警報器
【課題】スピーカからの音が出なくなっても、警報表示から警報メッセージの内容を推測可能として警報機能を維持する。
【解決手段】警報音制御部４２は、火災等の異状を検知した場合に、火災を示す音声メッセージを含む警報音をスピーカ３６から出力し、警報表示制御部４２は、スピーカ３６の警報音に対応した表示パターンに従ってＬＥＤ２２を駆動して警報表示する。ＬＥＤ２２の表示パターンは、スピーカ３６から出力する警報音の出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンとする。利用者が点検操作を行うと、点検結果が正常であれば、火災時と同じ内容の警報音の出力とその出力音圧の変化状況に対応した表示パターンの警報表示が行われ、利用者は音と光による警報内容の対応関係を学習し、火災時にスピーカ故障で音が出なくともＬＥＤ２２の警報表示の光から警報内容を推認できる。
【解決手段】警報音制御部４２は、火災等の異状を検知した場合に、火災を示す音声メッセージを含む警報音をスピーカ３６から出力し、警報表示制御部４２は、スピーカ３６の警報音に対応した表示パターンに従ってＬＥＤ２２を駆動して警報表示する。ＬＥＤ２２の表示パターンは、スピーカ３６から出力する警報音の出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンとする。利用者が点検操作を行うと、点検結果が正常であれば、火災時と同じ内容の警報音の出力とその出力音圧の変化状況に対応した表示パターンの警報表示が行われ、利用者は音と光による警報内容の対応関係を学習し、火災時にスピーカ故障で音が出なくともＬＥＤ２２の警報表示の光から警報内容を推認できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、火災等の異状を検知して音声メッセージを含む警報音出力と警報表示を行う警報器に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異状を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
【０００３】
このような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部の検出信号から火災を検知すると警報部から音声メッセージを含む所定パターンの火災警報音を出力するようにしており、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【０００４】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報音を出力させる連動型の住警器システムも提案されている。
【０００５】
このような連動型の住警器システムでは、住警器で火災を検知した場合、火災を検知した連動元の住警器は、メッセージと警報音を含む所定パターンの火災警報音、例えば「ピーピーピー 火災です 火事です」を出力し、一方、連動先の警報器では例えば「ピーピーピー 別の警報器が作動しました」といった連動先を示す火災警報音を出力するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００７−０９４７１９号公報
【特許文献２】実用新案登録第３１５４５７９号公報
【特許文献３】特開２００９−２４４９３７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、このような従来の住警器にあっては、スピーカからの音声メッセージによる警報が重要であり、スピーカ系統が故障して音が出なくなると、住警器としての機能が失われるという問題がある。
【０００８】
本発明は、スピーカからの音が出なくなる障害が発生しても、警報表示から警報メッセージの内容を推測可能として警報機能を維持する警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
（第１発明：スタンドアローン型）
本発明は、警報器に於いて、
警戒エリアの環境変化を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
警報音により警報を出力する音響変換器と、
警報表示により警報を出力する表示器と、
センサ部の検出信号出力に基づく異状、その他の自己の異状又は自己の状態変化の有無を検知するイベント検知部と、
を備えた警報器に於いて、
イベント検知部で異状が検知された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの警報音を音響変換器から出力させる警報音制御部と、
音響変換器から出力される警報音に対応した表示パターンに従って表示器を駆動して警報表示する警報表示制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【００１０】
ここで、警報音制御部は、イベント検知部で異状が検知された場合、警報音として音響変換器からスイープ音と異状を示す音声メッセージとを出力させ、
警報表示部は、音響変換器から出力するスイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従って表示器を駆動させる。
【００１１】
表示パターンは、スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンである。
【００１２】
更に、点検処理部を設け、
イベント検知部は、所定周期毎に、自己の異状または自己の状態変化のうち所定のものを障害として検知し、当該障害情報を記憶部に記憶させ、
点検処理部は、イベント検知部で操作部の点検操作を検知された場合、記憶部に障害情報が記憶されている場合は音響変換器から障害警報音を出力させると共に表示器で障害表示を行わせ、記憶部に障害情報が記憶されていない場合は、音響変換器から点検用警報音として音声メッセージを含む所定パターンの警報音を、記憶部に障害情報を記憶している場合の障害警報音より低音量で出力させると共に表示器を音響変換器から出力される警報音に対応した表示パターンに従って表示させて点検結果を報知制御する。
【００１３】
イベント検知部は、更に、音響変換器から警報音の出力性能が低下又は喪失された場合に警報音障害を検出し、
警報表示制御部は、イベント検知部で警報音障害が検知された場合、表示器に流す駆動電流を増加させて表示輝度を増加させる。
【００１４】
駆動電流の増加分は、前記音響変換器の駆動電流を超えないようにする。
【００１５】
（第２発明：無線連動型）
本発明は、
警戒エリアの環境変化を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
警報音により警報を出力する音響変換器と、
警報表示により警報を出力する表示器と、
センサ部の検出信号出力に基づく異状、そのたの自己の異状又は自己の状態変化の有無を検知するイベント検知部と、
イベント検知部で検出されたイベントを示すイベント信号を送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号を受信する受信部と、
を備えた警報器に於いて、
イベント検知部で異状が検知された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの連動元を示す警報音を音響変換器から出力させ、一方、イベント検知部で他の警報器から異状を示すイベント信号が有効受信された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの連動先を示す警報音を音響変換器から出力させる警報音制御部と、
連動先または連動先を示す警報音に対応した表示パターンに従って表示器を駆動して警報表示する警報表示制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【００１６】
ここで、警報音制御部は、イベント検知部で異状が検知された場合に、連動元または連動先を示す警報音として、音響変換器からスイープ音と異状を示す音声メッセージを出力させ、
警報表示部は、音響変換器から出力されるスイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従って表示器を駆動させる。
【００１７】
表示パターンは、スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンである。
【００１８】
更に、点検処理部を設け、
イベント検出部は、所定周期毎に、電池電源の電圧低下およびセンサ部の故障をはじめとする障害検知を実行して検知した障害情報を記憶部に記憶させ、
点検処理部は、イベント検知部で操作部の点検操作が検出された場合、記憶部に障害情報が記憶されている場合は音響変換器から障害警報音を出力させると共に表示器で障害表示を行わせ、記憶部に障害情報が記憶されていない場合は、音響変換器から点検用警報音として音声メッセージを含む所定パターンの前記警報音を、記憶部に障害情報を記憶されている場合の障害警報音より低音量で出力させると共に表示器を音響変換器から出力される警報音に対応した表示パターンに従って表示させる。
【００１９】
イベント検知部は、更に、音響変換器から警報音の出力性能が低下又は喪失された場合に警報音障害を検知し、
警報表示制御部は、イベント検知部で警報音障害が検知された場合、表示器に流す駆動電流を増加させて表示輝度を増加させる。駆動電流の増加分は、音響変換器の駆動電流を超えないようにする。
【発明の効果】
【００２０】
（第１発明の効果）
本願の第１発明及び第２発明の警報器によれば、異状として例えば火災を検知した場合、音響変換器として機能するスピーカから例えば「ピーピーピー 火事です 火事です」といったスイープ音と音声メッセージからなる所定パターンの警報音を出力するが、同時に、ＬＥＤなどの表示器により警報音である「ピーピーピー 火事です 火事です」の音圧に対応した点滅、明滅又は輝度変化などの表示パターンに従った警報表示が行われ、音と光が同調した警報報知が行われる。
【００２１】
このような音と光が同調した警報出力は、通常状態でのスイッチ操作で点検結果が正常な場合にもスピーカ試験のため火災時と同じ「ピーピーピー 火事です 火事です」を低音量で１回出力しており、点検操作を通じて利用者は、音と光が同調した警報出力を学習する機会をもつこととなる。
【００２２】
その結果、万一、スピーカから音のでなくなる故障が発生し、この状態で火災が検知された場合、スピーカから警報音は出ないが、ＬＥＤから警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」の音圧に対応した表示パターンに従った点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンによる警報表示が行われ、利用者は、ＬＥＤの表示パターンの光をみて「ピーピーピー 火事です 火事です」を推認することが可能となり、スピーカから音の出ない故障が起きても、音声メッセージに相当する警報機能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本願第１発明による住警器の外観を示した説明図
【図２】本願第１発明による住警器の実施形態を示したブロック図
【図３】図２の住警器で出力するスイープ音と音声メッセージで構成される警報音とこれに対応する警報表示の表示パターンを示した説明図
【図４】図２の住警器による監視処理を示したフローチャート
【図５】図４に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図６】図５に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図７】本願第２発明の連動型の住警器による監視システムを設置した住宅を示した説明図
【図８】本願第２発明による住警器の実施形態を示したブロック図
【図９】図８の実施形態で使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図
【図１０】図８の住警器による監視処理を示したフローチャート
【図１１】図１０に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図１２】図１１に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図１３】図１２に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【００２４】
図１は単独で設置して使用する所謂スタンドアロー型となる本願第１発明による住警器の外観を示した説明図であり、図１（Ａ）に正面図を、図１（Ｂ）に側面図を示している。なお、取付フック１５を設けているほうを上側とする。
【００２５】
図１において、本実施形態の住警器１０の筐体はカバー１２と本体１４で構成されている。カバー１２の中央に突出した部分の周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部１６が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検知するようにしている。検煙部１６としては例えば、公知の散乱光式検煙機構が適用できる。
【００２６】
カバー１２に設けた複数の開口部の内部には検煙部１６が設けられ、検煙部１６の左下側には音響穴１８が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部１６の下側には警報停止スイッチ２０が設けられている。
【００２７】
警報停止スイッチ２０は住警器１０の点検結果の報知を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報時に警報停止スイッチ２０が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ２０が操作されるとメモリに記憶されている自動点検の結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報中または障害警報中でない状態を指す。
【００２８】
警報停止スイッチ２０は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたプッシュスイッチ（図示せず）とで構成されている。即ち、スイッチカバーを押圧操作すると、プッシュスイッチが押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように警報等表示を行うＬＥＤ２２が配置されており、ＬＥＤ２２が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ２０のスイッチカバーの部分を透過してＬＥＤ１２２の作動状態が外部から視認できるようにしている。
【００２９】
また本体１４の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック１５が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック１５の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器１０を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【００３０】
住警器１０は、住宅の設置場所に対応する監視領域について監視を行い、火災が発生した場合、火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【００３１】
住警器１０の警報動作としては、例えば「ピーピーピー 火事です 火事です」といったスイープ音と音声メッセージからなる所定パターンの火災警報音を出力する。ここで前半の「ピーピーピー」はスピーカを駆動する音声信号の信号振幅が一定で周波数が例えば２〜３ＫＨｚで変化するスイープ警報音である。また住警器１０の火災警報に伴う警報表示として本実施形態にあっては、スピーカ３６から出力される火災警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤ２２を駆動して火災警報を表示し、ＬＥＤ２２の光り方を火災警報音に同調させている。
【００３２】
住警器１０が警報音を出している状態で、警報停止スイッチ２０を操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
【００３３】
また住警器１０は電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を判別する障害検知処理（自動点検）をビルトインテストとして所定周期毎にバックグラウンドで自動実行しており、ローバッテリー障害を検知した場合、ローバッテリー障害警報を出力する。
【００３４】
ローバッテリー障害警報は、住警器１０のスピーカから例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にＬＥＤを例えば点灯し、その後は、定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とＬＥＤによる表示を複数回行う処理を繰り返す。
【００３５】
また住警器１０は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ２０を操作した場合、ビルトインテストとしてバックグランドで自動実行された障害検知処理によりローバッテリー障害を判別してメモリに記憶している場合には、ローバッテリー障害警報として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にＬＥＤ２２を例えば点灯させる。一方、ローバッテリー障害が検知されていない正常時には、スピーカ動作を点検するために火災警報音と同じ内容「ピーピーピー 火事です 火事です」をスピーカ点検用警報音としてローバッテリー障害警報音より低音量で１回出力する。この場合にも、スピーカ３６から出力されるスピーカ点検用警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤ２２を点検駆動し、ＬＥＤ２２の光り方を火災警報音に同調させている。
【００３６】
このような点検操作時におけるスピーカ点検用警報音にＬＥＤ２２の光り方を同調させることで、点検操作を通じて利用者は、音と光が同調した警報出力を学習する機会をもつこととなる。そのため万一、スピーカ３６から音の出ない障害が発生した状態で火災が検知された場合、ＬＥＤ２２の光り方から火災警報音による「ピーピーピー 火事です 火事です」といった警報内容を推認することが期待できる。
【００３７】
また住警器１０はセンサ障害を検知する障害検知処理（自動点検）をビルトインテストとして所定周期毎にバックグラウンドで自動実行しており、センサ障害を検知した場合、センサ障害警報を出力する。住警器１０で検知するセンサ障害には、センサや検出回路、音声報知回路故障の有無、汚損等による感度異常などが含まれている。
【００３８】
また住警器１０は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ２０を操作した場合、ビルトインテストとしてバックグランドで自動実行された障害検知処理によりセンサ障害を検知してメモリに記憶している場合には、スピーカから障害警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に、ＬＥＤ２２を例えば点灯し、その後は定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とＬＥＤ２２の点灯による表示を複数回繰り返す。
【００３９】
一方、センサ障害が検知されていない正常時には、スピーカ動作を点検するために火災警報音と同じ内容の「ウーウー 火事です 火事です」をスピーカ点検用警報音としてセンサ障害警報音より低音量で１回出力する。
【００４０】
なお図１の住警器１０にあっては、検煙部１６を備え、火災に伴い発生する煙に基づいて火災を検知する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタ等の温度検出素子を備えた住警器や火災に伴うその他の物理現象を検出する住警器、火災以外にガス漏れを検出する警報器、侵入者や地震その他の異状を検出する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。
【００４１】
図２は図１に示した住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア（プログラム）によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【００４２】
図２において、住警器１０はワンチップＣＰＵとして知られたプロセッサ２４が設けられ、プロセッサ２４に対してはメモリ２６、センサ部２８、報知部３０、操作部３２、移報部３４及び電池電源３５が設けられている。
【００４３】
センサ部２８には、煙を検出して煙濃度に応じた検出信号を出力する検煙部１６が設けられ、前述のように、センサ部２８には検煙部１６に代えて、火災による温度を検出して検出信号を出力する素子やセンサ、火災に伴うその他の物理現象変化を検出して検出信号を出力する各種素子やセンサを設けても良い。
【００４４】
またメモリ２６にはビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行される定期的な障害監視処理（自動点検）による障害検知結果として、ローバッテリー障害フラグ５２またはセンサ障害フラグ５４が各障害を検知した場合に記憶される。またローバッテリー障害やセンサ障害を検知した後の定期的な障害警報の出力に使用される定期通報タイマ５６が設けられる。なお、定期通報タイマ５８はメモリ３２に配置せず、プロセッサ２４で実行されるプログラム上に記述して実行しても良い。
【００４５】
更に本実施形態にあっては、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行される定期的な障害監視処理（自動点検）による障害検知結果として警報音障害フラグ６０がメモリ２６に記憶され、警報音障害フラグ６０は報知部３０に設けたスピーカ３６から音が出なくなるスピーカ系統の障害を示す。
【００４６】
報知部３０には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ３６と警報表示等を行うＬＥＤ２２が設けられている。スピーカ３６は、図示しない音声合成回路部から、自己がメモリ２６に記憶保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。ＬＥＤ２２はスピーカ３６から火災警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンにより駆動されて火災などの異状警報を表示する。火災などの異状以外の表示については、ＬＥＤ２２を点灯、点滅又は明滅させる。またＬＥＤ２２に代え、２色ＬＥＤや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、ＬＥＤと液晶表示器を併設するなどしても良い。
【００４７】
操作部３２には警報停止スイッチ２０が設けられている。警報停止スイッチ２０は、報知部３０からスピーカ３６により火災や障害の警報音を出力している場合又はＬＥＤ２２により警報表示を行っている場合にのみ警報停止スイッチとして機能する。
【００４８】
一方、火災警報または障害警報を行っていない通常状態においては、警報停止スイッチ２０は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ２０を操作すると点検操作（点検指示入力）が検出され、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行されてメモリ２６に記憶されている点検結果の報知が行われる。点検結果の報知は障害報知と正常報知があり、正常報知の際にはスピーカ点検用警報音とその出力音圧の変化状況に対応した表示パターンの点検表示が行われる。
【００４９】
移報部３４は火災を検知して警報した場合に他の機器に移報信号を出力する。移報信号としては例えばリレー接点のオンによる無電圧信号が出力される。
【００５０】
電池電源３５は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、必要に応じて各部に電源を供給しており、電池容量としては住警器１０における回路部全体の低消費電力化により、例えば１０年の電池寿命を保証している。
【００５１】
プロセッサ２４にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検知部３８、監視処理部４０、及び点検処理部４６の機能が設けられ、監視処理部４０には警報音制御部４２及び警報表示制御部４４の機能が設けられている。
【００５２】
イベント検知部３８は、センサ部２８の検出信号出力から検知した火災の有無、操作部３２による警報停止指示入力の有無や点検指示入力の有無、センサ部２８の検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧、センサ障害やローバッテリー障害、スピーカ３６の警報音障害等のイベントを検出する。
【００５３】
監視処理部４０は、イベント検知部３８で自己の異状として火災を検知された場合、警報音制御部４２がスピーカ３６から火災を示す警報音を出力させ、警報表示制御部４４がＬＥＤ２２を駆動して火災警報表示を行わせる。
