記録装置
【課題】一面側に記録が施される媒体の他面側を支える支持部材に設けられた開口部の形状を変更することなく、該開口部における媒体の落ち込みを抑制することができる記録装置を提供する。
【解決手段】プリンター11は、搬送方向Xに沿って搬送される用紙Pの一面側に記録を施す記録ヘッド13と、用紙Pの他面側を固定状態で支える固定リブ26及び記録ヘッド13に対向する領域で開口する開口部25を有するプラテン15と、開口内において、用紙Pの他面側を支える支持位置と該支持位置から離間した位置との間を、搬送方向Xと交差する幅方向Yに沿って移動する可動リブ32と、を備える。
【解決手段】プリンター11は、搬送方向Xに沿って搬送される用紙Pの一面側に記録を施す記録ヘッド13と、用紙Pの他面側を固定状態で支える固定リブ26及び記録ヘッド13に対向する領域で開口する開口部25を有するプラテン15と、開口内において、用紙Pの他面側を支える支持位置と該支持位置から離間した位置との間を、搬送方向Xと交差する幅方向Yに沿って移動する可動リブ32と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録装置として、記録ヘッドから用紙(媒体)の一面側に対してインクなどの流体を噴射することで印刷(記録)を行うインクジェット式プリンターが広く知られている。こうしたプリンターには、一面側に記録が施される用紙の他面側を支えるためのプラテンを備えるものが多い(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、このようなプリンターには、プラテンに開口部を設け、この開口部に、噴射されたインクのうち用紙の縁から外側にはみ出たインクを受容したり、印刷の合間に行われるフラッシングの際にインクを受容したりするためのインク吸収体を配置したものがあった。そして、こうした開口部を設けることで、開口内に落ち込んだ用紙の先端側が開口部に引っかかって紙ジャムの原因となることがあった。
【0004】
そのため、例えば特許文献1のプリンターにおいては、従来の開口部よりも開口面積の小さい3つ以上の小開口部を互い違いに配置することで、用紙の落ち込みを抑制するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−106432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、開口部の形状は、記録ヘッドの形状に対応して設計する必要があるため、用紙の落ち込みを抑制するのに効果的な形状に変更することができない場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、一面側に記録が施される媒体の他面側を支える支持部材に設けられた開口部の形状を変更することなく、該開口部における媒体の落ち込みを抑制することができる記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、搬送方向に沿って搬送される媒体の一面側に記録を施す記録ヘッドと、前記媒体の他面側を固定状態で支える固定支持部及び前記記録ヘッドに対向する領域で開口する開口部を有する支持部材と、前記開口内において、前記媒体の前記他面側を支える支持位置と該支持位置から離間した位置との間を、前記搬送方向と交差する幅方向に沿って移動する可動支持部と、を備える。
【0009】
この構成によれば、支持部材には開口部が設けられているが、開口内には、搬送方向と交差する幅方向に沿って移動する可動支持部が設けられている。したがって、媒体が搬送される際には、可動支持部が支持位置に移動することで、固定支持部と協働して媒体の他面側を支えることができる。これにより、一面側に記録が施される媒体の他面側を支える支持部材に設けられた開口部の形状を変更することなく、該開口部における媒体の落ち込みを抑制することができる。
【0010】
本発明の記録装置において、前記可動支持部は、前記搬送方向において、前記開口に対応する長さを有する。
この構成によれば、可動支持部は、搬送方向において、開口に対応する長さを有するので、任意の形状の開口部に対応して、媒体を支えることができる。
【0011】
本発明の記録装置において、前記固定支持部は、前記搬送方向に沿って延びるとともに、前記幅方向に並ぶように配置された複数の固定リブであり、前記可動支持部は、前記固定リブと対応する形状を有する可動リブである。
【0012】
この構成によれば、可動支持部は、幅方向において固定リブが設けられた位置を支持位置とする一方、幅方向において固定リブが設けられていない領域を退避位置とすることができる。そして、可動支持部は固定リブと対応する形状を有する可動リブであるので、搬送方向に固定リブと並ぶ支持位置に移動することで、固定リブと同様に媒体を支えることができる。
【0013】
本発明の記録装置において、前記記録ヘッドは、前記媒体に流体を噴射することで記録を施すとともに、前記開口内には、前記記録ヘッドが噴射する流体を受容する受容部が配置され、前記記録ヘッドが前記受容部の前記幅方向における一方側に向けて流体を噴射する際に、前記可動支持部は、前記幅方向における他方側に退避する。
【0014】
この構成によれば、開口内には、記録ヘッドが噴射する流体を受容する受容部が配置されているが、可動支持部は幅方向に沿って移動可能であるので、記録ヘッドが受容部の幅方向における一方側に向けて流体を噴射する際には、幅方向における他方側に退避することができる。そして、記録ヘッドが幅方向において受容部の一方側と他方側とに分けて流体を噴射することで、可動支持部は受容部が設けられた位置から完全に退避する必要がないので、支持位置から退避する時間を短くすることができる。したがって、媒体の搬送が高速で行われる場合にも、媒体の搬送の合間に受容部へ向けて流体を噴射するフラッシングを行うことができる。
【0015】
本発明の記録装置は、前記開口を通じて、前記記録ヘッドに当接する当接位置と、前記記録ヘッドから離間する離間位置との間を移動可能なキャップをさらに備え、前記可動支持部は、前記キャップが前記当接位置に移動する際には、前記幅方向において前記キャップと並ぶ位置に退避する。
【0016】
この構成によれば、開口内にはキャップが配置されるが、可動支持部は幅方向に移動可能であるので、キャップが上昇移動して記録ヘッドに当接する当接位置に移動する際には、幅方向においてキャップと並ぶ位置に退避することができる。
【0017】
本発明の記録装置は、前記幅方向に沿って移動しつつ前記記録ヘッドを払拭するワイパー部材をさらに備え、前記可動支持部は、前記ワイパー部材によって構成される。
この構成によれば、可動支持部は記録ヘッドを払拭するワイパー部材によって構成されるので、可動支持部を構成するための専用部材を備える必要がない。
【0018】
