説明

設計支援システム、設計支援方法、及び設計支援プログラム

【課題】設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換可能かを判断し、判断結果に基づいて第1の製品データを第2の製品データに自動で置換する。
【解決手段】ライブラリ情報反映可否判断部12が、設計データが取り込んでいるライブラリ情報における第1の製品の物理的な条件と最新のライブラリ情報における第2の製品の物理的な条件との比較結果に基づいて、上記第1の製品を第2の製品に置換可能かを判断し、ライブラリ情報反映部13が、上記判断結果に基づいて、上記第1の製品を第2の製品に置換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計支援システム、設計支援方法、及び設計支援プログラムに関し、特に、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに自動で置換する処理を行う設計支援システム、設計支援方法、及び設計支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
設計者(システムエンジニア等)がIT(Information Technology)インフラシステム(例えば、ネットワークシステム等)の設計を行う場合、設計者が、設計途中段階の図面又は設計完了段階の図面を用いて流用設計を行いたいときがある。設計者が流用設計を行う際に、あるシステムに利用されている製品(例えば、サーバ、ハブ、ストレージ等)の、初期インストールされている構成要素(例えば、CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard Disk Drive)、メモリ等)が変更になったり、上記製品に接続する増設装置(例えば、メモリスロット等)の数が変更されている場合がある。
【0003】
従来、設計者が上記ITインフラシステムの流用設計を人手で行っていた。なお、ITインフラシステムの一例としてのネットワークシステムの管理技術として、ネットワークに新たに接続された機器を検出し、該検出された機器を管理するための管理機能をダウンロードしてインストールするネットワーク管理システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−8575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人手でシステムの流用設計を行う場合、旧版の設計データに含まれる旧版の製品を最新版の製品に更新すると、設計ミスが生じることが多い。
【0005】
ここで、最新版の製品において旧版の製品の構成要素が変更されている場合でも、該旧版の製品を最新版の製品に一律に自動置換する技術が考えられる。しかし、旧版の製品を最新版の製品に置換可能であるかを判断することなく、該旧版の製品を最新版の製品に一律に自動置換してしまうと、例えば最新版の製品に接続されている増設装置の数が旧版の製品に接続されている増設装置の数より少ない場合には、旧版の製品の増設装置に格納されていた構成要素(例えばメモリ)が格納される増設装置が足りなくなるという問題が生じる。
【0006】
例えば、あるシステムを流用設計するケースを想定する。図24は、本発明者が検討した問題点を説明する図である。図24(A)は、システムを構成する旧版の製品Aを含む旧版の設計データの画面表示例を示す図であり、図24(B)は、旧版の製品Aを最新版の製品Aに置換可能かを判断することなく旧版の製品Aを最新版の製品Aに自動置換した場合に生じる問題を説明する図である。図24(A)に示すように、旧版の製品Aを設計した時点における該製品Aの部品p1には、増設用のメモリスロット200が2個ついており、設計者は、2Gのメモリを2個搭載した製品Aを設計していた。ここで、流用設計時に販売されている最新版の製品Aでは、部品p1に増設用のメモリスロット200が1個のみついているような場合、旧版の製品Aを最新版の製品Aに自動置換すると、図24(B)に示すように、最新版の製品Aではメモリがささる口(増設用のメモリスロット200)が足りなくなる。旧版の製品Aを最新版の製品Aに自動置換した後の設計データには、旧版の製品Aに搭載されたメモリの情報が該自動置換後も残るからである。図24(B)中の黒く塗りつぶした部分が、最新版の製品Aに本来存在しない増設用のメモリスロットにさされたメモリを示している。
【0007】
図24(A)、(B)を参照して説明したように、旧版の製品Aを最新版の製品Aに置換可能かを判断することなく旧版の製品Aを最新版の製品Aに自動置換すると、最新版の製品Aではメモリがささる口が足りなくなるという問題が生じる。そして、最新版の製品Aではメモリがささる増設用のメモリスロット200が1個しかないのにもかかわらず、メモリを2個発注してしまうといったミスが発生し得る。
【0008】
本発明は、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換可能であるかを判断し、該判断結果に基づいて第1の製品データを第2の製品データに自動で置換する設計支援システムの提供を目的とする。
【0009】
本発明は、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換可能であるかを判断し、該判断結果に基づいて第1の製品データを第2の製品データに自動で置換する設計支援方法の提供を目的とする。
【0010】
本発明は、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換可能であるかを判断し、該判断結果に基づいて第1の製品データを第2の製品データに自動で置換する設計支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本設計支援システムは、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換するとき、前記設計データと前記第2の製品データとを比較し、比較結果に基づいて、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であるかを判断する判断部と、前記判断部が、前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であると判断した場合に、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換する置換部とを備える。
