調光型LED照明器具
【課題】照明器具内の人感センサと周辺環境照度センサを利用して点灯時の明るさを切り替えて点灯させることが可能な調光型LED照明器具を提供することである。
【解決手段】1つ以上のLEDによる照明用LED群を備え、周囲照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、照明用LED群を所定の低い輝度で点灯させる第1の点灯制御部と、所定の低い輝度での点灯状態で、人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群を所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、所定期間を経過すると照明用LED群を元の所定の低い輝度で点灯させる第3の点灯制御部とを含む点灯制御部と、ユーザ操作に基づいて所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、を具備する。
【解決手段】1つ以上のLEDによる照明用LED群を備え、周囲照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、照明用LED群を所定の低い輝度で点灯させる第1の点灯制御部と、所定の低い輝度での点灯状態で、人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群を所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、所定期間を経過すると照明用LED群を元の所定の低い輝度で点灯させる第3の点灯制御部とを含む点灯制御部と、ユーザ操作に基づいて所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具内の人感センサと周辺環境照度センサを利用して点灯時の明るさを切り替えて点灯させることが可能な調光型LED照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、LEDに流れる電流値を変えずに電流を流す期間をコントロールすることでLEDの点灯輝度を可変するパルス幅変調(PWM)による制御技術は周知であり、この技術を応用したLED照明器具は既に市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−310963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市販されているLED照明器具の点灯時の明るさを変えたい時は、一般に赤外線リモコン等の操作にて行われている。このため、照明器具の近辺に常時赤外線リモコンを用意して置かなければならないという不便さがあった。
【0005】
この問題を解消するために、本発明は、照明器具内に実装されている人感センサと周辺環境照度センサを利用して、LEDの点灯時の明るさを切り替えて点灯させることが可能な調光型LED照明器具を提供することを目的とする。さらに、本発明は、点灯時の明るさを切り替える際、赤外線リモコン等の器具を用いることなく、機器組み込みの照度センサ等々の部品を利用して指示して簡単に照明器具の点灯時の明るさを切り替えることが可能な調光型LED照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による調光型LED照明器具は、少なくとも1つのLEDを含む照明用LED群を備え、周囲環境の照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、前記照明用LED群を予め決めた所定の低い輝度で点灯させる第1の点灯制御部と、前記所定の低い輝度で点灯している状態で、前記人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知したとき、人を検知後の所定期間は前記照明用LED群を所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、前記所定期間を経過後に前記照明用LED群を元の前記所定の低い輝度で点灯させる第3の点灯制御部とを備えた点灯制御部と、ユーザ操作に基づいて前記所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、を具備したものである。
【0007】
本発明の他の態様による調光型LED照明器具は、少なくとも1つのLEDを含む照明用LED群を備え、周囲環境の照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、前記人感センサによって人を検知しないときは、前記照明用LED群を消灯状態とさせる第1の点灯制御部と、前記照明用LED群が消灯している状態で、前記人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知したとき、人を検知後の所定期間は前記照明用LED群を予め決めた所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、前記所定期間を経過後に前記照明用LED群を元の消灯状態に戻す第3の点灯制御部とを備えた点灯制御部と、ユーザ操作に基づいて前記所定の高い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、を具備したものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成の一例を示す図。
【図2】第1の実施形態の人感切替点灯式の調光型LED照明器具における制御部であるマイコンの制御プログラムを説明するフローチャート。
【図3】図2におけるPDタッチのルーチンを説明するフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施形態の人感点灯式の調光型LED照明器具における制御部であるマイコンの制御プログラムを説明するフローチャート。
【図5】図4におけるPDタッチのルーチンを説明するフローチャート。
【図6】図6乃至図11は既出願の照度センサによる照明点灯制御方法を説明する図であり、図6は照明器具における一般的な外光取り入れ口の構成例を示す図。
【図7】フォトダイオードを利用した照度センサの照度対光電流の特性を示す図。
【図8】フォトダイオードを利用した照度センサの照度計測回路の構成を示す図。
【図9】フォトダイオードを利用した照度センサの外光取り入れ口を指で塞いだ際の、照度変化特性を示す図。
【図10】フォトダイオードを利用した照度センサの外光取り入れ口を指で塞いだ際の、詳細な照度変化特性を示す図。
【図11】照度センサの照度変化特性から、センサ正面を人体や物体が比較的長時間塞いだような状態と区別して、外光取り入れ口を人が操作目的で指で塞いだ状態を識別判定する方法の一例を説明する図。
【図12】本発明の第4の実施形態を実現するための機械的スイッチの接続構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図6乃至図11は、以下に述べる本発明の実施形態に係る調光型LED照明器具の基礎となる技術を説明する図である。図6は従来の構成例でもあるが、本発明の第1の実施形態においても、一般的な構成例として採用している。この基礎となる技術は、LEDに流す電流のパルス幅のデューティ比を変えて調光制御する際に、照度センサの外光取り入れ口(採光部とも呼ぶ)を指先で一定時間押さえ、照度センサに外光を遮蔽する行為を行うことによって調光指令とする例も含んでいる(PDタッチと呼称し、本技術は特願2010−229022号明細書(未公開)に記載されている)。
【0010】
図6において、(a)は照明器具の正面図の一部を示し、(b)は(a)のA−A線断面図を示している。外光は化粧板52に空けた丸穴に挿着された外光導入ガイド51を通過してプリント基板53上の照度センサIC4に受光される。
【0011】
図7はフォトダイオードを利用した照度センサの照度対光電流の特性を示す。照度センサIC4の出力端子に図8のように抵抗RLを接続し、照度センサIC4のカソードを電源Vddに接続すると、抵抗RLの両端には周辺照度に比例した出力が発生し、この出力をマイコンIC3のAD変換入力端子に接続する。
【0012】
実際の照明器具では図6に示すように照度センサIC4が取り付けられており、照度センサIC4の上部に円柱形のアクリル樹脂51が装着され、照明器具の外部の周辺の光が照度センサIC4に取り込まれるようになっている。円柱形のアクリル樹脂51を含む外光取り込れ口の上部を指等で塞ぐと図9のように照度センサIC4の出力は大きく変化する。
【0013】
マイコンIC3のAD変換サイクル(AD変換のサンプリング周期と同義)をTad秒とすると1秒間に1/Tad回照度センサIC4の出力がAD変換される。図10は、フォトダイオードを利用した照度センサの外光取り入れ口を指で塞いだ際の、照度変化特性の状態を示している。同図で‘イ’の状態が照度センサIC4を指で塞ぐ前の状態とし、‘ロ’が完全に塞がれて照度センサの出力が最低値を示す状態で、‘ハ’は指が離され元の状態に戻った状態を示す。
【0014】
‘イ’の状態から一定以上の電圧変化が発生したら、照度センサの外光取り入れ口が指で塞がれ、その後外光取り入れ口の状態が元に復帰された状態をマイコンIC3のAD変換値を処理しその結果を見ることによって、なんらかの動作を指示する指令信号とすることができる。このようにすれば、照明器具に操作用のツマミ類が無くても、指操作に基づく照度センサ出力の独特の変化特性(図9参照)から、照明器具の点灯状態を変化させる指令(コマンド)となる制御信号を得ることが可能となる。
【0015】
図10からも分かるように、各サイクル毎のAD変換データを比較しただけでは.ゆっくりとした照度センサの出力変化を判断できない。そこで、AD変換データをn個保持する即ち、現時点t=0時からt=n/Tad前の過去のAD変換データまでをマイコンIC3のRAM領域に記憶させて、毎サイクル毎に1つ前のサイクルの古いデータを順送りにシフトして上書きする。このようにすれば、常に現時点からn/Tad時間前までのn個のデータが保存される。ここで各サイクル毎にt=0とt=−n/Tadの両端のデータを比較して両端のデータの差が一定値を超せば、照度センサIC4の出力が急変したと判断することが可能である。外光取り入れ口を人が操作目的で比較的短時間指で塞いだ時は、照度センサIC4の出力が急変するので、これによって人が操作目的で外光取り入れ口を指で塞いだと判定可能であることを、図11を参照しながら以下に説明する。
【0016】
