説明

警報装置および警報システム並びに警報方法

【課題】簡易な構成で、霧等による視認性への影響を示す情報を提供可能とする。
【解決手段】光源を含む所定の範囲を撮像する撮像部によって得られる画像における前記光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求める算出部と、前記算出部によって求められた前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源が設置された地点における視認性が低下していると判断する判断部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示は、霧等による交通等への影響の検出および警報などの情報提供に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、透過率型視程計(VI計:Visibility Index meter)あるいは後方散乱型視程計(BS系:Back Scattering meter)などにより、道路上での視程が計測されている。そして、道路管理者は、計測で得られた視程に基づいて、運転者に警報などの情報を提供するか否かを判断している。
【0003】
上述したVI計およびBS計は、いずれも、精密に位置決めされた光源と受光器とを用い、受光器に入射した光量が光源と受光器との間の霧などによって減衰される割合に基づいて視程を算出する。
【0004】
また、撮像装置によって所定の光源を撮影した際に、この光源の輝度と光源の周囲に現れる光幕部分の輝度との差に基づいて、霧の濃度を計測する技術も提案されている(非特許文献1参照)。また、撮像装置によって撮影されたテールライト等の輝度とその周囲の光幕の輝度との比に基づいて、霧の濃度を計測する技術も提案されている(特許文献1参照)。ここで、光幕とは、霧が発生した環境において光源を撮影して得られる画像に、光源の像を取り囲むように現れる光源に比べて若干輝度の低い傘状の領域のことである。この光幕は、光源の周囲の霧粒子によって、光源から放射される光が散乱されることなどによって現れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−278182号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】宗広、徳永、中村、一柳、須藤、穂積、「画像処理を活用した霧発生時の視程計測実験」、寒地土木研究所月報、No.649 2007年6月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
VI計やBS計によって計測される視程および所定の光源やテールライトを撮影した画像に基づいて計測される視程は、霧の濃度に対応する値である。このため、日中でも夜間でも、霧の濃度が同一であれば同一の値を示す計測結果が得られる。
【0008】
しかしながら、運転者が道路を走行している際の実感としては、霧の濃さが同じであっても、日中より夜間の方が見えにくく感じられる場合があり、危険度がより大きく感じられる場合もある。このように、数値化された視程に基づく警報は、運転者が実感する視認性に必ずしも即していない面もあった。
【0009】
また、VI計やBS計のような専用の視程計は、光源と受光器の設置や光源の光度や受光器の感度を厳密に管理する必要がある。このため、専用の視程計の設置箇所は、例えば、霧が日常的に問題になっている箇所に限定される場合が多い。また、所定の光源を撮影した画像に基づいて、霧の濃度を計測する技術でも、光源と撮像部との距離および光源の光度と撮像部の感度は厳密な管理が必要である。なぜなら、この技術も、画像内の光源部分と光幕部分との輝度に基づいて霧の濃度を算出しているからである。
【0010】
本件開示の装置は、簡易な構成で、霧等による視認性への影響を示す情報を提供可能な警報装置および警報システム並びに警報方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一つの観点による警報装置は、光源を含む所定の範囲を撮像する撮像部によって得られる画像における前記光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求める算出部と、前記算出部によって求められた前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源が設置された地点における視認性が低下していると判断する判断部とを備える。
【0012】
また、別の観点による警報システムは、入力される画像に含まれる光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求める算出部と、前記算出部によって求められた前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源が設置された地点における視認性が低下していると判断する判断部とを含む警報装置と、前記光源と、前記光源を含む所定の範囲を撮像し、撮像によって得られた画像を前記警報装置に入力する撮像部と、前記判断部による判断結果に基づいて、前記光源の設置地点における視認性の低下を示す情報を提供する提供部とを備える。
【0013】
更に別の観点による警報方法は、光源を含む所定の範囲を撮像部によって撮像し、前記撮像部によって得られる画像における前記光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求め、前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源の設置地点における視認性が低下していると判断する。
