説明

警報器の設置方法、警報器および支持部材

【課題】警報器の検出精度を保持しつつ、警報器を容易に設置することができる警報器の設置方法、警報器および支持部材を提供する。
【解決手段】コンクリート面上に設けられ、該コンクリート以外の材料で構成されたねじ込み可能な仕上材61に対して警報器を設置する警報器の設置方法であって、仕上材に支持部材62を取り付ける工程と、支持部材に警報器本体10を取り付ける工程と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報器の設置方法、警報器および支持部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅における火災やガス漏れなどの異常を検出して警報音などを発する住宅用警報器(以下、住警器という)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
住警器は、住宅の寝室や階段などの天井または壁に設置することが義務付けられている。例えば、寝室の壁に設置する場合には、天井面から15cm以上50cm以下の範囲に住警器の中心が位置するように設置することが定められている。この範囲に住警器を設置することにより、住警器の検出精度を確保することができ、万一の火災の際にも早期に火災を検出することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3143138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の住宅において、居室内がコンクリート打ち放し仕上げで施工される物件が見受けられる。このような仕上げがなされた居室においては、天井や壁に上述の住警器を設置しようとすると、コンクリートにビスなどをねじ込む必要があり、施工が困難であることや、マンション(特に、賃貸物件)においてはコンクリートにビスなどを取り付けること自体が禁止されているといった問題がある。そこで、コンクリート打ち放し仕上げの居室においては、木製の化粧梁やフックなどを取り付け可能な木製の板材が壁面に取り付けられていることがある。
【0005】
しかしながら、それら木製の化粧梁や板材といった仕上材が設置される高さは物件ごとによって異なるため、それらの仕上材に直接住警器を設置した場合に、上述した適正範囲に住警器を設置することができない虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、警報器の検出精度を保持しつつ、警報器を容易に設置することができる警報器の設置方法、警報器および支持部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、コンクリート面上に設けられ、該コンクリート以外の材料で構成されたねじ込み可能な仕上材に対して警報器を設置する警報器の設置方法であって、前記仕上材に支持部材を取り付ける工程と、前記支持部材に警報器本体を取り付ける工程と、を有していることを特徴としている。
【0008】
このように構成することで、コンクリート打ち放し仕上げの住宅などで、コンクリートとは異なる仕上材(例えば、木製の部材)が配されている場合に、仕上材に支持部材を取り付け、該支持部材に警報器本体を取り付けることができる。したがって、仕上材に対する支持部材の取り付け方向を調整することにより、仕上材の設置高さに影響されず適正な高さに警報器本体を設置することができる。つまり、警報器の検出精度を保持しつつ、警報器を容易に設置することができる。
【0009】
請求項2に記載した発明は、警報器本体と、前記警報器本体を支持する支持部材と、を備え、前記支持部材は、前記警報器本体を支持可能な部分と、コンクリート以外の材料で構成されたねじ込み可能な仕上材に固定可能な部分と、を有していることを特徴としている。
【0010】
このように構成することで、コンクリートとは異なる仕上材(例えば、木製の部材)と支持部材の一部とをビスなどを用いて取り付け、支持部材の別の部分に警報器本体を支持することにより、仕上材に支持部材を介して警報器本体を取り付けることができる。したがって、仕上材に対する支持部材の取り付け方向を調整することにより、仕上材の設置高さに影響されず適正な高さに警報器本体を設置することができる。つまり、警報器の検出精度を保持しつつ、警報器を容易に設置することができる。
【0011】
請求項3に記載した発明は、警報器本体を支持可能な強度を有する金属製の板材で形成され、前記警報器本体を支持可能な部分と、コンクリート以外の材料で構成されたねじ込み可能な仕上材に固定可能な部分と、有することを特徴としている。
【0012】
