説明

診療用インスツルメントホルダ及び診療用ユニット

【課題】コードレス診療用インスツルメントの充電可能な位置の制約を緩めることで、診療ユニットの利便性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】ユニット本体10は、診療用インスツルメントホルダ23のホルダ本体231によってコードレス診療用インスツルメント70を充電位置に保持する。コードレス診療用インスツルメント70が備える電力受電回路73が、ホルダ本体231の電力送電回路83から電磁誘導の作用により電力の供給を受けることで、蓄電池75が無接点で充電される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診療用インスツルメントホルダ及び診療用ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
医科、歯科等の診療において用いられる診療用ユニットでは、診療用ユニットの本体に対し、電線等の配線を包むチューブを介して接続された診療用インスツルメントを、診療用インスツルメントホルダに保持するように構成されているものが知られている。
【0003】
また、診療用ユニットの本体に対し、チューブ接続されない診療用インスツルメント(コードレス診療用インスツルメント)を保持する診療用インスツルメントホルダを備えた診療用ユニットも提案されている(例えば、特許文献1)。コードレス診療用インスツルメントの場合、その使用範囲を接続チューブによって制約されない等、操作性の面でも有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−226035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来のコードレス診療用インスツルメントは、接点端子を介して充電されるため、充電時に定位置に保持しておく必要がある。そのため、術者は、充電の度に収納角度や収納姿勢を考慮してコードレス診療用インスツルメントを診療用インスツルメントホルダに収納しなければならない。収納角度や収納姿勢を誤ると、充電が不足し、コードレス診療用インスツルメントの機能が十分に発揮されない、あるいは、診療中の電池切れによって診療が中断する、といったことが起こりうる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コードレス診療用インスツルメントの充電可能な位置の制約を緩めることで、診療用ユニットの利便性を向上させる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る診療用インスツルメントホルダは、診療用ユニットに備えられ、充電された電力により動作するコードレス診療用インスツルメントを保持する診療用インスツルメントホルダであって、前記コードレス診療用インスツルメントを充電位置に保持する保持構造体と、充電位置に保持された前記コードレス診療用インスツルメントを無接点充電する無接点給電機構とを備える。
【0008】
第2の態様に係る診療用インスツルメントホルダは、第1の態様に係る診療用インスツルメントホルダにおいて、前記無接点給電機構が、互いに種類の異なるコードレス診療用インスツルメントを無接点充電できる。
【0009】
第3の態様に係る診療用インスツルメントホルダは、第1の態様または第2の態様に係る診療用インスツルメントホルダにおいて、充電条件の決定の基礎となる前記保持構造体に保持された前記コードレス診療用インスツルメントの種類を識別する識別機構をさらに備える。
【0010】
第4の態様に係る診療用インスツルメントホルダは、第3の態様に係る診療用インスツルメントホルダにおいて、前記識別機構が、前記保持構造体に保持された前記コードレス診療用インスツルメントと無線通信し、前記コードレス診療用インスツルメントの種類を識別する。
【0011】
第5の態様に係る診療用インスツルメントホルダは、第1の態様から第4の態様までのいずれか1態様の診療用インスツルメントホルダにおいて、インスツルメントホルダ内に異物が存在することを検出することで前記無接点給電機構による給電を停止させる異物検出機構をさらに備える。
【0012】
第6の態様に係る診療用ユニットは、第1の態様から第5の態様までのいずれか1態様の診療用インスツルメントホルダと、前記無接点給電機構に電力を供給する電源と、前記診療用インスツルメントホルダに保持され、充電された電力により動作するコードレス診療用インスツルメントとを備える。
【0013】
第7の態様に係る診療用ユニットは、第6の態様の診療用ユニットにおいて、複数個の前記診療用インスツルメントホルダに保持されている複数個の前記コードレス診療用インスツルメントのうちから、充電する対象を選択する選択回路をさらに備える。
【0014】
第8の態様に係る診療用ユニットは、第7の態様の診療用ユニットにおいて、前記コードレス診療用インスツルメントの充電残量を検出する充電残量検出回路をさらに備え、前記選択回路は、前記充電残量検出回路により検出された充電残量が最も少ない前記コードレス診療用インスツルメントを充電の対象とする。
【0015】
第9態様に係る診療用ユニットは、第6の態様から第8の態様までのいずれか1態様の診療用ユニットにおいて、前記コードレス診療用インスツルメントの充電の完了を検出する充電完了検出回路と、前記充電完了検出回路による充電の完了の検出に同期して充電の完了を報知する報知機構とを備える。
【0016】
第10の態様に係る診療用ユニットは、第6の態様から第9の態様までのいずれか1態様の診療用ユニットにおいて、前記コードレス診療用インスツルメントの充電の完了までの残り時間を検出する残り時間検出回路と、前記時間検出回路が検出した残り時間を表示する表示機構とをさらに備える。