【発明の効果】
【0014】
本件開示の技術によれば、簡易な構成で、霧等による視認性への影響を示す情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】警報装置の機能構成の一実施形態を示す図である。
【図2】霧の濃度と光幕部分の大きさとの関係を説明する図である。
【図3】警報方法を実現する処理の一例のフローチャートである。
【図4】警報装置のハードウェア構成の一実施形態を示す図である。
【図5】交通流監視システムと警報装置との連携を説明する図である。
【図6】カメラおよび光源の設置位置を説明する図である。
【図7】交通流監視システムと連携する処理のフローチャートである。
【図8】継続監視処理のフローチャートである。
【図9】交通流監視システムと警報装置との連携を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて、本件開示の警報装置および警報システム並びに警報方法の実施形態について詳細に説明する。
【0017】
図1に、警報装置の機能構成の一実施形態を示す。
【0018】
図1に示した警報装置10は、算出部12と、判断部13とを含んでいる。警報装置10の算出部12は、撮像部11によって撮像された画像を受け取る。この画像は、撮像部11によって、当該撮像部11と所定の距離を隔てて設置された光源1を含む所定の範囲を撮像して得られた画像である。
【0019】
この画像に基づいて、算出部12は、光源1の周囲に現れる光幕部分2の像の面積Sを算出する。判断部13は、算出部12によって得られた光幕部分2の面積Sと後述する所定の閾値Thで示される基準面積との比較結果に基づいて、光源1の設置地点における視認性が霧等によって悪化している状態であるか否かを判断する。
【0020】
判断部13による判断結果は、図1に示すように、提供部14を介して、例えば、道路を走行中の利用者に提供してもよい。図1に示した提供部14は、例えば、判断部13によって視認性が悪化している状態であると判断されたときに、その旨を示す霧警報を出力する。
【0021】
ここで、判断部13が、光幕部分2の面積に基づいて、霧によって視認性が悪化している状態であるか否かを判断する方法について説明する。
【0022】
図2に、霧の濃度と光幕部分の大きさとの関係を説明する図を示す。
【0023】
図2(A),(D)は、図1に示した光源1を撮像部11によって撮像した際に得られる画像において、光源1の像の中心を通る直線上の各画素の輝度を模式的に示す。図2(A)は、視程200mに相当する濃度の霧が発生しているときに得られた画像の輝度分布である。また、このときに撮像部11で得られた画像の模式図を図2(B)に示す。一方、図2(D)は、視程50mに相当する濃度の霧が発生しているときに得られた画像の輝度分布である。また、このときに撮像部11で得られた画像の模式図を図2(C)に示す。なお、図2(B),(C)において、符号1gは、光源1の像を示し、符号2gは、光幕部分2の像を示す。
【0024】
図2(A)と図2(D)を比較すると、図2(D)に示す輝度分布のピークの方が大きく広がっていることが分かる。このため、図2(B)に示す光幕部分2の像2gに比べて、図2(C)に示す光幕部分2の像2gは大きく広がっている。なお、図2(B)に示した光幕部分2の範囲は、図2(A)に示す輝度分布において、日中の周辺の照度に対応する輝度値Ldより輝度値が高い部分に相当する。同様に、図2(C)に示した光幕部分2の範囲は、図2(D)に示す輝度分布において、上述した輝度値Ldより輝度値が高い部分に相当する。
【0025】
撮像装置11によって得られる画像に現れる光幕部分2の大きさは、光源1の周囲の明るさに応じて変化する。つまり、周囲が暗くなると、霧の発生による光源1の光の散乱自体に変化がなくても、撮像装置11によって得られる画像に現れる光幕部分2の像2g大きさは大きくなる。例えば、図2(A)に示す輝度分布において、夜間の周辺の照度に対応する輝度値Lnよりも輝度値が高い範囲は、日中に視程50mに相当する霧が発生したときに撮像装置11で得られた画像に現れる光幕部分2の大きさと同等となる。つまり、視程200mに相当する霧が発生している環境で、同一の光源1を夜間に撮像して得られた画像には、日中に視程50mに相当する霧が発生したときに匹敵する大きさの光幕部分2の像2gが現れる。
【0026】
このことは、路上を車両で走行中の運転者から見ると、夜間に視程200mに相当する霧が発生している状態は、日中に視程50mに相当する霧が発生している状態と同程度に視認性への悪影響があることを示している。
【0027】
本件開示の警報装置および警報方法は、霧などの濃度あるいは視程の測定結果の代わりに、人間の視覚に捉えられる光幕部分2の大きさに基づいて、霧などの発生により視認性が悪化しているか否かを判断する。
【0028】
図3に、本件開示の警報方法を実現する処理の一例のフローチャートを示す。
【0029】
まず、図1に示した撮像部11は、光源1を含む所定の範囲を撮像する(ステップ301)。撮像部11による撮像倍率は、撮像部11と光源1との距離に基づいて適切に決定してもよい。
【0030】
次に、図1に示した算出部12は、撮像部11で得られた画像に含まれる光源1の像1gの周囲に現れる光幕部分2の像2gの面積を算出する(ステップ302)。算出部12は、例えば、画像の周辺部との輝度の差などに基づいて、光幕部分2の像2gの輪郭を求め、求めた輪郭で囲まれた面積を、光幕部分2の像2gの面積Sとして算出してもよい。
【0031】