このように構成することで、コンクリートとは異なる仕上材(例えば、木製の部材)と支持部材の一部とをビスなどを用いて取り付け、支持部材の別の部分に警報器本体を支持することにより、仕上材に支持部材を介して警報器本体を取り付けることができる。したがって、仕上材に対する支持部材の取り付け方向を調整することにより、仕上材の設置高さに影響されず適正な高さに警報器本体を設置することができる。つまり、警報器の検出精度を保持しつつ、警報器を容易に設置することができる。また、支持部材が金属製の板材で形成されているため、仕上材に対して警報器本体を吊り下げるようにして支持するだけでなく、仕上材に対して警報器本体を吊り上げるようにして支持することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コンクリート打ち放し仕上げの住宅などで、コンクリートとは異なる仕上材(例えば、木製の部材)が配されている場合に、仕上材に支持部材を取り付け、該支持部材に警報器本体を取り付けることができる。したがって、仕上材に対する支持部材の取り付け方向を調整することにより、仕上材の設置高さに影響されず適正な高さに警報器本体を設置することができる。つまり、警報器の検出精度を保持しつつ、警報器を容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態における住警器の正面図である。
【図2】本発明の実施形態における住警器の側面図である。
【図3】本発明の実施形態における住宅に対する住警器の設置状態を示した説明図である。
【図4】本発明の実施形態における住警器の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における住警器のイベント信号のフォーマットを示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態における住警器を化粧梁に取り付ける場合に使用する部材構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における住警器を壁面(化粧梁)に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】図7の状態の側面図である。
【図9】本発明の実施形態における住警器を壁面(板材)に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態における住警器を壁面に取り付ける際の支持部材の別の態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2は住警器の外観を示す図であり、図1は正面図、図2は側面図である。図1、図2に示すように、住警器10は、カバー12および本体14を備えている。カバー12の正面視略中央には、周方向に沿って煙流入口が形成された検煙部16が配され、火災により発生した煙が検煙部16において所定濃度に達したときに火災を検出するように構成されている。
【0016】
カバー12における検煙部16の正面視左下側には音響孔18が形成されており、該音響孔18の背後にブザーまたはスピーカが内蔵され、警報音や音声メッセージが出力されるように構成されている。
【0017】
また、カバー12における検煙部16の正面視下側には警報停止スイッチ20が配されている。警報停止スイッチ20のスイッチカバーは半透明樹脂で形成されている。なお、警報停止スイッチ20は住警器10の機能を試験指示する点検用スイッチとしての機能を兼ねている。
【0018】
警報停止スイッチ20の内部には、LED22が配されており、LED22が点灯すると、警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED22の点灯状態が外部から認識できるように構成されている。
【0019】
また、本体14の裏側上部には取付フック15が形成されている。取付フック15には貫通孔19が形成されており、ビスやボルトなどを挿通させることができるようになっている。
【0020】
図3は住宅を対象とした住警器10の設置状態を示した説明図である。図3に示すように、住宅24に設けられている台所、居間、主寝室、子供部屋のそれぞれに住警器10−1〜10−4が設置されている。なお、屋外に建てられたガレージ26にも住警器10−5が設置されている。
【0021】
ここで、住警器10のシステム構成の一例を説明する。住警器10−1〜10−5のそれぞれは、イベント信号を相互に無線により送受信する機能を有しており、5台の住警器10−1〜10−5で1つのグループを構成して、この住宅全体の火災監視を行っている。なお、無線式でなく有線接続式の住警器システムや無線式通信と有線式通信とを混在させた住警器システムであってもよい。
【0022】
例えば、住宅24の子供部屋で火災が発生したとすると、住警器10−4が火災を検出して警報を開始する。この火災を検出して警報を開始することを、住警器10における「発報」という。住警器10−4が発報すると、住警器10−4は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−1〜10−3、10−5に対し、火災発報を示すイベント信号を無線により送信する。他の住警器10−1〜10−3、10−5にあっては、連動元の住警器10−4からの火災発報を示すイベント信号を受信すると、連動先としての警報動作を行う。
【0023】
ここで、連動元となった住警器10−4の警報音としては、例えば音声メッセージにより「ウー ウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を連続して出力する。一方、連動先の住警器10−1〜10−3、10−5にあっては、「ウー ウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージを連続して出力する。なお、住警器10−1〜10−5が警報音を出している状態で、警報停止スイッチ20を操作すると、警報音の停止処理が行われる。