【００５４】
具体的に説明すると、監視処理部４０は、センサ部２８に設けた検煙部１６の煙検出信号に基づきイベント検知部３８で火災が検知された場合に、イベント検知部３８からその旨を示す信号を受け取り、これに基づき警報音制御部４２により報知部３０に対しスピーカ３６から火災を示す警報音例えば「ピーピーピー 火事です 火事です」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、警報表示制御部４４により火災警報音の出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従ってＬＥＤ２２を駆動して火災を示す警報表示を行わせる制御を行う。
【００５５】
図３は図２の警報音制御部４２による火災警報音と警報表示制御部４４によるＬＥＤ２２の表示パターンを示した説明図である。
【００５６】
図３（Ａ）は火災警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」であり、実際には音声合成回路から出力された音声信号であり、音声メッセージに対応したアナログ振幅波形をもっている。
【００５７】
図３（Ｂ）は図３（Ａ）の火災警報音に基づいて生成したＬＥＤ２２の表示パターンであり、火災警報音の出力音圧の変化状況（信号レベル）などに対応してＬＥＤ２２に駆動電流を流して点滅、明滅又は輝度変化となる表示パターンで光せるようにしている。
【００５８】
例えば前半の「ピーピーピー」の部分は振幅が一定で低い周波数から高い周波数に変化するスイープ音であり、この周波数の変化を直線的な輝度の上昇を行うことで表現している。続いて「火事です」を繰り返すが、「火事」の部分で輝度を高くし、「です」の部分で輝度を下げて表現している。
【００５９】
図３（Ｃ）はＬＥＤ表示パターンの他の例であり、図３（Ｂ）のＬＥＤ表示パターンは消灯部分をもつが、図３（Ｃ）のＬＥＤ表示パターンでは消灯部分をもつことない火災警報音に対応した表示パターンとしている。
【００６０】
なお、火災警報音に対応したＬＥＤ表示パターンとしては、図３（Ｂ）（Ｃ）に限定されず、火災警報音のメッセージ内容を把握可能な適宜の光り方となるパターンで良い。またＬＥＤ表示パターンはスピーカ３６に出力する音声信号の波形処理により生成してＬＥＤ２２を駆動しても良いし、記憶部２６に例えば図３（Ｂ）（Ｃ）のような表示パターンデータを予め記憶しておき、火災警報時に読み出してＬＥＤ２２を駆動するようにしても良い。
【００６１】
また監視処理部４０は火災警報音の出力中に警報停止スイッチ２０の操作を検知した場合、スピーカ３６からの音声メッセージとＬＥＤ２２の警報表示による火災警報の出力を停止させる。このときはＬＥＤ２２による警報表示については、所定時間継続した後に停止させても良い。
【００６２】
またイベント検知部３８は、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行されるローバッテリー障害検知処理として、所定の測定時間間隔、例えばＴ１＝４時間間隔で図示しない電圧検出回路を介して直接的又は間接的に、電池電源３５から供給される電源電圧をＡ／Ｄ変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にローバッテリー障害の検知を予備判定（仮判定）し、更にローバッテリー障害検知の予備判定（仮判定）が連続して所定回数続いたときにローバッテリー障害を検知（確定）し、ローバッテリー障害フラグ５６をセットしてメモリ２６に記憶させる。
【００６３】
またイベント検知部３８は、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行されるセンサ障害検知処理として、所定の測定時間間隔、例えばＴ２＝１秒間隔でセンサ部２８の検煙部１６から出力される煙濃度検出信号をＡ／Ｄ変換により読み込んでメモリ２６のバッファ領域に保持させ、例えば所定の時間間隔Ｔ３＝１０分毎に、メモリ２６のバッファ領域に保持されている１０分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル（零点レベルという）を下回った時に出力停止状態である等としてセンサ部２８の障害を検知し、センサ障害フラグ５８をセットしてメモリ２６に記憶させる。
【００６４】
このように煙濃度検出信号の１０分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部１６に設けている受光素子故障や受光素子からの出力信号線断線、受光アンプの停止などの障害が発生したことによるものである可能性が高いためセンサ障害とする。なお、センサ部１６にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合にも、各種の処理により、同様にセンサ障害を検出することができる。このような障害についても、検出後はセンサ障害と同様の処理を行ことから、本実施形態にあってはセンサ障害と総称している。
【００６５】
またイベント検知部３８は、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行される警報音障害検知処理として、所定の測定時間間隔、例えばローバッテリー障害検知と同じＴ１＝４時間間隔で図示しないスピーカ３６を含む音声出力系統を試験して障害の有無を検知する。音声出力系統の試験としては、例えばスピーカ３６に対し音が出ないＤＣ試験信号を出力し、スピーカ駆動電流の検出電圧をＡ／Ｄ変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にスピーカ出力線断線による警報音障害検知を予備判定（仮判定）し、更に警報音障害検知の予備判定（仮判定）が連続して所定回数続いたときに警報音障害と検知（確定）し、ローバッテリー障害フラグ５６をセットしてメモリ２６に記憶させる。
【００６６】
イベント検知部３８によりスピーカ３６から音のでない警報音障害が判定されてメモリ２６に警報音障害フラグ６０が記憶された場合、監視処理部４０に設けた表示制御部４４は、イベント検知部３８で火災が検知されてその旨を示す信号を受けた場合、ＬＥＤ２２に流す駆動電流を増加させて図３（Ｂ）又は（Ｃ）に示した火災警報音に対応した表示パターンの駆動電流を増加させて輝度を高める。これによってスピーカ３６から火災警報音が出ない状況であってもＬＥＤ２２からの光を強くすることで、より確実に利用者に火災警報を伝えるようにする。
【００６７】
ここで、警報音障害を検知した場合にＬＥＤ２２に流す駆動電流の増加分は、スピーカ３６に流す警報音出力のための駆動電流を超えない範囲とし、スピーカ３６が正常に機能している場合と同等またはそれ以下となるような電池電源３５の消耗度合とする。
【００６８】
なお、本実施形態におけるイベント検知部３８による障害検知はビルドインテストしてバックグラウンドで自動実行されているが、これを行わずに、通常状態で警報停止スイッチ２０の操作が検知された場合（点検指示操作が検知された場合）に、バッテリー障害検知、センサ障害検知及び警報音障害検知を含む所定の障害検知動作（点検動作）を実施して結果を報知するようにしても良い。
【００６９】
また、障害警報中に警報停止スイッチ２０が操作が検知された場合には、バッテリー障害検知、センサ障害検知及び警報音障害検知を含む障害検知動作（点検動作）を再度実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行うようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。
【００７０】
監視処理部４０は、イベント検知部３８でローバッテリー障害検知部４４によるローバッテリー障害が検知された場合、イベント検知部３８からその旨を示す信号を受け取り、これに基づき警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６からローバッテリー障害の警報音として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共に警報表示制御部４４によりＬＥＤ２２を例えば点灯させる。その後は、メモリ２６の定期通報タイマ５６を起動させ、メモリ２６に記憶されているローバッテリー障害フラグ５２に基づき所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とＬＥＤ２２による表示を複数回行う処理を繰り返させる。
【００７１】
また監視処理部４０は、イベント検知部３８によりセンサ障害が検知されてその旨を示す信号を受け取った場合、警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６からセンサ障害の警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に、警報表示制御部４４によりＬＥＤ２２を例えば点灯させる。その後はメモリ２６の定期通報タイマ５６を起動させ、メモリ２６に記憶されているセンサ障害フラグ５４に基づき所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とＬＥＤ２２による表示を複数回行う処理を繰り返させる。
【００７２】
点検処理部４６は、通常状態で警報停止スイッチ２０の操作による点検操作（点検指示入力）がイベント検知部３８で検出されてその旨を示す信号を受け、更にメモリ２６にローバッテリー障害フラグ５２が記憶されていることを検知した場合には、警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６から例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させ、同時に警報表示制御部４４によりＬＥＤ２２を例えば点灯させる。
【００７３】
また点検処理部４６は、イベント検知部３８で警報停止スイッチ２０の操作による点検操作（点検指示入力）が検知されてその棟を示す信号を受け、更にメモリ２６にセンサ障害フラグ５４が記憶されていることを検知した場合には、警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６から例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に警報表示制御部４４によりＬＥＤ２２を例えば点灯させる。
【００７４】
このように点検のために警報停止スイッチ２０を操作を検知した場合には、住警器の前に必ず人がいることから、ローバッテリー障害やセンサ障害を確実に知らせることができる。
【００７５】
また点検処理部４６は、イベント検知部３８で警報停止スイッチ２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知してその旨を示す信号を受け、更にメモリ２６に警報音障害フラグ６０が記憶されていることを検知した場合には、スピーカ３６からは音がでないことから、警報表示制御部４４によりＬＥＤ１２２を例えば点滅させる。
【００７６】
また点検処理部４８は、イベント検知部３８で警報停止スイッチ２０の操作による点検操作（点検指示入力）を検知してその棟を示す信号を受け、更にメモリ２６にローバッテリー障害フラグ５２もセンサ障害フラグ５４が記憶されていないことを検知した場合は正常と判断し、この場合には、警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６から正常に警報音が出力されることを確認するスピーカ点検のため、火災警報音と同じ内容をもつ「ピーピーピー 火事です 火事です」をスピーカ点検用警報音として障害警報音より低音量で１回出力させる。これと共に点検処理部４８は、警報表示制御部４４によりスピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した図３（Ｂ）又は（Ｃ）に示す表示パターンで光るようにＬＥＤ２２を駆動して点検表示を行わせ、結果として利用者は無意識にうちに音と光による火災警報の学習を受けることになる。
【００７７】
なお、点検処理部４６は、イベント検知部３８で警報停止スイッチ２０の操作による点検操作（点検指示入力）を検知してその旨を示す信号を受けた場合、イベント検知部３８に指示してローバッテリー障害およびセンサ障害の障害検知処理（点検）を再度実行させ、障害を検知したら障害警報を出力し、正常を検知すればスピーカ点検用警報音の出力と警報音対応パターン表示を行わせるようにしても良い。これにより最新の点検結果を報知することができる。
【００７８】
図４乃至図６は、図２の住警器１０における監視処理の例を示したフローチャートである。図４において、住警器１０の電池電源３５による電源供給が開始されると、ステップＳ１で初期化、自己診断、各種設定の読み込みを実行し、異常がなければステップＳ２に進み、火災を監視している。
【００７９】
センサ部２８から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると火災が検知され、ステップＳ２で火災検知の検出有りを判別してステップＳ３に進み、このときメモリ２６を参照して警報音障害フラグ６０の記憶により警報音障害が検知されているか否か判定し、警報音障害が検知されていた場合は、ステップＳ４に進んでＬＥＤ２２に流す駆動電流を増加させる設定を行う。勿論、警報音障害が検知されない場合はステップＳ４の処理はスキップする。
【００８０】
続いてステップＳ５に進み、報知部３０のスピーカ３６から音声メッセージやブザー音等による火災警報音と、火災警報音に対応した表示パターンで光るようにＬＥＤ２２を駆動する災警報表示により火災警報を出力させる。
【００８１】
続いて、ステップＳ６でセンサ部２８からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無を検知しており、火災復旧有りを検知するとステップＳ７でスピーカ３６からの警報音とＬＥＤ２２の警報表示とによる火災警報を停止させる。なお、ＬＥＤ２２による火災警報表示は所定時間経過後に停止しても良い。
【００８２】
続いてステップＳ８で警報中における警報停止スイッチ２０の警報停止指示操作の検出有無を検知し、スイッチ操作有りが検知されるとステップＳ９に進んでスピーカ３６からの火災警報音出力の停止させ、ＬＥＤ２２の点灯による火災警報表示を消灯させる。なお、ＬＥＤ２２は所定時間経過後に消灯させても良い。
【００８３】
続いて図５のステップＳ１０に進み、ローバッテリー障害の有無を検知し、ローバッテリー障害有りを検知するとステップＳ１１に進んでメモリ２６にローバッテリー障害フラグ５６をセットして記憶させると共に定期通報タイマ６２を起動させる。続いてステップＳ１２でローバッテリー障害の警報音出力と警報表示を行わせる。
【００８４】
続いてステップＳ１３に進み、センサ障害の有無を検知し、センサ障害有りを検知した場合は、ステップＳ１４に進んでメモリ２６にセンサ障害フラグ５８をセットして記憶させると共に定期通報タイマ６２を起動させた後、ステップＳ１５に進んでセンサ障害の警報音出力と警報表示を行わせる。
【００８５】
続いてステップＳ１６に進み、警報音障害の有無を検知し、警報音障害有りを検知すると、ステップＳ１７に進んでメモリ２６に警報音障害フラグ６０をセットして記憶させると共に定期通報タイマ６２を起動させた後、ステップＳ１８に進んで警報音障害の警報出力を行わせるが、この場合、スピーカ３６から音がでないことからＬＥＤ２２の点滅のみによると警報表示を行わせる。ここで警報音障害検知の場合、ＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加させていることから、ＬＥＤ１２２からは強い光が出される。
【００８６】
続いて図６のステップＳ１９に進み、メモリ２６にローバッテリー障害フラグ５６、センサ障害フラグ５８又は警報音障害フラグ６０が記憶されているか否か検知し、いずれかの障害フラグの記憶を検知するとステップＳ２０に進み、ステップＳ１１、Ｓ１４又はＳ１７で起動した定期鳴動タイマ６２が所定時間経過した定期鳴動タイミングか否か判別し、定期鳴動タイミングを判別した場合はステップＳ２１に進み、そのときローバッテリー障害フラグ５６が記憶されていればローバッテリー障害警報を出力させ、センサ障害フラグ５８が記憶されていればセンサ障害警報を出力させ、警報音障害フラグ６０が記憶されていれば障害表示のみの警報音障害警報を出力させる。
【００８７】
続いてステップＳ２２に進み、通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ２０による点検操作の有無を検知し、点検操作検出有りを検知するとステップＳ２３に進み、メモリ２６にローバッテリー障害フラグ５６、センサ障害フラグ５８又は警報音障害フラグ６０のいずれもが記憶されていないことを検知した場合、障害検知無し（正常）としてステップＳ２４に進み、スピーカ３６から火災警報音をスピーカ点検用警報音として低音量で１回出力させると共に、ＬＥＤ２２をスピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンに従って光るように駆動して点検表示を行わせる。
【００８８】
一方、メモリ２６メモリ２６にローバッテリー障害フラグ５６、センサ障害フラグ５８又は警報音障害フラグ６０が記憶されていることを検知した場合には、障害有りを検知してステップＳ２５に進み、スピーカ３６からローバッテリー障害またはセンサ障害についてはメッセージを含む障害警報音を出力させると共にＬＥＤ２２を例えば点滅させ、またメモリ２６に警報音障害フラグ６０が記憶されていることを検知した場合は、スピーカ３６から障害警報音を出力させるこができないことから、この場合はＬＥＤ２２の例えば点滅のみで障害を報知させる。
【００８９】
図７は住宅に対する本願第２発明による無線連動型の住警器を用いた監視システムの設置状態を示した説明図である。図７の例にあっては、住宅２４に設けられている居間、台所、子供部屋、主寝室、階段室のそれぞれの警戒エリアに火災を検知して警報する無線式の住警器（住宅用火災警報器）１００−１〜１００−６が設置されている。
【００９０】
住警器１００−１〜１００−６の外観は、図１に示した本願第１発明による住警器１０と基本的に同じになる。
【００９１】
住警器１００−１〜１００−６は、イベント信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について監視を行い、ここでは６台で住宅全体の火災監視を行っている。いま住宅２４の台所で万一、火災が発生したとすると、住警器１００−１が火災を検知して警報を開始する。
【００９２】
住警器１００−１が発報するとき、住警器１００−１は連動元として機能し、連動先となる他の住警器１００−２〜１００−６に対し、火災を示すイベント信号（火災イベント信号）を無線により送信する。他の住警器１００−２〜１００−６は、連動元の住警器１００−１からの火災発生を示すイベント信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
【００９３】
ここで有効受信とは、受信したイベント信号に含まれるグループ符号がメモリに登録しているグループ符号に一致したときに、このイベント信号を有効受信したことを検出する。また住警器１００−１〜１００−６から送信するイベント信号には、送信元の住警器を示す識別情報として例えば送信元符号が含まれている。なお、イベント信号を有効受信した住警器１０００は必要に応じイベント信号の中継送信を行う。
【００９４】
連動元となった住警器１００−１の警報動作としては、例えば「ピーピーピー 火火事です 火事です」といったスイープ音とメッセージによる所定パターンの連動元を示す火災警報音を出力し、同時にＬＥＤ２２により連動元を示す火災警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンにより光らせる警報表示を行う。
【００９５】
一方、連動先の住警器１００−２〜１００−６にあっては、「ピーピーピー 別の警報器が作動しました」といったスイープ音とメッセージによる所定パターンの連動先を示す災警報音を出力し、同時にＬＥＤ２２により連動先を示す火災警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンにより光らせる警報表示を行う。
【００９６】
なお、例えば赤色ＬＥＤと黄色ＬＥＤを設け、連動元は赤色ＬＥＤを駆動し、連動先は黄色ＬＥＤを駆動するといった２色表示としても良い。もちろん、２つのＬＥＤを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な２色ＬＥＤが採用できる。
【００９７】
住警器１００−１〜１００−６が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
【００９８】
このとき例えば、連動元である住警器１００−１で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器１００−１〜１００−６の警報（警報音出力および／または警報表示出力）を停止し、連動先である住警器１００−２〜１００−６の何れかで警報停止操作が行われた場合には、連動元の住警器１００−１の警報は停止せず、連動先の住警器１００−２〜１００−６の警報を停止するようにする。なお、以下の説明において、住警器１００−１〜１００−６を区別しないで総称する場合には、住警器１００という。
【００９９】
また住警器１００は電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検知する監視処理をビルドインテストとして所定周期毎にバックグラウンドで自動実行しており、ローバッテリー障害を判別した場合、連動元（障害元）を示すローバッテリー障害警報を出力すると共に、他の住警器にローバッテリー障害を示すイベント信号（ローバッテリー障害イベント信号）を送信し、連動先（障害先）を示すローバッテリー障害警報を出力させる。
【０１００】
連動元を示すローバッテリー障害警報は、住警器１００のスピーカから例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点灯させ、その後は、定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とＬＥＤによる表示を複数回行う処理を繰り返させる。また連動先を示すローバッテリー障害警報は、住警器１００のスピーカから例えば「ピッ 別の警報器が電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点滅させる。
【０１０１】
また住警器１００は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチを操作した場合、ビルドインテストとしてバックグランドで自動実行された監視処理によりローバッテリー障害を検知している場合には、ローバッテリー障害警報として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点灯させ、これに伴い他の住警器にローバッテリー障害を示すイベント信号（ローバッテリー障害イベント信号）を送信させ、連動先（障害先）を示すローバッテリー障害警報として例えば「ピッ 別の警報器が電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点滅させる。一方、ローバッテリー障害が検知されていない場合（正常）には、スピーカ動作を点検するために火災警報音「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を障害警報音より低い音量で１回出力させる。
【０１０２】
また住警器１００はセンサ障害を検知する監視処理をビルドインテストとして所定周期毎にバックグラウンドで自動実行しており、センサ障害を検知した場合、連動元（障害元）を示すセンサ障害警報を出力させると共に、他の住警器にセンサ障害を示すイベント信号（センサ障害イベント信号）を送信させ、連動先（障害先）を示すセンサ障害警報を出力させる。住警器１００で検知するセンサ障害には、センサや検出回路、汚損等による感度異状などが含まれている。
【０１０３】
また住警器１００は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチの操作を検知した場合、ビルドインテストとしてバックグランドで自動実行された監視処理によりセンサ障害を検知している場合には、スピーカから連動元（障害元）を示す障害警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に、ＬＥＤを例えば点灯させ、その後は定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とＬＥＤの点灯による表示を複数回繰り返えさせる。
【０１０４】
また住警器１００はセンサ障害を検知した場合、センサ障害を示すイベント信号（センサ障害イベント信号）を他の住警器に送信することで、例えば「ピッ 別の警報器が故障です」といった警報音を出力させると共に連動元とは異なる表示、例えば点滅を行わせる。
【０１０５】
また住警器１００は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチの操作を検知した場合、ビルドインテストとしてバックグランドで自動実行された監視処理によりセンサ障害を検知している場合には、センサ障害警報として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点灯させ、同時に他の住警器にセンサ障害を示すイベント信号（センサ障害イベント信号）を送信させ、連動先（障害先）を示すセンサ障害警報として例えば「ピッ 別の警報器が故障です」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点滅させる。
