説明

試料調製容器及び方法

試料を調製しかつ分析するシステム及び方法。システムは、試料調製システムと、試料調製システムに連結される試料検出システムとを含むことができる。試料調製システムは、ソースと希釈剤とを含む液体組成物を収容するように適合されたリザーバを含む変形可能な自己支持形レセプタクルを含むことができる。試料検出システムはリザーバと液体連通して設置されることができ、かつ、目的とする検体用の液体組成物の試料を分析するように適合されることができる。このシステムは、リザーバ及び試料検出システムによって少なくとも部分的に画定される流体通路を更に含むことができる。本方法は、流体通路の中の液体組成物の試料を試料検出システムへと移動させるために、変形可能な自己支持形レセプタクルに圧力を印加する工程と、目的とする検体用の試料を試料検出システムで分析する工程と、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な用途において、食物源及び非食物源は、目的とする微生物(例えば、バクテリア、ウイルス、菌類、胞子等)及び/又はその他の検体(例えば、毒素、アレルゲン、ホルモン等)に関して検査される必要がある場合がある。例えば、一般住民によって栽培、購入、消費される食物は、それらが位置する場所で、環境の機能として繁茂又は成長することができる微生物、若しくはその他の検体を含む、あるいはそれらに感染する場合がある。この成長は、食品の腐敗又は病原体の増殖を加速する原因となる場合があり、それらは毒素生成するかも知れず又は感染用量まで増殖する場合がある。更なる例として、試料が特定の検体を含有していないかどうかを判定するために、非食物源の試料(例えば、地下水、尿等)に様々な分析手法を実施することが可能である。例えば、地下水に対して微生物又は化学的毒素に関する検査を行うことができ、尿に対して診断を可能とする(例えば、糖尿病、妊娠等)様々な診断上の指示薬に関する検査を行うことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示は、試料調製及び分析システム、並びに方法に関し、特に、試料調製及び分析システム、並びに検体検査方法に関し、試料調製及び分析システムは、試料調製システムと、試料調製システムに連結されて、試料調製システムと試料検出システムとの間の流体通路に沿って試料を移動させて試料を検査することができる試料検出システムと、を含む。例えば、試料調製及び分析システムから試料を取り出さずに、又は、試料が試料調製システムと試料検出システムの間を移動するときに、試料を環境に露出せずに、試料を、試料調製システムから試料検出システムへと移動させることができる。
【0003】
本開示のいくつかの実施形態は、目的とする検体用に試料を調製し、かつ試料を分析するシステムを提供する。システムは、試料調製システムと試料検出システムとを含むことができる。試料調製システムは、リザーバを含む変形可能な自己支持形レセプタクルを含むことができる。リザーバは、ソースと希釈剤とを含む液体組成物を収容するように適合され得る。試料検出システムは、試料調製システムに連結され、かつ、変形可能な自己支持形レセプタクルのリザーバと液体連通して設置されることができる。試料検出システムは、目的とする検体用の液体組成物の試料を分析するように適合され得る。システムは、リザーバ及び試料検出システムによって少なくとも部分的に画定される流体通路を更に含むことができる。
【0004】
本開示のいくつかの実施形態は、目的とする検体用に試料を調製し、かつ試料を分析するシステムを提供する。システムは、試料調製システムと試料検出システムとを含むことができる。試料調製システムは、第1のリザーバを含む自立型容器と、自立型容器の第1のリザーバの中に受容されるように寸法付けられ、かつ第2のリザーバを含む変形可能な自己支持形レセプタクルと、自立型容器及び変形可能な自己支持形レセプタクルのうちの少なくとも一方に連結されるように適合される蓋と、を含み、自立型容器は変形可能な自己支持形レセプタクルよりも剛性であり、第2のリザーバはソースと希釈剤とを含む液体組成物を収容するように適合される。試料検出システムは、試料調製システムに連結され、かつ変形可能な自己支持形レセプタクルの第2のリザーバと液体連通して設置されることができる。試料検出システムは、目的とする検体用の液体組成物の試料を分析するように適合され得る。本システムは、第2のリザーバ及び試料検出システムによって少なくとも部分的に画定される流体通路を更に含むことができる。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態は、目的とする検体用に試料を調製し、かつ試料を分析する方法を提供する。本方法は、ソースと希釈剤とを含む液体組成物を提供する工程と、リザーバを含む変形可能な自己支持形レセプタクルを含む試料調製システムを提供する工程と、試料調製システムに連結され、かつリザーバと液体連通する試料検出システムを提供する工程と、を含むことができる。本方法は、リザーバ及び試料検出システムによって少なくとも部分的に画定される流体通路を提供する工程と、液体組成物をリザーバの中に配置する工程と、を更に含むことができる。本方法は、流体通路の中の液体組成物の試料を試料検出システムへの移動させるために、変形可能な自己支持形レセプタクルに圧力を印加する工程と、目的とする検体用の試料を試料検出システムで分析する工程と、を更に含むことができる。
【0006】
本発明のその他の特徴及び態様は、発明を実施する形態及び添付図面を熟考することによって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本開示の一実施形態による試料調製及び分析方法を描写する概略フローチャート。
【図2】本開示の一実施形態による、蓋を含む試料調製システムの分解斜視図。
【図3】図2の線3−3に沿った図2の蓋の拡大断面図。
【図4】本開示の別の実施形態による試料調製システムの透視図。
【図5】本開示の別の実施形態による試料調製システムの蓋の底面図。
【図6】図5の線6−6に沿った図5の蓋の断面図。
【図7】本開示の別の実施形態による試料調製システムの透視図。
【図8】本開示の別の実施形態による試料調製システムの透視図。
【図9】本開示の別の実施形態による試料調製システムの分解組立て側面図であり、試料調製システムはフィルタと、蓋とカバーとを含む蓋アセンブリと、を含んでいる。
【図10】フィルタが圧縮状態にある、図9の蓋アセンブリ及びフィルタの透視図。
【図11】フィルタが非圧縮状態にある、図9及び図10の蓋アセンブリ及びフィルタの透視図。
【図12】図9〜図11のカバーの上面斜視図。
【図13】本開示の別の実施形態による試料調製システムの蓋アセンブリの側面図。
【図14】本開示の一実施形態による試料調製及び分析システムの透視図。
【図15】本開示の別の実施形態による試料調製及び分析システムの透視図。
【図16A】本開示の一実施形態による試料デリバリーシステムの断面概略図。
【図16B】本開示の一実施形態による試料デリバリーシステムの断面概略図。
【図16C】本開示の一実施形態による試料デリバリーシステムの断面概略図。
【図17A】本開示の別の実施形態による試料デリバリーシステムの断面概略図。
【図17B】本開示の別の実施形態による試料デリバリーシステムの断面概略図。
【図17C】本開示の別の実施形態による試料デリバリーシステムの断面概略図。
【図18A】本開示の別の実施形態による試料デリバリーシステムの断面概略図。
【図18B】本開示の別の実施形態による試料デリバリーシステムの断面概略図。
【図18C】本開示の別の実施形態による試料デリバリーシステムの断面概略図。
【図19A】本開示の別の実施形態による試料調製及び分析システムの断面概略図。
【図19B】本開示の別の実施形態による試料調製及び分析システムの断面概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のいずれの実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、以下の記述で説明される、又は添付の図面に図示される構成の詳細及び構成要素の配置の用途に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、かつ様々な方法で実践又は実行することができる。又、本明細書で使用される専門語及び専門用語は、説明目的のためであり、制限と見なされるべきではないことが理解されるべきである。本明細書で使用される「含める」、「含む」、「含有する」、又は「有する」、及びそれらの変化形は、その後に記載されるもの、その同等物、並びに追加物を包含することを意味する。別の方法で指定又は制限されない限り、用語「支持される」、及び「連結される」、並びにその変化形は、幅広く使用され、直接的及び間接的支持並びに連結の両方を包含する。その他の実施形態を利用することができ、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的又は論理的な変更を行うことができることが理解されるべきである。更に、「前側」、「背側」、「上部」、「下部」、等のような用語は、要素の互いの関係を記載するためにのみ使用され、装置の特定の配向を述べる、若しくは装置に必要である又は要求される配向を指示すること又は暗示すること、あるいは本明細書に記載される本発明が、使用中にどのように使用される、搭載される、表示される、又は設置されるかを特定すること、を決して意味しない。
【0009】
本開示は通常、試料調製システムから試料検出システムまでの流体通路に沿って試料を通過させることにより、試料を調製しかつ分析することができる、試料調製及び分析システム、並びに方法を目的とする。いくつかの実施形態では、これは、試料を環境に露出することなく、試料調製システムから試料検出システムまで試料を通過させることを含む。例えば、目的とする検体を同定する又は定量化するために試料を分析することができる。試料調製及び分析システムは、通常、試料を調製する試料調製システムと、試料を検査する試料検出システムとを含み、試料検出システムは試料調製システムに連結され、かつ流体連通する。
【0010】
用語「ソース」は、一般に、検体を試験することが必要とされる食物又は非食物を指すために使用される。ソースは、固体、液体、半固体、ゼラチン状物質、及びそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、ソースは、例えば、目的とする表面からソースを収集するために使用した基材によって提供されることができる。いくつかの実施形態では、液体組成物は、ソース及び目的とする任意の検体の回収を促進するために(例えば、撹拌又は溶解プロセスの間に)更に破砕することができる基材を含むことができる。目的とする表面は、壁(ドアを含む)、床、天井、排水管、冷房システム、ダクト、(例えば、エアダクト)、通気口、便座、取っ手、ドアノブ、手すり、ベッドの横板(例えば、病院)、調理台、テーブルの表面、食事面(例えば、トレイ、食器等)、作業面、装置面、衣類等、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない様々な表面の少なくとも一部分を含むことができる。ソースの全て又は一部分は、試料調製システム及び方法で使用することができる。ソースの一部分が使用される場合、これは、ソースの「試料」と称される場合があってもよい。しかしながら、用語「試料」は、一般に、更なる分析(例えば、検体の検出)のために試料調製システムから抽出される物質の容積又は質量を指すために本明細書で使用される。
【0011】
用語「食物」は、通常、固体、液体(例えば、溶液、分散液、乳濁液、懸濁液等、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない)及び/又は半固体の食品組成物を指すのに使用される。食物の例には、肉、鶏肉、卵、魚、魚介類、野菜、果物、加工食品(例えば、スープ、ソース、ペースト)、グレイン製品(例えば、小麦粉、穀物、パン)、缶詰、牛乳、その他の乳製品(例えば、チーズ、ヨーグルト、サワークリーム)、油脂、油、デザート、香辛料、薬味、パスタ、飲料、水、動物飼料、その他の好適な食材、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0012】
用語「非食物」は、通常、「食物」の定義に含まれず、通常は食品であると考慮されない目的とするソースを指すために使用される。非食物ソースの例には、臨床試料、細胞可溶化物、全血又は血の一部分(例えば、血清)、その他の体液又は分泌物(例えば、唾液、汗、皮脂、尿)、糞便、細胞、組織、臓器、生検、植物系資材、木、土、沈降物、薬物、化粧品、栄養補助食品(例えば、朝鮮人参カプセル)、調合薬、媒介物、その他の好適な非食材、及びそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0013】
用語「媒介物」は、通常、感染性微生物を運搬することが可能な及び/又はそれらを移動させることが可能な無生物又は基材を指すのに使用される。媒介物には、布、モップヘッド、タオル、スポンジ、拭き取り用品、食器、硬貨、紙幣、携帯電話、衣類(靴を含む)、ドアノブ、女性用製品、おむつ等、それらの部分、及びそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0014】
用語「検体」は、一般に、検出される物質(例えば、ラボ試験又は屋外試験によって)を指すために使用される。特定の検体の有無、又は特定の検体の定量化に関してソースを検査することができる。該検体は、ソースの中(例えば、内部)、又はソースの外部(例えば、外側表面上)に存在することができる。検体の例には、微生物、寄生生物(その一部もまた微生物である)、生体分子、化学物質(例えば、殺菌剤、抗生物質)、金属イオン(例えば、水銀イオン、重金属イオン)、金属イオンを含む錯体(例えば、金属イオン及び有機配位子を含む錯体)、及びそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0015】
検体を同定及び/又は定量化するために、微生物学的アッセイ、生化学的アッセイ(例えば、イムノアッセイ)、又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、様々な試験方法を用いることができる。用いることができる試験方法の特定の例には、側方流動アッセイ、滴定、熱分析、顕微鏡法、(例えば、光学顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、免疫蛍光顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(SEM)、透過電子顕微鏡法(TEM))、分光法(例えば、質量分析、核磁気共鳴(NMR)分光法、ラマン分光法、赤外線(IR)分光法、X線分光法、減衰全反射分光法、フーリエ変換分光法、ガンマ線分光法等)、分光測光法(例えば、吸光度、蛍光、発光等)クロマトグラフィー(例えば、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和力クロマトグラフィー等)、電気化学分析、遺伝子工学技術(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、転写媒介増殖(TMA)、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)、DNA又はRNA分子認識アッセイ等)、アデノシン三リン酸(ATP)検出アッセイ、免疫アッセイ、(例えば、酵素免疫測定アッセイ(ELISA))、細胞毒性アッセイ、ウイルスプラークアッセイ、細胞変性効果を評価する技術、成長培地(例えば、寒天)及び/又は3M(商標)ペトリフィルム(Petrifilm)(商標)プレート(3M社、ミネソタ州セントポール(St. Paul, MN))を使用して行うことができるもののような培養技術、その他の好適な検体試験方法、又はその組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0016】
用語「微生物」は、通常、バクテリア(例えば、運動性又は植物性、グラム陽性又はグラム陰性)、ウイルス(例えば、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、DNAウイルス、RNAウイルス、エンベロープを持った、エンベロープを持っていない、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト・パピローマウイルス(HPV)等)、細菌胞子又は内生胞子、藻類、菌類(例えば、酵母、糸状菌、真菌胞子)、プリオン、マイコプラズマ、及び原生動物の中の1つ以上を非限定的に含む、任意の原核又は真核微生物を指すのに使用される。場合によっては、特に関心のある微生物は病原性のものであり、用語「病原体」は、本明細書において任意の病原微生物を指すために使用される。病原体の例には、腸内細菌科属、若しくはミクロコッカス属、又はブドウ球菌種、連鎖球菌種、シュードモナス種、腸球菌種、サルモネラ菌種、レジオネラ菌種、赤痢菌種、エルシニア種、エンテロバクター種、エシェリキア菌種、バチルス種、リステリア菌種、カンピロバクター菌種、アシネトバクター種、ビブリオ種、クロストリジウム種、及びコリネバクテリア種の属を挙げることができるが、それらに限定されない。病原体の特定の例には、腸管出血性大腸菌を含むエシェリキア・コライ、例えば、血清型O157:H7、緑膿菌、セレウス菌、炭疽菌、腸炎菌、ネズミチフス菌、リステリア・モノサイトゲネス、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、カンピロバクター・ジェジュニ、腸炎エルシニア、ビブリオ・バルニフィカス、クロストリジウム・ディフィシル、バンコマイシン耐性腸球菌、及びエンテロバクター・サカザキを挙げることができるが、それらに限定されない。微生物の成長に影響を与える場合のある環境因子には、栄養素の有無、pH、含水率、酸化還元電位、抗菌性化合物、温度、大気の気体化合物、及び生物学的構造又はバリアを挙げることができる。
【0017】
用語「寄生生物」は、通常、第2の生物(即ち、宿主)の中(即ち、内部寄生虫)又は上(即ち、外部寄生虫)に住み、典型的には第2の生物に害を及ぼす生物を指すために使用される。寄生生物には、微生物及び寄生虫(例えば、回虫、線虫、鉤虫、巨視的な多細胞性寄生虫、蟯虫、鞭虫等)を挙げることができるが、それらに限定されない。寄生生物の特定例には、クリプトスポリジウム種、ジアルジア種、ブラストシスチス・ホミニス、エンドリマックス・ナナ、クリプトスポリジウムパルバム、赤痢アメーバ、エントアメーバ・コリ、エントアメーバ・ハルトマンニ、ランブル鞭毛虫、キロマスチクス・メスニリ、シクロスポーラ・カエタネンシス、蠕虫(巨視的な多細胞性寄生虫)、回虫(ヒト回虫)、糞線虫(線虫)、ズビニ鉤虫(鉤虫)、アメリカ鉤虫(鉤虫)、ヒト蟯虫(蟯虫)、及びヒト鞭虫(鞭虫)を挙げることができるが、それらに限定されない。
【0018】
用語「生体分子」は、一般に、生物によって生じる、又は形成される、分子、若しくはその誘導体を指すために使用される。例えば、生体分子は、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖、多糖類、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができるが、それらに限定されない。生体分子の特定例には、代謝産物(例えば、ブドウ球菌エンテロトキシン)、アレルゲン(例えば、ピーナッツアレルゲン、卵アレルゲン、花粉、チリダニ、かび、フケ、又はそれらに固有のタンパク質等)、ホルモン、毒素(例えば、バチルス下痢原因毒素、アフラトキシン、クロストリジウム・ディフィシル毒素等)、RNA(例えば、mRNA、全RNA、tRNA等)、DNA(例えば、プラスミドDNA、植物DNA等)、標識タンパク質、抗体、抗原、ATP、及びそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0019】
用語「可溶物」及び「不溶物」は、一般に、任意の媒体において、特定の条件下で比較的可溶性又は不溶性の物質を指すために使用される。具体的には、所与の一連の条件下で、「可溶物」は溶液の状態になり、系の溶媒(例えば、希釈剤)に溶解され得る物質である。「不溶物」は、所与の一連の条件下で、溶液の状態にならず、系の溶媒に溶解しない物質である。ソースは、可溶物と不溶物(例えば、細胞残屑)とを含むことができる。不溶物は、微粒子又は残屑と称される場合があり、ソース物質自体の一部分(即ち、ソースの内側部分又は外側部分(例えば、外側表面)から)、若しくは攪拌プロセスから生じるその他のソース残基又は残屑を含むことができる。目的とする検体は、可溶物又は不溶物の中に存在し得る。
【0020】
用語「攪拌」及びその派生語は、通常、液体組成物に対する所与の運動プロセス、例えば、このような液体組成物の内容物を混合する又はブレンドする工程、又は液体とブレンドして固体ソースを液化する工程、を説明するために使用される。手動振盪、機械的振盪(例えば、直線振盪)、超音波振動、ボルテックス攪拌、手動攪拌、機械的攪拌(例えば、機械プロペラ、電磁攪拌棒、又はボールベアリング等の他の攪拌補助手段による)、手動叩解、機械的叩解、混合、混練、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、様々な攪拌方法を使用することができる。
【0021】
用語「ろ過」は、通常、サイズ、電荷及び/又は機能で物質を分離するプロセスを説明するために使用される。例えば、ろ過は、不溶物から可溶物と溶媒(例えば、希釈剤)を分離する工程を包含することができ、又はろ過は、比較的大きな不溶物から可溶物、溶媒、及び比較的小さな不溶物を分離する工程を包含することができる。フィルタに液体組成物を通過させる、沈殿後の吸引又は上澄みの移動、その他の好適なろ過法、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない、様々なろ過法を使用することができる。「沈殿」は、液体組成物中の不溶物を沈降させる工程を指すのに使用される。沈殿は、重力又は遠心分離によって生じてもよい。次に、不溶物から可溶物及び溶媒を吸引する工程により、可溶物及び溶媒を移動させる工程により、又はその組み合わせにより、可溶物(又は可溶物及び比較的小さい不溶物)及び溶媒から不溶物(又は比較的大きな不溶物)を分離することができる。
【0022】
