説明

調整ヒンジ

【課題】調整代を大きくとることができ、微調整が容易で、部品点数が少なく、専用の部品の製作を必要とせず、比較的安価に得られる調整ヒンジを提供する。
【解決手段】調整ヒンジは、羽根板1に支軸2で軸支される連結金具2と、これに支軸4で軸支される羽根板5と、これに前後移動自在に結合される取付部材6と、これに左右移動自在に結合される固定翼板9とを具備する。ナット部材14に螺合するねじ棒15の操作で支軸2を昇降させ、羽根板1と連結金具2との上下位置を調整する。調整ボルト29の操作で、これに螺合する駆動ナット30を移動させ、これにより、連結金具2に軸支された羽根板5と取り付け部材6の翼部26との前後位置を調整する。調整ボルト39の操作で、これに螺合する駆動ナット40を移動させることにより、取り付け部材6の翼部27と固定翼板9との左右位置を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本発明は、家具の扉や通路を開閉する扉の取り付けに利用されるヒンジであって、取り付けられた扉を、閉じた状態における前後左右方向又は上下方向に位置調整することができる調整ヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
調整ヒンジは、支軸により互いに開閉自在に軸支された一対の羽根板のうち、少なくとも一方の羽根板に、当該羽根板の板面に沿った方向で且つ支軸に対する直交方向に相対移動可能に取付用部材を装着し、当該取付用部材を羽根板に対して位置調整する位置調整手段を併設してなるものである。位置調整手段としては、偏心カムを利用したもの、あるいはラック・ピニオンを利用したもの(例えば特許文献1参照)が一般的で、調整ねじを正逆1回転させる範囲で位置調整が行われる。いずれも、取付用部材を一方の羽根板に移動可能に保持するため、両者を挟むように座板とカバー板のような別の2枚の部材が装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−271549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の調整ヒンジにおいては、調整代が小さい、微調整が困難、部品点数が多い、専用の偏心カムやラック・ピニオンの製作を必要とする等の問題点がある。
したがって、この出願に係る発明は、調整代を大きくとることができ、微調整が容易で、部品点数が少なく、専用の部品の製作を必要とせず、比較的安価に得られる調整ヒンジを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、この出願に係る発明の調整ヒンジは、支軸2により互いに開閉自在に軸支される第1及び第2の一対の羽根板1,5と、直交する第1及び第2の翼部26,27を有し、第1の翼部26が第2の羽根板5に、当該羽根板5の板面に沿った方向で、かつ支軸1に対する直交方向に相対移動可能に装着される取付部材6と、第2の羽根板5に対して取付部材6の第1の翼部26を相対移動方向に移動させる第1の移動調整手段7と、第2の羽根板5に対して取付部材6の第1の翼部26を解放可能に所望の相対位置で固定する第1の固定手段8と、取付部材6の第2の翼部27に、当該翼部27の板面に沿った方向で、かつ支軸2に対する直交方向に相対移動可能に装着される固定翼板9と、取付部材6の第2の翼部27に対して固定翼板9を相対移動方向に移動させる第2の移動調整手段10と、取付部材6の第2の翼部27に対して固定翼板9を解放可能に所望の相対位置で固定する第2の固定手段11とを具備する。第1の移動調整手段7は、第2の羽根板5と取付部材6の第1の翼部26との間に両者の相対移動方向にボルトを挿通できるように形成される第1のボルト挿通部31と、当該ボルト挿通部31の途上に位置して第2の羽根板5に形成される第1のナット遊動開口33及び第1の翼部26に形成される第1のナット保持開口34と、当該ナット遊動開口33及びナット保持開口34内に配置される第1の駆動ナット30と、ボルト挿通部31に挿通され駆動ナット30に螺挿される第1の調整ボルト29とを具備する。ナット遊動開口33は、駆動ナット30をボルト挿通部31に沿って第2の羽根板5に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、ナット保持開口34は、駆動ナット30を第1の翼部26に対して軸周り回転不能で軸方向相対移動不可能に受け入れるように構成される。