【0017】
第11の態様に係る診療用ユニットは、第6の態様から第10の態様までのいずれか1態様に記載の診療用ユニットにおいて、前記診療用ユニットの本体が、患者を仰臥位に保持する昇降傾動可能な診療台と、診療用トレーと、を備えたチェアユニットであって、前記診療用インスツルメントホルダが、前記診療台の背凭れ、前記診療台の頭部支え、及び前記診療用トレーの少なくともいずれかに備えられている。
【0018】
第12の態様に係る診療用ユニットは、第6の態様から第11の態様までのいずれか1態様の診療用ユニットにおいて、前記保持構造体が、前記診療用ユニットの本体に固定された保持構造体本体と、前記保持構造体本体に着脱自在に保持され前記無接点給電機構を備えるアダプタとを含み、前記アダプタが、前記診療用ユニットの本体からチューブを介して電力の供給を受ける。
【発明の効果】
【0019】
第1の態様に係る診療用インスツルメントホルダによれば、無接点方式でコードレスル診療用インスツルメントの充電が行われるため、充電可能な位置の制約を緩めることができる。したがって、診療用インスツルメントホルダ、あるいは診療用インスツルメントホルダを備えた診療用ユニットの利便性が向上する。
【0020】
また、第2の態様に係る診療用インスツルメントホルダによれば、種々のコードレス診療用インスツルメントを充電できるため、診療用インスツルメントホルダの利便性が向上する。
【0021】
また、第3の態様に係る診療用インスツルメントホルダによれば、コードレス診療用インスツルメントの種類を識別できるため、コードレス診療用インスツルメントの種類に応じた充電を行うことができる。
【0022】
また、第4の態様に係る診療用インスツルメントホルダによれば、無線通信によってコードレス診療用インスツルメントの種類を特定するため、接点端子を介さずにコードレス診療用インスツルメントを識別できる。
【0023】
また、第5の態様に係る診療用インスツルメントホルダによれば、ホルダ内の異物によって渦電流が生じるのを防ぐことができるため、診療用インスツルメントの故障や診療用インスツルメントホルダの損傷等を抑制できる。
【0024】
また、第6の態様に係る診療用ユニットによれば、診療用ユニットにおけるコードレス診療用インスツルメントの充電可能な位置の制約を緩めることができる。したがって、診療用ユニットの利便性が向上する。
【0025】
また、第7の態様に係る診療用ユニットによれば、診療用インスツルメントホルダに保持された複数のコードレス診療用インスツルメントのうちから、充電する対象を選択できるため、特定のコードレス診療用インスツルメントを優先的に充電できる。
【0026】
第8の態様に係る診療用ユニットによれば、最も充電残量の少ないコードレス診療用インスツルメントを優先的に充電できるため、診療用ユニットの利便性が向上する。
【0027】
第9の態様に係る診療用ユニットによれば、術者は、特定のコードレス診療用インスツルメントについて、充電が完了したことを知ることができる。したがって、診療用ユニットの利便性が向上する。
【0028】
第10の態様に係る診療用ユニットによれば、特定のコードレス診療用インスツルメントについて、充電完了に必要な時間を知ることができる。したがって、診療用ユニットの利便性が向上する。
【0029】
第11の態様に係る診療用ユニットによれば、コードレス診療用インスツルメントが治療時の使用者の周囲に配置されるため、コードレス診療用インスツルメントの使用と充電とを円滑に行うことができる。
【0030】
第12の態様に係る診療用ユニットによれば、チューブ接続用インスツルメントに代えて、チューブ付アダプタ及びコードレス診療用インスツルメントを診療用インスツルメントホルダに装着することができる。したがって、コードレス診療用インスツルメントを、充電を継続しながら使用することが可能であり、また直接的にチューブ接続された診療用インスツルメントに近い感覚で使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態に係る診療用ユニットの斜視図である。
【図2】診療用トレーの斜視図である。
【図3】コードレス診療用インスツルメントの斜視図である。
【図4】診療用インスツルメントホルダの斜視図である。
【図5】ユニット本体とコードレス診療用インスツルメントとにより構成される、診療用ユニットの内部構成を示す図である。
【図6】ユニット本体における充電動作の流れ図である。
【図7】ユニット本体における充電動作の流れ図である。
【図8】第2実施形態に係る診療用インスツルメントホルダの斜視図である。
【図9】診療用ユニット本体に追加される構成を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る診療用インスツルメントホルダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0033】
<1. 第1実施形態>
<1.1. 構成および機能>
図1は、第1実施形態に係る診療用ユニット100の斜視図である。また図2は、診療用トレー20の斜視図である。さらに図3は、コードレス診療用インスツルメント70の斜視図である。
【0034】
診療用ユニット100は、被術者が着座するチェア101を備えた歯科診療に用いられるユニットとして構成されている。なお、診療用ユニット100は、耳鼻咽喉科やその他の診療科の診療において用いられてもよい。
【0035】
診療用ユニット100は、床面に据え付けられた診療用ユニット本体(以下、「ユニット本体」という。)10の診療用インスツルメントホルダ23に、診療に用いられるコードレス診療用インスツルメント70を保持させた状態で使用される。
【0036】