【0024】
また、住警器10−1〜10−5は障害監視機能を備えており、障害を検知すると、例えば「ピッ」といった警報音を所定時間おきに間欠的に出力し、障害が発生したことを報知する。また、障害を検出した障害元の住警器10は、他の住警器10に障害発生を示すイベント信号を無線送信し、他の住警器10においても同じ障害警報が出力される。この結果、任意の住警器10で障害が検出されると、連動警報を行うグループを構成している全ての住警器10から障害警報が出力されることとなる。
【0025】
住警器10から出力されている障害警報は、警報停止スイッチ20を操作することで停止することができる。本実施形態において住警器10で検出して警報する障害とは、電池電圧の低下を検出して警報するローバッテリー警報が主なものであり、これ以外に検煙部16のセンサ障害などが含まれる。
【0026】
図4は住警器10のブロック図である。なお、図4は住警器10−1〜10−5のうち、住警器10−1について回路構成を詳細に示している。図4に示すように、住警器10−1は、CPU28、アンテナ31を備えた無線回路部30、記録回路部32、センサ部34、報知部36、操作部38および電池電源40を備えている。
【0027】
無線回路部30には、送信回路42と受信回路44が設けられ、他の住警器10−2〜10−5との間でイベント信号を無線により送受信できるようにしている。また、無線回路部30は、日本国内の場合には例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備の標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用およびデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備えている。なお、無線回路部30としては、日本国内以外の場所については、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【0028】
記録回路部32にはメモリ46が設けられている。メモリ46には住警器10を特定するID(識別子)となる送信元符合50と、複数の住警器10で連動警報を行うグループを特定するためのグループ符号52と、が格納されている。送信元符号50としては、国内に提供される住警器10の数を予測し、例えば同一符号として重複しないように26ビットの符号コードが使用される。
【0029】
グループ符号52は、グループを構成する複数の住警器10に共通に設定される符号であり、無線回路部30で受信した他の住警器10からのイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ46に登録しているグループ符号52に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として受信して処理することになる。
【0030】
なお、本実施形態にあっては、記録回路部32にメモリ46を使用しているが、メモリ46の代わりにディップスイッチを設け、ディップスイッチにより送信元符号50やグループ符号52を設定するようにしてもよい。送信元符号50やグループ符号52の符号表(ビット数)が少ない場合には、ディップスイッチを用いた記録回路部32が望ましい。
【0031】
センサ部34には、本実施形態にあっては検煙部16が設けられ、煙濃度に応じた煙検出信号をCPU28に出力している。センサ部34には検煙部16以外に、火災による温度を検出するサーミスタを設けてもよい。また、ガス漏れ監視用の住警器の場合には、センサ部34にガス漏れセンサが設けられることになる。
【0032】
報知部36にはスピーカ56とLED22が設けられている。スピーカ56は、図示しない音声合成回路部からの音声メッセージや警報音を出力する。LED22は点滅、明滅および点灯などにより、火災などの異常および障害を表示する。
【0033】
操作部38には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20を操作すると、住警器10−1から流している警報音を停止することができる。警報停止スイッチ20は、本実施形態にあっては点検スイッチを兼用している。
【0034】
警報停止スイッチ20は、報知部36のスピーカ56から警報音を出力しているときに有効となる。一方、警報音を出力していない通常監視状態で警報停止スイッチ20は点検スイッチとして機能し、点検スイッチを押すと、報知部36から点検用の音声メッセージなどが出力される。
【0035】
電池電源40は、例えば所定セル数のアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線回路部30を含む回路部全体の低消費電力化により、約10年の電池寿命を保証している。
【0036】
CPU28にはプログラムの実行により実現される機能として、異常監視部58が設けられている。
【0037】
