説明

試験測定装置及び時間インターリーブRFトリガ・アクイジション実現方法

【課題】単一のADCコンポーネントでサポートされる帯域幅及びサンプル・レートを超える広い帯域幅に広がるようにする。
【解決手段】アクイジション部が波形をサンプルし、これが振幅、位相、周波数、同相(I)及び直交(Q)の波形に変換され、これらのいずれもが、所与のプロトコルに関してダウン・コンバートされた複素IQデータ・サンプルの復調又はデコードを用いるトリガ処理を含め、RFデジタル・トリガにトリガをかけるのに利用可能である。複数のインターリーブ・アクイジション部の夫々におけるサブサンプルされたデータが原因のエイリアシングは、部分時間シフト・フィルタを用いてキャンセルされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験測定装置及び試験測定装置のための分散型時間インターリーブRFトリガ・アクイジションを実現する方法に関する。
【0002】
伝統的に、スペクトラム・アナライザやベクトル・アナライザのような試験測定装置は、最小限のトリガ処理能力を有している。ミックスド・ドメイン・オシロスコープ(MDO)は、試験測定装置の新しい製品カテゴリを代表するもので、これは、リアルタイム・スペクトラム・アナライザ(RTSA)製品のスペクトラム信号取込み(アクイジション)、トリガ及び表示能力の多くと、伝統的なオシロスコープ製品の機能とを統合している。MDO製品は、伝統的オシロスコープの時間領域機能と、RTSAの周波数領域機能をサポートするのに加えて、アクイジション、トリガ処理、表示、分析機能に関して、両領域間の相互相関を可能にしている。MDO製品は、テクトロニクス社(米国)からMDO4000シリーズ・ミックスド・ドメイン・オシロスコープとして提供されている。
【0003】
このような新しい形式の製品では、RF入力信号は、このRF信号からI(同相)及びQ(直交)ベースバンド・コンポーネント情報を生成するために、デジタル的にダウン・コンバートされる。より具体的には、RF信号は、数値制御発信器(NCO)のサイン(sine)及びコサイン(cosine)成分と数値的に乗算され、これによって、復調ベースバンドI及びQコンポーネント情報を生成するが、これは、オリジナルのRF信号中に存在する情報を全て含んでいる。続いて、トリガ・システムは、IQベースバンド・コンポーネント情報に関連する基準に基づいてトリガをかける。
【0004】
従来のオシロスコープにおいて、時間インターリーブ・アクイジションは、サンプル・レート及び帯域幅を調整可能としつつ、アクイジション・システムを個々のアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)やデジタイザ部品の能力を超えて拡張するように、試験測定装置のアクイジション・システムを構築するためのアプローチである。例えば、図1は、オシロスコープで使われている時間インターリーブ・アクイジション・システムの従来の例を示す。トラック・ホールド部105のような高帯域幅サンプラは、アクイジション・システムの総合サンプル・レートに基いて、入力信号130のサンプルされたものを、サンプリング時間に関して適切なオフセットを設けて、複数のADC110に分配するのに利用される。
【0005】
続いて、コンポーネント115のようなデジタイザ部は、入ってきたサンプルを処理し、それらをアクイジション・メモリ120に記憶させるのに利用される。デジタイザ部115は、オシロスコープ装置におけるアクイジション、トリガ処理、表示及び分析のための形成ブロックの形式である。時間インターリーブ・データ・サンプルの更なる処理のために、通常、異なるデジタイザ部間の相互接続がいくつか存在しており、これによって、アクイジション・システムのフル・サンプル・レートにおいて、コヒーレントな(位相の揃った)波形125が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−329709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ミックスド・ドメイン及びRFトリガ処理機能をサポートする従来のアプローチは、デジタイザ部が一つのシステムを主にターゲットにしており、これでは、取込み可能なサンプル・レート及び帯域幅が制限される。アクイジション・システムにおけるより広い入力周波数範囲をサポートするため、伝統的には、アナログ領域の入力信号をダウン・コンバートする高価なRF発振回路及びミキサ部が、ADC部の前において必要とされてきた。この形式のシステムでも、単一のADCの帯域幅及びサンプル・レートで制限される。
【0008】
単一のADC部でサポートされる帯域幅及びサンプル・レートを超える広い帯域幅に渡るアクイジションを可能とし、また、システムのその広い帯域幅内においてリアルタイムRFトリガ処理を効率的なやり方で可能にするアクイジション技術を保有することが望ましい。また、デジタル・ダウン・コンバージョン(DDC)機能及び関連する演算を複数の分散型時間インターリーブ・アクイジション部間に分散し、コヒーレントな波形をリアルタイムに再構成することで、RFトリガ機能をサポートすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の概念1は、試験測定装置であって、
被試験信号を受けるように構成されるサンプラ部と、
上記サンプラ部と動作可能に結合され、被試験信号のデジタル化サンプルを生成するよう構成される複数のアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)と、