次に、判断部13は、算出部12で算出された光幕部分2の像2gの面積Sと上述した閾値Thとの比較に基づいて、霧の発生によって視認性が悪化しているか否かを判断する(ステップ303)。例えば、判断部13は、日中に所定の視程に相当する霧が発生したときに画像に現れる光幕部分2の像2gの面積を示す閾値Thを基準として、霧によって視認性が悪化しているか否かを判断する。この基準となる面積は、例えば、日中に警戒が必要とされる視程となったときに現れる光幕部分の像2gの面積に基づいて決定してもよい。例えば、運転者に警戒を促すべき視程が視程50mである地点では、日中に視程50mに相当する霧が発生したときに撮像部11で得られた画像に現れる光幕部分2の像2gの面積を、判断部13で用いる閾値Thとしてもよい。この場合に、判断部13は、発生している霧の濃度にかかわらず、画像に現れる光幕部分2の像の面積Sが閾値Th以上であるときに、視認性が悪化していると判断する。
【0032】
図2に示した例に基づいて説明すると、夜間に視程200mに相当する霧が発生している状態で撮像された画像には、閾値Th以上の面積を持つ光幕部分2の像2gが現れる。このように、算出部12で得られた光幕部分2の像2gの面積Sが閾値Th以上となる場合に(ステップ303の肯定判定)、判断部13は、光源1の設置地点における視認性が悪化していると判断する。
【0033】
図1に示した提供部14は、ステップ303の肯定判定の場合に、光源1が設置された地点の周囲の視認性が悪化している旨の情報を運転者に提供する(ステップ304)。提供部14は、例えば、光源1の設置地点の周辺に配置された表示板などに、「霧、運転注意」などのメッセージを表示することにより、運転者に注意を促してもよい。一方、ステップ303の否定判定の場合に、提供部14は、警報などの表示を行わずに処理を終了する。
【0034】
警報装置10は、上述した処理を、例えば、所定の時間間隔で実行してもよい。これにより、霧の発生あるいは、周囲が暗くなったために、霧による視認性への影響が大きくなったときに、タイムリーに運転者に注意を促すことができる。
【0035】
上述したように、本件開示の警報装置10に含まれる判断部13は、画像において光幕部分2が占める面積と、所定の視程に対応する光幕部分の面積を示す閾値Thとの比較に基づいて、霧により視認性が悪化している状態であるか否かを判断する。このような面積の比較には、撮像部11と光源1との距離が維持されていれば十分である。したがって、従来の視程計を用いた視程の計測で必要とされるような厳密なアライメントや光量および受光感度の管理などは不要である。
【0036】
したがって、本件開示の警報装置および警報方法によれば、簡易な構成により、霧による視認性の悪化がある状態であるか否かを判断し、霧の発生などによる視認性への影響を、道路利用者などに提供することが可能である。
【0037】
例えば、警報装置10と、光源1と、撮像部11および提供部14をと含む警報システムによれば、この判断結果に基づいて、視認性が低下している旨の情報を、提供部14を介して提供し、運転者に注意を促すことができる。
【0038】
なお、判断部13において用いる閾値Thの値は、光源1の設置地点の路上において、日中に、運転者にとって警戒が必要となる視程に対応する光幕部分2の面積を示す値を設定することができる。また、設置地点付近の地形や交通量などに応じて、判断部13で用いる閾値Thの値として、調整された閾値Thを設定してもよい。例えば、設置地点がカーブの入り口付近である場合や交通量が他の地点より多い場合には、閾値Thをより長い視程に相当する霧が発生したときの光幕部分2の面積となるように小さく設定してもよい。
【0039】
このような閾値Thを判断部13による判断に用いることにより、それぞれの地点において適切な基準を用いて、霧の発生による運転者への影響を判断することができる。
【0040】
本件開示の警報装置は、コンピュータ装置を用いて実現することができる。
【0041】
図4に、警報装置の機能ブロック図を示す。図4に示した警報装置は、プロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)23と、表示制御部24と、表示装置25と、入力装置26とを含む。更に、コンピュータ装置は、画像入力装置27と、光学ドライブ装置28と、通信制御部29を含む。なお、図4に示した表示装置25は、例えば、道路脇などに設置された表示板であり、提供部14の一例である。また、図4に示した画像入力装置27は、例えば、ビデオカメラであり、図1に示した撮像部11の一例である。
【0042】
プロセッサ21と、メモリ22と、HDD23と、表示制御部24と、入力装置26と、画像入力装置27と、光学ドライブ装置28と、通信制御部29とは、バスを介して接続される。また、通信制御部29は、ネットワーク30に接続される。
【0043】
HDD23には、オペレーティングシステムおよび上述した警報方法を実現する処理を実行するためのアプリケーションプログラムが格納されている。アプリケーションプログラムは、本件開示の警報方法に含まれる各処理を実行するためのプログラムを含む。なお、上述した警報方法を実現する処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、例えば、コンピュータ読取可能なリムーバブルディスク31に記録して頒布することができる。そして、このリムーバブルディスク31を光学ドライブ装置28に装着して読み込み処理を行うことにより、上述した警報方法を実現する処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、HDD23にインストールされる。また、インターネットなどのネットワーク30と通信制御部29を介して、上述した警報方法を実現する処理を実行するためのアプリケーションプログラムをHDD23にインストールすることもできる。
【0044】