異常監視部58は、センサ部34に設けた検煙部16からの煙検出信号が火災レベルを超えて火災を検出したときに、報知部36のスピーカ56から連動元を示す警報音、例えば「ウー ウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を繰り返し出力させるととともに、火災発報を示すイベント信号を無線回路部30の送信回路42によりアンテナ31から他の住警器10−2〜10−5に向けて送信させる。
【0038】
また、異常監視部58は、他の住警器10−2〜10−5のいずれかから火災発報を示すイベント信号を無線回路部30の受信回路44により受信したときに、報知部36のスピーカ56から連動先を示す警報音、例えば「ウー ウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージを連続的に出力させる。
【0039】
ここで、異常監視部58で火災発報を検出して連動元警報音を出すときには、報知部36のLED22を例えば明滅させ、一方、連動先警報音を出す場合には、報知部36のLED22を点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLED22の表示を区別できるようにしている。もちろん、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLED22の明滅または点滅表示であってもよい。
【0040】
また、異常監視部58は、電池電源40の電圧低下によるローバッテリーを障害として検出したときに、例えば1分に1回、「ピッ」といった短いローバッテリー警報音を出すことにより障害警報音を出力させるととともに、障害を示すイベント信号を他の住警器10−2〜10−5に送信する。
【0041】
また、異常監視部58は、他の住警器10−2〜10−5のいずれかから障害を示すイベント信号を受信したときに、ローバッテリー警報音を同様に間欠的に出すことにより、障害警報音の連動出力を行う。このローバッテリーの連動先での警報については、警報音に同期してLED22を点滅させてもよい。
【0042】
図5は住警器10のイベント信号のフォーマットを示した説明図である。図5に示すように、イベント信号48は送信元符号50、グループ符号52およびイベント符号54で構成されている。送信元符号50は、例えば26ビットの符号である。また、グループ符号52は、例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば5台の住警器10−1〜10−5については同一のグループ符号52が設定されている。
【0043】
なお、グループ符号52としては、同一グループの住警器10に同一のグループ符号52を設定する以外に、予め定めたグループを構成する住警器10に共通な基準符号と、各住警器10に固有な送信元符号と、の演算から求めた住警器10ごとに異なるグループ符合であってもよい。
【0044】
イベント符号54は、火災、ガス漏れなどの異常や障害といったイベント内容を表す符号であり、本実施形態においては3ビット符号を使用しており、例えば「001」で火災、「010」でガス漏れ、「011」で障害、残りをリザーブとしている。
【0045】
なお、イベント符号54のビット数は、イベントの種類が増加したときにはさらに4ビット、5ビットと増加させることで、複数種類のイベント内容を表すことができる。
【0046】
次に、このように構成された住警器10の設置方法について説明する。一般的に住警器10は、取付フック15の貫通孔19にビスなどを挿通し、該ビスを壁面や天井面にねじ込むことにより所望の位置に住警器10を取り付ける。
【0047】
ここで、天井面および壁面がコンクリート打ち放し仕上げの居室内に住警器10を設置する場合には、コンクリートにビスをねじ込む必要があり施工が困難である。そこで、壁面に設けられた木製の化粧梁61(図7参照)を利用して住警器10を設置する方法について説明する。なお、化粧梁61に直接住警器10を設置すると住警器10の中心が天井面から15cm以上50cm以下の範囲に入らない場合を想定している。
【0048】
図6に示すように、住警器10を化粧梁61に設置するには、支持部材62およびボルト63・ナット64をさらに用意する。支持部材62は、例えば鉄製の平板状部材であり、複数の貫通孔65が形成されている。また、ボルト63は住警器10の貫通孔19および支持部材62の貫通孔65を挿通可能な大きさで形成されている。
【0049】
まず、支持部材62を化粧梁61に取り付ける。このとき、ビス66を支持部材62の貫通孔65に挿通させた後、ビス66を化粧梁61にねじ込むことにより支持部材62を化粧梁61の所望の位置に取り付ける。ここで、化粧梁61は木製であるため、容易にビス66をねじ込むことができる。
【0050】
続いて、住警器10の貫通孔19および支持部材62の貫通孔65にボルト63を挿通させた後、ナット64を締め付けることにより支持部材62に住警器10を取り付ける。
【0051】
このように構成することにより、図7、図8に示すように、住警器10は化粧梁61から吊り下げるようにして所望の高さに設置することができる。なお、支持部材61には複数の貫通孔65が形成されているため、ビス66やボルト63を挿通させる貫通孔65を任意に選択することにより、住警器10の設置高さを容易に調節することができる。
【0052】