【０１０６】
一方、センサ障害が検知されていない場合（正常）には、スピーカ動作を点検するために連動元を示す火災警報音「ウーウー 火事です 火事です」をセンサ障害音より低い音量で１回出力させる。この場合にも、スピーカ３６から出力されるスピーカ点検用警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤを点検駆動させ、ＬＥＤの光り方を火災警報音に同調させている。
【０１０７】
このような点検操作時におけるスピーカ点検用警報音にＬＥＤの光り方を同調させることで、点検操作を通じて利用者は、音と光が同調した警報出力を学習する機会をもつこととなる。そのため万一、スピーカから音の出ない障害が発生した状態で火災が検知された場合、ＬＥＤの光り方から火災警報音による「ピーピーピー 火事です 火事です」といった警報内容を推認することが期待できる。
【０１０８】
図８は本願第２発明による無線連動型となる住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア（プログラム）によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【０１０９】
また図８において、住警器は台所に設置した住警器１００−１について示しているが、他の住警器１００−２〜１００−６についても同様の構成となる。
【０１１０】
住警器１００−１はワンチップＣＰＵとして知られたプロセッサ１２８が設けられ、プロセッサ１２８に対してはアンテナ１３１を備えた無線通信部１３０、メモリ１３２、センサ部１３４、報知部１３６、操作部１３８及び電池電源１４０が設けられている。
【０１１１】
無線通信部１３０には送信回路１４２と受信回路１４４が設けられ、他の住警器１００−２〜１００−６との間でイベント信号を無線により送受信できるようにしている。無線通信部１３０としては、日本国内の場合には、例えば４００ＭＨｚ帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたＳＴＤ−３０（小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格）またはＳＴＤ−Ｔ６７（特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格）に準拠した構成を備える。
【０１１２】
もちろん無線通信部１３０としては、日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【０１１３】
なお、アンテナ１３１、送信回路１４２及び送信処理部１６０を併せて送信部とし、アンテナ１３１、受信回路１４４及び受信処理部１６２を併せて送信部とする。
【０１１４】
メモリ１３２には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番１４８、各住警器を特定する住警器識別情報となる送信元符号１５０、図７のように住宅に設置した住警器１００−１〜１００−６で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号１５２が格納されている。
【０１１５】
連番１４８はイベント信号を送信する毎に、所定のルールに則って自動生成され、更新される（例えばインクリメントされる）符号であり、警報器間の、特に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
【０１１６】
送信元符号１５０としては、国内に提供される住警器の何れとも同一符号として重複しないように、例えば２６ビットの多ビット符号コードとし、例えば住警器又は緊急地震速報装置のシリアル番号等を利用している。
【０１１７】
連番１４８や送信元符号１５０を利用して再中継を許可したり禁止したりすることができ、不要な通信を避ける処理を行うことで、必要に応じた最適な中継を行うことができる。また例えば、連動先端末で中継送信されるイベント信号には、当該連動先端末の送信元符号に加えて連動元端末の送信元符号を付加するようにして、この連動元端末送信元符号から再送信の可否を判定して処理するようにすることもできる。また、中継送信の許可および禁止はこれに加え、イベント信号が示すイベントの内容毎に設定することもできる。
【０１１８】
グループ符号１５２は連動グループを構成する複数の住警器に共通に設定される符号であり、無線通信部１３０で受信したイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ１３２に登録しているグループ符号１５２に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として処理することになるので、近隣の住宅等に設置された、連動を要しない他のグループに属する住警器との不要な連動を回避できる。
【０１１９】
グループ符号１５２は各住警器について必ずしも同一の符号である必要は無く、これを元に演算等を行うことによって自己が属するグループと他の住警器が属するグループが同じか否かを判定できるものであれば良い。グループ符号５２の登録は、出荷前や運用開始前に、外部スイッチの設定や通信機能を使った自動登録等、適宜の方法で行う。
【０１２０】
またメモリ１３２には、ビルドインテストとして定期的にバックグラウントで自動実行される自動点検による障害検知処理の結果として、ローバッテリー障害フラグ１８０またはセンサ障害フラグ１８２が各障害を検知した場合に記憶される。またローバッテリー障害やセンサ障害を検知した後の定期的な障害警報の出力にしようされる定期通報タイマ１８６が設けられる。なお、定期通報タイマ１８６はメモリ１３２に配置せず、プロセッサ１２８で実行されるプログラム上に配置しても良い。
【０１２１】
更に本実施形態にあっては、ビルドインテストとして定期的にバックグラウントで自動実行される障害監視処理（自動点検）による障害検知結果として警報音障害フラグ１８４がメモリ１３２に記憶され、警報音障害フラグ１８４は報知部１３６に設けたスピーカ１５６から音が出なくなるスピーカ系統の障害を示す。
【０１２２】
センサ部１３４には、煙を検出して煙濃度に応じた検出信号を出力する検煙部１１６を設けている。前述のように、センサ部１３４には検煙部１１６に代えて、火災による温度を検出して検出信号を出力する素子やセンサ、火災に伴うその他の物理現象変化を検出して検出信号を出力する各種素子やセンサを設けても良い。
【０１２３】
報知部１３６には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ１５６と警報表示等を行うＬＥＤ１２２が設けられている。スピーカ１５６は、図示しない音声合成回路部から、自己が保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。ＬＥＤ１２２は火災警報音の出力音圧の変化状況に対応した表示パターンにより火災などの異状警報が表示され、その他の情報の報知については点灯、点滅又は明滅により表示する。またＬＥＤ２２に代え、２色ＬＥＤや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、ＬＥＤと液晶表示器を併設するなどしても良い。
【０１２４】
操作部１３８には警報停止スイッチ１２０が設けられている。警報停止スイッチ１２０は、報知部１３６からスピーカ１５６により火災や障害の警報音を出力している場合又はＬＥＤ１２２により警報表示を行っている場合にのみ警報停止スイッチとして機能する。
【０１２５】
例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ１２０の操作された場合、警報音及び警報表示は停止され、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ１２０を操作された場合、警報音及び警報表示は停止される。一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ１２０を操作すされた場合、警報音は停止され、警報表示は停止または警報音停止から所定時間後に停止されるといった警報停止処理が行われる。
【０１２６】
一方、連動元または連動先を示す火災警報または障害警報を行っていない通常状態においては、警報停止スイッチ１２０は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ１２０を操作すると点検操作が検知され、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行されてメモリ１３２に自動点検結果であるローバッテリー障害フラグ１８０またはセンサ障害フラグ１８２が記憶されているか否か検知し、障害フラグが記憶されていれば報知部１３６のスピーカ１５６から対応する障害内容を示す音声メッセージなどの障害警報が出力される。
【０１２７】
またメモリ３２に障害フラグが記憶されていない場合には、点検結果は正常であることから、スピーカ５６を点検するための火災警報音と同じスピーカ点検用警報音を障害警報音より低い音量で１回出力すると共に、スピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンの点検表示を行わせる。
【０１２８】
なお、点検はビルドインテストとしてバックグラウンドで行わずに、通常状態で警報停止スイッチ１２０操作された場合（点検の指示操作が検知された場合）に、バッテリー障害検知及びセンサ障害検知を含む所定の点検動作を実施して結果を報知させるようにしても良い。
【０１２９】
また、障害警報中に警報停止スイッチ１２０が操作された場合には、バッテリー障害検知及びセンサ障害検知を含む所定の点検動作を実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行わせるようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。そして、このとき障害状態が解消（障害復旧）している場合には、例えば「障害は解消しました」等のメッセージを出力して、障害停止（復旧）処理に移行させても良い。
【０１３０】
電池電源１４０は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、必要に応じて各部に電源を供給しており、電池容量としては住警器１００−１における無線通信部１３０を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば１０年の電池寿命を保証している。
【０１３１】
プロセッサ１２８にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検知部１５８、送信処理部１６０、受信処理部１６２、監視処理部１６４及び点検処理部１７０の機能が設けられ、監視処理部１６４には警報音制御部１６６と警報表示制御部１６８の機能が設けられている。
【０１３２】
イベント検知部１５８は、センサ部１３４の検出信号出力に基づく火災の有無、操作部１３８による警報停止指示入力の有無や点検指示入力の有無、センサ部１３４の検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧、センサ障害やローバッテリー障害、警報音障害等のイベントを検知する。またイベント検知部１５８は受信回路１４４及び受信処理部１６２を介して他の住警器１００−２〜１００−６からのイベント信号の解読結果として得られたイベント信号有効受信の有無およびそのイベント内容を検知する。
【０１３３】
送信処理部１６０は、イベント検知部１５８によるセンサ部１３４の検出信号出力からの火災検知、操作部１３８による警報停止、センサ部１３４の検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧等の自己のイベントを検出した場合に、検出したイベント内容を示すイベント信号を、無線通信部１３０の送信回路１４２を介してアンテナ１３１から連動先の住警器に送信させる。
【０１３４】
受信処理部１６２は、他の住警器１００−２〜１００−６からのイベント信号を、アンテナ１３１から無線通信部１３０の受信回路１４４を介して受信し解読する。
【０１３５】
また受信処理部１６２は他の住警器１０−２〜１０−６から連動信号を正常に受信したことを示す確認応答信号（以下「ＡＣＫ信号」と云う）が有効受信されるか否か監視している。
【０１３６】
他の住警器１０−２〜１０−６のうち、ＡＣＫ信号が受信されない（未応答）住警器を検知した場合、ＡＣＫ信号が受信された応答済み住警器に対し送信処理部１６０により中継要求連動信号を送信し、中継要求連動信号を受信したＡＫＣ信号未応答の住警器（中継指示先住警器）へ中継要求連動信号を中継送信させる。中継要求連動信号を中継受信したＡＫＣ信号未応答の他の住警器は中継要求に対しＡＣＫ信号を送信し、更にこのＡＣＫ信号は中継指示先住警器の中継送信を経て連動元の住警器１０−１で受信される。
【０１３７】
監視処理部１６４は、イベント検知部１５８で自己の異状として火災を検知した場合にその旨を示す信号を受け、スピーカ１５６からスイープ音とメッセージからなる所定パターンの連動元を示す警報音を出力させると共に、ＬＥＤ２２を連動元を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンで光るように駆動して連動元を示す警報表示を行わせ、更に、火災を示すイベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信させる。
【０１３８】
具体的に説明すると、監視処理部１６４は、センサ部１３４に設けた検煙部１１６の煙検出信号に基づきイベント検知部１５８で火災を検知した場合に、イベント検知部１５８からその旨を示す信号を受け取り、これに基づき警報音制御部１６６により報知部１３６に対しスピーカ１５６から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行わせると共に、警報表示制御部１６８により図３（Ｂ）又は（Ｃ）に示した警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンに従って光るようにＬＥＤ１２２を駆動させて連動元を示す警報表示制御を行わせ、更に、送信処理部１６４および送信回路１４２を介して火災を示すイベント信号をアンテナ１３１から他の住警器１００−２〜１００−６に向けて送信させる。
【０１３９】
また監視処理部１６４は、無線通信部１３０の受信回路１４４により他の住警器１００−２〜１００−６の何れかから火災イベント信号を有効受信したことをイベント検知部１５８で検知した場合に、その旨を示す信号を受け取り、警報音制御部１６６により報知部１３６のスピーカ１５６からスイープ音とメッセージからなる所定パターンの連動先を示す警報音（報知音）例えば「ピーピーピー 別の火災警報器が作動しました」を繰り返し出力させると共に、警報表示制御部１６８によりＬＥＤ２２を連動先を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンに従って光るようにＬＥＤ１２２を駆動させて連動先を示す警報表示を行わせる。
【０１４０】
また監視処理部１６４は、イベント検知部１５８で連動元を示す火災警報音または連動先を示す火災警報音の出力中に警報停止スイッチ１２０の操作を検知した場合、又は他の住警器１００−２〜１００−６の何れかからの警報停止を示すイベント信号又は装置イベント信号受信を検知した場合、イベント検知部１５８からその旨を示す信号を受け取り、スピーカ１５６からの音声メッセージとＬＥＤ１２２の警報表示による火災警報の出力を停止させる。このときはＬＥＤ２２による警報表示については、所定時間継続した後に停止させても良い。なお、連動元を示す火災警報中には、警報停止を示すイベント信号や装置イベント信号受信があっても、少なくとも警報音の出力は継続させるようにしても良い。
【０１４１】
イベント検出部１５８は、ビルドインテストとしてバックグラウントでローバッテリー障害監視処理を所定周期毎に自動実行しており、所定の測定時間間隔、例えばＴ１１＝４時間間隔で図示しない電圧検出回路を介して直接的又は間接的に、電池電源１４０から供給される電源電圧をＡ／Ｄ変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にローバッテリー障害の検知を仮判定し、更にローバッテリー障害の仮判定が連続して所定回数続いたときにローバッテリー障害を検知（確定）し、ローバッテリー障害フラグ１８０をセットしてメモリ１３２に記憶させる。
【０１４２】
またイベント検出部１５８は、ビルドインテストとしてバックグラウントでセンサ障害監視処理を所定周期毎に自動実行しており、所定の測定時間間隔、例えばＴ１２＝１秒間隔でセンサ部１３４の検煙部１１６から出力される煙検出信号をＡ／Ｄ変換により読み込んでメモリ１３２のバッファ領域に保持させ、例えば所定の時間間隔Ｔ１３＝１００分毎に、メモリ１３２のバッファ領域に保持されている１００分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル（零点レベルという）を下回った時に出力停止状態である等としてセンサ部１３４の障害と検知し、センサ障害フラグ１８２をセットしてメモリ１３２に記憶させる。
【０１４３】
このように煙濃度検出信号の１００分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部１１６に設けている受光素子故障や受光素子からの出力信号線断線、受光アンプの停止などの障害が発生したことによるものである可能性が高いためセンサ障害とする。
【０１４４】
なお、センサ部１１６にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合にも、各種の処理により、同様にセンサ障害を検出することができる。その他、他の回路故障、通信異状等を同様に障害監視することができる。このような障害についても、検出後はセンサ障害と同様の処理を行ことから、本実施形態にあってはセンサ障害と総称している。
【０１４５】
イベント検知部１５８は、ビルドインテストとしてバックグラウントで警報音障害検知処理を所定周期毎に自動実行しており、所定の測定時間間隔、例えばローバッテリー障害検知と同じＴ１１＝４時間間隔でスピーカ１５６を含む図示しない音声出力系統を試験して障害の有無を検知する。音声出力系統の試験としては、例えばスピーカ１５６に対し音が出ないＤＣ試験信号を出力し、スピーカ駆動電流の検出電圧をＡ／Ｄ変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にスピーカ出力線断線による警報音障害を予備検知（仮判定）し、更に警報音障害の予備検知（仮判定）が連続して所定回数続いたときに警報音障害を検知（確定）し、警報音障害フラグ１８４をセットしてメモリ１３２に記憶させる。
【０１４６】
イベント検知部１５８によりスピーカ１５６から音のでない警報音障害が検知されてメモリ１３２に警報音障害フラグ１８４が記憶された場合、監視処理部１６４に設けた表示制御部１６８は、イベント検知部１５８で火災を検知又は他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信を検知してその旨を示す信号を受けた場合、ＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加させて連動元または連動先を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンを駆動電流を増加して表示輝度を高め、これによってスピーカ１５６から火災警報音が出ない状況であってもＬＥＤ１２２からの光を強くすることで、より確実に利用者に火災警報を伝えるようにする。
【０１４７】
ここで、警報音障害を判別した場合にＬＥＤ１２２に流す駆動電流の増加分は、スピーカ１５６に流す警報音出力のための駆動電流を超えない範囲とし、スピーカ１５６が正常に機能している場合と同等またはそれ以下となるような電池電源１４０の消耗度合とする。
【０１４８】
なお、障害検知はビルドインテストとしてのバックグラウンドで行わずに、通常状態で警報停止スイッチ１２０の操作を検知した場合（点検指示操作を検知した場合）に、バッテリー障害検知、センサ障害検知及び警報音障害検知を含む所定の障害検知動作（点検動作）を実施して結果を報知させるようにしても良い。
【０１４９】
また、障害警報中に警報停止スイッチ１２０が操作された場合には、バッテリー障害検知、センサ障害検知及び警報音障害検知を含む障害検知動作（点検動作）を再度実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行わせるようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。
【０１５０】
監視処理部１６４は、イベント検知部１５８でローバッテリー障害監視部１７２によるローバッテリー障害を検知した場合、その旨を示す信号を受け、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０をセットして記憶させ、警報音制御部１６６により報知部１３６のスピーカ１５６から連動元（障害元）を示すローバッテリー障害の警報音としてたとえば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共に、警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させる。その後は、メモリ１３２の定期通報タイマ１８６を起動し、メモリ１３２に記憶しているローバッテリー障害フラグに基づき所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とＬＥＤ１２２の点滅などによる表示を複数回行う処理を繰り返させる。
【０１５１】
これと共に監視処理部１６４は、ローバッテリー障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信することで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【０１５２】
また監視処理部１６４は、イベント検知部１５８でセンサ障害監視部１７４によるセンサ障害の判定を検出して、その旨を示す信号を受けた場合、メモリ１３２にセンサ障害フラグ１８２をセットして記憶させ、警報音制御部１６６により報知部１３６のスピーカ１５６から連動元（障害元）を示すセンサ障害の警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させ、同時に警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させる。その後はメモリ１３２の定期通報タイマ１８６を起動させ、メモリ１３２に記憶されたセンサ障害フラグ１８２に基づき所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とＬＥＤ２２による表示を複数回行う処理を繰り返させる。これと共に監視処理部１６４は、センサ障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信させることで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【０１５３】
点検処理部１７０は、イベント検知部１５８により通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知し、更に、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０が記憶されていることを検知した場合には、警報音制御部１６６により例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させ、同時に警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させ、同時に、ローバッテリー障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信させることで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【０１５４】
また点検処理部１７０は、イベント検知部１５８により警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知し、更にメモリ１３２にセンサ障害フラグ１８２が記憶されていることを検知した場合には、警報音制御部１６６によりにより例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させ、同時に警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させ、同時に警報処理部６４は、センサ障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信することで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に、連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【０１５５】