診療用ユニット100は、昇降及び傾動可能であり被術者を仰臥位で着座させるチェア101と、器具等の載置場所を提供する診療用トレー20と、該診療用トレー20を宙に保持するトレーアーム30と、被術者の口腔内を照明するデンタルライト40と、該デンタルライト40をチェア101の上方に保持するライトポール50と、水を供給するとともに術者が吐きだしたうがい水を回収するベースンユニット60とを備えている。
【0037】
さらに、診療用ユニット100は、互いに機能の異なる複数のコードレス診療用インスツルメント70を備えている。また、図示を省略するが、診療用ユニット100は、電力を供給したり、制御信号等を伝達したりする配線を含むチューブが接続されているチューブ接続診療用インスツルメントを備えていてもよい。ユニット本体10は、上記チューブの一端に設けられたコネクタが接続される本体側接続部107を備えている。
【0038】
なお、診療用ユニット100は、上述した要素の全てを必ずしも備えていなければならないものではなく、一部の要素が省略されていてもよい。例えば、チェア101、あるいはベースンユニット60を省略することも可能である。また、診療用ユニット100に、補助的なインスツルメントホルダや追加的な照明機構などの、別の要素を追加することも妨げられない。
【0039】
図2に示すように、診療用トレー20は、器具、薬品類等の載置場所となるトレーテーブル21と、コードレス診療用インスツルメント70を保持する診療用インスツルメントホルダ23と、診療用インスツルメントホルダ23を診療用トレー20に対して保持するステー25とを備えている。このステー25は、診療用インスツルメントホルダ23を、診療用トレー20に対して固定するものであってもよいし、診療用トレー20に対して水平方向あるいは垂直方向に回動自在に保持するものであってもよい。
【0040】
なお図2では、診療用インスツルメントホルダ23を6個備えた診療用トレー20を例示しているが、診療用インスツルメントホルダ23の数はこれに限られるものではなく、適宜に増減することができる。また、本実施形態では、診療用インスツルメントホルダ23を診療用トレー20に設けているが、例えばチェア101の背凭れ103または頭部支え105(図1参照)に設けてもよい。歯科の診療時は、術者は被術者の頭部周りに居ることが多いため、診療用インスツルメントホルダ23をこのような場所に設けることで診療用ユニット100の利便性が向上する。
【0041】
<コードレス診療用インスツルメント70>
コードレス診療用インスツルメント70は、ユニット本体10からの電力を伝達等するチューブが接続されておらず、内蔵する蓄電池75の電力で動作する診療用インスツルメントである。具体的には、口腔内等を撮像するカメラや、切削部を回転させる電気モータを備えたハンドピース、スケーラーチップを振動させて超音波スケーラー、根管に充填される充填剤を加熱または押圧する根管充填器、同充填剤を光重合によって硬化するための光照射器等が該当する。ただし、これらは単に例示するものであり、コードレス診療用インスツルメント70はこれらに限られるものではない。
【0042】
なお、本実施形態の診療用ユニット100では、種類の異なるコードレス診療用インスツルメント70,70を同一の診療用インスツルメントホルダ23に保持するように構成されている。ここで、「種類が異なる」とは、互いに機能が異なる場合の他、機能の異同に関わらず外形形状が異なる場合も含む概念である。
【0043】
<診療用インスツルメントホルダ23>
図4は、診療用インスツルメントホルダ23の斜視図である。診療用インスツルメントホルダ23は、コードレス診療用インスツルメント70を保持する。なお、チューブ接続された診療用インスツルメントを診療用インスツルメントホルダ23に保持させるように構成してもよい。
【0044】
診療用インスツルメントホルダ23は、コードレス診療用インスツルメント70を充電位置に保持して充電するホルダ本体231を備えている。ホルダ本体231は、コードレス診療用インスツルメント70を収容するための空間である収容孔233が形成された収容空間形成体である。収容孔233の内面(例えば、内底面235)には、金属接点やコネクタ等を介さずに、無接点方式で充電用の電力をコードレス診療用インスツルメント70に供給する電力送電回路83が埋め込まれている。
【0045】
この診療用インスツルメントホルダ23は、充電のための金属接点やコネクタ等を備える必要がないため、収容孔233の内面を洗浄したり払拭したりする作業を容易に行うことができる。なお、ホルダ本体231の内部を、薬品耐性を持つ樹脂材等で構成することで、仮に診療時に用いられた薬品がホルダ本体231の内部に侵入しても、ホルダ本体231の損傷を抑制できる。
【0046】
収容孔233は、コードレス診療用インスツルメント70の径よりも大きい空間形状を有している。収容孔233は、電力送電回路83とコードレス診療用インスツルメント70の給電機構(電力受電回路73(図5参照))とが、送電可能となる程度の範囲内で近接するように、コードレス診療用インスツルメント70を保持する。
【0047】
なお、収容孔233の孔形状が特定のコードレス診療用インスツルメント70の外形形状に一致していることは要求されない。収容孔233の孔形状は、外形形状の異なる種々のコードレス診療用インスツルメント70を充電可能な位置に保持することができるとともに、コードレス診療用インスツルメント70の抜き差しが容易にできるように設計されている。これにより、コードレス診療用インスツルメント70の充電位置は、収容孔233の径方向に若干の広がりを有することとなる。
【0048】
診療用インスツルメントホルダ23の上部には、ネジ孔237が形成されている。このネジ孔237にネジが螺合されることで、診療用インスツルメントホルダ23がステー25に取り付けられる。