夫々が上記ADCの少なくとも1つに結合されて上記デジタル化サンプルの時間インターリーブ部分を受けるよう構成され、インターリーブ回路として構成される複数の並列分散型アクイジション部を含む時間インターリーブ・アクイジション・システムとを具え、
上記分散型アクイジション部の夫々が、
上記デジタル化サンプルの上記時間インターリーブ部分を間引きするためのインターリーブされた数値制御発振器(NCO)を有するアクイジション・デジタル・ダウン・コンバージョン(DDC)部と、
該アクイジションDDC部からの間引きされたサンプルを受けてフィルタ処理するよう構成されるRFトリガ有限インパルス応答(FIR)と、
複数の分散型アクイジション部からなる上記インターリーブ回路に組み込まれ、間引き及びフィルタ処理サンプルを含む再結合されたコヒーレント波形を受けるよう構成される最後の分散型アクイジション部とを有し、
上記最後の分散型アクイジション部が、再結合波形の間引き処理サンプルを振幅、位相、周波数、同相(I)及び直交(Q)波形の中の1つ以上に変換するRFトリガ・データ変換部を含むことを特徴としている。
【0010】
本発明の概念2は、上記概念1の試験測定装置であって、複数の分散型アクイジション部からなる上記インターリーブ回路に組み込まれた上記最後の分散型アクイジション部が、更に、振幅、位相、周波数、I及びQの波形の1つ以上に関連する基準に基づいて、トリガ・イベントを生じさせるよう構成されるデジタル・トリガを含むことを特徴としている。
【0011】
本発明の概念3は、上記概念1の試験測定装置であって、複数の分散型アクイジション部からなる上記インターリーブ回路に組み込まれた上記最後の分散型アクイジション部が、更に、ダウン・コンバートされた複素IQデータ・サンプルを復調又はデコードすることで得られる任意のトリガ・モードに基づいてトリガ・イベントを生じさせるよう構成されるデジタル・トリガを含むことを特徴としている。
【0012】
本発明の概念4は、上記概念1の試験測定装置であって、複数の上記分散型アクイジション部の夫々が、上記アクイジションDDC部に結合されたRFトリガDDC部を含み、該RFトリガDDC部が、上記デジタル化サンプルの中心周波数をシフトするよう構成されることを特徴としている。
【0013】
本発明の概念5は、上記概念1の試験測定装置であって、複数の上記分散型アクイジション部の夫々が、上記アクイジションDDC部に結合されたRFトリガDDC部を含み、該RFトリガDDC部が、上記デジタル化サンプルの帯域幅スパン及びサンプル・レートを減少するよう構成されることを特徴としている。
【0014】
本発明の概念6は、上記概念1の試験測定装置であって、
複数の上記分散型アクイジション部の2つ以上の間で間引きサンプルを交換するよう構成されたコンポーネント間通信部と、
上記間引きサンプルを合算し、これらがコヒーレント波形に再構築されるように構成される複数の合算部とを更に具えている。
【0015】
本発明の概念7は、上記概念6の試験測定装置であって、複数の上記分散型アクイジション部の少なくとも1つが、複数の上記合算部を含むことを特徴としている。
【0016】
本発明の概念8は、上記概念1の試験測定装置であって、
上記アクイジションDDCの上記インターリーブされたNOCが、取り込まれた上記被試験信号の選択された中心周波数をDCにシフトするよう構成されることを特徴としている。
【0017】
本発明の概念9は、上記概念8の試験測定装置であって、上記分散型アクイジション部夫々の上記NCOに可憐する波形が次で定義されることを特徴としている。
【0018】
【数1】

【0019】
ここでfは、アクイジションの選択された中心周波数、fは有効サンプル・レート、nは所与の分散型アクイジション部についての時間に関する整数のサンプル・インデックス、mはインターリーブされたサンプル・タイミングの相対的な順番における所与の分散型アクイジション部の0からM−1から選択される相対的な”位相”、Mは複数の分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路における分散型アクイジション部の総数、そして、jは虚数単位である。
【0020】
本発明の概念10は、上記概念1の試験測定装置であって、複数の上記RFトリガFIRフィルタの夫々が、
帯域幅整形部と、
該帯域幅整形部と畳み込み積分される部分時間シフト・フィルタを含み、畳み込み積分された上記帯域幅整形部及び時間シフト・フィルタが、上記アクイジションDDC部から受けた上記間引きサンプルを整形すると共に他のインターリーブ・アクイジション部に対して時間的に整合させるよう構成されることを特徴としている。
【0021】
本発明の概念11は、上記概念10の試験測定装置であって、上記部分時間シフト・フィルタが、z変換で表される次の周波数応答を含むことを特徴としている。
【0022】
【数2】

【0023】
ここで、mはインターリーブされたサンプル・タイミングの相対的な順番における所与の分散型アクイジション部の0からM−1から選択される相対的な”位相”、Mは複数の分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路における分散型アクイジション部の総数、そして、Lはインターリーブ・アクイジション・システムの総合入力サンプル・レートと比較した、所与の帯域幅スパンに関する選択されたサンプル・レート低減係数としての固有ダウン・サンプル係数である。
【0024】
本発明の概念12は、上記概念11の試験測定装置であって、上記固有ダウン・サンプル係数Lは、上記アクイジションDDC部及び上記RFトリガDDC部に存在するダウン・サンプリング合計の総合的組合せであることを特徴としている。
【0025】