【0012】
好ましくは、前記判断部が、設計データに含まれる前記第1の製品データが示す製品と接続する増設装置が、前記第2の製品データが示す製品に接続可能であるかを判断する。
【0013】
好ましくは、前記判断部が、前記増設装置が前記第2の製品データが示す製品に全て接続可能であるかを判断する。
【0014】
好ましくは、前記判断部が、設計データに含まれる前記第1の製品データが示す製品と接続する通信ケーブルが、前記第2の製品データの示す製品と接続可能であるかを判断する。
【0015】
好ましくは、前記判断部が、前記通信ケーブルが前記第2の製品データが示す製品に全て接続可能であるかを判断する。
【0016】
好ましくは、本設計支援システムが、前記置換部が前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換したときに、前記設計データにおいて設定されている前記第1の製品データが示す製品の属性情報が前記第2の製品データを含む新たな設計データに継承可能かどうか判断する継承判断部を備える。
【0017】
好ましくは、前記属性値が、前記第1の製品データが示す製品において動作するソフトウェアに関する情報である。
【0018】
好ましくは、本設計支援システムが、前記判断部が前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換不能であると判断した場合に、置換不能理由を通知する通知部を備える。
【0019】
また、本設計支援方法は、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換するとき、前記設計データと前記第2の製品データとを比較し、比較結果に基づいて、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であるかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって、前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であると判断された場合に、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換する置換ステップとを有する。
【0020】
また、本設計支援プログラムは、コンピュータに、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換するとき、前記設計データと前記第2の製品データとを比較し、比較結果に基づいて、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であるかを判断する判断処理と、前記判断処理によって、前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であると判断された場合に、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換する置換処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0021】
開示の設計支援システム、設計支援方法、及び設計支援プログラムは、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換可能であるかを判断し、該判断結果に基づいて上記第1の製品データを第2の製品データに置換する。従って、開示の設計支援システム、設計支援方法、及び設計支援プログラムによれば、例えば、設計データに含まれる製品を最新版の製品に置換可能であるかを判断した上で、該判断結果に基づいて、設計データに含まれる製品を最新版の製品に自動置換することができる。その結果、設計者による設計ミスをなくすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、図を参照して、本実施形態について説明する。図1は、本実施形態の設計支援システムの構成例を示す図である。設計支援システム1は、起動してITインフラシステムの設計データを読み込む際に、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換可能であるかを判断し、該判断結果に基づいて設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換する処理装置である。上記第1、第2の製品データは、例えば、後述する製品ライブラリである。設計支援システム1が、設計者の指定入力に従って設計データが編集される時に、上記設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換可能であるかを判断するようにしてもよい。
【0023】
設計支援システム1は、版数比較部11、ライブラリ情報反映可否判断部12、ライブラリ情報反映部13、ライブラリ情報反映不可通知部14、属性情報反映可否判断部15、属性情報反映部16、属性情報反映エラー通知部17を備える。まず、設計支援システム1が、起動してITインフラシステムの設計データを読み込む際に、設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換可能であるかを判断する構成を採る場合における、各処理部の機能について説明する。
【0024】
版数比較部11は、ネットワークシステム等のITインフラシステムを構成する個々の製品について、設計データ記憶部18内の設計データにおける製品(又は部品)の版数とライブラリ情報記憶部19内の最新のライブラリ情報における製品(又は部品)の版数とを比較し、比較結果に基づいて、設計データにおける製品(又は部品)を最新版の製品(又は部品)に自動置換する必要があるか否かを判断する。上記ライブラリ情報は、後述する製品ライブラリ、部品ライブラリ、マクロ回路、インデックスファイルを含む情報である。
【0025】
ライブラリ情報反映可否判断部12は、設計データにおける製品の物理的な条件と上記最新のライブラリ情報における製品の物理的な条件とを比較し、比較結果に基づいて、該最新のライブラリ情報を設計データに反映するか否か(設計データに取り込まれている旧版の製品ライブラリを最新のライブラリ情報に含まれる最新の製品ライブラリに自動置換可能か否か)を判断する。