図4に例示した警報装置10は、上述したプロセッサ21、メモリ22などのハードウェアと、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上述した各種機能を実現する。
【0045】
また、図1に示した算出部12の機能は、プロセッサ21が図3に示したステップ302の処理のためのプログラムを実行することによって実現してもよい。また、判断部13の機能は、プロセッサ21が図3に示したステップ303の処理のためのプログラムを実行することによって実現してもよい。同様に、図1に示した撮像部11は、プロセッサ21がビデオカメラなどの画像入力装置27と協働することによって実現してもよい。また、図1に示した提供部14は、プロセッサ21が表示制御部24および画像入力装置27と協働することによって実現してもよい。また、図1に示した各部の処理過程で生成される情報は、メモリ22あるいはHDD23などに格納される。
【0046】
次に、本件開示の警報装置と交通流監視システムなどの既存のシステムとを連携させる方法について説明する。
【0047】
図5に、交通流監視システムと警報装置との連携を説明する図を示す。
【0048】
図5に示した交通流監視システム40は、上位サーバ装置41と、n台の情報提供端末42−1〜42−nと、m台の広域表示板43−1〜43−mと、少なくともk台のカメラ45−1〜45−kとを有する。これらのカメラ45−1〜45−kの撮影方向は、対応して設けられた切り替え制御部44−1〜44−kによって切り替えが可能である。
【0049】
図5に示した警報装置10−1〜10−kは、上述したカメラ45−1〜45−kをそれぞれ含んでいる。また、各警報装置10−1〜10−kに含まれる霧警報表示板33は、図1に示した提供部14の別例である。また、図5に示した警報装置10−1〜10−kに含まれる警報制御部32は、例えば、図4に示したプロセッサ21、メモリ22、HDD23,表示制御部24、入力装置26、光学ドライブ28および通信制御部29を含む。
【0050】
つまり、図5に示した各警報装置10−1〜10−kは、図4に示した表示装置25として霧警報表示板33を含み、また、画像入力装置27として交通流監視システム40のカメラ45−1〜45−kをそれぞれ含む。また、図5に示した光源1−1〜1−kは、対応する警報装置10−1〜10−kに含まれるカメラ45−1〜45−kからそれぞれ所定の距離を隔てて設置されている。
【0051】
図6に、カメラおよび光源の設置位置を説明する図を示す。図6において、警報装置10−jと交通流監視システム40とで共用されるカメラを符号45−jで示した。また、図6に符号45で示したカメラは、交通流監視システムに属するカメラであり、例えば、各車線を走行する車両を撮影するように、各車線の上方に設置されている。
【0052】
図6の例では、片側3車線の道路の各車線の上方に設置された3台のカメラ45のうち、最も路側帯に近いカメラ45を、警報装置10−jと共用するカメラ45−jとして利用する例である。
【0053】
図6に示したカメラ45−jも、交通流監視システム40に属する監視カメラとして動作する場合は、対応する車線を走行する車両の撮影に適した撮影方向に向けられている。そして、警報装置10−jに対応する光源1−jは、例えば、図6に示すように、カメラ45−jに対応する車線の方向とは異なる方向にカメラ45−jを向けたときに,カメラ45−jの視野に入るように、カメラ45−jと所定の距離Dを隔てて設置される。この光源1−jは、光源1−jを点灯させたときの光が、カメラ45−jに対応する車線を走行中の車両の運転者に影響を与えないように設置することが望ましい。なお、図6は、カメラ45−jを光源1−jに向けたときの撮影方向とカメラ45−jに対応する車線の方向とがほぼ直交するように光源1−jを設置した例である。
【0054】
また、カメラ45−jは、雲台46−j上に設置されている。そして、切り替え制御部44−jがこの雲台46−jを制御することにより、カメラ45−jの撮影方向を、例えば、対応する車線を走行する車両の撮影に適した撮影方向と光源1−jを視野に収める撮影方向を含めて自在に切り替えることができる。なお、他のカメラ45も、同様の雲台上に設置されており、交通流監視のために様々な撮影方向に各カメラを向ける制御に用いられている。このように、交通流監視システム40は、警報装置10−1〜10−kに含まれるカメラ45−1〜45−kを含めて、個々のカメラ45の撮影方向を制御することにより、各カメラ45を用いて、予め設定された複数の地点を撮影するための仕組みを持っている。そして、この仕組みを利用して、警報装置10−1〜10−kに含まれるカメラ45−1〜45−kを、対応する光源1−1〜1−kに向けることが可能である。
【0055】
例えば、カメラ45−1〜45−kを対応する光源1−1〜1−kに向けるために必要な設定情報は、図5に示した切り替え制御部44−1〜44−kに予め記憶させておくことができる。そして、各警報装置10−1〜10−kの警報制御部32が、例えば、所定の監視間隔Tdごとに、上位サーバ装置41に対して上述した設定情報に基づく撮影方向の切り替え制御を依頼してもよい。
【0056】
既存の交通量監視システムは、高速道路などの交通量を監視するために、高速道路のインターチェンジ付近など多数の箇所に、図6に示したように、各車線に対応して設置されたカメラ45を含んでいる。これらのカメラの一部を霧による視認性の低下を監視するために利用することにより、本件開示の警報システムを安価に構築することが可能である。また、交通流監視システムに属するカメラ45は、例えば、高い密度で設置されている区間では、2km間隔などで設置されており、しかも、高速道路などの全線にわたって広く設置されている。したがって、交通流監視システムに属するカメラ45を利用することにより、設置場所についての制限も解消することができる。