このように点検のために警報停止スイッチ１２０の操作を検知した場合には、住警器の前に必ず人がいることから、ローバッテリー障害やセンサ障害を確実に知らせることができる。
【０１５６】
また点検処理部１７０は、イベント検知部１５８により警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知し、更にメモリ１３２に警報音障害フラグ１８４が記憶されていることを検知した場合には、スピーカ１３６からは音がでないことから、警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させ、警報音障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信することで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に、連動元とは異なる点滅表示を行わせる。このためスピーカ１５６から音の出ない警報音障害については連動先の住警器１００−２〜１００−６の警報音からその内容を知ることができる。
【０１５７】
また点検処理部１７０は、イベント検知部１５８で通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知した場合、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０、センサ障害フラグ１８０及び警報音障害フラグ１８４が記憶されていない場合は正常と判断し、この場合には、報知部１３６に設けているスピーカ１５６から正常に警報音が出力されることを確認するスピーカ点検のため、火災警報音と同じ内容をもつスピーカ点検用警報音として「ウー ウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を障害警報音より低い音量で１回出力させる。
【０１５８】
これと共に点検処理部１７０は、警報表示制御部１６８によりスピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した図３（Ｂ）又は（Ｃ）に示す表示パターンで光るようにＬＥＤ１２２を駆動して点検表示を行わせ、結果として利用者は無意識にうちに音と光による火災警報の学習を受けることになる。
【０１５９】
なお、点検処理部１７０は、イベント検知部１５８により通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知した場合、イベント検知部１５８に指示してローバッテリー障害及びセンサ障害の検知処理（自動点検）を再度実行させ、障害を検知すれば障害警報を出力させ、正常を検知すればスピーカ点検用の警報音を出力させると共に警報音の出力音圧の変化状況などに対応した警報表示を行わせるようにしても良い。これにより、最新の点検結果を報知することができる。
【０１６０】
図９は本実施形態で連動警報に使用するイベント信号フォーマットを概略的に示した説明図である。図９において、イベント信号１４６は連番１４８、送信元符号１５０、グループ符号１５２及びイベント符号１５４で構成されている。
【０１６１】
連番１４８はイベント信号の順番を示す連続番号であり、端末（住警器）それぞれにイベント信号を送信する毎に１つずつ増加させる。また、連番１４８は住警器の各々で非同期に生成している。連番１４８は住警器１００間の、主に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
【０１６２】
送信元符号１５０は住警器識別情報として用いられる例えば２６ビットの符号であり、例えば住警器のシリアル番号等を利用している。グループ符号１５２は例えば８ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図６の住警器１００−１〜１００−６につき例えば同じグループ符号が設定されている。
【０１６３】
なおグループ符号１５２としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、例えば予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。すなわち、イベント信号を受信した各端末（住警器）がそれをもとに自己と同一グループの端末からの信号であるか否かを判定できるものであれば、どのような符号であっても良い。
【０１６４】
イベント符号１５４は、火災、ガス漏れ（例えばガス漏れ警報器やガス漏れ検出機能を併せ持つ住警器等の場合）などのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては４ビット符号を使用しており、例えば
０００１＝火災
００１０＝ガス漏れ
００１１＝警報停止（火災警報停止、ガス漏れ警報停止、障害警報停止）
０１００＝復旧（火災復旧、ガス漏れ復旧、障害復旧）
０１０１＝センサ障害
０１１０＝ローバッテリー障害
０１１１＝警報音障害
としている。ここで、００００はイベント検出を伴わない、例えば定期通報に使用する。
【０１６５】
なおイベント符号４２のビット数は５ビット、６ビットと増加させることで、更に多くのイベント内容を表すことができる。例えば、復旧のイベント符号は火災復旧，ガス漏れ復旧、障害復旧に分けても良い。
【０１６６】
また、火災以外の異状を検知する警報器では、上記の０００１を検出対象となる異状イベントに置き換えても良いし、検出対象となる異状イベントの種類を、例えば上記に追加しても良い。このようにして、例えば同じグループ内に、検出対象とする異状種別の異なる警報器を混在させることもできる。
【０１６７】
図１０乃至図１３は図８の住警器１００−１における監視処理の例を示したフローチャートである。図１０において、住警器１００−１の電池電源１４０による電源供給が開始されると、ステップＳ３１で初期化、自己診断、禁止モードの設定の有無を含む各種設定の読み込みを実行し、異状がなければステップＳ３２に進み、火災の有無を検知している。
【０１６８】
センサ部１３４から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えるとステップＳ３２で火災有りが検知されてしてステップＳ３３に進み、連番、火災を検知している住警器を特定する送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に無線送信する。
【０１６９】
続いてステップＳ３４に進み、このときメモリ１３２を参照して警報音障害フラグ１８４の記憶により警報音障害が検知されているか否か判定し、警報音障害の記憶が検知された場合は、ステップＳ３５に進んでＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加させる設定を行う。勿論、警報音障害の記憶が検知されない場合はステップＳ３５の処理はスキップする。
【０１７０】
続いてステップＳ３６で報知部１３６のスピーカ１５６からスイープ音とメッセージからなる所定パターンの連動元を示す警報音を出力させると共に、連動元を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンで光るようにＬＥＤ１２２を表示駆動させて連動元を示す火災警報を出力させる。
【０１７１】
続いて、ステップＳ３７でセンサ部１３４からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無を検知しており、火災復旧を検知するとステップＳ３８で連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信した後、ステップＳ３９でスピーカ１５６からの警報音とＬＥＤ１２２の警報音対応パターン表示による警報表示とによる連動元を示す火災警報を停止させる。なお、ＬＥＤ１２２による警報表示は所定時間経過後に消灯させても良い。
【０１７２】
続いてステップ４０で警報中における警報停止スイッチ１２０の警報停止指示操作の有無を検知しており、スイッチ操作有りが検知されるとステップＳ４１に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信させ、ステップＳ４２に進んでスピーカ１５６からの連動元を示す警報音出力を停止させ、ＬＥＤ２２の警報音対応パターン表示による警報表示を停止させる。なお、ＬＥＤ２２は所定時間経過後に停止させても良い。
【０１７３】
続いて図１１のステップＳ４３に進み、他の住警器から送信または中継送信された火災を示すイベント信号の有効受信の有無を検知している。他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信有りを検知すると、ステップＳ４４に進んでメモリ１３２を参照し、警報音障害フラグ１８４の記憶により警報音障害が検知されているか否か判定し、警報音障害が検知された場合は、ステップＳ４５に進んでＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加させる設定を行う。勿論、警報音障害が検知されない場合はステップＳ４５の処理はスキップする。
【０１７４】
続いてステップＳ４６に進んでスイープ音とメッセージからなる所定パターンの連動先を示す警報音をスピーカ１５６から出力させると共に、連動先を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによるＬＥＤ１２２の駆動により警報表示を行わせる。
【０１７５】
次にステップＳ４７で他の住警器から送信または中継送信された火災復旧を示すイベント信号の有効受信の有無を検知しており、火災復旧を示すイベント信号の有効受信有りを検知すると、ステップＳ４８に進んで連動先の警報として行っているスピーカ１５６からの警報音出力とＬＥＤ１２２の警報音対応パターンによる警報表示を停止させる。
【０１７６】
次にステップＳ４９で他の住警器から送信または中継送信された警報停止を示すイベント信号の有効受信の有無を検知しており、警報停止を示すイベント信号の有効受信有りを検知すると、ステップＳ５０に進んで警報中の有無を検知し、警報中を検知するとステップＳ５１に進んで連動先としての警報音出力を停止させ、警報表示も停止させる。
【０１７７】
続いて図１２のステップＳ５２に進み、ローバッテリー障害の有無を検知し、ローバッテリー障害有りを検知するとステップＳ５３に進んでメモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０をグセットして記憶させると共に定期通報タイマ１８６を起動させる。
【０１７８】
続いてステップＳ５４で障害元を示すローバッテリー障害の警報音出力と警報表示を行った後、ステップＳ５５に進んで連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信して連動先としての障害警報を行わせる。
【０１７９】
続いてステップＳ５６に進み、センサ障害の有無を検知し、センサ障害有りを検知するとステップＳ５７に進んでメモリ１３２にセンサ障害フラグ１８２をセットして記憶させると共に定期通報タイマ１８６を起動させる。
【０１８０】
続いてステップＳ５８で障害元を示すセンサ障害の警報音出力と警報表示を行った後、ステップＳ５９に進んで連番、送信元符号、グループ符号、センサ障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信させる。
【０１８１】
続いてステップＳ６０に進み、警報音障害の有無を検知し、警報音障害有りを検知するとステップＳ６１に進んでメモリ１３２に警報音障害フラグ１８４をセットして記憶させると共に定期通報タイマ１８６を起動させる。
【０１８２】
続いてステップＳ６２で障害元を示す警報音障害警報を行うが、このときスピーカ１５６から音はでないため、ＬＥＤ１２２の例えば点灯のみにより障害表示を行わせる。ここで警報音障害検出の場合、ＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加していることから、ＬＥＤ１２２からは強い光が出される。
【０１８３】
続いてステップＳ６３に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報音障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信させ、他の住警器で連動先を示す障害警報音の出力と点滅による警報表示が行わせる。
【０１８４】
続いて図１３のステップＳ６４に進み、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０、センサ障害フラグ１８２又は警報音障害フラグ１８４がメモリ１３２に記憶されているか否か検知し、いずれかの障害フラグの記憶を検知するとステップＳ６５に進み、ステップＳ５３、Ｓ５７又はＳ６１で起動した定期鳴動タイマ１８６による所定時間経過した定期鳴動タイミングか否か検知し、定期鳴動タイミングを検知するとステップＳ６６に進み、そのときローバッテリー障害フラグ１８０が記憶されていればローバッテリー障害警報を出力させ、センサ障害フラグ１８２が記憶されていればセンサ障害警報を出力させ、警報音障害フラグ１８４が記憶されていれば警報音障害警報を出力させる。このときＬＥＤ１２２が強い光で点灯してスピーカ１５６から音が出ない場合には、警報音障害であることが分かる。
【０１８５】
続いてステップＳ６７に進み、連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害、センサ障害又は警報音障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信して連動先としての障害警報を行わせる。
【０１８６】
続いてステップＳ６８に進み通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ１２０による点検操作の有無を検知し、点検操作有りを検知するとステップＳ６９に進み、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０、センサ障害フラグ１８２又は警報音障害フラグ１８４が記憶されていない場合、障害検出無し（正常）を検知してステップＳ７０に進み、スピーカ１５６から連動元を示す火災警報音をスピーカ点検用警報音として障害警報音より低音量で１回出力させると共に、ＬＥＤ１２２をスピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンに従って光るように駆動させて点検表示を行う。
【０１８７】
一方、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０、センサ障害フラグ１８２又は警報音障害フラグ１８４が記憶されている場合には、障害有りを検知してステップＳ７１に進み、スピーカ１５０からローバッテリー障害またはセンサ障害を示すメッセージを含む障害警報音を出力させると共にＬＥＤ２２を例えば点滅させる。なお、メモリ１３２に警報音障害フラグ１８４が記憶されている場合はスピーカ１５６から障害警報音を出力させるこができないことから、この場合はＬＥＤ１２２の例えば点灯で障害を報知させる。
【０１８８】
続いてステップＳ７２に進み、連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害、センサ障害又は警報音障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信して連動先としての障害警報を行わせる。
【０１８９】
なお、上記の実施形態にあっては、火災などの異状を検知した場合に、メッセージを含む異状警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤを駆動して警報表示を行っているが、火災以外であっても、メッセージを含む報知音を出力する場合、例えば障害報知音などについても、報知音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤを駆動して表示するようにしても良い。
【０１９０】
また、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、ＣＯ警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。
【０１９１】
また、連動型の警報器同士は必ずしも連動するものでなくても良く、一部の警報器は連動し、他の警報器は連動しないものとしても良い。
【０１９２】
また、警報器の各連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
【０１９３】
また、上記の実施形態で警報停止スイッチとして示した操作手段は、必ずしもスイッチである必要は無く、リモコン装置等を使用して外部からの通信によって警報履歴出力を指示するもの等、どのような手段や方法を適用しても良い。
【０１９４】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等ができる。
【０１９５】
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることができる。プロセッサを含め他の電気的、機能的構成は適宜に統廃合することもできる。
【０１９６】
また上記の実施形態で述べた「受信がある」、「受信が無い」、「受信した場合」、「受信を判別」等は、受信した信号が有効なものとして認識されたか否かの判定も含んでいる。
【０１９７】
また、警報器の規格等によっては、上記実施形態のＬＥＤによる表示が「警報」と認められない場合があるが、本発明では規格上「警報」に含まれるか否かに関わらず、警報表示、警報に伴う表示、または単に表示として記載している。本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部は警報器と別体に設けられていても良い。
【０１９８】
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。この場合にはローバッテリー障害に代えて電源障害を検知することになる。
【０１９９】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
【０２００】
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
【０２０１】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【０２０２】
１０，１００，１００−１〜１００−６：住警器
１２：カバー
１４：本体
１６：検煙部
１７：取付フック
１８：音響孔
２０：警報停止スイッチ
２２：ＬＥＤ
２４，１２８：プロセッサ
２６，１３２：メモリ
２８，１３４：センサ部
３０，１３６：報知部
３２，１３８：操作部
３４：移報部
３５，１４０：電池電源
３６，１５６：スピーカ
３８，１５８：イベント検知部
４０，１６４：監視処理部
４２，１６６：警報音制御部
４４，１６８：警報表示制御部
４６，１７０：点検処理部
５６，１８０：ローバッテリー障害フラグ
５８，１８２：センサ障害フラグ
６０，１８４：警報音障害フラグ
６２，１８６：定期通報タイマ
１３０：無線通信部
１４２：送信回路
１４４：受信回路
１４６：イベント信号
１４８：連番
１５０：送信元符号
１５２：グループ符号
１５４：イベント符号
１６０：送信処理部
１６２：受信処理部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、火災等の異状を検知して音声メッセージを含む警報音出力と警報表示を行う警報器に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異状を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
【０００３】
このような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部の検出信号から火災を検知すると警報部から音声メッセージを含む所定パターンの火災警報音を出力するようにしており、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【０００４】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報音を出力させる連動型の住警器システムも提案されている。
【０００５】
このような連動型の住警器システムでは、住警器で火災を検知した場合、火災を検知した連動元の住警器は、メッセージと警報音を含む所定パターンの火災警報音、例えば「ピーピーピー 火災です 火事です」を出力し、一方、連動先の警報器では例えば「ピーピーピー 別の警報器が作動しました」といった連動先を示す火災警報音を出力するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００７−０９４７１９号公報
【特許文献２】実用新案登録第３１５４５７９号公報
【特許文献３】特開２００９−２４４９３７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、このような従来の住警器にあっては、スピーカからの音声メッセージによる警報が重要であり、スピーカ系統が故障して音が出なくなると、住警器としての機能が失われるという問題がある。
【０００８】
本発明は、スピーカからの音が出なくなる障害が発生しても、警報表示から警報メッセージの内容を推測可能として警報機能を維持する警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
（第１発明：スタンドアローン型）
本発明は、警報器に於いて、
警戒エリアの環境変化を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
警報音により警報を出力する音響変換器と、
警報表示により警報を出力する表示器と、
センサ部の検出信号出力に基づく異状、その他の自己の異状又は自己の状態変化の有無を検知するイベント検知部と、
を備えた警報器に於いて、
イベント検知部で異状が検知された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの警報音を音響変換器から出力させる警報音制御部と、
音響変換器から出力される警報音に対応した表示パターンに従って表示器を駆動して警報表示する警報表示制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【００１０】
ここで、警報音制御部は、イベント検知部で異状が検知された場合、警報音として音響変換器からスイープ音と異状を示す音声メッセージとを出力させ、
警報表示部は、音響変換器から出力するスイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従って表示器を駆動させる。
【００１１】
表示パターンは、スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンである。
【００１２】
更に、点検処理部を設け、
イベント検知部は、所定周期毎に、自己の異状または自己の状態変化のうち所定のものを障害として検知し、当該障害情報を記憶部に記憶させ、
点検処理部は、イベント検知部で操作部の点検操作を検知された場合、記憶部に障害情報が記憶されている場合は音響変換器から障害警報音を出力させると共に表示器で障害表示を行わせ、記憶部に障害情報が記憶されていない場合は、音響変換器から点検用警報音として音声メッセージを含む所定パターンの警報音を、記憶部に障害情報を記憶している場合の障害警報音より低音量で出力させると共に表示器を音響変換器から出力される警報音に対応した表示パターンに従って表示させて点検結果を報知制御する。
【００１３】
イベント検知部は、更に、音響変換器から警報音の出力性能が低下又は喪失された場合に警報音障害を検出し、
警報表示制御部は、イベント検知部で警報音障害が検知された場合、表示器に流す駆動電流を増加させて表示輝度を増加させる。
【００１４】
駆動電流の増加分は、前記音響変換器の駆動電流を超えないようにする。
【００１５】
（第２発明：無線連動型）
本発明は、
警戒エリアの環境変化を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
警報音により警報を出力する音響変換器と、
警報表示により警報を出力する表示器と、
センサ部の検出信号出力に基づく異状、そのたの自己の異状又は自己の状態変化の有無を検知するイベント検知部と、
イベント検知部で検出されたイベントを示すイベント信号を送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号を受信する受信部と、
を備えた警報器に於いて、
イベント検知部で異状が検知された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの連動元を示す警報音を音響変換器から出力させ、一方、イベント検知部で他の警報器から異状を示すイベント信号が有効受信された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの連動先を示す警報音を音響変換器から出力させる警報音制御部と、