【0026】
ライブラリ情報反映可否判断部12は、設計データにおける製品の物理的な条件と上記最新のライブラリ情報における製品の物理的な条件との間で矛盾がない場合、該最新のライブラリ情報を設計データに反映すると判断し、設計データにおける製品の物理的な条件と上記最新のライブラリ情報における製品の物理的な条件との間で矛盾がある場合、該最新のライブラリ情報を設計データに反映しないと判断する。
【0027】
ライブラリ情報反映部13は、設計データに最新のライブラリ情報を反映する。具体的には、ライブラリ情報反映部13は、設計データに含まれる旧版の製品ライブラリを、最新のライブラリ情報に含まれる最新の製品ライブラリに置換する。ライブラリ情報反映不可通知部14は、ライブラリ情報反映可否判断部12が最新のライブラリ情報を設計データに反映しないと判断した場合に、該判断結果を通知する。属性情報反映可否判断部15は、ライブラリ情報反映部13が設計データに含まれる旧版の製品ライブラリを最新の製品ライブラリに置換したときに、最新のライブラリ情報を反映する前の設計データにおいて(設計者の指定入力に従って)設定されている旧版の製品ライブラリが示す製品の属性情報を該旧版の製品ライブラリを置換した最新の製品ライブラリを含む新たな設計データに反映(継承)可能か否かを判断する。
【0028】
属性情報反映部16は、属性情報反映可否判断部15が最新のライブラリ情報を反映する前の設計データにおいて設定された属性情報を上記新たな設計データに継承可能であると判断した場合に、該属性情報を新たな設計データに反映させる。
【0029】
属性情報反映エラー通知部17は、属性情報反映可否判断部15が最新ライブラリ情報を反映する前の設計データにおいて設定された属性情報を新たな設計データに継承可能でないと判断した場合に、属性情報の反映エラーを通知する。設計データ記憶部18には設計データが記憶される。設計データは、システム構成図20に対応するデータであり、後述する製品ライブラリ、部品ライブラリ、マクロ回路、及び、設計者の指定入力に従って設定される属性情報を含んでいる。ライブラリ情報記憶部19にはライブラリ情報が記憶される。
【0030】
次に、設計支援システム1が、設計者の指定入力に従って設計データが編集される時(ITインフラシステムを構成する個々の製品について製品置換が行われる時)に、上記設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換可能であるかを判断する構成を採る場合における、各処理部の機能について説明する。
【0031】
ライブラリ情報反映可否判断部12は、設計データに含まれる置換元の製品(置換前の製品)のライブラリ情報における該置換元製品の物理的な条件と、置換先の製品(置換後の製品)のライブラリ情報における該置換先の製品の物理的な条件とを比較して、製品の置換の可否を判断する。例えば、設計者が製品Aを製品Bに置換するための操作入力を行うと、ライブラリ情報反映可否判断部12は、製品Aに対応する製品ライブラリに設定されている該製品Aを構成する部品の属性情報(例えば、インタフェース数と各インタフェースの位置情報)と、製品Bに対応する製品ライブラリに設定されている該製品Bを構成する部品の属性情報とを比較する。そして、ライブラリ情報反映可否判断部12は、上記比較結果に基づいて、製品Aを製品Bに置換可能か否か(製品Aの製品ライブラリを製品Bの製品ライブラリに置換可能か否か)を判断する。
【0032】
ライブラリ情報反映部13は、ライブラリ情報反映可否判断部12が、製品の置換が可能であると判断した場合に、置換先の製品のライブラリ情報(例えば、上記製品Bに対応する製品ライブラリ)をITインフラシステムの設計データに反映させる。
【0033】
ライブラリ情報反映不可通知部14は、ライブラリ情報反映可否判断部12が、製品の置換ができないと判断した場合に、エラー通知を行う。
【0034】
属性情報反映可否判断部15は、製品置換前の設計データにおいて(設計者の指定入力に従って)設定された製品の属性情報と、置換先の製品に対応するライブラリ情報に含まれる製品の属性情報とを比較し、比較結果に基づいて、製品置換前の設計データにおいて設定された製品の属性情報を製品置換後の設計データに反映(継承)可能か否かを判断する。
【0035】
属性情報反映部16は、属性情報反映可否判断部15が、製品置換前の設計データにおいて設定された製品の属性情報を製品置換後の設計データに継承可能であると判断した場合に、製品置換前の設計データにおいて設定された製品の属性情報を製品置換後の設計データに反映させる。
【0036】
属性情報反映エラー通知部17は、属性情報反映可否判断部15が、製品置換前の設計データにおいて設定された製品の属性情報を製品置換後の設計データに継承可能でないと判断した場合に、エラー通知を行う。
【0037】
なお、本実施形態の設計支援システム1及び設計支援システム1が備える各処理部の機能は、CPUとその上で実行されるプログラムにより実現される。設計支援システム1を実現するプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば半導体メモリ、ハードディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)等に格納することができ、これらの記録媒体に記録して提供され、又は、通信インタフェースを介してネットワークを利用した送受信により提供される。
【0038】
図2は、設計データの構成例を示す図である。設計データ10は、図3を参照して後述するライブラリ情報(マクロ回路100、製品ライブラリ101、部品ライブラリ102を含む情報)を取り込んでいる。また、設計データは、設計者の設計者の指定入力に従って設定された属性情報(例えば、製品に対するオペレーティングシステム(OS)の設定情報等)を含んでいる。
【0039】
図3は、ライブラリ情報の構成例を示す図である。ライブラリ情報は、製品毎のマクロ回路100、製品毎の製品ライブラリ101、部品毎の部品ライブラリ102、第1のインデックスファイル103、第2のインデックスファイル104、第3のインデックスファイル105を含む。マクロ回路100は、機器(製品、部品)の構成に関する情報である。マクロ回路100は、製品の版数(メジャー版数及びマイナー版数)の情報を含んでいる。製品ライブラリ101は、製品の版数、製品の属性情報、製品の部品の一覧情報、部品の属性情報を含んでいる。ある製品について、マクロ回路100と製品ライブラリ101とが1対1で対応している。
