説明

調心接着に対応した鏡筒、これを用いる鏡胴ユニット及びデジタルカメラ

【課題】光学部品の調心接着を行う鏡筒において、必要な接着強度を確保しつつ、接着剤硬化後の調整した光学部品の姿勢変化を減少させる。
【解決手段】鏡筒1の平面7に設けた略放射方向への溝形状10で接着剤の浸入が促進される。接着剤はニードルなどで供給・塗布され、光学部品A2と平面7との間の溝形状10内に均一に行き渡る。溝形状10を平面7上に均等配置し、接着面内で接着剤の量を均等にし、接着範囲の制御ができ、接着がより確実になる。溝形状10は、平面7の外周端(鏡筒1の内壁部11)に、光学素子A2の外径(コバ面12)より外側に、達していることで、接着剤が鏡筒1の平面7の溝形状10へ浸入しやすく。また、溝形状10の構造が平面7の内周端に達していないことで、鏡筒1の内部に接着剤が漏れることなく、鏡筒1の内壁(光線有効径内)や光学面を汚染し光学性能に悪影響を与えたり、外観不良となることを大幅に減少できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系の一部である複数枚から構成された光学部品に対して、光軸中心に位置合わせ調整をする調心後に接着固定する鏡筒、特に鏡胴ユニットとしてデジタルカメラやフイルムカメラあるいはビデオカメラ等に用いられる調心接着に対応した鏡筒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルカメラ、さらにはプロジェクター,双眼鏡,望遠鏡,顕微鏡などに応用される鏡筒を含む光学系において、小型・薄型化、可変焦点距離光学系の高変倍化、非球面レンズの導入などにより、鏡筒の組み立て方法は、先に組み立てられた光学部品に対して、後から組み立てる光学部品の位置を精密に調整し固定(具体的には、接着による固定)することが多くなっている。
【0003】
この光学部品の鏡筒への固定方法としては、
1.ネジを切った押え環やカシメによる機械的な締結
2.接着剤を利用した接着
3.鏡筒部材を溶解することによる溶着
などが従来技術として行われており、鏡筒の材質・構造や必要とされる固定後の位置精度、コストなどにより使い分けられている。
【0004】
前述した1.の機械的な締結については、従来技術の例を挙げるまでもなく、また、光学部品の位置を調整して固定することは困難である。
【0005】
2.の接着については特許文献1、また3.の溶着については特許文献2などが従来技術として知られている。特許文献1には光学系の耐震性を高めるために光学部品と鏡筒内壁とを接着する技術が開示されており、特許文献2にはレーザーを用いて鏡筒を溶かし光学部品を接着する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献4には、光軸調整工程と接着工程の作業効率を上げることを目的として、調整後の光軸ズレを高精度に防止しながら光軸調整後の接着工程を光軸調整装置から取り外した状態で行うことが開示されている。
【特許文献1】特開2002−258129号公報
【特許文献2】特開2004−333946号公報
【特許文献3】特許第3221234号公報
【特許文献4】特開2005−352312号公報
【特許文献5】特開2005−91728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の特許文献1,2では光学部品を鏡筒に固定するという点において共通する。前者は組立固定後の鏡筒内の光学部品を補強接着するものであり、後者は大パワーのレーザーと不活性ガスを使用するなど大掛かりな設備を必要とし実用化に際しては制限が大きく、また金属製の鏡筒には適用が困難である。
【0008】
また、接着剤を利用した調心されたレンズの接着方法は、レンズ周囲のコバ面と鏡筒の相対する接着面にのみ接着剤を塗布することが一般的であり(例えば、特許文献3)、レンズの平面(ひらめん:略光軸に垂直な受け面)と鏡筒の相対する接着面には接着剤を塗布しないか、または成り行きに任せている。このレンズのコバ面と鏡筒の相対する接着面における接着剤の量のムラによって、接着剤の硬化(接着剤の収縮)により調整したレンズがシフト偏心(光軸に対して垂直方向に移動)してしまうという問題があった。
【0009】
