説明

試料収集容器ラック用オーバーレイ

試料収集容器ラック用オーバーレイ(101)は、開口(104)及びこの開口(104)を識別する識別マーク(106)を有する天板(102)と、少なくとも1つの突出側部(108)を有する。試料収集容器ラック用オーバーレイ(101)は、試料収集容器ラックに一致するように構成され、試料収集容器ラックに入れられた試料収集容器を識別することを容易にする。試料収集容器ラックの開口は、試料収集容器を受入れるように定められた任意の寸法を有する。少なくとも1つの突出側部(108)は、試料収集容器ラック用オーバーレイ(101)に安定性を追加する。更に、少なくとも1つの突出側部(108)は、ぎざぎざ部分又は指当て用窪みを有し、試料収集容器ラック用オーバーレイ(101)を試料収集容器ラックに取付けたりそれから取外したりすることを容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料収集容器用のラック又はホルダに収容された科学的試料を識別するための装置に関し、この装置は、自動化された液体の取扱い中に科学的な試料を識別するための装置を含む。
【背景技術】
【0002】
試料収集容器ラック又はホルダを用いて、試験管又はその他のタイプの試料収集容器、例えばマイクロ遠心チューブを保持することが、当業者に良く知られている。当該技術において、試料収集容器ラック又はホルダには、多くの異なる寸法のもの及び異なる試料収集容器収容能力のものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、試料収集容器ラック又はホルダの上に載せられ且つ試料収集容器の番号が付けられた試料収集容器ラック用オーバーレイが当業者に知られている。しかしながら、既知の試料収集容器ラック用オーバーレイには、様々な問題点がある。例えば、いくつかのラック用オーバーレイは、突出側部を有していない。さらに、既知のラック用オーバーレイは、厚い寸法の鋼から作られるので、オーバーレイはより重くなり、また、ガラス製の試験管の破損を生じさせ易い。試料収集容器ラックにオーバーレイを載せたとき、突出側部が無いので、オーバーレイがずれ易い。このことは、実験室のセッティングにおいて一般的に行われるように、試料収集容器ラックをある領域から別の領域に移動させるとき、潜在的な問題点となる。さらに、既知のラック用オーバーレイは、突出側部等の固定部をもっていないため、ラック用オーバーレイが変位すると、試料収集容器に接触し、そのとき、破損を引き起こすのに充分な力が理論的に生じる。加えて、特にある種の実験室のセッティングの際、手袋を装着しているとき、突出側部が無いと、ラック用オーバーレイを取外すためにそれを掴むことが困難である。
【0004】
試料収集容器ラック用オーバーレイの安定性不足によりそれが潜在的に変位すること、及び、試料収集容器ラック用オーバーレイを取外せることが必要であることにより、ユーザは、試料を容易に識別できる利点をもち、既知の試料収集容器ラック用オーバーレイに関連した不都合をもたず、オーバーレイを容易に取り外せる利点をもつように改良された試料収集容器ラック用オーバーレイを要望している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、試料収集容器のラックに載せられ且つ試料収集容器を識別するために改良された装置に関する。より詳しくは、本発明は、自動液体取扱い装置と共に使用される試料収集容器ラックに収容された試料収集容器の識別に関し、試料収集容器ラック用オーバーレイは、開口及びこの開口を識別する識別マークを備えた天板を有する。試料収集容器ラック用オーバーレイは、少なくとも1つの突出側部を有し、この突出側部により、オーバーレイを試料収集容器ラックに整列させ、且つ/又は、オーバーレイを試料収集容器ラックに固着させる。少なくとも1つの突出側部の縁部の少なくとも一部分は、オーバーレイを掴んでラックから取外すことを容易にするぎざぎざ部又は刻み目が設けられるのがよい。
【0006】
本発明による試料収集容器ラック用オーバーレイは、自動液体取扱い装置と共に使用されるとは限られないけれども、本発明の1つの観点においては、試料収集容器ラック用オーバーレイは、システムソフトウェアの試料追跡能力により、識別マークを試料収集容器ラック用オーバーレイの上の実際のベッド上の試料収集識別マーク箇所に一致させることによって、ユーザが、自動液体取扱い装置のベッド上の試料収集容器ラックにある特定の試料又は収集された断片を迅速かつ容易に探し出すことを可能にする。この能力は、対象とする断片を見つける過程を著しく速くし、エンドユーザの時間及びコストを節約し、ユーザによる間違いの可能性を減少させる。