【0040】
部品ライブラリ102は、部品の版数、部品の属性情報を含んでいる。第1のインデックスファイル103は、マクロ回路100に基づいて予め作成されるインデックスファイルであり、マクロ回路100に含まれる各製品の版数の情報を含んでいる。例えば、図3中の第1のインデックスファイル103内の情報「製品A」_xa%yaは、製品Aのメジャー版数がxa、マイナー版数がybであることを示している。
【0041】
第2のインデックスファイル104は、製品ライブラリ101に基づいて予め作成されるインデックスファイルであり、製品ライブラリ101に含まれる各製品の版数の情報を含んでいる。例えば、図3中の第2のインデックスファイル104内の情報「製品A」_αaは、製品Aの版数がαAであることを示している。
【0042】
第3のインデックスファイル105は、部品ライブラリ102に基づいて予め作成されるインデックスファイルであり、部品ライブラリ102に含まれる各部品の版数の情報を含んでいる。例えば、図3中の第3のインデックスファイル105内の情報「部品X」_βXは、部品Xの版数がβXであることを示している。
【0043】
以下に、本発明の実施例1について説明する。図4は、本発明の実施例1における設計支援処理フローの例を示す図である。まず、版数比較部11が、設計データ内の製品、部品のうち、最新版に自動置換すべき製品、部品が存在するかを判断する(ステップS1)。具体的には、版数比較部11が、設計データ記憶部18から設計データ10を取得し、ライブラリ情報記憶部19から最新のライブラリ情報を取得する。そして、版数比較部11が、設計データ10に含まれる製品、部品の版数の情報と、最新のライブラリ情報におけるインデックスファイルに含まれる製品、部品の版数の情報とを比較し、比較結果に基づいて、製品、部品を最新版に自動置換する必要があるかを判断する。
【0044】
例えば、版数比較部11は、設計データ10中に取り込まれているマクロ回路に含まれる製品の版数と最新のライブラリ情報における第1のインデックスファイル103に含まれる該製品の版数とを比較し、比較結果に基づいて、該製品を最新版に自動置換する必要があるかを判断する。版数比較部11は、設計データ10中に取り込まれているマクロ回路に含まれる製品のメジャー版数と第1のインデックスファイル103に含まれる該製品のメジャー版数とが異なる場合には、該製品を最新版に自動置換する必要があると判断しない。版数比較部11は、設計データ10中に取り込まれているマクロ回路に含まれる製品のメジャー版数と第1のインデックスファイル103に含まれる該製品のメジャー版数とが同じであって、かつ、第1のインデックスファイル103に含まれる該製品のマイナー版数が上記マクロ回路に含まれる製品のマイナー版数より大きい場合に、該製品を最新版に自動置換する必要があると判断する。
【0045】
また、版数比較部11は、設計データ10中に取り込まれている製品ライブラリに含まれる製品の版数と最新のライブラリ情報における第2のインデックスファイル104に含まれる該製品の版数とを比較し、比較結果に基づいて、該製品を最新版に自動置換する必要があるかを判断する。また、版数比較部11は、設計データ10中に取り込まれている部品ライブラリに含まれる部品の版数と最新のライブラリ情報における第3のインデックスファイル105に含まれる該部品の版数とを比較し、比較結果に基づいて、該部品を最新版に自動置換する必要があるかを判断する。
【0046】
版数比較部11が、製品、部品を最新版に自動置換する必要がないと判断した場合は処理を終了し、版数比較部11が、製品、部品を最新版に自動置換する必要があると判断した場合はステップS2に進む。
【0047】
上記ステップS1において、例えば、設計データ10中に取り込まれているマクロ回路に含まれる製品Aの版数が02%04であり、最新のライブラリ情報における第1のインデックスファイル103に含まれる製品Aの版数が03%01であるとする。この場合、設計データ10中に取り込まれているマクロ回路に含まれる製品Aのメジャー版数「02」より第1のインデックスファイル103に含まれる製品Aの版数「03」のほうが大きい。従って、版数比較部11は、該製品Aを最新版に自動置換すべき対象であると判断しない。
【0048】
また、例えば、設計データ10中に取り込まれているマクロ回路に含まれる製品Aの版数が02%04であり、最新のライブラリ情報における第1のインデックスファイル103に含まれる製品Aの版数が02%05であるとする。最新のライブラリ情報における第1のインデックスファイル103に含まれる製品Aのメジャー版数「02」が、設計データ10中に取り込まれているマクロ回路に含まれる製品Aのメジャー版数「02」と等しく、かつ、第1のインデックスファイル103に含まれる製品Aのマイナー版数「05」が設計データ10中に取り込まれているマクロ回路に含まれる製品Aのマイナー版数「04」より大きい。従って、版数比較部11は該製品Aを最新版に自動置換すべき対象であると判断する。
【0049】
ステップS2において、ライブラリ情報反映可否判断部12が、製品、部品を最新版の製品、部品に自動置換することが可能かを判断する(ステップS2)。具体的には、ライブラリ情報反映可否判断部12は、設計データ10が取り込んでいるライブラリ情報における製品、部品の物理的な条件と最新のライブラリ情報における製品、部品の物理的な条件とを比較し、設計データ10が取り込んでいるライブラリ情報における製品、部品の物理的な条件と上記最新のライブラリ情報における製品、部品の物理的な条件との間で矛盾がない場合、製品、部品を最新版の製品、部品に自動置換することが可能である(最新のライブラリ情報を設計データに反映する)と判断して、ステップS3に進む。ライブラリ情報反映可否判断部12は、設計データ10が取り込んでいるライブラリ情報における製品、部品の物理的な条件と上記最新のライブラリ情報における製品、部品の物理的な条件との間で矛盾がある場合、設計データ10が取り込んでいるライブラリ情報に対応する製品、部品を最新版の製品、部品に自動置換することができない(最新のライブラリ情報を設計データ10に反映しない)と判断し、ステップS6に進む。
【0050】