本発明の記録装置は、前記幅方向に沿って移動しつつ前記記録ヘッドを払拭するワイパー部材と、該ワイパー部材及び前記可動支持部を前記幅方向に沿って移動させる移動機構と、をさらに備える。
【0019】
この構成によれば、ワイパー部材及び可動支持部を幅方向に沿って移動させる移動機構を備えるので、可動支持部がワイパー部材と移動機構を共有することで、部品点数の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態における記録装置の概略構成を示す断面図。
【図2】搬送ローラー対の構成を示す側面図。
【図3】ヘッドユニットを斜め下側から見た斜視図。
【図4】メンテナンスユニットを内蔵するプラテンの斜視図。
【図5】メンテナンスユニットを内蔵するプラテンの上面図。
【図6】印刷を行う場合の可動リブの位置を示す断面図。
【図7】キャップの前側に向けてフラッシングをする場合の可動リブの位置を示す断面図。
【図8】キャップの後側に向けてフラッシングをする場合の可動リブの位置を示す断面図。
【図9】ワイピングを行う場合のワイパー部材の位置を示す断面図。
【図10】キャッピングを行う場合の可動リブの位置を示す断面図。
【図11】可動リブとして機能する別の実施形態のワイパー部材を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を記録装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター」という)に具体化した実施形態を図1〜図10を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は各図中に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
【0022】
図1に示すように、記録装置としてのプリンター11は、媒体としての用紙Pを搬送方向X(図1では右方向)に沿って搬送する搬送装置12と、複数(本実施形態では4つ)の記録ヘッド13を備えるヘッドユニット14と、支持部材としてのプラテン15と、プラテン15内に収容されたメンテナンスユニット16とを備えている。
【0023】
搬送装置12は、給紙ローラー対20と、排紙ローラー対21と、給紙ローラー対20及び排紙ローラー対21を回転させる図示しない搬送モーターとを備えている。そして、搬送モーターの回転駆動に伴って、給紙ローラー対20が用紙Pを挟持しつつプラテン15上に給紙するとともに、排紙ローラー対21がプラテン15上から用紙Pを排紙するようになっている。
【0024】
図2に示すように、給紙ローラー対20は、搬送モーターに接続された駆動軸20aと、駆動軸20aに支持された駆動ローラー20bと、回転軸20cと、回転軸20cに支持された従動ローラー20dと、コルゲーションローラー20eとを備えている。回転軸20cは、図示しない付勢部材によって駆動軸20aに近接する方向に付勢されている。これにより、給紙ローラー対20は、駆動ローラー20bと従動ローラー20dとの間に用紙Pを挟持する。
【0025】
コルゲーションローラー20eは、駆動ローラー20bよりも大きな径を有して駆動軸20aに支持されているとともに、駆動ローラー20bと隣接する位置に配置されている。なお、コルゲーションローラー20eは、回転軸20cに支持されるようにしてもよい。
【0026】
そして、給紙ローラー対20に挟持された用紙Pは、コルゲーションローラー20eによって幅方向Yに沿ってわずかに波打つような形状となることで腰付けされるようになっている。すなわち、用紙Pはプラテン15上で一面側(上面側)に記録が施されるが、このときに用紙Pが搬送方向Xに撓むと記録位置がずれるなどして記録品質が低下するため、用紙Pを腰付けした状態で給紙することで、用紙Pの撓みを抑制するようにしている。
【0027】
図1に示すように、ヘッドユニット14には、異なる色のインク(流体)に対応した記録ヘッド13(13A,13B,13C,13D)が搬送方向Xに沿って並ぶように配置されている。また、各記録ヘッド13の下面からなるノズル形成面23には、インクを噴射する複数のノズル24が設けられている。
【0028】
図3に示すように、ヘッドユニット14の下面側には、搬送方向X及び搬送方向Xと交差する幅方向Y(前後方向)に沿って千鳥状に配置された複数の記録ヘッド13のノズル形成面23が露出している。また、ノズル24は、各ノズル形成面23に幅方向Yに沿って等間隔に並ぶように配置されている。
【0029】
すなわち、ヘッドユニット14は、複数の記録ヘッド13を幅方向Yに沿って配置することで、長尺状の記録ヘッドを備えることなく、固定された状態で用紙最大幅範囲の印刷が可能なラインヘッドを構成している。そして、給紙ローラー対20及び排紙ローラー対21によって搬送される用紙Pをプラテン15上で停止させることなく、各記録ヘッド13のノズル24から異なる色のインクを順次噴射することで、用紙Pに記録(印刷)が施されるようになっている。
【0030】
図4及び図5に示すように、プラテン15の上面側には、記録ヘッド13の各ノズル形成面23と対向する領域で開口する開口部25が設けられている。また、プラテン15の上面側には、給紙ローラー対20によって腰付けされた用紙Pの下面側(他面側)を固定状態で支える固定支持部としての固定リブ26が設けられている。
【0031】
図1、図4及び図5に示すように、固定リブ26は、搬送方向Xに沿って延びるとともに、給紙ローラー対20のコルゲーションローラー20eと対応する位置に、幅方向Yに並ぶように複数配置されている。また、固定リブ26の上面側において、搬送方向Xの上流側となる左端側には、用紙Pの引っかかりを抑制するための傾斜面27が形成されている。
【0032】
図1及び図5に示すように、メンテナンスユニット16は、各開口部25が形成する開口内に配置された有底箱状のキャップ30と、ワイパー部材31とを有している。また、ワイパー部材31の後方には、固定リブ26と対応する形状を有する可動支持部としての可動リブ32が配置されている。
【0033】
なお、平面視において、開口部25及びキャップ30は、記録ヘッド13の形状に対応して幅方向Yが長手方向となっている。また、ワイパー部材31及び可動リブ32は、搬送方向Xが長手方向となっている。
【0034】
図1に示すように、キャップ30は、上端側に弾性部材からなる矩形枠状のシール部30aを有している。また、キャップ30の内底部には、記録ヘッド13が噴射するインクを受容する受容部としてのインク吸収体33が収容されている。そして、キャップ30は、昇降機構34によって上下方向に沿って移動することで、各記録ヘッド13のノズル形成面23にシール部30aが当接する当接位置と、記録ヘッド13から離間する離間位置との間を移動するようになっている。
【0035】