【0007】
本発明の個々の実施形態は、従来技術を克服する貴重な利点及び利益を提供する。例えば、少なくとも1つの突出側部を備える試料収集容器ラック用オーバーレイを用いることにより、試料収集容器ラックに試料収集容器が存在しないとき、試料収集容器ラック用オーバーレイが滑り落ちることを防止する。本発明の実施形態によれば、試料収集容器ラックを積重ねて保管することができ、試料収集容器ラック用オーバーレイを取外さなくてもそれが滑る危険性はない。また、更なる実施形態では、試料収集容器ラック用オーバーレイを試料収集容器ラックから容易に取外すことができる。これらの及びその他の利点については、本発明の例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0008】
以下、本発明の例示的な好ましい実施形態について、添付図面を参照しつつ説明することとし、図面において、対応する要素には同一の符号を付している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
添付図面を参照すると、図1は、例示的な試料収集容器ラック用オーバーレイ101を示した斜視図である。特に、図1に示した例示的な実施形態においては、試料収集容器ラック用のオーバーレイ又は上載せ体は、頂部、即ち、天板102と、開口104と、識別マーク106と、突出側部108とを有している。突出側部108は、天板の縁部103に結合されている。図1に示す突出側部108は、天板102に対して垂直になっているけれども、当業者が理解するように、この垂直の配置は必ずしも必要ではない。突出側部108は、平行でない、即ち、実質的に平行でない任意の仕方で、試料収集容器ラック用オーバーレイの天板に結合されてもよい。非限定的な例示として、突出側部108は、天板の縁部103に対して60゜の角度をなして結合される。一般に、本願において、平行でない、即ち、実質的に平行でないとは、突出側部108を天板とは異なる平面内で縁部103に結合させる仕方をいう。いくつかの実施形態において、この結合は、突出側部108が試料収集容器ラック用オーバーレイを安定化させる任意の角度であるのがよい。
【0010】
本発明において、試料収集容器ラック用オーバーレイは一般に、溶媒に対する抵抗力がある金属やプラスチックを含む任意適当な材料で作られる。いくつかの実施形態においては、試料収集容器ラック用オーバーレイは、試料収集容器ラックに対してぴったり嵌るように、可撓性の材料で作られる。いくつかの実施形態においては、試料収集容器ラック用オーバーレイは、テフロン(登録商標)などのプラスチックで作られる。テフロン(登録商標)の利点は、高い溶媒抵抗力を有することである。いくつかの実施形態においては、試料収集容器ラック用オーバーレイは、アルミニウムやステンレス鋼などの材料から作られる。アルミニウムは、軽量であるため、また、プレスで容易に曲げられるため、有利である。
【0011】
ある試料収集容器ラックのために構成された試料収集容器ラック用オーバーレイの天板102は、通常、試料収集容器ラックの頂部の形状に似ている。図1に示す実施形態は、矩形の天板102を有している。いくつかの実施形態においては、試料収集容器ラック用オーバーレイの矩形の天板は、既知の試料収集容器ラックの寸法に一致するけれども、当業者が理解するように、試料収集容器ラック用オーバーレイの天板は、本発明に従って、試料収集容器ラックに適切に一致する任意の形状に構成されてもよい。従って、非限定的な例示として、試料収集容器ラック用オーバーレイは、三角形や正方形や円形などであってもよい。
【0012】
試料収集容器ラック用オーバーレイの天板は、一般に、試料収集容器を受入れるように構成された多数の開口を有している。本願において、試料収集容器は、あらゆるタイプの管、バイアル瓶、又は興味がある科学的な試料を保持できるプレートを含む。図1の実施形態を再び参照すると、試料収集容器ラック用オーバーレイ101の開口104は、円形の開口として構成されている。図2a〜図2cの実施形態に示すように、これらの円形の開口は、様々な異なる寸法であってもよい。当業者は理解するだろうが、円形の開口の直径寸法は、本発明の実施形態と共に使用すべき任意の既知の寸法の試料収集容器を収容するように変更されてもよい。