例えば、製品Aの旧版の製品ライブラリを取り込んでいる旧版の設計データ10が図5に示すような設計データであり、最新のライブラリ情報における製品Aの製品ライブラリ101が図6に示すような製品ライブラリであるとする。図5に示す設計データ10内の情報は、該設計データ10が取り込んでいる製品Aの旧版の製品ライブラリの情報である。図5に示す設計データ10と図6に示す製品ライブラリ101は、それぞれ、製品Aの部品数、製品Aの部品の一覧(部品#1乃至#3)、製品Aの属性(属性#1、・・・)、部品の属性情報(図5に示す例では、部品名、属性、座標、インタフェース(IF)数)、部品のIFの情報(図5に示す例では、インタフェース名、属性、座標)を含んでいる。例えば、IFについて設定されている属性memは、該IFがメモリに対応することを示し、IFについて設定されている属性cpuは、該IFがcpuに対応することを示す。また、IFについて設定されている座標は、該IFの配置位置を示す。なお、図5に示す例では、属性#1は、設計者の指定入力に従って設定された、製品Aにおいて動作するソフトウェアに関する情報である。該属性#1は、製品Aに対応するオペレーティングシステム(OS)として「OS−B」が設定されていることを示している。また、図6の製品ライブラリ101において設定されている属性#1は、製品Aの対応オペレーティングシステムとしてOS−A又はOS−Bが選択可能であるということを示す。
【0051】
ライブラリ情報反映可否判断部12は、例えば、図5の設計データ10におけるインタフェース数、各インタフェースの属性、座標が、図6の製品ライブラリ101におけるインタフェース数、各インタフェースの属性、座標と矛盾しないかを判断する。図5、図6を参照すると、図5に示す設計データ10における部品#1のインタフェース数が7であるのに対し、図6に示す製品ライブラリ101における部品#1のインタフェース数は6である。また、図5に示す設計データ10における部品#1のIF#3というインタフェースの属性、座標と同じ属性、座標のインタフェースが、図6に示す製品ライブラリ101中に存在しない。すなわち、図5中の網かけを施した部分の情報が、図6に示す製品ライブラリ101に含まれる情報と矛盾する。従って、ライブラリ情報反映可否判断部12は、図5の設計データ10が示す製品Aを最新版の製品(図6に示す製品ライブラリ101が示す製品A)に自動置換できないと判断する。
【0052】
上記ステップS2においては、図5及び図6を参照して上述したのと同様にして、ライブラリ情報反映可否判断部12が、旧版の設計データが取り込んでいる旧版の製品ライブラリと最新の製品ライブラリとを比較して、旧版の製品ライブラリが示す製品と接続する増設装置(例えば、メモリスロット)が最新の製品ライブラリが示す製品に接続可能かどうかを判断するようにしてもよい。ライブラリ情報反映可否判断部12は、旧版の製品ライブラリが示す製品と接続する増設装置が最新の製品ライブラリが示す製品に接続可能であると判断した場合に、該旧版の製品ライブラリが示す製品を最新の製品ライブラリが示す製品に自動置換可能であると判断する。
【0053】
また、ライブラリ情報反映可否判断部12が、旧版の製品ライブラリが示す製品と接続する増設装置が最新の製品ライブラリが示す製品に全て接続可能かどうかを判断し、判断結果に基づいて、該旧版の製品ライブラリが示す製品を最新の製品ライブラリが示す製品に自動置換可能か否かを判断するようにしてもよい。例えば、旧版の製品ライブラリを取り込んでいる旧版の設計データにおいては、製品Aに増設用のメモリスロットが2個接続されているが、最新の製品ライブラリにおいては、該製品Aには増設用のメモリスロットが1個しか接続できないように設定されている場合、ライブラリ情報反映可否判断部12は、製品Aを最新版の製品Aに自動置換できないと判断する。
【0054】
また、ライブラリ情報反映可否判断部12が、旧版の製品ライブラリが示す製品と接続する通信ケーブルが、最新の製品ライブラリが示す製品に、例えば全て接続可能かどうかを判断し、判断結果に基づいて、該旧版の製品ライブラリが示す製品を最新の製品ライブラリが示す製品に自動置換可能か否かを判断するようにしてもよい。
【0055】
ステップS3において、ライブラリ情報反映部13が、製品、部品を最新版の製品、部品に自動置換し(ステップS3)、ステップS4に進む。具体的には、ライブラリ情報反映部13が、旧版の設計データ10が取り込んでいるライブラリ情報に対して、最新ライブラリ情報を反映させる。ライブラリ情報反映部13は、例えば、図7に示す旧版の設計データ10に含まれる情報(旧版の設計データ10が取り込んでいる製品ライブラリの情報)を図8に示す最新の製品ライブラリ101に含まれる情報で置き換えることによって、該旧版の設計データ10を最新設計データにする(最新設計データを生成する)。但し、ライブラリ情報反映部13は、図7に示す旧版の設計データ10に含まれる情報のうち、設計者の指定入力に従って設定された製品Aの属性情報(例えば、図7中の属性#1としての設定値「OS−B」)については、図8に示す製品ライブラリ101に含まれる情報に置き換えない。
【0056】
ステップS6において、ライブラリ情報反映不可通知部14が、製品、部品を最新版の製品、部品に自動置換できないことを通知する(ステップS6)。ステップS6においては、ライブラリ情報反映不可通知部14が、旧版の設計データ10が取り込んでいる当該製品、部品の旧版ライブラリ情報をコメント化(描画情報に変換)して画面表示するようにしてもよい。例えば、ライブラリ情報反映不可通知部14は、図9(A)に示す旧版の設計データが取り込んでいる製品Aの製品ライブラリの情報をコメント化して、図9(B)に示すように画面表示する。図9(B)中の点線部分が、コメント化された製品Aの製品ライブラリの情報である。図9(B)に示す画面表示を参照した設計者は、個別に最新のライブラリ情報を呼び出して、新たに設計データ中に最新版の製品を配置(設定)する。なお、ステップS6において、ライブラリ情報反映不可通知部14が、製品、部品を最新版の製品、部品に自動置換できない理由(置換不能理由)を画面表示するようにしてもよい。
【0057】