図1及び図5に示すように、ワイパー部材31は、キャップ30のシール部30aを跨ぐように、搬送方向X(左右方向)に延びる摺接部35と、摺接部35の左右両端を支持する支柱部36とを有している。そして、ワイパー部材31は、摺接部35が記録ヘッド13のノズル形成面23に当接した状態で、移動機構37(図1参照)によって幅方向Yに沿って移動することで、ノズル形成面23を払拭するようになっている。また、ワイパー部材31は、昇降機構38(図1参照)によって上下方向に移動することで、各記録ヘッド13のノズル形成面23に当接する当接位置と、記録ヘッド13から離間する離間位置との間を移動するようになっている。
【0036】
可動リブ32は、キャップ30のシール部30aを跨ぐように、搬送方向X(左右方向)に延びて用紙Pを支える支持部39と、支持部39の左右両端を支持する支柱部40とを有している。なお、支持部39は、搬送方向Xにおいて開口部25が形成する開口に対応する長さを有するとともに、幅方向Yにおいて固定リブ26に対応する長さを有している。また、可動リブ32の上面側において、搬送方向Xの上流側となる左端側には、用紙Pの引っかかりを抑制するための傾斜面41が形成されている。
【0037】
図6に示すように、幅方向Yに並ぶ複数のキャップ30は、昇降機構34を構成する基台部42に支持されている。また、幅方向Yに並ぶ複数のワイパー部材31は、昇降機構38を構成する基台部43に支持されている。したがって、幅方向Yに並ぶキャップ30及びワイパー部材31は、それぞれ共通の昇降機構34,38によって上下移動可能となっている。なお、図6〜図11においては、表現の簡略化のために、記録ヘッド13を小さく(幅方向Yに短く)図示している。
【0038】
また、昇降機構38の基台部43及び幅方向Yに並ぶ複数の可動リブ32は、移動機構37を構成する基台部44に支持されている。したがって、幅方向Yに並ぶ複数のワイパー部材31及び可動リブ32は、共通の移動機構37によって、幅方向Yに沿って移動可能となっている。なお、昇降機構34,38及び移動機構37は、それぞれ基台部42,43,44を移動させるための図示しない動力源と動力伝達機構(例えば、カム機構やラックアンドピニオン機構など、図示略)とを備える。
【0039】
次に、プリンター11の作用について説明する。
まず、用紙Pに対する印刷を行う場合には、図4及び図5に示すように、可動リブ32を幅方向Yにおいて固定リブ26と並ぶ支持位置に移動させる。これにより、図6に示すように、搬送方向Xに搬送される用紙Pは、可動リブ32の支持部39と固定リブ26とによって、他面側が支えられる。
【0040】
また、複数の用紙Pに対して連続的に印刷を行う場合、プリンター11は、ノズル24の目詰まりを予防するために、印刷の合間にキャップ30のインク吸収体33に向けてインクを噴射するフラッシュングを行う。このフラッシングは、幅方向Yに並ぶノズル24のうち、前側(一方側)の半数と、後側(他方側)の半数とで交互に行われる。
【0041】
そして、図7に示すように、幅方向Yにおいて記録ヘッド13の前側のノズル24からインク吸収体33の前側に向けてインクを噴射する際には、可動リブ32が後側に退避する。一方、図8に示すように、幅方向Yにおいて記録ヘッド13の後側のノズル24からインク吸収体33の後側に向けてインクを噴射する際には、可動リブ32が前側に退避する。
【0042】
また、プリンター11においては、例えば1ジョブの印刷が終了する毎に、図9に示すように、ワイパー部材31が幅方向Yに沿って移動しつつ摺接部35で記録ヘッド13のノズル形成面23を払拭するワイピングが行われる。このとき、ワイパー部材31は昇降機構38によってノズル形成面23に当接する位置まで上昇移動した後に、移動機構37によって前方に向かって移動する。
【0043】
そして、印刷が終了すると、図10に示すように、キャップ30が昇降機構34によって上昇移動して、シール部30aがノズル24を囲むようにノズル形成面23に当接することで、キャッピングが行われる。なお、キャップ30は、当接位置において、シール部30aがノズル形成面23を囲むような態様で、ヘッドユニット14の下面に当接するようにしてもよい。そして、ワイパー部材31及び可動リブ32は、キャップ30が記録ヘッド13に当接する当接位置に移動する際には、幅方向Yにおいてキャップ30と並ぶ前側に退避する。
【0044】
すなわち、可動リブ32は、開口内において、用紙Pの他面側を支える支持位置と該支持位置から離間した退避位置との間を、幅方向Yに沿って移動する。これにより、記録ヘッド13と対向する位置に、キャッピングを行うためのキャップ30、フラッシングを行うためのインク吸収体33及びワイピングを行うためのワイパー部材31に加えて、用紙Pを支える可動リブ32を配置することができる。したがって、ヘッドユニット14を移動させることなく、記録ヘッド13に対する各種のメンテナンスを実行することができる。
【0045】
以上説明した実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)プラテン15には開口部25が設けられているが、開口内には、搬送方向Xと交差する幅方向Yに沿って移動する可動リブ32が設けられている。したがって、用紙Pが搬送される際には、可動リブ32が支持位置に移動することで、固定リブ26と協働して用紙Pの他面側を支えることができる。これにより、搬送される用紙Pの先端が開口内に落ち込み、開口部25に引っかかって紙ジャムを生じたり、用紙Pが開口内に落ち込むような態様で撓み、ノズル24から用紙Pまでの離間距離が変化して印刷品質が低下したりすることが抑制される。すなわち、一面側に記録が施される用紙Pの他面側を支えるプラテン15に設けられた開口部25の形状を変更することなく、開口部25における用紙Pの落ち込みを抑制することができる。
【0046】
(2)可動リブ32は、搬送方向Xにおいて、開口に対応する長さを有するので、任意の形状の開口部25に対応して、用紙Pを支えることができる。
(3)可動リブ32は、幅方向Yにおいて固定リブ26が設けられた位置を支持位置とする一方、幅方向Yにおいて固定リブ26が設けられていない領域を退避位置とすることができる。そして、可動リブ32は固定リブ26と対応する形状を有するので、搬送方向Xに固定リブ26と並ぶ支持位置に移動することで、固定リブ26と同様に用紙Pを支えることができる。
【0047】
(4)開口内には、記録ヘッド13が噴射するインクを受容するインク吸収体33が配置されているが、可動リブ32は幅方向Yに沿って移動可能であるので、記録ヘッド13がインク吸収体33の幅方向Yにおける一方側に向けてインクを噴射する際には、幅方向Yにおける他方側に退避することができる。そして、記録ヘッド13が幅方向Yにおいてインク吸収体33の一方側と他方側とに分けてインクを噴射することで、可動リブ32はインク吸収体33が設けられた位置から完全に退避する必要がないので、支持位置から退避する時間を短くすることができる。したがって、用紙Pの搬送が高速で行われる場合にも、用紙Pの搬送の合間にインク吸収体33へ向けてインクを噴射するフラッシングを行うことができる。