図11は、照度センサの照度変化特性から、センサ正面を人体や物体が比較的長時間塞いだような状態と区別して、外光取り入れ口を人が操作目的で指で塞いだ状態を識別判定する方法の一例を説明する図である。今、照度センサの外光取り入れロに指を近づけた時点を(1)とすると、この時点ではAD変換データをn個保持する期間(即ち、t=0とt=−n/Tad)の両端のデータの差は殆ど無い。更に指が外光取り入れ口に近づき、照度センサの出力が大きく落ち込み始めた時点を(2)とすると、この時点での両端のデータの差も一定値以下だったとすると、マイコンIC3の出力には変化が生じない(つまり、マイコンIC3からは決められた指令を出力することはない)。更に、指が外光取り入れ口をほぼ完全に塞ぎはじめた時点を(3)とすると、この時点では両端のデータの差が一定値を越す。この時の−n/Tad時のデータを保存しておく。またマイコンのタイマ機能を動作させて−n/Tad時のデータとほぼ一致するまでの時間を計測する。外光取り入れ口の指が離れると照度センサIC4の出力は復帰状態となる。図11の(4)が復帰した時点とし、(3)から(4)間の経過時間が比較的短時間t秒(例えば2秒)であれば、明らかに照度センサIC4が指等で意識的に塞がれたと判定できる。このように、AD変換データ処理(センサ出力の急激な降下検出)と復帰までの経過時間の制約を満足したら、マイコンIC3は照度センサIC4が指で塞がれたと判断し、マイコンIC3は決められた動作出力(指令信号)を立ち上げることになる。
【0017】
即ち、照度センサIC4の出力変動を現時点のAD変換データとn/Tad時間前のAD変換データとの差で検定することでその差が一定値を超えたとの判定と、所定のt秒程度の短時間で元の値に戻ったとの判定ができれば、操作目的の照度変化特性が検出されたとして所定のコマンドを立ち上げることが確実に行える。
【0018】
このように、照度センサを利用してツマミ類を一切必要としないで、マイコンに調光指示等の命令入力(コマンド)を与えることができる照度センサによる照明点灯制御方法を実現することができる。
【0019】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成の一例を示す図である。図1に示す調光型LED照明器具100は、電源部10と、照明用LED群20と、マイコンを含む制御部30と、センサ部40とを備えている。
【0020】
電源部10は、交流直流変換回路11と、安定化直流電圧生成回路12と、定電圧電源生成回路13とを備えている。
センサ部40は、人感センサ回路41と、照度センサ回路42とを備えている。
【0021】
電源部10には、交流電源(AC)100Vの交流電源入力端子0,1が配設され、かつ直流電源出力端子V27,V5,GNDが配設されている。GNDは基準電位点としてのグランド端子である。
交流直流変換回路11は、交流電源(AC)100Vを全波整流ダイオードブリッジDBにて全波整流して交流を直流に変換する回路である。ACラインフィルタL1およびコンデンサC1はEMI(電磁干渉)除去フィルタである。ZNRは雷等で発生する過電圧による電子部品保護のために用いられるサージ吸収素子である。
【0022】
安定化直流電圧生成回路12は、フライバックトランスTRを用いたスイッチングレギュレータ回路であって、スイッチング回路IC1内には高耐圧型のパワーMOSトランジスタが内蔵され、トランスTRの1次側の直流電圧を約100KHzでスイッチングしており、トランスTRの2次側のファーストリカバリダイオードD1で整流された直流電圧を定電圧ダイオードZDと該定電圧ダイオードのアノード側に直列接続されたフォトカプラPCにてスイッチング回路IC1の発信周波数を制御することによって定電庄ダイオードZDで設定された一定の直流電圧がトランスTRの2次側に得られる。この2次側の直流電圧は負荷となる照明用LED群20の直列接続されたLEDの数に応じて定電庄ダイオードZDを選択することによって得られる。例えば照明用LED群20の1つのLEDの順方向電圧Vfの値が3.3Vの場合で8個直列接続されている場合は3.3×8=26.4Vの印加電庄が必要となる。この場合、定電庄ダイオードZDとして電圧27Vを選択すればTR2次側出力は27Vとなり、LED群20を点灯することが可能となる。トランスTRの1次側のダイオード回路D2は、高耐圧のファーストリカバリーダイオードと200Vの定電庄ダイオードが各々のカソード同士が直接接続されて構成されており、スイッチング回路IC1のパワーMOSトランジスタがオフ時にトランスTRの1次側に発生する電磁エネルギーによって当該パワーMOSトランジスタが破壊されるのを防止するためのパワークランパとして機能する。
【0023】
定電圧電源生成回路13は、マイコンIC3,人感センサ回路41,及び照度センサ回路42に定電圧電源を供給するための電圧生成回路である。IC2はプログラマブル・シャント・レギュレータであって、トランジスタQ1のベース電圧を5Vに設定することでトランジスタQ1の出力としてほぼ5Vの定電圧を得て、上述の3つの回路(IC3,41,42)に対する電源としている。
【0024】
照明用LED群20は、複数個直列に接続されたLEDの組が一組以上並列接続されたLED群と、これらの並列接続LED群に直列に接続したスイッチング素子としてのスイッチングトランジスタQ2とを含んで構成されている。なお、LED群20は1つのLEDであってもよい。スイッチングトランジスタQ2は例えばパワーMOSトランジスタが用いられる。パワーMOSトランジスタは直接マイコンIC3でドライブできるメリットがある。
【0025】
スイッチング素子としてのスイッチングトランジスタQ2は照明用LED群20の明るさを制御するためのトランジスタであって、トランジスタQ2のゲートに供給するスイッチングパルス幅のデューティ比を可変することにより、明るさを可変即ち調光したり、後述のフェードイン点灯、またはフェードアウト点灯を行うことができる。
【0026】
制御部30は、マイコンIC3と、マイコンIC3に接続されていて、人感センサPEDでスイッチオンする閾値の点灯照度を切り替えるためのスイッチSW2と、マイコンIC3に接続されていて、人感センサPEDが人を検知後にLED群20を点灯させるタイマー時間の切り替えを行うためのスイッチSW3とを備えている。マイコンIC3には、人感センサ出力信号と照度センサ出力信号が直接人力されている。マイコンIC3では、人感信号の有意性や照度センサの出力値の判定のため各入力はAD変換され、所定の閾値と比較される。スイッチSW2は点灯照度切替えスイッチであって、LED点灯照度の閾値を外部操作スイッチを用いて切り替え可能としている。スイッチSW2がオン時は周辺環境照度が明照度の所定値(例えば30LX)以下でLEDを点灯させるように設定し、オフの場合は、暗照度の所定値(例えば10LX)以下でLEDを点灯させるように設定することにより、ユーザはLED照明器具の設置される環境に応じて二種類の暗さレベルを表す有効な閾値を選択することができる。
【0027】
スイッチSW3は人感センサPEDが人を検知したときのLED点灯時間を選択するスイッチであって、本実施形態では例えば4ビットのデジタル型ロータリースイッチを使用した場合を示している。なお、点灯時間の設定は、デジタル型ロータリースイッチのほかに、可変抵抗器VRであったり、スライドスイッチを使用して一定の時間を選択する方法もある。
【0028】
制御部30は、照明用LED群20が低い輝度で点灯している状態で、人感センサPEDが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群20を高い一定輝度で点灯し、所定時間経過後は元の低い輝度で点灯するように制御する点灯制御部と、照度センサIC4の出力を監視し、その出力が急変することを捉えて照明用LED群20の前記低い輝度を変更するコマンドを生成する点灯状態設定部と、を備えている。
【0029】
人感センサ回路41は焦電センサを用いて構成されている。人感センサPEDとしての焦電センサは人体の放出する赤外線を選択的に取り込み、その結果センサに発生した電荷を電流に変え、内部に実装された電界効果トランジスタ(FET)で電圧変換された信号を2段の増幅部で60〜70db程度増幅し、その出力はマイコンIC3のAD変換人力端子に接続される。
【0030】
人感センサPEDは、第1〜第3の3本の端子を備えており、第1の端子には前記定電圧電源生成回路13の出力端子V5の出力電圧を抵抗R8を介して接続し、第2の端子には基準電位GNDのラインが接続し、第3の端子からは、熱線を検出した時にこれに対応した微弱な検知電圧がセンサ出力として出力される。センサ出力は、抵抗R9と、抵抗R10及びコンデンサC6の並列回路からなる入力回路を経てオペアンプOP1,コンデンサC8,C7,抵抗R12,R11からなる第1段増幅部で増幅され、さらにコンデンサC9,抵抗R13,オペアンプOP2,コンデンサC10,抵抗R14,抵抗R15,抵抗R16からなる第2段増幅部で増幅されることによって数千倍に増幅出力される。
【0031】
照度センサ回路42はフォトダイオードと電流増幅回路を有するIC型照度センサIC4を利用した回路であって、照度センサIC4の負荷の抵抗RLの両端の電圧は先述のマイコンIC3のAD変換人力端子に接続される。照度センサIC4は周辺の明るさが明るい程センサの出力電流が増加するタイプである。
【0032】
調光型LED照明器具100は、マイコンIC3の接続されたスイッチSW1がオフの場合、人感センサ回路41の人感出力有りで照明用LED群20の点灯輝度が予め設定された低い所定輝度から高い所定輝度に切り替えられるものである。
【0033】
照度センサ回路42の出力が明照度の所定値(例えば30LX)以下になった時点で設定された明るさ(輝度)でLED群20が点灯する。例えば照明用LED群20がデューティ比25%の明るさで点灯しているとき、人感センサ回路41で人を検知すると、LED群20がデューティ比100%の明るさで、マイコンIC3に接続されたスイッチSW3で設定されたタイマ時間だけ点灯し、タイムアップ後再び元の25%の明るさで点灯する。30LX以下で常時点灯するLED群20の明るさは照度センサ回路42の照度センサの外光取り入れ口(即ち照度センサ用採光部)を指で一定時間押さえること(PDタッチ)で変更可能であり、変更後のLED群20の点灯輝度を確認して変更を容易に完了することができる。
【0034】
次に、図2及び図3を参照してマイコンの制御動作を説明する。
図2は第1の実施形態の人感切替点灯式の調光型LED照明器具における、制御部としてのマイコンの制御プログラムのフローチャートの一例を示している。
まず、15秒間、全点灯するウォーミング(白色点灯)を行う(ステップS1)。
【0035】