「フィルタ」は、通常、液体組成物の中の不溶物(又は比較的大きな不溶物)から可溶物(又は可溶物及び比較的小さい不溶物)及び溶媒を分離するために使用する装置を説明するのに使用される。フィルタの例には、織成又は不織メッシュ(例えば、ワイヤーメッシュ、布のメッシュ、プラスチックのメッシュ等)、織成又は不織ポリマーウェブ(例えば、圧延機にかけることができる、均一又は不均一なプロセスでレイダウンされるポリマー繊維を含む)、表面フィルタ、デプスフィルタ、膜(例えば、セラミックス膜(例えば、ワットマン社(Whatman Inc.)(ニュージャージー州フロハムパーク(Florham Park, NJ)から商品名アノポア(ANOPORE)で入手可能なセラミックス酸化アルミニウム膜フィルタ)、ポリカーボネート膜(例えば、ワットマン社から商品名ヌクレオポア(NUCLEOPORE)で入手可能なトラックエッチングしたポリカーボネート膜フィルタ)、ポリエステル膜(例えば、トラックエッチングしたポリエステル等を含む)、ふるい、グラスウール、フリット、ろ紙、発泡体等、及びそれらの組み合わせ)を挙げることができるが、それらに限定されない。
【0023】
用語「ろ液」は、通常、液体組成物から不溶物(又は少なくとも比較的大きな不溶物)を除去した後に残る液体を説明するために使用される。ろ過には幅広い方法が挙げられるため、用語「ろ液」は、混合物中の不溶物(又は比較的大きな不溶物)を沈降させる工程から生じる上澄みを指すために使用することもできる。
【0024】
図1は、本開示の一実施形態による試料調製及び分析方法10を図示している。図1に示されるように、試料調製及び分析方法10は、ソース12を得る工程から開始することができる。希釈剤13は、ソース12の全て又は一部分と組み合わされ、及び攪拌されて、希釈剤13中に溶解した、分散した、懸濁した、及び/又は乳化したソース12を含む液体組成物14を形成することができる。このように、一般に、液体組成物14は混合物であり、溶液、乳濁液、分散液、懸濁液、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0025】
ソース12は、希釈剤13と組み合わされる際、ソース12の一部分が希釈剤13に溶解する一方、ソース12の他の部分が希釈剤13に懸濁する、分散する、又は乳化するように、可溶物及び不溶物15を含むことができる。次に、液体組成物14をろ過して、目的とする検体(存在する場合)を含むろ液16を形成する。目的とする検体は、液体組成物14の可溶物又は不溶物の中に存在し得る。目的とする検体が不溶物の中に存在する場合、及び残屑又は不要物質から目的とする検体を除去するためにフィルタを採用する場合には、フィルタは通常、目的とする検体(及びことによるとサイズが同様のその他の不溶物)をろ液16としてフィルタを通過させる一方、比較的大きな不溶物17がフィルタを通過するのを制限するように適合されている。したがって、ろ液16が多少の不溶物も含み得ること、及び、簡略化のため及び例示のみの目的で、図1では液体組成物14から不溶物17が除去されているものとして示されていることが理解されるべきである。続いて、ろ液16の少なくとも一部分から試料18を形成することができ、最初に周囲に露出していない試料18を分析して、結果19に到達することができる。例えば、結果19は、目的とする検体の有無の検出、及び/又は目的とする検体の定量化を含むことができる。増菌、濃縮、分析等のうちの1つ以上の目的で、様々な試料調製システムから得た試料18を一緒にプールすることができる。
【0026】
本開示を通して、液体組成物14、ろ液16、及びそれらから得る任意の試料18のうちの1つ以上は、目的とする検体を含んでいるとして記載されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、液体組成物14は目的とする検体を含んでいない場合があり、試料を分析する際に、否定的な試験結果をもたらす場合がある。例えば、試料を食物ソースから調製し、その後試料がバクテリア検査に供され、食物ソースがそのバクテリアを含んでいなかった場合には、その食物から形成された液体組成物14、並びにそのあらゆるろ液16及び試料18もまたその目的とするバクテリアを含んでいない。したがって、液体組成物14、ろ液16、及びそれらから得る任意の試料18のうちの1つ以上が目的とする検体を含んでいるとして記載されたとしても、これは目的とする検体が存在した場合のみの場合であることを理解すべきである。
【0027】
図1に図示されかつ上述された試料調製及び分析方法10は、例示のみの目的で図示されかつ説明されている。しかしながら、本開示の試料調製及び分析方法は、図1に示されかつ上述された全工程を含む必要はないことを、当業者は理解すべきである。例えば、本開示のいくつかの実施形態では、試料調製及び分析方法はろ過工程を含むのではなく、むしろ液体組成物14の試料を分析して結果19に達する。
【0028】
希釈剤13は、一般に液体であり、いくつかのの実施形態では、滅菌液である。いくつかの実施形態において、希釈剤13は、界面活性剤、又は後続の検体検査用ソースの分散、溶解、懸濁、又は乳化を助けるその他の好適な添加剤;レオロジー剤;(例えば、防腐剤又はその他の抗菌剤を中和する)抗菌剤中和剤;(例えば、所望の微生物の選択的成長を促進する)栄養素を含む増菌又は培養基、及び/又は(例えば、望ましくない微生物の成長を抑制する)成長抑制剤;pH緩衝剤;酵素;指示薬分子(例えばpH又は酸化/還元指示薬;胞子発芽;殺菌剤を中和する剤(例えば、クロリンのチオ硫酸ナトリウム中和);細菌の蘇生を促進するように意図された剤(例えば、ピルビン酸ナトリウム);又はその組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない様々な添加剤を含むことができる。いくつかのの実施形態では、希釈剤13は、滅菌水(例えば、滅菌2重蒸留水(ddHO))、ソースを選択的に溶解する、分散する、懸濁する、又は乳化する1つ以上の有機溶媒、水溶性有機溶媒、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかのの実施形態では、希釈剤13は、滅菌緩衝溶液(例えば、テネシー州メンフィス(Memphis TN)にあるエッジ・バイオロジカル(Edge Biological)から入手可能なバターフィールド緩衝剤(Butterfield’s Buffer))である。いくつかの実施形態では、希釈剤13は、所望の検体(例えば、バクテリア)を選択的又は半選択的に成長させるために希釈剤13を使用できるように、選択的又は半選択的栄養製剤である。このような実施形態では、所望の検体のこのような成長を促進するために、希釈剤13をソース12で、しばらくの間(例えば、特定温度で)インキューベートすることができる。
【0029】
成長培地の例には、トリプティックソイブロス(TSB:Tryptic Soy Broth)、緩衝ペプトン水(BPW:Buffered Peptone Water)、ユニバーサル予備増強ブロス(UPB:Universal Pre-enrichment Broth)、リステリアエンリッチメントブロス(LEB:Listeria Enrichment Broth)、ラクトースブロス、ボルトンブロス、又は、当業者に既知のその他の一般的な非選択的若しくはやや選択的な培地、が挙げられるが、それらに限定されない。成長培地は、1つを超える所望の微生物(即ち、目的とする検体)の成長を支援する栄養素を含むことができる。
【0030】
成長抑制剤の例には、胆汁塩、デオキシコール酸ナトリウム、亜セレン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化リチウム、テルル酸カリ、テトラチオン酸ナトリウム、スルファセタミドナトリウム、マンデル酸、セレナイト−システインテトラチオネート、サルファメタゾン、ブリリアントグリーン、マラカイトグリーンオキザラート、クリスタルバイオレット、タージトール4、サルファジアジン、アミカシン、アズトレオナム、ナリジクス酸、アクリフラビン、ポリミキシンB、ノボビオシン、アラホスファリン、有機酸又は鉱酸、バクテリオファージ、ジクロランローズベンガル、クロラムフェニコール、クロルテトラサイクリン、特定濃度の塩化ナトリウム、スクロース及びその他の溶質、並びにそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0031】
いくつかの実施形態では、液体組成物14はソース12と希釈剤13とを含むが、希釈剤13は別個に添加されなかったように、ソース12は希釈剤13を含む。例えば、相当量の水及びその他の液体を含む食物ソースを混合して、別個の希釈剤13の添加を必要とせずに、ソース12と希釈剤13とを含む液体組成物14を形成することができる。いくつかの実施形態では、液体組成物14が最少量の不溶物15を含み、ろ過工程が不要となるように、ソース12は希釈剤13に実質的に溶解してもよい。
【0032】
図14は、本開示の一実施形態による試料調製及び分析システム1005を図示している。試料調製及び分析システム1005は、試料調製システム1000と、試料検出システム1050が試料調製システム1000と液体連通するように試料調製システム1000に連結された試料検出システム1050とを含む。試料調製システム1000はソース1012から試料を調製し、試料検出システム1050はこの試料を分析するように構成される。例えば、試料検出システム1050は、目的とする検体の有無を検出するように、及び/又は目的とする検体を定量化するように適合させることができる。いくつかの実施形態では、目的とする検体は、以下により詳細に記載される試料の特徴を検出することにより、同定及び/又は定量化することができる。
【0033】
図2〜図13は、本開示による試料調製システムの様々な実施形態を図示しており、図14〜図15は、本開示による試料調製及び分析システムの様々な実施形態を図示しており(試料調製システム及び試料検出システムの様々な実施形態を含む)、図16A〜図19Bは、試料を試料調製システムから試料検出システムへと移動させるために使用することができる試料デリバリーシステムの様々な実施形態を図示している。
【0034】
図2は、本開示の一実施形態による試料調製システム100を図示する。図2に示されるように、試料調製システム100は、容器102と、ライナー104と、蓋106と、カラー108と、カバー109とを含む。いくつかのの実施形態では、蒸気、ガンマ線放射、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、ヒドロアルコール性溶液、漂白剤、及びそれらの組み合わせ等の滅菌及び消毒手順によって、試料調製システム100の構成要素の1つ以上を滅菌済み又は減菌可能にすることができる。試料調製システム100と同様の特徴部を有するシステムは、PCT国際公開特許第98/32539号、米国特許第6,536,687号及び米国特許第6,588,681号、PCT国際公開特許第2004/060574号、PCT国際公開特許第2004/060575号、米国特許公開第2004/0164182号、PCT国際公開特許第2004/094072号、PCT国際公開特許第2007/079143号、PCT国際公開特許第2007/079188号に記載されており、該特許のそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0035】
本開示のいくつかの実施形態は、複数の試料調製システム100を採用し、試料調製を迅速に行い、生産性/生産高を向上するために、複数の試料調製システム100を平行して採用できる(又は試料をプールできる)ようにする。このような実施形態では、複数の試料調製システム100は、少なくとも部分的に一体に形成されてもよく、又は個別に形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、複数のライナー104を、(例えば、ライナー104用の複数のリザーバを備えた)1つの比較的大きな容器102の中で使用することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、図2に示されるように、容器102は、自立型及び/又は自己支持形であり、底部127と側壁129とを含む。用語「自立型」は、通常、折り畳まれることなく又は変形せずに、及び別の物体に保持されずに自力で立っていることが可能な物体を指すのに使用される。用語「自己支持形」は、通常、それ自体の重さで折り畳まれない又は変形しない物体の指すのに使用される。例えば、バッグは、通常、その形状を維持せずに、むしろそれ自体の重さで折り畳まれる又は変形するという点で「自己支持形」ではない。自己支持形の物体は必ずしも自立型ではない。
【0037】
容器102は、高分子材料、金属類(例えば、アルミニウム、ステンレススチール等)、セラミックス、ガラス類、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、様々な物質から形成することができる。高分子材料の例には、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの組み合わせ等)、ポリカーボネート、アクリル樹脂類、ポリスチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、自立型及び/又は自己支持形容器を形成することができるその他の好適な高分子材料、又はそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。容器102は、分析するソースの種類、量、及びサイズに応じて、半透明(若しくは更には透明)、又は不透明であってもよく、任意の好適なサイズであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、容器102の容量は、50mL、100mL、250mL、又はより大きくてもよい。
【0038】
いくつかのの実施形態では、図2に示されるように、試料調製システム100は、容器102の中に受容できる形状にされ及び寸法付けられたライナー104を含む。ライナー104は、使い捨て(例えば、1回限り使用するように作製された)であることができ、実質的な汚染のリスクがなく、かつ使用の間で大規模な洗浄を必要とすることなく、容器102を再使用できる。より詳細に以下に記載されるように、及び図9に図示されるように、いくつかの実施形態では、試料調製システムは容器を有さないライナーを含む。容器を有さずにライナーを使用する場合は、それ自体は「ライナー」として機能せず、ライナーは通常レセプタクル又は容器と呼ばれる。
【0039】
図2に示されるように、容器102は、第1のリザーバ120を画定し、ライナー104は、第2のリザーバ122を画定する。ライナー104は、容器102の第1のリザーバ120の中に受容できるような形状にされ及び寸法付けられている。いくつかの実施形態では、ソース112及び希釈剤113を、第1のリザーバ120に添加することができる。いくつかのの実施形態では、図2に示されるように、ライナー104が採用され、ソース112及び希釈剤113が第2のリザーバ122の中に設置され、ライナー104が第1のリザーバ120の中に設置される。第1のリザーバ120に添加されたとしても、第2のリザーバ122に添加されたとしても、液体組成物114を形成するために、ソース112及び希釈剤113を組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、ライナー104は自立型であり、ライナー104又は容器102は、液体組成物114を収容することが可能な自立型レセプタクルとしての機能を果たすことができる。
【0040】
最初にソース112を容器102又ライナー104に添加し、続いて希釈剤113を添加しもよく、最初に希釈剤113を添加し、続いてソース112を添加してもよく、又はソース112及び希釈剤113を同時に添加してもよい。あるいは、ソース112及び希釈剤113を試料調製システム100に添加する前に、組み合わせてもよい。
【0041】
最初に希釈剤113を容器102又はライナー104に添加するいくつかの実施形態では、ソース112を添加する直前にカバーを取り外すことができるように取り外し可能連結されたカバー(例えば、接着剤、ヒートシーリング、超音波溶接、又は以下に記載されるその他の連結手段のいずれかによって、容器102又はライナー104に連結される1回使用の取り外し可能なバリアフィルム)を備える容器102又はライナー104の中に、予め測定した量の希釈剤113(例えば、滅菌液希釈剤)を密封することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、予め測定した量の乾燥粉末にされた培地(例えば、目的とする検体の栄養素培地、及び/又は目的としない検体の成長抑制剤)を、取り外し可能連結されたカバーを備える容器102又はライナー104の中に密封することができ、又は容器102又はライナー104の内側表面上に所望の培地をコーティングする又は吸着させることができる。このような実施形態では、カバーは取り外すことができ、ソース112が添加される前又は添加されると同時に、溶媒(例えば、ddHO)を添加し、希釈剤113を形成することができる。あるいは、ソース112が媒体を溶解することができる十分な液体を含有する場合、ソース112を乾燥粉末媒体に添加し、ソース112及び希釈剤113(例えば、ソース112に提供される溶媒に溶解した媒体)を含む液体組成物114を形成することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、容器102及び/又はライナー104(ライナー104が使用される場合)は、それぞれ、2つ以上の第1のリザーバ120及び/又は2つ以上の第2のリザーバ122を有するように区画されることができる。例えば、多段式に増菌するために、異なる微生物を平行して又は同時に増菌するために、又はその組み合わせのために、複数のリザーバ120/122を使用することができる。一例として、ライナー104は、2つの第2のリザーバ122(この例では、簡略化のためにリザーバA及びBと呼ばれる)を含むことができる。微生物の一次増菌のために、第1の増菌培地をリザーバAの中に設置することができ、同じ微生物の二次増菌のために、第2の増菌培地をリザーバBの中に設置することができる。リザーバA及びBは、例えば、培地を設置するために両方にアクセス可能であるが、ソース112を他方に添加せずに一方に添加することができるように、設置することができる。液体組成物114が形成され、かつリザーバAの中で一次増菌が起こった後、液体組成物114、又はその一部分、を二次増菌のためにリザーバBに移すことができる。試料調製システム100の撹拌、2つのリザーバA及びBの間の脆弱なバリアの破壊等を含む様々な方法で、液体組成物114をリザーバBに移動させることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、1つの容器102が1つ以上の第1のリザーバ120を含むことができ、及び/又は1つ以上のライナー104(それぞれが1つ以上の第2のリザーバ122を含む)を容器102の中に設置することができるように、1つの容器102を複数のライナー104と共に使用することができる。他の構成が可能であり、当業者は、複数区画を達成することができる他の置換を認識するであろう。どのような構成であっても、複数のリザーバ又は区画を、並べて、縦に、同軸に、又はその組み合わせで配置することができる。
【0044】
ライナー104は、ポリプロピレン(例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレン、及びポリ(メチルペンテン))、ポリアミド(例えば、ナイロン(NYLON)(登録商標))、又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されないポリオレフィンを含む様々な高分子材料を含むが、それらに限定されない様々な物質から形成することができる。いくつかのの実施形態では、ライナー104は、熱成形プロセス等の成形プロセスで形成される。ライナー104は、半透明(若しくは更には透明)、又は不透明であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、図2に図示されるように、ライナー104は、ライナー104を容器102の中に配置する前に、ライナー104が折り畳まれる又は変形することなく、ソース112及び希釈剤113をライナー104に装填できるように、自立型及び/又は自己支持形である。加えて、自立型及び/又は自己支持形ライナー104は、計量、ソース112及び/又は希釈剤113の添加、運搬、取り扱い、及び/又は試料の除去を助けることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ライナー104は、自己支持形及び/又は自立型であると同時に、変形可能でもある。用語「変形可能」は、圧力(例えば、正又は負)又は応力によって、元の形状又は状態から変更することができる構造を指すために使用される。変形可能なライナー104を採用する実施形態では、ライナー104に圧力を印加し、元の寸法(即ち、応力がない状態)からサイズを小さくすることができる。該圧力は、液体組成物114(又はそのろ液)をライナー104から取り出すことを助成するために使用することができる。このような実施形態では、ライナー104は、液体組成物114を収容することができる変形可能な自己支持形レセプタクルとしての機能を果たすことができる。いくつかの実施形態では、変形可能な自己支持形レセプタクルもまた自立型である。
【0047】
いくつかの実施形態では、図2に示されるように、容器102は、底部127に形成される開口124を含み、ユーザは、該開口を通してライナー104にアクセスし、圧力を印加し、ライナー104を変形することができる。該圧力は、手で直接印加する、又は追加機器によって印加することができ、手動プロセスであっても自動プロセスであってもよい。開口124は、所望の使用用途と一致する形状にされ及び寸法付けられてよい。いくつかの実施形態では、容器102の底部127は側壁129の底部にすぎず、又は側壁129のわずかに内側に向かう突起であり、したがって容器102の底部においてライナー104に容易にアクセスすることができる。別の言い方をすると、いくつかの実施形態では、容器102の開口124は容器102の底部の大部分(例えば、容器102の断面積の大部分)を画定し、底部127は、開口124を囲んでいる容器102の小さな部分でしかない。ライナー104を採用しない実施形態では、容器102は、開口124を含む必要がない。
【0048】
