記録用シート材の一時保留機構および、これを備えたプリンタ
【課題】 小スペースで大きな保留能力を有するシート材の保留機構、および当該保留機構を備えたプリンタを提供する。
【解決手段】 サーマルプリンタは、ロール状に巻回された感熱性粘着シート１を保持するロール収納ユニット２と、感熱性粘着シート１に印字する印字用サーマルヘッド４を含む印字ユニットと、感熱性粘着シート１を切断するカッターユニット３と、印字された感熱性粘着シート１を筒状に丸めた状態にして一時的に保留する筒部材１０を含む保留ユニットと、感熱性粘着シート１の感熱性粘着剤層を熱活性化する熱活性化用サーマルヘッド６を含む熱活性化ユニットと、で構成される。
【解決手段】 サーマルプリンタは、ロール状に巻回された感熱性粘着シート１を保持するロール収納ユニット２と、感熱性粘着シート１に印字する印字用サーマルヘッド４を含む印字ユニットと、感熱性粘着シート１を切断するカッターユニット３と、印字された感熱性粘着シート１を筒状に丸めた状態にして一時的に保留する筒部材１０を含む保留ユニットと、感熱性粘着シート１の感熱性粘着剤層を熱活性化する熱活性化用サーマルヘッド６を含む熱活性化ユニットと、で構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はシート材に記録を行うプリンタに関し、特に、記録されたシート材を一時保留する機構に関する。なお、本発明に適用可能なシート材としては、片面または両面に記録を行うことのできる紙などの通常のシート材の他に、記録面（印字面）の裏側に加熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面を持つシート材や、記録面の裏側に剥離紙（ライナー）を貼り付けた粘着面を持つシート材を含む。
【背景技術】
【０００２】
従来、特許文献１に示されるように、記録物としてのシート材に記録を行った後、当該シート材を所定の長さに切断するためにシート材を一時保留する装置がある。
【０００３】
特許文献１に開示された装置は、印字などの記録が行われる記録面と該記録面の裏側に加熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面を持つシート材に適用されるプリンタである。
【０００４】
このプリンタでは、印字装置、カッター装置、および熱活性化装置が備えられている。印字装置はシート材の記録面に印字する印字手段と、シート材を所定の方向に搬送する第１の搬送手段とを有する。カッター装置は印字装置の後段に設けられ、熱活性化装置はカッター装置の後段に設けられている。この熱活性化装置はシート材の記録面とは反対側面を加熱する加熱手段と、シート材を所定の方向に搬送する第２の搬送手段とを有する。カッター装置と熱活性化装置の間には、シートを所定長撓ませることのできる空間部が設けられている。
【０００５】
このような構成のプリンタにおいて、シート材が第１の搬送手段で搬送されつつ、該シート材の記録面が印字手段で印字された後、記録されたシート材が第２の搬送手段で搬送されつつ、シート材の記録面とは反対側の熱活性粘着面が加熱される。
【０００６】
このとき、第２の搬送手段の搬送速度よりも第１の搬送手段の搬送速度の方を速くしておくことで、カッター装置と熱活性化装置の間の空間部においてシート材が撓む。そして、シート材が所定長撓んだら、加熱手段および第２の搬送手段の動作は継続したままで、印字手段および第１の搬送手段の動作が停止し、カッター装置によりシート材が切断される。
【０００７】
なお、特許文献１に記載の装置はシート材をＵ字形に撓ませて一時保留しているが、当該シート材を蛇腹状に撓ませて保留する方法も知られている。
【０００８】
また、記録シートを一時保留する機構を備えた別の従来例として、特許文献２に開示されたプリンタがある。この文献に開示されるプリンタは、記録中のシート材の先端が装置筐体の排出口から飛び出していると、記録およびシート切断が終了する前にシート材が引っ張られたり、押さえつけられたりして、記録ずれやジャムが生じるという不具合を防止するため、記録およびシート切断が完全に終了するまでシート材を装置内に保留しておき、終了したら排出口から装置外に排出する装置である。
【０００９】
この装置には、記録されたシートを駆動ローラと従動ローラで保持しながら自重で垂れ下げておく空間が設けられている。記録されたシートはこの空間に一時的に保留され、記録およびシート切断が完了したら、駆動ローラが逆回転してシート搬送方向が切換わり、記録および切断が完了したシートが排出口から装置外に排出される。
【特許文献１】特開２００３−３１６２６５号公報（図１参照）
【特許文献２】特開２００１−２６１２２８号公報（図１、図７参照）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら、特許文献１及び２に開示されるような記録物の一時保留機構は、記録やシート切断などの所定の処理が完了するまで、所定の空間に、記録されたシート材をＵ字状もしくは蛇腹状に撓ませておく、あるいは記録されたシート材を垂れ下げておく方法を採用している。
【００１１】
このため、シート材が記録されてから切断されるまでに必要とされる一枚分のシート長が長くなるほど、そのシート材を保留するために大きな空間を用意しなければならないといった問題が生じる。逆に言えば、シート材の保留空間の大きさによって、記録できる一枚分のシート長が制限される。
【００１２】
また、シート材の保留の為の空間を大きくすると、装置本体が大型化するという問題がある。このため、特許文献１及び２に開示されるような一時保留機構は片手で容易に持ち運ぶことのできる小型のモバイルプリンタに適用することはできなかった。