【0057】
更に、交通流監視システム40に含まれる情報を収集する仕組みや、収集した情報緒利用者に提供する仕組みを利用して、警報システムで得られた情報を、より広範囲の利用者に提供することもできる。例えば、図5に示した情報提供端末42や広域表示板43を、警報システムの提供部14の情報提供部として利用してもよい。この場合は、上位サーバ装置41が情報提供端末42や広域表示板43を介して所望の情報を提供する機能は、各警報装置10からの情報から情報提供部で提供可能なメッセージを生成する生成部の一例となる。
【0058】
図7に、交通流監視システムと連携する霧警報処理のフローチャートの例を示す。また、図9に、交通流監視システムと警報装置との連携を説明するシーケンス図を示す。なお、図7に示す各手順のうち、図3に示した手順と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。また、以下の説明では、各警報装置10−1〜10−kについて同様の処理を説明する際には、単に警報装置10と総称する。同様に、各警報装置10−1〜10−kに含まれるカメラ45−1〜45−kおよび光源1−1〜1−kについても、これらを総称する際には、それぞれカメラ45および光源1と称する。
【0059】
図5に示した警報制御部32は、内蔵する時計が、予め設定された監視時刻になったことを示したときに、図7に示したステップ311で、上位サーバ装置41および切り替え制御部44と協働することにより、対応するカメラ45の撮影方向を切り替える。例えば、警報制御部32は、図4に示した通信制御部29およびネットワーク30を介して、上位サーバ装置41に撮影方向の切り替えを依頼するメッセージを送出してもよい。そして、このメッセージに応答して、上位サーバ装置41は、例えば、切り替え制御部44に対して、カメラ45を光源1に向けるための設定情報に基づく制御を行う旨の指示を送出してもよい。この指示に応じて、切り替え制御部44が、指示で指定された設定情報に従ってカメラ45の向きを制御することにより、カメラ45を、警報装置10の撮像部11として利用する準備を整えることができる。
【0060】
図9に、警報制御部32が上位サーバ装置41に対して送出したメッセージを符号M1で示す。また、図9に示した符号C1は、上位サーバ装置41から切り替え制御部44に送出された指示を示す。この指示C1に応じて、切り替え制御部44は、カメラ45の撮影方向の切り替え処理P5を実行する。これにより、カメラ45は光源1が設置された方向に向けられるので、カメラ45により、光源1を含む所定の範囲の撮像が可能となる。
【0061】
なお、図9に符号P1で示すように、警報制御部32からメッセージM1が送出される以前は、カメラ45により、交通流監視のための画像取得が行われている。また、図9に符号P2で示すように、上位サーバ装置41は、カメラ45から受け取った画像G1に基づいて交通流情報を作成し、作成した交通流情報を情報提供端末42および広域表示板43に送出する。図9に示した符号P3,P4は、それぞれ情報提供端末42および広域表示板43による交通流情報の提供処理および交通流情報の表示処理を示している。
【0062】
上述したようにして、カメラ45が光源1に向けられた後に、このカメラ45は、光源1を含む所定の範囲を撮像する(ステップ301、図9の符号P6)。このとき、カメラ45は、図9に示すように、撮像処理で取得した画像G2を、上位サーバ装置41ではなく警報制御部32に送る。警報制御部32は、カメラ45から受け取った画像G2に基づいて、図3のステップ302と同様にして、光幕部分2の像2gの面積Sを算出する。
【0063】
次に、警報制御部32は、まず、霧による視認性の低下が検出されている状態であるか否かを判定する(ステップ312)。警報制御部32は、例えば、内部に設けた霧検出フラグに基づいて、このステップ312の判定を行ってもよい。この霧検出フラグへの情報の設定については後述する。
【0064】
例えば、霧検出フラグに霧による視認性の低下が検出されている旨の情報が設定されていない場合に(ステップ312の否定判定)、警報制御部32は、ステップ303の処理に進む。
【0065】
算出された光幕部分2の像2gの面積Sが所定の閾値Th以上である場合に(ステップ303の肯定判定)、警報制御部32は、ステップ313の処理に進む。ステップ313で、警報制御部32は、霧検出中フラグに霧による視認性の低下が検出されている状態である旨の情報を設定するとともに、視認性の低下が検出されている状態の継続時間を計測する動作を開始する。警報制御部32は、例えば、ステップ313において、内部のタイマを起動して、継続時間の計測に利用してもよい。次いで、警報制御部32は、次に、霧によって視認性が低下しているか否かを監視するまでの時間を、通常の監視間隔Tdから所定の時間だけ短縮する(ステップ314)。警報制御部32は、ステップ313,314の処理の終了後に、ステップ315の処理に進む。
【0066】
一方、算出された光幕部分2の像2gの面積Sが所定の閾値Th未満である場合に(ステップ303の否定判定)、警報制御部32は、そのままステップ315の処理に進む。
【0067】
ステップ315で、警報制御部32は、上述したステップ311と同様に、上位サーバ装置41および切り替え制御部44と協働して、カメラ45の撮影方向を切り替える。このとき、警報制御部32は、例えば、上位サーバ装置41に、カメラ45の撮影方向を交通流監視画像の取得に適した撮影方向への切り替えを依頼するメッセージM2を送出してもよい。そして、このメッセージM2に応答して、上位サーバ装置41は、例えば、切り替え制御部44に対して、カメラ45を対応する車線方向に向けるための設定情報に基づく制御を行う旨の指示C2を送出してもよい。この指示に応じて、切り替え制御部44が、指示で指定された設定情報に従ってカメラ45の向きを制御することにより、カメラ45を、交通流監視システムで利用する準備を整えることができる。