本発明の概念13は、上記概念10の試験測定装置であって、上記間引きサンプルがインターリーブ・アクイジション部間で合算され、再結合コヒーレント波形として再構成されるときに、上記部分時間シフト・フィルタが、上記インターリーブ・アクイジション部夫々においてサブサンプル・データによって生じるどのようなエイリアシングもキャンセルするよう構成されることを特徴としている。
【0026】
本発明の概念14は、上記概念1の試験測定装置であって、
並列な複数の上記分散型アクイジション部の夫々の複数の上記RFトリガFIRフィルタ夫々が部分時間シフト・フィルタを含み、
並列な複数の上記分散型アクイジション部の夫々の複数の上記RFトリガFIRフィルタ夫々が帯域幅整形部を含まず、
複数の分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路に組み込まれた上記最後の分散型アクイジション部が、RFトリガFIRフィルタの代わりに、最後の合算部の前に配置された整数遅延回路を含むことを特徴としている。
【0027】
本発明の概念15は、上記概念14の試験測定装置であって、上記整数遅延回路がその他の上記RFトリガFIRフィルタ中の群遅延の整数部分とマッチ(整合)するよう構成されることを特徴としている。
【0028】
本発明の概念16は、上記概念14の試験測定装置であって、複数の分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路に組み込まれた上記最後の分散型アクイジション部が、単一の帯域幅整形部という別の目的で上記最後の合算部の後に動作可能配置されるRFトリガFIRフィルタを含み、再結合波形の帯域幅が上記単一の帯域幅整形部によって整形されることを特徴としている。
【0029】
本発明の概念17は、上記概念14の試験測定装置であって、並列な複数の上記分散型アクイジション部の上記RFトリガFIRフィルタ夫々が、RFトリガ・パスで使用する上記所望サンプル・レートに基づいて、アクイジションDDC部の対応する1つから直接データを取り出すことを特徴としている。
【0030】
本発明の概念18は、試験測定装置において時間インターリーブRFトリガ・アクイジションを実現する方法であって、この方法が、
サンプラ部で被試験信号を受けることと、
上記サンプラ部と動作可能に結合された複数のアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)間で上記被試験信号を分割することと、
上記ADCを用いて上記被試験信号のデジタル化サンプルを生成することと、
複数の分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路を用いて上記デジタル化サンプルを時間インターリーブすることと、
複数の分散型アクイジション部からなる上記インターリーブ回路の異なるパスに沿って、上記被試験入力信号の異なるデジタル化サンプルを同時に間引きすることと、
複数の分散型アクイジション部からなる上記インターリーブ回路の異なるパスに沿って、少なくとも1つの有限インパルス応答(FIR)フィルタを用いて上記デジタル化サンプルを同時にフィルタ処理することと、
上記インターリーブ・アクイジション部間で合算することによって、間引き及びフィルタ処理されたサンプルをコヒーレント波形に再結合することと、
再結合コヒーレント波形の間引きサンプルを、振幅、位相、周波数、同相(I)及び直交(Q)の波形の1つ以上に変換することとを具えている。
【0031】
本発明の概念19は、上記概念18の方法であって、
振幅、位相、周波数、I及びQの波形の1つ以上に関連する基準に基づいて、デジタル・トリガにトリガをかけることを更に具えている。
【0032】
本発明の概念20は、上記概念18の方法であって、
ダウン・コンバートされた複素IQデータ・サンプルを復調又はデコードすることから得られる任意のトリガ・モードに関連する基準に基づいてデジタル・トリガにトリガをかけることを更に具えている。
【0033】
本発明の概念21は、上記概念18の方法であって、複数の上記分散型アクイジション部の夫々がRFトリガDDC部を含み、上記方法は、上記RFトリガDDC部が上記デジタル化サンプルの上記中心周波数をシフトすることを更に具えている。
【0034】
本発明の概念22は、上記概念18の方法であって、複数の上記分散型アクイジション部の夫々がRFトリガDDC部を含み、上記方法は、上記RFトリガDDC部が上記デジタル化サンプルの上記帯域幅スパン及び上記サンプル・レートを低減することを更に具えている。
【0035】
本発明の概念23は、上記概念18の方法であって、
複数の上記分散型アクイジション部の2つ以上の間で上記間引きサンプルを交換することと、
上記間引きサンプルを合算して、上記コヒーレント波形として再結合することとを更に具えている。
【0036】
本発明の概念24は、上記概念18の方法であって、
数値制御発信器(NCO)を用いて、取り込まれた被試験信号の選択された中心周波数をDCにシフトすることを更に具え、上記分散型アクイジション部夫々の上記NCOに関連する波形が次で定義されることを特徴としている。
【0037】
【数3】

【0038】
ここでfは、アクイジションの選択された中心周波数、fは有効サンプル・レート、nは所与の分散型アクイジション部についての時間に関する整数のサンプル・インデックス、mはインターリーブされたサンプル・タイミングの相対的な順番における所与の分散型アクイジション部の0からM−1から選択される相対的な”位相”、Mは複数の分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路における分散型アクイジション部の総数、そして、jは虚数単位である。
【0039】
本発明の概念25は、上記概念18の方法であって、