第2の移動調整手段10は、取付部材6の第2の翼部27と固定翼板9との間に両者の相対移動方向にボルトを挿通できるように形成される第2のボルト挿通部44と、当該ボルト挿通部44の途上に位置して第2の翼部27に形成される第2のナット遊動開口46及び固定翼板9に形成されるナット保持開口47と、当該ナット遊動開口46及びナット保持開口47内に配置される第2の駆動ナット40と、第2のボルト挿通部44に挿通され第2の駆動ナット40に螺挿される第2の調整ボルト39とを具備する。第2のナット遊動開口46は、第2の駆動ナット40を第2のボルト挿通部44に沿って第2の翼部27に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、第2のナット保持開口47は、第2の駆動ナット40を固定翼板9に対して軸周り回転不能で軸方向相対移動不可能に受け入れるように構成される。
【0006】
この出願に係る発明の他の調整ヒンジは、固定枠体51に固着される第1の羽根板1と、一端側において第1の支軸2によって第1の羽根板1の一端側に軸支され当該支軸2の軸線直交断面形状がほぼコ字状をなす連結金具3と、この連結金具3の他端側に第2の支軸4によって軸支される第2の羽根板5と、直交する第1及び第2の翼部26,27を有し、第1の翼部26が第2の羽根板27に、当該羽根板27の板面に沿った方向で、かつ支軸に対する直交方向に相対移動可能に装着される取付部材6と、第2の羽根板5に対して取付部材6の第1の翼部26を相対移動方向に移動させる第1の移動調整手段7と、第2の羽根板5に対して取付部材6の第1の翼部26を解放可能に所望の相対位置で固定する第1の固定手段8と、取付部材6の第2の翼部27に、当該翼部27の板面に沿った方向で、かつ支軸4に対する直交方向に相対移動可能に装着され扉の裏面に固着される固定翼板9と、取付部材6の第2の翼部27に対して固定翼板9を相対移動方向に移動させる第2の移動調整手段10と、取付部材6の第2の翼部27に対して固定翼板9を解放可能に所望の相対位置で固定する第2の固定手段11とを具備する。第1の移動調整手段7は、第2の羽根板5と取付部材6の第1の翼部26との間に両者の相対移動方向にボルトを挿通できるように形成される第1のボルト挿通部31と、当該ボルト挿通部31の途上に位置して第2の羽根板5に形成される第1のナット遊動開口33及び第1の翼部に形成される第1のナット保持開口34と、当該ナット遊動開口34及びナット保持開口34内に配置される第1の駆動ナット30と、ボルト挿通部に挿通され駆動ナット7に螺挿される第1の調整ボルト29とを具備する。ナット遊動開口33は、駆動ナット30をボルト挿通部31に沿って第2の羽根板5に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、ナット保持開口34は、駆動ナット30を第1の翼部26に対して軸周り回転不能で軸方向相対移動不可能に受け入れるように構成される。第2の移動調整手段10は、取付部材6の第2の翼部27と固定翼板9との間に両者の相対移動方向にボルトを挿通できるように形成される第2のボルト挿通部44と、当該ボルト挿通部44の途上に位置して第2の翼部27に形成される第2のナット遊動開口46及び固定翼板9に形成されるナット保持開口47と、当該ナット遊動開口46及びナット保持開口46内に配置される第2の駆動ナット40と、第2のボルト挿通部44に挿通され第2の駆動ナット40に螺挿される第2の調整ボルト39とを具備する。第2のナット遊動開口46は、第2の駆動ナット40を第2のボルト挿通部44に沿って第2の翼部27に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、第2のナット保持開口47は、第2の駆動ナット40を固定翼板9に対して軸周り回転不能で軸方向相対移動不可能に受け入れるように構成される。
【発明の効果】
【0007】
この出願に係る発明の調整ヒンジによれば、調整ボルト29,39上における駆動ナット30,40の移動により調整を行うため、調整代を大きくとることができ、微調整が容易である。部品点数が少なく、市販の標準部品を使用できるので、専用部品の製作を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るの調整ヒンジの分解斜視図である。
【図2】図1の調整ヒンジの斜視図である。
【図3】図1の調整ヒンジの正面図である。
【図4】図1の調整ヒンジの平面図である。