次に、ウォーミング後、予め設定されている調光レベルによる最終記憶調光点灯を一定時間行う(ステップS2)。このときのステップS2の機能は第1の点灯制御部を構成している。ここで、最終記憶調光点灯とは、LED照明器具を購入して初めての電源投入時(初期状態)では100%点灯するが、本制御フローを少なくとも一巡する過程でPDタッチによる電源投入後の常時の照明用LED群20の点灯明るさを調光設定して点灯させるとき(例えば常夜灯として使用するとき)には、マイコンIC3内のメモリにはPDタッチに基づいた指示によって調光設定レベルを例えば25%点灯の明るさレベルに設定して調光点灯することができる。調光設定とは、PDタッチによりワンタッチごとに、例えば10%、25%、50%、100%から順にいずれかの明るさレベルが設定可能である(但し、購入時の初期設定は100%としてある)ことをいう。
【0036】
このように電源投入時に予め設定してある例えば25%点灯で設定調光点灯した状態で、次のステップS3に移行する。ステップS3では、点灯照度切替えスイッチSW2で人感動作を開始するために必要な暗さの周辺環境照度(閾値)を複数個(図では2つ)の中から適宜に切り替える設定を行う。
【0037】
点灯照度切替えスイッチSW2がオンに設定された時は、周辺環境照度が明照度の所定値(30LX)以下(ステップS4)で照明用LED群20を点灯させ、スイッチSW2がオフに設定された時は、周辺環境照度が暗照度の所定値(10LX)以下(ステップS5)でLEDを点灯させるように、LED照明器具100の設置される環境で有効な閾値の照度を選択できる。
【0038】
ステップS4又はステップS5で明照度所定値以下か暗照度所定値以下かの一方が選択された後に、その選択感度(閾値)で人感検知が行われる(ステップS6)と、ステップS2での低い輝度点灯(例えば25%調光点灯)の状態から高い輝度点灯(例えば調光100%点灯)に切り替わる(ステップS7)。
【0039】
ステップS7の調光100%点灯の実行と同時にタイマがスタートする(ステップS8)。このときのタイマ時間は、例えばロータリスイッチを用いて設定可能であり、タイマ設定時間としては例えば1,5,10,20,30,40,50,60分のいずれかが選択可能となっている。
【0040】
そして、ステップS9で、人感検知時にタイマがスタートしてから予め設定したタイマ時間に達したか否かを判定する。ステップS9で、タイムアップする前の状態で人が近くに居ると、人感センサは人感検知を行い(ステップS11)、これによってマイコンはリトリガされて、再度タイマをリセットして(ステップS12)、調光100%点灯を持続可能とする。このときのステップS3〜S9,S11及びS12の機能は、第2の点灯制御部を構成している。
【0041】
ステップS9で、タイムアップしていれば、照明負荷としてのLED群20を元の設定調光状態である低い輝度での点灯(25%調光点灯)に戻す(ステップS10)。このときのステップS9及びS10の機能は、第3の点灯制御部を構成している。
【0042】
一方、ステップS4,S5で周辺照度が予め設定した閾値の照度以下になっていない状態では、LEDは消灯する。ユーザによるPDタッチがなされると(ステップS13)、ステップS14の動作へ進む。ステップS14での動作は、PDタッチ前の設定調光レベルから調光リングに従いワンステップ分ずつの調光切り替えが行われる。例えば現時点の低い輝度点灯(25%調光点灯)から高い輝度点灯(50%調光点灯)に切り替えられて、その切り替えられた調光点灯で点灯する(ステップS15)。このときのステップS13〜S15の機能は、点灯状態設定部を構成している。なお、ステップS17では、PDタッチが所定時間内であれば、PDタッチの度にリング式に例えば25%,50%,100%が順次に選択され、選択された明るさで点灯させることも可能である。
【0043】
図3は図2におけるPDタッチルーチンS15のフローチャートの一例を示している。このフローチャートは、図11の説明に関連した動作である。
現時点のAD変換データの値と現時点から−10/Tad前のAD変換データの値(Tad:AD変換のサンプリング周期)とのAD電圧差が、0.5Vより小さいか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21でノーであれば、AD電圧差が0.5V以上あり、照度センサIC4の出力が急変したことを表しているから、ステップS22〜S27のPD成功を判定するループを巡回して、ステップS27からステップS22に戻ったところでPD成功が確認されれば、PDタッチ成功(イエス)として、ステップS28に移行してPDフラグを1とし、ステップS29へ進む。なお、ステップS21でAD電圧差が、0.5Vより小さければ、照度センサ出力が急変していない即ちPDタッチではないとして、図2のメインフローへリターンする。
【0044】
ステップS29では、照度センサの外光取り入れ口での光の具合による照度センサに対する影響を防ぐために、1.5秒間は照度センサの検知動作を停止(マスキング)し、かつPDタッチによる指操作の判定に用いるためにメモリ保存していた照度値の10個分のAD変換サンプリング値をリセットする。そして、図2のメインフローへリターンする。
【0045】
一方、ステップS22でPDタッチが不成立であれば、ステップS23へ進む。ステップS23では現在のAD変換値の電圧が0.3Vより小さいか否かを判定する。0.3Vは図11に示したPDタッチ時の照度変化特性のセンサ出力値の凹状曲線の底部電圧に相当する値であり、現在のAD変換値が0.3Vより小さいときはPDタッチが正常に行われているので、現在操作している人が人感検知されるかどうかを確認するために人感センサによる人感検知を行った後に次ステップS25へ進む。
【0046】
ステップS25で、人感検知が行われると、現時点のAD変換値が現時点から10個前のAD変換値よりも5回連続して大きいことを確認する(ステップS28)。ステップS28では、図11のPDタッチ特性グラフから分かるように、その照度変化特性曲線(横軸に時間、縦軸に照度センサ値をとった凹状曲線)の凹底部の時点から時間経過と共に上がっていく特性部分(元の照度レベルに戻る部分)にきていることが分かるので、図3に示すフロー上のステップS25をS27,S22〜S24を通るループで複数回巡回する過程で、現在のAD変換値>10個前のAD変換値 の関係を5回連続して確認している(ステップS28)。
【0047】
ステップS25で5回連続の成立が確認できれば、PDタッチが成功した(ステップS26)とし、次のPDタッチ処理における経過時間t(ここでは2秒に設定している、図11におけるtに同じ)を経過したか否かを判定し(ステップS27)、2秒経過していれば、図2のメインフローへリターンする。
【0048】
さて、本発明の実施形態では、周囲に人が居るか否かを検知する人感センサを備え、この人感センサの検知動作を周囲環境照度に基づいて制御するために照度センサが設けられている。
調光型LED照明器具が低い照度で点灯している状態で、人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は人感センサが照明負荷を高い輝度で点灯(例えば100%点灯)し、所定時間経過後は元の低い輝度で点灯できるように制御する。すなわち、電源スイッチのオンで、照明負荷であるLEDを予め設定した低照度の点灯(例えば25%点灯)の状態で点灯し、人が来たことを人感センサで検知したときにLED群を100%点灯の明るさで点灯させ、所定のタイマ時間を経過すると元の低輝度の点灯状態に戻るように制御する。この制御方法のことを、第1の点灯状態(例えば25%点灯)から、人感検知時に第2の点灯状態(100%点灯)に切り替えるということから人感切替点灯式と呼ぶ。この制御方式は、夜間などの照明、例えば、常夜灯として利用することができるものである。
【0049】
或いは、もう1つの制御方式として、人感センサは周囲環境照度がある照度値以下で人を検知する人感検知動作を開始できるように制御されていて、人が居ないときは人を検知せず照明負荷であるLEDを消灯状態のままとし、人が来て人感検知したときにLEDを予め設定した設定状態の明るさで所定時間点灯させ、所定時間経過後は元の消灯状態に戻るように制御する。この制御方式を、人感で点灯,消灯するということから人感点灯式と呼ぶ。
【0050】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成例は、図1の第1の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成例と同じであるため、図示を省略する。
【0051】
本第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態の調光型LED照明器具の制御動作が人感切替点灯式であったのに対して、本第2の実施形態の調光型LED照明器具の制御動作は人感点灯式となっていることである。従って、本第2の実施形態と第1の実施形態とは、制御部であるマイコンの制御プログラムが互いに異なってくる。
【0052】
制御部30は、照明用LED群20が消灯している状態で、人感センサPEDが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群20を高い一定輝度で点灯し、所定時間経過後は元の消灯状態とするように制御する点灯制御部と、照度センサの出力IC4を監視し、その出力が急変することを捉えて照明用LED群20の前記高い一定輝度を変更するコマンドを生成する点灯状態設定部と、を備えている。
【0053】
制御部30の制御動作について説明する。
制御部30におけるマイコンIC3に接続されたスイッチSW1をオンにすると、常時LED群20は消灯していて、人感センサ回路41で人を検知し、制御部30のスイッチSW2で予め選択されている点灯照度以下であれば、LED群20が点灯する。このとき、LED群20の点灯は予め選択されたPWMパルスのデューティ比で点灯、つまり調光点灯する。その明るさを変更したければ PDタッチで指示すると、調光度(明るさレベル)がリング式に順次に容易に変更できる。このとき変更後のPWMパルスデューティ比が次回以降再現される。
【0054】
LED群20の点灯時間はスイッチSW3で選択されたタイマ時間だけ点灯し、タイムアップ後は消灯する。
【0055】
図4は第2の実施形態の人感点灯式の調光型LED照明器具における、制御部としてのマイコンの制御プログラムのフローチャートの一例を示している。
まず、ステップS41で、全点灯を15秒間実施後に全消灯するウォーミング(白色点灯)を行う。
そして、点灯照度切替えスイッチSW2によって、スイッチSW2がオンしているときは周辺環境照度が明照度所定値(例えば30LX)以下(ステップS43)でLED群20が点灯され、スイッチSW2がオフしているときは、周辺環境照度が暗照度所定値(例えば10LX)以下(ステップS44)でLED群20が点灯されるように、調光型LED照明器具100の設置されている環境で有効な点灯時間の閾値を選択する(ステップS42)。このときのステップS41〜S44の機能は、第4の点灯制御部(請求項2では第1の点灯制御部)を構成している。