【００１３】
そこで本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み、小スペースで大きな保留能力を有するシート状記録物の保留機構、および当該保留機構を備えたプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
上記目的を達成するための本発明は、シート状の記録物に所定の処理を実施する前に該シート状の記録物を一時的に保留する記録物の一時保留機構であって、前記シート状の記録物を保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を有することを特徴とする。
【００１５】
上記の構成では、筒状もしくは渦巻き状の空間に導入されたシート状記録物がその進入につれて部材の内壁に沿って筒状に丸まっていく。空間内でシート状記録物が一回転した後は、シート状記録物の内面に沿って巻かれていく。その際、シート状記録物の移動により該シート状記録物の巻きつけが補助される。
【００１６】
このように、シート状記録物を一時保留するとき、当該シート状記録物を筒状に巻き取った状態で保留することができる。
【発明の効果】
【００１７】
上記のとおりの発明によれば、シート状記録物を筒状に巻き取った状態で保留するため、シート状記録物の保留の為に大きな空間を用意する必要がなく、装置の小型化を図ることができる。また、筒状もしくは渦巻き状の保留空間内においてシート状記録物がその内面に沿って巻かれていくので、保留空間の容積に、保留できるシート長が制約を受けない。
【００１８】
また、本発明の一時保留機構は狭い空間容積が大きな保留能力を有するので、小型のモバイルプリンタに適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００２０】
図１は本発明の実施形態によるサーマルプリンタの構成を示す概略図である。
【００２１】
図１に示す形態のサーマルプリンタは、ロール状に巻回されたテープ状の感熱性粘着シート１を保持するロール収納ユニット２と、感熱性粘着シート１に印字する印字用サーマルヘッド４を含む印字ユニットと、感熱性粘着シート１を切断するカッターユニット３と、印字された感熱性粘着シート１を筒状に丸めた状態にして一時的に保留する筒部材１０を含む保留ユニットと、感熱性粘着シート１の感熱性粘着剤層を熱活性化する熱活性化用サーマルヘッド６を含む熱活性化ユニットと、で構成される。さらに、このプリンタには、印字用サーマルヘッド４によって印字されカッターユニット３を通過した感熱性粘着シート１を保留ユニットの筒部材１０の中に搬送する場合の方向と、保留ユニットの筒部材１０の中から熱活性化ユニットの熱活性化用サーマルヘッド６に向けて感熱性粘着シート１を搬送する場合の方向とを切り換える搬送方向切換手段１３が備えられている。なお、本明細書でいう「印字」には、文字や数字以外に絵や模様などの画像を形成することを含む。
【００２２】
感熱性粘着シート１は、例えばシート基材の表面側に断熱層および感熱発色層（印字可能層）とが形成され、裏面側に感熱性粘着剤が塗布乾燥されてなる感熱性粘着剤層が形成された構造を有している。なお、感熱性粘着剤層は、熱可塑性樹脂、固体可塑性樹脂等を主成分とする感熱性粘着剤からなる。また、感熱性粘着シート１は、前記断熱層を有しないものや、感熱発色層の表面に保護層または有色印字層（予め印字されている層）が設けられているものでも良い。
【００２３】
上記の印字ユニットの印字用サーマルヘッド４は、ドット印字が可能なように幅方向に配設された複数の比較的小さな抵抗体で構成された複数の発熱素子を有する。印字ユニットは、この印字用サーマルヘッド４に圧接される印字用プラテンローラ５を備えている。
【００２４】
さらに、上記の印字ユニットは、印字用プラテンローラ５を回転駆動する例えばステッピングモータとギア列等からなる図示しない駆動系を備えており、この駆動系で印字用プラテンローラ５を所定の方向に回転させることにより、ロール収納ユニット２に装着されている感熱性粘着シート１をロールから引き出し、引き出された感熱性粘着シート１に印字用サーマルヘッド４で印字しながら所定の方向へ送出するようになっている。図１では、印字用プラテンローラ５は時計回りに回転され、感熱性粘着シート１は図面で見ると右斜め下側へ搬送される。また、上記の印字ユニットは、例えば、コイルバネや板バネなどからなる図示しない加圧手段を備え、この加圧手段の弾撥力により印字用プラテンローラ５を印字用サーマルヘッド４に向かって押圧させるようになっている。このとき、印字用プラテンローラ５の回転軸の軸方向と印字用サーマルヘッド４における発熱体の配列方向とを平行に保つことで、感熱性粘着シート１の幅方向全体にわたって均等に圧接できる。
【００２５】
カッターユニット３は、印字用サーマルヘッド４によって印字が行われた感熱性粘着シート１を所望の長さで切断するためのものであり、電動モータ等の駆動源（図示省略）によって作動される可動刃（図示省略）と、この可動刃と対向された固定刃（図示省略）等から構成されている。
【００２６】