【0068】
図9に示した符号P8は、上述したメッセージM2に応答する上位サーバ装置41からの指示C2に応じて、切り替え制御部44が行うカメラ方向の切り替え処理を示す。そして、この切り替え処理の完了に伴って、カメラ45は、交通流監視画像の取得(P1)を行う。そして、取得された画像G1に基づいて、以降は、交通流監視システムは、通常の交通流監視処理を実行する。なお、図9において、符号P7は、図7に示したステップ302とステップ312の肯定判定ルートに含まれる各処理およびステップ312の否定判定ルートに含まれる各処理を含む警報判断処理を示す。
【0069】
その後、警報制御部32は、次回の監視時刻を設定して(ステップ316)、一旦処理を終了する。上述したように、ステップ303の肯定判定ルートでステップ314を実行した場合に、警報制御部32は、現在の時刻から短縮された監視間隔Td’が経過した時刻を、次の監視時刻として設定する。一方、ステップ303の否定判定ルートを辿ってステップ316を実行する場合に、警報制御部32は、現在時刻から予め決定された監視間隔Tdが経過した時刻を次回の監視時刻として設定する。
【0070】
次に、上述したステップ303で、警報制御部32が、霧による視認性の悪化を検出した後の処理について説明する。この場合に、警報制御部32は、図9に符号T1で示す前回の監視時刻から、短縮された監視間隔Td’が経過した監視時刻T2に、再び、図7に示したステップ311で、上位サーバ装置41および切り替え制御部44と協働することにより、対応するカメラ45の撮影方向を切り替える。次いで、カメラ45は、光源1を含む所定の範囲を撮像し(ステップ301、図9の符号P6)、この撮像処理で取得した画像G2に基づいて、警報制御部32は、光幕部分2の像2gの面積Sを算出する(ステップ302)。
【0071】
この場合に、霧検出フラグには霧による視認性の悪化を検出した旨の情報が設定されているので、警報制御部32は、ステップ312の肯定判定として、ステップ317の継続監視処理に進む。
【0072】
図8に、継続監視処理のフローチャートを示す。図8に示したフローチャートは、図7に示したステップ317の処理の一例である。
【0073】
警報制御部32は、ステップ302で算出した光幕部分2の像2gの面積Sと閾値Thとを比較して、霧によって視認性が低下している状態が継続しているか否かを判定する(ステップ317−1)。
【0074】
面積Sが閾値Th以上である場合に(ステップ317−1の肯定判定)、警報制御部32は、霧によって視認性が低下している状態が継続していると判断する。そして、警報制御部32は、継続時間CTに短縮された監視間隔Td’を加算する(ステップ317−2)。そして、警報制御部32は、霧による視認性が低下している状態が中断されている時間を示す中断時間BTをクリアする(ステップ317−3)。
【0075】
一方、面積Sが閾値Th未満である場合に(ステップ317−1の否定判定)、警報制御部32は、霧によって視認性が低下している状態が中断されたと判断する。この場合に、警報制御部32は、上述した継続時間CTをクリアする(ステップ317−4)。そして、警報制御部32は、霧による視認性が低下している状態が中断された時間を示す中断時間BTに短縮された監視間隔Td’を加算する(ステップ317−5)。
【0076】
図8に示したような処理を実行することにより、警報制御部32は、霧によって視認性が低下している状態が継続している場合にその時間を示す継続時間CTを得ることができる。一方、霧によって視認性が低下している状態が検出された後、視認性の低下が解消した状態が継続している場合に、警報制御部32は、解消した状態が継続している時間を示す中断時間BTを得ることができる。
【0077】
ステップ317の継続監視処理で得られた結果に基づいて、警報制御部32は、まず、ステップ318で、霧警報の発令するか否かを判定する。
【0078】
警報制御部32は、例えば、上述した継続時間CTが所定の閾値Thcを超えたときに、霧警報の発令条件を満たすと判断してもよい(ステップ318の肯定判定)。継続時間CTと比較される閾値Thcは、光源1の周辺の一時的な変化によって霧警報が安易に発令されないように、例えば、短縮された監視間隔Td’の数倍の時間としてもよい。
【0079】
ステップ318の肯定判定の場合に、警報制御部32は、霧情報表示板32および上位サーバ装置41と協働して、霧警報を出力する(ステップ319)。例えば、警報制御部32は、図9に符号M3,M4で示すように、霧情報表示板32および上位サーバ装置41に対して、霧警報が発令された旨のメッセージM3、M4を送出し、霧警報に関する表示を依頼してもよい。図9に示したメッセージM3に応じて、霧情報表示板32が、霧警報の表示(P9)を実行することにより、光源1の設置地点付近の運転者に霧による視認性の低下を知らせ、注意を促すことができる。
【0080】
ステップ319で霧警報を出力した後に、警報制御部32は、ステップ315の処理に進み、カメラ45の撮影方向を交通流監視システムのための監視に適した方向に切り替える。その後、警報制御部32は、ステップ316で、次回の監視時刻を設定して、処理を一旦終了する。このとき、警報制御部32は、次回の監視時刻を、短縮された監視間隔Td’を用いて決定してもよいし、更に別の監視間隔を用いて決定してもよい。
【0081】