連動先または連動先を示す警報音に対応した表示パターンに従って表示器を駆動して警報表示する警報表示制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【００１６】
ここで、警報音制御部は、イベント検知部で異状が検知された場合に、連動元または連動先を示す警報音として、音響変換器からスイープ音と異状を示す音声メッセージを出力させ、
警報表示部は、音響変換器から出力されるスイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従って表示器を駆動させる。
【００１７】
表示パターンは、スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンである。
【００１８】
更に、点検処理部を設け、
イベント検出部は、所定周期毎に、電池電源の電圧低下およびセンサ部の故障をはじめとする障害検知を実行して検知した障害情報を記憶部に記憶させ、
点検処理部は、イベント検知部で操作部の点検操作が検出された場合、記憶部に障害情報が記憶されている場合は音響変換器から障害警報音を出力させると共に表示器で障害表示を行わせ、記憶部に障害情報が記憶されていない場合は、音響変換器から点検用警報音として音声メッセージを含む所定パターンの前記警報音を、記憶部に障害情報を記憶されている場合の障害警報音より低音量で出力させると共に表示器を音響変換器から出力される警報音に対応した表示パターンに従って表示させる。
【００１９】
イベント検知部は、更に、音響変換器から警報音の出力性能が低下又は喪失された場合に警報音障害を検知し、
警報表示制御部は、イベント検知部で警報音障害が検知された場合、表示器に流す駆動電流を増加させて表示輝度を増加させる。駆動電流の増加分は、音響変換器の駆動電流を超えないようにする。
【発明の効果】
【００２０】
（第１発明の効果）
本願の第１発明及び第２発明の警報器によれば、異状として例えば火災を検知した場合、音響変換器として機能するスピーカから例えば「ピーピーピー 火事です 火事です」といったスイープ音と音声メッセージからなる所定パターンの警報音を出力するが、同時に、ＬＥＤなどの表示器により警報音である「ピーピーピー 火事です 火事です」の音圧に対応した点滅、明滅又は輝度変化などの表示パターンに従った警報表示が行われ、音と光が同調した警報報知が行われる。
【００２１】
このような音と光が同調した警報出力は、通常状態でのスイッチ操作で点検結果が正常な場合にもスピーカ試験のため火災時と同じ「ピーピーピー 火事です 火事です」を低音量で１回出力しており、点検操作を通じて利用者は、音と光が同調した警報出力を学習する機会をもつこととなる。
【００２２】
その結果、万一、スピーカから音のでなくなる故障が発生し、この状態で火災が検知された場合、スピーカから警報音は出ないが、ＬＥＤから警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」の音圧に対応した表示パターンに従った点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンによる警報表示が行われ、利用者は、ＬＥＤの表示パターンの光をみて「ピーピーピー 火事です 火事です」を推認することが可能となり、スピーカから音の出ない故障が起きても、音声メッセージに相当する警報機能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本願第１発明による住警器の外観を示した説明図
【図２】本願第１発明による住警器の実施形態を示したブロック図
【図３】図２の住警器で出力するスイープ音と音声メッセージで構成される警報音とこれに対応する警報表示の表示パターンを示した説明図
【図４】図２の住警器による監視処理を示したフローチャート
【図５】図４に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図６】図５に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図７】本願第２発明の連動型の住警器による監視システムを設置した住宅を示した説明図
【図８】本願第２発明による住警器の実施形態を示したブロック図
【図９】図８の実施形態で使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図
【図１０】図８の住警器による監視処理を示したフローチャート
【図１１】図１０に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図１２】図１１に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図１３】図１２に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【００２４】
図１は単独で設置して使用する所謂スタンドアロー型となる本願第１発明による住警器の外観を示した説明図であり、図１（Ａ）に正面図を、図１（Ｂ）に側面図を示している。なお、取付フック１５を設けているほうを上側とする。
【００２５】
図１において、本実施形態の住警器１０の筐体はカバー１２と本体１４で構成されている。カバー１２の中央に突出した部分の周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部１６が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検知するようにしている。検煙部１６としては例えば、公知の散乱光式検煙機構が適用できる。
【００２６】
カバー１２に設けた複数の開口部の内部には検煙部１６が設けられ、検煙部１６の左下側には音響穴１８が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部１６の下側には警報停止スイッチ２０が設けられている。
【００２７】
警報停止スイッチ２０は住警器１０の点検結果の報知を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報時に警報停止スイッチ２０が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ２０が操作されるとメモリに記憶されている自動点検の結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報中または障害警報中でない状態を指す。
【００２８】
警報停止スイッチ２０は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたプッシュスイッチ（図示せず）とで構成されている。即ち、スイッチカバーを押圧操作すると、プッシュスイッチが押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように警報等表示を行うＬＥＤ２２が配置されており、ＬＥＤ２２が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ２０のスイッチカバーの部分を透過してＬＥＤ１２２の作動状態が外部から視認できるようにしている。
【００２９】
また本体１４の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック１５が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック１５の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器１０を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【００３０】
住警器１０は、住宅の設置場所に対応する監視領域について監視を行い、火災が発生した場合、火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【００３１】
住警器１０の警報動作としては、例えば「ピーピーピー 火事です 火事です」といったスイープ音と音声メッセージからなる所定パターンの火災警報音を出力する。ここで前半の「ピーピーピー」はスピーカを駆動する音声信号の信号振幅が一定で周波数が例えば２〜３ＫＨｚで変化するスイープ警報音である。また住警器１０の火災警報に伴う警報表示として本実施形態にあっては、スピーカ３６から出力される火災警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤ２２を駆動して火災警報を表示し、ＬＥＤ２２の光り方を火災警報音に同調させている。
【００３２】
住警器１０が警報音を出している状態で、警報停止スイッチ２０を操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
【００３３】
また住警器１０は電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を判別する障害検知処理（自動点検）をビルトインテストとして所定周期毎にバックグラウンドで自動実行しており、ローバッテリー障害を検知した場合、ローバッテリー障害警報を出力する。
【００３４】
ローバッテリー障害警報は、住警器１０のスピーカから例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にＬＥＤを例えば点灯し、その後は、定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とＬＥＤによる表示を複数回行う処理を繰り返す。
【００３５】
また住警器１０は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ２０を操作した場合、ビルトインテストとしてバックグランドで自動実行された障害検知処理によりローバッテリー障害を判別してメモリに記憶している場合には、ローバッテリー障害警報として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にＬＥＤ２２を例えば点灯させる。一方、ローバッテリー障害が検知されていない正常時には、スピーカ動作を点検するために火災警報音と同じ内容「ピーピーピー 火事です 火事です」をスピーカ点検用警報音としてローバッテリー障害警報音より低音量で１回出力する。この場合にも、スピーカ３６から出力されるスピーカ点検用警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤ２２を点検駆動し、ＬＥＤ２２の光り方を火災警報音に同調させている。
【００３６】
このような点検操作時におけるスピーカ点検用警報音にＬＥＤ２２の光り方を同調させることで、点検操作を通じて利用者は、音と光が同調した警報出力を学習する機会をもつこととなる。そのため万一、スピーカ３６から音の出ない障害が発生した状態で火災が検知された場合、ＬＥＤ２２の光り方から火災警報音による「ピーピーピー 火事です 火事です」といった警報内容を推認することが期待できる。
【００３７】
また住警器１０はセンサ障害を検知する障害検知処理（自動点検）をビルトインテストとして所定周期毎にバックグラウンドで自動実行しており、センサ障害を検知した場合、センサ障害警報を出力する。住警器１０で検知するセンサ障害には、センサや検出回路、音声報知回路故障の有無、汚損等による感度異常などが含まれている。
【００３８】
また住警器１０は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ２０を操作した場合、ビルトインテストとしてバックグランドで自動実行された障害検知処理によりセンサ障害を検知してメモリに記憶している場合には、スピーカから障害警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に、ＬＥＤ２２を例えば点灯し、その後は定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とＬＥＤ２２の点灯による表示を複数回繰り返す。
【００３９】
一方、センサ障害が検知されていない正常時には、スピーカ動作を点検するために火災警報音と同じ内容の「ウーウー 火事です 火事です」をスピーカ点検用警報音としてセンサ障害警報音より低音量で１回出力する。
【００４０】
なお図１の住警器１０にあっては、検煙部１６を備え、火災に伴い発生する煙に基づいて火災を検知する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタ等の温度検出素子を備えた住警器や火災に伴うその他の物理現象を検出する住警器、火災以外にガス漏れを検出する警報器、侵入者や地震その他の異状を検出する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。
【００４１】
図２は図１に示した住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア（プログラム）によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【００４２】
図２において、住警器１０はワンチップＣＰＵとして知られたプロセッサ２４が設けられ、プロセッサ２４に対してはメモリ２６、センサ部２８、報知部３０、操作部３２、移報部３４及び電池電源３５が設けられている。
【００４３】
センサ部２８には、煙を検出して煙濃度に応じた検出信号を出力する検煙部１６が設けられ、前述のように、センサ部２８には検煙部１６に代えて、火災による温度を検出して検出信号を出力する素子やセンサ、火災に伴うその他の物理現象変化を検出して検出信号を出力する各種素子やセンサを設けても良い。
【００４４】
またメモリ２６にはビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行される定期的な障害監視処理（自動点検）による障害検知結果として、ローバッテリー障害フラグ５２またはセンサ障害フラグ５４が各障害を検知した場合に記憶される。またローバッテリー障害やセンサ障害を検知した後の定期的な障害警報の出力に使用される定期通報タイマ５６が設けられる。なお、定期通報タイマ５８はメモリ３２に配置せず、プロセッサ２４で実行されるプログラム上に記述して実行しても良い。
【００４５】
更に本実施形態にあっては、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行される定期的な障害監視処理（自動点検）による障害検知結果として警報音障害フラグ６０がメモリ２６に記憶され、警報音障害フラグ６０は報知部３０に設けたスピーカ３６から音が出なくなるスピーカ系統の障害を示す。
【００４６】
報知部３０には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ３６と警報表示等を行うＬＥＤ２２が設けられている。スピーカ３６は、図示しない音声合成回路部から、自己がメモリ２６に記憶保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。ＬＥＤ２２はスピーカ３６から火災警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンにより駆動されて火災などの異状警報を表示する。火災などの異状以外の表示については、ＬＥＤ２２を点灯、点滅又は明滅させる。またＬＥＤ２２に代え、２色ＬＥＤや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、ＬＥＤと液晶表示器を併設するなどしても良い。
【００４７】
操作部３２には警報停止スイッチ２０が設けられている。警報停止スイッチ２０は、報知部３０からスピーカ３６により火災や障害の警報音を出力している場合又はＬＥＤ２２により警報表示を行っている場合にのみ警報停止スイッチとして機能する。
【００４８】
一方、火災警報または障害警報を行っていない通常状態においては、警報停止スイッチ２０は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ２０を操作すると点検操作（点検指示入力）が検出され、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行されてメモリ２６に記憶されている点検結果の報知が行われる。点検結果の報知は障害報知と正常報知があり、正常報知の際にはスピーカ点検用警報音とその出力音圧の変化状況に対応した表示パターンの点検表示が行われる。
【００４９】
移報部３４は火災を検知して警報した場合に他の機器に移報信号を出力する。移報信号としては例えばリレー接点のオンによる無電圧信号が出力される。
【００５０】
電池電源３５は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、必要に応じて各部に電源を供給しており、電池容量としては住警器１０における回路部全体の低消費電力化により、例えば１０年の電池寿命を保証している。
【００５１】
プロセッサ２４にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検知部３８、監視処理部４０、及び点検処理部４６の機能が設けられ、監視処理部４０には警報音制御部４２及び警報表示制御部４４の機能が設けられている。
【００５２】
イベント検知部３８は、センサ部２８の検出信号出力から検知した火災の有無、操作部３２による警報停止指示入力の有無や点検指示入力の有無、センサ部２８の検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧、センサ障害やローバッテリー障害、スピーカ３６の警報音障害等のイベントを検出する。
【００５３】
監視処理部４０は、イベント検知部３８で自己の異状として火災を検知された場合、警報音制御部４２がスピーカ３６から火災を示す警報音を出力させ、警報表示制御部４４がＬＥＤ２２を駆動して火災警報表示を行わせる。
【００５４】
具体的に説明すると、監視処理部４０は、センサ部２８に設けた検煙部１６の煙検出信号に基づきイベント検知部３８で火災が検知された場合に、イベント検知部３８からその旨を示す信号を受け取り、これに基づき警報音制御部４２により報知部３０に対しスピーカ３６から火災を示す警報音例えば「ピーピーピー 火事です 火事です」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、警報表示制御部４４により火災警報音の出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従ってＬＥＤ２２を駆動して火災を示す警報表示を行わせる制御を行う。
【００５５】
図３は図２の警報音制御部４２による火災警報音と警報表示制御部４４によるＬＥＤ２２の表示パターンを示した説明図である。
【００５６】
図３（Ａ）は火災警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」であり、実際には音声合成回路から出力された音声信号であり、音声メッセージに対応したアナログ振幅波形をもっている。
【００５７】
図３（Ｂ）は図３（Ａ）の火災警報音に基づいて生成したＬＥＤ２２の表示パターンであり、火災警報音の出力音圧の変化状況（信号レベル）などに対応してＬＥＤ２２に駆動電流を流して点滅、明滅又は輝度変化となる表示パターンで光せるようにしている。
【００５８】
例えば前半の「ピーピーピー」の部分は振幅が一定で低い周波数から高い周波数に変化するスイープ音であり、この周波数の変化を直線的な輝度の上昇を行うことで表現している。続いて「火事です」を繰り返すが、「火事」の部分で輝度を高くし、「です」の部分で輝度を下げて表現している。
【００５９】
図３（Ｃ）はＬＥＤ表示パターンの他の例であり、図３（Ｂ）のＬＥＤ表示パターンは消灯部分をもつが、図３（Ｃ）のＬＥＤ表示パターンでは消灯部分をもつことない火災警報音に対応した表示パターンとしている。
【００６０】
なお、火災警報音に対応したＬＥＤ表示パターンとしては、図３（Ｂ）（Ｃ）に限定されず、火災警報音のメッセージ内容を把握可能な適宜の光り方となるパターンで良い。またＬＥＤ表示パターンはスピーカ３６に出力する音声信号の波形処理により生成してＬＥＤ２２を駆動しても良いし、記憶部２６に例えば図３（Ｂ）（Ｃ）のような表示パターンデータを予め記憶しておき、火災警報時に読み出してＬＥＤ２２を駆動するようにしても良い。
【００６１】
また監視処理部４０は火災警報音の出力中に警報停止スイッチ２０の操作を検知した場合、スピーカ３６からの音声メッセージとＬＥＤ２２の警報表示による火災警報の出力を停止させる。このときはＬＥＤ２２による警報表示については、所定時間継続した後に停止させても良い。
【００６２】
またイベント検知部３８は、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行されるローバッテリー障害検知処理として、所定の測定時間間隔、例えばＴ１＝４時間間隔で図示しない電圧検出回路を介して直接的又は間接的に、電池電源３５から供給される電源電圧をＡ／Ｄ変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にローバッテリー障害の検知を予備判定（仮判定）し、更にローバッテリー障害検知の予備判定（仮判定）が連続して所定回数続いたときにローバッテリー障害を検知（確定）し、ローバッテリー障害フラグ５６をセットしてメモリ２６に記憶させる。
【００６３】
またイベント検知部３８は、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行されるセンサ障害検知処理として、所定の測定時間間隔、例えばＴ２＝１秒間隔でセンサ部２８の検煙部１６から出力される煙濃度検出信号をＡ／Ｄ変換により読み込んでメモリ２６のバッファ領域に保持させ、例えば所定の時間間隔Ｔ３＝１０分毎に、メモリ２６のバッファ領域に保持されている１０分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル（零点レベルという）を下回った時に出力停止状態である等としてセンサ部２８の障害を検知し、センサ障害フラグ５８をセットしてメモリ２６に記憶させる。
【００６４】
このように煙濃度検出信号の１０分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部１６に設けている受光素子故障や受光素子からの出力信号線断線、受光アンプの停止などの障害が発生したことによるものである可能性が高いためセンサ障害とする。なお、センサ部１６にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合にも、各種の処理により、同様にセンサ障害を検出することができる。このような障害についても、検出後はセンサ障害と同様の処理を行ことから、本実施形態にあってはセンサ障害と総称している。
【００６５】
またイベント検知部３８は、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行される警報音障害検知処理として、所定の測定時間間隔、例えばローバッテリー障害検知と同じＴ１＝４時間間隔で図示しないスピーカ３６を含む音声出力系統を試験して障害の有無を検知する。音声出力系統の試験としては、例えばスピーカ３６に対し音が出ないＤＣ試験信号を出力し、スピーカ駆動電流の検出電圧をＡ／Ｄ変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にスピーカ出力線断線による警報音障害検知を予備判定（仮判定）し、更に警報音障害検知の予備判定（仮判定）が連続して所定回数続いたときに警報音障害と検知（確定）し、ローバッテリー障害フラグ５６をセットしてメモリ２６に記憶させる。
【００６６】
イベント検知部３８によりスピーカ３６から音のでない警報音障害が判定されてメモリ２６に警報音障害フラグ６０が記憶された場合、監視処理部４０に設けた表示制御部４４は、イベント検知部３８で火災が検知されてその旨を示す信号を受けた場合、ＬＥＤ２２に流す駆動電流を増加させて図３（Ｂ）又は（Ｃ）に示した火災警報音に対応した表示パターンの駆動電流を増加させて輝度を高める。これによってスピーカ３６から火災警報音が出ない状況であってもＬＥＤ２２からの光を強くすることで、より確実に利用者に火災警報を伝えるようにする。
【００６７】
ここで、警報音障害を検知した場合にＬＥＤ２２に流す駆動電流の増加分は、スピーカ３６に流す警報音出力のための駆動電流を超えない範囲とし、スピーカ３６が正常に機能している場合と同等またはそれ以下となるような電池電源３５の消耗度合とする。
【００６８】
なお、本実施形態におけるイベント検知部３８による障害検知はビルドインテストしてバックグラウンドで自動実行されているが、これを行わずに、通常状態で警報停止スイッチ２０の操作が検知された場合（点検指示操作が検知された場合）に、バッテリー障害検知、センサ障害検知及び警報音障害検知を含む所定の障害検知動作（点検動作）を実施して結果を報知するようにしても良い。
【００６９】
また、障害警報中に警報停止スイッチ２０が操作が検知された場合には、バッテリー障害検知、センサ障害検知及び警報音障害検知を含む障害検知動作（点検動作）を再度実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行うようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。
【００７０】