【図5】図1の調整ヒンジの底面図である。
【図6】図1の調整ヒンジの側面図である。
【図7】図1の調整ヒンジの設置状態における扉の閉鎖状態の平面図である。
【図8】図1の調整ヒンジの設置状態にいて扉を90°開放した状態の平面図である。
【図9】図1の調整ヒンジの設置状態にいて扉を180°開放した状態の平面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る調整ヒンジの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1ないし図9を参照して、この発明を2軸の裏蝶番に適用した実施の一形態を説明する。
【0010】
図1おいて、調整ヒンジは、第1の羽根板1と、第1の支軸2で羽根板1に軸支される連結金具3と、第2の支軸4によって連結金具3に軸支される第2の羽根板5と、羽根板5に前後方向移動自在に組み付けられる取付部材6と、取付部材6を前後方向に相対移動調整する第1の移動調整手段7と、羽根板5に対して取付部材6を所望位置で固定する第1の固定手段8と、取付部材6に左右方向移動可能に装着される固定翼板9と、固定翼板9を左右方向に相対移動調整する第2の移動調整手段10と、取付部材6に対して固定翼板9を所望位置で固定する第2の固定手段11とを具備する。
【0011】
図7ないし9に示すように、第1の羽根板1は、ドア枠のような固定枠体51に固着され、固定翼板9は、扉52の内側面に固着される。この調整ヒンジにより、扉52は、図7に示す閉鎖位置から、図8に示す90°開放位置を経て、図9に示す180°開放位置まで開放することができる。
【0012】
図1ないし図6において、第1の羽根板1は、一端縁に、軸受け筒部12を具備する。軸受け筒部12の途上には、切欠部13が設けられ、ここにナット部材14が回転不能に組み込まれる。軸受け筒部12の下端側から、高さ調整用のねじ棒15が挿入され、ナット部材14に螺合される。
【0013】
第1の支軸2は、中間に鍔部16を具備し、鍔部16より下の下半部が軸受け筒部12に、上端側から挿通される。支軸2の下端には、転球17が組み込まれ、これが、ねじ棒15の上端に当接する。ねじ棒15をねじ込めば、支軸2が上昇する。転球17は、支軸2とねじ棒15との摩擦抵抗を小さくして、ねじ棒15の回転操作力を軽減する。
【0014】
連結金具3は、互いに平行に対向する第1及び第2の側板部18,19と、両側板の基端間を直交方向に結合する接続板部20とを具備する。連結金具3は、第1の側板部18の先端縁の軸受け筒部21において、第1の支軸2によって第1の羽根板1の一端側に軸支される。また、第2の側板部19の先端縁の軸受け筒部22において第2の支軸4によって第2の羽根板5に軸支される。
【0015】
第2の羽根板5は、一端側の縁部に支軸4を受ける軸受け筒部23を具備し、付設ばね24により、常時連結金具3の側板部19の外側面に接合する方向に回転付勢される。羽根板5の一方の面には、水平方向に延びるガイド突条25が設けられる。
【0016】
取付部材6は、直交する第1及び第2の翼部26,27を有する。第1の翼部26は、羽根板5のガイド突条25に摺動自在に嵌合する水平方向のガイド条孔28を具備し、羽根板5に、当該羽根板の板面に沿った方向で、かつ支軸4に対する直交方向(前後方向)に相対移動可能に接合される。
【0017】
羽根板5と取付部材6との間には、両者を相対移動方向(前後方向)に移動させる第1の移動調整手段7と、両者を所望の相対位置で固定する第1の固定手段8が設けられる。移動調整手段7は、羽根板5と取付部材6の翼部26との間に、両者の相対移動方向に挿通される調整ボルト29と、これが螺合する駆動ナット30とを具備する。固定手段8は、翼部26の長孔36を通して羽根板5のねじ孔37に螺合される固定ボルト38からなる。
【0018】
すなわち、羽根板5と翼部26との間には、両者の相対移動方向にボルト29を挿通できるように第1のボルト挿通部31が形成される。ボルト挿通部31は、羽根板5の一部をほぼ半円筒状に屈曲させて形成されるボルト挿通溝32と、これに対向する翼部26の対向面とにより構成される。ボルト挿通部31の途上には、羽根板5側にナット遊動開口33が、また翼部26側にナット保持開口34がそれぞれ形成される。ナット遊動開口33は、駆動ナット30をボルト挿通部に沿って、羽根板5に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、ナット保持開口34は、駆動ナット30を翼部26に対して軸周り回転不能、軸方向相対移動不可能に受け入れる。調整ボルト29は、ボルト挿通部31を通し、駆動ナット30に螺合され、先端部にカシメ止めされる止め輪35により抜け止めされる。