上記の保留ユニットの筒部材１０は、印字され搬送されてきた感熱性粘着シート１を筒状に丸めて保留する保留スペース９を形成し、固定されている。さらに、筒部材１０は、一枚の板がその両端が重なるような筒状の形状をとり、重ねられた両端間の隙間が感熱性粘着シート１の出入口となっている。そして、この出入口部の直前には、印字された感熱性粘着シート１を搬送するための搬送ローラ１１と、この搬送ローラに押圧されて従動回転する従動ローラ１２とが配設されている。搬送ローラ１１及び従動ローラ１２は印字ユニットを通って搬送されてきた感熱性粘着シート１を保持しつつ、感熱性粘着シート１を筒部材１０内に搬入、または筒部材１０から外へ搬出する。この感熱性粘着シート１の搬入および搬出の切り換えは搬送ローラ１１の回転方向を切り換えることで行われる。なお、感熱性粘着シート１の保留スペース９は筒部材１０によって筒状に形成されているが、これに限られず、一枚の板が渦巻き状に巻かれた形状の部品によって形成されていてもよい。
【００２７】
上記の熱活性化ユニットの熱活性化用サーマルヘッド６は、この実施形態では印字用サーマルヘッド４と同様の構成のもの、すなわちセラミック基板の上に薄膜技術で形成された複数の発熱抵抗体表面に結晶化ガラスの保護膜を設けてなる、公知のサーマルプリンタの印字ヘッドと同様の構成のものを使用している。このように、熱活性化用サーマルヘッド６として印字用サーマルヘッド４と同じ構成のものを用いることにより部品を共通化してコストの低廉化を図ることができる。ただし、熱活性用サーマルヘッド６の発熱素子は、印字用サーマルヘッド４の発熱素子のようにドット単位で分割されている必要はなく、連続した抵抗体としてもよい。
【００２８】
上記の熱活性化ユニットは、この熱活性化用サーマルヘッド４に圧接される熱活性化用プラテンローラ７と、熱活性化された感熱性粘着シート１を装置筐体の外へ排出する排出ローラ８とを備えている。
【００２９】
さらに、熱活性化ユニットは、熱活性化用プラテンローラ７を回転させる例えばステッピングモータとギア列等からなる駆動系を備えており、この駆動系により熱活性化用プラテンローラ７は時計回りに回転され、感熱性粘着シート１を図面で見ると上側へ搬送するようになっている。また、熱活性化ユニットは、熱活性化用プラテンローラ７を熱活性化用サーマルヘッド６に向かって押圧させる加圧手段（例えば、コイルバネや板バネ）を備えている。このとき、熱活性化用プラテンローラ７の回転軸の軸方向と熱活性化サーマルヘッド６における発熱体の配列方向とを平行に保つことで、感熱性粘着シート１の幅方向全体にわたって均等に圧接できる。
【００３０】
次に、図２から図４に基づき、本実施形態のサーマルプリンタの動作について説明する。図２から図４は図１のプリンタにおける動作を示した概略図である。
【００３１】
まず、ロール状に巻回された感熱性粘着シート１がロール収納ユニット２に装着される。しかる後、印字ユニットに感熱性粘着シート１が搬送されると、印字用プラテンローラ５が回転し、印字用サーマルヘッド４の印字制御が始まる。図２（ａ）に示すように、感熱性粘着シート１は印字用プラテンローラ５と印字用サーマルヘッド４の間に挟み込まれて、印字用プラテンローラ５の回転駆動によってロール収納ユニット２から引き出されながら、印字用サーマルヘッド４により印字可能層（感熱発色層）に印字が行われる。
【００３２】
次いで、感熱性粘着シート１は印字用プラテンローラ５の回転駆動によって印字ユニットから送出され、次段のカッターユニット３へ搬送される。
【００３３】
感熱性粘着シート１の先端がカッターユニット３を通過した後、搬送方向切換手段１３によって保留ユニット側に向けられ、回転駆動している搬送ローラ１１及び従動ローラ１２の間に挟みこまれる。
【００３４】
図２（ｂ）に示すように、搬送ローラ１１及び従動ローラ１２の回転駆動によって感熱性粘着シート１は搬送され、筒部材１０の中の保留スペース９に導入される。
【００３５】
保留スペース９に導入された感熱性粘着シート１はその進入につれて筒部材１０の内壁に沿って筒状に丸まっていく。保留スペース９内で感熱性粘着シート１が一回転した後は、図３（ａ）に示すように、感熱性粘着シート１の内面に沿って巻かれていく。その際、搬送される感熱性粘着シート１の移動により感熱性粘着シート１の巻きつけが補助される。また、場合によっては、巻きつけを補助する回転体を保留スペース９に設けてもよい。
【００３６】
しかる後、印字用サーマルヘッド４による印字動作が終了すると、印字用プラテンローラ５および搬送ローラ１１の回転動作が停止し、感熱性粘着シート１が所望の位置でカッターユニット３により切断される。
【００３７】
切断後、図３（ｂ）に示すように搬送ローラ１１の回転動作が再び開始され、切断された感熱性粘着シート１の後端が図４（ａ）に示すように搬送ローラ１１と従動ローラ１２の間に到達するまで、搬送ローラ１１が駆動される。このとき、切断された感熱性粘着シート１の先端側は保留スペース９内にてさらに巻き取られる。
【００３８】
その後、図４（ｂ）に示すように搬送ローラ１１が反時計周りに逆転する。これにより、保留スペース９内に筒状に丸まりながら一時保留されている感熱性粘着シート１が、筒部材１０の中から引き出される。この際、一時保留されている感熱性粘着シート１の搬送方向が搬送方向切換手段１３によって熱活性化ユニット側に切り換えられる。
【００３９】
保留ユニットに一時保留されている感熱性粘着シート１が熱活性化ユニットに搬送されると、熱活性化用プラテンローラ７が回転し、熱活性化用サーマルヘッド６の加熱制御が始まる。このとき、印字用プラテンローラ５の回転制御は中断したままである。保留スペース９から送出された感熱性粘着シート１は熱活性化用プラテンローラ７と熱活性化用サーマルヘッド６の間に挟み込まれて、熱活性化用プラテンローラ７および搬送ローラ１１の回転駆動によって搬送されながら、熱活性化サーマルヘッド６により感熱性粘着剤層が加熱される。
【００４０】
上述したように印字、切断、および加熱が行われた所定長の感熱性粘着シート１は、排出ローラ８の回転駆動によって装置外部に排出され、そのままダンボールや食品ラップ、ガラス瓶やプラスチック容器などへ表示ラベルとして貼り付けられる。