また、別の態様として、図9に示すように、コンクリート打ち放し仕上げの壁面にフックなどを取り付けるための木製の板材71が取り付けられている場合について説明する。板材71は一般的に天井面から50cm程度下方に設置されていることが多いため、板材71に住警器10を取り付けると、住警器10の位置が下方すぎてしまうことが想定される。そこで、上記実施形態とは逆に、支持部材62を板材71から上方に向かって延設されるように支持する。そして、住警器10を支持部材62に取り付けることにより、板材71から上方に吊り上げるようにして設置することができ、住警器10の設置高さを所望の高さに設置することができる。
【0053】
本実施形態によれば、コンクリート打ち放し仕上げの住宅の居室で、コンクリートとは異なる仕上材、例えば木製の化粧梁61や板材71が配されている場合に、化粧梁61や板材71に支持部材62を取り付け、該支持部材62に住警器10を取り付けることができる。したがって、化粧梁61や板材71に対する支持部材62の取り付け方向を調整することにより、化粧梁61や板材71の設置高さに影響されず適正な高さに住警器10を設置することができる。つまり、住警器10の検出精度を保持しつつ、住警器10を容易に設置することができる。
【0054】
また、支持部材62は住警器10を支持可能な強度を有する金属製の板材で形成し、ビス66やボルト63を挿通可能な貫通孔65を形成したため、ビス66を用いて支持部材62を化粧梁61や板材71に支持固定するとともに、支持部材62の貫通孔65にボルト63を挿通させて住警器10を支持固定することにより、化粧梁61や板材71に支持部材62を介して住警器10を適正な高さに容易に取り付けることができる。また、支持部材62が金属製の板材で形成されているため、板材71に対して住警器10を吊り下げるようにして支持するだけでなく、板材71に対して住警器10を吊り上げるようにして支持することができる。
【0055】
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0056】
例えば、本実施形態では、図1の住警器10にあっては、検煙部16を備え、火災により発生した煙を検出する住警器10を用いて説明しているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタを備えた住警器や、火災以外にガス漏れを検出する住警器、また火災およびガス漏れの両方を検出する住警器について適用することができる。
【0057】
また、本実施形態では、支持部材62として鉄製の板材を用いた場合の説明をしたが、吊り下げる場合でれば、紐状の支持部材を用いてもよい。また、支持部材62と住警器10との支持方法としては、ボルト63・ナット64を用いた支持方法でなく、支持部材62にフックを設けて、貫通孔19に該フックをかけることにより支持する方法を用いてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、化粧梁61や板材71にビス66をねじ込むことで支持部材62を取り付ける場合の説明をしたが、例えば化粧梁61や板材71の厚さ以下の長さで形成された釘を用いて支持部材62を取り付けてもよい。
【0059】
さらに、本実施形態では、平板状の支持部材62を用いた場合の説明をしたが、図10に示すように、湾曲した形状の支持部材82を用いてもよい。このような形状の支持部材82を用いることにより、住警器10をより壁面に近づけて設置することができる。
そして、本実施形態における平板状の支持部材62に目盛を設けて、住警器10の設置高さが容易に認識できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…住警器(警報器本体) 61…化粧梁(仕上材) 62…支持部材 71…板材(仕上材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート面上に設けられ、該コンクリート以外の材料で構成されたねじ込み可能な仕上材に対して警報器を設置する警報器の設置方法であって、
前記仕上材に支持部材を取り付ける工程と、
前記支持部材に警報器本体を取り付ける工程と、を有していることを特徴とする警報器の設置方法。
【請求項2】
警報器本体と、
前記警報器本体を支持する支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記警報器本体を支持可能な部分と、コンクリート以外の材料で構成されたねじ込み可能な仕上材に固定可能な部分と、を有していることを特徴とする警報器。
【請求項3】
警報器本体を支持可能な強度を有する金属製の板材で形成され、
前記警報器本体を支持可能な部分と、コンクリート以外の材料で構成されたねじ込み可能な仕上材に固定可能な部分と、有することを特徴とする支持部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−113487(P2011−113487A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271758(P2009−271758)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】