【0056】
ステップS43又はステップS44で30LX以下か10LX以下かの一方が選択された後に、その選択された感度(閾値)で人感検知が実行される(ステップS45)と、予め設定した状態での設定調光点灯を行う(ステップS46)。ここでの設定調光は、PDタッチによって、例えば10%、25%、50%、100%からのいずれかの明るさレベルに設定が可能である(但し、初期設定は100%としてある)。
【0057】
ステップS46の設定調光点灯の開始と共にタイマがスタートする(ステップS47)。タイマ時間は、例えばロータリスイッチを用いて設定可能であり、タイマ設定時間として例えば1.5,10,20,30,40,50,60分が選択可能となっている。
【0058】
そして、ステップS48で、マイコン内の人感用タイマがスタート(ステップS47)してから設定したタイマ時間に達したか否かを判定する。ステップS48で、タイムアップする前に近くに人が居ると人感検知が行われる(ステップS50)と、マイコンがリトリガされ、そのタイミングでタイマがリセットされて(ステップS51)、設定調光点灯が継続可能とされる。このときのステップS40〜S48,S50及びS51の機能は、第5の点灯制御部(請求項2では第2の点灯制御部)を構成している。
【0059】
ステップS48でタイムアップしていれば、照明負荷としてのLED群20を消灯する(ステップS49)。このときのステップS48及びS49の機能は、第6の点灯制御部(請求項2では第3の点灯制御部)を構成している。
【0060】
そして、ユーザがPDタッチを行う(ステップS52)と、PDタッチの40ごとにリング式に例えば25%,50%,100%の調光レベル設定が順次に選択され(ステップS53)、選択された明るさで調光点灯が持続されることになる(ステップS54)。このときのステップS52〜S54の機能は、点灯状態設定部を構成している。
【0061】
図5は図4におけるPDタッチルーチンS52のフローチャートの一例を示している。図5のフローチャートは、図3のPDタッチルーチンS13と同様であるので、図5の各ステップの符号を図3の各ステップの符号と同じにして説明を省略している。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成例は、図1及び図4の実施形態の構成例と同じであるため、図示を省略する。
【0062】
本第3の実施形態が第1及び第2の実施形態と異なる点は、LED群20の調光レベルの切替えや、LED群20の点灯時及び消灯時の急激な輝度の変化を徐々に変えるような制御を行う点である。
【0063】
制御部30の制御動作について説明する。
制御部30におけるマイコンIC3は、LED群20が点灯する時、PWMパルスのオン・オフパルス幅のデューティ比を制御する。最初はデューティ比5%程度から点灯させ、設定されたデューティ比までそのデューティ比を増加させるいわゆるフェードインの点灯方式で点灯を行い、消灯時は逆に設定されたデューティ比から徐々にデューティ比を減じるフェードアウト方式で消灯するものである。
【0064】
人感検知に基づくLEDの設定調光点灯は、周囲がある程度暗い状態で点灯されるため、急に点灯すると眩しく感じるのを防ぐために徐々に設定された明るさに達するようにフェードインを実施することが好ましい。このフェードインは、周知のパルス幅変調(PWM)のデューティ比を徐々に高くしていくことによって可能である。LEDの消灯動作についても、前述のフェードインと同様な技術を用いて徐々に消灯するフェードアウトを実施することが好ましい。
【0065】
人感切替点灯式の場合には、制御部30は、照明用LED群20が高い照度に切り替わる時、PWMパルスのオン・オフパルス幅のデューティ比を制御するもので、コマンドに基づいて最初は低いデューティ比から点灯させ、設定されたデューティ比までそのデューティ比を増加させるフェードイン点灯を行い、低い照度に切り替わる時は逆に設定されたデューティ比から徐々にデューティ比を減じるフェードアウトの減灯を行うよう照明用LED群20を制御する。
【0066】
人感点灯式の場合には、制御部30は、照明用LED群20が点灯する時、PWMパルスのオン・オフパルス幅のデューティ比を制御するもので、コマンドに基づいて最初は低いデューティ比から点灯させ、設定されたデューティ比までそのデューティ比を増加させるフェードイン点灯を行い、消灯に切り替わる時は逆に設定されたデューティ比から徐々にデューティ比を減じるフェードアウトの消灯を行うよう照明用LED群20を制御する。
【0067】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成例は、図12に示すスイッチ構成以外は図1及び図4の実施形態と同様であるため、図示を省略する。
本第4の実施形態が第1乃至第3の実施形態と異なる点は、照度センサの外光取り入れ口を指で塞ぐPDタッチに代えて、プッシュスイッチ等の機械的スイッチの押下に基づき照明用LED群の点灯設定輝度を変更するコマンドを生成する制御を行う点にある。
【0068】
具体的には、図12に示すように制御部30のマイコンIC3の周辺に機械的スイッチSW4を配設した構成とする。すなわち、直流電源端子V5と基準電位点(アース)GNDとの間に抵抗R20と機械的スイッチSW4とを直列に接続し、抵抗R20と機械的スイッチSW4の接続点の電圧をマイコンIC3の入力端子の1つに入力する構成とし、機械的スイッチSW4をオン又はオフにすることによって、抵抗R20と機械的スイッチSW4の接続点からローレベル又はハイレベルの制御信号をコマンドとして出力させる。
【0069】
制御部30の制御動作について説明する。
人感切替点灯式の場合には、制御部30は、照明用LED群20が低い所定輝度で点灯している状態で、人感センサPEDが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群20を高い所定輝度で点灯し、所定時間経過後は元の低い所定輝度で点灯するように制御し、かつ、機械的スイッチの操作に基づき照明用LED群20の前記低い所定輝度を変更するコマンドを生成する制御動作を行う。
【0070】
また、人感点灯式の場合には、制御部30は、照明用LED群20が消灯している状態で、人感センサPEDが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群20を高い所定輝度で点灯し、所定時間経過後は元の消灯状態とするように制御し、かつ、機械的スイッチの操作に基づき照明用LED群20の前記高い所定輝度を変更するコマンドを生成する制御動作を行う。
【0071】
このように、照度センサとは別に設けた機械的スイッチの操作を行うことによって、周囲の光の影響を受ける虞がなくLED群の点灯設定輝度を変更するコマンドを容易に生成することが可能である。
【0072】
以上述べた本発明の実施形態によれば、外部の赤外線リモコン等を利用せず、また、特別な部品を追加することなく、さらに光利用のため電気的な配線を必要とすることなく、直接、照明器具に内蔵された周辺環境照度センサの採光部を一定時間指でタッチするだけで、所望の指令をLED照明器具に伝えることができる。照度センサ採光部の外表面(壁面など)には電気を利用する部品はなく、遮光操作に基づく照度変化を利用したスイッチング動作を行うので、水に濡れた手であっても指操作(PDタッチ)が安全に行える利点もある。また、設定照度の変更指示を、PDタッチに代えて、機械的スイッチを用いて行う構成とすれば、照度センサ用のPDタッチによる利点はなくなるが、周囲の光の影響を受けにくいために制御用のマイコンのプログラムを簡素化できる利点がある。LEDの調光点灯は照明器具に内蔵された既設の人感センサと照度センサを用いて人感切替点灯式または人感点灯式で制御でき、消費電力の低減及び部品コストの低減を図ることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
10…電源部、20…照明用LED群、30…制御部、40…センサ部、IC3…マイコン、IC4…照度センサ、PED…人感センサ、100…調光型LED照明器具。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具内の人感センサと周辺環境照度センサを利用して点灯時の明るさを切り替えて点灯させることが可能な調光型LED照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、LEDに流れる電流値を変えずに電流を流す期間をコントロールすることでLEDの点灯輝度を可変するパルス幅変調(PWM)による制御技術は周知であり、この技術を応用したLED照明器具は既に市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−310963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市販されているLED照明器具の点灯時の明るさを変えたい時は、一般に赤外線リモコン等の操作にて行われている。このため、照明器具の近辺に常時赤外線リモコンを用意して置かなければならないという不便さがあった。
【0005】
この問題を解消するために、本発明は、照明器具内に実装されている人感センサと周辺環境照度センサを利用して、LEDの点灯時の明るさを切り替えて点灯させることが可能な調光型LED照明器具を提供することを目的とする。さらに、本発明は、点灯時の明るさを切り替える際、赤外線リモコン等の器具を用いることなく、機器組み込みの照度センサ等々の部品を利用して指示して簡単に照明器具の点灯時の明るさを切り替えることが可能な調光型LED照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による調光型LED照明器具は、少なくとも1つのLEDを含む照明用LED群を備え、周囲環境の照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、前記照明用LED群を予め決めた所定の低い輝度で点灯させる第1の点灯制御部と、前記所定の低い輝度で点灯している状態で、前記人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知したとき、人を検知後の所定期間は前記照明用LED群を所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、前記所定期間を経過後に前記照明用LED群を元の前記所定の低い輝度で点灯させる第3の点灯制御部とを備えた点灯制御部と、ユーザ操作に基づいて前記所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、を具備したものである。