【００４１】
以上説明したプリンタ動作のとおり、本実施形態のサーマルプリンタでは、印字された感熱性粘着シート１を切断処理および熱活性化処理を行う前に一時的に保留する保留スペースとして、筒部材の内側に形成される筒状空間を採用しているので、感熱性粘着シート１を筒状に巻き取った状態で保留することができる。このため、感熱性粘着シート１の保留の為に大きな空間を用意する必要がなく、装置の小型化を図ることができる。また、保留スペース内において筒状に巻いた感熱性粘着シート１の内面に沿って当該シートが巻かれていくので、保留スペースの内容積に、保留できるシート長が制約を受けない。
【００４２】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明のプリンタは上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【００４３】
例えば、上記の実施の形態では、印字ユニットにサーマルプリンタのような感熱方式の印字装置を適用したものを説明したが、本発明は、熱転写方式、インクジェット方式、レーザープリント方式等の印字装置を適用することも可能である。その場合には、シート材の印字可能層に感熱印字層に代えて各印字方式に適した加工が施されたシート材が用いられることとなる。
【００４４】
また、本発明によるシート状記録物の一時保留機構は、図１の装置構成において、熱活性化ユニットを印字ユニットに代えた両面印字のプリンタへ適用したり、あるいは、熱活性化ユニットを備えていないプリンタへ適用することも可能である。この場合には、感熱性粘着シートに代えて、普通紙や、記録面の裏側に剥離紙（ライナー）を貼り付けた粘着面を持つシート材が用いられることになる。
【図面の簡単な説明】
【００４５】
【図１】本発明の実施形態によるサーマルプリンタの構成を示す概略図である。
【図２】図１のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図３】図１のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図４】図１のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【符号の説明】
【００４６】
１ 感熱性粘着シート
２ ロール収納ユニット
３ カッターユニット
４ 印字用サーマルヘッド
５ 印字用プラテンローラ
６ 熱活性化用サーマルヘッド
７ 熱活性化用プラテンローラ
８ 排出ローラ
９ 保留スペース
１０ 筒部材
１１ 搬送ローラ
１２ 従動ローラ
１３ 搬送方向切換手段
【技術分野】
【０００１】
本発明はシート材に記録を行うプリンタに関し、特に、記録されたシート材を一時保留する機構に関する。なお、本発明に適用可能なシート材としては、片面または両面に記録を行うことのできる紙などの通常のシート材の他に、記録面（印字面）の裏側に加熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面を持つシート材や、記録面の裏側に剥離紙（ライナー）を貼り付けた粘着面を持つシート材を含む。
【背景技術】
【０００２】
従来、特許文献１に示されるように、記録物としてのシート材に記録を行った後、当該シート材を所定の長さに切断するためにシート材を一時保留する装置がある。
【０００３】
特許文献１に開示された装置は、印字などの記録が行われる記録面と該記録面の裏側に加熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面を持つシート材に適用されるプリンタである。
【０００４】
このプリンタでは、印字装置、カッター装置、および熱活性化装置が備えられている。印字装置はシート材の記録面に印字する印字手段と、シート材を所定の方向に搬送する第１の搬送手段とを有する。カッター装置は印字装置の後段に設けられ、熱活性化装置はカッター装置の後段に設けられている。この熱活性化装置はシート材の記録面とは反対側面を加熱する加熱手段と、シート材を所定の方向に搬送する第２の搬送手段とを有する。カッター装置と熱活性化装置の間には、シートを所定長撓ませることのできる空間部が設けられている。
【０００５】
このような構成のプリンタにおいて、シート材が第１の搬送手段で搬送されつつ、該シート材の記録面が印字手段で印字された後、記録されたシート材が第２の搬送手段で搬送されつつ、シート材の記録面とは反対側の熱活性粘着面が加熱される。
【０００６】
このとき、第２の搬送手段の搬送速度よりも第１の搬送手段の搬送速度の方を速くしておくことで、カッター装置と熱活性化装置の間の空間部においてシート材が撓む。そして、シート材が所定長撓んだら、加熱手段および第２の搬送手段の動作は継続したままで、印字手段および第１の搬送手段の動作が停止し、カッター装置によりシート材が切断される。
【０００７】
なお、特許文献１に記載の装置はシート材をＵ字形に撓ませて一時保留しているが、当該シート材を蛇腹状に撓ませて保留する方法も知られている。
【０００８】
また、記録シートを一時保留する機構を備えた別の従来例として、特許文献２に開示されたプリンタがある。この文献に開示されるプリンタは、記録中のシート材の先端が装置筐体の排出口から飛び出していると、記録およびシート切断が終了する前にシート材が引っ張られたり、押さえつけられたりして、記録ずれやジャムが生じるという不具合を防止するため、記録およびシート切断が完全に終了するまでシート材を装置内に保留しておき、終了したら排出口から装置外に排出する装置である。