【0048】
(5)開口内にはキャップ30が配置されるが、可動リブ32は幅方向Yに移動可能であるので、キャップ30が上昇移動して記録ヘッド13に当接する当接位置に移動する際には、幅方向Yにおいてキャップ30と並ぶ位置に退避することができる。
【0049】
(6)ワイパー部材31及び可動リブ32を幅方向Yに沿って移動させる移動機構37を備えるので、可動リブ32がワイパー部材31と移動機構37を共有することで、部品点数の増加を抑制することができる。
【0050】
(7)固定リブ26及び可動リブ32には、それぞれ傾斜面27,41が設けられているので、搬送される用紙Pの引っかかりを抑制して、用紙Pをスムーズに案内することができる。
【0051】
(8)用紙Pは給紙ローラー対20によって腰付けされた状態でプラテン15上に給紙されるので、その先端を開口部25に落ち込ませることなく、コルゲーションローラー20eと対応する位置に設けた固定リブ26及び可動リブ32で確実に支えることができる。
【0052】
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・可動リブ32を備えず、図11に示すように、ワイパー部材31で用紙Pの他面側を支えるようにしてもよい。この場合には、用紙Pの他面側にインクが付着するのを抑制するために、ワイパー部材31に付着したインクを除去するためのワイパークリーナー45を備えるのが好ましい。なお、ワイパークリーナー45をヘッドユニット14の記録ヘッド13と幅方向Yに隣接する位置に配置しておけば、ワイパー部材31が払拭動作に続いて図11に二点鎖線で示す位置まで前方に向けて移動することで、ワイパー部材31の清掃を行うことができる。そして、この構成によれば、可動保持部は記録ヘッド13を払拭するワイパー部材31によって構成されるので、可動保持部を構成するための専用部材を備える必要がない。
【0053】
・可動リブ32及びワイパー部材31は、フラッシング時に、キャップ30と並ぶ位置まで退避するようにしてもよい。この場合には、1回のフラッシングで全てのノズル24からインクを噴射することができる。
【0054】
・フラッシングは、前後方向に列をなす複数のノズル24について、3回以上に分けて行ってもよい。この場合には、可動リブ32をインクが噴射されない領域に順次移動させればよい。
【0055】
・搬送方向Xにおける可動リブ32の長さは、開口部25が形成する開口の全体をカバーする長さでなくてもよく、例えばキャップ30のサイズ等に応じて、長さを調整してもよい。
【0056】
・給紙ローラー対20は、コルゲーションローラー20eを備えない構成としてもよい。
・可動保持部は、固定リブ26に対応した形状でなくてもよく、例えば開口部25が形成する開口を塞ぐシャッターのような形状に形成してもよい。
【0057】
・開口部25は、例えばプラテン15の軽量化など、キャップ30やインク吸収体33などを配置する以外の目的で設けられるものでもよい。この場合には、ワイパー部材31やキャップ30、インク吸収体33などを備えない構成としてもよい。
【0058】
・インク吸収体33を備えず、キャップ30を受容部としてもよい。
・キャップ30を備えず、インク吸収体33のみ備えるようにしてもよい。この場合には、昇降機構34を備えなくてもよい。
【0059】
・ワイパー部材31と可動リブ32とが別個の移動機構で幅方向Yに沿って移動するようにしてもよい。
・記録ヘッド13は、下方に向けてインクを噴射する場合に限らず、上下方向(重力方向)と交差する方向に向けてインクを噴射するようにしてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、記録装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
【0061】
・本発明は、流体を噴射するインクジェット式プリンター(流体噴射装置)に限らず、ドットインパクト式など、支持部材(プラテン)を備える任意の形式のプリンターやFAX、コピー機、あるいはこれら各機能を併せ持つ複合機などに適応することができる。
【符号の説明】
【0062】
11…記録装置としてのプリンター、13,13A,13B,13C,13D…記録ヘッド、15…支持部材としてのプラテン、25…開口部、26…固定支持部としての固定リブ、30…キャップ、31…ワイパー部材、32…可動支持部としての可動リブ、
33…受容部としてのインク吸収体、37…移動機構、P…媒体としての用紙、X…搬送方向、Y…幅方向。
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録装置として、記録ヘッドから用紙(媒体)の一面側に対してインクなどの流体を噴射することで印刷(記録)を行うインクジェット式プリンターが広く知られている。こうしたプリンターには、一面側に記録が施される用紙の他面側を支えるためのプラテンを備えるものが多い(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、このようなプリンターには、プラテンに開口部を設け、この開口部に、噴射されたインクのうち用紙の縁から外側にはみ出たインクを受容したり、印刷の合間に行われるフラッシングの際にインクを受容したりするためのインク吸収体を配置したものがあった。そして、こうした開口部を設けることで、開口内に落ち込んだ用紙の先端側が開口部に引っかかって紙ジャムの原因となることがあった。
【0004】
そのため、例えば特許文献1のプリンターにおいては、従来の開口部よりも開口面積の小さい3つ以上の小開口部を互い違いに配置することで、用紙の落ち込みを抑制するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−106432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、開口部の形状は、記録ヘッドの形状に対応して設計する必要があるため、用紙の落ち込みを抑制するのに効果的な形状に変更することができない場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、一面側に記録が施される媒体の他面側を支える支持部材に設けられた開口部の形状を変更することなく、該開口部における媒体の落ち込みを抑制することができる記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、搬送方向に沿って搬送される媒体の一面側に記録を施す記録ヘッドと、前記媒体の他面側を固定状態で支える固定支持部及び前記記録ヘッドに対向する領域で開口する開口部を有する支持部材と、前記開口内において、前記媒体の前記他面側を支える支持位置と該支持位置から離間した位置との間を、前記搬送方向と交差する幅方向に沿って移動する可動支持部と、を備える。