非限定的な例示として、円形の開口は、標準的な試料収集容器を受入れるように構成され、それらの容器は、0.5ミリリットル、1.5ミリリットル、及び2.0ミリリットルのマイクロ遠心チューブ、10ミリリットル、25ミリリットル、及び50ミリリットルの遠心チューブ、及び13mm、20mm、30mmの試験管を含む。いくつかの実施形態では、試料収集容器ラック用オーバーレイは、培養皿に適合した円形の開口を含む。図示の実施形態では、試料収集容器を受入れるように構成された開口は、円形の開口であるけれども、当業者が理解するように、試料収集容器ラック用オーバーレイに設けられる開口は、試料収集容器を受入れるように適合した任意の形状である。例えば、非限定的な変形形状は、三角形、正方形、又は矩形の開口を含む。
【0013】
図2a〜図2cは、円形の開口として示す開口の数が互いに異なる実施形態を追加的に示す。一般的に、試料収集容器の寸法と、試料収集容器ラック用オーバーレイが載せられる試料収集容器ラックの寸法とによって、個々の試料収集容器ラック用オーバーレイに設けられる開口の数は決定される。さらに、図2a〜図2cの実施形態に示すように、開口104を設ける間隔136は変化する。開口104の間隔136は、例えば、整列された配置126とオフセットされた配置128の双方を含む。当業者は理解するだろうが、本発明においては、単一の試料収集容器ラック用オーバーレイに設ける開口は、すべてが同一の形状又は寸法である必要はない。
【0014】
一般に、試料収集容器ラック用オーバーレイの開口は、識別マークによって識別される。図1に示す実施形態において、識別マーク106として十進数を用いたけれども、当業者が理解するように、文字、ローマ数字、2進数などを含む任意の種類の識別マークを使用することができる。さらに、識別マークにより特定の開口を区別することができる限り、識別マークは、試料収集容器ラック用オーバーレイの天板上の任意の位置に配置することができる。図3aの実施形態に示すように、識別マークは、試料収集容器ラック用オーバーレイの天板上に、蛇行パターンで配置されている。蛇行パターンは、図3aに示した蛇行パターンのように、試料収集容器ラック用オーバーレイの天板102の左後方166から開始してもよいし、変形例として、蛇行パターンは、試料収集容器ラック用オーバーレイの天板上にある別の開口から開始してもよい。当業者が理解するように、また、図3bの実施形態に例示するように、識別マークのパターンは、非蛇行パターンであってもよい。いくつかの実施形態では、識別マークのパターンは、蛇行又は非蛇行であり、番号が開始する位置は、試料収集容器ラック用オーバーレイにおける左前方であるか、または、試料収集容器ラック用オーバーレイのその他の位置である。当業者は理解するだろうが、試料収集容器ラック用オーバーレイに番号を付するやり方は、限定はしないが、一続きの多数番号をオーバーレイ内に付すことも含む。
【0015】
試料収集容器ラック用オーバーレイの天板上に設けられる識別マークは、当業者に知られた任意の方法を用いて、試料収集容器ラック用オーバーレイの天板に埋め込まれ又は印刷される。いくつかの実施形態における適切な方法は、物理的及び化学的なエッチングを含む。例えば、空気乾燥タイプのエポキシインクは、溶媒に対する抵抗力を備えており、従って、実験室の環境において良好に機能する。
【0016】
いくつかの実施形態においては、寿命と読み易さを確保するため、識別マークは、逆相及び順相の溶媒に適合し、かかる溶媒は、アセトニトリル、メタノール、ヘキサン、アセトン、イソプロピルアルコール、テトラヒドフラン、ジクロロメタン、及び0.1%のトリフルオロ酢酸を含む。
【0017】
驚いたことに、また、予想外なことに、試料収集容器ラック用オーバーレイの天板に突出側部を追加することは、多くの利益を提供し、それらのうち最も重要な利益は安定性が高まることである。一般的に、突出側部の構造よりもむしろ、突出側部が存在していることが利益につながる。図4a、図4b、図4c及び図4dに示すように、多数の構成による突出側部が、試料収集容器ラック用オーバーレイと共に使用するのに適している。特に、図1及び図4a〜図4dの実施形態に示すような矩形の突出側部110を試料収集容器ラック用オーバーレイと共に使用しているけれども、突出側部の形態は、矩形の突出側部を包囲するだけの形態に限定されない。その他の例示的な突出側部の形態は、図4b、図4c、及び図4dに示す形態を含み、それぞれ、曲線形状112、開いた棒状114、及び網状116になっている。1つ以上の突出側部を有する試料収集容器ラック用オーバーレイにおいては、当業者が理解するように、それぞれの突出側部が独特の形態を有していてもよい。