【0049】
図5は、ユニット本体10とコードレス診療用インスツルメント70とにより構成される、診療用ユニット100の内部構成を示す図である。ユニット本体10は、電力の供給源である電源11と、電力供給等を制御する制御回路13と、充電が完了したことを報知したり、各種エラーを報知したりする報知機構15を備えている。
【0050】
ユニット本体10に設けられるホルダ本体231は、ホルダ本体231に保持されたコードレス診療用インスツルメント70の種類を特定する識別回路81と、コードレス診療用インスツルメント70に電力を供給するための電力送電回路83と、各種データを送受信するデータ送受信回路85と、収容孔233内の異物を検出する異物検出回路87を備えている。
【0051】
さらにコードレス診療用インスツルメント70は、識別符号を記憶保持する識別タグ71と、電力を受給する電力受電回路73と、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等で構成される蓄電池75と、データを送受信するデータ送受信回路77と、蓄電池75の充電を制御する充電制御回路79とを備えている。
【0052】
識別タグ71とホルダ本体231の識別回路81とは、RFID(Radio Frequency IDentification)識別システムを構成している。識別タグ71は、コードレス診療用インスツルメント70の種類を特定する識別符号を記憶しており、識別回路81がこの識別符号を非接触で読み取ることによって、ホルダ本体231に収容されているコードレス診療用インスツルメント70の種類が特定される。
【0053】
なお、コードレス診療用インスツルメント70の識別は、RFID識別システムによるものではなく、その他の無線的な構成で実現されてもよい。例えば、コードレス診療用インスツルメント70に、その種類を識別する情報をデジタル信号として送信する送信回路を設け、識別回路81によりそのデジタル信号を受信して、種類を特定するようにしてもよい。また例えば、識別タグ71をコードレス診療用インスツルメントの外装に付したバーコードとしておき、識別回路81をバーコード読み取り装置を含むものとして、種類を特定するようにしてもよい。
【0054】
制御回路13は、上記の識別結果に基づいて、充電条件(充電電圧、充電電流、充電時間、及び充電方式の全部、またはその一部)を決定する。これにより、手動で充電方式を決定しなくても、コードレス診療用インスツルメント70の種類に適した条件で充電が行えるため、診療用ユニット100の利便性が向上する。なお、ここでの充電方式とは、定電流充電や定電圧充電、急速充電やトリクル充電等の各種充電方式をいう。
【0055】
ホルダ本体231の電力送電回路83は、コイルに電流を供給することで磁束を発生させる。コードレス診療用インスツルメント70の電力受電回路73は、発生した磁束をコイルで受けることによって、電流を発生させる。このようにして、ホルダ本体231は、コードレス診療用インスツルメント70に対して無接点的に電力を供給する。供給された電力は、充電制御回路79を介して蓄電池75に蓄電される。
【0056】
データ送受信回路77は、充電制御回路79の制御に基づき、ホルダ本体231のデータ送受信回路85との間でデータを送受信する。例えば、蓄電池75の充電残量の情報や充電が完了したことを示す情報等が、コードレス診療用インスツルメント70のデータ送受信回路77からユニット本体10のデータ送受信回路85に送信される。
【0057】
異物検出回路87は、収容孔233内の異物(例えば、金属製部材(クリップ等)、金属性補綴物(歯科用のクラウン、ブリッジ等)、熱溶融性樹脂(歯科用の充填剤)等)を検出する。このような異物が収容孔233に存在した場合、コードレス診療用インスツルメント70を適切な充電位置に適切に保持できず、充電効率が悪くなる虞がある。また、異物が発熱することで、コードレス診療用インスツルメント70が故障したり、収容孔233内部が損傷したりする虞がある。制御回路13は、異物検出回路87が異物を検出した場合に、検出されたホルダ本体231の電力送電回路83に対する電力の供給を停止するように構成されている。
【0058】
異物検出回路87の具体的な構成としては、例えば特開2002−34169号公報に記載された技術を適用できる。具体的には、送電開始時に所定パターンでON/OFF制御されて充電負荷を変化させる充電制御用トランジスタをコードレス診療用インスツルメント70に設け、異物検出回路87に設けた検出コイルで負荷パターンの変化を検出することで、異物の存在を検出できる。あるいは、異物検出回路87が充電効率を監視することで、異物を検出するようにしてもよい。さらに、その他の公知の構成を異物検出回路87に適用することも妨げられない。
【0059】
電源11は、コードレス診療用インスツルメント70の蓄電池75を充電するための電力を供給する電力供給源である。電源11から供給された電力は、まず制御回路13へ伝達される。制御回路13は、複数(ここでは6個)のホルダ本体231のうち電力を送電すべき電力送電回路83を選択する選択回路131と、蓄電池75の充電残量を検出する充電残量検出回路133と、充電が完了したことを検出する充電完了検出回路135とを備えている。
【0060】
充電残量検出回路133は、データ送受信回路77,85を介して取得される蓄電池75の充電残量情報から、蓄電池75の充電残量を検出する。本実施形態では、制御回路13は、充電残量の検出結果に基づいて、複数のコードレス診療用インスツルメント70のうち充電残量の最も少ないものを保持しているホルダ本体231の電力送電回路83に、電力を供給するように構成されている。これにより、充電残量が最も少ないコードレス診療用インスツルメント70を優先的に充電できるため、使用中に電池が切れることで治療が中断される虞も軽減する。なお、蓄電池75の充電残量を概略検出する方法としては、充電開始から現時点までの時間と、供給した電力量から、蓄電池への充電量を概算し、その概算結果から充電残量を推測する、といった方法も採りうる。