監視処理部４０は、イベント検知部３８でローバッテリー障害検知部４４によるローバッテリー障害が検知された場合、イベント検知部３８からその旨を示す信号を受け取り、これに基づき警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６からローバッテリー障害の警報音として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共に警報表示制御部４４によりＬＥＤ２２を例えば点灯させる。その後は、メモリ２６の定期通報タイマ５６を起動させ、メモリ２６に記憶されているローバッテリー障害フラグ５２に基づき所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とＬＥＤ２２による表示を複数回行う処理を繰り返させる。
【００７１】
また監視処理部４０は、イベント検知部３８によりセンサ障害が検知されてその旨を示す信号を受け取った場合、警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６からセンサ障害の警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に、警報表示制御部４４によりＬＥＤ２２を例えば点灯させる。その後はメモリ２６の定期通報タイマ５６を起動させ、メモリ２６に記憶されているセンサ障害フラグ５４に基づき所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とＬＥＤ２２による表示を複数回行う処理を繰り返させる。
【００７２】
点検処理部４６は、通常状態で警報停止スイッチ２０の操作による点検操作（点検指示入力）がイベント検知部３８で検出されてその旨を示す信号を受け、更にメモリ２６にローバッテリー障害フラグ５２が記憶されていることを検知した場合には、警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６から例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させ、同時に警報表示制御部４４によりＬＥＤ２２を例えば点灯させる。
【００７３】
また点検処理部４６は、イベント検知部３８で警報停止スイッチ２０の操作による点検操作（点検指示入力）が検知されてその棟を示す信号を受け、更にメモリ２６にセンサ障害フラグ５４が記憶されていることを検知した場合には、警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６から例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に警報表示制御部４４によりＬＥＤ２２を例えば点灯させる。
【００７４】
このように点検のために警報停止スイッチ２０を操作を検知した場合には、住警器の前に必ず人がいることから、ローバッテリー障害やセンサ障害を確実に知らせることができる。
【００７５】
また点検処理部４６は、イベント検知部３８で警報停止スイッチ２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知してその旨を示す信号を受け、更にメモリ２６に警報音障害フラグ６０が記憶されていることを検知した場合には、スピーカ３６からは音がでないことから、警報表示制御部４４によりＬＥＤ１２２を例えば点滅させる。
【００７６】
また点検処理部４８は、イベント検知部３８で警報停止スイッチ２０の操作による点検操作（点検指示入力）を検知してその棟を示す信号を受け、更にメモリ２６にローバッテリー障害フラグ５２もセンサ障害フラグ５４が記憶されていないことを検知した場合は正常と判断し、この場合には、警報音制御部４２により報知部３０のスピーカ３６から正常に警報音が出力されることを確認するスピーカ点検のため、火災警報音と同じ内容をもつ「ピーピーピー 火事です 火事です」をスピーカ点検用警報音として障害警報音より低音量で１回出力させる。これと共に点検処理部４８は、警報表示制御部４４によりスピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した図３（Ｂ）又は（Ｃ）に示す表示パターンで光るようにＬＥＤ２２を駆動して点検表示を行わせ、結果として利用者は無意識にうちに音と光による火災警報の学習を受けることになる。
【００７７】
なお、点検処理部４６は、イベント検知部３８で警報停止スイッチ２０の操作による点検操作（点検指示入力）を検知してその旨を示す信号を受けた場合、イベント検知部３８に指示してローバッテリー障害およびセンサ障害の障害検知処理（点検）を再度実行させ、障害を検知したら障害警報を出力し、正常を検知すればスピーカ点検用警報音の出力と警報音対応パターン表示を行わせるようにしても良い。これにより最新の点検結果を報知することができる。
【００７８】
図４乃至図６は、図２の住警器１０における監視処理の例を示したフローチャートである。図４において、住警器１０の電池電源３５による電源供給が開始されると、ステップＳ１で初期化、自己診断、各種設定の読み込みを実行し、異常がなければステップＳ２に進み、火災を監視している。
【００７９】
センサ部２８から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると火災が検知され、ステップＳ２で火災検知の検出有りを判別してステップＳ３に進み、このときメモリ２６を参照して警報音障害フラグ６０の記憶により警報音障害が検知されているか否か判定し、警報音障害が検知されていた場合は、ステップＳ４に進んでＬＥＤ２２に流す駆動電流を増加させる設定を行う。勿論、警報音障害が検知されない場合はステップＳ４の処理はスキップする。
【００８０】
続いてステップＳ５に進み、報知部３０のスピーカ３６から音声メッセージやブザー音等による火災警報音と、火災警報音に対応した表示パターンで光るようにＬＥＤ２２を駆動する災警報表示により火災警報を出力させる。
【００８１】
続いて、ステップＳ６でセンサ部２８からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無を検知しており、火災復旧有りを検知するとステップＳ７でスピーカ３６からの警報音とＬＥＤ２２の警報表示とによる火災警報を停止させる。なお、ＬＥＤ２２による火災警報表示は所定時間経過後に停止しても良い。
【００８２】
続いてステップＳ８で警報中における警報停止スイッチ２０の警報停止指示操作の検出有無を検知し、スイッチ操作有りが検知されるとステップＳ９に進んでスピーカ３６からの火災警報音出力の停止させ、ＬＥＤ２２の点灯による火災警報表示を消灯させる。なお、ＬＥＤ２２は所定時間経過後に消灯させても良い。
【００８３】
続いて図５のステップＳ１０に進み、ローバッテリー障害の有無を検知し、ローバッテリー障害有りを検知するとステップＳ１１に進んでメモリ２６にローバッテリー障害フラグ５６をセットして記憶させると共に定期通報タイマ６２を起動させる。続いてステップＳ１２でローバッテリー障害の警報音出力と警報表示を行わせる。
【００８４】
続いてステップＳ１３に進み、センサ障害の有無を検知し、センサ障害有りを検知した場合は、ステップＳ１４に進んでメモリ２６にセンサ障害フラグ５８をセットして記憶させると共に定期通報タイマ６２を起動させた後、ステップＳ１５に進んでセンサ障害の警報音出力と警報表示を行わせる。
【００８５】
続いてステップＳ１６に進み、警報音障害の有無を検知し、警報音障害有りを検知すると、ステップＳ１７に進んでメモリ２６に警報音障害フラグ６０をセットして記憶させると共に定期通報タイマ６２を起動させた後、ステップＳ１８に進んで警報音障害の警報出力を行わせるが、この場合、スピーカ３６から音がでないことからＬＥＤ２２の点滅のみによると警報表示を行わせる。ここで警報音障害検知の場合、ＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加させていることから、ＬＥＤ１２２からは強い光が出される。
【００８６】
続いて図６のステップＳ１９に進み、メモリ２６にローバッテリー障害フラグ５６、センサ障害フラグ５８又は警報音障害フラグ６０が記憶されているか否か検知し、いずれかの障害フラグの記憶を検知するとステップＳ２０に進み、ステップＳ１１、Ｓ１４又はＳ１７で起動した定期鳴動タイマ６２が所定時間経過した定期鳴動タイミングか否か判別し、定期鳴動タイミングを判別した場合はステップＳ２１に進み、そのときローバッテリー障害フラグ５６が記憶されていればローバッテリー障害警報を出力させ、センサ障害フラグ５８が記憶されていればセンサ障害警報を出力させ、警報音障害フラグ６０が記憶されていれば障害表示のみの警報音障害警報を出力させる。
【００８７】
続いてステップＳ２２に進み、通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ２０による点検操作の有無を検知し、点検操作検出有りを検知するとステップＳ２３に進み、メモリ２６にローバッテリー障害フラグ５６、センサ障害フラグ５８又は警報音障害フラグ６０のいずれもが記憶されていないことを検知した場合、障害検知無し（正常）としてステップＳ２４に進み、スピーカ３６から火災警報音をスピーカ点検用警報音として低音量で１回出力させると共に、ＬＥＤ２２をスピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンに従って光るように駆動して点検表示を行わせる。
【００８８】
一方、メモリ２６メモリ２６にローバッテリー障害フラグ５６、センサ障害フラグ５８又は警報音障害フラグ６０が記憶されていることを検知した場合には、障害有りを検知してステップＳ２５に進み、スピーカ３６からローバッテリー障害またはセンサ障害についてはメッセージを含む障害警報音を出力させると共にＬＥＤ２２を例えば点滅させ、またメモリ２６に警報音障害フラグ６０が記憶されていることを検知した場合は、スピーカ３６から障害警報音を出力させるこができないことから、この場合はＬＥＤ２２の例えば点滅のみで障害を報知させる。
【００８９】
図７は住宅に対する本願第２発明による無線連動型の住警器を用いた監視システムの設置状態を示した説明図である。図７の例にあっては、住宅２４に設けられている居間、台所、子供部屋、主寝室、階段室のそれぞれの警戒エリアに火災を検知して警報する無線式の住警器（住宅用火災警報器）１００−１〜１００−６が設置されている。
【００９０】
住警器１００−１〜１００−６の外観は、図１に示した本願第１発明による住警器１０と基本的に同じになる。
【００９１】
住警器１００−１〜１００−６は、イベント信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について監視を行い、ここでは６台で住宅全体の火災監視を行っている。いま住宅２４の台所で万一、火災が発生したとすると、住警器１００−１が火災を検知して警報を開始する。
【００９２】
住警器１００−１が発報するとき、住警器１００−１は連動元として機能し、連動先となる他の住警器１００−２〜１００−６に対し、火災を示すイベント信号（火災イベント信号）を無線により送信する。他の住警器１００−２〜１００−６は、連動元の住警器１００−１からの火災発生を示すイベント信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
【００９３】
ここで有効受信とは、受信したイベント信号に含まれるグループ符号がメモリに登録しているグループ符号に一致したときに、このイベント信号を有効受信したことを検出する。また住警器１００−１〜１００−６から送信するイベント信号には、送信元の住警器を示す識別情報として例えば送信元符号が含まれている。なお、イベント信号を有効受信した住警器１０００は必要に応じイベント信号の中継送信を行う。
【００９４】
連動元となった住警器１００−１の警報動作としては、例えば「ピーピーピー 火火事です 火事です」といったスイープ音とメッセージによる所定パターンの連動元を示す火災警報音を出力し、同時にＬＥＤ２２により連動元を示す火災警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンにより光らせる警報表示を行う。
【００９５】
一方、連動先の住警器１００−２〜１００−６にあっては、「ピーピーピー 別の警報器が作動しました」といったスイープ音とメッセージによる所定パターンの連動先を示す災警報音を出力し、同時にＬＥＤ２２により連動先を示す火災警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンにより光らせる警報表示を行う。
【００９６】
なお、例えば赤色ＬＥＤと黄色ＬＥＤを設け、連動元は赤色ＬＥＤを駆動し、連動先は黄色ＬＥＤを駆動するといった２色表示としても良い。もちろん、２つのＬＥＤを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な２色ＬＥＤが採用できる。
【００９７】
住警器１００−１〜１００−６が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
【００９８】
このとき例えば、連動元である住警器１００−１で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器１００−１〜１００−６の警報（警報音出力および／または警報表示出力）を停止し、連動先である住警器１００−２〜１００−６の何れかで警報停止操作が行われた場合には、連動元の住警器１００−１の警報は停止せず、連動先の住警器１００−２〜１００−６の警報を停止するようにする。なお、以下の説明において、住警器１００−１〜１００−６を区別しないで総称する場合には、住警器１００という。
【００９９】
また住警器１００は電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検知する監視処理をビルドインテストとして所定周期毎にバックグラウンドで自動実行しており、ローバッテリー障害を判別した場合、連動元（障害元）を示すローバッテリー障害警報を出力すると共に、他の住警器にローバッテリー障害を示すイベント信号（ローバッテリー障害イベント信号）を送信し、連動先（障害先）を示すローバッテリー障害警報を出力させる。
【０１００】
連動元を示すローバッテリー障害警報は、住警器１００のスピーカから例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点灯させ、その後は、定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とＬＥＤによる表示を複数回行う処理を繰り返させる。また連動先を示すローバッテリー障害警報は、住警器１００のスピーカから例えば「ピッ 別の警報器が電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点滅させる。
【０１０１】
また住警器１００は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチを操作した場合、ビルドインテストとしてバックグランドで自動実行された監視処理によりローバッテリー障害を検知している場合には、ローバッテリー障害警報として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点灯させ、これに伴い他の住警器にローバッテリー障害を示すイベント信号（ローバッテリー障害イベント信号）を送信させ、連動先（障害先）を示すローバッテリー障害警報として例えば「ピッ 別の警報器が電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点滅させる。一方、ローバッテリー障害が検知されていない場合（正常）には、スピーカ動作を点検するために火災警報音「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を障害警報音より低い音量で１回出力させる。
【０１０２】
また住警器１００はセンサ障害を検知する監視処理をビルドインテストとして所定周期毎にバックグラウンドで自動実行しており、センサ障害を検知した場合、連動元（障害元）を示すセンサ障害警報を出力させると共に、他の住警器にセンサ障害を示すイベント信号（センサ障害イベント信号）を送信させ、連動先（障害先）を示すセンサ障害警報を出力させる。住警器１００で検知するセンサ障害には、センサや検出回路、汚損等による感度異状などが含まれている。
【０１０３】
また住警器１００は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチの操作を検知した場合、ビルドインテストとしてバックグランドで自動実行された監視処理によりセンサ障害を検知している場合には、スピーカから連動元（障害元）を示す障害警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に、ＬＥＤを例えば点灯させ、その後は定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とＬＥＤの点灯による表示を複数回繰り返えさせる。
【０１０４】
また住警器１００はセンサ障害を検知した場合、センサ障害を示すイベント信号（センサ障害イベント信号）を他の住警器に送信することで、例えば「ピッ 別の警報器が故障です」といった警報音を出力させると共に連動元とは異なる表示、例えば点滅を行わせる。
【０１０５】
また住警器１００は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチの操作を検知した場合、ビルドインテストとしてバックグランドで自動実行された監視処理によりセンサ障害を検知している場合には、センサ障害警報として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点灯させ、同時に他の住警器にセンサ障害を示すイベント信号（センサ障害イベント信号）を送信させ、連動先（障害先）を示すセンサ障害警報として例えば「ピッ 別の警報器が故障です」を複数回連続出力させると共にＬＥＤを例えば点滅させる。
【０１０６】
一方、センサ障害が検知されていない場合（正常）には、スピーカ動作を点検するために連動元を示す火災警報音「ウーウー 火事です 火事です」をセンサ障害音より低い音量で１回出力させる。この場合にも、スピーカ３６から出力されるスピーカ点検用警報音「ピーピーピー 火事です 火事です」の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤを点検駆動させ、ＬＥＤの光り方を火災警報音に同調させている。
【０１０７】
このような点検操作時におけるスピーカ点検用警報音にＬＥＤの光り方を同調させることで、点検操作を通じて利用者は、音と光が同調した警報出力を学習する機会をもつこととなる。そのため万一、スピーカから音の出ない障害が発生した状態で火災が検知された場合、ＬＥＤの光り方から火災警報音による「ピーピーピー 火事です 火事です」といった警報内容を推認することが期待できる。
【０１０８】
図８は本願第２発明による無線連動型となる住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア（プログラム）によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【０１０９】
また図８において、住警器は台所に設置した住警器１００−１について示しているが、他の住警器１００−２〜１００−６についても同様の構成となる。
【０１１０】
住警器１００−１はワンチップＣＰＵとして知られたプロセッサ１２８が設けられ、プロセッサ１２８に対してはアンテナ１３１を備えた無線通信部１３０、メモリ１３２、センサ部１３４、報知部１３６、操作部１３８及び電池電源１４０が設けられている。
【０１１１】
無線通信部１３０には送信回路１４２と受信回路１４４が設けられ、他の住警器１００−２〜１００−６との間でイベント信号を無線により送受信できるようにしている。無線通信部１３０としては、日本国内の場合には、例えば４００ＭＨｚ帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたＳＴＤ−３０（小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格）またはＳＴＤ−Ｔ６７（特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格）に準拠した構成を備える。
【０１１２】
もちろん無線通信部１３０としては、日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【０１１３】
なお、アンテナ１３１、送信回路１４２及び送信処理部１６０を併せて送信部とし、アンテナ１３１、受信回路１４４及び受信処理部１６２を併せて送信部とする。
【０１１４】
メモリ１３２には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番１４８、各住警器を特定する住警器識別情報となる送信元符号１５０、図７のように住宅に設置した住警器１００−１〜１００−６で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号１５２が格納されている。
【０１１５】
連番１４８はイベント信号を送信する毎に、所定のルールに則って自動生成され、更新される（例えばインクリメントされる）符号であり、警報器間の、特に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
【０１１６】
送信元符号１５０としては、国内に提供される住警器の何れとも同一符号として重複しないように、例えば２６ビットの多ビット符号コードとし、例えば住警器又は緊急地震速報装置のシリアル番号等を利用している。
【０１１７】
連番１４８や送信元符号１５０を利用して再中継を許可したり禁止したりすることができ、不要な通信を避ける処理を行うことで、必要に応じた最適な中継を行うことができる。また例えば、連動先端末で中継送信されるイベント信号には、当該連動先端末の送信元符号に加えて連動元端末の送信元符号を付加するようにして、この連動元端末送信元符号から再送信の可否を判定して処理するようにすることもできる。また、中継送信の許可および禁止はこれに加え、イベント信号が示すイベントの内容毎に設定することもできる。
【０１１８】
グループ符号１５２は連動グループを構成する複数の住警器に共通に設定される符号であり、無線通信部１３０で受信したイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ１３２に登録しているグループ符号１５２に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として処理することになるので、近隣の住宅等に設置された、連動を要しない他のグループに属する住警器との不要な連動を回避できる。
【０１１９】
グループ符号１５２は各住警器について必ずしも同一の符号である必要は無く、これを元に演算等を行うことによって自己が属するグループと他の住警器が属するグループが同じか否かを判定できるものであれば良い。グループ符号５２の登録は、出荷前や運用開始前に、外部スイッチの設定や通信機能を使った自動登録等、適宜の方法で行う。
【０１２０】
またメモリ１３２には、ビルドインテストとして定期的にバックグラウントで自動実行される自動点検による障害検知処理の結果として、ローバッテリー障害フラグ１８０またはセンサ障害フラグ１８２が各障害を検知した場合に記憶される。またローバッテリー障害やセンサ障害を検知した後の定期的な障害警報の出力にしようされる定期通報タイマ１８６が設けられる。なお、定期通報タイマ１８６はメモリ１３２に配置せず、プロセッサ１２８で実行されるプログラム上に配置しても良い。
【０１２１】
更に本実施形態にあっては、ビルドインテストとして定期的にバックグラウントで自動実行される障害監視処理（自動点検）による障害検知結果として警報音障害フラグ１８４がメモリ１３２に記憶され、警報音障害フラグ１８４は報知部１３６に設けたスピーカ１５６から音が出なくなるスピーカ系統の障害を示す。
【０１２２】
センサ部１３４には、煙を検出して煙濃度に応じた検出信号を出力する検煙部１１６を設けている。前述のように、センサ部１３４には検煙部１１６に代えて、火災による温度を検出して検出信号を出力する素子やセンサ、火災に伴うその他の物理現象変化を検出して検出信号を出力する各種素子やセンサを設けても良い。
【０１２３】
報知部１３６には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ１５６と警報表示等を行うＬＥＤ１２２が設けられている。スピーカ１５６は、図示しない音声合成回路部から、自己が保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。ＬＥＤ１２２は火災警報音の出力音圧の変化状況に対応した表示パターンにより火災などの異状警報が表示され、その他の情報の報知については点灯、点滅又は明滅により表示する。またＬＥＤ２２に代え、２色ＬＥＤや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、ＬＥＤと液晶表示器を併設するなどしても良い。
【０１２４】
操作部１３８には警報停止スイッチ１２０が設けられている。警報停止スイッチ１２０は、報知部１３６からスピーカ１５６により火災や障害の警報音を出力している場合又はＬＥＤ１２２により警報表示を行っている場合にのみ警報停止スイッチとして機能する。