【0018】
また、当業者は理解するだろうが、試料収集容器ラック用オーバーレイの突出側部は、必ずしも天板の全長にわたって設けられることを必要とせず、本発明の利益である高い安定性を満足するのに充分な長さ又はスパンにわたって設けられればよい。図5に示す例示的な実施形態においては、突出側部118は、天板102の長さの半分だけのスパン又は長さを有している。1つの突出側部における少なくとも一部分に刻み目又はギザギザ部を設けることによって、ユーザは、ラック用オーバーレイをラック上に配置したり、ラックから取外したりする際にラック用オーバーレイを容易に把持する箇所を得る。代表的な実験室の環境において見られるように、ユーザが手袋を装着している場合、ぎざぎざ部分を把持することで、特にラック用オーバーレイを取外すことが容易になる。
【0019】
さらに、突出側部の長さを変化させることに加えて、突出側部の深さ又は突出長さを変化させることも考えられる。例えば、本発明による実施形態は、高い安定性を提供し続ける限り、あらゆる幅をもった突出側部を包含する。
【0020】
試料収集容器ラック用オーバーレイの少なくとも1つの突出側部は、試料収集容器を保持するのに使用されるラックにオーバーレイを取付けたとき、安定性を追加する。試料収集容器ラック用オーバーレイは、多くのタイプの試料収集容器ラックと共に使用されるけれども、本発明の1つの実施形態では、自動液体取扱い装置と共に使用されるように設計された試料収集容器ラックと共に使用される。試料収集容器ラック用オーバーレイは、その優れた安定性のため、自動液体取扱い装置と共に使用されるのに特に適している。
【0021】
自動液体取扱い装置は、選択された分量の液体試薬、溶媒又は試料を自動的に小出しし、時間節約能力があるため、様々な実験室の手順に使用されている。自動液体取扱いシステムと共に使用されるのに適した試料収集容器ラックは、自動液体取扱い装置と一緒に販売されているか、自動液体取扱い装置と共に使用すべく個別に販売されているかのいずれかである。多くの場合、自動液体取扱い装置と共に使用される試料収集容器ラックは、自動液体取扱い装置の動きと、その他の装置まで移動させられる動きの両方を受ける。従って、これらの動き間、試料収集容器ラックの上に安定的に維持される試料収集容器ラック用オーバーレイが最も重要である。本発明による実施形態により、この追加の安定性を得る。
【0022】
また、試料収集容器ラック用オーバーレイのある実施形態により、試料収集容器ラック用オーバーレイに設けた識別マークと、自動液体取扱い装置と共に使用されるソフトウェアに事前に符号化された番号付きの位置とを対応させる利点が得られる。従って、本発明の追加的な利点には、既知の自動液体取扱い装置用のソフトウェアを補完するために、識別マークを適合させる能力を含む。
【0023】
図6は、自動液体取扱い装置と共に使用するように構成された試料収集容器ラックと共に使用される試料収集容器ラック用オーバーレイの実施形態を示す。一般的に、図6に示す試料収集容器ラックの場合、試料収集容器ラック用オーバーレイ101は、それと同じ寸法及び数の開口104を有する試料収集容器ラック130の天板の上にぴったり嵌る。しかしながら、いくつかの実施形態では、試料収集容器ラック用オーバーレイが、それと異なる数及び/又は寸法の開口を有する試料収集容器ラックと共に使用されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、試料収集容器ラック用オーバーレイの突出側部は、試料収集容器ラックに固定される固定具を備えている。試料収集容器ラック用オーバーレイに設けられる固定具は、試料収集容器ラックに対して相補的である任意の固定具であり、限定するわけではないが、固定具は、フック、クランプ、スナップ、ナットとボルト、及びネジを含む。いくつかの実施形態において、試料収集容器ラックが金属で作られているとき、試料収集容器ラック用オーバーレイは、それをしっかりと固定するために、少なくとも1つの突出側部の内側に取付けられた磁石を有する。
【0025】