【0061】
充電完了検出回路135は、データ送受信回路85が受信した充電完了データに基づき、報知機構15を動作させる。報知機構15は、ランプの点灯状態を変化させたり、ディスプレイの表示内容を変化させたりして、術者にコードレス診療用インスツルメント70の充電が完了したことを視覚的に報知する。ただし、ブザーを鳴らしたりするなど、報知機構15が術者に対して聴覚的に報知するようにしてもよい。このような報知機構15を設けることで、診療用ユニット100の利便性が向上する。
【0062】
なお、報知機構15は、トレーテーブル21の一角等、ユニット本体10のどこに設けられてもよい。ただし、診療用インスツルメントホルダ23自体や、その近傍に設けられることで、コードレス診療用インスツルメント70の充電が完了したことを術者がより認識し易くなる。また、本実施形態では、報知機構15は、ユニット本体10において、動作上のエラーが発生した場合にも、エラー報知器として使用される。
【0063】
<1.2. 充電動作>
図6および図7は、ユニット本体10における充電動作の流れ図である。ユニット本体10に電源が投入されると、ユニット本体10はコードレス診療用インスツルメント70に対する充電動作を開始するが、ユニット本体10は、電源が切断されると、全ての動作を終了する。なお特に断らない限り、ユニット本体10の動作は、制御回路13によって制御されているものとする。
【0064】
ユニット本体10はホルダ本体231においてコードレス診療用インスツルメント70(HP)が検出されたかどうかを判定する(ステップS1)。具体的には、識別回路81により、識別タグ71に記録されている識別符号の読み取りが行われた否かによって判定される。検出されていない場合は(ステップS1においてNO)、ユニット本体10はコードレス診療用インスツルメント70が検出されるまで待機状態となる。
【0065】
コードレス診療用インスツルメント70が検出された場合(ステップS1においてYES)、ユニット本体10は、検出したコードレス診療用インスツルメント70が通信機能(データ送受信回路85)を有しているかどうかを確認する(ステップS2)。具体的には、ステップS1にて取得された識別符号に基づき、ユニット本体10がコードレス診療用インスツルメント70の種類を特定することで、データ送受信回路85を備えているかどうかを判定する。なお、実際にデータ通信が行われることで、通信機能の有無が判定されてもよい。
【0066】
まず、図6を参照しつつ、ステップS2において通信機能を有さないと判定された場合(ステップS2においてNO)について説明する。この場合、制御回路13は、特定されたコードレス診療用インスツルメント70の種類に適合する充電条件を決定する(ステップS3)。具体的には、充電電圧または充電電流、送電時間等が決定される。
【0067】
充電条件が決定されると、制御回路13は、ステップS1にてコードレス診療用インスツルメント70が検出されたホルダ本体231が備える電力送電回路83に電力を供給する。これにより、電力受電回路73に送電が行われて蓄電池75の充電が開始される(ステップS4)。
【0068】
次に、ユニット本体10は、他のホルダ本体231において、別のコードレス診療用インスツルメント70が検出されたかどうかを確認する(ステップS5)。この動作は、具体的にはステップS1と同様である。
【0069】
他のコードレス診療用インスツルメント70が検出された場合は(ステップS5においてYES)、検出された方の充電を優先するかどうかを判断する。具体的には、充電対象のコードレス診療用インスツルメント70と、新たに検出されたコードレス診療用インスツルメント70とのそれぞれの充電残量を比較して、より充電残量の少ない方について、充電を優先するように判断される。新たに検出されたコードレス診療用インスツルメント70の充電を優先する場合は(ステップS6においてYES)、ユニット本体10は、ステップS4の送電を中止する(ステップS7)。
【0070】
一方で、他のコードレス診療用インスツルメント70が検出されていない場合や(ステップS5においてNO)、または、新たに検出されたコードレス診療用インスツルメント70の充電を優先しない場合は(ステップS6においてNO)、ユニット本体10は、異物検出回路87により異物が検出されたかどうかを確認する(ステップS8)。なお、ステップS8の異物検出は、ステップS5の他のコードレス診療用インスツルメント70の検出よりも先に実行されてもよい。また、ステップS8の異物検出動作は適宜に省略してもよい。
【0071】
異物が検出された場合には(ステップS8においてYES)、ユニット本体10は、ステップS4の送電を中止するとともに、報知機構15により術者に対してエラーが生じたことを報知する(ステップS9)。一方、異物が検出されていない場合には(ステップS8においてNO)、ユニット本体10は、ステップS3で決定した送電時間が経過したかどうかを確認する(ステップS10)。送電時間を経過していないと判断された場合(ステップS10においてNO)、ステップS4に戻って、送電を継続しつつ、以降の動作を再び実行する。
【0072】
送電時間を経過した場合(ステップS10でYES)、ユニット本体10は、送電を完了するとともに、報知機構15により術者に対して充電が完了したことを報知する(ステップS11)。これにより術者は、コードレス診療用インスツルメント70の充電が完了したことを知ることができる。ここで、送電時間の経過に替えて、データ送受信回路77,85の通信によって蓄電池75の満充電であることを確認することで、ステップS11の送電完了及び完了報知へ進んでもよい。