上記間引きサンプルを上記コヒーレント波形に再結合する前に、部分時間シフト・フィルタを用いて上記間引きサンプルを時間的に整合させることをさらに具え、このとき、上記部分時間シフト・フィルタがz変換で表される次の周波数応答を含むことを特徴としている。
【0040】
【数4】

【0041】
ここで、mはインターリーブされたサンプル・タイミングの相対的な順番における所与の分散型アクイジション部の0からM−1から選択される相対的な”位相”、Mは複数の分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路における分散型アクイジション部の総数、そして、Lはインターリーブ・アクイジション・システムの総合入力サンプル・レートと比較した、所与の帯域幅スパンに関する選択されたサンプル・レート低減係数としての固有ダウン・サンプル係数である。
【0042】
本発明の概念26は、上記概念25の方法であって、このとき、
複数の分散型アクイジション部の夫々が、アクイジションDDC部に結合されたRFトリガDDC部を含み、
固有ダウン・サンプル係数Lが上記アクイジションDDC部及び上記RFトリガDDC部に存在するダウン・サンプリング合計の総合的組合せであることを特徴としている。
【0043】
本発明の概念27は、上記概念25の方法であって、
上記間引きサンプルが合算によって上記コヒーレント波形として再結合されるときに、複数の上記インターリーブ・アクイジション部夫々中のサブサンプルされたデータによって生じるどのようなエイリアシングも、上記部分時間シフト・フィルタを用いてキャンセルすることを更に具えることを特徴としている。
【0044】
本発明の概念28は、プロセッサで実行されたときに、上記概念18による方法を実行するように動作するコンピュータ実行可能な命令を非一時的に記憶する1つ以上のコンピュータ読み出し可能な有形メディアである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、オシロスコープで使用されている従来の時間インターリーブ・アクイジション・システムを示す。
【図2】図2は、本発明の実施形態例による時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システムの種々の構成要素を含むブロック図を示す。
【図3】図3は、本発明の実施形態の別の例による時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システムの種々の構成要素を含むブロック図を示す。
【図4】図4は、図2の時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システムを含む試験測定装置のブロック図を示す。
【図5】図5は、図3の時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システムを含む試験測定装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
ここに開示する発明の実施形態は、時間インターリーブ・アクイジション・システムにおけるRFトリガ処理をサポートするアプローチを提供し、広周波数範囲に渡るリアルタイムRFトリガ機能をサポートする。RFトリガ処理とは、I(同相)及びQ(直交)波形に直接トリガをかけることはもちろんのこと、振幅(つまり、電力)や位相及び周波数ベースのトリガ・モードのように、複素ダウン・コンバートされたデータを用いるトリガ・モードのことを言っている。RFトリガ処理は、また、トリガ条件として使う任意のRFプロトコルに応じてダウン・コンバートされたデータを復調及びデコードする任意のトリガ・モードも指している。RFトリガを関心のある任意の周波数スパン(つまり、取り込んだ帯域幅範囲の一部分)に合わせた場合には、本発明の実施形態は、複数の分散型アクイジション部間の通信帯域幅を減少させて、入力信号のより効率的な処理をサポートする。
【0047】
ここに開示するコンセプト及び実施形態は、スペクトラム・アナライザ、オシロスコープ、ベクトル・アナライザ、ミックスド・ドメイン・オシロスコープ(MDO)、又は、任意の他の適切な試験測定デバイスのような種々の試験測定装置内において実施可能である。好ましい実施形態では、試験測定装置が、時間領域及び周波数領域の両方における信号データについて処理し又はトリガをかける能力のような領域(domain)をミックスした(mixed-domain)機能を含んでいる。ミックスド・ドメイン・アーキテクチャの重要な特性のいくつかは次のものを含んでいる:
・入力チャンネル(例えば、アナログ又はRF入力信号)のデジタル・ダウン・コンバージョン:これは関心のある任意の周波数範囲(つまり、システムの全帯域内の任意のスパン)のスペクトラム・データについて、データを圧縮してアクイジション・メモリに入れることを可能にする。もし固定サイズのアクイジション・メモリならば、これによって、より狭いスペクトラム分解能帯域幅を可能にしつつ、より長い時間スパンについてのアクイジション(信号取込み)を可能にする。
・ダウン・コンバートされた波形に対するトリガ処理:これは、電力、周波数、位相及びダウン・コンバートされた(つまり、復調された)同相(I)及び直交(Q)RFベクトル成分についてのRFトリガに加えて、任意のRFプロトコルに応じてダウン・コンバートされたデータを復調及びデコードする任意のトリガ・モードも含む。
・ダウン・コンバートされた(つまり、復調された)入力波形(即ち、上述のRFトリガ波形と同様にベクトル変換された波形も一緒)に関しての時間領域波形表示及び分析機能。
【0048】