ステップS4において、属性情報反映可否判断部15が、旧版の設計データ10において設定された製品の属性を最新ライブラリ情報が反映された最新設計データ(ステップS3において生成された最新設計データ)に引き継ぐことができるか(継承できるか)を判断する(ステップS4)。具体的には、属性情報反映可否判断部15は、旧版の設計データ10において設定された製品の属性と、最新ライブラリ情報に含まれる製品の属性とが矛盾しないかを判断し、旧版の設計データ10において設定された製品の属性と、最新ライブラリ情報に含まれる製品の属性とが矛盾しない場合に、旧版の設計データ10において設定された製品の属性を、最新ライブラリ情報が反映された最新設計データに引き継ぐことができると判断し、ステップS5に進む。属性情報反映可否判断部15は、旧版の設計データ10において設定された製品の属性と、最新ライブラリ情報に含まれる製品の属性とが矛盾する場合に、旧版の設計データ10において設定された製品の属性を、最新ライブラリ情報が反映された最新設計データに引き継ぐことができないと判断し、ステップS7に進む。
【0058】
ここで、図10に示す旧版の設計データ10内の斜線部には、製品Aの属性(属性#1)として、「OS−A」というオペレーティングシステムが設定されている。一方、図11に示す製品Aの最新の製品ライブラリ101に含まれる製品Aの属性は、該製品Aに対しては「OS−B」というオペレーティングシステムのみ選択可能であることを示している。図10に示す旧版の設計データ10において設定された製品の属性と、最新ライブラリ情報に含まれる製品の属性とが矛盾する。従って、属性情報反映可否判断部15は、図10に示す旧版の設計データ10において設定された製品の属性(設定値:OS−A)を、図11に示す最新の製品ライブラリが旧版の設計データ10に反映されて生成される最新設計データ(図示を省略)に引き継ぐことができないと判断する。
【0059】
一方、図12に示すように、旧版の設計データ10において、製品Aの属性(属性#1)として「OS−B」というオペレーティングシステムが設定されている場合、該製品Aの属性は、上記図11に示す製品Aの最新の製品ライブラリに含まれる製品Aの属性と矛盾しない。従って、属性情報反映可否判断部15は、図12に示す旧版の設計データ10において設定された製品の属性(設定値:OS−B)を、上記図11に示す最新の製品ライブラリ101が旧版の設計データ10に反映されて生成される最新設計データ(図示を省略)に引き継ぐことができると判断する。
【0060】
ステップS5において、属性情報反映部16が、旧版の設計データ10において設定された製品の属性を最新ライブラリ情報が反映された最新設計データに引き継ぐ(ステップS5)。
【0061】
ステップS7においては、属性情報反映エラー通知部17が、旧版の設計データ10において設定された製品の属性を最新ライブラリ情報が反映された最新設計データに引き継ぐことができないこと(製品の属性の反映エラー)を通知する(ステップS7)。例えば、属性情報反映エラー通知部17は、図13に示すようなエラーリストを画面表示する。図13に示すエラーリスト中には、引継不可属性の一つとして属性#1が表示されている。このエラーリストを参照した設計者は、例えば、製品Aに対するOS−Aというオペレーティングシステムの設定がエラーであることを認識し、設計データにおいて正しい設定に設定し直すことができる。
【0062】
本発明の実施例2について説明する。図14は、本発明の実施例2における設計支援処理フローの例を示す図である。図14では、設計者の指定入力に従って、旧版の設計データが取り込んでいる製品ライブラリが示す製品Aを、製品Aとは異なる他の製品(例えば、製品B)に置換することを指示する置換指示情報が設計支援システム1に入力された場合の、設計支援システム1による設計支援処理を例にとって説明する。上記置換指示情報には、例えば製品Aの識別情報と製品Bの識別情報とが含まれているものとする。
【0063】
まず、ライブラリ情報反映可否判断部12が、製品Aを製品Bに自動置換することが可能かを判断する(ステップS11)。具体的には、ライブラリ情報反映可否判断部12は、上記置換指示情報に含まれる製品Aの識別情報に基づいて、設計データ記憶部18から旧版の設計データ10が取り込んでいる製品Aの製品ライブラリ(置換元の製品ライブラリ)を取得する。また、ライブラリ情報反映可否判断部12は、上記置換指示情報に含まれる製品Bの識別情報に基づいて、ライブラリ情報記憶部19から製品Bの製品ライブラリ(置換先の製品ライブラリ)を取得する。そして、ライブラリ情報反映可否判断部12は、旧版の設計データ10が取り込んでいる製品Aの製品ライブラリに含まれる物理的な条件と製品Bの製品ライブラリに含まれる物理的な条件とが矛盾しないかを判断する。ライブラリ情報反映可否判断部12は、旧版の設計データ10が取り込んでいる製品Aの製品ライブラリに含まれる物理的な条件と製品Bの製品ライブラリに含まれる物理的な条件とが矛盾しない場合は、製品Aを製品Bに自動置換することが可能であると判断して、ステップS12に進む。ライブラリ情報反映可否判断部12は、旧版の設計データ10が取り込んでいる製品Aの製品ライブラリに含まれる物理的な条件と製品Bの製品ライブラリに含まれる物理的な条件とが矛盾する場合は、製品Aを製品Bに自動置換することができないと判断して、ステップS15に進む。
【0064】
例えば、製品Aの製品ライブラリを取り込んでいる旧版の設計データが図15に示すような設計データ10であり、製品Bの製品ライブラリが図17に示すような製品ライブラリ101であるとする。図15に示す設計データ10内の情報は、該設計データ10が取り込んでいる製品Aの製品ライブラリの情報である。ライブラリ情報反映可否判断部12は、例えば、図15の設計データ10におけるインタフェース数、各インタフェースの属性、座標が、図16の製品ライブラリ101におけるインタフェース数、各インタフェースの属性、座標と矛盾しないかを判断する。図15、図16に示す例では、図15に示す設計データ10における部品#1のインタフェース数が7であるのに対し、図16に示す製品ライブラリ101における部品#1のインタフェース数は6である。また、図15に示す設計データ10における部品#1のIF#3というインタフェースの属性、座標と同じ属性、座標のインタフェースが、図16に示す製品ライブラリ101中に存在しない。すなわち、図15中の網かけを施した部分の情報が、図16に示す製品ライブラリ101に含まれる情報と矛盾する。従って、ライブラリ情報反映可否判断部12は、製品Aを製品Bに自動置換できないと判断する。
【0065】