【0009】
この構成によれば、支持部材には開口部が設けられているが、開口内には、搬送方向と交差する幅方向に沿って移動する可動支持部が設けられている。したがって、媒体が搬送される際には、可動支持部が支持位置に移動することで、固定支持部と協働して媒体の他面側を支えることができる。これにより、一面側に記録が施される媒体の他面側を支える支持部材に設けられた開口部の形状を変更することなく、該開口部における媒体の落ち込みを抑制することができる。
【0010】
本発明の記録装置において、前記可動支持部は、前記搬送方向において、前記開口に対応する長さを有する。
この構成によれば、可動支持部は、搬送方向において、開口に対応する長さを有するので、任意の形状の開口部に対応して、媒体を支えることができる。
【0011】
本発明の記録装置において、前記固定支持部は、前記搬送方向に沿って延びるとともに、前記幅方向に並ぶように配置された複数の固定リブであり、前記可動支持部は、前記固定リブと対応する形状を有する可動リブである。
【0012】
この構成によれば、可動支持部は、幅方向において固定リブが設けられた位置を支持位置とする一方、幅方向において固定リブが設けられていない領域を退避位置とすることができる。そして、可動支持部は固定リブと対応する形状を有する可動リブであるので、搬送方向に固定リブと並ぶ支持位置に移動することで、固定リブと同様に媒体を支えることができる。
【0013】
本発明の記録装置において、前記記録ヘッドは、前記媒体に流体を噴射することで記録を施すとともに、前記開口内には、前記記録ヘッドが噴射する流体を受容する受容部が配置され、前記記録ヘッドが前記受容部の前記幅方向における一方側に向けて流体を噴射する際に、前記可動支持部は、前記幅方向における他方側に退避する。
【0014】
この構成によれば、開口内には、記録ヘッドが噴射する流体を受容する受容部が配置されているが、可動支持部は幅方向に沿って移動可能であるので、記録ヘッドが受容部の幅方向における一方側に向けて流体を噴射する際には、幅方向における他方側に退避することができる。そして、記録ヘッドが幅方向において受容部の一方側と他方側とに分けて流体を噴射することで、可動支持部は受容部が設けられた位置から完全に退避する必要がないので、支持位置から退避する時間を短くすることができる。したがって、媒体の搬送が高速で行われる場合にも、媒体の搬送の合間に受容部へ向けて流体を噴射するフラッシングを行うことができる。
【0015】
本発明の記録装置は、前記開口を通じて、前記記録ヘッドに当接する当接位置と、前記記録ヘッドから離間する離間位置との間を移動可能なキャップをさらに備え、前記可動支持部は、前記キャップが前記当接位置に移動する際には、前記幅方向において前記キャップと並ぶ位置に退避する。
【0016】
この構成によれば、開口内にはキャップが配置されるが、可動支持部は幅方向に移動可能であるので、キャップが上昇移動して記録ヘッドに当接する当接位置に移動する際には、幅方向においてキャップと並ぶ位置に退避することができる。
【0017】
本発明の記録装置は、前記幅方向に沿って移動しつつ前記記録ヘッドを払拭するワイパー部材をさらに備え、前記可動支持部は、前記ワイパー部材によって構成される。
この構成によれば、可動支持部は記録ヘッドを払拭するワイパー部材によって構成されるので、可動支持部を構成するための専用部材を備える必要がない。
【0018】
本発明の記録装置は、前記幅方向に沿って移動しつつ前記記録ヘッドを払拭するワイパー部材と、該ワイパー部材及び前記可動支持部を前記幅方向に沿って移動させる移動機構と、をさらに備える。
【0019】
この構成によれば、ワイパー部材及び可動支持部を幅方向に沿って移動させる移動機構を備えるので、可動支持部がワイパー部材と移動機構を共有することで、部品点数の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態における記録装置の概略構成を示す断面図。
【図2】搬送ローラー対の構成を示す側面図。
【図3】ヘッドユニットを斜め下側から見た斜視図。
【図4】メンテナンスユニットを内蔵するプラテンの斜視図。
【図5】メンテナンスユニットを内蔵するプラテンの上面図。
【図6】印刷を行う場合の可動リブの位置を示す断面図。
【図7】キャップの前側に向けてフラッシングをする場合の可動リブの位置を示す断面図。
【図8】キャップの後側に向けてフラッシングをする場合の可動リブの位置を示す断面図。
【図9】ワイピングを行う場合のワイパー部材の位置を示す断面図。
【図10】キャッピングを行う場合の可動リブの位置を示す断面図。
【図11】可動リブとして機能する別の実施形態のワイパー部材を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を記録装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター」という)に具体化した実施形態を図1〜図10を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は各図中に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
【0022】
図1に示すように、記録装置としてのプリンター11は、媒体としての用紙Pを搬送方向X(図1では右方向)に沿って搬送する搬送装置12と、複数(本実施形態では4つ)の記録ヘッド13を備えるヘッドユニット14と、支持部材としてのプラテン15と、プラテン15内に収容されたメンテナンスユニット16とを備えている。
【0023】
搬送装置12は、給紙ローラー対20と、排紙ローラー対21と、給紙ローラー対20及び排紙ローラー対21を回転させる図示しない搬送モーターとを備えている。そして、搬送モーターの回転駆動に伴って、給紙ローラー対20が用紙Pを挟持しつつプラテン15上に給紙するとともに、排紙ローラー対21がプラテン15上から用紙Pを排紙するようになっている。
【0024】
図2に示すように、給紙ローラー対20は、搬送モーターに接続された駆動軸20aと、駆動軸20aに支持された駆動ローラー20bと、回転軸20cと、回転軸20cに支持された従動ローラー20dと、コルゲーションローラー20eとを備えている。回転軸20cは、図示しない付勢部材によって駆動軸20aに近接する方向に付勢されている。これにより、給紙ローラー対20は、駆動ローラー20bと従動ローラー20dとの間に用紙Pを挟持する。
【0025】
コルゲーションローラー20eは、駆動ローラー20bよりも大きな径を有して駆動軸20aに支持されているとともに、駆動ローラー20bと隣接する位置に配置されている。なお、コルゲーションローラー20eは、回転軸20cに支持されるようにしてもよい。