図2は、本発明の実施形態例による時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システムの種々の構成要素を含むブロック図200を示す。トラック・ホールド部205のような高帯域幅サンプラは、入力信号又は被試験信号203を受けて、この信号203のサンプルの各部分を、アクイジション・システムの総合サンプル・レートに基づき、サンプリング時間に関して適切なオフセットと共に複数のADC210に分配する。この高帯域幅サンプラは、例えば、複数のADCのような、時間インターリーブの方式でサンプル・データを分配する任意の適切な構成要素を含んでも良いことが理解できよう。ADC210の夫々は、215や217のような分散型アクイジション部に接続される。これらADC210は、被試験信号のデジタル化サンプルを生成するように構成される。分散型アクイジション部の夫々は、更なる処理、サンプル・レート低減及び入力信号のサンプルの各部分を精製処理するためのアクイジション・デジタル・ダウン・コンバータ部230(つまり、アクイジションDDC部230)を含んでいる。
【0049】
各分散型アクイジション部のアクイジションDDC部230には、そのフロント・エンドにインターリーブされた数値制御発信器(NCO)232があり、所望又は選択された関心のある取り込まれたスパンの中心周波数をDCにシフトする。各分散型アクイジション部のNCO波形は、次で定義される。
【0050】
【数5】

【0051】
ここで、fは所望又は選択された関心のある取り込まれたスパンの中心周波数、fはアクイジション・システムの有効総合サンプル・レート、nは所与の分散型アクイジション部についての時間に関する整数のサンプル・インデックス、mはインターリーブされたサンプル・タイミングの相対的な順番における所与の分散型アクイジション部の相対的な”位相”(つまり、0からM−1)、Mはインターリーブ・アクイジション・システム(つまり、分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路)における分散型アクイジション部の総数、そして、jは複素数表記であることを示す虚数単位である。NCO波形は、数学的な実部と虚部を有する複素波形で定義される。
【0052】
アクイジションDDC部230の夫々は、一連の複数のローパス・フィルタ及び間引き段(図示せず)を通して帯域幅スパン及びサンプル・レートを低減する。DDC部230は、ADC210から受けたデジタル化サンプルに基いて複素IQデータ・サンプルを生成する。所与のアプリケーションを容易に実行可能になるサンプル・レートまで入力信号が充分に間引きされると、RFトリガ・パス(例えば、235や240を含む)は、アクイジションDDC部230からデータを取り出すことができる。アクイジションDDC部からRFデータ・パスのタップ(tap)される場所(つまり、アクイジションDDC部における任意の段についての最大サンプル・レートの観点)と、サポートされる最大RFトリガ帯域幅スパンとは、二律背反になっている。
【0053】
アクイジションDDC部230は、データを独立して出すこともでき、このデータはアクイジション・メモリ220に記憶しておいても良い。アクイジション・メモリ220は、RAM、フラッシュ・メモリその他の任意の適切な記憶デバイスのような揮発性又は不揮発性メモリとすることができる。アクイジション・メモリ220に記憶されたデータは、RFトリガ・データ・パスに供給する帯域幅スパン及び中心周波数と同じ帯域幅スパン及び中心周波数を有する必要はない。例えば、アクイジション・メモリ220に記憶されたデータが、RFトリガ・データ・パスに供給する帯域幅スパンよりも広い又は狭い帯域幅スパンを持っていても良い。
【0054】
分散型アクイジション部の夫々は、トリガ帯域幅と基本的なサンプル・レートを更に低減するためのRFトリガDDC部235のような第2のDDC部を含んでいても良い。また、DDC部235は、もし必要であれば、RFトリガ260で使用される中心周波数をシフトしても良い。
【0055】
RFトリガDDC段の後、有限インパルス応答(FIR)フィルタ240のようなフィルタが、RFトリガ260のための帯域幅整形部245を提供する。更には、複数の分散型多相FIRで実現されるような部分時間シフト・フィルタ250と、RFトリガ・データ・パス中の帯域幅整形部245とを、これら2つのフィルタ応答を一緒にして効果的に畳み込み積分することによって、組み合わせても良い。言い換えると、RFトリガFIRフィルタ240が、帯域幅整形部245と部分時間シフト・フィルタ250とを含んでも良く、これによって、各RFトリガ・データ・パスに沿って配置される単一の複合フィルタを構成しても良い。部分時間シフト・フィルタ250は、次の理想的な周波数応答を有する(z変換として表現される)。
【0056】
【数6】

【0057】
ここで、mはインターリーブされたサンプル・タイミングの相対的な順番における所与の分散型アクイジション部の相対的な”位相”(つまり、0からM−1)、Mはインターリーブ・アクイジション・システムにおける分散型アクイジション部の総数、Lはインターリーブ・アクイジション・システムの総合入力サンプル・レートと比較した、所与の帯域幅スパンに関する所望又は選択されたサンプル・レート低減係数としての固有のダウン・サンプル係数(つまり、アクイジションDDC230及びRFトリガDDC235段中に存在する全ダウン・サンプリングの総合的な組合せ)である。なお、上述した時間シフト・フィルタ250の理想周波数応答は、本発明の好ましい実施形態を表しているが、この理想周波数応答に近似するものを用いても良いことが理解できよう。
【0058】