いくつかのの実施形態では、ライナー104は、ライナー104の長手軸と平行な方向に底部126に圧力が印加される際(例えば、容器102の開口124を介して)、ライナー104が長手方向(例えば、底部126というよりは、側壁128が折り畳まれる効力により)に変形するように、比較的硬質な底部126及び比較的薄く、かつ変形可能な側壁128を含む。あるいは、又は更に、底部126を側壁128よりも厚くすることができる。例としてのみで、いくつかの実施形態では、側壁128の厚さは、少なくとも50μm、いくつかの実施形態では、少なくとも100μm、いくつかの実施形態では、少なくとも150μm、及びいくつかの実施形態では、少なくとも200μmである。いくつかの実施形態では、底部126の厚さは、少なくとも225μm、いくつかの実施形態では、275μm、いくつかの実施形態では、少なくとも300μm、及びいくつかの実施形態では、少なくとも350μmである。
【0049】
ライナー104は、バッフル、プリーツ、波形、シーム、継手、ガセット、弱体化部分(例えば、環状の弱体化部分)、又はその組み合わせの1つ以上を更に含むことができ、これらは、ライナー104の変形性を制御するのを助けるために組み込んでもよく、及び/又はライナー104の内部容積を更に低減することができる。いくつかの実施形態では、以下により詳細に記載されるように、及び図9に図示されるように、ライナー104はアコーディオン型の形状を有する。いくつかのの実施形態では、ライナー104は、その内側表面上、特に底部126と側壁128との間の内部接合部に、全く溝を含まない。
【0050】
いくつかのの実施形態では、ライナー104は、ライナー104の表面形状を分離するために、意図的に変形される。そのような分離された表面形状は、攪拌中に、ソース112を破断することを助長できる。例えば、いくつかのの実施形態では、ライナー104の側壁128に異なる表面形状を形成するために、ライナー104の側壁128と容器102との間に、障害物(例えば、比較的硬質な物質)を配置することができる。
【0051】
図2に示されるように、容器102は、容器102の中の内容物のレベル(即ち、容量)を示すための表示130を含むことができる。表示130は、液体組成物114の所望の重量比、例えば、ソース112と希釈剤113の重量比1:100〜1:1を達成するために使用することができる。好適な表示の一実施例は、米国特許第6,588,681号に記載される。あるいは、又は更に、ライナー104が表示を含むことができる。容器102及び/又はライナー104上の表示130を使用できるようにするために、容器102及び/又はライナー104を半透明、又は更には透明にし、容器102の側壁129及び/又はライナー104の側壁128を通して液体組成物114を見ることができるようにすることができる。側壁128及び129には、商標、ブランド名等のような、その他の種類のマーキングがあってもよい。容器102又はライナー104の中に受容されるよう寸法付けられており、かつ、容器102又はライナー104の内側表面にフィルムを外向きに(即ち、半径方向に)押し付けるのに十分な内部応力を有する材料から形成することができるフィルムの上に、表示130を設けることもできる。
【0052】
図2に図示される実施形態では、蓋106は、ライナー104に取り外し可能に連結され、カラー108は、蓋106を容器102に更にきつく固定するために採用される。例えば、図2では、容器102は、側壁129の外側表面の上端に、容器102の上端にネジで締められるカラー108(容器102上のネジ山131と嵌合できる内部ネジ山133を有する)のための形状にされ及び寸法付けられたネジ山131を含む。蓋106を容器102に固定するためにカラー108を使用する代わりとして、締め付け及び/又は以下に記載されるその他の連結手段を含む、その他の連結手段を採用することができる。いくつかのの実施形態では、ライナー104を採用せずに、蓋106を容器102に直接連結することができる。このような実施形態では、カラー108を採用する必要はない。したがって、蓋106は、容器102又はライナー104との密封(例えば、密封封止)を形成することができる。いくつかのの実施形態では、蓋106及び容器102(又は蓋106及びライナー104)は、一体に形成される、又は恒久的に互いに連結される。
【0053】
それぞれの構成要素が取り外し可能に互いに連結できるようするために、重力(例えば、1つの構成要素を別の構成要素の上、又はその噛み合う部分に設置することができる)、ネジ山、プレス嵌め嵌合(「摩擦嵌め嵌合」又は「締まり嵌め嵌合」と称される場合もある)、スナップ嵌め嵌合、磁石、接着剤、ヒートシーリング、その他の好適な取り外し可能な連結手段、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない様々な連結手段を、蓋106とライナー104との間、蓋106と容器102との間、及び/又はカラー108と容器102との間のいずれかに採用することができる。いくつかのの実施形態では、ソース112及び希釈剤113を添加後、試料調製システム100を再び開ける必要がなく、その結果容器102、ライナー104、蓋106、及びカラー108を取り外し可能に互いに連結する必要がなく、むしろ恒久的に、又は半恒久的に互いに連結されることができる。該恒久的又は半恒久的連結手段には、接着剤、縫合、留め金、スクリュー、釘、リベット、無頭釘、圧着、溶接(例えば、音波(例えば、超音波)溶接)、任意の熱接着技術(例えば、連結する構成要素の一方又は両方に熱及び/又は圧力が印加される)、スナップ嵌め嵌合、プレス嵌合、熱融着、その他の好適な恒久的又は半恒久的連結手段、及びそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。恒久的又は半恒久的連結手段のいくつかは、取り外し可能であるように適合させることも可能であり、逆もまた同様であり、かつ一例としてしてのみこのように分類されていることが、当業者には理解されよう。
【0054】
図2及び図3に示されるように、蓋106は、フィルタ134に連結することができるポート132と、ライナー104の中に受容されるように寸法付けられた円筒形部分136と、円筒形部分136からポート132に延在するほぼ円錐形の(例えば、円錐台形)部分138とを更に含む。円筒形部分136と円錐形の部分138との間の接合部では、蓋106は、円筒形部分136及び円錐形の部分138から放射状に外側に向かって延在するへり140を更に含む。
【0055】
いくつかのの実施形態では、フィルタ134は、蓋106に直接連結される。いくつかのの実施形態では、図2〜3に示されるように、フィルタ134は、フレーム135によって支持されることができ、フレーム135を介して蓋106に連結することができる。フレーム135は、フィルタ134の一部分を形成することができ、フレーム135は、蓋106の一部分であってもよく、又はフレーム135は、フィルタ134及び蓋106の両方に連結される別個の要素であってもよい。フレーム135は、様々なポリマー類、金属類、セラミックス、ガラス類、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、様々な物質から形成することができる。図2〜3に図示される実施形態では、フィルタ134は、金属メッシュから形成され、フレーム135は、金属フィルタ134に固着されたポリマーから形成される。フレーム135は、以下により詳細に記載されるように、蓋106に連結される。
【0056】
図2及び3に図示される実施形態のフィルタ134並びにフレーム135は、試料調製システム100が組み立てられる際、フィルタ134及びフレーム135がライナー104の第2のリザーバ122(又は容器102の第1のリザーバ120)の中に延在するように、蓋106の下端の下方に延在するような形状にされ及び寸法付けられている。しかしながら、フィルタ134及びフレーム135は、様々な形状及びサイズを呈することができる。いくつかのの実施形態では、例えば、フレーム135は、硬質な上部部分(例えば、蓋106に連結される)及び硬質な下部部分を含むことができ、フィルタ134をその間に連結することができ、フィルタ134は、折り畳み可能であってよい。このような実施形態は、以下により詳細に説明がなされ、かつ図9に図示されている。
【0057】
蓋106の円筒形部分136は、円筒形部分136がライナー104の内側表面にスナップ嵌め又はプレス嵌めできるようにする、外側に向かって張り出す複数の突出部142を円周方向に含む。いくつかのの実施形態では、ライナー104の内側表面は、外側に向かって張り出す突出部142の代わりに、又は外側に向かって張り出す突出部142に加えて(例えば、それらの噛み合う関係を形成するために)使用される、内側に向かって張り出す突出部を含むことができる。
【0058】
ライナー104は、ライナー104の側壁128から放射状に外側に向かって張り出すへり144を含むことができ、ライナー104は、試料調製システム100が組み立てられる際、蓋106のへり140と容器102の上面146との間に配置され、密封(例えば、密封封止)が形成されるように、ライナー104のへり144が容器102の上面146及び蓋106のへり140との当接関係を形成できる。図2に示されるように、カラー108は、カラー108が容器102に連結される際、カラー108のへり156が、蓋106のへり140を、容器102の上面146に押し込まれる(例えば、より高い一体性密封を形成するために)ライナー104のへり144に押し込むように、内側に張り出すへり156を含む。例としてのみで、試料調製システム100を組み立てるため、及び試料調製システム100の構成要素間の密封を形成する上記に述べた手段を記載し、図示する。しかしながら当業者は、試料調製システム100の構成要素を組み立てるため、及び試料調製システム100が通常の作業条件下で漏出しないようにする密封(例えば、液密の密封、気密密封、又はそれらの組み合わせ)を形成する様々なその他の機構を採用できることを理解するであろう。
【0059】
一方、図2及び3に実施形態の蓋106は、ほぼ円錐形又は円錐台形の形状で図示される。蓋106は、円筒形状、長方形又は正方形の断面積を有する管状形状、又は試料調製システム100のその他の構成要素との連結に好適なその他の形状を含むが、それらに限定されない、様々なその他の形状を有することができることが理解されるべきである。同様に、容器102、ライナー104、及びカラー108は、図2に図示される実質的に円筒形状以外の様々な形状を有することができる。更に、蓋106は、試料調製システム100のその他の構成要素を収容できるように寸法付けられていてもよい。
【0060】
蓋106は、容器102に関して上記に記載された材料を含む、様々な材料から形成することができる。蓋106は、使用用途により、半透明(若しくは更には透明)、又は不透明にすることができる。
【0061】
カラー108は、様々な高分子材料、金属材料、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、様々な材料から形成することができる。例えば、カラー108は、成形プラスチック構成要素、又は機械加工金属(アルミニウム等)構成要素から形成することができる。いくつかのの実施形態では、カラー108は、ガラス繊維強化ポリプロピレンを含む成形プラスチック構成要素から形成される。
【0062】
図2に示されるように、蓋106のポート132は、ポート132が蓋106の内側表面153の部分152、及び蓋106の開口部154を画定するように、ほぼ円筒形で管状の形状である。蓋106は、中空であり、試料調製システム100が組み立てられる際、第2のリザーバ122と液体連通して存在する。ポート132は、円筒形である必要はなく、代わりに、所定の用途に必要なあらゆる形状を呈することができる。図2及び3に図示される実施形態では、フィルタ134は、フィルタ134が第2のリザーバ122に加えて、蓋の開口部154と液体連通で存在するように、ポート132に連結される(即ち、フレーム135を介して)。
【0063】
図2に示される実施形態では、カバー109は、サンプリングポート132の少なくとも一部分を受容する形状であり及び寸法付けられている。結果として、蓋106の開口部154を閉締するため、及び試料調製システム100を環境から密封するため(例えば、気密密封)に、カバー109を蓋106のポート132に連結することができる。カバー109は、上記に記載のいずれかの連結手段を使用して、蓋106に連結することができる。カバー109は蓋106と一体に形成されることができ(例えば、以下により詳細に説明され、かつ図13に図示されるような、押し上げ式でスナップ方式のカバー)、又はカバー109は蓋106と別個であることができる(例えば、以下により詳細に説明され、かつ図9〜図12に図示されるような、ねじ式のカバー)。カバー109は、容器102又はカラー108に関して上記に記載された材料を含む、様々な材料から形成することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、蓋106は、バリアに穴をあける又は貫通することができ、又はフィルムを取り外して蓋106の内部にアクセスできるように、蓋106の内部の少なくとも一部分を環境から分離する、脆弱な又は貫通可能なバリア又は取り外し可能なフィルムを含む。このような実施形態では、カバー109を採用する必要はない。
【0065】
図3に示されるように、蓋106の内側表面153は、その他の構成要素(例えば、概念が図5〜6に図示され、以下に記載される、追加又は代替フィルタ)を連結することができる、様々な内周縁を含むことができる。内周縁は、縁部に連結を所望するその他の構成要素に応じて、所望する任意の配向を有することができる。いくつかのの実施形態では、内周縁は、図3では縁部がほぼ水平になるように、蓋106の中央長手軸とほぼ直交するように向いている。
【0066】
更に、蓋106は、その他の構成要素(例えば、フィルタ)を連結することができる、内側に向かって延在する様々な部材を含むことができる。例えば、図3に示されるように、フィルタ134は、フレーム135によって支持され、蓋106は、上記に記載のいずれの連結手段を含むが、それらに限定されない、様々な連結手段によって、フレーム135を連結することができる、内側に向かって延在する部材155を含む。内側に向かって延在する部材155は、蓋106と一体に形成することができる。
【0067】
フィルタ134は、液体組成物114を十分にろ過するいずれの幾何学的形状であってもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ134は、変形可能であり、及び/又は折り畳み可能(即ち、フィルタ134がそれ自身の重量下で折り重なるように)である。いくつかの実施形態では、フィルタ134は、硬質であり、その形状を保持する(即ち、それ自身の重量下で折り重ならない)。試料調製システム100で使用されるフィルタ134のサイズ及び数、並びにその多孔度は、ソース112中の所望の検体及び不溶物に応じて、変化してもよい。
【0068】
例としてのみで、いくつかの実施形態では、液体組成物114は、食物を含み、所望の検体はバクテリアであり、不溶物は、食物粒子又は残屑である。このような実施形態では、例えば、後続の分析のために目的とするバクテリア(存在する場合)がフィルタ134を通過できるようにする一方、食物粒子を保持する及び/又は分離するように、フィルタ134を選択することができる。更なる一例として、いくつかの実施形態では、液体組成物114は溶解したバクテリア細胞培養を含み、所望の検体は、DNA、RNA、タンパク質、又は代謝産物の1つ以上であり、不溶物は細胞残屑である。このような実施形態では、例えば、後続の分析のために、フィルタ134に所望のDNA、RNA、タンパク質、及び/又は代謝産物を通過させながら、細胞残屑を保持する及び/又は分離するように、フィルタ134を選択又は処理(例えば、抗体などの生体分子結合剤で誘導体化する)ことができる。あるいは、例えば、フィルタ134に細胞残屑を通過させながら、所望のDNA、RNA、タンパク質、及び/又は代謝産物を保持するように、フィルタ134を選択する又は処理することができる。
【0069】
フィルタ134は、抽出及び/又は採取のために、フィルタ134に液体組成物114中の所望の検体(存在する場合)を通過させながら、液体組成物114から粒子を保持するのに十分な様々な孔径を有することができる。あるいは、フィルタ134に望ましくない物質を通過させながら、所望の検体を保持するように、フィルタ134の大きさを設定する、フィルタ134を帯電させる、及び/又は機能化させることができる。このような実施形態では、試料は、更に処理する(例えば、濃縮する、凝縮する、分析するなど)ことができるフィルタ134の少なくとも一部分を含むことができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、フィルタ134は、少なくとも2μm、いくつかの実施形態では、少なくとも5μm、いくつかの実施形態では、少なくとも40μm、いくつかの実施形態では、少なくとも80μm、及びいくつかの実施形態では、少なくとも120μmの平均孔径又はメッシュサイズを有する。いくつかの実施形態では、フィルタ134の平均孔径又はメッシュサイズは最大2000μmであり、いくつかの実施形態では最大1000μmであり、いくつかの実施形態では最大500μmであり、いくつかの実施形態では最大200μmであり、いくつかの実施形態では最大50μmであり、いくつかの実施形態では最大10μmであり、いくつかの実施形態では最大1μmである(例えば、バクテリアがフィルタ134を通過するのを制限するのが望ましい場合)。
【0071】
図2及び3に図示される実施形態では、フィルタ134は、蓋106に位置を決めされ、一般に蓋106の中央長手軸と一致する。しかしながら、いくつかのの実施形態では、フィルタ134は、蓋106の「軸外」の位置に設置される。例えば、開口158は、蓋106のフィルタ134の可能な「軸外」の位置を示すために、図2に点線で示される。代替又は追加のポートを、開口158の位置に設置し、そこに連結することができる。フィルタ134は、恒久的に、又は取り外し可能に、一方又は両方の位置に連結することができる。
【0072】
いくつかのの実施形態、特にライナー104を採用しない実施形態では、フィルタ134は、代わりに、又は追加として、容器102の側壁129の開口160又は容器102の底部127の開口124(又は容器102の底部127の異なる位置に形成される開口)を通って、試料調製システム100の内部(即ち、容器102の第1のリザーバ120)にアクセスすることができる。このような実施形態では、フィルタ134は、恒久的に又は取り外し可能に、容器102の側壁129又は底部127に連結することができる。代替又は追加のポートを、開口160及び124の位置に設置し、そこに連結することができる。いくつかの実施形態では、試料調製システム100は、蓋106のポート132、蓋106の開口158の位置での追加のポート、容器102の側壁129の開口160の位置にある追加のポート、及び/又は容器102の底部127の開口124の位置にある追加のポート等のポートを2つ以上含むことができる。試料調製システム100のいずれかの位置にあるいずれかのポートを密封するために、カバー109又は同様の密閉機器を使用することができる。
【0073】
フィルタ134に関しては異なる位置でも可能であるため、フィルタ134は、試料調製システム100及び特定の使用用途において、その位置に収容されるような形状にされ及び寸法付けられてよい。フィルタ134のあらゆる可能な位置では、所望のろ過の種類、及びフィルタ134が液体組成物114をどのようにろ過するように意図されるかに応じて、フィルタ134を、液体組成物114のレベル165の完全に上方に又は液体組成物114のレベル165の完全に下方に設置することができる、又はフィルタ134の一部分を液体組成物114のレベル165の上方に、及び一部分的を液体組成物114のレベル165の下方に設置することができる。例えば、図2に図示される実施形態では、フィルタ134はポート132に連結され、液体組成物114のレベル165がどれだけ高いかに応じて、典型的には、フィルタ134の一部分を液体組成物114のレベル165の上方に、及び一部分を下方に設置するように、ポート132から試料調製システム100の内部に延在する。
【0074】
フィルタ134は、ライナー104及び液体組成物114の内部と流体連通し、液体組成物114をろ過するように働き、ろ液116を形成する。ろ液116は、フィルタ134の容積の中に配置され、近接するポート132から抽出し、及び/又はサンプリングすることができる。複数の位置でフィルタ134を使用する実施形態では、ろ液116は、上記ポート又は開口のいずれかのからサンプリングすることができる。
【0075】
フィルタ134は、ナイロン、フッ素化ポリマー類(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、セルロース類(例えば、酢酸セルロース及びニトロセルロースなどの変性セルロース)、ファイバーグラス類、紙、及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むが、それらに限定されない、様々な物質から形成することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ134は、織ウェブ、不織布ウェブ、成形構造体、発泡体、布地、繊維ウェブ、及びそれらの組み合わせで形成することができる。フィルタ134の表面積は、フィルタ134にひだを付けることによって、又は他の類似の技術によって増すことができる。フィルタ134の厚さは、カレンダープロセス又はフェルト化プロセスによって制御することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、(フィルタ134がどの位置にあるかに関わらず)、フィルタ134は、ソース112の固定装置又はホルダーとして使用されることができる。この概念の一例は、図4に図示され、以下に説明される。
【0077】
上記のように、ライナー104は、使い捨てであってもよい。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の蓋106、カバー109及びフィルタ134は、使い捨てであることができる。例えば、いくつかの実施形態では、蓋106は、ライナー104と連結することができ、カバー109及びフィルタ134は蓋106と連結することができる。ライナー104、蓋106、フィルタ134、及びカバー109は、容器102又はカラー108を汚染せずに使用することができる、試料調製システム100の使い捨て部分を形成することができる。使い捨て部分は、容器102から取り外し、廃棄することができる。その後、容器102及びカラー108は、新しいライナー104、蓋106、フィルタ134、及びカバー109と共に再利用することができる。