【0019】
したがって、調整ボルト29を正逆回転させることにより、駆動ナット30を、取り付け部材6と共に、羽根板5に対して前後方向へ相対移動させることができ、所望の相対位置においてボルト38を締め付けて両者を固定することができる。
【0020】
第2の翼部27は、固定翼板9に、当該翼部27の板面に沿った方向で、かつ支軸4に対する直交方向(左右方向)に相対移動可能に接合される。
【0021】
固定翼板9と翼部27との間には、両者を相対移動方向(左右方向)に移動させる第2の移動調整手段10と、両者を所望の相対位置で固定する第2の固定手段11と設けられる。
【0022】
移動調整手段10は、固定翼板9と翼部27との間に、両者の相対移動方向に挿通される調整ボルト39と、これが螺合する駆動ナット40とを具備する。固定手段11は、翼部27の長孔41を通して固定翼板9のねじ孔42に螺合される固定ボルト43からなる。
【0023】
すなわち、固定翼板9と翼部27との間には、両者の相対移動方向にボルト39を挿通できるように第2のボルト挿通部44が形成される。ボルト挿通部44は、固定翼板9の一部をほぼ半円筒状に屈曲させて形成されるボルト挿通溝45と、これに対向する翼部27の対向面と、翼部27の左右両端部に形成される対向一対のブラケット47とにより構成される。ボルト挿通部44の途上には、翼部27側にナット遊動開口46が、また固定翼板9側にナット保持開口47がそれぞれ形成される。ナット遊動開口46は、駆動ナット40をボルト挿通部44に沿って、翼部27に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、ナット保持開口47は、駆動ナット40を固定翼板9に対して軸周り回転不能、軸方向相対移動不可能に受け入れる。調整ボルト39は、ボルト挿通部44を通し、駆動ナット40に螺合され、先端部にカシメ止めされる止め輪48により抜け止めされる。
【0024】
したがって、調整ボルト39を正逆回転させることにより、駆動ナット40を、固定翼板9と共に、翼部27に対して左右方向へ相対移動させることができ、所望の相対位置においてボルト43を締め付けて両者を固定することができる。
【0025】
前後、左右の位置調整を調整ボルト29,39上における駆動ナット30,40の移動により行うため、調整代が大きく、微調整が容易である。部品点数が少なく、調整ボルト29,39、駆動ナット30,40など、専用部品の製作を必要とせず、市販の標準部品を使用して安価に得ることができる。
【0026】
図10には本発明の他の実施形態の調整ヒンジを示す。この実施形態においては、先の実施形態における連結金具3が省略され、第2の羽根板5が支軸2によって直接枢支される。その他の具体的構成は、先の実施形態と同等であるから、同等の構成部に同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態においても、固定枠体に固着される第1の羽根板1に対して、扉に固着される固定翼板9を前後、左右、上下に位置調整することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 第1の羽根板
2 第1の支軸
3 連結金具
4 第2の支軸
5 第2の羽根板
6 取付部材
7 第1の移動調整手段
8 第1の固定手段
9 固定翼板
10 第2の移動調整手段
11 第2の固定手段
12 軸受け筒部
13 切欠部
14 ナット部材
15 ねじ棒
16 鍔部
17 転球
18 第1の側板部
19 第2の側板部
20 接続板部
21 軸受け筒部
22 軸受け筒部
23 軸受け筒部
24 ばね
25 ガイド突条
26 第1の翼部
27 第2の翼部
28 ガイド条孔
29 調整ボルト
30 駆動ナット
31 第1のボルト挿通部
32 ボルト挿通溝
33 ナット遊動開口
34 ナット保持開口
35 止め輪
36 長孔
37 ねじ孔
38 固定ボルト
39 調整ボルト
40 駆動ナット
41 長孔
42 ねじ孔
43 固定ボルト
44 第2のボルト挿通部
45 ボルト挿通溝
46 ナット遊動開口
47 ナット保持開口
48 ブラケット
51 固定枠体