部分時間シフト・フィルタ250は、サンプルが組み合わされて単一のコヒーレントな取込み波形として適切に再構成される前に、インターリーブ・アクイジション・システム中の分散型アクイジション部の各位相からのインターリーブ及びダウン・コンバートされたデータ・サンプルに対して、時間整合機能を実行する。再結合の前に、分散型アクイジション・パスの夫々に沿ったアクイジションDDC230部分及びRFトリガDDC235部分において、データ・サンプルの間引きを同時且つ並行して実施しても良い。部分時間シフト・フィルタ250は、分散型アクイジション部夫々の部分波形が一緒に合算されたときに、インターリーブ・アクイジション部夫々におけるサブサンプルされたデータが原因のエイリアシングの一部又は全部が確実にキャンセルされ、オリジナル・スペクトラムの本当の成分だけを残すようにする。
【0059】
インターリーブ・アクイジション・システム200中の分散型アクイジション部の夫々から得られるフィルタ処理ダウン・コンバートRFトリガ・データ・サンプルは、合算部265及びコンポーネント間通信部225を用いて部分的な期間を合わせてデ・インターリーブ及び合算することによって、再結合される。言い換えると、インターリーブ・アクイジション・システム中の全分散型アクイジション部(例えば、215及び217)に渡ってデータ・サンプルがデ・インターリーブされ、合算される。複素IQデータ・サンプルは、コンポーネント間通信部225を用いて分散型アクイジション部間で交換されるが、コンポーネント間通信部225は、分散型アクイジション部間でデータ・サンプルをシステムのフル・サンプル・レートで移動させる必要はない。むしろ、RFトリガ処理用の最終的な間引きされたデータのサンプル・レートでデータは交換される。なお、コンポーネント間通信部225は、リング・ネットワーク、スター・ネットワーク、スイッチド・ファブリックその他の適切なコンポーネント間ネットワーク機構から構成しても良いことが理解されるであろう。
【0060】
合算の後、インターリーブ回路中の最後の分散型アクイジション部217が、ダウン・コンバートされた複素IQデータ・サンプルを含むコヒーレントなアクイジション・データ270を有し、これは、RFトリガ・データ変換部255に伝送される。RFトリガ・データ変換部255は、複素IQデータ・サンプルを振幅/電力、位相、周波数、I又はQのRFトリガ波形275に変換でき、続いて、これらは、1つ以上の生成されたRFトリガ波形275を用いて、所望のデジタル・トリガ機能260を実現するために、回路の最後の分散型アクイジション部217中のデジタル・トリガ・ブロックに転送される。言い換えると、デジタル・トリガ260は、振幅/電力、位相、周波数、I又はQの波形275の1つ以上と関連する基準に基づいてトリガ・イベントを生じさせることに加えて、これを試験測定装置における他の任意のトリガ条件と組み合わせることができる。デジタル・トリガ260は、あらゆる種類の復調複素IQコンポーネント・データにトリガをかけることができ、そのデータは、必要に応じて、更なるデコードを受けることができる。
【0061】
このように、インターリーブ・システム中の全ての分散型アクイジション部の帯域幅の組合せ内で、どこにでも関心のあるリアルタイムRFトリガ・スパンを配置できる。更に、インターリーブ・システムの全帯域幅内のどこにでも、RFトリガ・スパンの中心周波数を配置できる。RFトリガ処理に利用できる周波数スパンの幅は、分散型アクイジション部間の利用可能な通信帯域幅(つまり、コンポーネント間通信部225)によって制限されるが、これは、この通信帯域幅がRFトリガ・データの最大サンプル・レートに制約をかけるので、これが結果として周波数スパンを制限するからである。好ましくは、所望のRFトリガ・スパン帯域幅に必要なサンプル・レートは、サンプル・レートに関して単一の分散型アクイジション部が処理可能なものよりも低い、又は言い換えると、狭いものである。こうした場合では、複数の分散型アクイジション部で並行してある程度の間引きを実施しても良く、これによって、再結合の前に各パス及び相互通信に必要とされるサンプル・レートを低減する。
【0062】
例えば、アクイジション・システムは、Xサンプル毎秒のレートで信号を受信又は取込みするかもしれないが、ユーザは、特定のトリガ処理、測定又は分析タスクを達成するのに、例えば、関連する周波数スパンの8分の1に対応する信号の一部分にだけ関心があるとする。アクイジション・システムは、4つの時間インターリーブ・アクイジション・パスから構成されるとして、この中の各分散型アクイジション・パスは、X/4サンプル毎秒のサンプル・レートで入力データを受ける。総合サンプル・レートの8分の1は、X/8サンプル毎秒である。そのため、各分散型アクイジション部は、毎秒X/4サンプルのサンプル・レートで受けた入力データを2で間引きでき、これは分散型アクイジション・パスの夫々について同時且つ並行して実行でき、それによって、分散型アクイジション部毎に、X/8サンプル毎秒のサンプル・レートで、フィルタ処理されたダウン・コンバート部分期間が得られる。続いて、複数の部分期間が再結合又は合算されて、X/8サンプル毎秒のコヒーレント波形が生成される。
【0063】
図3は、本発明の実施形態の別の例による時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システムの種々の構成要素を含むブロック図300を示す。図3に示す構成要素及び信号のいくつかは、図2の構成要素及び信号と対応し、簡単のため、これら構成要素の詳細は繰り返さない。
【0064】