【0026】
そして、給紙ローラー対20に挟持された用紙Pは、コルゲーションローラー20eによって幅方向Yに沿ってわずかに波打つような形状となることで腰付けされるようになっている。すなわち、用紙Pはプラテン15上で一面側(上面側)に記録が施されるが、このときに用紙Pが搬送方向Xに撓むと記録位置がずれるなどして記録品質が低下するため、用紙Pを腰付けした状態で給紙することで、用紙Pの撓みを抑制するようにしている。
【0027】
図1に示すように、ヘッドユニット14には、異なる色のインク(流体)に対応した記録ヘッド13(13A,13B,13C,13D)が搬送方向Xに沿って並ぶように配置されている。また、各記録ヘッド13の下面からなるノズル形成面23には、インクを噴射する複数のノズル24が設けられている。
【0028】
図3に示すように、ヘッドユニット14の下面側には、搬送方向X及び搬送方向Xと交差する幅方向Y(前後方向)に沿って千鳥状に配置された複数の記録ヘッド13のノズル形成面23が露出している。また、ノズル24は、各ノズル形成面23に幅方向Yに沿って等間隔に並ぶように配置されている。
【0029】
すなわち、ヘッドユニット14は、複数の記録ヘッド13を幅方向Yに沿って配置することで、長尺状の記録ヘッドを備えることなく、固定された状態で用紙最大幅範囲の印刷が可能なラインヘッドを構成している。そして、給紙ローラー対20及び排紙ローラー対21によって搬送される用紙Pをプラテン15上で停止させることなく、各記録ヘッド13のノズル24から異なる色のインクを順次噴射することで、用紙Pに記録(印刷)が施されるようになっている。
【0030】
図4及び図5に示すように、プラテン15の上面側には、記録ヘッド13の各ノズル形成面23と対向する領域で開口する開口部25が設けられている。また、プラテン15の上面側には、給紙ローラー対20によって腰付けされた用紙Pの下面側(他面側)を固定状態で支える固定支持部としての固定リブ26が設けられている。
【0031】
図1、図4及び図5に示すように、固定リブ26は、搬送方向Xに沿って延びるとともに、給紙ローラー対20のコルゲーションローラー20eと対応する位置に、幅方向Yに並ぶように複数配置されている。また、固定リブ26の上面側において、搬送方向Xの上流側となる左端側には、用紙Pの引っかかりを抑制するための傾斜面27が形成されている。
【0032】
図1及び図5に示すように、メンテナンスユニット16は、各開口部25が形成する開口内に配置された有底箱状のキャップ30と、ワイパー部材31とを有している。また、ワイパー部材31の後方には、固定リブ26と対応する形状を有する可動支持部としての可動リブ32が配置されている。
【0033】
なお、平面視において、開口部25及びキャップ30は、記録ヘッド13の形状に対応して幅方向Yが長手方向となっている。また、ワイパー部材31及び可動リブ32は、搬送方向Xが長手方向となっている。
【0034】
図1に示すように、キャップ30は、上端側に弾性部材からなる矩形枠状のシール部30aを有している。また、キャップ30の内底部には、記録ヘッド13が噴射するインクを受容する受容部としてのインク吸収体33が収容されている。そして、キャップ30は、昇降機構34によって上下方向に沿って移動することで、各記録ヘッド13のノズル形成面23にシール部30aが当接する当接位置と、記録ヘッド13から離間する離間位置との間を移動するようになっている。
【0035】
図1及び図5に示すように、ワイパー部材31は、キャップ30のシール部30aを跨ぐように、搬送方向X(左右方向)に延びる摺接部35と、摺接部35の左右両端を支持する支柱部36とを有している。そして、ワイパー部材31は、摺接部35が記録ヘッド13のノズル形成面23に当接した状態で、移動機構37(図1参照)によって幅方向Yに沿って移動することで、ノズル形成面23を払拭するようになっている。また、ワイパー部材31は、昇降機構38(図1参照)によって上下方向に移動することで、各記録ヘッド13のノズル形成面23に当接する当接位置と、記録ヘッド13から離間する離間位置との間を移動するようになっている。
【0036】
可動リブ32は、キャップ30のシール部30aを跨ぐように、搬送方向X(左右方向)に延びて用紙Pを支える支持部39と、支持部39の左右両端を支持する支柱部40とを有している。なお、支持部39は、搬送方向Xにおいて開口部25が形成する開口に対応する長さを有するとともに、幅方向Yにおいて固定リブ26に対応する長さを有している。また、可動リブ32の上面側において、搬送方向Xの上流側となる左端側には、用紙Pの引っかかりを抑制するための傾斜面41が形成されている。
【0037】
図6に示すように、幅方向Yに並ぶ複数のキャップ30は、昇降機構34を構成する基台部42に支持されている。また、幅方向Yに並ぶ複数のワイパー部材31は、昇降機構38を構成する基台部43に支持されている。したがって、幅方向Yに並ぶキャップ30及びワイパー部材31は、それぞれ共通の昇降機構34,38によって上下移動可能となっている。なお、図6〜図11においては、表現の簡略化のために、記録ヘッド13を小さく(幅方向Yに短く)図示している。
【0038】
また、昇降機構38の基台部43及び幅方向Yに並ぶ複数の可動リブ32は、移動機構37を構成する基台部44に支持されている。したがって、幅方向Yに並ぶ複数のワイパー部材31及び可動リブ32は、共通の移動機構37によって、幅方向Yに沿って移動可能となっている。なお、昇降機構34,38及び移動機構37は、それぞれ基台部42,43,44を移動させるための図示しない動力源と動力伝達機構(例えば、カム機構やラックアンドピニオン機構など、図示略)とを備える。
【0039】
次に、プリンター11の作用について説明する。
まず、用紙Pに対する印刷を行う場合には、図4及び図5に示すように、可動リブ32を幅方向Yにおいて固定リブ26と並ぶ支持位置に移動させる。これにより、図6に示すように、搬送方向Xに搬送される用紙Pは、可動リブ32の支持部39と固定リブ26とによって、他面側が支えられる。
【0040】
また、複数の用紙Pに対して連続的に印刷を行う場合、プリンター11は、ノズル24の目詰まりを予防するために、印刷の合間にキャップ30のインク吸収体33に向けてインクを噴射するフラッシュングを行う。このフラッシングは、幅方向Yに並ぶノズル24のうち、前側(一方側)の半数と、後側(他方側)の半数とで交互に行われる。
【0041】
そして、図7に示すように、幅方向Yにおいて記録ヘッド13の前側のノズル24からインク吸収体33の前側に向けてインクを噴射する際には、可動リブ32が後側に退避する。一方、図8に示すように、幅方向Yにおいて記録ヘッド13の後側のノズル24からインク吸収体33の後側に向けてインクを噴射する際には、可動リブ32が前側に退避する。