ステップS12において、ライブラリ情報反映部13が、製品Aを製品Bに自動置換し(ステップS12)、ステップS13に進む。具体的には、ステップS12においては、ライブラリ情報反映部13が、設計データ10が取り込んでいる製品Aの製品ライブラリに製品Bの製品ライブラリを反映させる。ライブラリ情報反映部13は、例えば、図17に示す設計データ10に含まれる情報(製品Aの製品ライブラリの情報)を図18に示す製品Bの製品ライブラリ101に含まれる情報で置き換えることによって、該設計データ10を最新設計データとする。
【0066】
ステップS15において、ライブラリ情報反映不可通知部14が、製品Aを製品Bに自動置換できないことを通知する(ステップS15)。例えば、ライブラリ情報反映不可通知部14が、製品Aを製品Bに自動置換できないことと、該自動置換できない理由を示すメッセージを画面表示する。画面表示されたメッセージを参照した設計者は、製品Aを製品Bに置換したい場合には、個別に人手で置換処理を実行する。
【0067】
ステップS13において、属性情報反映可否判断部15が、製品Aの製品ライブラリを取り込んでいた旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性を、製品Bの製品ライブラリが反映された最新設計データに引き継ぐことができるかを判断する(ステップS13)。具体的には、属性情報反映可否判断部15は、旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性と、製品Bの製品ライブラリに含まれる製品Bの属性とが矛盾しないかを判断し、旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性と、製品Bの製品ライブラリに含まれる製品Bの属性とが矛盾しない場合に、旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性を、製品Bの製品ライブラリが反映された最新設計データに引き継ぐことができると判断し、ステップS14に進む。旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性と、製品Bの製品ライブラリに含まれる製品Bの属性とが矛盾する場合、属性情報反映可否判断部15は、旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性を、製品Bの製品ライブラリが反映された最新設計データに引き継ぐことができないと判断し、ステップS16に進む。
【0068】
ここで、図19に示す旧版の設計データ10においては、製品Aの属性(属性#1)として、「OS−A」というオペレーティングシステムが設定されている。一方、図20に示す製品Bの製品ライブラリ101に含まれる製品Bの属性は、該製品Bに対しては「OS−B」というオペレーティングシステムのみ選択可能であることを示している。図19に示す旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性と、図20に示す製品Bの製品ライブラリ101が示す製品Bの属性とが矛盾する。従って、属性情報反映可否判断部15は、図19に示す旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性(設定値:OS−A)を、図20に示す製品Bの製品ライブラリが反映された、最新設計データ(図示を省略)に引き継ぐことができないと判断する。
【0069】
一方、図21に示すように、旧版の設計データ10において、製品Aの属性(属性#1)として「OS−B」というオペレーティングシステムが設定されている場合、該製品Aの属性は、上記図20に示す製品Bの最新の製品ライブラリ101に含まれる製品Bの属性と矛盾しない。従って、属性情報反映可否判断部15は、図21に示す旧版の設計データにおいて設定された製品Aの属性(設定値:OS−B)を、上記図20に示す製品Bの製品ライブラリが反映された、最新設計データ(図示を省略)に引き継ぐことができると判断する。
【0070】
ステップS14において、属性情報反映部16が、旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性を製品Bの製品ライブラリが反映された最新設計データに引き継ぐ(ステップS14)。
【0071】
ステップS16においては、属性情報反映エラー通知部17が、旧版の設計データ10において設定された製品Aの属性を製品Bの製品ライブラリが反映された最新設計データに反映できないこと(製品Aの属性の反映エラー)を通知する(ステップS16)。例えば、属性情報反映エラー通知部17は、図22に示すようなエラーリストを画面表示する。このエラーリストを参照した設計者は、例えば、置換元の製品である製品Aを置換先の製品である製品Bに自動置換すると製品Aに対するOS−Aというオペレーティングシステムの設定がエラーとなることを認識し、設計データにおいて正しい設定値に設定し直すことができる。
【0072】
本実施形態の設計支援システム1は、ネットワークシステムを構成する装置(例えば、サーバ装置)を、該装置がグレードアップされた他の装置に置換する際にも適用可能である。図23(A)は、複数のサーバ装置Aから構成されるネットワークシステムの構成図であり、図23(B)は、図23(A)に示すサーバ装置Aを、該サーバ装置Aがグレードアップされたサーバ装置であるサーバ装置Bに置換した後のネットワークシステムの構成図である。図23(A)、(B)を参照すると、サーバ装置Aは4個のLAN(Local Area Network)の口(LANコネクタ)20−1乃至20−4を備えているが、サーバ装置BはLANコネクタを3個しか備えていない。従って、図23(B)に示すネットワークシステムを設計する場合、LANカードを1枚購入して追加するとともに、サーバ装置Aに設定されているIP(Internet Protocol)アドレスを増設のLANカードに設定する等の処理が必要となる。
【0073】
本実施形態の設計支援システム1は、図14を参照して前述した設計支援処理フローに従って、図23(A)に示すサーバ装置Aに対して設定されているIPアドレスのうち、LANの口数が減ったためにサーバ装置Bに対して設定できないIPアドレス(例えば、図23(A)中の一番右に配置されているサーバ装置Aが備えるLANコネクタ20−1に設定されている192.168.100.12というIPアドレス)をエラーリストとして表示する。設計者は、該エラーリストを参照することによって、サーバ装置BにおいてLANの口数が減ったことと、LANの口数が減ったことによって設定ができなくなったIPアドレスがあることを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態の設計支援システムの構成例を示す図である。