【0007】
本発明の他の態様による調光型LED照明器具は、少なくとも1つのLEDを含む照明用LED群を備え、周囲環境の照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、前記人感センサによって人を検知しないときは、前記照明用LED群を消灯状態とさせる第1の点灯制御部と、前記照明用LED群が消灯している状態で、前記人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知したとき、人を検知後の所定期間は前記照明用LED群を予め決めた所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、前記所定期間を経過後に前記照明用LED群を元の消灯状態に戻す第3の点灯制御部とを備えた点灯制御部と、ユーザ操作に基づいて前記所定の高い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、を具備したものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成の一例を示す図。
【図2】第1の実施形態の人感切替点灯式の調光型LED照明器具における制御部であるマイコンの制御プログラムを説明するフローチャート。
【図3】図2におけるPDタッチのルーチンを説明するフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施形態の人感点灯式の調光型LED照明器具における制御部であるマイコンの制御プログラムを説明するフローチャート。
【図5】図4におけるPDタッチのルーチンを説明するフローチャート。
【図6】図6乃至図11は既出願の照度センサによる照明点灯制御方法を説明する図であり、図6は照明器具における一般的な外光取り入れ口の構成例を示す図。
【図7】フォトダイオードを利用した照度センサの照度対光電流の特性を示す図。
【図8】フォトダイオードを利用した照度センサの照度計測回路の構成を示す図。
【図9】フォトダイオードを利用した照度センサの外光取り入れ口を指で塞いだ際の、照度変化特性を示す図。
【図10】フォトダイオードを利用した照度センサの外光取り入れ口を指で塞いだ際の、詳細な照度変化特性を示す図。
【図11】照度センサの照度変化特性から、センサ正面を人体や物体が比較的長時間塞いだような状態と区別して、外光取り入れ口を人が操作目的で指で塞いだ状態を識別判定する方法の一例を説明する図。
【図12】本発明の第4の実施形態を実現するための機械的スイッチの接続構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図6乃至図11は、以下に述べる本発明の実施形態に係る調光型LED照明器具の基礎となる技術を説明する図である。図6は従来の構成例でもあるが、本発明の第1の実施形態においても、一般的な構成例として採用している。この基礎となる技術は、LEDに流す電流のパルス幅のデューティ比を変えて調光制御する際に、照度センサの外光取り入れ口(採光部とも呼ぶ)を指先で一定時間押さえ、照度センサに外光を遮蔽する行為を行うことによって調光指令とする例も含んでいる(PDタッチと呼称し、本技術は特願2010−229022号明細書(未公開)に記載されている)。
【0010】
図6において、(a)は照明器具の正面図の一部を示し、(b)は(a)のA−A線断面図を示している。外光は化粧板52に空けた丸穴に挿着された外光導入ガイド51を通過してプリント基板53上の照度センサIC4に受光される。
【0011】
図7はフォトダイオードを利用した照度センサの照度対光電流の特性を示す。照度センサIC4の出力端子に図8のように抵抗RLを接続し、照度センサIC4のカソードを電源Vddに接続すると、抵抗RLの両端には周辺照度に比例した出力が発生し、この出力をマイコンIC3のAD変換入力端子に接続する。
【0012】
実際の照明器具では図6に示すように照度センサIC4が取り付けられており、照度センサIC4の上部に円柱形のアクリル樹脂51が装着され、照明器具の外部の周辺の光が照度センサIC4に取り込まれるようになっている。円柱形のアクリル樹脂51を含む外光取り込れ口の上部を指等で塞ぐと図9のように照度センサIC4の出力は大きく変化する。
【0013】
マイコンIC3のAD変換サイクル(AD変換のサンプリング周期と同義)をTad秒とすると1秒間に1/Tad回照度センサIC4の出力がAD変換される。図10は、フォトダイオードを利用した照度センサの外光取り入れ口を指で塞いだ際の、照度変化特性の状態を示している。同図で‘イ’の状態が照度センサIC4を指で塞ぐ前の状態とし、‘ロ’が完全に塞がれて照度センサの出力が最低値を示す状態で、‘ハ’は指が離され元の状態に戻った状態を示す。
【0014】
‘イ’の状態から一定以上の電圧変化が発生したら、照度センサの外光取り入れ口が指で塞がれ、その後外光取り入れ口の状態が元に復帰された状態をマイコンIC3のAD変換値を処理しその結果を見ることによって、なんらかの動作を指示する指令信号とすることができる。このようにすれば、照明器具に操作用のツマミ類が無くても、指操作に基づく照度センサ出力の独特の変化特性(図9参照)から、照明器具の点灯状態を変化させる指令(コマンド)となる制御信号を得ることが可能となる。
【0015】
図10からも分かるように、各サイクル毎のAD変換データを比較しただけでは.ゆっくりとした照度センサの出力変化を判断できない。そこで、AD変換データをn個保持する即ち、現時点t=0時からt=n/Tad前の過去のAD変換データまでをマイコンIC3のRAM領域に記憶させて、毎サイクル毎に1つ前のサイクルの古いデータを順送りにシフトして上書きする。このようにすれば、常に現時点からn/Tad時間前までのn個のデータが保存される。ここで各サイクル毎にt=0とt=−n/Tadの両端のデータを比較して両端のデータの差が一定値を超せば、照度センサIC4の出力が急変したと判断することが可能である。外光取り入れ口を人が操作目的で比較的短時間指で塞いだ時は、照度センサIC4の出力が急変するので、これによって人が操作目的で外光取り入れ口を指で塞いだと判定可能であることを、図11を参照しながら以下に説明する。
【0016】
図11は、照度センサの照度変化特性から、センサ正面を人体や物体が比較的長時間塞いだような状態と区別して、外光取り入れ口を人が操作目的で指で塞いだ状態を識別判定する方法の一例を説明する図である。今、照度センサの外光取り入れロに指を近づけた時点を(1)とすると、この時点ではAD変換データをn個保持する期間(即ち、t=0とt=−n/Tad)の両端のデータの差は殆ど無い。更に指が外光取り入れ口に近づき、照度センサの出力が大きく落ち込み始めた時点を(2)とすると、この時点での両端のデータの差も一定値以下だったとすると、マイコンIC3の出力には変化が生じない(つまり、マイコンIC3からは決められた指令を出力することはない)。更に、指が外光取り入れ口をほぼ完全に塞ぎはじめた時点を(3)とすると、この時点では両端のデータの差が一定値を越す。この時の−n/Tad時のデータを保存しておく。またマイコンのタイマ機能を動作させて−n/Tad時のデータとほぼ一致するまでの時間を計測する。外光取り入れ口の指が離れると照度センサIC4の出力は復帰状態となる。図11の(4)が復帰した時点とし、(3)から(4)間の経過時間が比較的短時間t秒(例えば2秒)であれば、明らかに照度センサIC4が指等で意識的に塞がれたと判定できる。このように、AD変換データ処理(センサ出力の急激な降下検出)と復帰までの経過時間の制約を満足したら、マイコンIC3は照度センサIC4が指で塞がれたと判断し、マイコンIC3は決められた動作出力(指令信号)を立ち上げることになる。
【0017】
即ち、照度センサIC4の出力変動を現時点のAD変換データとn/Tad時間前のAD変換データとの差で検定することでその差が一定値を超えたとの判定と、所定のt秒程度の短時間で元の値に戻ったとの判定ができれば、操作目的の照度変化特性が検出されたとして所定のコマンドを立ち上げることが確実に行える。
【0018】
このように、照度センサを利用してツマミ類を一切必要としないで、マイコンに調光指示等の命令入力(コマンド)を与えることができる照度センサによる照明点灯制御方法を実現することができる。
【0019】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成の一例を示す図である。図1に示す調光型LED照明器具100は、電源部10と、照明用LED群20と、マイコンを含む制御部30と、センサ部40とを備えている。
【0020】
電源部10は、交流直流変換回路11と、安定化直流電圧生成回路12と、定電圧電源生成回路13とを備えている。
センサ部40は、人感センサ回路41と、照度センサ回路42とを備えている。
【0021】
電源部10には、交流電源(AC)100Vの交流電源入力端子0,1が配設され、かつ直流電源出力端子V27,V5,GNDが配設されている。GNDは基準電位点としてのグランド端子である。
交流直流変換回路11は、交流電源(AC)100Vを全波整流ダイオードブリッジDBにて全波整流して交流を直流に変換する回路である。ACラインフィルタL1およびコンデンサC1はEMI(電磁干渉)除去フィルタである。ZNRは雷等で発生する過電圧による電子部品保護のために用いられるサージ吸収素子である。
【0022】
安定化直流電圧生成回路12は、フライバックトランスTRを用いたスイッチングレギュレータ回路であって、スイッチング回路IC1内には高耐圧型のパワーMOSトランジスタが内蔵され、トランスTRの1次側の直流電圧を約100KHzでスイッチングしており、トランスTRの2次側のファーストリカバリダイオードD1で整流された直流電圧を定電圧ダイオードZDと該定電圧ダイオードのアノード側に直列接続されたフォトカプラPCにてスイッチング回路IC1の発信周波数を制御することによって定電庄ダイオードZDで設定された一定の直流電圧がトランスTRの2次側に得られる。この2次側の直流電圧は負荷となる照明用LED群20の直列接続されたLEDの数に応じて定電庄ダイオードZDを選択することによって得られる。例えば照明用LED群20の1つのLEDの順方向電圧Vfの値が3.3Vの場合で8個直列接続されている場合は3.3×8=26.4Vの印加電庄が必要となる。この場合、定電庄ダイオードZDとして電圧27Vを選択すればTR2次側出力は27Vとなり、LED群20を点灯することが可能となる。トランスTRの1次側のダイオード回路D2は、高耐圧のファーストリカバリーダイオードと200Vの定電庄ダイオードが各々のカソード同士が直接接続されて構成されており、スイッチング回路IC1のパワーMOSトランジスタがオフ時にトランスTRの1次側に発生する電磁エネルギーによって当該パワーMOSトランジスタが破壊されるのを防止するためのパワークランパとして機能する。