【0042】
また、プリンター11においては、例えば1ジョブの印刷が終了する毎に、図9に示すように、ワイパー部材31が幅方向Yに沿って移動しつつ摺接部35で記録ヘッド13のノズル形成面23を払拭するワイピングが行われる。このとき、ワイパー部材31は昇降機構38によってノズル形成面23に当接する位置まで上昇移動した後に、移動機構37によって前方に向かって移動する。
【0043】
そして、印刷が終了すると、図10に示すように、キャップ30が昇降機構34によって上昇移動して、シール部30aがノズル24を囲むようにノズル形成面23に当接することで、キャッピングが行われる。なお、キャップ30は、当接位置において、シール部30aがノズル形成面23を囲むような態様で、ヘッドユニット14の下面に当接するようにしてもよい。そして、ワイパー部材31及び可動リブ32は、キャップ30が記録ヘッド13に当接する当接位置に移動する際には、幅方向Yにおいてキャップ30と並ぶ前側に退避する。
【0044】
すなわち、可動リブ32は、開口内において、用紙Pの他面側を支える支持位置と該支持位置から離間した退避位置との間を、幅方向Yに沿って移動する。これにより、記録ヘッド13と対向する位置に、キャッピングを行うためのキャップ30、フラッシングを行うためのインク吸収体33及びワイピングを行うためのワイパー部材31に加えて、用紙Pを支える可動リブ32を配置することができる。したがって、ヘッドユニット14を移動させることなく、記録ヘッド13に対する各種のメンテナンスを実行することができる。
【0045】
以上説明した実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)プラテン15には開口部25が設けられているが、開口内には、搬送方向Xと交差する幅方向Yに沿って移動する可動リブ32が設けられている。したがって、用紙Pが搬送される際には、可動リブ32が支持位置に移動することで、固定リブ26と協働して用紙Pの他面側を支えることができる。これにより、搬送される用紙Pの先端が開口内に落ち込み、開口部25に引っかかって紙ジャムを生じたり、用紙Pが開口内に落ち込むような態様で撓み、ノズル24から用紙Pまでの離間距離が変化して印刷品質が低下したりすることが抑制される。すなわち、一面側に記録が施される用紙Pの他面側を支えるプラテン15に設けられた開口部25の形状を変更することなく、開口部25における用紙Pの落ち込みを抑制することができる。
【0046】
(2)可動リブ32は、搬送方向Xにおいて、開口に対応する長さを有するので、任意の形状の開口部25に対応して、用紙Pを支えることができる。
(3)可動リブ32は、幅方向Yにおいて固定リブ26が設けられた位置を支持位置とする一方、幅方向Yにおいて固定リブ26が設けられていない領域を退避位置とすることができる。そして、可動リブ32は固定リブ26と対応する形状を有するので、搬送方向Xに固定リブ26と並ぶ支持位置に移動することで、固定リブ26と同様に用紙Pを支えることができる。
【0047】
(4)開口内には、記録ヘッド13が噴射するインクを受容するインク吸収体33が配置されているが、可動リブ32は幅方向Yに沿って移動可能であるので、記録ヘッド13がインク吸収体33の幅方向Yにおける一方側に向けてインクを噴射する際には、幅方向Yにおける他方側に退避することができる。そして、記録ヘッド13が幅方向Yにおいてインク吸収体33の一方側と他方側とに分けてインクを噴射することで、可動リブ32はインク吸収体33が設けられた位置から完全に退避する必要がないので、支持位置から退避する時間を短くすることができる。したがって、用紙Pの搬送が高速で行われる場合にも、用紙Pの搬送の合間にインク吸収体33へ向けてインクを噴射するフラッシングを行うことができる。
【0048】
(5)開口内にはキャップ30が配置されるが、可動リブ32は幅方向Yに移動可能であるので、キャップ30が上昇移動して記録ヘッド13に当接する当接位置に移動する際には、幅方向Yにおいてキャップ30と並ぶ位置に退避することができる。
【0049】
(6)ワイパー部材31及び可動リブ32を幅方向Yに沿って移動させる移動機構37を備えるので、可動リブ32がワイパー部材31と移動機構37を共有することで、部品点数の増加を抑制することができる。
【0050】
(7)固定リブ26及び可動リブ32には、それぞれ傾斜面27,41が設けられているので、搬送される用紙Pの引っかかりを抑制して、用紙Pをスムーズに案内することができる。
【0051】
(8)用紙Pは給紙ローラー対20によって腰付けされた状態でプラテン15上に給紙されるので、その先端を開口部25に落ち込ませることなく、コルゲーションローラー20eと対応する位置に設けた固定リブ26及び可動リブ32で確実に支えることができる。
【0052】
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・可動リブ32を備えず、図11に示すように、ワイパー部材31で用紙Pの他面側を支えるようにしてもよい。この場合には、用紙Pの他面側にインクが付着するのを抑制するために、ワイパー部材31に付着したインクを除去するためのワイパークリーナー45を備えるのが好ましい。なお、ワイパークリーナー45をヘッドユニット14の記録ヘッド13と幅方向Yに隣接する位置に配置しておけば、ワイパー部材31が払拭動作に続いて図11に二点鎖線で示す位置まで前方に向けて移動することで、ワイパー部材31の清掃を行うことができる。そして、この構成によれば、可動保持部は記録ヘッド13を払拭するワイパー部材31によって構成されるので、可動保持部を構成するための専用部材を備える必要がない。
【0053】
・可動リブ32及びワイパー部材31は、フラッシング時に、キャップ30と並ぶ位置まで退避するようにしてもよい。この場合には、1回のフラッシングで全てのノズル24からインクを噴射することができる。
【0054】
・フラッシングは、前後方向に列をなす複数のノズル24について、3回以上に分けて行ってもよい。この場合には、可動リブ32をインクが噴射されない領域に順次移動させればよい。
【0055】
・搬送方向Xにおける可動リブ32の長さは、開口部25が形成する開口の全体をカバーする長さでなくてもよく、例えばキャップ30のサイズ等に応じて、長さを調整してもよい。
【0056】
・給紙ローラー対20は、コルゲーションローラー20eを備えない構成としてもよい。
・可動保持部は、固定リブ26に対応した形状でなくてもよく、例えば開口部25が形成する開口を塞ぐシャッターのような形状に形成してもよい。
【0057】
・開口部25は、例えばプラテン15の軽量化など、キャップ30やインク吸収体33などを配置する以外の目的で設けられるものでもよい。この場合には、ワイパー部材31やキャップ30、インク吸収体33などを備えない構成としてもよい。