【0073】
次に、ステップS2において、検出されたコードレス診療用インスツルメント70に通信機能があると判定された場合について、図7を参照しつつ説明する。この場合、ユニット本体10は、コードレス診療用インスツルメント70が通信可能な状態にあるかどうかを確認する(ステップS12)。通信が確認できない場合(ステップS12においてNO)、制御回路13は、通常の充電用の電力よりも低い電力の送電を行う(ステップS13)。これにより、充電残量がほとんどないためにデータ通信ができないコードレス診療用インスツルメント70に対し、通信可能な程度の電力を供給できる。
【0074】
そして、ユニット本体10は、送電を開始してから予め定められた一定の時間が経過したかどうかを確認する(ステップS14)。経過していない場合には(ステップS14においてNO)、ステップS13に戻って低電力の送電を継続する。
【0075】
一定時間が経過した場合には(ステップS14においてYES)、ユニット本体10は、再び通信確認を行う(ステップS15)。通信が確認できなかった場合には(ステップS15においてNO)、ユニット本体10は、報知機構15によりエラー報知を行う(ステップS16)。これにより、電力受電回路73の故障による受電不備、データ送受信回路77の故障による通信不備など、何らかの原因で通信ができないことが術者に通知される。エラー報知を行うと、ユニット本体10はステップS1に戻って以降の動作を再び実行する。
【0076】
一方、通信できた場合(ステップS12においてYES、もしくは、ステップS15においてYES)、ユニット本体10は蓄電池75に蓄えられている充電残量を確認する(ステップS17)。具体的には、ユニット本体10が充電残量情報をコードレス診療用インスツルメント70に対して要求する。これにより取得される充電残量情報に基づいて、充電残量検出回路133が充電残量を検出する。
【0077】
充電残量を確認すると、ユニット本体10は、充電条件を決定する(ステップS18)。具体的には、特定されたコードレス診療用インスツルメント70の種類毎に予め定められている送電時の充電電圧や充電電流が採用される。そして、ユニット本体10は、決定した充電条件に基づいて、充電用電力の送電を開始する(ステップS19)。
【0078】
送電を開始すると、ユニット本体10は、異物検出回路87により異物が検出されたかどうかを確認する(ステップS20)。異物が検出された場合(ステップS20においてYES)、ユニット本体10は送電を中止して、報知機構15によりエラー報知を行う(ステップS21)。なお、ステップS20の異物検出動作は、適宜に省略してもよい。
【0079】
異物が検出されていない場合には(ステップS20においてNO)、ユニット本体10は、他のホルダ本体231において、他のコードレス診療用インスツルメント70が検出されたかどうかを確認する(ステップS22)。新たに検出された場合は(ステップS22においてYES)、新たに検出されたコードレス診療用インスツルメント70の充電を優先すべきかどうかを判断する(ステップS23)。
【0080】
新たに検出されたコードレス診療用インスツルメント70の充電を優先する場合(ステップS23においてYES)、ユニット本体10は、ステップS19の送電を停止し(ステップS24)、ステップS2に進んで、新たに検出されたコードレス診療用インスツルメント70を充電対象とする充電動作に移行し、まず、新たに検出されたコードレス診療用インスツルメント70が通信機能を有するかどうかを確認する。
【0081】
なお、ユニット本体10のステップS22からステップS24までの動作は、ステップS5からステップS7までの動作とほぼ同様である。また、ステップS20の異物の検出は、ステップS22及びステップS23の動作の後に実行されてもよい。
【0082】
他のコードレス診療用インスツルメント70が検出されなかった場合(ステップS22においてNO)、もしくは、新たに検出されたコードレス診療用インスツルメント70の充電を優先しない場合(ステップS23においてNO)、ユニット本体10は、充電の対象のコードレス診療用インスツルメント70の充電が完了したかどうかを判定する(ステップS25)。
【0083】
充電が完了していない場合には(ステップS25においてNO)、ステップS19に戻って、以降の動作を再び実行する。充電が完了した場合には(ステップS25においてYES)、ユニット本体10は、送電を停止し、充電が完了したことを報知機構15により報知する(ステップS26)。そして、ユニット本体10は、ステップS1に進み、別のコードレス診療用インスツルメント70が検出されるまで待機する。以上が、ユニット本体10による一連の充電動作の説明である。
【0084】
<1.3. 本実施形態の効果>
本実施形態に係る診療用ユニット100によれば、無接点充電方式で、コードレス診療用インスツルメント70を充電するため、コードレス診療用インスツルメント70の充電可能範囲が、接点端子で充電する場合に比べて広くなる。これにより、術者がコードレス診療用インスツルメント70を、収納角度や収納姿勢等を考慮して診療用インスツルメントホルダ23に収納する煩わしさを低減できるため、診療用ユニット100の利便性が向上する。
【0085】
また、充電用の接点端子を省略することで、ホルダ本体231の内部を清掃し易くなる。また、ホルダ本体231が様々な形状のコードレス診療用インスツルメント70を充電できるように構成することで、充電場所の自由度が高くなる。
【0086】