【０００９】
この装置には、記録されたシートを駆動ローラと従動ローラで保持しながら自重で垂れ下げておく空間が設けられている。記録されたシートはこの空間に一時的に保留され、記録およびシート切断が完了したら、駆動ローラが逆回転してシート搬送方向が切換わり、記録および切断が完了したシートが排出口から装置外に排出される。
【特許文献１】特開２００３−３１６２６５号公報（図１参照）
【特許文献２】特開２００１−２６１２２８号公報（図１、図７参照）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら、特許文献１及び２に開示されるような記録物の一時保留機構は、記録やシート切断などの所定の処理が完了するまで、所定の空間に、記録されたシート材をＵ字状もしくは蛇腹状に撓ませておく、あるいは記録されたシート材を垂れ下げておく方法を採用している。
【００１１】
このため、シート材が記録されてから切断されるまでに必要とされる一枚分のシート長が長くなるほど、そのシート材を保留するために大きな空間を用意しなければならないといった問題が生じる。逆に言えば、シート材の保留空間の大きさによって、記録できる一枚分のシート長が制限される。
【００１２】
また、シート材の保留の為の空間を大きくすると、装置本体が大型化するという問題がある。このため、特許文献１及び２に開示されるような一時保留機構は片手で容易に持ち運ぶことのできる小型のモバイルプリンタに適用することはできなかった。
【００１３】
そこで本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み、小スペースで大きな保留能力を有するシート状記録物の保留機構、および当該保留機構を備えたプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
上記目的を達成するための本発明は、シート状の記録物に所定の処理を実施する前に該シート状の記録物を一時的に保留する記録物の一時保留機構であって、前記シート状の記録物を保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を有することを特徴とする。
【００１５】
上記の構成では、筒状もしくは渦巻き状の空間に導入されたシート状記録物がその進入につれて部材の内壁に沿って筒状に丸まっていく。空間内でシート状記録物が一回転した後は、シート状記録物の内面に沿って巻かれていく。その際、シート状記録物の移動により該シート状記録物の巻きつけが補助される。
【００１６】
このように、シート状記録物を一時保留するとき、当該シート状記録物を筒状に巻き取った状態で保留することができる。
【発明の効果】
【００１７】
上記のとおりの発明によれば、シート状記録物を筒状に巻き取った状態で保留するため、シート状記録物の保留の為に大きな空間を用意する必要がなく、装置の小型化を図ることができる。また、筒状もしくは渦巻き状の保留空間内においてシート状記録物がその内面に沿って巻かれていくので、保留空間の容積に、保留できるシート長が制約を受けない。
【００１８】
また、本発明の一時保留機構は狭い空間容積が大きな保留能力を有するので、小型のモバイルプリンタに適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００２０】
図１は本発明の実施形態によるサーマルプリンタの構成を示す概略図である。
【００２１】
図１に示す形態のサーマルプリンタは、ロール状に巻回されたテープ状の感熱性粘着シート１を保持するロール収納ユニット２と、感熱性粘着シート１に印字する印字用サーマルヘッド４を含む印字ユニットと、感熱性粘着シート１を切断するカッターユニット３と、印字された感熱性粘着シート１を筒状に丸めた状態にして一時的に保留する筒部材１０を含む保留ユニットと、感熱性粘着シート１の感熱性粘着剤層を熱活性化する熱活性化用サーマルヘッド６を含む熱活性化ユニットと、で構成される。さらに、このプリンタには、印字用サーマルヘッド４によって印字されカッターユニット３を通過した感熱性粘着シート１を保留ユニットの筒部材１０の中に搬送する場合の方向と、保留ユニットの筒部材１０の中から熱活性化ユニットの熱活性化用サーマルヘッド６に向けて感熱性粘着シート１を搬送する場合の方向とを切り換える搬送方向切換手段１３が備えられている。なお、本明細書でいう「印字」には、文字や数字以外に絵や模様などの画像を形成することを含む。
【００２２】
感熱性粘着シート１は、例えばシート基材の表面側に断熱層および感熱発色層（印字可能層）とが形成され、裏面側に感熱性粘着剤が塗布乾燥されてなる感熱性粘着剤層が形成された構造を有している。なお、感熱性粘着剤層は、熱可塑性樹脂、固体可塑性樹脂等を主成分とする感熱性粘着剤からなる。また、感熱性粘着シート１は、前記断熱層を有しないものや、感熱発色層の表面に保護層または有色印字層（予め印字されている層）が設けられているものでも良い。
【００２３】
上記の印字ユニットの印字用サーマルヘッド４は、ドット印字が可能なように幅方向に配設された複数の比較的小さな抵抗体で構成された複数の発熱素子を有する。印字ユニットは、この印字用サーマルヘッド４に圧接される印字用プラテンローラ５を備えている。
【００２４】