さらに、レンズの平面には量が均一になるように接着剤を塗布していないために、接着力量が不足したり接着剤硬化後に調整したレンズがティルト偏心(光軸が傾く方向に移動)してしまい、また光軸方向に移動し鏡筒の受け面から浮いてしまうという問題もあった。
【0010】
前述したように、従来行われている光学部品を鏡筒に調心接着する接着剤を利用した接着方法では、レンズと鏡筒の接着面の外周に接着剤を塗布して、レンズと鏡筒の接着面全体に接着剤を行き渡らせることが困難であり、レンズと鏡筒の接着面内における接着剤の量にムラが発生し、例えば接着剤の量が増えると接着剤の硬化後に調整した光学部品の姿勢変化,位置ズレ,浮き,偏心が生じる可能性があり、また逆に接着剤の量を減らすと必要な接着強度が得られない、という問題があった。
【0011】
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、光学部品(レンズ)の調心接着を行う鏡筒において、必要な接着強度を確保しつつ、接着剤硬化後の調整した光学部品の姿勢変化(シフト偏心、ティルト偏心、浮き等)を減少させ、鏡筒や光学部品の材質に因らず容易な構成かつ低コストで実現する調心接着に対応した鏡筒、これを用いる鏡胴ユニット及びデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した発明の調心接着に対応した鏡筒は、光学系の一部である複数枚から構成された光学部品を光軸中心に位置合わせ調整後、接着固定する鏡筒において、光学部品の外周と接する鏡筒の光軸に対して略垂直な円環状の平面に接着剤の浸入促進構造を設けたことにより、調整後の光学部品を容易にかつ確実に高精度な接着固定をすることができる。
【0013】
また、請求項2に記載した発明は、請求項1の調心接着に対応した鏡筒であって、接着剤の浸入促進構造は、平面に設けられた光軸から略放射方向への溝形状であることにより、平面との間に表面張力の効果で接着剤の浸入が促進され、また溝形状の構成により接着範囲を制御することができ、光学部品の接着固定がより確実にできる。
【0014】
また、請求項3に記載した発明は、請求項1,2の調心接着に対応した鏡筒であって、接着剤の浸入促進構造は、平面に設けられた円弧の溝形状であることにより、平面との間に表面張力の効果で接着剤の浸入がより促進され、また溝形状の構成により接着範囲を制御することができ、光学部品の接着固定がより確実にできる。
【0015】
また、請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の調心接着に対応した鏡筒であって、接着剤の浸入促進構造は、平面に設けられた略円周方向の溝形状であることにより、平面との間に表面張力の効果で接着剤の浸入がより促進され、また溝形状への接着剤の最小滴下数により接着処理を制御でき、光学部品の接着固定がより確実にできる。
【0016】
また、請求項5に記載した発明は、請求項2〜4の調心接着に対応した鏡筒であって、平面に設けられた溝形状は、複数本の溝形状のうちの少なくとも3本が設けられたことにより、接着剤の滴下量や浸入量のばらつきで光学部品の平面に対する浮きや傾きの発生を抑え、接着剤硬化時の収縮により光学部品の初期固定位置から偏心することを抑制することが可能となり、より精度の高い接着固定ができる。
【0017】
また、請求項6に記載した発明は、請求項2〜5の調心接着に対応した鏡筒であって、平面に設けられた溝形状は、溝形状の端部が平面の外周端に達し、かつ平面の内周端には達していないことにより、光学部品の外周と鏡筒の内壁との間に滴下した接着剤が溝形状に確実に浸入でき、接着剤が光学部品の光線有効径内にはみ出して光束の妨げや外観不良となることを防ぐことができる。
【0018】
また、請求項7に記載した発明は、請求項1〜6の調心接着に対応した鏡筒であって、光学部品は、ガラスまたは樹脂あるいはそれらの組合せからなる屈折力を有するレンズであることにより、光学部品を通過した光線照射ができるため紫外線硬化性の接着剤の使用が容易となり、より短時間、低コストで確実な光学部品の接着固定することができる。
【0019】
また、請求項8に記載した発明の鏡胴ユニットは、請求項1〜7のいずれか1項に記載の調心接着に対応した鏡筒を用いたことにより、光学部品の調心接着により高い性能を持った光学系を有する鏡胴ユニットを得ることができる。
【0020】