また、ホルダ本体231が互いに種類の異なるコードレス診療用インスツルメント70を収納できるため、診療用インスツルメントホルダ23や診療用インスツルメントホルダ23を備えた診療用ユニット100の利便性が向上する。特に、外形形状の異なるコードレス診療用インスツルメント70を収容できる点で、有利である。また、識別回路81により、コードレス診療用インスツルメント70の種類を特定できるため、それぞれに適した条件で充電できる。
【0087】
<2. 第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る診療用インスツルメントホルダ23aの斜視図である。また、図9は、ユニット本体10に追加される構成を示すブロック図である。なお、本実施形態の説明において、第1実施形態と同様の機能を有する要素については同一符号を付してその説明を省略する。以下の各実施形態についても同様とする。
【0088】
図8に示すように、本実施形態の診療用インスツルメントホルダ23aには、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイ等で構成される表示機構239が設けられている。また、図9に示すように、ユニット本体10は、残り時間検出回路17をさらに備えている。残り時間検出回路17は、例えば、ホルダ本体231aに保持されているコードレス診療用インスツルメント70の充電残量情報に基づき、充電が完了するまでの残り時間を検出し、検出した残り時間を該当する診療用インスツルメントホルダ23aの表示機構239に表示させる。
【0089】
このような診療用インスツルメントホルダ23aを診療用ユニット100に適用することにより、術者が充電完了までの残り時間を容易に把握できるため、診療用ユニット100の利便性が向上する。なお、表示機構239を設ける場所は、ホルダ本体231aの側面に限られるものではなく、例えば、診療用トレー20上の診療用インスツルメントホルダ23aの近傍の位置に設けられてもよい。また、表示機構239は、発光ダイオード等のランプの色や明るさを変化させたり、点灯個数を変化させたりすることで、残り時間を表現するようにしてもよい。
【0090】
<3. 第3実施形態>
図10は、第3実施形態に係る診療用インスツルメントホルダ23bの斜視図である。診療用インスツルメントホルダ23bは、ホルダ本体231bの収容孔233bに収容される略筒状のアダプタ91を備えている。
【0091】
アダプタ91には、コードレス診療用インスツルメント70を挿入するための空間である挿入孔911が形成されている。この挿入孔911の孔形状は、挿入されるコードレス診療用インスツルメント70の外形形状に適合するように設計されている。なお、挿入孔911の孔形状とコードレス診療用インスツルメント70の外形形状とが、必ずしも一致していることは要求されない。ただし、コードレス診療用インスツルメント70は、係止爪等の固定機構や面同士間の摩擦力の作用によって、アダプタ91に取り付けられた状態で使用することが可能とされる。
【0092】
挿入孔911の内面(例えば、内底面913)には、挿入孔911に挿入されたコードレス診療用インスツルメント70を充電する電力を供給する電力送電回路83bが埋め込まれている。このように、第1実施形態では、電力送電回路83がホルダ本体231の収容孔233に埋め込まれていたが、本実施形態では、電力送電回路83bがホルダ本体231に収容されるアダプタ91に設けられている。
【0093】
また、アダプタ91は、さらにユニット本体10から電力送電回路83bに充電用の電力を供給する給電用チューブ915を備えている。給電用チューブ915は、給電配線を内蔵しており、一端にコネクタ917を備えている。コネクタ917は、ユニット本体10の本体側接続部107に対し、着脱可能に接続される。給電用チューブ915の他端は、アダプタ91内部の電力送電回路83に接続されている。したがって、本実施形態の電力送電回路83bは、給電用チューブ915を経由してユニット本体10から電力の供給を受け、充電位置に保持されたコードレス診療用インスツルメント70に電力を供給する。
【0094】
本実施形態によると、術者は、コードレス診療用インスツルメント70を、給電用チューブ915が接続されたアダプタ91とともに使用できるため、コードレス診療用インスツルメント70を、充電を継続しながら使用することが可能であり、またチューブ接続型の診療用インスツルメントと同様の感覚で使用できる。したがって、従来のチューブ接続型の診療用インスツルメントを、同じ機能を持つコードレス診療用インスツルメント70に置き換えた場合であっても、術者は従前通りにチューブ接続型のものに近い感覚で使用できる。さらに術者は、チューブによって動作範囲の制約を受けないようコードレス状態で、コードレス診療用インスツルメント70を使用することもできる。これにより、診療用ユニット100の利便性が向上し、診療効率も向上する。
【0095】
<4. 変形例>
以上、各実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0096】
例えば、上記実施形態では、ひとつのコードレス診療用インスツルメント70を順次に充電するようにしているが、例えば、一度に複数のコードレス診療用インスツルメント70を充電するように、ユニット本体10が構成されていてもよい。
【0097】
また、上記実施の形態に示した機能ブロックは、専用の回路を用いてハードウェア的に実現するものとして説明したが、これらの機能ブロックの一部または全部をプログラムに従って動作するCPUを用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0098】