【0058】
・インク吸収体33を備えず、キャップ30を受容部としてもよい。
・キャップ30を備えず、インク吸収体33のみ備えるようにしてもよい。この場合には、昇降機構34を備えなくてもよい。
【0059】
・ワイパー部材31と可動リブ32とが別個の移動機構で幅方向Yに沿って移動するようにしてもよい。
・記録ヘッド13は、下方に向けてインクを噴射する場合に限らず、上下方向(重力方向)と交差する方向に向けてインクを噴射するようにしてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、記録装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
【0061】
・本発明は、流体を噴射するインクジェット式プリンター(流体噴射装置)に限らず、ドットインパクト式など、支持部材(プラテン)を備える任意の形式のプリンターやFAX、コピー機、あるいはこれら各機能を併せ持つ複合機などに適応することができる。
【符号の説明】
【0062】
11…記録装置としてのプリンター、13,13A,13B,13C,13D…記録ヘッド、15…支持部材としてのプラテン、25…開口部、26…固定支持部としての固定リブ、30…キャップ、31…ワイパー部材、32…可動支持部としての可動リブ、
33…受容部としてのインク吸収体、37…移動機構、P…媒体としての用紙、X…搬送方向、Y…幅方向。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に沿って搬送される媒体の一面側に記録を施す記録ヘッドと、
前記媒体の他面側を固定状態で支える固定支持部及び前記記録ヘッドに対向する領域で開口する開口部を有する支持部材と、
前記開口内において、前記媒体の前記他面側を支える支持位置と該支持位置から離間した位置との間を、前記搬送方向と交差する幅方向に沿って移動する可動支持部と、を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記可動支持部は、前記搬送方向において、前記開口に対応する長さを有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記固定支持部は、前記搬送方向に沿って延びるとともに、前記幅方向に並ぶように配置された複数の固定リブであり、
前記可動支持部は、前記固定リブと対応する形状を有する可動リブであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録ヘッドは、前記媒体に流体を噴射することで記録を施すとともに、前記開口内には、前記記録ヘッドが噴射する流体を受容する受容部が配置され、
前記記録ヘッドが前記受容部の前記幅方向における一方側に向けて流体を噴射する際に、前記可動支持部は、前記幅方向における他方側に退避することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記開口を通じて、前記記録ヘッドに当接する当接位置と、前記記録ヘッドから離間する離間位置との間を移動可能なキャップをさらに備え、
前記可動支持部は、前記キャップが前記当接位置に移動する際には、前記幅方向において前記キャップと並ぶ位置に退避することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記幅方向に沿って移動しつつ前記記録ヘッドを払拭するワイパー部材をさらに備え、
前記可動支持部は、前記ワイパー部材によって構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記幅方向に沿って移動しつつ前記記録ヘッドを払拭するワイパー部材と、
該ワイパー部材及び前記可動支持部を前記幅方向に沿って移動させる移動機構と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置。
【請求項1】
搬送方向に沿って搬送される媒体の一面側に記録を施す記録ヘッドと、
前記媒体の他面側を固定状態で支える固定支持部及び前記記録ヘッドに対向する領域で開口する開口部を有する支持部材と、
前記開口内において、前記媒体の前記他面側を支える支持位置と該支持位置から離間した位置との間を、前記搬送方向と交差する幅方向に沿って移動する可動支持部と、を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記可動支持部は、前記搬送方向において、前記開口に対応する長さを有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記固定支持部は、前記搬送方向に沿って延びるとともに、前記幅方向に並ぶように配置された複数の固定リブであり、
前記可動支持部は、前記固定リブと対応する形状を有する可動リブであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録ヘッドは、前記媒体に流体を噴射することで記録を施すとともに、前記開口内には、前記記録ヘッドが噴射する流体を受容する受容部が配置され、
前記記録ヘッドが前記受容部の前記幅方向における一方側に向けて流体を噴射する際に、前記可動支持部は、前記幅方向における他方側に退避することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記開口を通じて、前記記録ヘッドに当接する当接位置と、前記記録ヘッドから離間する離間位置との間を移動可能なキャップをさらに備え、
前記可動支持部は、前記キャップが前記当接位置に移動する際には、前記幅方向において前記キャップと並ぶ位置に退避することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記幅方向に沿って移動しつつ前記記録ヘッドを払拭するワイパー部材をさらに備え、
前記可動支持部は、前記ワイパー部材によって構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記幅方向に沿って移動しつつ前記記録ヘッドを払拭するワイパー部材と、
該ワイパー部材及び前記可動支持部を前記幅方向に沿って移動させる移動機構と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−224825(P2011−224825A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95025(P2010−95025)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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