【０１２５】
例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ１２０の操作された場合、警報音及び警報表示は停止され、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ１２０を操作された場合、警報音及び警報表示は停止される。一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ１２０を操作すされた場合、警報音は停止され、警報表示は停止または警報音停止から所定時間後に停止されるといった警報停止処理が行われる。
【０１２６】
一方、連動元または連動先を示す火災警報または障害警報を行っていない通常状態においては、警報停止スイッチ１２０は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ１２０を操作すると点検操作が検知され、ビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行されてメモリ１３２に自動点検結果であるローバッテリー障害フラグ１８０またはセンサ障害フラグ１８２が記憶されているか否か検知し、障害フラグが記憶されていれば報知部１３６のスピーカ１５６から対応する障害内容を示す音声メッセージなどの障害警報が出力される。
【０１２７】
またメモリ３２に障害フラグが記憶されていない場合には、点検結果は正常であることから、スピーカ５６を点検するための火災警報音と同じスピーカ点検用警報音を障害警報音より低い音量で１回出力すると共に、スピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンの点検表示を行わせる。
【０１２８】
なお、点検はビルドインテストとしてバックグラウンドで行わずに、通常状態で警報停止スイッチ１２０操作された場合（点検の指示操作が検知された場合）に、バッテリー障害検知及びセンサ障害検知を含む所定の点検動作を実施して結果を報知させるようにしても良い。
【０１２９】
また、障害警報中に警報停止スイッチ１２０が操作された場合には、バッテリー障害検知及びセンサ障害検知を含む所定の点検動作を実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行わせるようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。そして、このとき障害状態が解消（障害復旧）している場合には、例えば「障害は解消しました」等のメッセージを出力して、障害停止（復旧）処理に移行させても良い。
【０１３０】
電池電源１４０は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、必要に応じて各部に電源を供給しており、電池容量としては住警器１００−１における無線通信部１３０を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば１０年の電池寿命を保証している。
【０１３１】
プロセッサ１２８にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検知部１５８、送信処理部１６０、受信処理部１６２、監視処理部１６４及び点検処理部１７０の機能が設けられ、監視処理部１６４には警報音制御部１６６と警報表示制御部１６８の機能が設けられている。
【０１３２】
イベント検知部１５８は、センサ部１３４の検出信号出力に基づく火災の有無、操作部１３８による警報停止指示入力の有無や点検指示入力の有無、センサ部１３４の検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧、センサ障害やローバッテリー障害、警報音障害等のイベントを検知する。またイベント検知部１５８は受信回路１４４及び受信処理部１６２を介して他の住警器１００−２〜１００−６からのイベント信号の解読結果として得られたイベント信号有効受信の有無およびそのイベント内容を検知する。
【０１３３】
送信処理部１６０は、イベント検知部１５８によるセンサ部１３４の検出信号出力からの火災検知、操作部１３８による警報停止、センサ部１３４の検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧等の自己のイベントを検出した場合に、検出したイベント内容を示すイベント信号を、無線通信部１３０の送信回路１４２を介してアンテナ１３１から連動先の住警器に送信させる。
【０１３４】
受信処理部１６２は、他の住警器１００−２〜１００−６からのイベント信号を、アンテナ１３１から無線通信部１３０の受信回路１４４を介して受信し解読する。
【０１３５】
また受信処理部１６２は他の住警器１０−２〜１０−６から連動信号を正常に受信したことを示す確認応答信号（以下「ＡＣＫ信号」と云う）が有効受信されるか否か監視している。
【０１３６】
他の住警器１０−２〜１０−６のうち、ＡＣＫ信号が受信されない（未応答）住警器を検知した場合、ＡＣＫ信号が受信された応答済み住警器に対し送信処理部１６０により中継要求連動信号を送信し、中継要求連動信号を受信したＡＫＣ信号未応答の住警器（中継指示先住警器）へ中継要求連動信号を中継送信させる。中継要求連動信号を中継受信したＡＫＣ信号未応答の他の住警器は中継要求に対しＡＣＫ信号を送信し、更にこのＡＣＫ信号は中継指示先住警器の中継送信を経て連動元の住警器１０−１で受信される。
【０１３７】
監視処理部１６４は、イベント検知部１５８で自己の異状として火災を検知した場合にその旨を示す信号を受け、スピーカ１５６からスイープ音とメッセージからなる所定パターンの連動元を示す警報音を出力させると共に、ＬＥＤ２２を連動元を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンで光るように駆動して連動元を示す警報表示を行わせ、更に、火災を示すイベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信させる。
【０１３８】
具体的に説明すると、監視処理部１６４は、センサ部１３４に設けた検煙部１１６の煙検出信号に基づきイベント検知部１５８で火災を検知した場合に、イベント検知部１５８からその旨を示す信号を受け取り、これに基づき警報音制御部１６６により報知部１３６に対しスピーカ１５６から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行わせると共に、警報表示制御部１６８により図３（Ｂ）又は（Ｃ）に示した警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンに従って光るようにＬＥＤ１２２を駆動させて連動元を示す警報表示制御を行わせ、更に、送信処理部１６４および送信回路１４２を介して火災を示すイベント信号をアンテナ１３１から他の住警器１００−２〜１００−６に向けて送信させる。
【０１３９】
また監視処理部１６４は、無線通信部１３０の受信回路１４４により他の住警器１００−２〜１００−６の何れかから火災イベント信号を有効受信したことをイベント検知部１５８で検知した場合に、その旨を示す信号を受け取り、警報音制御部１６６により報知部１３６のスピーカ１５６からスイープ音とメッセージからなる所定パターンの連動先を示す警報音（報知音）例えば「ピーピーピー 別の火災警報器が作動しました」を繰り返し出力させると共に、警報表示制御部１６８によりＬＥＤ２２を連動先を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンに従って光るようにＬＥＤ１２２を駆動させて連動先を示す警報表示を行わせる。
【０１４０】
また監視処理部１６４は、イベント検知部１５８で連動元を示す火災警報音または連動先を示す火災警報音の出力中に警報停止スイッチ１２０の操作を検知した場合、又は他の住警器１００−２〜１００−６の何れかからの警報停止を示すイベント信号又は装置イベント信号受信を検知した場合、イベント検知部１５８からその旨を示す信号を受け取り、スピーカ１５６からの音声メッセージとＬＥＤ１２２の警報表示による火災警報の出力を停止させる。このときはＬＥＤ２２による警報表示については、所定時間継続した後に停止させても良い。なお、連動元を示す火災警報中には、警報停止を示すイベント信号や装置イベント信号受信があっても、少なくとも警報音の出力は継続させるようにしても良い。
【０１４１】
イベント検出部１５８は、ビルドインテストとしてバックグラウントでローバッテリー障害監視処理を所定周期毎に自動実行しており、所定の測定時間間隔、例えばＴ１１＝４時間間隔で図示しない電圧検出回路を介して直接的又は間接的に、電池電源１４０から供給される電源電圧をＡ／Ｄ変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にローバッテリー障害の検知を仮判定し、更にローバッテリー障害の仮判定が連続して所定回数続いたときにローバッテリー障害を検知（確定）し、ローバッテリー障害フラグ１８０をセットしてメモリ１３２に記憶させる。
【０１４２】
またイベント検出部１５８は、ビルドインテストとしてバックグラウントでセンサ障害監視処理を所定周期毎に自動実行しており、所定の測定時間間隔、例えばＴ１２＝１秒間隔でセンサ部１３４の検煙部１１６から出力される煙検出信号をＡ／Ｄ変換により読み込んでメモリ１３２のバッファ領域に保持させ、例えば所定の時間間隔Ｔ１３＝１００分毎に、メモリ１３２のバッファ領域に保持されている１００分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル（零点レベルという）を下回った時に出力停止状態である等としてセンサ部１３４の障害と検知し、センサ障害フラグ１８２をセットしてメモリ１３２に記憶させる。
【０１４３】
このように煙濃度検出信号の１００分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部１１６に設けている受光素子故障や受光素子からの出力信号線断線、受光アンプの停止などの障害が発生したことによるものである可能性が高いためセンサ障害とする。
【０１４４】
なお、センサ部１１６にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合にも、各種の処理により、同様にセンサ障害を検出することができる。その他、他の回路故障、通信異状等を同様に障害監視することができる。このような障害についても、検出後はセンサ障害と同様の処理を行ことから、本実施形態にあってはセンサ障害と総称している。
【０１４５】
イベント検知部１５８は、ビルドインテストとしてバックグラウントで警報音障害検知処理を所定周期毎に自動実行しており、所定の測定時間間隔、例えばローバッテリー障害検知と同じＴ１１＝４時間間隔でスピーカ１５６を含む図示しない音声出力系統を試験して障害の有無を検知する。音声出力系統の試験としては、例えばスピーカ１５６に対し音が出ないＤＣ試験信号を出力し、スピーカ駆動電流の検出電圧をＡ／Ｄ変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にスピーカ出力線断線による警報音障害を予備検知（仮判定）し、更に警報音障害の予備検知（仮判定）が連続して所定回数続いたときに警報音障害を検知（確定）し、警報音障害フラグ１８４をセットしてメモリ１３２に記憶させる。
【０１４６】
イベント検知部１５８によりスピーカ１５６から音のでない警報音障害が検知されてメモリ１３２に警報音障害フラグ１８４が記憶された場合、監視処理部１６４に設けた表示制御部１６８は、イベント検知部１５８で火災を検知又は他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信を検知してその旨を示す信号を受けた場合、ＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加させて連動元または連動先を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンを駆動電流を増加して表示輝度を高め、これによってスピーカ１５６から火災警報音が出ない状況であってもＬＥＤ１２２からの光を強くすることで、より確実に利用者に火災警報を伝えるようにする。
【０１４７】
ここで、警報音障害を判別した場合にＬＥＤ１２２に流す駆動電流の増加分は、スピーカ１５６に流す警報音出力のための駆動電流を超えない範囲とし、スピーカ１５６が正常に機能している場合と同等またはそれ以下となるような電池電源１４０の消耗度合とする。
【０１４８】
なお、障害検知はビルドインテストとしてのバックグラウンドで行わずに、通常状態で警報停止スイッチ１２０の操作を検知した場合（点検指示操作を検知した場合）に、バッテリー障害検知、センサ障害検知及び警報音障害検知を含む所定の障害検知動作（点検動作）を実施して結果を報知させるようにしても良い。
【０１４９】
また、障害警報中に警報停止スイッチ１２０が操作された場合には、バッテリー障害検知、センサ障害検知及び警報音障害検知を含む障害検知動作（点検動作）を再度実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行わせるようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。
【０１５０】
監視処理部１６４は、イベント検知部１５８でローバッテリー障害監視部１７２によるローバッテリー障害を検知した場合、その旨を示す信号を受け、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０をセットして記憶させ、警報音制御部１６６により報知部１３６のスピーカ１５６から連動元（障害元）を示すローバッテリー障害の警報音としてたとえば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させると共に、警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させる。その後は、メモリ１３２の定期通報タイマ１８６を起動し、メモリ１３２に記憶しているローバッテリー障害フラグに基づき所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とＬＥＤ１２２の点滅などによる表示を複数回行う処理を繰り返させる。
【０１５１】
これと共に監視処理部１６４は、ローバッテリー障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信することで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【０１５２】
また監視処理部１６４は、イベント検知部１５８でセンサ障害監視部１７４によるセンサ障害の判定を検出して、その旨を示す信号を受けた場合、メモリ１３２にセンサ障害フラグ１８２をセットして記憶させ、警報音制御部１６６により報知部１３６のスピーカ１５６から連動元（障害元）を示すセンサ障害の警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させ、同時に警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させる。その後はメモリ１３２の定期通報タイマ１８６を起動させ、メモリ１３２に記憶されたセンサ障害フラグ１８２に基づき所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とＬＥＤ２２による表示を複数回行う処理を繰り返させる。これと共に監視処理部１６４は、センサ障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信させることで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【０１５３】
点検処理部１７０は、イベント検知部１５８により通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知し、更に、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０が記憶されていることを検知した場合には、警報音制御部１６６により例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させ、同時に警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させ、同時に、ローバッテリー障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信させることで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【０１５４】
また点検処理部１７０は、イベント検知部１５８により警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知し、更にメモリ１３２にセンサ障害フラグ１８２が記憶されていることを検知した場合には、警報音制御部１６６によりにより例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させ、同時に警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させ、同時に警報処理部６４は、センサ障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信することで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に、連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【０１５５】
このように点検のために警報停止スイッチ１２０の操作を検知した場合には、住警器の前に必ず人がいることから、ローバッテリー障害やセンサ障害を確実に知らせることができる。
【０１５６】
また点検処理部１７０は、イベント検知部１５８により警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知し、更にメモリ１３２に警報音障害フラグ１８４が記憶されていることを検知した場合には、スピーカ１３６からは音がでないことから、警報表示制御部１６８によりＬＥＤ１２２を例えば点灯させ、警報音障害イベント信号を他の住警器１００−２〜１００−６に送信することで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に、連動元とは異なる点滅表示を行わせる。このためスピーカ１５６から音の出ない警報音障害については連動先の住警器１００−２〜１００−６の警報音からその内容を知ることができる。
【０１５７】
また点検処理部１７０は、イベント検知部１５８で通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知した場合、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０、センサ障害フラグ１８０及び警報音障害フラグ１８４が記憶されていない場合は正常と判断し、この場合には、報知部１３６に設けているスピーカ１５６から正常に警報音が出力されることを確認するスピーカ点検のため、火災警報音と同じ内容をもつスピーカ点検用警報音として「ウー ウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を障害警報音より低い音量で１回出力させる。
【０１５８】
これと共に点検処理部１７０は、警報表示制御部１６８によりスピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した図３（Ｂ）又は（Ｃ）に示す表示パターンで光るようにＬＥＤ１２２を駆動して点検表示を行わせ、結果として利用者は無意識にうちに音と光による火災警報の学習を受けることになる。
【０１５９】
なお、点検処理部１７０は、イベント検知部１５８により通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ１２０の操作による点検指示操作（点検指示入力）を検知した場合、イベント検知部１５８に指示してローバッテリー障害及びセンサ障害の検知処理（自動点検）を再度実行させ、障害を検知すれば障害警報を出力させ、正常を検知すればスピーカ点検用の警報音を出力させると共に警報音の出力音圧の変化状況などに対応した警報表示を行わせるようにしても良い。これにより、最新の点検結果を報知することができる。
【０１６０】
図９は本実施形態で連動警報に使用するイベント信号フォーマットを概略的に示した説明図である。図９において、イベント信号１４６は連番１４８、送信元符号１５０、グループ符号１５２及びイベント符号１５４で構成されている。
【０１６１】
連番１４８はイベント信号の順番を示す連続番号であり、端末（住警器）それぞれにイベント信号を送信する毎に１つずつ増加させる。また、連番１４８は住警器の各々で非同期に生成している。連番１４８は住警器１００間の、主に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
【０１６２】
送信元符号１５０は住警器識別情報として用いられる例えば２６ビットの符号であり、例えば住警器のシリアル番号等を利用している。グループ符号１５２は例えば８ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図６の住警器１００−１〜１００−６につき例えば同じグループ符号が設定されている。
【０１６３】
なおグループ符号１５２としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、例えば予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。すなわち、イベント信号を受信した各端末（住警器）がそれをもとに自己と同一グループの端末からの信号であるか否かを判定できるものであれば、どのような符号であっても良い。
【０１６４】
イベント符号１５４は、火災、ガス漏れ（例えばガス漏れ警報器やガス漏れ検出機能を併せ持つ住警器等の場合）などのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては４ビット符号を使用しており、例えば
０００１＝火災
００１０＝ガス漏れ
００１１＝警報停止（火災警報停止、ガス漏れ警報停止、障害警報停止）
０１００＝復旧（火災復旧、ガス漏れ復旧、障害復旧）
０１０１＝センサ障害
０１１０＝ローバッテリー障害
０１１１＝警報音障害
としている。ここで、００００はイベント検出を伴わない、例えば定期通報に使用する。
【０１６５】
なおイベント符号４２のビット数は５ビット、６ビットと増加させることで、更に多くのイベント内容を表すことができる。例えば、復旧のイベント符号は火災復旧，ガス漏れ復旧、障害復旧に分けても良い。
【０１６６】
また、火災以外の異状を検知する警報器では、上記の０００１を検出対象となる異状イベントに置き換えても良いし、検出対象となる異状イベントの種類を、例えば上記に追加しても良い。このようにして、例えば同じグループ内に、検出対象とする異状種別の異なる警報器を混在させることもできる。
【０１６７】
図１０乃至図１３は図８の住警器１００−１における監視処理の例を示したフローチャートである。図１０において、住警器１００−１の電池電源１４０による電源供給が開始されると、ステップＳ３１で初期化、自己診断、禁止モードの設定の有無を含む各種設定の読み込みを実行し、異状がなければステップＳ３２に進み、火災の有無を検知している。
【０１６８】
センサ部１３４から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えるとステップＳ３２で火災有りが検知されてしてステップＳ３３に進み、連番、火災を検知している住警器を特定する送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に無線送信する。
【０１６９】
続いてステップＳ３４に進み、このときメモリ１３２を参照して警報音障害フラグ１８４の記憶により警報音障害が検知されているか否か判定し、警報音障害の記憶が検知された場合は、ステップＳ３５に進んでＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加させる設定を行う。勿論、警報音障害の記憶が検知されない場合はステップＳ３５の処理はスキップする。
【０１７０】
続いてステップＳ３６で報知部１３６のスピーカ１５６からスイープ音とメッセージからなる所定パターンの連動元を示す警報音を出力させると共に、連動元を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンで光るようにＬＥＤ１２２を表示駆動させて連動元を示す火災警報を出力させる。
【０１７１】
続いて、ステップＳ３７でセンサ部１３４からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無を検知しており、火災復旧を検知するとステップＳ３８で連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信した後、ステップＳ３９でスピーカ１５６からの警報音とＬＥＤ１２２の警報音対応パターン表示による警報表示とによる連動元を示す火災警報を停止させる。なお、ＬＥＤ１２２による警報表示は所定時間経過後に消灯させても良い。