図3のアクイジション・システムの実施形態例は、RFトリガFIRフィルタ340に必要となるタップの数を減らしている。例えば、分散型アクイジション部315のインターリーブ回路中の最後の分散型アクイジション部317は、分散型アクイジション部の相対的なサンプリング位相m=0を受けるように構成されても良い。この場合、時間シフトFIRフィルタ機能は、この例では僅かなものとなる、つまり、T'k(z)=1である。このように、最後の分散型アクイジション部317に関してこの僅かな時間シフトを実施するのに、完全なFIRは必要ない。分散型アクイジション部のその他のサンプリング位相は、必要な時間シフト・フィルタ部250を有する。
【0065】
最後の分散型アクイジション部317においては、時間シフトRFトリガFIRの代わりに、他のRFトリガFIRフィルタ250中の群遅延の整数部分にマッチ(合致)する整数遅延回路360を用いても良い。言い換えると、整数遅延回路360は、複数の分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路中の最後の分散型アクイジション部317のパスに沿って、合算部265の前に、RFトリガFIR340の代わりに配置される。全ての分散型アクイジション部(例えば、315、317)からのサンプルが再結合されると、その結果はコヒーレント波形270である。最後の分散型アクイジション部317中には、時間シフト・フィルタ処理のための時間シフトFIRフィルタを必要としないので、RFトリガFIRフィルタ340の回路を用いて、単一の帯域幅整形フィルタ部345として別の目的で利用して良く、これによって、再結合されたコヒーレント波形270を受けて帯域幅を整形できる。言い換えると、合算部265を用いた波形の再構成の後、インターリーブ回路中の最後の分散型アクイジション部317において、帯域幅整形部345の作用がコヒーレント波形270に適用される。
【0066】
従って、帯域幅整形部345は、回路中の分散型アクイジション部315や最後の分散型アクイジション部317中のいずれの時間シフト・フィルタ応答250とも畳み込み積分する必要はなく、このため、RFトリガFIRフィルタ340について必要なタップが少なくて済み、そのため、図2に示す実施形態に比較して、もっと小さな回路の実施形態で済む。
【0067】
図4は、図2の時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システム200を含む試験測定装置405のブロック図を示す。試験測定装置405は、先に詳しく説明したトラック・ホールド部205、複数のADC210、アクイジション・メモリ220を含んでいても良い。更に、時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システム200は、複数の分散型アクイジション部(例えば、215及び217)を含む。これら分散型アクイジション部は、図2を参照して先に詳しく記述したように、アクイジションDDC部230、RFトリガDDC部235、RFトリガFIRフィルタ240、その他適切なコンポーネントのようなRFトリガ・フィルタ及び関連するコンポーネント410を含む。
【0068】
図5は、図3の時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システム300を含む試験測定装置505のブロック図を示す。試験測定装置505は、先に詳しく説明したトラック・ホールド部205、複数のADC210及びアクイジション・メモリ220を含んでいても良い。更に、時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システム300は、複数の分散型アクイジション部(例えば、315及び317)を含んでいる。これら分散型アクイジション部は、図3を参照して先に詳しく記述したように、アクイジションDDC部230、RFトリガDDC部235、RFトリガFIRフィルタ340、その他適切なコンポーネントのようなRFトリガ・フィルタ及び関連するコンポーネント510を含む。
【0069】
ここに開示した本発明の実施形態は、従来のアプローチに対して種々の利点を提供する。例えば、電力、周波数、位相、並びにダウン・コンバートされた(つまり、復調された)同相(I)及び直交(Q)RFベクトル成分に関するRFトリガを含めたダウン・コンバートされたスペクトラム波形に対するトリガ処理に加えて、インターリーブ・アクイジション・システムの総合帯域幅内の任意の場所に配置可能な関心のある周波数スパンについて、所与のプロトコルに関して復調/デコードから得られるダウン・コンバートされた複素IQデータ・サンプルに対するトリガ処理もサポートされる。更に、複数の分散型アクイジション部からのアクイジション・データ・サンプルをリアルタイムでデ・インターリーブするために必要となる通信帯域幅が低減される。例えば、RFトリガ・スパン(これは、インターリーブ・システムの結合帯域幅中の任意の場所に配置可能)が、単一の分散型アクイジション部のサンプル・レートで定められる全帯域幅よりも小さい場合には、通信帯域幅が低減され、システム全体の効率が改善される。これは、結果として、システムの実施が容易になり、システム全体のコストが低減される。
【0070】
加えて、システムの構成要素及び部品が減少する。例えば、外部RF発振器及びミキサ・コンポーネントを含むRFトリガ処理のための典型的な構成要素を省略できる。他の例としては、RFトリガ・パスについて所望帯域幅に調整するのに、別個のアクイジション・システムを必要としない。別の言い方をすれば、同じアクイジション・システムが、所与の周波数スパンに対するRFトリガ処理をサポートしつつ、メモリにアクイジション・データを記憶するときに、より高いシステム・サンプル・レート及びより広い帯域幅を持つことを可能にする。これは、MDOの機能が、非常に広い帯域幅でのアプリケーションにおいて動作することを可能にする。システム・サンプル・レートがより高ければ、構成要素(コンポーネント)が単一のシステムに比較して、時間分解能が向上する。このように、本発明の実施形態は、リアルタイム同時RFトリガ処理を伴う広帯域幅/高周波数レンジ・スペクトラム/RFアクイジション・システムのコストを低減するのに利用できる。