また、図9に示したメッセージM4に応じて、上位サーバ装置41は、霧警報情報の作成処理(P10)を実行する。上位サーバ装置41は、図5に示した警報装置10−1〜10−kから受け取ったメッセージに基づいて、視認性の低下が検出されている地域などを示す情報を生成する。例えば、上位サーバ装置41は、霧警報が発令された旨のメッセージを発信した警報装置10の分布範囲に基づいて、霧によって視認性が低下している範囲を特定することができる。そして、上位サーバ装置41は、この範囲に進入する方向に走行している運転者に向けて注意を促す霧警報情報を作成してもよい。このように、上位サーバ装置41が各警報装置10からのメッセージに基づいて霧警報情報を作成することにより、本件開示の警報システムに含まれる生成部の機能を実現することができる。
【0082】
また、上位サーバ装置41は、作成した霧警報情報を、特定した範囲に進入する手前に設置された広域表示板43に表示させてもよい。また、上位サーバ装置41は、上述した霧警報情報をサービスエリアに設定された情報提供端末42を介して利用者に提供することもできる。なお、図9に示した符号P11,P12は、それぞれ情報提供端末42および広域表示板43が、上位サーバ装置41で作成された霧警報情報を受け取って、この霧警報情報を利用者に提供する処理を行うことを示している。このように、交通流監視システムと連携する構成では、情報提供端末42および広域表示板43を、本件開示の警報システムの情報提供部として利用することができる。
【0083】
一方、上述した継続時間CTが所定の閾値Thc以下である場合に(ステップ318の否定判定)、警報制御部32は、霧警報の発令条件は満たされないと判断する。この場合に、警報制御部32は、ステップ320の処理に進み、霧警報を解除する条件が満たされたか否かを判定する。
【0084】
ステップ320で、警報制御部32は、中断時間BTが別の所定の閾値Thbを超えたときに、霧警報の解除条件を満たすと判断してもよい(ステップ320の肯定判定)。中断時間BTと比較される閾値Thbは、光源1の周辺の一時的な変化によって霧警報が安易に解除されないように、例えば、短縮された監視間隔Td’の数倍の時間としてもよい。
【0085】
ステップ320の肯定判定の場合に、警報制御部32は、霧情報表示板32および上位サーバ装置41と協働して、霧警報を解除するとともに、新たな霧の発生を監視する処理に移行するための処理を行う(ステップ321)。例えば、警報制御部32は、上述した霧警報発令処理と同様に、霧情報表示板32および上位サーバ装置41に対して、霧警報が解除された旨のメッセージを送出し、霧警報に関する表示の解除を依頼してもよい。このメッセージに応じて、霧情報表示板32が、霧警報の表示を解除することにより、光源1の設置地点付近の運転者に霧による視認性の低下が解消したことを知らせることができる。また、ステップ321において、警報制御部32は、監視間隔を元の監視間隔Tdに戻すとともに、霧検出中フラグをクリアする。その後、警報制御部32は、ステップ315,316の処理に進み、撮影方向の切り替えおよび次回の監視時刻を設定して処理を終了する。なお、ステップ321において、監視間隔は元の監視間隔Tdに戻されているので、警報制御部32がステップ316の処理で設定する次回の監視時刻は、現在時刻に監視間隔Tdを加算した時刻となる。
【0086】
また、上述したステップ321で警報制御部32から上位サーバ装置41に送られたメッセージは、他の地点に設置された警報装置からのメッセージとともに、上位サーバ装置41に集積される。そして、上位サーバ装置41は、各警報装置10−1〜10−kから集積したメッセージに基づいて、図9に符号P10で示した処理について説明したようにして、広域的な霧警報情報を作成する処理を行う。
【0087】
一方、ステップ320の否定判定の場合に、警報制御部32は、継続した監視が必要であると判断する。この場合に、警報制御部32は、そのままステップ315およびステップ316の処理に進み、撮影方向の切り替えおよび次回の監視時刻を設定して処理を終了する。この場合に、警報制御部32がステップ316の処理で設定する次回の監視時刻は、現在時刻に短縮された監視間隔Td’を加算した時刻となる。
【0088】
図7、図8に例示したフローチャートによれば、霧によって視認性が低下している状態あるいは視認性の低下が解消している状態の検出に応じて警報を発令/解除する処理について、ヒステリシスを持った制御を行うことができる。このような制御を適用することにより、光源1の周辺の環境が一時的に変動した場合などに、霧警報の安易な発令や解除を避けることができる。また、一旦、霧による視認性の低下を検出した後に、警報制御部32が、監視間隔を短縮して監視を継続することにより、視認性が低下している状態の継続を迅速に判断し、早期に霧警報を発令することができる。
【0089】
なお、本件開示の警報装置および警報システム並びに警報方法は、霧による視認性の低下に限られず、例えば、靄や霞、降雨や吹雪など様々な気象現象による視認性の低下の判断に適用できる。したがって、本件開示の警報装置および警報システム並びに警報方法は、以上に説明した道路交通システムに限らず、例えば、港湾や空港などの施設やスキー場などにおいて、利用者や作業者に視認性の低下に関する情報を提供する用途などにも利用することができる。更に、本件開示の警報装置および警報システム並びに警報方法は、およそ光源1の周囲に光幕部分2を生じさせる事象であれば、火山噴火による火山灰や排気ガス中の微粒子および粉塵などが空気中に拡散している現象にも適用が可能である。
【0090】
以上の説明に関して、更に、以下の各項を開示する。