さらに、上記の印字ユニットは、印字用プラテンローラ５を回転駆動する例えばステッピングモータとギア列等からなる図示しない駆動系を備えており、この駆動系で印字用プラテンローラ５を所定の方向に回転させることにより、ロール収納ユニット２に装着されている感熱性粘着シート１をロールから引き出し、引き出された感熱性粘着シート１に印字用サーマルヘッド４で印字しながら所定の方向へ送出するようになっている。図１では、印字用プラテンローラ５は時計回りに回転され、感熱性粘着シート１は図面で見ると右斜め下側へ搬送される。また、上記の印字ユニットは、例えば、コイルバネや板バネなどからなる図示しない加圧手段を備え、この加圧手段の弾撥力により印字用プラテンローラ５を印字用サーマルヘッド４に向かって押圧させるようになっている。このとき、印字用プラテンローラ５の回転軸の軸方向と印字用サーマルヘッド４における発熱体の配列方向とを平行に保つことで、感熱性粘着シート１の幅方向全体にわたって均等に圧接できる。
【００２５】
カッターユニット３は、印字用サーマルヘッド４によって印字が行われた感熱性粘着シート１を所望の長さで切断するためのものであり、電動モータ等の駆動源（図示省略）によって作動される可動刃（図示省略）と、この可動刃と対向された固定刃（図示省略）等から構成されている。
【００２６】
上記の保留ユニットの筒部材１０は、印字され搬送されてきた感熱性粘着シート１を筒状に丸めて保留する保留スペース９を形成し、固定されている。さらに、筒部材１０は、一枚の板がその両端が重なるような筒状の形状をとり、重ねられた両端間の隙間が感熱性粘着シート１の出入口となっている。そして、この出入口部の直前には、印字された感熱性粘着シート１を搬送するための搬送ローラ１１と、この搬送ローラに押圧されて従動回転する従動ローラ１２とが配設されている。搬送ローラ１１及び従動ローラ１２は印字ユニットを通って搬送されてきた感熱性粘着シート１を保持しつつ、感熱性粘着シート１を筒部材１０内に搬入、または筒部材１０から外へ搬出する。この感熱性粘着シート１の搬入および搬出の切り換えは搬送ローラ１１の回転方向を切り換えることで行われる。なお、感熱性粘着シート１の保留スペース９は筒部材１０によって筒状に形成されているが、これに限られず、一枚の板が渦巻き状に巻かれた形状の部品によって形成されていてもよい。
【００２７】
上記の熱活性化ユニットの熱活性化用サーマルヘッド６は、この実施形態では印字用サーマルヘッド４と同様の構成のもの、すなわちセラミック基板の上に薄膜技術で形成された複数の発熱抵抗体表面に結晶化ガラスの保護膜を設けてなる、公知のサーマルプリンタの印字ヘッドと同様の構成のものを使用している。このように、熱活性化用サーマルヘッド６として印字用サーマルヘッド４と同じ構成のものを用いることにより部品を共通化してコストの低廉化を図ることができる。ただし、熱活性用サーマルヘッド６の発熱素子は、印字用サーマルヘッド４の発熱素子のようにドット単位で分割されている必要はなく、連続した抵抗体としてもよい。
【００２８】
上記の熱活性化ユニットは、この熱活性化用サーマルヘッド４に圧接される熱活性化用プラテンローラ７と、熱活性化された感熱性粘着シート１を装置筐体の外へ排出する排出ローラ８とを備えている。
【００２９】
さらに、熱活性化ユニットは、熱活性化用プラテンローラ７を回転させる例えばステッピングモータとギア列等からなる駆動系を備えており、この駆動系により熱活性化用プラテンローラ７は時計回りに回転され、感熱性粘着シート１を図面で見ると上側へ搬送するようになっている。また、熱活性化ユニットは、熱活性化用プラテンローラ７を熱活性化用サーマルヘッド６に向かって押圧させる加圧手段（例えば、コイルバネや板バネ）を備えている。このとき、熱活性化用プラテンローラ７の回転軸の軸方向と熱活性化サーマルヘッド６における発熱体の配列方向とを平行に保つことで、感熱性粘着シート１の幅方向全体にわたって均等に圧接できる。
【００３０】
次に、図２から図４に基づき、本実施形態のサーマルプリンタの動作について説明する。図２から図４は図１のプリンタにおける動作を示した概略図である。
【００３１】
まず、ロール状に巻回された感熱性粘着シート１がロール収納ユニット２に装着される。しかる後、印字ユニットに感熱性粘着シート１が搬送されると、印字用プラテンローラ５が回転し、印字用サーマルヘッド４の印字制御が始まる。図２（ａ）に示すように、感熱性粘着シート１は印字用プラテンローラ５と印字用サーマルヘッド４の間に挟み込まれて、印字用プラテンローラ５の回転駆動によってロール収納ユニット２から引き出されながら、印字用サーマルヘッド４により印字可能層（感熱発色層）に印字が行われる。
【００３２】
次いで、感熱性粘着シート１は印字用プラテンローラ５の回転駆動によって印字ユニットから送出され、次段のカッターユニット３へ搬送される。
【００３３】
感熱性粘着シート１の先端がカッターユニット３を通過した後、搬送方向切換手段１３によって保留ユニット側に向けられ、回転駆動している搬送ローラ１１及び従動ローラ１２の間に挟みこまれる。
【００３４】
図２（ｂ）に示すように、搬送ローラ１１及び従動ローラ１２の回転駆動によって感熱性粘着シート１は搬送され、筒部材１０の中の保留スペース９に導入される。
【００３５】
保留スペース９に導入された感熱性粘着シート１はその進入につれて筒部材１０の内壁に沿って筒状に丸まっていく。保留スペース９内で感熱性粘着シート１が一回転した後は、図３（ａ）に示すように、感熱性粘着シート１の内面に沿って巻かれていく。その際、搬送される感熱性粘着シート１の移動により感熱性粘着シート１の巻きつけが補助される。また、場合によっては、巻きつけを補助する回転体を保留スペース９に設けてもよい。
【００３６】
しかる後、印字用サーマルヘッド４による印字動作が終了すると、印字用プラテンローラ５および搬送ローラ１１の回転動作が停止し、感熱性粘着シート１が所望の位置でカッターユニット３により切断される。