さらに、上記各実施形態及び変形例で説明した各構成要素は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜省略したり、相互に組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0099】
100 診療用ユニット
10 ユニット本体
11 電源
13 制御回路
131 選択回路
133 充電残量検出回路
135 充電完了検出回路
15 報知機構
17 残り時間検出回路
101 チェア
103 背凭れ
105 頭部支え
20 診療用トレー
23,23a,23b 診療用インスツルメントホルダ
231,231a,231b ホルダ本体
239 表示機構
70 コードレス診療用インスツルメント
71 識別タグ
73 電力受電回路
75 蓄電池
77 データ送受信回路
81 識別回路
83,83b 電力送電回路
85 データ送受信回路
87 異物検出回路
91 アダプタ
915 給電用チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療用ユニットに備えられ、充電された電力により動作するコードレス診療用インスツルメントを保持する診療用インスツルメントホルダであって、
前記コードレス診療用インスツルメントを充電位置に保持する保持構造体と、
充電位置に保持された前記コードレス診療用インスツルメントを無接点充電する無接点給電機構と、
を備える診療用インスツルメントホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載の診療用インスツルメントホルダにおいて、
前記無接点給電機構が、互いに種類の異なるコードレス診療用インスツルメントを無接点充電できる診療用インスツルメントホルダ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の診療用インスツルメントホルダにおいて、
充電条件の決定の基礎となる前記保持構造体に保持された前記コードレス診療用インスツルメントの種類を識別する識別機構、
をさらに備える診療用インスツルメントホルダ。
【請求項4】
請求項3に記載の診療用インスツルメントホルダにおいて、
前記識別機構は、前記保持構造体に保持された前記コードレス診療用インスツルメントと無線通信し、前記コードレス診療用インスツルメントの種類を識別する診療用インスツルメントホルダ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の診療用インスツルメントホルダにおいて、
インスツルメントホルダ内に異物が存在することを検出することで前記無接点給電機構による給電を停止させる異物検出機構、
をさらに備える診療用インスツルメントホルダ。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の診療用インスツルメントホルダと、
前記無接点給電機構に電力を供給する電源と、
前記診療用インスツルメントホルダに保持され、充電された電力により動作するコードレス診療用インスツルメントと、
を備える診療用ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の診療用ユニットにおいて、
複数個の前記診療用インスツルメントホルダに保持されている複数個の前記コードレス診療用インスツルメントのうちから、充電する対象を選択する選択回路、
をさらに備える診療用ユニット。
【請求項8】
請求項7に記載の診療用ユニットにおいて、
前記コードレス診療用インスツルメントの充電残量を検出する充電残量検出回路、
をさらに備え、
前記選択回路は、前記充電残量検出回路により検出された充電残量が最も少ない前記コードレス診療用インスツルメントを充電の対象とする診療用ユニット。
【請求項9】
請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の診療用ユニットにおいて、
前記コードレス診療用インスツルメントの充電の完了を検出する充電完了検出回路と、
前記充電完了検出回路による充電の完了の検出に同期して充電の完了を報知する報知機構と、
を備える診療用ユニット。
【請求項10】
請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の診療用ユニットにおいて、
前記コードレス診療用インスツルメントの充電の完了までの残り時間を検出する残り時間検出回路と、
前記時間検出回路が検出した残り時間を表示する表示機構と、
をさらに備える診療用ユニット。
【請求項11】
請求項6から請求項10までのいずれか1項に記載の診療用ユニットにおいて、
前記診療用ユニットの本体が、患者を仰臥位に保持する昇降傾動可能な診療台と、診療用トレーと、を備えたチェアユニットであって、
前記診療用インスツルメントホルダが、前記診療台の背凭れ、前記診療台の頭部支え、及び前記診療用トレーの少なくともいずれかに備えられている診療用ユニット。
【請求項12】
請求項6から請求項11までのいずれか1項に記載の診療用ユニットにおいて、
前記保持構造体が、
前記診療用ユニットの本体に固定された保持構造体本体と、
前記保持構造体本体に着脱自在に保持され前記無接点給電機構を備えるアダプタと、
を含み、
前記アダプタが、
前記診療用ユニットの本体からチューブを介して電力の供給を受ける診療用ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−78442(P2011−78442A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230583(P2009−230583)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000138185)株式会社モリタ製作所 (173)
【Fターム(参考)】