(付記1) 所定の光源を含む所定の範囲を撮像する撮像部によって得られる画像における前記光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求める算出部と、
前記算出部によって求められた前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源が設置された地点における視認性が低下していると判断する判断部と、
を備えたことを特徴とする警報装置。
(付記2) 付記1に記載の警報装置において、
前記所定の閾値は、前記地点において視程の良否を判断する基準となる環境で前記撮像部によって撮像される光幕部分の面積に基づいて予め決定される
ことを特徴とする警報装置。
(付記3) 入力される画像に含まれる光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求める算出部と、
前記算出部によって求められた前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源が設置された地点における視認性が低下していると判断する判断部と
を含む警報装置と、
前記光源と、
前記光源を含む所定の範囲を撮像し、撮像によって得られた画像を前記警報装置に入力する撮像部と、
前記判断部による判断結果に基づいて、前記光源の設置地点における視認性の低下を示す情報を提供する提供部と
を備えたことを特徴とする警報システム。
(付記4) 付記3に記載の警報システムにおいて、
前記撮像部は、
既存の監視システムに含まれる複数のカメラの少なくとも一つと、
前記少なくとも一つのカメラの撮影方向を前記光源に向ける切り替え制御部とを有する
ことを特徴とする警報システム。
(付記5) 付記3に記載の警報システムにおいて、
前記提供部は、
既存の情報提供システムに含まれる情報提供部と、
前記判断部による判断結果に基づいて、前記情報提供部によって提供可能なメッセージを生成する生成部とを有する
ことを特徴とする警報システム。
(付記6) 光源を含む所定の範囲を撮像部によって撮像し、
前記撮像部によって得られる画像における前記光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求め、
前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源の設置地点における視認性が低下していると判断する
ことを特徴とする警報方法。
【符号の説明】
【0091】
1…光源;2…光幕部分;10,10−1〜10−k…警報装置;11…撮像部;12…算出部;13…判断部;14…提供部;21…プロセッサ;22…メモリ;23…ハードディスク装置(HDD);24…表示制御部;25…表示装置;26…入力装置;27…画像入力装置;28…光学ドライブ装置;29…通信制御部;30…ネットワーク;31…リムーバブルディスク;32…警報制御部;33…霧警報表示板;40…交通流監視システム;41…上位サーバ装置;42−1〜42−n…情報提供端末;43−1〜43−m…広域表示板;44…切り替え制御部;45,45−1〜45−k…カメラ;46―j…雲台



【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を含む所定の範囲を撮像する撮像部によって得られる画像における前記光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求める算出部と、
前記算出部によって求められた前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源が設置された地点における視認性が低下していると判断する判断部と、
を備えたことを特徴とする警報装置。
【請求項2】
請求項1に記載の警報装置において、
前記所定の閾値は、前記地点において視程の良否を判断する基準となる環境で前記撮像部によって撮像される光幕部分の面積に基づいて予め決定される
ことを特徴とする警報装置。
【請求項3】
入力される画像に含まれる光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求める算出部と、
前記算出部によって求められた前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源が設置された地点における視認性が低下していると判断する判断部と
を含む警報装置と、
前記光源と、
前記光源を含む所定の範囲を撮像し、撮像によって得られた画像を前記警報装置に入力する撮像部と、
前記判断部による判断結果に基づいて、前記光源の設置地点における視認性の低下を示す情報を提供する提供部と
を備えたことを特徴とする警報システム。
【請求項4】
請求項4に記載の警報システムにおいて、
前記撮像部は、
既存の監視システムに含まれる複数のカメラの少なくとも一つと、
前記少なくとも一つのカメラの撮影方向を前記光源に向ける切り替え制御部とを有する
ことを特徴とする警報システム。
【請求項5】
光源を含む所定の範囲を撮像部によって撮像し、
前記撮像部によって得られる画像における前記光源の像を取り巻く光幕部分の面積を求め、
前記光幕部分の面積が所定の閾値を超えたときに、前記光源の設置地点における視認性が低下していると判断する
ことを特徴とする警報方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−208751(P2012−208751A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74182(P2011−74182)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】