【0078】
図4は、本開示の別の実施形態による試料調製システム200を図示しており、同様の符号は同様の要素を表している。試料調製システム200は、図2〜3の図示された実施形態に関連して上記されたのと同じ要素及び特徴部の多くを共有している。したがって、図2〜3の図示された実施形態の要素及び特徴部に対応する要素及び特徴部は、200シリーズにおいて同じ参照番号が提供される。図4に図示される実施形態の特徴部及び要素(並びに特徴部及び要素の代替)をより完全に説明するために、図2〜図3に関してなされた上記説明を参照する。
【0079】
試料調製システム200は、容器202と蓋206とを含む。試料調製システム200は、ライナーを含まず、蓋206は、容器202に直接連結される。試料調製システム200は、容器202の側壁229に形成される開口260に流体で連結されるフィルタ234を更に含む。試料調製システム100のフィルタ134とは異なり、フィルタ234は、ソース212のための固定装置又はホルダーとして機能する。
【0080】
フィルタ234は、容器202と恒久的に連結することができ、ソース212は、フィルタ234に添加することができるか、又は、フィルタ234は、容器202に取り外し可能に連結することができ、ソース212は、フィルタ234が容器202に連結される前、又は後にフィルタ234に添加することができる。いくつかのの実施形態では、フィルタ234は、フィルタ234がソース212を含み、希釈剤213がフィルタ234の内部の内外を流れることができ、ソース212と混合するように、第1のリザーバ220の中で浮動性であってもよい。
【0081】
ソース212は、フィルタ234の中でソース212を希釈剤213と組み合わせて液体組成物214を形成することができるように、フィルタ234の中に配置され、フィルタ234の少なくとも一部分が容器202の希釈剤213のレベルより下方に配置されて、容器202の内部と流体連通する。フィルタ234の中に配置された液体組成物214は、希釈剤213の中の目的とする検体(存在する場合)、並びにソース212からのあらゆるその他の可溶物又は不溶物を含む。攪拌中、ソース212及び希釈剤213を混合し、希釈剤213でソース212を溶解、分散、懸濁、及び/又は乳化することができる。フィルタ234の孔径は、希釈剤213及び希釈剤213の中の目的とする任意の検体(存在する場合)がフィルタ234の内外を自由に流れるように適合され、得られたろ液216が、フィルタ234の外側でかつ容器202のリザーバ220の中に配置され、かつ希釈剤213及び目的とする任意の検体を含むように適合される。
【0082】
ろ液216は、蓋206のポート232、蓋206の開口258、容器202の側壁229の追加の開口、及び/又は容器202の底部227の開口224を含む様々なポート又は開口のいずれか、からサンプリングすることができる。加えて、フィルタ234は、開口260を介して試料調製システム200に連結される代わりに、むしろ、蓋206のポート232、蓋206の開口258、及び/又は容器202の底部227の開口224などの様々なポート又は開口のいずれかを介して、試料調製システム200に連結されることができる。いくつかの実施形態では、図4に示すように、1つ以上のポートは、試料調製システム100のフィルタ134と同様の方法で機能する追加のフィルタ234’を含むことができる。このような実施形態では、ろ液216は、フィルタ234’によって更にろ過され、生じるろ液216’はフィルタ234’の中に配置されて、隣接のポート(即ち、図4のポート232)から抽出される及び/又はサンプリングされることができる。
【0083】
試料調製システム200は、ライナーを更に含み、十分な密封が開口260の位置でライナーと容器202との間に提供されると言う条件で、この場合希釈剤213及び生じるろ液216はライナーの中に配置され得る。
【0084】
図5〜図6は、本開示の別の実施形態による試料調製システム300を図示しており、同様の符号は同様の要素を表している。試料調製システム300は、図2〜3の図示する実施形態に関連して上記されたのと同じ要素及び特徴部の多くを共有している。したがって、図2〜3の図示された実施形態の要素及び特徴部に対応する要素及び特徴部は、300シリーズにおいて同じ参照番号が提供される。図5〜図6に図示される実施形態の特徴部及び要素(並びに特徴部及び要素の代替)をより完全に説明するために、図2〜図3に関してなされた上記説明を参照する。
【0085】
図5〜図6は、試料調製システム300の蓋306のみを示す。試料調製システム300の他の構成要素は、上記の、及び図2〜図4に図示され説明された試料調製システムの、その他の対応する構成要素のいずれかを含むと仮定することができるので、簡略化のために図5〜図6には示されていない。
【0086】
蓋306が、実質的に平面で、蓋306の内側表面353に連結するフィルタ334を含むことを除き、蓋306は、上記に記載され、図2〜3に図示される蓋106と実質的に同様である。蓋306の内側表面353は、上方内部周縁370及び下方内部周縁368を含む。図5に示されるように、上方内部周縁370は、外周371から内周373へ延在し下方に面する表面を含む。同様に、下方内部周縁368は、外周376から内周378へ延在し下方に面する表面を含む。フィルタ334の外周は、内側表面353の上方内側周縁370と連結する。更に、フィルタ334は、保持壁372と接触する。保持壁372は、フィルタ334の外周を保持するために、蓋106の内側表面353から下方に延在する。
【0087】
フィルタ334は、蓋106に対して上記と同様の連結手段を使用して蓋306と連結されてもよい。フィルタ334は、恒久的、又は取り外し可能に蓋306と連結されてもよい。フィルタ334と蓋306との間の連結の程度は、これに限定されないが、フィルタ334の材料、蓋306の材料、連結された表面領域の寸法及び構造、及び使用される連結手段の種類を含む多くの要素に応じて様々であることができる。例えば、フィルタ334がほつれた縁部を含む場合、やや幅広い、及び/又は刻み付きの連結表面領域が使用されてもよい(例えば、上方内側周縁縁部370は刻み付きであってもよい)。このような幅広、及び/又は刻み付きの超音波溶接部は、フィルタ334のほつれ縁部を捕捉することができる。ほつれの量を最小限にするために、フィルタ334は、フィルタ334の縁部を融着することができるレーザーを使用して切断できる。これにより生じたレーザー切断されたフィルタ334は、あったとしても、ほつれの最低量を含むため、より狭い幅の連結領域を使用することができる。いくつかのの実施形態では、連結領域は、フィルタ334の外周の周囲で全面的に延在する。いくつかのの実施形態では、連結領域は、最大5.0mmの平均幅(即ち、同じ平面の中の寸法、及び、フィルタ334の外周に実質的に垂直)を有することが可能であり、いくつかのの実施形態では、1.0mm〜3.0mmの範囲であることが可能である。あるいは、フィルタ334は、例えば、成形プロセスによって、蓋306の中で一体に形成されることが可能である。
【0088】
フィルタ334は、蓋306と同様の材料、又は異なる材料から形成されてもよい。フィルタ334は、可撓性であるか、又は半剛体であってもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ334は、ナイロンの不織布又は織布から形成されるが、蓋306は、ポリプロピレンなどのポリマーから形成された射出成形部品である。このような実施形態では、ナイロンフィルタ334は、超音波溶接技術を介し、蓋306に結合されてもよい。超音波溶接の間、上方内側周縁370の少なくとも一部分は、フィルタ334と機械的に固着するために融解できる。ナイロンは、ポリプロピレンよりも高い融解温度を有するため、ナイロンフィルタ334は、超音波溶接プロセスの間、その構造的な一体性を維持することが可能である。このような実施形態では、上方内側周縁370の少なくとも一部分は、フィルタ334の一部分となってもよく、これによって、フィルタ334の一部分を密封する。
【0089】
フィルタ334は、所定の用途によって様々である寸法及び形状を有することができる。フィルタ334は、これに限定されないが、円形状、正方形状、長方形状、三角形状、多角形状、星型形状、他の好適な形状、及びそれらの組み合わせを含む、あらゆる望ましい形状を有することができる。図5及び6に図示する実施形態では、フィルタ334は、実質的に円形状を有する。
【0090】
フィルタ334の寸法は、蓋306の寸法に応じて様々であってもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ334はより小さい、又はより大きい寸法を有する場合があるが、フィルタ334は、15mm〜100mmの範囲の最大寸法(即ち、長さ、幅、又は直径)を有する。例えば、いくつかのの実施形態では、フィルタ334は、円形状及び56mmの直径を有してもよい。
【0091】
図5及び6を引き続き言及すると、保持壁372は、蓋306と一体に形成される。いくつかのの実施形態では、図5に示すように、蓋306は、2つ以上の保持壁372を含み、(i)それぞれの保持壁372は、その厚さよりも大きい周辺長さを有し、(ii)それぞれの保持壁372は、フィルタ334の外周に沿って配置され、(iii)2つ以上の保持壁372の合計の周辺長さは、フィルタ334の外周の合計の周辺長さよりも短い。
【0092】
図5に示すように、蓋306は、上方内側周縁370の外周371に沿って互いに等しく間隔をおく、4つの保持壁372を含む。いくつかの実施形態では、各保持壁372は、800μm〜1200μmの範囲の厚さ、外周371に沿って1.0mm〜22.0mmの範囲の距離に延在する長さ(即ち、この例示的な実施形態では、アーク長)、及び1.0mm〜5.0mmの範囲の高さを有する。いくつかの実施形態では、各保持壁372は、保持壁372の周辺の流量を妨げない(又は影響を最小限にする)ために、セグメント化された構成を有する。
【0093】
蓋306は、開口部354及び内部に延在する部材355を含む。内部に延在する部材355は、図2及び3では、フィルタ134が蓋106に連結するのと同じ方法で、追加のフィルタ(図示せず)が蓋306と連結するために使用することができる。このような実施形態では、フィルタ334は、追加のフィルタの下に設置され、追加のフィルタは、蓋306の上部からフィルタ334の距離よりも短い長さ寸法を有することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、図5及び6に示すように、フィルタ要素334は、蓋306の最小断面積よりも大きい合計表面積を有する。蓋306では、最小断面積は、蓋開口部354の断面積である。いくつかのの実施形態では、1つ以上のフィルタが、フィルタ334と同様の様式で蓋306と連結される。例えば、いくつかのの実施形態では、フィルタ334、又は追加のフィルタ(図示せず)は、下方の内側周縁368と連結することができる。即ち、1つ以上のフィルタ334は、蓋306と連結し、蓋306の内側表面353に沿ったいずれかの場所に配置することができる。1つ以上のフィルタ334を採用する実施形態では、フィルタ334は、互いに類似であるか、又は互いに異なってもよい。即ち、フィルタ334は、同一、又は異なる材料から形成されてもよく、フィルタ334は、同一、又は実質的により小さい孔径を有してもよい。
【0095】
一例として、第1のフィルタ334は、上方内側周縁370と連結されてもよく、56mmの直径、80μmの要素孔径を有してもよく、1つ以上の保持壁372によって少なくとも部分的に囲まれることができ、一方、第2のフィルタ334は、下方内側周縁368と連結されてもよく、96mmの直径、200μmの要素孔径を有してもよく、蓋306の内側表面353によって少なくとも部分的に囲まれることができる。
【0096】
上記のフィルタ134、234、及び334のいずれもが、試料調製システムの1つにおいて、互いの組み合わせで使用されてもよい。例えば、上記に記載されるように、フィルタ134は、異なる用途のための一連のフィルタを提供するため、及び/又は液体組成物から引き続いて、より小さな粒子を除去するために、フィルタ234及び/又は334と組み合わせて使用することができる。
【0097】
あるいは、又は加えて、液体組成物から引き続いてより小さな粒子を除去するために、それぞれの種類のフィルタ134、234、又は334の2つ以上を採用する(及び、いくつかのの実施形態では、ネスト化)することができる。例えば、ろ液を収集するために連続したより小さい孔径を有する次のフィルタに対し、より大きい孔径の前置フィルタとして機能する粗いフィルタであるフィルタが配置されてもよい。フィルタは、直立位置で試料調製システムを使用するように配置されてもよく、及び/又はフィルタは、システムが傾けられた又は反転された場合に試料調製システムを使用するように配置されてもよい。
【0098】
図7は、本開示の別の実施形態による試料調製システム400を示し、図中同様の符号は同様の要素を表している。試料調製システム400は、図2〜図3及び図5〜図6の図示された実施形態に関連して上記された同様の要素及び特徴部の多くを共有している。したがって、図2〜図3及び図5〜図6の図示された実施形態の要素及び特徴部に対応する要素及び特徴部は、400シリーズにおいて同じ参照番号が提供されている。図7に図示される実施形態の特徴部及び要素(並びに特徴部及び要素の代替)をより完全に説明するために、図2〜図3及び図5〜図6に関してなされた上記説明を参照する。
【0099】
試料調製システム400は、第1のリザーバ420を有する容器402と、第2のリザーバ422を有し、及び容器402の第1のリザーバ420の中に受容されるよう寸法付けられたライナー404と、蓋406と、カラー408と、プランジャ437とを含む。蓋406は、上記されかつ図2〜図6に図示された蓋106、206及び306と同様であるが、試料調製システム400を他の装置に連結することができる、又はカバー(図示せず)の連結手段を提供する、2つの上方に延在する突起439を更に含む。蓋406は、試料調製システム400をカバー又はその他の装置に連結する代替の又は追加の連結手段を提供することができる複数の隆起部441、を有するポート432を含む。蓋406は、図5〜図6に示されかつ上述されたフィルタ334と実質的に同様であるフィルタ434を更に含む。
【0100】
図7に示されるように、プランジャ437は、プランジャ437が容器402の上部に向かって第1の方向Dの方向に移動するときに、ライナー404の外部に正圧を印加するように構成される。図7に示されるように、プランジャ437を使用してライナー404の外部に圧力が印加されると、ライナー404は圧縮され、第2のリザーバ422の容積は減少し、及び液体組成物414(ソース412と希釈剤413とを含む)はフィルタ434を通して押し出されて、蓋406の内側に集まるろ液416を形成する(例えば、図7に示されるように試料調製システム400が逆にされる場合)。次に、ポート432を介して試料調製システム400の外にろ液416を移動させることができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、プランジャ437は、ライナー404の内部に負圧を印加するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、プランジャ437は、容器402の底部に向かって第1の方向Dと反対の第2の方向Dにプランジャ437を移動させると、ライナー404が拡大し、これによりその内部(即ち、第2のリザーバ422)に減圧が生じ、これが第2のリザーバ422と試料調製システム400の外部との間で異なる圧力をもたらすように、ライナー404に連結される。圧力差によって、例えば、流体を、ポート432を介して第2のリザーバ422の中に移動させることができる。プランジャ437がライナー404の外部と協働して圧力差を引き起こした結果、液体組成物414と接触せずにプランジャ437を使用することができ、及び汚染のリスクなしにプランジャ437を再使用することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、図7に示されるように、プランジャ437は、容器402の底部427の開口424の中に受容されるように寸法付けられた把手443を含むことができる。いくつかの実施形態では、プランジャ437の把手443は、開口424のサイズにより近いサイズに設定することができ、及び/又は把手443と開口424との間に密封手段(例えば、Oリング)を設置して密封を形成することができる。図7に図示される実施形態では、把手443の直径は、プランジャ437のライナー404(例えば、ライナー404の底部426)に接触する部分よりも小さい。プランジャ437のライナー404に接触する部分は、容器402の第1のリザーバ420に受容されるように寸法付けられている。しかしながら、いくつかの実施形態では、プランジャ437は、均一な断面、又は(例えば、第2の方向Dに)徐々に減少する断面を有し、容器402の開口424はそれに応じたサイズに設定される。図7に示されるプランジャ437は一例としてのみ示されており、当業者は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な形状及びサイズのプランジャを使用することができることを理解すべきである。
【0103】
容器102に関して上述した材料を含む様々な材料でプランジャ437を作ることができ、プランジャ437は中実又は中空であることができる。プランジャ437は、使用用途に応じて、半透明(若しくは更には透明)、又は不透明であることができる。
【0104】
図8は、本開示の別の実施形態による試料調製システム500を図示しており、同様の符号は同様の要素を表している。試料調製システム500は、図2〜図3及び図7の図示された実施形態に関連して上記されたのと同じ要素及び特徴部の多くを共有している。したがって、図2〜図3及び図7の図示された実施形態の要素及び特徴部に対応する要素及び特徴部は、500シリーズにおいて同じ参照番号が提供される。図8に図示される実施形態の特徴部及び要素(並びに特徴部及び要素の代替)をより完全に説明するために、図2〜図3及び図7に関してなされた上記説明を参照する。
【0105】
図8に示されるように、試料調製システム500は、第1のリザーバ520を含む容器502と、第1のリザーバ520に受容するように寸法付けられ及び第2のリザーバ522を含むライナー504と、蓋506とを含む。試料調製システム500の構成要素を互いに更に固定するために、カラー(図示せず)を使用することも可能である。第2のリザーバ522は、ソース512と希釈剤513とを含む液体組成物514を収容するように構成される。試料調製システム500は、フィルタ534に連結されるプランジャ537を更に含む。フィルタ534は、液体組成物514をろ過して、目的とする検体(存在する場合)を含むろ液516を形成するように適合される。
【0106】
容器502は、底部527と、側壁529と、底部527に画定された開口524とを含む。ライナー504は、側壁528と、例えば、容器502の底部527の開口524を介してアクセスすることができる底部526と、を含む。蓋506は、蓋506の開口部554を画定するポート532と、試料調製システム500とを含む。プランジャ537は、試料調製システム500の外側から把手543にアクセスして、液体組成物514をフィルタ534に強制的に通過させることができるように、ポート532の中に受容するように寸法付けられた把手543を含む。いくつかの実施形態では、プランジャ537の把手543は、開口部554のサイズにより近いサイズに設定することができ、及び/又は、て密封を形成するために、把手543と開口部554との間に密封手段(例えば、Oリング)を設置することができる。蓋506は、蓋506の第2のポートに画定された軸外開口558を更に含むことができ、これは、例えば、試料調製システム500の中から圧力を放出させるガス抜き用排気口として機能することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、図8に示されるように、フィルタ534は、ライナー504の2のリザーバ522の中に嵌まるように寸法付けられ得る。このような実施形態では、フィルタ534は、ライナー504の変形性のおかげで、ライナー504の側壁528と密封を形成することができ、フィルタ534の外側表面とライナー504の側壁528の内側表面との間に追加の密封手段を必ずしも必要としない。ライナー504の変形性は許容量をより幅広くすることもでき、したがって、フィルタ534を、ライナー504と協働することができるように狭い範囲のサイズに設定する必要がない。
【0108】
あるいは、いくつかの実施形態では、試料調製システム500はライナー504を含まず、容器502と協働するようにフィルタ534を構成することができる。例えば、フィルタ534は、容器502の第1のリザーバ520にちょうど収まるようなサイズに設定されることができる。いくつかの実施形態では、試料調製システム500は、フィルタ534と容器502の側壁529との間に設置される密封手段(例えば、Oリング)を含むことができる。いくつかの実施形態では、フィルタ534を側壁529で密封するのを容易にするために、容器502の側壁529は、完全に垂直になっている(即ち、底部527に垂直である。)いくつかの実施形態では、容器502の側壁529のテーパに適応することができるように、フィルタ534は変形可能な(例えば、エラストマーの)外フランジ部を含む。フィルタ504を採用する実施形態にこのようなフランジを組み込むことができる。
【0109】