また、請求項9に記載した発明のデジタルカメラは、請求項8の鏡胴ユニットを用いたことにより、光学部品の調心接着により高い性能を持った光学系を有する高い性能をもったデジタルカメラを容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光学部品を調整後に接着固定する鏡筒において、接着前後の偏心の発生を抑えかつ接着強度を確保することが可能で、鏡筒や光学部品の材質に因らず容易な構成かつ低コストで実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の実施形態1における調心に対応した鏡筒を示す(a)は上面図、(b)は断面図である。図1(a),(b)において、1は鏡筒、2は光学部品A、3は光学部品B、4は押え環、5は押し棒、6は接着剤、7は平面、8は調心押え、9はスリットである。
【0024】
鏡筒1に光学部品A2,光学部品B3を調心接着する場合、まず、図1(b)に示すように、鏡筒1に対して光学部品B3が押え環4により組付け固定される。図1(b)では光学部品B3は正の屈折力を持つ両凸レンズに描かれているが、正メニスカスレンズや負の屈折力を持つレンズでも本発明の構成に影響はない。また、押え環4ではなくカシメや接着により固定されていても同様に本発明の構成には影響しない。
【0025】
さらに、光軸を合わせる図1(a),(b)に示す光学部品A2は、鏡筒1の光軸に対して略垂直な平面7で支持され、調心押え8によりその位置を保つように、図示していないバネ,空気圧,磁力などにより適切な圧にて押えられている。なお、調心押え8の形状は円環状に限らず、光学部品A2に対して光軸方向にのみ均等に押圧可能な形状であればよい。
【0026】
また、光学部品A2は鏡筒1に設けられたスリット9を通過して設置されている押し棒5により、その平面7上の位置を微調整可能な構造になっている。図1(a)では押し棒5の数は向かい合った2組の4本であるが、約120°間隔の3本であっても良い。
【0027】
押し棒5にて光学部品A2を適切な位置に微調整後、接着剤6にて光学部品A2と鏡筒1を固定する。具体的な鏡筒1と光学部品B3との光軸を一致させる光学部品A2の位置調整方法は特許文献5等に開示されているが、本発明では調整方法の如何によらず適用可能なため説明を省略する。
【0028】
なお、光学部品A,Bは、ガラスまたは樹脂あるいはそれらの組合せからなる屈折力を有するレンズであればよい。
【0029】
図2は本実施形態1の実施例1における調心に対応した鏡筒の(a)は上面図、(b)は図2の(a)のA−A’断面図である。図2(a)に示すように、鏡筒1の平面7に設けられた略放射方向への溝形状10により接着剤の浸入が促進される。図1(a)に示すように、接着剤6は、例えばシリンジの先のニードルなどを用いて供給・塗布することにより、光学部品A2と鏡筒1の平面7との間の溝形状10内に均一に行き渡る。溝形状10を平面7上に均等に配置したこの構造により接着面内で接着剤6の量の分布を均等にでき、接着範囲を制御することが可能となり、光学部品A2の接着固定がより確実になる。
【0030】
また、鏡筒1の平面7に設けられた略放射方向への溝形状10の構造は、4本となっているが、鏡筒1の平面7の平面度が犠牲にならない範囲で少なくとも3本以上であればよい。
【0031】
図2(b)に示すように、溝形状10の構造は、平面7の外周端(鏡筒1の内壁部11)に、少なくとも調整する光学素子A2の外径(コバ面12)より外側に、達している。これにより接着剤が鏡筒1の平面7の溝形状10へ浸入しやすくなる。また、溝形状10の構造が平面7の内周端に達していないことにより、鏡筒1の内部に接着剤が漏れ出ることがなく、接着剤が鏡筒1の内壁(光線有効径内)や光学素子A2の光学面を汚染し光学性能に悪影響を与えたり、外観不良となる可能性を大幅に減少させることができる。
【0032】
さらに、鏡筒1を、金型を用いた射出成型で製造する場合において、溝形状10の構造が接着平面の外周端に達していることにより、そうでない場合に比べて金型の加工数を減らすことができるためコスト面でも有利となる。
【0033】
前述した構成によれば、光学部品の調心接着を行う鏡筒において、光学部品A2と鏡筒平面7の接着面内に行き渡った接着剤量のばらつきを減少させ、接着剤の硬化で収縮する際の不均衡に起因する光学部品A2の姿勢変化を最小限に抑え、また、光学部品A2と鏡筒1の接着は、内壁部11とコバ面12も含めて接着されるため、容易に接着強度を確保でき、さらに、余分な接着剤は光線有効径内に浸入し難いため、光学面への接着剤による汚染を防ぐことが可能となる。
