機能付目盛装置。
【請求項2】
前記平板体の端面は、所望枚数毎に色分けされることを特徴とする請求項1記載の記録機能付目盛装置。
【請求項3】
前記平板体の端部は、個々の前記平板体の操作を容易にするために突出部又は湾曲部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録機能付目盛装置。
【請求項4】
容器本体と、この容器本体に流動体なる収容物を導入するための導入口と,前記収容物を前記容器本体から導出するための導出口と,前記容器本体の内部に収容される前記収容物の量を外から直接又は間接的に視認するために鉛直方向に伸長する長窓とを有する流動体収容器であって、
前記長窓に請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の記録機能付目盛装置を併設することを特徴とする流動体収容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−149989(P2012−149989A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8628(P2011−8628)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)