プランジャ537は方向Dに沿って下向きに押されるので、フィルタ534は、第2のリザーバ522のフィルタ534の上方にろ液516が形成されるように、比較的大きな不溶物(即ち、フィルタ534の孔径よりも大きいサイズのあらゆる微粒子)はフィルタ534の下方に維持されて、比較的小さい不溶物(即ち、フィルタ534の孔径よりも小さいサイズのあらゆる微粒子)はフィルタを通過するように、液体組成物514の中を下向きに移動する。プランジャ537を、設置位置まで(例えば、ライナー504、フィルタ534及び/又はプランジャ537は1つ以上の停止位置を有することができる、プランジャ537は第2のリザーバ522の一定深さにちょうど適応するサイズに設定されることができる、等)、又は液体組成物514中のあらゆる残留不溶物がフィルタ534によって少なくとも部分的に圧縮される位置まで、方向Dに押すことができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、プランジャ537の把手543は中空であることができ、第2のリザーバ522と液体連通することができる。このような実施形態では、ろ液516の少なくとも一部分はプランジャ537の把手543の内部に受容されることができ、及び把手543を介して試料調製システム500から取り出すことができる。このような実施形態では、プランジャ537は、把手543の上端を受容するように寸法付けられたカバーを含むことができる。あるいは、液体組成物514の少なくとも一部分をプランジャ537の把手543の内部に受容することができるように、プランジャ537は中空であり、かつその底部がフィルタ534で覆われていなくてもよい。このような実施形態は、液体組成物514が第2のリザーバ522の底部に占めるスペースをより小さくすることができ、フィルタ534を、第2のリザーバ522のより下方まで方向Dに沿って移動させることができる。
【0111】
図9〜図12は、本開示の別の実施形態による試料調製システム600を図示しており、同様の符号は同様の要素を表している。試料調製システム600は、図2〜3の図示された実施形態に関連して上記されたのと同じ要素及び特徴部の多くを共有している。したがって、図2〜3の図示された実施形態の要素及び特徴部に対応する要素及び特徴部は、600シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図9〜図12に図示される実施形態の特徴部及び要素(並びに特徴部及び要素の代替)をより完全に説明するために、図2〜図3に関してなされた上記説明を参照する。
【0112】
図9に示されるように、試料調製システム600は、レセプタクル604と、蓋606と、カバー609と、フィルタアセンブリ633とを含む。レセプタクル604は、変形可能な自己支持形及び自立型である。レセプタクル604は、底部626と側壁628とを含む。側壁628はアコーディオン型の形状を含み、各プリーツ645で側壁628を折り曲げるための、及びレセプタクル604がほぼ長手方向軸に沿って折り畳まれるのを容易にする、並びに特にレセプタクル604がほぼ長手方向軸に沿ってほぼ均一に折り畳まれるのを容易にする、複数のプリーツ又は折り目645を含む。図9に図示される実施形態では、側壁628は、一例としてのみ、複数のプリーツ又は折り目645を含む。しかしながら、側壁628は、環状の弱体化部分の位置で側壁628を曲げることができるように、側壁628の残部よりも剛性が少ない及び/又は厚くない側壁628の環状の弱体化部分などの、側壁628がほぼ長手方向軸に沿って均一に折り畳まれるのを容易にすることができるその他の構造を有することができることを理解すべきである。その他の好適な構造もまた可能であり、本開示の趣旨及び範囲内である。
【0113】
レセプタクル604の底部626は、補強されることができ、より硬質の材料で作製されることができ、及び/又はレセプタクル604がその長手方向軸に沿って折り畳まれるように、側壁628に比べてより厚く作製されることができる。レセプタクル604は、ソースと希釈剤とを含む液体組成物を収容するように適合されるリザーバ622を含む。
【0114】
レセプタクル604は、ライナー104に関して上記された材料を含む、様々な材料から形成することができる。レセプタクル604は、使用用途に応じて、半透明(若しくは更には透明)、又は不透明にすることができる。試料調製システム600の構成要素のいくつか又は全ては、使い捨て(例えば、1回使用用に作製される)であることができる。
【0115】
蓋606は、フィルタアセンブリ633に連結することができるポート632と、レセプタクル604の中に受容されるように寸法付けられた円筒形部分636と、円筒形部分636からポート632に延在するほぼ円錐形の(例えば、円錐台形)部分638とを更に含む。円筒形部分636と円錐形の部分638との間の接合部では、蓋106は、円筒形部分636及び円錐形の部分638から放射状に外側に向かって延在するへり640を更に含む。蓋606のポート632は、通常は円筒形及び管状であり、ポート632は内側表面652を含み、かつ、蓋606(及び組み立てられたときには試料調製システム600)の開口部654を画定する。
【0116】
蓋606の円筒形部分636は、円筒形部分636がレセプタクル604の内側表面にスナップ嵌め又はプレス嵌めされることができるようにする、外側に向かって張り出す複数の突出部642を円周方向に含む。レセプタクル604は、蓋606のへり640と当接関係を形成することができる上面644を含むことができる。蓋606及びレセプタクル604は、通常動作中に試料調製システム600が漏出しないようにする密封(例えば、液密の密封、密封封止、又はそれらの組み合わせ)を形成する上記の取り外し可能な又は恒久的連結手段のいずれかを用いて、互いに連結されることができる。例えば、複数の円周方向外側に向かって張り出す突出部642を、レセプタクル604の内側表面に超音波溶接することができる。
【0117】
フィルタアセンブリ633は、フレーム635とフィルタ634とを含む。フレーム635は、上部部分635aと下部部分635bとを含み、フィルタ634はそれらの間に連結される。フレーム635の上部部分635aは、蓋606のポート632に連結され、かつ蓋606のポート632及びレセプタクル604のリザーバ622の中に受容されるように形状付け及び寸法付けられている。フレーム635は下部部分635bを含む必要はないが、下部部分635bはフィルタ634に追加の重みを与え、フィルタ634をレセプタクル604のリザーバ622の中の液体組成物に暴露する際に役立つ。
【0118】
上部部分635aは、蓋606のポート632の中に受容されるように寸法付けられた管状体647と、蓋606のポート632の上に位置するように寸法付けられた管状体647の上端に連結されるへり649と、複数のリブ651とを含む。リブ651は、管状体647の周りに周囲方向に間隔が開いている。図9に図示される実施形態は2つのリブ651を含むが、必要とする少数の又は同数のリブを使用することができる。リブ651は、蓋606にスナップ嵌め嵌合で連結される形状である。特に、リブ651は、それぞれ、フレームの上部部分635aがポート632の中に進むと、ポート632の内側表面652に沿って摺動するように適合されるカム表面675を含む。更に、各リブ651のカム表面675は、管状体647がポート632の中に進むと、それぞれのリブ651を半径方向内向きに押し込み、更にそれぞれのリブ651をポート632の底部の下の位置(即ち、蓋606の内側上)に(例えば、半径方向に外向きに)スナップ嵌めする。
【0119】
次に、少なくとも1つのリブ651を、カム表面675をポート632の内側表面652と接触させるのに十分なだけ内向きに遠くに移動させるのに十分な力で、及びリブ651がポート632の内側表面652との接触から解除されるまで、カム表面675を内側表面652に沿って上方へ摺動させ続けるのに十分な力で、フレーム635のへり649を上方へ引っ張ることにより、フィルタアセンブリ633を蓋606から除去することができる。あるいは、それぞれのリブ651のカム表面675をポート632の内側表面652と接触させるための上方への力を印加しながら、少なくとも1つのリブ651を半径方向内向きに移動させることにより、又はリブ651を互いに向けて(例えば、半径方向内向きに)締め付けて、フレーム635の上部部分635aをポート632から上方へ移動させることにより、フィルタアセンブリ633を蓋606から除去することができる。
【0120】
図9に図示されるフィルタ634は折り畳み式であり、フレーム635の下部部分635bの重さによって、少なくとも部分的にレセプタクル604のリザーバ622中に下向きに垂れ下がらせることができる。
【0121】
カバー609は、ポート632の少なくとも一部分を受容するように形状付けられ及び寸法付けられている。結果として、蓋606の開口部654を閉締するため、及び試料調製システム600を環境から密封するため(例えば、気密密封)に、カバー609を蓋606のポート632に連結することができる。カバー609は、上記のいずれかの連結手段を使用して、蓋106に連結することができる。図9に図示される実施形態では、蓋606のポート632は、カバー609をポート632の上に螺合することができるように、カバー609の内側でねじ山(図示せず)と嵌り合って嵌合するように適合される複数のねじ山674を含む。しかしながら、カバー609を蓋606に連結して蓋606の開口部654を閉締するために、上述のその他の連結手段のいずれかを採用することができる。カバー609及び蓋606は共に蓋アセンブリ677を形成することができ、試料調製システム600が組み立てられて閉締されると、フィルタアセンブリ633のへり649を、カバー609とポート632の上端との間に挟むことができる。
【0122】
図10は、カバー609が蓋606に連結され、かつフィルタアセンブリ633がそれらの間に連結されている状態の、蓋アセンブリ677とフィルタアセンブリ633とを示す。フィルタ634は圧縮状態で示されており、フィルタアセンブリ633は蓋606の内部に収容されている。フィルタフレーム635の下部部分635bは、折り畳み式フィルタ634に比べて剛性であり、これは、フレーム635の下部部分635bを上方へ押すことにより、フィルタ634が蓋606の内部内に圧縮されることができるように、長手方向軸に沿ってフィルタ634を折り畳むのを助ける。フィルタ634を蓋606の内部内で圧縮状態に保つために、取り外し可能なバリアフィルム679を蓋606の下面681に連結することができる。フィルタ634が圧縮状態にあり、フィルタアセンブリ633が取り外し可能なバリアフィルム679によって蓋606の内部に収容された状態で、蓋アセンブリ677を滅菌しかつ包装することができる。ユーザは、フィルタ634(及び、採用する場合には、フレーム635の下部部分635b)を非圧縮状態の蓋アセンブリ677の下に垂れ下がらせるために、取り外し可能なバリアフィルム679を使用前に(例えば、無菌環境内で)取り外すことができる。フィルタ634をレセプタクル604のリザーバ622の中に落とすために、蓋606をレセプタクル604に連結する直前に、取り外し可能なバリアフィルム679を取り外すこともできる。取り外し可能なバリアフィルム679を取り外した後のフィルタ634の非圧縮状態が、図11に示されている。
【0123】
上述した連結手段のいずれかを用いて、取り外し可能なバリアフィルム679を蓋606に連結することができ、取り外し可能なバリアフィルム679は、ポリプロピレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリエチレンを含むが、それらに限定されないポリオレフィン;ポリ(メチルペンテン);ポリアミド(例えば、ナイロン(NYLON)(登録商標));圧縮されたブローンマイクロファイバ(cBMF);ウレタン;ポリエステル;ポリカーボネート;及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない様々な材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、取り外し可能なバリアフィルム679には、例えば、3M(商標)スコッチパック(SCOTCHPAK)(商標)剥離ライナー等の、ヒートシール「剥離性」フィルムを挙げることができる。取り外し可能なバリアフィルム679は、半透明(若しくは更には透明)又は不透明であることができる。取り外し可能なバリアフィルム679は、成形プロセス、押出成形、フィルム形成ブロープロセス等、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない様々なプロセスで形成され得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、図12に示されるように、カバー609は、レセプタクル604のリザーバ622又はフィルタ634の中の容積のいずれかにアクセスするために穴を開けることができる、脆弱なバリア683を含む。バリア683には、膜、非多孔性フィルム、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。加えて、脆弱なバリア683は、ポリエチレン、ポリプロピレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE))を含むが、それらに限定されないポリオレフィン;ポリ(メチルペンテン);ポリアミド(例えば、ナイロン(NYLON)(登録商標));圧縮されたブローンマイクロファイバ(cBMF);ウレタン;ポリエステル;ポリカーボネート;合成又は天然エラストマー;3M(商標)テガダーム(TEGADERM)(商標)フィルム包帯(スリーエム・カンパニー(3M Company)、ミネソタ州セントポール(St. Paul));及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、バリア683を脆くすることができる(例えば、ピペットの先端で穴が開けられる)様々な材料で形成されることができる。いくつかの実施形態では、バリア683はむしろ蓋606の開口部654の上に形成される。このような実施形態では、カバー609は中実であることができ、例えば、バリア683に穴が開けられた後に蓋606を覆うために使用することができ、又はカバー609は追加のバリアを含むことができる。あるいは、バリア683が蓋606の開口部654の上に形成される実施形態では、カバー609を採用する必要はない。蓋606又はカバー609と共に採用される、若しくは両方共に採用される、又は試料調製システム600の別の部分と共に採用されるかどうかに関わらず、バリア683は、(例えば、目的とする好気性バクテリアに酸素を提供するために)リザーバ622の内部と環境との間の気体交換を可能とする気体透過性であるという追加の機能性を有することができる。
【0125】
図13は、本発明の別の実施形態による試料調製システム700を図示する。図13は、試料調製システム700の蓋アセンブリ777のみを示している。試料調製システム700のその他の構成要素は、上記の、及び図2〜図12に図示された試料調製システムの、その他の対応する構成要素のいずれかを含むと仮定することができるので、簡略化のために図13には示されていない。
【0126】
蓋アセンブリ777は、蓋706と、ヒンジ785を介して蓋706に連結されるカバー709とを含む。いくつかの実施形態では、図13に示されるように、ヒンジ785はリビングヒンジであり、カバー709は蓋706と一体に形成される。いくつかの実施形態では、ヒンジ785は、蓋706及びカバー709の一方又は両方とは別個に形成される。カバー709は押し上げ式カバーであり、スナップ方式の嵌合によって蓋706に連結されることができる。図13に図示される実施形態では、カバー709は、蓋706の上の隆起部789の上にスナップ嵌めすることができる突起787を含む。カバー709は、カバー709が蓋706の上に閉締されると、カバー709が蓋706と共に密封(例えば、液密の密封、密封封止、等)を形成するような、その他の密封手段(例えば、Oリング)を含むことができる。
【0127】
上述のように、図14は、試料調製システム1000と試料検出システム1050とを含む試料調製及び分析システム1005を図示している。図14に示されるように、試料調製システム1000は、図7に図示された試料調製システム400と同様であるが、図2〜図3に図示され、かつ上述されたフィルタ134と同様のフィルタ1034を含んでいる。試料調製システム1000は、図2〜図3及び図7の図示された実施形態に関連して上記されたのと同じ要素及び特徴部の多くを共有している。したがって、図2〜図3及び図7の図示された実施形態の要素及び特徴部に対応する要素及び特徴部は、1000シリーズにおいて同じ参照番号が提供される。図14に図示される実施形態の特徴部及び要素(並びに特徴部及び要素の代替)をより完全に説明するために、図2〜図3及び図7に関してなされた上記説明を参照する。試料調製及び分析システム1005では、図2〜図13において図示された、前述の試料調製システム100、200、300、400、500、600、700のいずれかを採用することができる。試料調製システム1000は一例としてのみ示されており、限定されることを意図しない。
【0128】
図14に示されるように、試料調製システム1000は、第1のリザーバ1020を有する容器1002と、第2のリザーバ1022を有し、かつ第1のリザーバ1020の中に設置されるライナー1004と、蓋1006とを含む。液体組成物1014は、ライナー1004の第2のリザーバ1022の中に配置される。液体組成物1014は、ソース1012と希釈剤1013とを含む。フィルタ1034で液体組成物1014をろ過してろ液1016を形成するために、第2のリザーバ1022はフィルタ1034と液体連通している。
【0129】
試料検出システム1050は、蓋1006のポート1032に連結された試料デリバリーシステム1003を介して、試料調製システム1000に連結される。ポート1032を採用する実施形態では、試料デリバリーシステム1003又は試料検出システム1050の少なくとも一部分は、ポート1032の中に受容されるように寸法付けられ得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、試料デリバリーシステム1003及び試料検出システム1050は、試料調製システム1000の開口に連結されることができ、ポートに連結される必要はない。ポート1032は、試料調製システム1000の中央長手方向軸に沿って設置されるが、他の構成の試料調製システム1000、試料デリバリーシステム1003、及び試料検出システム1050が可能である。他の構成は図15に示されており、以下に説明がなされる。
【0130】
試料デリバリーシステム1003は、試料調製システム1000と試料検出システム1050との間で流体連通して設置されて、試料調製システム1000から試料検出システム1050へと試料が動くのを制御する。詳細には、試料デリバリーシステム1003は、試料デリバリーシステム1003が試料調製システム1000の下流で、かつ試料検出システム1050の上流に設置されるように(流体が試料調製システム1000から試料検出システム1050に向かって移動する場合)、試料調製システム1000及び試料検出システム1050に流体で連結される。即ち、試料調製及び分析システム1005は、試料調製システム1000、試料検出システム1050、及び試料デリバリーシステム1003によって画定される流体通路1092を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、試料調製及び分析システム1005は試料デリバリーシステム1003を含まず、試料検出システム1050は、試料が試料デリバリーシステム1003を通って移動せずに、試料調製システム1000から試料検出システム1050へと流体通路に沿って移動することができるように、試料調製システム1000に直接又は間接的に連結される。このような実施形態では、流体通路は、試料調製システム1000と試料検出システム1050との間に設置される追加の連結装置又は導管によって更に画定されることができる。「実質的に」試料調製システム1000及び試料検出システム1050によって画定される流体通路1092は、そのような追加の連結具を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、複数の試料調製システム1000からの試料が、分析の前に(例えば、増菌、濃縮等の前後)一緒にプールされるように、複数の試料調製システム1000を同じ試料検出システム1050に連結し、かつ液体連通させることができる。
【0132】
試料デリバリーシステム1003が採用されるか否かに関わらず、試料調製及び分析システム1005は、ソースから試料を調製することができ、かつ分析のために試料を流体通路1092に沿って運搬することができる。試料調製システム1000と試料検出システム1050との間に流体通路1092を設けることで、試料は、試料調製システム1000から試料検出システム1050まで運搬される間に、環境に露出される必要がない。即ち、試料調製及び分析システム1005は、試料を試料調製及び分析システム1005から取り出さずに試料を調製及び分析することができる「閉鎖された」システムを提供することができる。これは、例えば、試料を入手した時からからそれらを分析する時まで無菌環境内に維持する必要がある試料の分析を簡略化するために有利であり得る。これは、例えば、無酸素環境で成長されかつ維持される必要がある嫌気性バクテリアの分析にとってもまた有利であり得る。これは、環境安全性に関して更に有利であり得る。例えば、試料調製及び分析システム1005は、有害である可能性があるソース、又はそのようなソースから調製される任意の試料とユーザが接触状態になるのを阻止しながら、有害である可能性があるソースを検査するために使用することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、「環境に暴露しない」という言い回し及びその派生語は、試料が調製から分析まで流体通路1092の中にとどまるように、(例えば、こぼれること又は汚染を防止するために)試料調製及び分析システム1005から試料を取り出さないことを指すが、試料調製及び分析システム1005が気体交換のために閉締されること、又は他の液体が試料調製及び分析システム1005の中に入ることができないことを必ずしも意味しない。
【0134】
用語「閉締」又は「閉鎖されたシステム」は、通常、4つのシナリオのうちの1つを含むことができる。(1)出ていく液体に対しては閉締であるが、気体(入ってくる又は出ていく)及び入ってくる液体に対しては開である。(2)液体(入ってくる又は出ていく)に対しては閉締であるが、気体(入ってくる又は出ていく)に対しては開である。(3)液体に対しては閉締であるが、気体放出(即ち、出ていく気体)は可能である。及び(4)全流体、液体、及び気体に対して閉締である。気体放出は、試料調製及び分析システム1005のバクテリアが気体を生成するとき、気体を発生させるソース1012と希釈剤1013との間で反応がおこるとき、攪拌プロセスが気体の蓄積を生成するとき、(例えば、嫌気性バクテリアのために無酸素環境を提供するために)試料調製及び分析システム1005中の雰囲気を置換するとき、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない様々な状態で必要な場合がある。