【0071】
特定の実施形態を記述してきたが、本発明の原理は、これら実施形態に限定されないことが理解できるであろう。例えば、試験測定装置405及び505を参照して、時間インターリーブRFトリガ・アクイジション・システムが説明されているが、こうしたシステムは、スペクトラム・アナライザ、オシロスコープ、ベクトル・アナライザなどを含む他の種類の測定装置中に組み込むことができると理解すべきである。
【0072】
いくつかの実施形態には、プロセッサで実行されたときに、ここに記載した方法を実行するように動作するコンピュータ実行可能な命令を記憶する1つ以上のコンピュータ読み出し可能な有形メディアを含めることができる。以下の請求項に記述される本発明の原理から逸脱することなく、種々の変形及び変更をしても良い。
【符号の説明】
【0073】
200 時間インターリーブ・アクイジション・システム
203 被試験信号
205 トラック・ホールド部
210 ADC
215 分散型アクイジション部
217 最後の分散型アクイジション部
220 アクイジション・メモリ
225 コンポーネント間通信部
230 アクイジション・デジタル・ダウン・コンバータ部
232 NCO
235 RFトリガDDC
240 RFトリガFIRフィルタ
245 帯域幅整形部
250 部分時間シフト・フィルタ
260 RFトリガ
265 合算部
270 コヒーレント・アクイジション・データ
275 RFトリガ波形
300 時間インターリーブ・アクイジション・システム
315 分散型アクイジション部
317 最後の分散型アクイジション部
340 RFトリガFIRフィルタ
345 帯域幅整形部
405 試験測定装置
410 RFトリガ・フィルタ及び関連コンポーネント
505 試験測定装置
510 RFトリガ・フィルタ及び関連コンポーネント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験信号を受けるように構成されるサンプラ部と、
上記サンプラ部と動作可能に結合され、被試験信号のデジタル化サンプルを生成するよう構成される複数のアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)と、
夫々が上記ADCの少なくとも1つに結合されて上記デジタル化サンプルの時間インターリーブ部分を受けるよう構成され、インターリーブ回路として構成される複数の並列分散型アクイジション部を含む時間インターリーブ・アクイジション・システムとを具え、
上記分散型アクイジション部の夫々が、
上記デジタル化サンプルの上記時間インターリーブ部分を間引きするためのインターリーブされた数値制御発振器(NCO)を有するアクイジション・デジタル・ダウン・コンバージョン(DDC)部と、
アクイジションDDC部からの間引きサンプルを受けてフィルタ処理するよう構成されるRFトリガ有限インパルス応答(FIR)と、
複数の分散型アクイジション部からなる上記インターリーブ回路に組み込まれ、間引き及びフィルタ処理サンプルを含む再結合されたコヒーレント波形を受けるよう構成される最後の分散型アクイジション部とを有し、
上記最後の分散型アクイジション部が、再結合波形の間引き処理サンプルを振幅、位相、周波数、同相(I)及び直交(Q)波形の中の1つ以上に変換するRFトリガ・データ変換部を含むことを特徴とする試験測定装置。
【請求項2】
試験測定装置において時間インターリーブRFトリガ・アクイジションを実現する方法であって、
サンプラ部で被試験信号を受けることと、
上記サンプラ部と動作可能に結合された複数のアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)間で上記被試験信号を分割することと、
上記ADCを用いて上記被試験信号のデジタル化サンプルを生成することと、
複数の分散型アクイジション部からなるインターリーブ回路を用いて上記デジタル化サンプルを時間インターリーブすることと、
複数の分散型アクイジション部からなる上記インターリーブ回路の異なるパスに沿って、上記被試験入力信号の異なるデジタル化サンプルを同時に間引きすることと、
複数の分散型アクイジション部からなる上記インターリーブ回路の異なるパスに沿って、少なくとも1つの有限インパルス応答(FIR)フィルタを用いて上記デジタル化サンプルを同時にフィルタ処理することと、
上記インターリーブ・アクイジション部間で合算することによって、間引き及びフィルタ処理されたサンプルをコヒーレント波形に再結合することと、
再結合コヒーレント波形の間引きサンプルを、振幅、位相、周波数、同相(I)及び直交(Q)の波形の1つ以上に変換することと
を具える試験測定装置において時間インターリーブRFトリガ・アクイジション実現方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−57663(P2013−57663A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−196211(P2012−196211)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【出願人】(391002340)テクトロニクス・インコーポレイテッド (234)
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.