【0034】
また、図3は本実施形態1の実施例2における略放射方向への溝形状の構造を増やして、より接着強度を増やした例を示す図である。従来では光学部品と鏡筒の接着強度を得るため、接着剤量や接着位置を変えて実際に接着することで実験的に接着条件を定めていた。しかし本実施例2によれば、光学部品と鏡筒の単位接着面当たりの溝形状を増減することで接着強度を増減することが可能となり、溝形状の本数加減によって目標接着強度を実験することなく定めることができる。
【0035】
図4,図5は本実施形態1の実施例3,4であり、実施例2の溝形状における構造の変形例であり、少ない溝形状の本数で光学部品との接着範囲を拡大することを目的とした例である。
【0036】
前記実施例2のように、溝形状の本数を増やした場合、接着剤を各溝形状に浸入するようにニードルなどを用いて供給する必要があるため、作業時間が増加することになる。このため、本実施例3,4のように、溝形状の1本当たりの長さ・面積を増やすことによって、光学部品と鏡筒平面間の単位接着面当たりの溝形状の面積を増やしながら接着剤供給の作業時間を短縮することが可能となる。
【0037】
また、図5の溝形状のように、円弧の溝形状の両端が平面の外周端に達していることにより、一端から供給の接着剤が他端から出てくることを容易に確認できる。これにより、溝形状の全体に接着剤が充填されたことを確実に把握でき、接着剤の供給量に過不足の発生を防ぐことができる。さらに、溝形状の両端が大気に開放されているため溝形状の内部に接着材が浸入しやすいという効果もあり、より接着作業時間を短縮でき、また比較的粘度の高い接着材も使用することが可能となるなど、接着剤の選択範囲を広げることもできる。
【0038】
また、図6および図7は本実施形態1の実施例5,6を示す図であり、前述した各実施例の構成に略円周方向の溝形状の構造を加えることにより、1箇所の溝形状に供給された接着剤が他の溝形状にまで浸入するため、接着剤の供給作業時間を短縮し、光学部品と鏡筒との間で単位接着面当たりの溝形状の占める面積をさらに増やすことができ、接着強度の設定範囲を広く取ることができ、より多用な光学部品、鏡筒に対応が可能となる。
【0039】
図8は本発明の実施形態2における前述した実施形態1の調心に対応した鏡筒を用いた鏡胴ユニットを示す斜視図である。この調心接着に対応した鏡筒を用いた構成により、光学部品の高い性能を有する光学系の鏡胴ユニットを得ることができる。
【0040】
また、図9は本発明の実施形態3における前述した実施形態2の鏡胴ユニットを用いたデジタルカメラの例を示す(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
【0041】
図9(a)〜(c)に示すように、デジタルカメラ本体の上面には、レリーズスイッチ(レリーズシャッタ)SW1、モードダイヤルスイッチSW2、およびサブLCD(液晶ディスプレイ)15が配設されている。
【0042】
また、デジタルカメラ本体の正面には、撮影レンズを含む鏡胴ユニット21、光学ファインダユニット18、ストロボ発光部17、測距ユニット19、リモートコントロール受光部20が設けられている。
【0043】
デジタルカメラの背面には、電源スイッチSW5、LCDモニタ22、広角方向、望遠方向のズームスイッチSW3、各種設定の操作選択等を行う十字キースイッチSW4が設けられている。カメラ本体の側面にはメモリカード/電池装填室の蓋16が設けられている。
【0044】
デジタルカメラの各部材の機能および作用は公知であるので、その説明は省略する。このデジタルカメラの鏡胴ユニット21に前述した実施形態2の鏡胴ユニットを用いて構成することにより、高い性能を持つデジタルカメラを容易に得ることが可能となる。
【0045】