【0023】
定電圧電源生成回路13は、マイコンIC3,人感センサ回路41,及び照度センサ回路42に定電圧電源を供給するための電圧生成回路である。IC2はプログラマブル・シャント・レギュレータであって、トランジスタQ1のベース電圧を5Vに設定することでトランジスタQ1の出力としてほぼ5Vの定電圧を得て、上述の3つの回路(IC3,41,42)に対する電源としている。
【0024】
照明用LED群20は、複数個直列に接続されたLEDの組が一組以上並列接続されたLED群と、これらの並列接続LED群に直列に接続したスイッチング素子としてのスイッチングトランジスタQ2とを含んで構成されている。なお、LED群20は1つのLEDであってもよい。スイッチングトランジスタQ2は例えばパワーMOSトランジスタが用いられる。パワーMOSトランジスタは直接マイコンIC3でドライブできるメリットがある。
【0025】
スイッチング素子としてのスイッチングトランジスタQ2は照明用LED群20の明るさを制御するためのトランジスタであって、トランジスタQ2のゲートに供給するスイッチングパルス幅のデューティ比を可変することにより、明るさを可変即ち調光したり、後述のフェードイン点灯、またはフェードアウト点灯を行うことができる。
【0026】
制御部30は、マイコンIC3と、マイコンIC3に接続されていて、人感センサPEDでスイッチオンする閾値の点灯照度を切り替えるためのスイッチSW2と、マイコンIC3に接続されていて、人感センサPEDが人を検知後にLED群20を点灯させるタイマー時間の切り替えを行うためのスイッチSW3とを備えている。マイコンIC3には、人感センサ出力信号と照度センサ出力信号が直接人力されている。マイコンIC3では、人感信号の有意性や照度センサの出力値の判定のため各入力はAD変換され、所定の閾値と比較される。スイッチSW2は点灯照度切替えスイッチであって、LED点灯照度の閾値を外部操作スイッチを用いて切り替え可能としている。スイッチSW2がオン時は周辺環境照度が明照度の所定値(例えば30LX)以下でLEDを点灯させるように設定し、オフの場合は、暗照度の所定値(例えば10LX)以下でLEDを点灯させるように設定することにより、ユーザはLED照明器具の設置される環境に応じて二種類の暗さレベルを表す有効な閾値を選択することができる。
【0027】
スイッチSW3は人感センサPEDが人を検知したときのLED点灯時間を選択するスイッチであって、本実施形態では例えば4ビットのデジタル型ロータリースイッチを使用した場合を示している。なお、点灯時間の設定は、デジタル型ロータリースイッチのほかに、可変抵抗器VRであったり、スライドスイッチを使用して一定の時間を選択する方法もある。
【0028】
制御部30は、照明用LED群20が低い輝度で点灯している状態で、人感センサPEDが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群20を高い一定輝度で点灯し、所定時間経過後は元の低い輝度で点灯するように制御する点灯制御部と、照度センサIC4の出力を監視し、その出力が急変することを捉えて照明用LED群20の前記低い輝度を変更するコマンドを生成する点灯状態設定部と、を備えている。
【0029】
人感センサ回路41は焦電センサを用いて構成されている。人感センサPEDとしての焦電センサは人体の放出する赤外線を選択的に取り込み、その結果センサに発生した電荷を電流に変え、内部に実装された電界効果トランジスタ(FET)で電圧変換された信号を2段の増幅部で60〜70db程度増幅し、その出力はマイコンIC3のAD変換人力端子に接続される。
【0030】
人感センサPEDは、第1〜第3の3本の端子を備えており、第1の端子には前記定電圧電源生成回路13の出力端子V5の出力電圧を抵抗R8を介して接続し、第2の端子には基準電位GNDのラインが接続し、第3の端子からは、熱線を検出した時にこれに対応した微弱な検知電圧がセンサ出力として出力される。センサ出力は、抵抗R9と、抵抗R10及びコンデンサC6の並列回路からなる入力回路を経てオペアンプOP1,コンデンサC8,C7,抵抗R12,R11からなる第1段増幅部で増幅され、さらにコンデンサC9,抵抗R13,オペアンプOP2,コンデンサC10,抵抗R14,抵抗R15,抵抗R16からなる第2段増幅部で増幅されることによって数千倍に増幅出力される。
【0031】
照度センサ回路42はフォトダイオードと電流増幅回路を有するIC型照度センサIC4を利用した回路であって、照度センサIC4の負荷の抵抗RLの両端の電圧は先述のマイコンIC3のAD変換人力端子に接続される。照度センサIC4は周辺の明るさが明るい程センサの出力電流が増加するタイプである。
【0032】
調光型LED照明器具100は、マイコンIC3の接続されたスイッチSW1がオフの場合、人感センサ回路41の人感出力有りで照明用LED群20の点灯輝度が予め設定された低い所定輝度から高い所定輝度に切り替えられるものである。
【0033】
照度センサ回路42の出力が明照度の所定値(例えば30LX)以下になった時点で設定された明るさ(輝度)でLED群20が点灯する。例えば照明用LED群20がデューティ比25%の明るさで点灯しているとき、人感センサ回路41で人を検知すると、LED群20がデューティ比100%の明るさで、マイコンIC3に接続されたスイッチSW3で設定されたタイマ時間だけ点灯し、タイムアップ後再び元の25%の明るさで点灯する。30LX以下で常時点灯するLED群20の明るさは照度センサ回路42の照度センサの外光取り入れ口(即ち照度センサ用採光部)を指で一定時間押さえること(PDタッチ)で変更可能であり、変更後のLED群20の点灯輝度を確認して変更を容易に完了することができる。
【0034】
次に、図2及び図3を参照してマイコンの制御動作を説明する。
図2は第1の実施形態の人感切替点灯式の調光型LED照明器具における、制御部としてのマイコンの制御プログラムのフローチャートの一例を示している。
まず、15秒間、全点灯するウォーミング(白色点灯)を行う(ステップS1)。
【0035】
次に、ウォーミング後、予め設定されている調光レベルによる最終記憶調光点灯を一定時間行う(ステップS2)。このときのステップS2の機能は第1の点灯制御部を構成している。ここで、最終記憶調光点灯とは、LED照明器具を購入して初めての電源投入時(初期状態)では100%点灯するが、本制御フローを少なくとも一巡する過程でPDタッチによる電源投入後の常時の照明用LED群20の点灯明るさを調光設定して点灯させるとき(例えば常夜灯として使用するとき)には、マイコンIC3内のメモリにはPDタッチに基づいた指示によって調光設定レベルを例えば25%点灯の明るさレベルに設定して調光点灯することができる。調光設定とは、PDタッチによりワンタッチごとに、例えば10%、25%、50%、100%から順にいずれかの明るさレベルが設定可能である(但し、購入時の初期設定は100%としてある)ことをいう。
【0036】
このように電源投入時に予め設定してある例えば25%点灯で設定調光点灯した状態で、次のステップS3に移行する。ステップS3では、点灯照度切替えスイッチSW2で人感動作を開始するために必要な暗さの周辺環境照度(閾値)を複数個(図では2つ)の中から適宜に切り替える設定を行う。
【0037】
点灯照度切替えスイッチSW2がオンに設定された時は、周辺環境照度が明照度の所定値(30LX)以下(ステップS4)で照明用LED群20を点灯させ、スイッチSW2がオフに設定された時は、周辺環境照度が暗照度の所定値(10LX)以下(ステップS5)でLEDを点灯させるように、LED照明器具100の設置される環境で有効な閾値の照度を選択できる。
【0038】
ステップS4又はステップS5で明照度所定値以下か暗照度所定値以下かの一方が選択された後に、その選択感度(閾値)で人感検知が行われる(ステップS6)と、ステップS2での低い輝度点灯(例えば25%調光点灯)の状態から高い輝度点灯(例えば調光100%点灯)に切り替わる(ステップS7)。
【0039】
ステップS7の調光100%点灯の実行と同時にタイマがスタートする(ステップS8)。このときのタイマ時間は、例えばロータリスイッチを用いて設定可能であり、タイマ設定時間としては例えば1,5,10,20,30,40,50,60分のいずれかが選択可能となっている。
【0040】
そして、ステップS9で、人感検知時にタイマがスタートしてから予め設定したタイマ時間に達したか否かを判定する。ステップS9で、タイムアップする前の状態で人が近くに居ると、人感センサは人感検知を行い(ステップS11)、これによってマイコンはリトリガされて、再度タイマをリセットして(ステップS12)、調光100%点灯を持続可能とする。このときのステップS3〜S9,S11及びS12の機能は、第2の点灯制御部を構成している。
【0041】
ステップS9で、タイムアップしていれば、照明負荷としてのLED群20を元の設定調光状態である低い輝度での点灯(25%調光点灯)に戻す(ステップS10)。このときのステップS9及びS10の機能は、第3の点灯制御部を構成している。
【0042】
一方、ステップS4,S5で周辺照度が予め設定した閾値の照度以下になっていない状態では、LEDは消灯する。ユーザによるPDタッチがなされると(ステップS13)、ステップS14の動作へ進む。ステップS14での動作は、PDタッチ前の設定調光レベルから調光リングに従いワンステップ分ずつの調光切り替えが行われる。例えば現時点の低い輝度点灯(25%調光点灯)から高い輝度点灯(50%調光点灯)に切り替えられて、その切り替えられた調光点灯で点灯する(ステップS15)。このときのステップS13〜S15の機能は、点灯状態設定部を構成している。なお、ステップS17では、PDタッチが所定時間内であれば、PDタッチの度にリング式に例えば25%,50%,100%が順次に選択され、選択された明るさで点灯させることも可能である。
【0043】
図3は図2におけるPDタッチルーチンS15のフローチャートの一例を示している。このフローチャートは、図11の説明に関連した動作である。
現時点のAD変換データの値と現時点から−10/Tad前のAD変換データの値(Tad:AD変換のサンプリング周期)とのAD電圧差が、0.5Vより小さいか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21でノーであれば、AD電圧差が0.5V以上あり、照度センサIC4の出力が急変したことを表しているから、ステップS22〜S27のPD成功を判定するループを巡回して、ステップS27からステップS22に戻ったところでPD成功が確認されれば、PDタッチ成功(イエス)として、ステップS28に移行してPDフラグを1とし、ステップS29へ進む。なお、ステップS21でAD電圧差が、0.5Vより小さければ、照度センサ出力が急変していない即ちPDタッチではないとして、図2のメインフローへリターンする。