【0135】
いくつかの実施形態では、試料調製及び分析システム1005は、液体が試料調製及び分析システム1005の外に通過するのを阻止するために閉締されるが、試料調製及び分析システム1005の1つ以上の構成要素は、気体交換(即ち、システムの中へ又は外へ)を可能とすることができ、又は液体が試料調製及び分析システム1005に入れるようにすることができる。いくつかの実施形態では、試料調製及び分析システム1005は、液体が試料調製及び分析システム1005の中又は外に通過するのを阻止するために閉締されるが、試料調製及び分析システム1005の1つ以上の構成要素は、気体交換を可能とするために気体透過性である。いくつかの実施形態では、試料調製及び分析システム1005は、液体が試料調製及び分析システム1005の中又は外に通過するのを阻止し、かつ気体が試料調製及び分析システム1005に入るのも阻止するが、気体は、気体放出を可能にするために試料調製及び分析システム1005から出ることができる。いくつかの実施形態では、試料調製及び分析システム1005は完全に閉締され、全ての流体が試料調製及び分析システム1005中へ又は外へ通過するのを阻止する。試料調製及び分析システム1005は、検査するソース1012、使用する希釈剤1013、目的とする検体、必要な分析のタイプ等に応じて、所望のレベルの「閉締」を含むことができる。
【0136】
様々な方法で、試料を、流体通路1092に沿って試料調製システム1000から試料検出システム1050へと移動させることができる。いくつかの実施形態では、試料を流体通路1092に沿って試料検出システム1050まで移動させるために、試料調製及び分析システム1005を傾ける又は反転させる。いくつかの実施形態では、試料検出システム1050又は試料デリバリーシステム1003は、試料調製システム1000から試料を吸引する手段を含むことができる。例えば、試料調製システム1000に対して試料検出システム1050の中の圧力を低減するために、図14に図示される試料検出システム1050を(例えば、適切な弁調節で)締め付ける及び解放することができ、そうして、試料を試料調製システム1000から流体通路1092に沿って試料検出システム1050へと移動させる圧力差を設定する。
【0137】
いくつかの実施形態では、試料検出システム1050に対する試料調製システム1000の中の圧力を増加させることにより(即ち、圧力差を引き起こす)、試料を流体通路1092に沿って移動させることができる。これは、例えば、ライナー1004に圧力を印加することにより行うことができる。例えば、(例えば、容器1002の底部1027に形成された開口1024を介してライナー1004(例えば、ライナー1004の底部1026)にアクセスすることにより)ライナー1004の外部に正圧を印加することができ、第2のリザーバ1022の中の圧力は増加することができ、そうして試料を流体通路1092に沿って試料検出システム1050の中に移動させる。圧力は、手で、又は追加の装置(プランジャ等)を使用して手動で又は自動的に、ライナー1004の外部に印加され得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、ライナー1004の外部に正圧を印加する代わりに、ライナー1004の第2のリザーバ1022に負圧を印加することにより、試料調製システム1000と試料検出システム1050との間の圧力差を確立することができる。例えば、試料デリバリーシステム1003又は試料検出システム1050が試料調製システム1000から試料を吸引することができる実施形態では、試料が試料調製システム1000から移動して、第2のリザーバ1022の圧力が低減すると、ライナー1004は折り畳まれることができる。このような実施形態におけるライナー1004の折り畳みは、試料が流体通路1092に沿って試料検出システム1050へと移動するのを更に助けることができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、試料調製システム1000は容器1002を含まず、ライナー1004が、液体組成物1014を収容することができ、かつ分析の目的で試料を試料検出システム1050の中に移動させるために変形することができる、変形可能な自己支持形レセプタクル1004、として機能する。例えば、いくつかの実施形態では、試料調製及び分析システム1005は、図9に図示される試料調製システム600を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、試料検出システム1050、又はその一部分は、使い捨てであり、試料調製システム1000のあらゆる使い捨て部分と一緒に廃棄することができる。例えば、図14に図示される実施形態では、蓋1006及びライナー1004は使い捨てであることができ、容器1002は再利用されることができる。結果を出した後の試料検出システム1050は、蓋1006及び/又はライナー1004と一緒に廃棄されることができる。いくつかの実施形態では、試料検出システム1050の一部分は、試料調製システム1000の使い捨て部分と共に廃棄することができ、試料検出システム1050の一部分は再利用することができる。
【0141】
試料検出システム1050は、微生物学的アッセイ、生化学的アッセイ(例えば、イムノアッセイ)、又はその組み合わせを含むが、それらに限定されない、検体を同定及び/又は定量化する様々な分析手法を実行することができる。上述のように、試料の特徴を検出することにより、目的とする検体を同定及び/又は定量化することができる。そのような特徴には、色変化、蛍光、発光、濁度、電気伝導率、電圧変化、光吸収、光透過率、pH、物理相の変化、及びそれらの組み合わせが挙げることができるが、それらに限定されない。試料検出システム1050を、上記特徴の1つ以上を検出するように適合させることができる。
【0142】
試料検出システム1050は、様々な分析手法を実行するのに必要な分析又はアッセイ装置を含むことができる。試料検出システム1050は、側方流動装置、膜又はストリップ(例えば、ラピッドチェック(RAPIDCHECK)(登録商標)ストリップ(ストラテジック・ダイアグノスティックス社(Strategic Diagnotics, Inc.)、デラウェア州ニューアーク(Newark, DE))、等温増幅(例えば、TMA)に関する化学(例えば、ペレット化)、光学装置(例えば、分光光度観察に好適なキュベット)、DNA(例えば、オリゴヌクレオチド)分子プローブ、RNA(例えば、オリゴヌクレオチド)分子プローブ、ATP検出装置、培養装置(例えば、寒天及び/又3M(商標)ペトリフィルム(商標)プレートを含む)、蛍光検出器、発光検出器、凝集装置、増幅装置(例えば、PCR)、及びそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0143】
更に、試料検出システム1050は、蛍光指示薬、発色指示薬、電気化学試薬、凝集試薬、検体特異的結合剤、増幅剤、酵素、触媒、フォトクロミック剤、誘電組成物、検体特異的レポータ、酵素結合抗体プローブ、DNAプローブ、RNAプローブ、蛍光ビーズ、及びリン光ビーズを含むが、それらに限定されない様々な指示薬又は試薬を含むことができる、又はこれらを検出するように適合されることができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、試料デリバリーシステム1003は、試料調製システム1000から試料検出システム1050への流体の流れを制御する弁1091を含む。例えば、図14に図示される弁1091は、流体を第1の方向Dに流すが、第1の方向と逆の第2の方向Dに流体が流れるのを阻止する逆止め弁である。詳細には、図14に図示される実施形態では、弁1091は、試料調製システム1000の蓋1006のポート1032に連結され、かつその中に部分的に受容される、一方向圧力作動弁1091である。弁1091は、蓋1006の開口部1054に連結され、かつフィルタ1034の内部(又は、フィルタ1034が使用されない場合には第2のリザーバ1022)と液体連通して設置される。弁1091は、第2のリザーバ1022と、流体通路1092の中のDの方向の下流に位置する試料調製システム1000の要素(例えば、試料検出システム1050)と、の間に十分な圧力差が確立されると、ろ液1016(又は、フィルタ1034が使用されない場合には液体組成物1014)を試料調製システム1000から取り出すことができるように適合される。即ち、弁1091の上流側に正圧を印加することにより、又は弁1091の下流側に負圧を印加することにより、弁1091を作動させることができる。
【0145】
十分な圧力差が確立されると、弁1091は、試料調製システム1000からどのようにろ液1016を分配するかを制御することができる。例えば、使用する弁1091の種類に応じて、連続流で、滴状で、又は別の好適な流れ構造で、ろ液1016を試料検出システム1050に入れることができる。弁1091は、試料検出システム1050の中に移動させる所望の体積流量を達成するために、所望の容積のろ液1016(例えば、ろ液1016の全て又は一部分を含むことができる試料)を試料調製システム1000から一度に取り出すように、ろ液1016の流れを更に制御することができる。
【0146】
図14に図示される一方向圧力作動弁1091は、スーパーバルブ(SUPRAVALVE)(商標)ダックビルチェック弁(スモール・パーツ社(Small Parts, Inc.)、フロリダ州マイアミレークス(Miami Lakes, FL))であり、上流圧力が最小限界圧力を超えると、又は下流圧力が最大限界圧力を下回ると、ダックビルを開かせて機能する。ダックビルの「フラップ」は、限界圧力が達成されるまで閉じたままとなる。
【0147】
試料デリバリーシステム1003、特に弁1091は、高分子材料、エラストマー材(例えば、合成又は天然)、金属(例えば、アルミニウム、ステンレススチール等)、セラミックス、ガラス、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない様々な材料で形成され得る。高分子材料の例には、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの組み合わせ等)、ポリカーボネート、アクリル樹脂類、ポリスチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、その他の好適な高分子材料、又はそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。弁1091は、ハウジングと内部部品(例えば、移動可能な内部部品)とを含むことができ、ハウジング及び内部部品は、同一材料又は異なる材料から形成されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、弁1091のハウジングはより硬質な材料で形成され、内部部品はエラストマー材で形成される。弁1091は、分析されるソースの種類、量、及びサイズに応じて、任意の好適なサイズであることができる。
【0148】
一方向圧力作動弁1091は一例としてのみ示されかつ説明がなされているが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な弁を試料デリバリーシステム1003において採用することができることは当業者には理解されよう。例えば、試料デリバリーシステム1003(又は弁1091)は、様々な手動又は自動弁、電子圧力変換器、他の種類の逆止め弁(例えば、ボール逆止め弁、ダイヤフラム逆止め弁、スイング逆止め弁、停止逆止め弁、リフト逆止め弁等)、ストップコック弁、バタフライ弁、絞り弁、定容量絞り弁、タイマー弁、その他の一方向弁などの他の種類の弁、その他の好適な弁、及びそれらの組み合わせ、などの他の種類の弁を含むことができる。
【0149】
更に、いくつかの実施形態では、試料デリバリーシステム1003は、別の物体又は装置で作動させることができる弁を含むことができる。例えば、試料デリバリーシステム803は、試料検出システム1050などの別の物体又は装置によって開位置に移動させることができる可動部分(例えば、単一ゲート、二重ゲート、ディスク、ダイヤフラム、ボール等)を有する弁を含むことができる。このような実施形態では、試料デリバリーシステム1003は追加の装置を含むことができ、又はこの追加の装置は別個の装置(例えば、試料検出システム1050)の部品であることができる。
【0150】
更に、いくつかの実施形態では、試料デリバリーシステム1003は、可動部分を有するのではなく、試料調製システム1000のポート1032に連結される、徐々に減少する断面積を有する先端などの制限された開口部を有する弁、を含むことができる。このような実施形態では、ろ液1016(又は液体組成物1014)は、ろ液1016を制限された開口部の外へ押し出すために、(例えば、ライナー1004に圧力を印加することにより)ライナー1004の第2のリザーバ1022の中に十分な圧力が確立されるまで、制限された開口部を通過することができない。
【0151】
試料デリバリーシステム1003、又はその一部分は、採用される場合は、試料調製システム1000及び/又は試料検出システム1050のあらゆる使い捨て部分と共に使い捨てであることができる。例えば、図14に図示される実施形態では、試料デリバリーシステム1003及び試料検出システム1050は、試料調製システム1000の蓋1006及びライナー1004と共に廃棄されることができ、容器1002は再利利用されることができる。いくつかの実施形態では、試料デリバリーシステム1003の一部分は使い捨てであり、試料デリバリーシステム1003の一部分は再利用可能である。
【0152】
いくつかの実施形態では、試料検出システム1050及び試料デリバリーシステム1003の一方又は両方を、試料調製システム1000に取り外し可能連結することができる。例えば、試料検出システム1050を別の場所(例えば、試料検出システム1050によって得た結果を読み取って、その結果をデータとして格納する自動読み取り機)まで運搬する必要がある場合は、試料調製システム1000及び試料デリバリーシステム1003の一方又は両方を伴わずに試料検出システム1050を運搬することができる。
【0153】
図15は、本開示の別の実施形態による試料調製及び分析システム1105を図示しており、同様の符号は同様の要素を表している。試料調製及び分析システム1105は、図14の図示された実施形態に関連して上記されたのと同じ要素及び特徴部の多くを共有している。したがって図14の図示された実施形態の要素及び特徴部に対応する要素及び特徴部は、1100シリーズにおいて同じ参照番号が提供される。図15に図示される実施形態の特徴部及び要素(並びに特徴部及び要素の代替)をより完全に説明するために、図14に関してなされた上記説明を参照する。
【0154】
試料調製及び分析システム1105は、試料調製システム1100と、試料検出システム1150と、試料デリバリーシステム1103とを含み、試料検出システム1150及び試料デリバリーシステム1103は、試料調製システム1100に連結されて液体連通する。試料調製システム1100は、容器1102の第1のリザーバ1120の中に配置されるライナー1104と、ライナー1104の第2のリザーバ1122の中に配置される液体組成物1114とを含む。液体組成物1114は、ソース1112と希釈剤1113とを含む。第2のリザーバ1122はフィルタ1134と液体連通し、液体組成物1114をフィルタ1134によってろ過してろ液1116を形成する。
【0155】
試料検出システム1150は、試料デリバリーシステム1103を介して試料調製システム1100に連結され、試料デリバリーシステム1103は、軸外開口1158を介して試料調製システム1100の蓋1106に連結される。試料デリバリーシステム1103は、ライナー1104の第2のリザーバ1122、及びフィルタ1134と液体連通して設置される弁1191を含む。
【0156】
図15に示されるように、(例えば、容器1102の底部1127に形成された開口1124を介してライナー1104(例えば、ライナー1104の底部1126)にアクセスすることにより)ライナー1104の外部に正圧が印加されて、第2のリザーバ1122の中の圧力が閾値を超えると、試料デリバリーシステム1103の中の弁1191が開き、ろ液1116の試料1118(又はフィルタ1134が使用されない場合、液体組成物1114)は、試料デリバリーシステム1103を介して試料調製システム1100から出て、試料検出システム1150の中に運ばれる。正圧は、手で、若しくは手動で、又は追加の装置(例えばプランジャ)を使用して自動で、ライナー1104の外部に印加され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、弁1191を開くのに必要な圧力差は、ライナー1104の外部に正圧を印加する代わりに、例えば、試料調製システム1100から試料1118を吸引する試料検出システム1150を使用して、ライナー1104の第2のリザーバ1122に負圧を印加することにより(即ち、弁1191の下流側に負圧を印加することにより)、確立することができる。いくつかの実施形態では、例えば、試料検出システム1150の出口側に真空源を連結することにより、ライナー1104の第2のリザーバ1122に負圧(又は真空)を印加することができる。試料デリバリーシステム1103を採用する実施形態では、真空源によってもたらされる圧力差は、弁1191を開くように作動させて、少なくとも試料1118を第2のリザーバ1122から試料検出システム1150へと移動させることができる。真空源には、減圧を作り出す機械的ポンプ、又は手動ポンプ(例えば、シリンジとプランジャの組み合わせ)、及びそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0158】
いくつかの実施形態では、弁1191を開かせる圧力差は、弁1191の上流側の多量の液体によって確立することができる。例えば、液体組成物1114又はろ液1116は、弁1191を開かせるのに十分な圧力(例えば、試料調製システム1100又は試料調製及び分析システム1105が傾けられた又は反転された場合の上部圧力)をもたらすことができる。
【0159】
図14〜図15に図示されかつ上述された弁1091及び1191に加え、又はそれらの代わりに、試料を試料調製システムから試料検出システムへと移動させるために、様々な弁及び/又は容積計量装置を本開示の試料デリバリーシステムにおいて採用することができる。図16A〜図19Bは、様々な種類の容積計量装置を含む本開示の試料デリバリーシステムの様々な実施形態を示している。図16A〜図19Bは、本開示の試料デリバリーシステムの様々な実施形態の概略図である。しかしながら、図14〜図15に示される試料調製及び分析システム1005及び1105は、それぞれ、図16A〜図19Bに図示され、かつ以下に記載される試料デリバリーシステムの特徴部のいずれか又は全てを採用することができることを、当業者は理解されよう。
【0160】
図16A〜図16Cは、本開示の実施形態による試料デリバリーシステム1203を図示している。試料デリバリーシステム1203は二重弁容積計量システムを含み、かつ入口1202(例えば、試料調製システムに連結されて液体連通する)と、第2の弁1206から離間され、該弁と直列に配置され、かつ該弁と液体連通する第1の弁1204と、出口1208(例えば、試料検出システムと液体連通する)とを含む。導管1210の区域は、第1の弁1204と第2の弁1206とを分離し、かつ、通常は第1の弁1204と第2の弁1206との間の距離D(即ち、第1の弁1204と第2の弁1206との間の導管1210の長さ)、及び導管1210の断面積Aに依存する容積Vを画定する。
【0161】
第1の弁1204及び第2の弁1206のそれぞれは、四分の一回転弁であり、詳しくは、ボール弁である。各弁1204、1206は、開状態と閉状態とを有し、かつ、開状態と閉状態の間を移行するためにそれぞれ軸S、Tを中心に回転可能なボール1205、1207を含む。各ボール1205、1207は、チャネル1209、1211を含み、チャネル1209、1211がそれぞれの弁1204、1206の両末端部と一致する(即ち、入口1202及び出口1208と一致する)ようにボール1205、1207が回転すると、流れが発生する。弁1204、1206のそれぞれのボール1205、1207は軸S、Tを中心に90℃(即ち、四分の一回転)回転して、弁1204、1206を開状態から閉状態へ変化させることができ、逆もまた同様である。
【0162】
図16A〜図16Cに示されるように、第1及び第2の弁1204、1206はそれぞれ、フルポートボール弁であり、かつ、チャネル1209、1211が、入口1202、導管1210、及び出口1208と同じ断面サイズを有するように、それぞれが特大のボール1205、1207を含む。この構成は、摩擦損失を最小にし、かつ、弁1204及び1206を介した無制限の流れを可能にする。しかしながら、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の種類の四分の一回転弁又は別の種類のボール弁など、他の種類の好適な弁を採用することができる。また、第1及び第2の弁1204、1206は四分の一回転弁である必要はない。即ち、いくつかの実施形態では、弁1204、1206を開状態と閉状態の間で変化させるために、第1及び第2の弁1204、1206を一度に90度未満又は90度を超えて移動させることができる。
【0163】
図16A〜図16Cは、試料調製システムから試料検出システムへと移動するろ液(又は液体組成物)の特定容積Vを計量するために試料デリバリーシステム1203を使用するプロセスを順次図示している。
【0164】
図16Aは、ろ液(即ち、試料)の容積Vが入口1202を介して導管1210に入れるようにするために、開状態(即ち、ボール1205のチャネル1209が口1202及び導管1210と一致している)にある第1の弁1204、及び閉状態(即ち、チャネル1211が導管1210及び出口1208と一致していない、例えば、これらと垂直である)にある第2の弁1206を示している。図16Bは、閉状態(即ち、ボール1205を軸Sを中心に時計回り又は時計と反対方向に90度回転させた後)にある第1の弁1204、及びなお閉状態にある第2の弁1206を示しており、ろ液の容積Vは導管1210の中に存在している。最後に、図16Cは、閉状態にある第1の弁1204、及び開状態(即ち、ボール1207を軸Tを中心に時計回り又は時計と反対方向に90度回転させた後)にある第2の弁1206を図示しており、ろ液の所望の容積Vを出口1208を介して試料デリバリーシステム1203から出すことができる。