【００３７】
切断後、図３（ｂ）に示すように搬送ローラ１１の回転動作が再び開始され、切断された感熱性粘着シート１の後端が図４（ａ）に示すように搬送ローラ１１と従動ローラ１２の間に到達するまで、搬送ローラ１１が駆動される。このとき、切断された感熱性粘着シート１の先端側は保留スペース９内にてさらに巻き取られる。
【００３８】
その後、図４（ｂ）に示すように搬送ローラ１１が反時計周りに逆転する。これにより、保留スペース９内に筒状に丸まりながら一時保留されている感熱性粘着シート１が、筒部材１０の中から引き出される。この際、一時保留されている感熱性粘着シート１の搬送方向が搬送方向切換手段１３によって熱活性化ユニット側に切り換えられる。
【００３９】
保留ユニットに一時保留されている感熱性粘着シート１が熱活性化ユニットに搬送されると、熱活性化用プラテンローラ７が回転し、熱活性化用サーマルヘッド６の加熱制御が始まる。このとき、印字用プラテンローラ５の回転制御は中断したままである。保留スペース９から送出された感熱性粘着シート１は熱活性化用プラテンローラ７と熱活性化用サーマルヘッド６の間に挟み込まれて、熱活性化用プラテンローラ７および搬送ローラ１１の回転駆動によって搬送されながら、熱活性化サーマルヘッド６により感熱性粘着剤層が加熱される。
【００４０】
上述したように印字、切断、および加熱が行われた所定長の感熱性粘着シート１は、排出ローラ８の回転駆動によって装置外部に排出され、そのままダンボールや食品ラップ、ガラス瓶やプラスチック容器などへ表示ラベルとして貼り付けられる。
【００４１】
以上説明したプリンタ動作のとおり、本実施形態のサーマルプリンタでは、印字された感熱性粘着シート１を切断処理および熱活性化処理を行う前に一時的に保留する保留スペースとして、筒部材の内側に形成される筒状空間を採用しているので、感熱性粘着シート１を筒状に巻き取った状態で保留することができる。このため、感熱性粘着シート１の保留の為に大きな空間を用意する必要がなく、装置の小型化を図ることができる。また、保留スペース内において筒状に巻いた感熱性粘着シート１の内面に沿って当該シートが巻かれていくので、保留スペースの内容積に、保留できるシート長が制約を受けない。
【００４２】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明のプリンタは上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【００４３】
例えば、上記の実施の形態では、印字ユニットにサーマルプリンタのような感熱方式の印字装置を適用したものを説明したが、本発明は、熱転写方式、インクジェット方式、レーザープリント方式等の印字装置を適用することも可能である。その場合には、シート材の印字可能層に感熱印字層に代えて各印字方式に適した加工が施されたシート材が用いられることとなる。
【００４４】
また、本発明によるシート状記録物の一時保留機構は、図１の装置構成において、熱活性化ユニットを印字ユニットに代えた両面印字のプリンタへ適用したり、あるいは、熱活性化ユニットを備えていないプリンタへ適用することも可能である。この場合には、感熱性粘着シートに代えて、普通紙や、記録面の裏側に剥離紙（ライナー）を貼り付けた粘着面を持つシート材が用いられることになる。
【図面の簡単な説明】
【００４５】
【図１】本発明の実施形態によるサーマルプリンタの構成を示す概略図である。
【図２】図１のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図３】図１のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図４】図１のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【符号の説明】
【００４６】
１ 感熱性粘着シート
２ ロール収納ユニット
３ カッターユニット
４ 印字用サーマルヘッド
５ 印字用プラテンローラ
６ 熱活性化用サーマルヘッド
７ 熱活性化用プラテンローラ
８ 排出ローラ
９ 保留スペース
１０ 筒部材
１１ 搬送ローラ
１２ 従動ローラ
１３ 搬送方向切換手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
シート状の記録物に所定の処理を実施する前に該シート状の記録物を一時的に保留する記録物の一時保留機構であって、前記シート状の記録物を保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を備えた記録物の一時保留機構。
【請求項２】
前記シート状の記録物を前記空間に搬入もしくは前記空間から搬出する搬送手段をさらに備えた請求項１に記載の記録物の一時保留機構。
【請求項３】
シートの一面に印字する印字手段と前記シートを所定の方向に搬送する第１の搬送手段とを有する印字装置と、前記印字装置の後段に設けられ前記シートを所定の長さに切断するカッター装置と、前記カッター装置の後段に設けられ、前記シートを一時保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を有する保留機構と、を備えたプリンタ。
【請求項４】
前記保留機構は、前記シートを前記空間に搬入もしくは前記空間から搬出する搬送手段をさらに備えた、請求項３に記載のプリンタ。
【請求項５】