試料収集容器ラック用オーバーレイの少なくとも1つの突出側部108は、特に試料収集容器ラックに試料収集容器が入っていないとき、試料収集容器ラック用オーバーレイが収集容器ラックから容易に滑り落ちることを防止する。また、少なくとも1つの突出側部108は、試料収集容器ラックの保管中及び積重ね中、試料収集容器ラック用オーバーレイが試料収集容器ラックにぴったりと嵌った状態を保つ。ぴったり嵌ることにより、試料収集容器ラック用オーバーレイが滑って試料収集容器に係合することを防止する。このことは、試料収集容器がガラスで作られ、又は、その他の壊れ易いものである場合に特に有利である。図6に示す試料収集容器ラックの寸法は、特定の寸法であるけれども、本発明による試料収集容器ラック用オーバーレイが多くの異なるタイプの試料収集容器ラックに適合することを、当業者は理解すべきである。
【0026】
本発明の実施形態は、異なる寸法の試料収集容器ラックに適合するだけでなく、異なる材料の試料収集容器ラック及び異なる構成の突出側部にも適合する。例えば、試料収集容器ラックが、試料収集容器ラックを動かす助けになるハンドルとして機能する2つの長い側部を備えているとき、試料収集容器ラック用オーバーレイは、ハンドルとして使用しない試料収集容器ラックの側部に対応する2つの突出側部を有する。別の例は、試料収集容器ラックが突出側部を有していない場合を含む。この場合には、試料収集容器ラック用オーバーレイは、2つ又は4つの突出側部を有することが有利である。
【0027】
ある実施形態では、試料収集容器ラック用オーバーレイを試料収集容器ラックに容易に取付けたり取外したりすることができるハンドルが、試料収集容器ラック用オーバーレイに取付けられる。さらに別の実施形態では、突出側部の一部分が、ラック用オーバーレイを迅速かつ容易にラックに取付けたりそれから取外したりするための刻み目又はぎざぎざ部分を有している。試料収集容器ラック用オーバーレイを容易に取外したり取付けたりできる利点を得るために、いくつかの実施形態においては、指用の窪みを有する。
【0028】
当業者は理解するだろうが、本発明による装置は、多数の追加的な利益と利点とをもたらす。さらに、本願において図示して説明した例示的な装置は、例示的な実施形態であって、多くの均等物や変形例による実施形態が本発明の範囲に含まれることを当業者は認識するだろう。従って、本願における説明は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0029】
好ましい実施形態について図示して説明したけれども、当業者ならば、特許請求の範囲において広い概念にて定められた本発明から逸脱せずに、それらに対して変更や応用を施すことができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】4つの突出側部と、円形の開口及び十進数の番号を付した天板とを有する例示の実施形態による試料収集容器ラック用オーバーレイを示す斜視図である。
【図2a】異なる寸法の円形開口を示す実施形態の斜視図である。
【図2b】異なる寸法の円形開口を示す実施形態の斜視図である。
【図2c】異なる寸法の円形開口を示す実施形態の斜視図である。
【図3a】天板の左後方から開始する十進数の番号を蛇行的に付した試料収集容器ラック用オーバーレイを示す概略図である。
【図3b】天板の左後方から開始する十進数の番号を非蛇行的に付した試料収集容器ラック用オーバーレイを示す概略図である。
【図4a】ラック用オーバーレイの突出側部の異なる形状を示す斜視図である。
【図4b】ラック用オーバーレイの突出側部の異なる形状を示す斜視図である。
【図4c】ラック用オーバーレイの突出側部の異なる形状を示す斜視図である。
【図4d】ラック用オーバーレイの突出側部の異なる形状を示す斜視図である。
【図5】試料収集容器ラック用オーバーレイの天板の長さのおよそ半分の長さを有する少なくとも1つの突出側部を示す斜視図である。
【図6】試料収集容器のラックの上に載置された例示の試料収集容器ラック用オーバーレイを示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料収集容器ラックの試料収集容器を識別するための装置であって、
試料収集容器を受入れるように構成された少なくとも1つの開口と、少なくとも1つの縁部と、を有する天板と、
前記天板上に配置され、前記開口を識別するための少なくとも1つの識別マークと、
前記天板に対して実質的に平行でない前記少なくとも1つの縁部に連結された少なくとも1つの突出側部と、を有し、