【０１７２】
続いてステップ４０で警報中における警報停止スイッチ１２０の警報停止指示操作の有無を検知しており、スイッチ操作有りが検知されるとステップＳ４１に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信させ、ステップＳ４２に進んでスピーカ１５６からの連動元を示す警報音出力を停止させ、ＬＥＤ２２の警報音対応パターン表示による警報表示を停止させる。なお、ＬＥＤ２２は所定時間経過後に停止させても良い。
【０１７３】
続いて図１１のステップＳ４３に進み、他の住警器から送信または中継送信された火災を示すイベント信号の有効受信の有無を検知している。他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信有りを検知すると、ステップＳ４４に進んでメモリ１３２を参照し、警報音障害フラグ１８４の記憶により警報音障害が検知されているか否か判定し、警報音障害が検知された場合は、ステップＳ４５に進んでＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加させる設定を行う。勿論、警報音障害が検知されない場合はステップＳ４５の処理はスキップする。
【０１７４】
続いてステップＳ４６に進んでスイープ音とメッセージからなる所定パターンの連動先を示す警報音をスピーカ１５６から出力させると共に、連動先を示す警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによるＬＥＤ１２２の駆動により警報表示を行わせる。
【０１７５】
次にステップＳ４７で他の住警器から送信または中継送信された火災復旧を示すイベント信号の有効受信の有無を検知しており、火災復旧を示すイベント信号の有効受信有りを検知すると、ステップＳ４８に進んで連動先の警報として行っているスピーカ１５６からの警報音出力とＬＥＤ１２２の警報音対応パターンによる警報表示を停止させる。
【０１７６】
次にステップＳ４９で他の住警器から送信または中継送信された警報停止を示すイベント信号の有効受信の有無を検知しており、警報停止を示すイベント信号の有効受信有りを検知すると、ステップＳ５０に進んで警報中の有無を検知し、警報中を検知するとステップＳ５１に進んで連動先としての警報音出力を停止させ、警報表示も停止させる。
【０１７７】
続いて図１２のステップＳ５２に進み、ローバッテリー障害の有無を検知し、ローバッテリー障害有りを検知するとステップＳ５３に進んでメモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０をグセットして記憶させると共に定期通報タイマ１８６を起動させる。
【０１７８】
続いてステップＳ５４で障害元を示すローバッテリー障害の警報音出力と警報表示を行った後、ステップＳ５５に進んで連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信して連動先としての障害警報を行わせる。
【０１７９】
続いてステップＳ５６に進み、センサ障害の有無を検知し、センサ障害有りを検知するとステップＳ５７に進んでメモリ１３２にセンサ障害フラグ１８２をセットして記憶させると共に定期通報タイマ１８６を起動させる。
【０１８０】
続いてステップＳ５８で障害元を示すセンサ障害の警報音出力と警報表示を行った後、ステップＳ５９に進んで連番、送信元符号、グループ符号、センサ障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信させる。
【０１８１】
続いてステップＳ６０に進み、警報音障害の有無を検知し、警報音障害有りを検知するとステップＳ６１に進んでメモリ１３２に警報音障害フラグ１８４をセットして記憶させると共に定期通報タイマ１８６を起動させる。
【０１８２】
続いてステップＳ６２で障害元を示す警報音障害警報を行うが、このときスピーカ１５６から音はでないため、ＬＥＤ１２２の例えば点灯のみにより障害表示を行わせる。ここで警報音障害検出の場合、ＬＥＤ１２２に流す駆動電流を増加していることから、ＬＥＤ１２２からは強い光が出される。
【０１８３】
続いてステップＳ６３に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報音障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信させ、他の住警器で連動先を示す障害警報音の出力と点滅による警報表示が行わせる。
【０１８４】
続いて図１３のステップＳ６４に進み、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０、センサ障害フラグ１８２又は警報音障害フラグ１８４がメモリ１３２に記憶されているか否か検知し、いずれかの障害フラグの記憶を検知するとステップＳ６５に進み、ステップＳ５３、Ｓ５７又はＳ６１で起動した定期鳴動タイマ１８６による所定時間経過した定期鳴動タイミングか否か検知し、定期鳴動タイミングを検知するとステップＳ６６に進み、そのときローバッテリー障害フラグ１８０が記憶されていればローバッテリー障害警報を出力させ、センサ障害フラグ１８２が記憶されていればセンサ障害警報を出力させ、警報音障害フラグ１８４が記憶されていれば警報音障害警報を出力させる。このときＬＥＤ１２２が強い光で点灯してスピーカ１５６から音が出ない場合には、警報音障害であることが分かる。
【０１８５】
続いてステップＳ６７に進み、連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害、センサ障害又は警報音障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信して連動先としての障害警報を行わせる。
【０１８６】
続いてステップＳ６８に進み通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ１２０による点検操作の有無を検知し、点検操作有りを検知するとステップＳ６９に進み、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０、センサ障害フラグ１８２又は警報音障害フラグ１８４が記憶されていない場合、障害検出無し（正常）を検知してステップＳ７０に進み、スピーカ１５６から連動元を示す火災警報音をスピーカ点検用警報音として障害警報音より低音量で１回出力させると共に、ＬＥＤ１２２をスピーカ点検用警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンに従って光るように駆動させて点検表示を行う。
【０１８７】
一方、メモリ１３２にローバッテリー障害フラグ１８０、センサ障害フラグ１８２又は警報音障害フラグ１８４が記憶されている場合には、障害有りを検知してステップＳ７１に進み、スピーカ１５０からローバッテリー障害またはセンサ障害を示すメッセージを含む障害警報音を出力させると共にＬＥＤ２２を例えば点滅させる。なお、メモリ１３２に警報音障害フラグ１８４が記憶されている場合はスピーカ１５６から障害警報音を出力させるこができないことから、この場合はＬＥＤ１２２の例えば点灯で障害を報知させる。
【０１８８】
続いてステップＳ７２に進み、連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害、センサ障害又は警報音障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信して連動先としての障害警報を行わせる。
【０１８９】
なお、上記の実施形態にあっては、火災などの異状を検知した場合に、メッセージを含む異状警報音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤを駆動して警報表示を行っているが、火災以外であっても、メッセージを含む報知音を出力する場合、例えば障害報知音などについても、報知音の出力音圧の変化状況などに対応した表示パターンによりＬＥＤを駆動して表示するようにしても良い。
【０１９０】
また、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、ＣＯ警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。
【０１９１】
また、連動型の警報器同士は必ずしも連動するものでなくても良く、一部の警報器は連動し、他の警報器は連動しないものとしても良い。
【０１９２】
また、警報器の各連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
【０１９３】
また、上記の実施形態で警報停止スイッチとして示した操作手段は、必ずしもスイッチである必要は無く、リモコン装置等を使用して外部からの通信によって警報履歴出力を指示するもの等、どのような手段や方法を適用しても良い。
【０１９４】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等ができる。
【０１９５】
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることができる。プロセッサを含め他の電気的、機能的構成は適宜に統廃合することもできる。
【０１９６】
また上記の実施形態で述べた「受信がある」、「受信が無い」、「受信した場合」、「受信を判別」等は、受信した信号が有効なものとして認識されたか否かの判定も含んでいる。
【０１９７】
また、警報器の規格等によっては、上記実施形態のＬＥＤによる表示が「警報」と認められない場合があるが、本発明では規格上「警報」に含まれるか否かに関わらず、警報表示、警報に伴う表示、または単に表示として記載している。本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部は警報器と別体に設けられていても良い。
【０１９８】
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。この場合にはローバッテリー障害に代えて電源障害を検知することになる。
【０１９９】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
【０２００】
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
【０２０１】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【０２０２】
１０，１００，１００−１〜１００−６：住警器
１２：カバー
１４：本体
１６：検煙部
１７：取付フック
１８：音響孔
２０：警報停止スイッチ
２２：ＬＥＤ
２４，１２８：プロセッサ
２６，１３２：メモリ
２８，１３４：センサ部
３０，１３６：報知部
３２，１３８：操作部
３４：移報部
３５，１４０：電池電源
３６，１５６：スピーカ
３８，１５８：イベント検知部
４０，１６４：監視処理部
４２，１６６：警報音制御部
４４，１６８：警報表示制御部
４６，１７０：点検処理部
５６，１８０：ローバッテリー障害フラグ
５８，１８２：センサ障害フラグ
６０，１８４：警報音障害フラグ
６２，１８６：定期通報タイマ
１３０：無線通信部
１４２：送信回路
１４４：受信回路
１４６：イベント信号
１４８：連番
１５０：送信元符号
１５２：グループ符号
１５４：イベント符号
１６０：送信処理部
１６２：受信処理部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
警戒エリアの環境変化を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
警報音により警報を出力する音響変換器と、
警報表示により警報を出力する表示器と、
前記センサ部の検出信号出力に基づく異状、その他の自己の異状又は自己の状態変化の有無を検知するイベント検知部と、
を備えた警報器に於いて、
前記イベント検知部で異状を検知した場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの警報音を前記音響変換器から出力させる警報音制御部と、
前記音響変換器から出力される警報音に対応した表示パターンに従って前記表示器を駆動して警報表示させる警報表示制御部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項２】
請求項１記載の警報器に於いて、
前記警報音制御部は、前記イベント検知部で異状が検知された場合、前記警報音として前記音響変換器からスイープ音と異状を示す音声メッセージとを出力させ、
前記警報表示部は、前記音響変換器から出力される前記スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従って前記表示器を駆動させることを特徴とする警報器。
【請求項３】
請求項２記載の警報器に於いて、前記表示パターンは、前記スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンであることを特徴とする警報器。
【請求項４】
請求項１記載の警報器に於いて、更に、点検処理部を設け、
前記イベント検知部は、所定周期毎に、前記自己の異状または自己の状態変化のうち所定のものを障害として検知し、当該障害情報を記憶部に記憶させ、
前記イベント検知部で操作部の点検操作を検知した場合、前記記憶部に障害情報を記憶させている場合は前記音響変換器から障害警報音を出力させると共に前記表示器で障害表示を行わせ、前記記憶部に障害情報を記憶させていない場合は、前記音響変換器から点検用警報音として音声メッセージを含む所定パターンの前記警報音を、前記記憶部に障害情報を記憶させしている場合の障害警報音より低音量で出力させると共に前記表示器を前記音響変換器から出力する警報音に対応した表示パターンに従って表示させて点検結果を報知制御させることを特徴とする警報器。
【請求項５】
請求項４記載の警報器に於いて、
前記イベント検知部は、更に、前記前記音響変換器から警報音の出力性能が低下又は喪失された場合に警報音障害を検出し、
前記警報表示制御部は、前記イベント検知部で前記警報音障害が検知された場合、前記表示器に流す駆動電流を増加させて表示輝度を増加させることを特徴とする警報器。
【請求項６】
請求項５記載の警報器に於いて、前記駆動電流の増加分は、前記音響変換器の駆動電流を超えないことを特徴とする警報器。
【請求項７】
警戒エリアの環境変化を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
警報音により警報を出力する音響変換器と、
警報表示により警報を出力する表示器と、
前記センサ部の検出信号出力に基づく異状、その他の自己の異状又は自己の状態変化の有無を検知するイベント検知部と、
前記イベント検知部で検出されたイベントを示すイベント信号を送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号を受信する受信部と、
を備えた警報器に於いて、
前記イベント検知部で異状が検知された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの連動元を示す警報音を音響変換器から出力させ、一方、前記イベント検知部で他の警報器から異状を示すイベント信号が有効受信された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの連動先を示す警報音を音響変換器から出力させる警報音制御部と、
前記連動先または連動先を示す警報音に対応した表示パターンに従って表示器を駆動して警報表示させる警報表示制御部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項８】
請求項７記載の警報器に於いて、
前記警報音制御部は、前記イベント検知部で異状が検知された場合に、連動元または連動先を示す前記警報音として、前記音響変換器からスイープ音と異状を示す音声メッセージを出力させ、
前記警報表示部は、前記音響変換器から出力される前記スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従って前記表示器を駆動することを特徴とする警報器。
【請求項９】
請求項８記載の警報器に於いて、前記表示パターンは、前記スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンであることを特徴とする警報器。
【請求項１０】
請求項７記載の警報器に於いて、更に、点検処理部を設け、
前記イベント検出部は、所定周期毎に、前記電池電源の電圧低下および前記センサ部の故障をはじめとする障害検知を実行して検知した障害情報を記憶部に記憶させ、
前記点検処理部は、前記イベント検知部で操作部の点検操作が検出された場合、前記記憶部に障害情報が記憶されている場合は前記音響変換器から障害警報音を出力させると共に前記表示器で障害表示を行わせ、前記記憶部に障害情報が記憶されていない場合は、前記音響変換器から点検用警報音として音声メッセージを含む所定パターンの前記警報音を、前記記憶部に障害情報を記憶されている場合の障害警報音より低音量で出力させると共に前記表示器を前記音響変換器から出力する警報音に対応した表示パターンに従って表示させる点検処理部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項１１】
請求項１０記載の警報器に於いて、
前記イベント検知部は、更に、前記前記音響変換器から警報音の出力性能が低下又は喪失された場合に警報音障害を検知し、
前記警報表示制御部は、前記イベント検知部で前記警報音障害が検知された場合、前記表示器に流す駆動電流を増加させて表示輝度を増加させることを特徴とする警報器。
【請求項１２】
請求項１１記載の警報器に於いて、前記駆動電流の増加分は、前記音響変換器の駆動電流を超えないことを特徴とする警報器。
【請求項１】
警戒エリアの環境変化を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
警報音により警報を出力する音響変換器と、
警報表示により警報を出力する表示器と、
前記センサ部の検出信号出力に基づく異状、その他の自己の異状又は自己の状態変化の有無を検知するイベント検知部と、
を備えた警報器に於いて、
前記イベント検知部で異状を検知した場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの警報音を前記音響変換器から出力させる警報音制御部と、
前記音響変換器から出力される警報音に対応した表示パターンに従って前記表示器を駆動して警報表示させる警報表示制御部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項２】
請求項１記載の警報器に於いて、
前記警報音制御部は、前記イベント検知部で異状が検知された場合、前記警報音として前記音響変換器からスイープ音と異状を示す音声メッセージとを出力させ、
前記警報表示部は、前記音響変換器から出力される前記スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従って前記表示器を駆動させることを特徴とする警報器。
【請求項３】
請求項２記載の警報器に於いて、前記表示パターンは、前記スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンであることを特徴とする警報器。
【請求項４】
請求項１記載の警報器に於いて、更に、点検処理部を設け、
前記イベント検知部は、所定周期毎に、前記自己の異状または自己の状態変化のうち所定のものを障害として検知し、当該障害情報を記憶部に記憶させ、
前記イベント検知部で操作部の点検操作を検知した場合、前記記憶部に障害情報を記憶させている場合は前記音響変換器から障害警報音を出力させると共に前記表示器で障害表示を行わせ、前記記憶部に障害情報を記憶させていない場合は、前記音響変換器から点検用警報音として音声メッセージを含む所定パターンの前記警報音を、前記記憶部に障害情報を記憶させしている場合の障害警報音より低音量で出力させると共に前記表示器を前記音響変換器から出力する警報音に対応した表示パターンに従って表示させて点検結果を報知制御させることを特徴とする警報器。
【請求項５】
請求項４記載の警報器に於いて、
前記イベント検知部は、更に、前記前記音響変換器から警報音の出力性能が低下又は喪失された場合に警報音障害を検出し、
前記警報表示制御部は、前記イベント検知部で前記警報音障害が検知された場合、前記表示器に流す駆動電流を増加させて表示輝度を増加させることを特徴とする警報器。
【請求項６】
請求項５記載の警報器に於いて、前記駆動電流の増加分は、前記音響変換器の駆動電流を超えないことを特徴とする警報器。
【請求項７】
警戒エリアの環境変化を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
警報音により警報を出力する音響変換器と、
警報表示により警報を出力する表示器と、
前記センサ部の検出信号出力に基づく異状、その他の自己の異状又は自己の状態変化の有無を検知するイベント検知部と、
前記イベント検知部で検出されたイベントを示すイベント信号を送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号を受信する受信部と、
を備えた警報器に於いて、
前記イベント検知部で異状が検知された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの連動元を示す警報音を音響変換器から出力させ、一方、前記イベント検知部で他の警報器から異状を示すイベント信号が有効受信された場合に、当該異状の内容に対応して、音声メッセージを含む所定パターンの連動先を示す警報音を音響変換器から出力させる警報音制御部と、
前記連動先または連動先を示す警報音に対応した表示パターンに従って表示器を駆動して警報表示させる警報表示制御部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項８】
請求項７記載の警報器に於いて、
前記警報音制御部は、前記イベント検知部で異状が検知された場合に、連動元または連動先を示す前記警報音として、前記音響変換器からスイープ音と異状を示す音声メッセージを出力させ、
前記警報表示部は、前記音響変換器から出力される前記スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した表示パターンに従って前記表示器を駆動することを特徴とする警報器。
【請求項９】
請求項８記載の警報器に於いて、前記表示パターンは、前記スイープ音と異状を示す音声メッセージの出力音圧の変化状況に対応した点滅パターン、明滅パターン又は輝度変化パターンであることを特徴とする警報器。
【請求項１０】
請求項７記載の警報器に於いて、更に、点検処理部を設け、
前記イベント検出部は、所定周期毎に、前記電池電源の電圧低下および前記センサ部の故障をはじめとする障害検知を実行して検知した障害情報を記憶部に記憶させ、
前記点検処理部は、前記イベント検知部で操作部の点検操作が検出された場合、前記記憶部に障害情報が記憶されている場合は前記音響変換器から障害警報音を出力させると共に前記表示器で障害表示を行わせ、前記記憶部に障害情報が記憶されていない場合は、前記音響変換器から点検用警報音として音声メッセージを含む所定パターンの前記警報音を、前記記憶部に障害情報を記憶されている場合の障害警報音より低音量で出力させると共に前記表示器を前記音響変換器から出力する警報音に対応した表示パターンに従って表示させる点検処理部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項１１】
請求項１０記載の警報器に於いて、
前記イベント検知部は、更に、前記前記音響変換器から警報音の出力性能が低下又は喪失された場合に警報音障害を検知し、
前記警報表示制御部は、前記イベント検知部で前記警報音障害が検知された場合、前記表示器に流す駆動電流を増加させて表示輝度を増加させることを特徴とする警報器。
【請求項１２】
請求項１１記載の警報器に於いて、前記駆動電流の増加分は、前記音響変換器の駆動電流を超えないことを特徴とする警報器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【公開番号】特開２０１２−２３４３８５（Ｐ２０１２−２３４３８５Ａ）
【公開日】平成２４年１１月２９日（２０１２．１１．２９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１０２７７０（Ｐ２０１１−１０２７７０）
【出願日】平成２３年５月２日（２０１１．５．２）
【出願人】（０００００３４０３）ホーチキ株式会社 (792)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１１月２９日（２０１２．１１．２９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年５月２日（２０１１．５．２）
【出願人】（０００００３４０３）ホーチキ株式会社 (792)
【Ｆターム（参考）】
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