【0044】
ステップS29では、照度センサの外光取り入れ口での光の具合による照度センサに対する影響を防ぐために、1.5秒間は照度センサの検知動作を停止(マスキング)し、かつPDタッチによる指操作の判定に用いるためにメモリ保存していた照度値の10個分のAD変換サンプリング値をリセットする。そして、図2のメインフローへリターンする。
【0045】
一方、ステップS22でPDタッチが不成立であれば、ステップS23へ進む。ステップS23では現在のAD変換値の電圧が0.3Vより小さいか否かを判定する。0.3Vは図11に示したPDタッチ時の照度変化特性のセンサ出力値の凹状曲線の底部電圧に相当する値であり、現在のAD変換値が0.3Vより小さいときはPDタッチが正常に行われているので、現在操作している人が人感検知されるかどうかを確認するために人感センサによる人感検知を行った後に次ステップS25へ進む。
【0046】
ステップS25で、人感検知が行われると、現時点のAD変換値が現時点から10個前のAD変換値よりも5回連続して大きいことを確認する(ステップS28)。ステップS28では、図11のPDタッチ特性グラフから分かるように、その照度変化特性曲線(横軸に時間、縦軸に照度センサ値をとった凹状曲線)の凹底部の時点から時間経過と共に上がっていく特性部分(元の照度レベルに戻る部分)にきていることが分かるので、図3に示すフロー上のステップS25をS27,S22〜S24を通るループで複数回巡回する過程で、現在のAD変換値>10個前のAD変換値 の関係を5回連続して確認している(ステップS28)。
【0047】
ステップS25で5回連続の成立が確認できれば、PDタッチが成功した(ステップS26)とし、次のPDタッチ処理における経過時間t(ここでは2秒に設定している、図11におけるtに同じ)を経過したか否かを判定し(ステップS27)、2秒経過していれば、図2のメインフローへリターンする。
【0048】
さて、本発明の実施形態では、周囲に人が居るか否かを検知する人感センサを備え、この人感センサの検知動作を周囲環境照度に基づいて制御するために照度センサが設けられている。
調光型LED照明器具が低い照度で点灯している状態で、人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は人感センサが照明負荷を高い輝度で点灯(例えば100%点灯)し、所定時間経過後は元の低い輝度で点灯できるように制御する。すなわち、電源スイッチのオンで、照明負荷であるLEDを予め設定した低照度の点灯(例えば25%点灯)の状態で点灯し、人が来たことを人感センサで検知したときにLED群を100%点灯の明るさで点灯させ、所定のタイマ時間を経過すると元の低輝度の点灯状態に戻るように制御する。この制御方法のことを、第1の点灯状態(例えば25%点灯)から、人感検知時に第2の点灯状態(100%点灯)に切り替えるということから人感切替点灯式と呼ぶ。この制御方式は、夜間などの照明、例えば、常夜灯として利用することができるものである。
【0049】
或いは、もう1つの制御方式として、人感センサは周囲環境照度がある照度値以下で人を検知する人感検知動作を開始できるように制御されていて、人が居ないときは人を検知せず照明負荷であるLEDを消灯状態のままとし、人が来て人感検知したときにLEDを予め設定した設定状態の明るさで所定時間点灯させ、所定時間経過後は元の消灯状態に戻るように制御する。この制御方式を、人感で点灯,消灯するということから人感点灯式と呼ぶ。
【0050】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成例は、図1の第1の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成例と同じであるため、図示を省略する。
【0051】
本第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態の調光型LED照明器具の制御動作が人感切替点灯式であったのに対して、本第2の実施形態の調光型LED照明器具の制御動作は人感点灯式となっていることである。従って、本第2の実施形態と第1の実施形態とは、制御部であるマイコンの制御プログラムが互いに異なってくる。
【0052】
制御部30は、照明用LED群20が消灯している状態で、人感センサPEDが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群20を高い一定輝度で点灯し、所定時間経過後は元の消灯状態とするように制御する点灯制御部と、照度センサの出力IC4を監視し、その出力が急変することを捉えて照明用LED群20の前記高い一定輝度を変更するコマンドを生成する点灯状態設定部と、を備えている。
【0053】
制御部30の制御動作について説明する。
制御部30におけるマイコンIC3に接続されたスイッチSW1をオンにすると、常時LED群20は消灯していて、人感センサ回路41で人を検知し、制御部30のスイッチSW2で予め選択されている点灯照度以下であれば、LED群20が点灯する。このとき、LED群20の点灯は予め選択されたPWMパルスのデューティ比で点灯、つまり調光点灯する。その明るさを変更したければ PDタッチで指示すると、調光度(明るさレベル)がリング式に順次に容易に変更できる。このとき変更後のPWMパルスデューティ比が次回以降再現される。
【0054】
LED群20の点灯時間はスイッチSW3で選択されたタイマ時間だけ点灯し、タイムアップ後は消灯する。
【0055】
図4は第2の実施形態の人感点灯式の調光型LED照明器具における、制御部としてのマイコンの制御プログラムのフローチャートの一例を示している。
まず、ステップS41で、全点灯を15秒間実施後に全消灯するウォーミング(白色点灯)を行う。
そして、点灯照度切替えスイッチSW2によって、スイッチSW2がオンしているときは周辺環境照度が明照度所定値(例えば30LX)以下(ステップS43)でLED群20が点灯され、スイッチSW2がオフしているときは、周辺環境照度が暗照度所定値(例えば10LX)以下(ステップS44)でLED群20が点灯されるように、調光型LED照明器具100の設置されている環境で有効な点灯時間の閾値を選択する(ステップS42)。このときのステップS41〜S44の機能は、第4の点灯制御部(請求項2では第1の点灯制御部)を構成している。
【0056】
ステップS43又はステップS44で30LX以下か10LX以下かの一方が選択された後に、その選択された感度(閾値)で人感検知が実行される(ステップS45)と、予め設定した状態での設定調光点灯を行う(ステップS46)。ここでの設定調光は、PDタッチによって、例えば10%、25%、50%、100%からのいずれかの明るさレベルに設定が可能である(但し、初期設定は100%としてある)。
【0057】
ステップS46の設定調光点灯の開始と共にタイマがスタートする(ステップS47)。タイマ時間は、例えばロータリスイッチを用いて設定可能であり、タイマ設定時間として例えば1.5,10,20,30,40,50,60分が選択可能となっている。
【0058】
そして、ステップS48で、マイコン内の人感用タイマがスタート(ステップS47)してから設定したタイマ時間に達したか否かを判定する。ステップS48で、タイムアップする前に近くに人が居ると人感検知が行われる(ステップS50)と、マイコンがリトリガされ、そのタイミングでタイマがリセットされて(ステップS51)、設定調光点灯が継続可能とされる。このときのステップS40〜S48,S50及びS51の機能は、第5の点灯制御部(請求項2では第2の点灯制御部)を構成している。
【0059】
ステップS48でタイムアップしていれば、照明負荷としてのLED群20を消灯する(ステップS49)。このときのステップS48及びS49の機能は、第6の点灯制御部(請求項2では第3の点灯制御部)を構成している。
【0060】
そして、ユーザがPDタッチを行う(ステップS52)と、PDタッチの40ごとにリング式に例えば25%,50%,100%の調光レベル設定が順次に選択され(ステップS53)、選択された明るさで調光点灯が持続されることになる(ステップS54)。このときのステップS52〜S54の機能は、点灯状態設定部を構成している。
【0061】
図5は図4におけるPDタッチルーチンS52のフローチャートの一例を示している。図5のフローチャートは、図3のPDタッチルーチンS13と同様であるので、図5の各ステップの符号を図3の各ステップの符号と同じにして説明を省略している。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成例は、図1及び図4の実施形態の構成例と同じであるため、図示を省略する。
【0062】
本第3の実施形態が第1及び第2の実施形態と異なる点は、LED群20の調光レベルの切替えや、LED群20の点灯時及び消灯時の急激な輝度の変化を徐々に変えるような制御を行う点である。
【0063】
制御部30の制御動作について説明する。
制御部30におけるマイコンIC3は、LED群20が点灯する時、PWMパルスのオン・オフパルス幅のデューティ比を制御する。最初はデューティ比5%程度から点灯させ、設定されたデューティ比までそのデューティ比を増加させるいわゆるフェードインの点灯方式で点灯を行い、消灯時は逆に設定されたデューティ比から徐々にデューティ比を減じるフェードアウト方式で消灯するものである。
【0064】
人感検知に基づくLEDの設定調光点灯は、周囲がある程度暗い状態で点灯されるため、急に点灯すると眩しく感じるのを防ぐために徐々に設定された明るさに達するようにフェードインを実施することが好ましい。このフェードインは、周知のパルス幅変調(PWM)のデューティ比を徐々に高くしていくことによって可能である。LEDの消灯動作についても、前述のフェードインと同様な技術を用いて徐々に消灯するフェードアウトを実施することが好ましい。
【0065】
人感切替点灯式の場合には、制御部30は、照明用LED群20が高い照度に切り替わる時、PWMパルスのオン・オフパルス幅のデューティ比を制御するもので、コマンドに基づいて最初は低いデューティ比から点灯させ、設定されたデューティ比までそのデューティ比を増加させるフェードイン点灯を行い、低い照度に切り替わる時は逆に設定されたデューティ比から徐々にデューティ比を減じるフェードアウトの減灯を行うよう照明用LED群20を制御する。
【0066】