前記天板と前記少なくとも1つの突出側部とは、試料収集容器ラックにかぶさるように構成される装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの識別マークは、少なくとも1つの数字を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの数字は、1組の数字を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1組の数字は、蛇行パターンに配列された数字を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記蛇行パターンに従って配列された数字はひと続きである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記1組の数字は、非蛇行パターンに配列された数字を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
非蛇行のパターンに配列された数字はひと続きである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの識別マークは、アセトニトリル、メタノール、ヘキサン、アセトン、イソプロピルアルコール、テトラヒドフラン、ジクロロメタン、及び0.1%のトリフルオロ酢酸に対する抵抗性を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの識別マークは、エポキシインクで作られる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの開口は、円形の開口である請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記円形の開口は、マイクロ遠心チューブを受入れるように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの開口は、同一の形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
天板に結合された2つの突出側部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
天板に結合された4つの突出側部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
試料収集容器ラックの試料収集容器を識別するための装置であって、
試料収集容器ラックと、試料収集容器ラック用オーバーレイと、を有し、この試料収集容器ラック用オーバーレイは、
試料収集容器を受入れるように構成された少なくとも1つの開口と、少なくとも1つの縁部と、を有する天板と、
前記天板上に配置され、前記開口を識別するための少なくとも1つの識別マークと、
前記天板に対して実質的に平行でない前記少なくとも1つの縁部に連結された少なくとも1つの突出側部と、を有し、
前記天板と前記少なくとも1つの突出側部とは、試料収集容器ラックにかぶさるように構成される装置。
【請求項16】
前記試料収集容器ラックは、自動液体取扱い装置と共に使用されるように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
試料収集容器のラックにおいて試料収集容器を識別するための装置であって、
ベッドを有する自動液体取扱い装置と、前記自動液体取扱い装置のベッドの上に着座する試料収集容器ラックと、試料収集容器ラック用オーバーレイと、を有し、この試料収集容器ラック用のオーバーレイは、
試料収集容器を受入れるように構成された少なくとも1つの開口と、少なくとも1つの縁部と、を有する天板と、
前記天板上に配置され、前記開口を識別するための少なくとも1つの識別マークと、
前記天板に対して実質的に平行でない前記少なくとも1つの縁部に連結された少なくとも1つの突出側部と、を有し、
前記天板と前記少なくとも1つの突出側部とは、試料収集容器ラックにかぶさるように構成される装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−502922(P2008−502922A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527718(P2007−527718)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/020264
【国際公開番号】WO2005/123259
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(502292101)ギルソン インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】