【0165】
図17A〜図17Cは、本開示の別の実施形態による試料デリバリーシステム1303を図示している。試料デリバリーシステム1303は二重弁容積計量システムを含み、かつ、(例えば、試料調製システムと連結している及び液体連通する)入口1302と、第2の弁1306から離間され、該弁と直列に配置され、かつ該弁と液体連通する第1の弁1304と、(例えば、試料検出システムと液体連通する)出口1308とを含む。導管1310の区域は、第1の弁1304と第2の弁1306とを分離し、かつ、通常は第1の弁1304と第2の弁1306との間の距離D(即ち、第1の弁1304と第2の弁1306との間の導管1310の長さ)、及び導管1310の断面積Aに依存する容積Vを画定する。
【0166】
試料デリバリーシステム1303は、互いに対して平行かつ摺動自在に配置される第1の側部1312と第2の側部1314とを含む。図17A〜図17Cに図示される実施形態では、第2の側部1314は固定されて示されており、第1の側部1312は、第2の側部1314に対して摺動自在(即ち、図17A〜図17Cの頁の平面内を上下する)に示されている。入口1302及び出口1308は第1の側部1312の中に配置され、第1及び第2の弁1304及び1306を分離する導管1310は、第2の側部1314の中に配置される。各弁1304、1306はゲート弁であり、それぞれの弁1304、1306を開状態と閉状態の間で変化させるために、開状態と閉状態の間で摺動自在なゲート1305、1307をそれぞれ含む。ゲート1305及び1307は、第1の側部1312が第2の側部1314に対して移動すると(又は、第1及び第2の側部1312及び1314が互いに対して移動すると)摺動する。
【0167】
図17A〜図17Cは、試料調製システムから試料検出システムへと移動するろ液(又は液体組成物)の特定容積Vを計量するために試料デリバリーシステム1303を使用するプロセスを順次図示している。
【0168】
図17Aは、ろ液(即ち、試料)の容積Vが入口1302を介して導管1310に入れるようにするために、開状態にある第1の弁1304、及び閉状態にある第2の弁1306を示している。詳しくは、ろ液の試料は、入口1302を介して試料デリバリーシステム1303の第1の側部1312に入り、開いている第1の弁1304を介して第1の側部131から第2の側部1314へと移動して、導管1310の中に入る。図17Bは、閉状態にある第1の弁1304を示し、第2の弁1306はなお閉状態にあり(即ち、第1の側部1312は第2の側部1314に対して下向きに揺動して、ゲート1307を閉位置に維持した状態で、ゲート1305を閉位置に揺動させている)、ろ液の容積Vは導管1310の中に存在している。最後に、図17Cは、閉状態にある第1の弁1304、及び開状態にある第2の弁1306を示し(即ち、第1の側部1312は、第2の側部1314に対して更に下向き揺動して、ゲート1305を閉位置に維持した状態で、ゲート1307を開位置に揺動させている)、ろ液の所望の容積Vを出口1308を介して試料デリバリーシステム1303から出すことができる。
【0169】
図18A〜図18Cは、本開示の実施形態による試料デリバリーシステム1403を図示している。試料デリバリーシステム1403は、単一弁の容積計量システムを含み、かつ、(例えば、試料調製システムと連結して液体連通する)入口1402と、弁1404と、(例えば、試料検出システムと液体連通する)出口1408とを含む。
【0170】
弁1404はボール弁である。弁1404は、弁1404が入口1402に向かって開いている第1の開状態と、弁1404が出口1408に向かって開いている第2の開状態の2つの開状態と、閉状態とを有する。弁1404は、軸Xを中心に回転して2つの開状態と閉状態との間を移行するボール1405を含む。ボール1405は、ボール1405のほぼ球形の内部1411に流体で連結され、チャネル1409が入口1402又は出口1408のいずれかと一致するようにボール1405が回転されると、ボール1405の中へ又はボール1405の外への流れが発生する。ボール1405のチャネル1409及び内部1411はともに、入口1402から出口1408までの計量可能な容積Vを画定する。弁1404を第1の開状態から閉状態に変化させるため(逆もまた同様)、及び第1の開状態から第2の開状態に変化させるため(逆もまた同様)に、ボール1405を軸Xを中心に90度回転させる(即ち、四分の一回転)ことができる。図18A〜図18Cに図示される実施形態では、弁1404は四分の一回転弁であるが、弁1404は、2つの開状態の間、又は開状態と閉状態とを変化させるために、90度未満又は90度を超えて移動するように構成することができることを理解すべきである。
【0171】
図18A〜図18Cは、試料調製システムから試料検出システムへと移動するろ液(又は液体組成物)の特定容積Vを計量するために試料デリバリーシステム1403を使用するプロセスを順次図示している。
【0172】
図18Aは、ろ液(即ち、試料)の容積Vが入口1402を介してボール1405の内部1411に入れるようにするために、第1の開状態(即ち、ボール1405のチャネル1409が入口1402と一致している)にある弁1404を示している。図18Bは、閉状態(即ち、ボール1405を軸Xを中心に時計回り又は時計と反対方向に90度回転させた後)にある弁1404を示しており、ろ液の容積Vはボール1405の中に存在している。最後に、図18Cは、第2の開状態(即ち、ボール1405を軸Xを中心に同じ方に更に90度回転させた後)にある弁1404を示しており、ろ液の所望の容積Vを出口1408を介して試料デリバリーシステム1403から出すことができる。
【0173】
図19A〜図19Bは、本開示の別の実施形態による試料調製及び分析システム1605を概略的に図示している。試料調製及び分析システム1605は、試料調製システム1600と、試料デリバリーシステム1603を介して試料調製システム1600に連結されて液体連通する試料検出システム1650とを含む。試料デリバリーシステム1603は、試料調製システム1600及び試料検出システム1650に連結されて液体連通する二重弁容積計量システムを含む。
【0174】
試料デリバリーシステム1603は、第1の一方向弁1604と、導管1610と、第1の一方向弁1604と直列に配置され、かつ該弁と液体連通する第2の一方向弁1606とを含む。第1の弁1604は、流体を試料調製システム1600から導管1610の中に移動させることができるように構成されるが、流体が導管1610から試料調製システム1600の中に流れるのを阻止する。第2の弁1606は、流体を導管1610から試料検出システム1650へと移動させることができるように構成されるが、流体が試料検出システム1650から導管1610の中に流れるのを阻止する。導管1610は、試料調製システム1600から計量され、試料デリバリーシステム1603の中に保持されて、その後試料検出システム1650に運ばれることができるろ液の容積Vを画定する。一例としてのみ、導管1610は、概ね平行六面体形状を有するものとして、詳しくは、直角プリズムとして示されている。しかしながら、第1の弁1604と第2の弁1606との間に容積測定空間を画定するために、様々な好適な三次元形状を使用することができることを、当業者は理解すべきである。
【0175】
第1及び第2の弁1604及び1606のそれぞれは、様々な弁のいずれかを含むことができるが、一例としてのみ、クラッパー逆止め弁が概略的に示されている。各弁1604、1606は、開状態と閉状態とを有し、かつ、閾値である上流クラッキング圧を超えるとヒンジ1613、1615を中心に旋回する、ゲート1607、1609を含む。あるいは、第1及び第2の弁1604及び1606は、閾値のクラッキング圧よりはむしろ重力によって作動させることができる。試料デリバリーシステム1603に入る及びそこから出る流量を制御するために、その他の逆止め弁(例えば、ボール逆止め弁、ダックビルチェック弁、ダイヤフラム逆止め弁、スイング逆止め弁、停止逆止め弁、リフト逆止め弁等)、その他の好適な弁、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない様々な弁を、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、第1及び第2の弁1604及び1606として使用することができることは、当業者には理解されよう。更に、第1の弁1604及び第2の弁1606に同じ種類の弁を使用する必要はなく、試料デリバリーシステム1603においては、弁の種類の組み合わせを採用することができる。
【0176】
図19A〜図19Bは、試料調製システム1600から試料検出システム1650へと移動するろ液(又は液体組成物)の特定容積Vを計量するために試料デリバリーシステム1603を使用するプロセスを順次図示している。
【0177】
図19Aは、開状態(即ち、弁1604の上流の圧力が閾値のクラッキング圧を超えたために、ゲート1607がヒンジ1613を中心に開位置へと回転した)にある第1の弁1604を示し、第2の弁1606は閉状態(即ち、第2の弁1606に関しては導管1610の中の圧力は閾値のクラッキング圧を超えていないので、ゲート1609は閉位置にとどまっている)にあり、ろ液(即ち、試料)の容積Vを導管1610に入れることができる。
【0178】
図19Bは、逆さにされた後であり、かつ、ろ液の試料を導管1610に入れた後の試料調製及び分析システム1605を示している。第1の弁1604は閉状態(即ち、上流の圧力が閾値のクラッキング圧を下回ったのに応答して、ゲート1607がヒンジ1613を中心に旋回して閉位置に戻った)にあり、第2の弁1606は開状態(即ち、導管1610の中の圧力が閾値のクラッキング圧を超えたので、ゲート1609がヒンジ1615を中心に開位置に旋回した)にあり、その結果、ろ液の所望の容積Vを、試料デリバリーシステム1603から出して試料検出システム1650の中に移動させることができる。
【0179】
上述のように、図16A〜図19Bは、本開示による試料デリバリーシステムの様々な実施形態の略図である。試料デリバリーシステム1203、1303、1403、1603を適切に機能させるためには、他の要素又は修正が必要な場合がある。例えば、液体を入れるためにあらゆる閉じ込められた空気(又はその他の気体)を解放させるために、導管1210、1310、1610(若しくはボール1405の内部1411)、又はそれぞれの試料デリバリーシステムの任意の他の部分に、圧力解放ベント、弁、又はその他同様の装置を加えることを含む、そのような要素又は修正を、当業者は理解するであろう。このような弁と又は弁は、液体が出て行くのを阻止した状態で気体を出すことができるように構成されることができる(又はそのように構成された別の装置に連結されることができる)(例えば、エアーロック又は別の同様に機能する装置)。
【0180】
本明細書に記載された試料調製システム100、200、300、400、500、600、700、1000、1100、及び1600のいずれか、試料デリバリーシステム1003、1103、1203、1303、1403、及び1603のいずれか、並びにそれらの部分及び組み合わせを含む、試料調製及び分析システム1005、1105、1605のいずれかを一緒に使用して、上述された、及び図1に図示された試料調製及び分析方法10に概ね従って、試料を調製する、分析する、及び任意に運ぶことができる。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されたある試料調製システムからの様々な構成要素を、本明細書に記載された別の試料調製システムからの他の構成要素と組み合わせて使用することができることもまた、当業者には理解されよう。例えば、試料調製システム1000では、ライナー1004に換えてレセプタクル604を使用することができる。同様に、ある試料調製及び分析システムからの様々な構成要素を、別の試料調製及び分析システムからの他の構成要素と組み合わせて使用することができ、ある試料デリバリーシステムからの様々な構成要素を、別の試料デリバリーシステムからの他の構成要素と組み合わせて使用することができ、ある試料検出システムからの様々な構成要素を、別の試料検出システムからの他の構成要素と組み合わせて使用することができる。例示的な方法を、図14の試料調製及び分析システム1005を使用してここに詳細に説明する。
【0181】
ソース1012及び希釈剤1013を、ライナー1004の第2のリザーバ1022に添加し、かつ組み合わせて、液体組成物1014を形成することができる。蓋1006は、ライナー1004が容器1002の中に設置される前、又は後に、ライナー1004と連結することができる。試料調製システム1000の構成要素を互いに更に固定するために、カラー(図示せず)を容器1002に連結することができ、カバー(図示せず)を使用して蓋の開口部1054を閉締することができる。
【0182】
ソース1012と希釈剤1013とを混合し、かつ希釈剤1013にソース1012を溶解、分散、懸濁、及び/又は乳化するために、液体組成物1014を撹拌することができる。攪拌は、上記プロセスのいずれかを含んでもよく、例えば、直線、円軌道、楕円軌道、ランダムな軌道、これらの組み合わせ、又はソース1012と希釈剤1013の有効かつ効率的な混合を確実にためのするその他の手段であることができる。液体組成物1014の流出、及び/又は損失を最小限にするために、攪拌中に、クランプ又は他の方法によって試料調製システム1000を固定してもよい。
【0183】
いくつかの実施形態では、試料調製及び分析システム1005をバレルモデル75手首運動型振盪機(Burell Model 75 Wrist Action Shaker)(バレル・サイエンティフィック(Burrell Scientific)、ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburgh, PA))に連結し、周波数10〜2000サイクル/分で、及びいくつかの実施形態では、200〜500サイクル/分で、選択された継続時間の間撹拌することにより、液体組成物1014を撹拌することができる。いくつかの実施形態では、シェーカーアームから5cm〜50cm、いくつかの実施形態では、10cm〜20cmの距離に試料調製及び分析システム1005を取り付けることができる。いくつかの実施形態では、試料調製及び分析システム1005は、5度〜30度、いくつかの実施形態では、15度〜20度の弧を描くことが可能である。液体組成物1014は、少なくとも10秒、いくつかのの実施形態では少なくとも15秒、いくつかのの実施形態では少なくとも30秒、いくつかのの実施形態では少なくとも40秒、いくつかのの実施形態では少なくとも60秒攪拌することができる。いくつかのの実施形態では、液体組成物1014は、最大で15分、いくつかのの実施形態では最大で10分、いくつかのの実施形態では最大で5分、及びいくつかのの実施形態では最大で3分攪拌することができる。
【0184】
いくつかのの実施形態では、液体組成物1014は、選択された持続時間で、200rpm〜5000rpm、及びいくつかのの実施形態では1000rpm〜3000rpmの攪拌周波数で、VX−2500マルチチューブ・ボルテクサ(VX-2500 Multi-Tube Vortexer)(ペンシルバニア州ウエストチェスター(West Chester, PA)のVWRサイエンティフィック・プロダクツ(VWR Scientific Products))を用いて攪拌することができる。攪拌軌道は、直線、円、楕円、ランダム、又はそれらの組み合わせであることができる。いくつかのの実施形態では、楕円は、0.25cm〜5cmであり、いくつかのの実施形態では、1cm〜3cmである。
【0185】
複数の試料調製及び分析システムは、プレート、アーム、又は他の装置の上に定置されて、その後の攪拌のために重力、クランプ、又は他の手段によって固定されることにより、同時に攪拌され得る。例えば、単一撹拌装置、又は複数の攪拌機装置の上で、いくつかの実施形態では、約1〜約50の試料調製及び分析システムが同時に撹拌され、いくつかの実施形態では、約10〜約25の試料調製及び分析システムが同時に撹拌される。
【0186】
いくつかの実施形態では、上記のふさがれていない使用可能な開口のいずれかを介して挿入することができるシャフト及び攪拌ブレードを有する機械的攪拌器を追加することによって、液体組成物1014を撹拌することができる。希釈剤1013の中のソース1012を粉砕する及び/又は分散して、ソース1012から目的の検体を離するのを助けるために、液体組成物1014の攪拌は、鋼球ベアリング、磁気攪拌バー、ブレード、及び他の手段で更に達成されてもよい。上記に記載される攪拌方法は、一例として挙げられるに過ぎず、限定することを意図したものではない。当業者は、他の類似の攪拌方法を採用できることを理解するであろう。
【0187】
フィルタ1034を使用して液体組成物1014をろ過して、希釈剤1013と、フィルタ1034を通過できるほど小さい又は希釈剤1013に溶解される目的とする任意の検体(存在する場合)と、を含む、フィルタ1034の中に配置される液1016を形成することができる。
【0188】
試料デリバリーシステム1003を使用する試料検出システム1050によって、ろ液1016の全て又は一部分(例えば、試料)を、分析の目的で、フィルタ1034の内部から取り出すことができる。詳細には、フィルタ1034を通して液体組成物1014を押し出すために、ろ液1016を試料デリバリーシステム1003の中に押し込むために、及び、弁1091のクラッキング圧を超えたときに、ろ液1016を試料デリバリーシステム1003から試料検出システム1050の中に流すために、試料デリバリーシステム1003を開くように動作させるために、ライナー1004を変形させる圧力差を確立することができる。上述のように、ライナー1004の外部(例えば、容器1002の底部1027の開口1024を介してライナー1004の底部1026に)正圧を印加することにより、又はライナー1004の内部に負圧を印加することにより(例えば、弁1091を介して)、圧力差を確立することができる。弁1091は、試料デリバリーシステム1003から試料検出システム1050までのろ液1016の流れ構造を更に制御することができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、第2のリザーバ1022の中の液体組成物1014のレベル1065は十分高いので、フィルタ1034は、一部は液体組成物1014のレベル1065よりも上方に、及び一部は下方に配置される。いくつかの実施形態では、液体組成物1014のレベル1065は、フィルタ1034が液体組成物1014のレベル1065よりも完全に上方に設置されるように、フィルタ1034の底よりも下方にある。このような実施形態では、液体組成物1014をフィルタ1034でろ過するために、試料調製及び分析システム1005を傾ける又は反転することができ、又は、液体組成物1014をフィルタ1034に通過させ(即ち、ろ液1016を形成する)、流体通路1092に沿って試料デリバリーシステム1003まで、最終的には分析の目的で試料検出システム1050まで進ませるために、ライナー1004に圧力を印加して、液体組成物1014のレベル1065を移動させることができる。例えば、ろ液1016は、流体通路1092の中を進み続けて、側方流動装置の共役パッドに接触することができる。
【0190】
試料調製及び分析システム1005の使用に関する上記説明は一例としてのみ記載されており、限定することを目的としていない。試料調製及び分析方法10に関する上記説明、及び上述の試料調製及び分析システムの様々な実施形態に基づき、当業者は、試料を調製しかつ分析するために本開示の試料調製及び分析システムを使用することができる様々な方法を理解すべきである。
【0191】
上記に記載され、例示され、図に示される実施形態は、例としてであり、本発明の概念及び原理において限定を意図したものではない。当然、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、要素における様々な変更及びその構成並びに配置が可能であることは、当技術分野に精通する者に容易に理解されるであろう。本発明の種々の特徴及び態様は、添付の請求項に定める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的とする検体用に試料を調製し、かつ該試料を分析するシステムにおいて、
試料調製システムであって、ソースと希釈剤とを含む液体組成物を収容するように適合されたリザーバ及び前記ソースを含む、変形可能な自己支持形レセプタクル、を含む試料調製システムと、
該試料調製システムに連結される試料検出システムであって、前記変形可能な自己支持形レセプタクルの前記リザーバと液体連通して設置され、前記目的とする検体用の前記液体組成物の試料を分析するように適合される試料検出システムと、並びに、
前記リザーバ及び前記試料検出システムによって少なくとも部分的に画定される流体通路と、を含むシステム。
【請求項2】