52 扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支軸により互いに開閉自在に軸支される第1及び第2の一対の羽根板と、
直交する第1及び第2の翼部を有し、第1の翼部が前記第2の羽根板に、当該羽根板の板面に沿った方向で、かつ前記支軸に対する直交方向に相対移動可能に装着される取付部材と、
前記第2の羽根板に対して前記取付部材の第1の翼部を前記相対移動方向に移動させる第1の移動調整手段と、
前記第2の羽根板に対して前記取付部材の第1の翼部を解放可能に所望の相対位置で固定する第1の固定手段と、
前記取付部材の第2の翼部に、当該翼部の板面に沿った方向で、かつ前記支軸に対する直交方向に相対移動可能に装着される固定翼板と、
前記取付部材の第2の翼部に対して前記固定翼板を前記相対移動方向に移動させる第2の移動調整手段と、
前記取付部材の第2の翼部に対して前記固定翼板を解放可能に所望の相対位置で固定する第2の固定手段とを具備し、
前記第1の移動調整手段は、前記第2の羽根板と前記取付部材の第1の翼部との間に両者の相対移動方向にボルトを挿通できるように形成される第1のボルト挿通部と、当該ボルト挿通部の途上に位置して第2の羽根板に形成される第1のナット遊動開口及び第1の翼部に形成される第1のナット保持開口と、当該ナット遊動開口及びナット保持開口内に配置される第1の駆動ナットと、前記ボルト挿通部に挿通され駆動ナットに螺挿される第1の調整ボルトとを具備し、
前記ナット遊動開口は、前記駆動ナットを前記ボルト挿通部に沿って前記第2の羽根板に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、前記ナット保持開口は、前記駆動ナットを前記第1の翼部に対して軸周り回転不能で軸方向相対移動不可能に受け入れるように構成され、
前記第2の移動調整手段は、前記取付部材の第2の翼部と前記固定翼板との間に両者の相対移動方向にボルトを挿通できるように形成される第2のボルト挿通部と、当該ボルト挿通部の途上に位置して第2の翼部に形成される第2のナット遊動開口及び固定翼板に形成されるナット保持開口と、当該ナット遊動開口及びナット保持開口内に配置される第2の駆動ナットと、前記第2のボルト挿通部に挿通され第2の駆動ナットに螺挿される第2の調整ボルトとを具備し、
前記第2のナット遊動開口は、前記第2の駆動ナットを前記第2のボルト挿通部に沿って前記第2の翼部に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、前記第2のナット保持開口は、前記第2の駆動ナットを前記固定翼板に対して軸周り回転不能で軸方向相対移動不可能に受け入れるように構成されることを特徴とする調整ヒンジ。
【請求項2】
固定枠体に固着される第1の羽根板と、
一端側において第1の支軸によって前記第1の羽根板の一端側に軸支され当該支軸の軸線直交断面形状がほぼコ字状をなす連結金具と、
この連結金具の他端側に第2の支軸によって軸支される第2の羽根板と、
直交する第1及び第2の翼部を有し、第1の翼部が前記第2の羽根板に、当該羽根板の板面に沿った方向で、かつ前記支軸に対する直交方向に相対移動可能に装着される取付部材と、
前記第2の羽根板に対して前記取付部材の第1の翼部を前記相対移動方向に移動させる第1の移動調整手段と、
前記第2の羽根板に対して前記取付部材の第1の翼部を解放可能に所望の相対位置で固定する第1の固定手段と、
前記取付部材の第2の翼部に、当該翼部の板面に沿った方向で、かつ前記支軸に対する直交方向に相対移動可能に装着され、扉の裏面に固着される固定翼板と、
前記取付部材の第2の翼部に対して前記固定翼板を前記相対移動方向に移動させる第2の移動調整手段と、
前記取付部材の第2の翼部に対して前記固定翼板を解放可能に所望の相対位置で固定する第2の固定手段とを具備し、
前記第1の移動調整手段は、前記第2の羽根板と前記取付部材の第1の翼部との間に両者の相対移動方向にボルトを挿通できるように形成される第1のボルト挿通部と、当該ボルト挿通部の途上に位置して第2の羽根板に形成される第1のナット遊動開口及び第1の翼部に形成される第1のナット保持開口と、当該ナット遊動開口及びナット保持開口内に配置される第1の駆動ナットと、前記ボルト挿通部に挿通され駆動ナットに螺挿される第1の調整ボルトとを具備し、
前記ナット遊動開口は、前記駆動ナットを前記ボルト挿通部に沿って前記第2の羽根板に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、前記ナット保持開口は、前記駆動ナットを前記第1の翼部に対して軸周り回転不能で軸方向相対移動不可能に受け入れるように構成され、