人感点灯式の場合には、制御部30は、照明用LED群20が点灯する時、PWMパルスのオン・オフパルス幅のデューティ比を制御するもので、コマンドに基づいて最初は低いデューティ比から点灯させ、設定されたデューティ比までそのデューティ比を増加させるフェードイン点灯を行い、消灯に切り替わる時は逆に設定されたデューティ比から徐々にデューティ比を減じるフェードアウトの消灯を行うよう照明用LED群20を制御する。
【0067】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る調光型LED照明器具の構成例は、図12に示すスイッチ構成以外は図1及び図4の実施形態と同様であるため、図示を省略する。
本第4の実施形態が第1乃至第3の実施形態と異なる点は、照度センサの外光取り入れ口を指で塞ぐPDタッチに代えて、プッシュスイッチ等の機械的スイッチの押下に基づき照明用LED群の点灯設定輝度を変更するコマンドを生成する制御を行う点にある。
【0068】
具体的には、図12に示すように制御部30のマイコンIC3の周辺に機械的スイッチSW4を配設した構成とする。すなわち、直流電源端子V5と基準電位点(アース)GNDとの間に抵抗R20と機械的スイッチSW4とを直列に接続し、抵抗R20と機械的スイッチSW4の接続点の電圧をマイコンIC3の入力端子の1つに入力する構成とし、機械的スイッチSW4をオン又はオフにすることによって、抵抗R20と機械的スイッチSW4の接続点からローレベル又はハイレベルの制御信号をコマンドとして出力させる。
【0069】
制御部30の制御動作について説明する。
人感切替点灯式の場合には、制御部30は、照明用LED群20が低い所定輝度で点灯している状態で、人感センサPEDが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群20を高い所定輝度で点灯し、所定時間経過後は元の低い所定輝度で点灯するように制御し、かつ、機械的スイッチの操作に基づき照明用LED群20の前記低い所定輝度を変更するコマンドを生成する制御動作を行う。
【0070】
また、人感点灯式の場合には、制御部30は、照明用LED群20が消灯している状態で、人感センサPEDが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知すると、人を検知後の所定期間は照明用LED群20を高い所定輝度で点灯し、所定時間経過後は元の消灯状態とするように制御し、かつ、機械的スイッチの操作に基づき照明用LED群20の前記高い所定輝度を変更するコマンドを生成する制御動作を行う。
【0071】
このように、照度センサとは別に設けた機械的スイッチの操作を行うことによって、周囲の光の影響を受ける虞がなくLED群の点灯設定輝度を変更するコマンドを容易に生成することが可能である。
【0072】
以上述べた本発明の実施形態によれば、外部の赤外線リモコン等を利用せず、また、特別な部品を追加することなく、さらに光利用のため電気的な配線を必要とすることなく、直接、照明器具に内蔵された周辺環境照度センサの採光部を一定時間指でタッチするだけで、所望の指令をLED照明器具に伝えることができる。照度センサ採光部の外表面(壁面など)には電気を利用する部品はなく、遮光操作に基づく照度変化を利用したスイッチング動作を行うので、水に濡れた手であっても指操作(PDタッチ)が安全に行える利点もある。また、設定照度の変更指示を、PDタッチに代えて、機械的スイッチを用いて行う構成とすれば、照度センサ用のPDタッチによる利点はなくなるが、周囲の光の影響を受けにくいために制御用のマイコンのプログラムを簡素化できる利点がある。LEDの調光点灯は照明器具に内蔵された既設の人感センサと照度センサを用いて人感切替点灯式または人感点灯式で制御でき、消費電力の低減及び部品コストの低減を図ることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
10…電源部、20…照明用LED群、30…制御部、40…センサ部、IC3…マイコン、IC4…照度センサ、PED…人感センサ、100…調光型LED照明器具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのLEDを含む照明用LED群を備え、周囲環境の照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、
前記照明用LED群を予め決めた所定の低い輝度で点灯させる第1の点灯制御部と、前記所定の低い輝度で点灯している状態で、前記人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知したとき、人を検知後の所定期間は前記照明用LED群を所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、前記所定期間を経過後に前記照明用LED群を元の前記所定の低い輝度で点灯させる第3の点灯制御部とを備えた点灯制御部と、
ユーザ操作に基づいて前記所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、
を具備したことを特徴とする調光型LED照明器具。
【請求項2】
少なくとも1つのLEDを含む照明用LED群を備え、周囲環境の照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、
前記人感センサによって人を検知しないときは、前記照明用LED群を消灯状態とさせる第1の点灯制御部と、前記照明用LED群が消灯している状態で、前記人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知したとき、人を検知後の所定期間は前記照明用LED群を予め決めた所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、前記所定期間を経過後に前記照明用LED群を元の消灯状態に戻す第3の点灯制御部とを備えた点灯制御部と、
ユーザ操作に基づいて前記所定の高い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、
を具備したことを特徴とする調光型LED照明器具。
【請求項3】
前記点灯状態設定部は、前記照度センサの出力を監視し、前記照度センサの出力が急変することを捉えて前記所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成することを特徴とする請求項1に記載の調色型LED照明器具。
【請求項4】
前記点灯状態設定部は、前記照度センサの出力を監視し、前記照度センサの出力が急変することを捉えて前記所定の高い輝度を変更するためのコマンドを生成することを特徴とする請求項2に記載の調色型LED照明器具。
【請求項5】
前記点灯状態設定部は、機械的スイッチの操作に基づき前記所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成することを特徴とする請求項1に記載の調色型LED照明器具。
【請求項6】
前記点灯状態設定部は、機械的スイッチの操作に基づき前記所定の高い輝度を変更するためのコマンドを生成することを特徴とする請求項2に記載の調色型LED照明器具。
【請求項1】
少なくとも1つのLEDを含む照明用LED群を備え、周囲環境の照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、
前記照明用LED群を予め決めた所定の低い輝度で点灯させる第1の点灯制御部と、前記所定の低い輝度で点灯している状態で、前記人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知したとき、人を検知後の所定期間は前記照明用LED群を所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、前記所定期間を経過後に前記照明用LED群を元の前記所定の低い輝度で点灯させる第3の点灯制御部とを備えた点灯制御部と、
ユーザ操作に基づいて前記所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、
を具備したことを特徴とする調光型LED照明器具。
【請求項2】
少なくとも1つのLEDを含む照明用LED群を備え、周囲環境の照度を検出する照度センサと、人を検知する人感センサとを用いて、前記照明用LED群の照明光を制御するLED照明器具であって、
前記人感センサによって人を検知しないときは、前記照明用LED群を消灯状態とさせる第1の点灯制御部と、前記照明用LED群が消灯している状態で、前記人感センサが周囲環境照度がある照度値以下で人を検知したとき、人を検知後の所定期間は前記照明用LED群を予め決めた所定の高い輝度で点灯させる第2の点灯制御部と、前記所定期間を経過後に前記照明用LED群を元の消灯状態に戻す第3の点灯制御部とを備えた点灯制御部と、
ユーザ操作に基づいて前記所定の高い輝度を変更するためのコマンドを生成する点灯状態設定部と、
を具備したことを特徴とする調光型LED照明器具。
【請求項3】
前記点灯状態設定部は、前記照度センサの出力を監視し、前記照度センサの出力が急変することを捉えて前記所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成することを特徴とする請求項1に記載の調色型LED照明器具。
【請求項4】
前記点灯状態設定部は、前記照度センサの出力を監視し、前記照度センサの出力が急変することを捉えて前記所定の高い輝度を変更するためのコマンドを生成することを特徴とする請求項2に記載の調色型LED照明器具。
【請求項5】
前記点灯状態設定部は、機械的スイッチの操作に基づき前記所定の低い輝度を変更するためのコマンドを生成することを特徴とする請求項1に記載の調色型LED照明器具。
【請求項6】
前記点灯状態設定部は、機械的スイッチの操作に基づき前記所定の高い輝度を変更するためのコマンドを生成することを特徴とする請求項2に記載の調色型LED照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−84518(P2013−84518A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225187(P2011−225187)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(596027933)株式会社中野エンジニアリング (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(596027933)株式会社中野エンジニアリング (9)
【Fターム(参考)】
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