前記目的とする検体が、微生物、寄生生物、生体分子、化学物質、金属イオン、金属イオン含有錯体、及びそれらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ソースが前記希釈剤を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ソースが食物源及び非食物源の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記希釈剤が、界面活性剤、レオロジー剤、抗微生物中和剤、栄養素、成長抑制剤、pH緩衝剤、酵素、指標分子、滅菌水、有機溶媒、及びそれらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記目的とする検体が微生物を含み、前記希釈剤が、前記微生物を増菌させるように適合された増菌培地を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持形レセプタクルの内側表面に配置された増菌培地を更に含み、該増菌培地が少なくとも前記目的とする検体を成長させるように適合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記試料が前記液体組成物の少なくとも一部分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルが自立型である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記試料調製システムが自立型容器を更に含み、前記変形可能な自己支持形レセプタクルが前記自立型容器の中に受容されるように寸法付けされており、前記自立型容器が前記変形可能な自己支持形レセプタクルよりも剛性である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記自立型容器が、底部と該底部内に画定された開口とを含み、前記変形可能な自己支持形レセプタクルに前記開口を介してアクセス可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記試料調製システムが、前記リザーバと前記試料検出システムとの間で流体連通し、かつ前記液体組成物をろ過してろ液を形成するように適合されたフィルタを更に含み、前記試料が前記ろ液の少なくとも一部分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記フィルタがプランジャに連結され、該プランジャによって前記液体組成物の中を移動し、ろ液を形成するように適合される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持形レセプタクルを圧縮するように適合されるプランジャを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルが、アコーディオン型の形状を含む側壁を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持形レセプタクルに連結される蓋を更に含み、前記試料検出システムが前記蓋に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルが長手方向軸と側壁とを含み、該側壁が実質的に均一に実質的に前記長手方向軸に沿って折り畳まれるように適合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルが側壁を含み、該側壁が、少なくとも1つの折り目において前記側壁を折り畳むことができるように適合された少なくとも1つの前記折り目を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルが、前記リザーバが第1の容積を画定する第1の状態と、前記リザーバが前記第1の容積よりも小さい第2の容積を画定する第2の状態と、を有するように、折り畳まれるように適合された側壁を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記試料検出システムが側方流動装置を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記試料検出システムが、側方流動装置、RNA等温増幅に関する化学、光学装置、RNA分子プローブ、DNA分子プローブ、培養装置、ATP検出装置、凝集装置、増幅装置、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記試料検出システムが、前記試料の特徴を検出するように適合され、該特徴が色変化、蛍光、発光、濁度、電気伝導率、電圧変化、光吸収、光透過率、pH、物理相の変化、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記試料検出システムが、サルモネラ菌種、アシネトバクター種、ビブリオ種、リステリア・モノサイトゲネス、大腸菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター・ジェジュニ、緑膿菌、炭疽菌、セレウス菌、クロストリジウム・ディフィシル、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを検出するように適合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記試料検出システムが、ブドウ球菌外毒素、バチルス下痢原因毒素、クロストリジウム・ディフィシル毒素、アフラトキシン、ピーナッツアレルゲン、卵アレルゲン、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを検出するように適合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルの前記リザーバと、前記試料検出システムとの間に流体連通して配置される試料デリバリーシステムを更に含み、前記流体通路が前記試料デリバリーシステムによって更に画定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記試料デリバリーシステムが、前記リザーバと前記試料検出システムとの間の前記液体組成物の流れを制御するように適合される弁を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記弁が圧力によって作動する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記弁が容積計量装置の少なくとも一部分を形成する、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記試料デリバリーシステムが容積計量装置を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記容積計量装置が二重弁システムを含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記容積計量装置が直列に配置される複数の弁を含み、該複数の弁のそれぞれがボール弁又はゲート弁である、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記容積計量装置が単一ボール弁を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記容積計量装置が直列に配置された2つの一方向弁を含み、前記試料の所望の容積を第1の一方向弁を通って、所望の容積を有する導管の中へと通過させ、次に、該導管から第2の一方向弁を通過させる、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
目的とする検体用に試料を調製し、かつ該試料を分析するシステムにおいて、
試料調製システムであって、第1のリザーバを含む自立型容器、
該自立型容器の前記第1のリザーバの中に受容されるように寸法付けされ、第2のリザーバを含む変形可能な自己支持形レセプタクルであって、前記自立型容器が前記変形可能な自己支持形レセプタクルよりも剛性であり、前記第2のリザーバがソースと希釈剤とを含む液体組成物を収容するように適合される自己支持形レセプタクル、及び、
前記自立型容器及び前記変形可能な自己支持形レセプタクルのうちの少なくとも1つに連結されるように適合された蓋、を含む試料調製システムと、
該試料調製システムに連結される試料検出システムであって、前記変形可能な自己支持形レセプタクルの前記第2のリザーバと液体連通して設置され、前記目的とする検体用の前記液体組成物の試料を分析するように適合される、試料検出システムと、並びに、
前記第2のリザーバ及び前記試料検出システムによって少なくとも部分的に画定される流体通路と、を含む、システム。
【請求項35】
前記試料が、前記液体組成物の少なくとも一部分を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルが自立型である、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
前記試料検出システムが、前記試料調製システムの前記蓋に連結される、請求項34に記載のシステム。
【請求項38】
前記自立型容器が、底部と該底部内に画定された開口とを含み、前記変形可能な自己支持形レセプタクルに前記開口を介してアクセス可能である、請求項34に記載のシステム。
【請求項39】
前記試料調製システムが、前記第2のリザーバと前記試料検出システムとの間で液体連通し、かつ前記液体組成物をろ過してろ液を形成するように適合されたフィルタを更に含み、前記試料が前記ろ液の少なくとも一部分を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項40】
前記試料調製システムがプランジャを更に含み、該プランジャの少なくとも一部分が、前記第1のリザーバの中に受容され、前記変形可能な自己支持形レセプタクルを圧縮するように寸法付けられている、請求項34に記載のシステム。
【請求項41】
前記試料調製システムが、前記蓋に連結されるように適合されたカバーを更に含み、前記蓋及び前記カバーのうちの少なくとも一つが脆弱なバリアを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項42】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルが長手方向軸と側壁とを含み、該側壁が、実質的に前記長手方向軸に沿って折り畳まれるように適合される、請求項34に記載のシステム。
【請求項43】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルが側壁を含み、該側壁が前記側壁を折り畳むように適合される少なくとも1つの折り目を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項44】
前記試料検出システムが側方流動装置を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項45】
前記試料検出システムが、側方流動装置、RNA等温増幅に関する化学、光学装置、RNA分子プローブ、DNA分子プローブ、培養装置、ATP検出装置、凝集装置、増幅装置、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項46】
前記試料検出システムが、前記試料の特徴を検出するように適合され、該特徴が、色変化、蛍光、発光、濁度、電気伝導率、電圧変化、光吸収、光透過率、pH、物理相の変化、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項47】
前記試料検出システムが、サルモネラ菌種、アシネトバクター種、ビブリオ種、リステリア・モノサイトゲネス、大腸菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター・ジェジュニ、緑膿菌、炭疽菌、セレウス菌、クロストリジウム・ディフィシル、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを検出するように適合される、請求項34に記載のシステム。
【請求項48】
前記試料検出システムが、ブドウ球菌外毒素、バチルス下痢原因毒素、クロストリジウム・ディフィシル毒素、アフラトキシン、ピーナッツアレルゲン、卵アレルゲン、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを検出するように適合される、請求項34に記載のシステム。
【請求項49】
前記第2のリザーバと前記試料検出システムとの間に流体連通して設置される試料デリバリーシステムを更に含み、前記流体通路が前記試料デリバリーシステムによって更に画定され、前記試料デリバリーシステムが、前記試料調製システムから前記試料検出システムへの前記試料の移動を制御するように適合される、請求項34に記載のシステム。
【請求項50】
前記試料デリバリーシステムが、前記第2のリザーバと前記試料検出システムとの間の前記液体組成物の流れを制御するように適合された弁を含む、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記弁が圧力によって作動する、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記弁が容積計量装置の少なくとも一部分を形成する、請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記試料デリバリーシステムが容積計量装置を含む、請求項49に記載のシステム。
【請求項54】
目的とする検体用に試料を調製し、かつ該試料を分析する方法であって、
ソースと希釈剤とを含む液体組成物を提供する工程と、
リザーバを含む変形可能な自己支持形レセプタクルを含む試料調製システムを提供する工程と、
該試料調製システムに連結され、かつ前記リザーバと液体連通する試料検出システムを提供する工程と、
前記リザーバ及び前記試料検出システムによって少なくとも部分的に画定された流体通路を提供する工程と、
前記液体組成物を前記リザーバの中に配置する工程と、
前記変形可能な自己支持形レセプタクルに圧力を印加し、前記流体通路の中の前記液体組成物の試料を前記試料検出システムへと移動させる工程と、
前記目的とする検体用の前記試料を前記試料検出システムによって分析する工程と、を含む方法。
【請求項55】
前記目的とする検体が、微生物、寄生生物、生体分子、化学物質、金属イオン、金属イオン含有錯体、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記ソースが前記希釈剤を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記ソースが食物源及び非食物源のうちの少なくとも1つを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記希釈剤が、界面活性剤、レオロジー剤、抗微生物中和剤、増菌培地、pH緩衝剤、酵素、指標分子、滅菌水、有機溶媒、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記試料が前記液体組成物の少なくとも一部分を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
前記リザーバの中の前記液体組成物を撹拌する工程を更に含む、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
試料検出システムを提供する工程が、側方流動装置、RNA等温増幅に関する化学、光学装置、RNA分子プローブ、DNA分子プローブ、培養装置、ATP検出装置、凝集装置、増幅装置、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを提供する工程を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項62】
前記目的とする検体用の前記試料を分析する工程が、前記試料検出システムを使用して前記試料の特徴を検出する工程を含み、前記特徴が、色変化、蛍光、発光、濁度、電気伝導率、電圧変化、光吸収、光透過率、pH、物理相の変化、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記目的とする検体用の前記試料を分析する工程が、サルモネラ菌種、アシネトバクター種、ビブリオ種、リステリア・モノサイトゲネス、大腸菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター・ジェジュニ、緑膿菌、炭疽菌、セレウス菌、クロストリジウム・ディフィシル、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを検出するために前記試料検出システムを使用する工程を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項64】
前記目的とする検体用の前記試料を分析する工程が、ブドウ球菌外毒素、バチルス下痢原因毒素、クロストリジウム・ディフィシル毒素、アフラトキシン、ピーナッツアレルゲン、卵アレルゲン、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを検出するために前記試料検出システムを使用する工程を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項65】
前記リザーバと前記試料検出システムとの間に流体連通して設置される試料デリバリーシステムを提供する工程であって、前記流体通路が前記試料デリバリーシステムによって更に画定される工程、及び
前記試料調製システムから前記試料検出システムへの前記試料の移動を前記試料デリバリーシステムで制御する工程、を更に含む、請求項54に記載の方法。
【請求項66】
前記試料デリバリーシステムが弁を含み、前記試料調製システムから前記試料検出システムへの前記試料の移動を前記試料デリバリーシステムによって制御する工程が、前記試料の移動を前記弁で制御する工程を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルに圧力を印加する工程が、前記弁を開くように作動させる、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記弁が容積計量装置の少なくとも一部分を形成し、前記試料調製システムから前記試料検出システムへの前記試料の移動を前記試料デリバリーシステムによって制御する工程が、前記試料検出システムへの所望の容積を計量する工程を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記試料デリバリーシステムが容積計量装置を含み、前記試料調製システムから前記試料検出システムへの前記試料の移動を前記試料デリバリーシステムによって制御する工程が、前記試料検出システムへの所望の容積を計量する工程を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルに圧力を印加し、前記流体通路の中の前記試料を前記試料検出システムへと移動させる工程が、前記試料を雰囲気に暴露せずに、前記流体通路の中の前記試料を前記試料検出システムへと移動させる工程を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項71】
前記試料調製システムが、前記リザーバと液体連通するフィルタを更に含み、かつ該フィルタによって前記液体組成物をろ過し、ろ液を形成する工程を更に含み、前記試料は前記ろ液の少なくとも一部分を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項72】
前記フィルタがプランジャに連結され、前記液体組成物を前記フィルタによってろ過する工程が、前記フィルタを前記液体組成物の中で移動させてろ液を形成するために、前記プランジャを押す工程を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記液体組成物をろ過し、ろ液を形成する工程を更に含み、前記試料が前記ろ液の少なくとも一部分を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項74】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持形レセプタクルよりも剛性である自立型容器を更に含み、前記変形可能な自己支持形レセプタクルが、前記自立型容器の中に受容されるように寸法付けされ、前記変形可能な自己支持形レセプタクルを前記自立型容器の中に設置する工程を更に含む、請求項54に記載の方法。
【請求項75】
前記自立型容器が、前記変形可能な自己支持形レセプタクルにアクセス可能な開口を含み、前記変形可能な自己支持形レセプタクルに圧力を印加する工程が、前記開口を介して前記変形可能な自己支持形レセプタクルの外部に正圧を印加する工程を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルが底部を含み、前記自立型容器が、底部と該底部内に確定された開口とを含み、前記変形可能な自己支持形レセプタクルに圧力を印加する工程が、前記自立型容器の前記底部の前記開口を介して、前記変形可能な自己支持形レセプタクルの前記底部に圧力を印加する工程を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記試料調製システムが蓋を更に含み、前記試料検出システムが前記蓋に連結され、かつ、前記蓋を前記変形可能な自己支持形レセプタクルに連結する工程を更に含む、請求項54に記載の方法。
【請求項78】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルに圧力を印加する工程が、前記変形可能な自己支持形レセプタクルの外部に正圧を印加する工程を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項79】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルに圧力を印加する工程が、前記変形可能な自己支持形レセプタクルの内部に負圧を印加する工程を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項80】
前記変形可能な自己支持形レセプタクルの前記リザーバの中に前記液体組成物を配置する工程が、
前記希釈剤を含む前記ソースを前記リザーバの中に配置する工程、
前記ソース及び前記希釈剤を前記リザーバに同時に添加する工程、
前記希釈剤を前記リザーバに添加する工程の前に、前記ソースを前記リザーバに添加する工程、
前記ソースを前記リザーバに添加する工程の前に、前記希釈剤を前記リザーバに添加する工程、
前記ソースと前記希釈剤を混合し液体組成物を形成する工程、並びに、前記液体組成物を前記リザーバに添加する工程のうちの少なくとも1つを含む、請求項54に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【公表番号】特表2011−502545(P2011−502545A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535043(P2010−535043)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/084041
【国際公開番号】WO2009/067518
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】