以上によれば、光学部品を調整後に接着固定する鏡筒において、接着前後における偏心の発生を抑え、かつ接着強度を確保すること、さらに鏡筒や光学部品の材質によらず容易な構成かつ低コストで調心接着に対応した鏡筒、これを用いる鏡胴ユニット及びデジタルカメラを実現することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る調心接着に対応した鏡筒、これを用いる鏡胴ユニット及びデジタルカメラは、光学部品を調整後に接着固定する鏡筒において、接着前後の偏心の発生を抑えかつ接着強度を確保することが可能で、鏡筒や光学部品の材質に因らず容易な構成かつ低コストで実現することができ、鏡胴ユニットとしてデジタルカメラ等に用いられる鏡筒として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態1における調心に対応した鏡筒を示す(a)は上面図、(b)は断面図
【図2】本実施形態1の実施例1における調心に対応した鏡筒の(a)は上面図、(b)は図2の(a)のA−A’断面図
【図3】本実施形態1の実施例2で略放射方向への溝形状を増やした例を示す図
【図4】本実施形態1の実施例3で実施例2の溝形状の変形例を示す図
【図5】本実施形態1の実施例4で実施例2の溝形状の変形例を示す図
【図6】本実施形態1の実施例5で実施例2の溝形状の変形例を示す図
【図7】本実施形態1の実施例6で実施例2の溝形状の変形例を示す図
【図8】本発明の実施形態2における実施形態1の鏡筒を用いた鏡胴ユニットを示す斜視図
【図9】本発明の実施形態3における実施形態2の鏡胴ユニットを用いたデジタルカメラを示す(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は背面図
【符号の説明】
【0048】
1 鏡筒
2 光学部品A
3 光学部品B
4 押え環
5 押し棒
6 接着剤
7 平面
8 調心押え
9 スリット
10 溝形状
11 内壁部
12 コバ面
15 サブLCD
16 メモリカード/電池装填室の蓋
17 ストロボ発光部
18 光学ファインダユニット
19 測距ユニット
20 リモートコントロール受光部
21 鏡胴ユニット
22 LCDモニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系の一部である複数枚から構成された光学部品を光軸中心に位置合わせ調整後、接着固定する鏡筒において、
前記光学部品の外周と接する前記鏡筒の光軸に対して略垂直な円環状の平面に接着剤の浸入促進構造を設けたことを特徴とする調心接着に対応した鏡筒。
【請求項2】
前記接着剤の浸入促進構造は、前記平面に設けられた光軸から略放射方向への溝形状であることを特徴とする請求項1記載の調心接着に対応した鏡筒。
【請求項3】
前記接着剤の浸入促進構造は、前記平面に設けられた円弧の溝形状であることを特徴とする請求項1または2記載の調心接着に対応した鏡筒。
【請求項4】
前記接着剤の浸入促進構造は、前記平面に設けられた略円周方向の溝形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の調心接着に対応した鏡筒。
【請求項5】
前記平面に設けられた溝形状は、複数本の溝形状のうちの少なくとも3本が設けられたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の調心接着に対応した鏡筒。
【請求項6】
前記平面に設けられた溝形状は、溝形状の端部が前記平面の外周端に達し、かつ前記平面の内周端には達していないことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の調心接着に対応した鏡筒。
【請求項7】
前記光学部品は、ガラスまたは樹脂あるいはそれらの組合せからなる屈折力を有するレンズであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の調心接着に対応した鏡筒。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の調心接着に対応した鏡筒を用いたことを特徴とする鏡胴ユニット。
【請求項9】
請求項8の鏡胴ユニットを用いたことを特徴とするデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−36958(P2009−36958A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200570(P2007−200570)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】