シートの一面に印字する印字手段と前記シートを所定の方向に搬送する第１の搬送手段とを有する印字装置と、前記印字装置の後段に設けられ前記シートを所定の長さに切断するカッター装置と、前記カッター装置の後段に設けられ、前記シートを一時保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を有する保留機構と、前記保留機構の後段に設けられ、前記シートの他面を加熱する加熱手段と前記シートを所定の方向に搬送する第２の搬送手段を有する熱活性化装置と、を備えたプリンタ。
【請求項６】
前記保留機構は、前記シートを前記空間に搬入もしくは前記空間から前記熱活性化装置側に搬出する搬送手段をさらに備えた、請求項５に記載のプリンタ。
【請求項７】
前記熱活性化装置が、一面に印字可能層が形成され他面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートの該感熱性粘着剤層を加熱して粘着力を発現させる、請求項５または６に記載のプリンタ。
【請求項８】
シートの一面に印字する第１の印字手段と前記シートを所定の方向に搬送する第１の搬送手段とを有する第１の印字装置と、前記印字装置の後段に設けられ前記シートを所定の長さに切断するカッター装置と、前記カッター装置の後段に設けられ、前記シートを一時保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を有する保留機構と、前記保留機構の後段に設けられ、前記シートの他面を印字する第２の印字手段と前記シートを所定の方向に搬送する第２の搬送手段を有する第２の印字装置と、を備えたプリンタ。
【請求項９】
前記保留機構は、前記シートを前記空間に搬入もしくは前記空間から前記第２の印字装置側に搬出する搬送手段をさらに備えた、請求項８に記載のプリンタ。
【請求項１】
シート状の記録物に所定の処理を実施する前に該シート状の記録物を一時的に保留する記録物の一時保留機構であって、前記シート状の記録物を保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を備えた記録物の一時保留機構。
【請求項２】
前記シート状の記録物を前記空間に搬入もしくは前記空間から搬出する搬送手段をさらに備えた請求項１に記載の記録物の一時保留機構。
【請求項３】
シートの一面に印字する印字手段と前記シートを所定の方向に搬送する第１の搬送手段とを有する印字装置と、前記印字装置の後段に設けられ前記シートを所定の長さに切断するカッター装置と、前記カッター装置の後段に設けられ、前記シートを一時保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を有する保留機構と、を備えたプリンタ。
【請求項４】
前記保留機構は、前記シートを前記空間に搬入もしくは前記空間から搬出する搬送手段をさらに備えた、請求項３に記載のプリンタ。
【請求項５】
シートの一面に印字する印字手段と前記シートを所定の方向に搬送する第１の搬送手段とを有する印字装置と、前記印字装置の後段に設けられ前記シートを所定の長さに切断するカッター装置と、前記カッター装置の後段に設けられ、前記シートを一時保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を有する保留機構と、前記保留機構の後段に設けられ、前記シートの他面を加熱する加熱手段と前記シートを所定の方向に搬送する第２の搬送手段を有する熱活性化装置と、を備えたプリンタ。
【請求項６】
前記保留機構は、前記シートを前記空間に搬入もしくは前記空間から前記熱活性化装置側に搬出する搬送手段をさらに備えた、請求項５に記載のプリンタ。
【請求項７】
前記熱活性化装置が、一面に印字可能層が形成され他面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートの該感熱性粘着剤層を加熱して粘着力を発現させる、請求項５または６に記載のプリンタ。
【請求項８】
シートの一面に印字する第１の印字手段と前記シートを所定の方向に搬送する第１の搬送手段とを有する第１の印字装置と、前記印字装置の後段に設けられ前記シートを所定の長さに切断するカッター装置と、前記カッター装置の後段に設けられ、前記シートを一時保留するための筒状もしくは渦巻き状の空間を形成する部材を有する保留機構と、前記保留機構の後段に設けられ、前記シートの他面を印字する第２の印字手段と前記シートを所定の方向に搬送する第２の搬送手段を有する第２の印字装置と、を備えたプリンタ。
【請求項９】
前記保留機構は、前記シートを前記空間に搬入もしくは前記空間から前記第２の印字装置側に搬出する搬送手段をさらに備えた、請求項８に記載のプリンタ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００６−８２９０２（Ｐ２００６−８２９０２Ａ）
【公開日】平成１８年３月３０日（２００６．３．３０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２６７３７２（Ｐ２００４−２６７３７２）
【出願日】平成１６年９月１４日（２００４．９．１４）
【出願人】（０００００２３２５）セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年３月３０日（２００６．３．３０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年９月１４日（２００４．９．１４）
【出願人】（０００００２３２５）セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Ｆターム（参考）】
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