前記第2の移動調整手段は、前記取付部材の第1の翼部と前記固定翼板との間に両者の相対移動方向にボルトを挿通できるように形成される第2のボルト挿通部と、当該ボルト挿通部の途上に位置して第2の翼部に形成される第2のナット遊動開口及び固定翼板に形成されるナット保持開口と、当該ナット遊動開口及びナット保持開口内に配置される第2の駆動ナットと、前記第2のボルト挿通部に挿通され第2の駆動ナットに螺挿される第2の調整ボルトとを具備し、
前記第2のナット遊動開口は、前記第2の駆動ナットを前記第2のボルト挿通部に沿って前記第2の翼部に対して所定範囲で相対移動自在に受け入れ、前記第2のナット保持開口は、前記第2の駆動ナットを前記固定翼板に対して軸周り回転不能で軸方向相対移動不可能に受け入れるように構成されることを特徴とする調整ヒンジ。
【請求項3】
前記第1のボルト挿通部は、前記第2の羽根板の、前記取付部材の第1の翼部との接合面側に形成されるボルト挿通溝と、このボルト挿通溝に対向する第1の翼部の対向面とで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の調整ヒンジ。
【請求項4】
前記第2のボルト挿通部は、前記固定翼板の、前記取付部材の第2の翼部との接合面側に形成されるボルト挿通溝と、このボルト挿通溝に対向する第2の翼部の対向面とで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の調整ヒンジ。
【請求項5】
前記第2の羽根板のボルト挿通溝は、第2の羽根板の一部をほぼ半円筒状に屈曲させて形成されることを特徴とする請求項3に記載の調整ヒンジ。
【請求項6】
前記固定翼板のボルト挿通溝は、当該固定翼板の一部をほぼ半円筒状に屈曲させて形成されることを特徴とする請求項4に記載の調整ヒンジ。
【請求項7】
前記連結金具は、互いに平行に対向する第1及び第2の側板部と、両側板の基端間を直交方向に結合する接続板部とを具備し、第1の側板部の先端縁において前記第1の支軸によって前記第1の羽根板の一端側に軸支され、第2の側板部の先端縁において第2の支軸によって前記第2の羽根板に軸支され、
前記第2の羽根板は、付設ばねにより常時前記連結金具の第2の側板部の外側面に接合する方向に回転付勢されることを特徴とする請求項2に記載の調整ヒンジ。
【請求項8】
前記第1の支軸は、中間に鍔部を持ち、下半部が前記第1の羽根板に支持され、上半部が前記第2の羽根板に支持され、
前記第1の羽根板は、一端縁に、前記第1の支軸の下半部を挿通させるための軸受け筒部を有し、
前記第2の羽根板は、一端縁に、前記第1の支軸の上半部を挿通させるための軸受け筒部を有し、
前記第1の羽根板の軸受け筒部の途上に、第1の支軸の下端部を受け入れるナット部材が固定され、
当該ナット部材に、軸受け筒部の下端側から挿通されるねじ棒の上部が螺合され、当該ねじ棒の上端に前記第1の支軸の下端が当接し、当該ねじ棒の昇降により前記支軸と共に前記第2の羽根板とを昇降調整可能とすることを特徴とする請求項1に記載の調整ヒンジ。
【請求項9】
前記第1の支軸は、中間に鍔部を持ち、下半部が前記第1の羽根板に支持され、上半部が前記連結金具の第1の側板部に支持され、
前記第1の羽根板は、一端縁に、前記第1の支軸の下半部を挿通させるための軸受け筒部を有し、
前記第1の側板部は、先端縁に、前記第1の支軸の上半部を挿通させるための軸受け筒部を有し、
前記第1の羽根板の軸受け筒部の途上に、第1の支軸の下端部を受け入れるナット部材が固定され、
当該ナット部材に、軸受け筒部の下端側から挿通されるねじ棒の上部が螺合され、当該ねじ棒の上端に前記第1の支軸の下端が当接し、当該ねじ棒の昇降により前記支軸と共に前記連結金具を昇降調整可能とすることを特徴とする請求項2に記載の調整ヒンジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−23841(P2013−23841A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157375(P2011−157375)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000108708)タキゲン製造株式会社 (256)
【Fターム(参考)】