【図2】設計データの構成例を示す図である。
【図3】ライブラリ情報の構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施例1における設計支援処理フローの例を示す図である。
【図5】設計データを示す図である。
【図6】製品ライブラリを示す図である。
【図7】設計データを示す図である。
【図8】製品ライブラリを示す図である。
【図9】製品ライブラリの情報のコメント化を説明する図である。
【図10】設計データを示す図である。
【図11】製品ライブラリを示す図である。
【図12】設計データを示す図である。
【図13】エラーリストの例を示す図である。
【図14】本発明の実施例2における設計支援処理フローの例を示す図である。
【図15】設計データを示す図である。
【図16】製品ライブラリを示す図である。
【図17】設計データを示す図である。
【図18】製品ライブラリを示す図である。
【図19】設計データを示す図である。
【図20】製品ライブラリを示す図である。
【図21】設計データを示す図である。
【図22】エラーリストの例を示す図である。
【図23】ネットワークシステムの構成図である。
【図24】本発明者が検討した問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0075】
1 設計支援システム
11 版数比較部
12 ライブラリ情報反映可否判断部
13 ライブラリ情報反映部
14 ライブラリ情報反映不可通知部
15 属性情報反映可否判断部
16 属性情報反映部
17 属性情報反映エラー通知部
18 設計データ記憶部
19 ライブラリ情報記憶部
20 システム構成図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換するとき、前記設計データと前記第2の製品データとを比較し、比較結果に基づいて、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であるかを判断する判断部と、
前記判断部が、前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であると判断した場合に、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換する置換部とを備える
ことを特徴とする設計支援システム。
【請求項2】
前記判断部が、設計データに含まれる前記第1の製品データが示す製品と接続する増設装置が、前記第2の製品データが示す製品に接続可能であるかを判断する
ことを特徴とする請求項1記載の設計支援システム。
【請求項3】
前記判断部が、前記増設装置が前記第2の製品データが示す製品に全て接続可能であるかを判断する
ことを特徴とする請求項2記載の設計支援システム。
【請求項4】
前記判断部が、設計データに含まれる前記第1の製品データが示す製品と接続する通信ケーブルが、前記第2の製品データの示す製品と接続可能であるかを判断する
ことを特徴とする請求項1記載の設計支援システム。
【請求項5】
前記判断部が、前記通信ケーブルが前記第2の製品データが示す製品に全て接続可能であるかを判断する
ことを特徴とする請求項4記載の設計支援システム。
【請求項6】
前記置換部が前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換したときに、前記設計データにおいて設定されている前記第1の製品データが示す製品の属性情報が前記第2の製品データを含む新たな設計データに継承可能かどうか判断する継承判断部を備えることを特徴とする請求項1記載の設計支援システム。
【請求項7】
前記属性値が、前記第1の製品データが示す製品において動作するソフトウェアに関する情報である
ことを特徴とする請求項6記載の設計支援システム。
【請求項8】
前記判断部が前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換不能であると判断した場合に、置換不能理由を通知する通知部を備えることを特徴とする請求項1記載の設計支援システム。
【請求項9】
設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換するとき、前記設計データと前記第2の製品データとを比較し、比較結果に基づいて、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であるかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって、前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であると判断された場合に、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換する置換ステップとを有する
ことを特徴とする設計支援方法。
【請求項10】
コンピュータに、
設計データに含まれる第1の製品データを第2の製品データに置換するとき、前記設計データと前記第2の製品データとを比較し、比較結果に基づいて、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であるかを判断する判断処理と、
前記判断処理によって、前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換可能であると判断された場合に、前記設計データに含まれる前記第1の製品データを前記第2の製品データに置換する置換処理とを実行させる
ことを特徴とする設計支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−238113(P2009−238113A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86128(P2008−86128)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】