説明

警報装置

セキュリティ装置10は、防護対象物を囲むための導電性の締付け部材100と、締付け部材に接続されたロック部材200とを備え、ロック部材が第1平面内に延在し、第1平面から隆起する突出プロファイル292を含む歯車部材290と、第1平面と平行な第2平面内に延在し、歯車部材に対して回転自在であり、かつ歯車部材と係合するように配設された第1平面に向かって偏倚するラッチ部材231、232を含む操作部材220であって、操作部材が一方向に回転するとループが縮小される一方、反対方向の回転がループの拡張をもたらすように構成された操作部材を含む。ロック位置で締付け部材を引っ張ると、可動要素245、246が弾性要素247、248に向かって移動して、弾性要素を変形させ、それによってセキュリティ装置の警報回路が遮断され、警報信号が作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセキュリティ装置の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、警報装置の一部分に力が加えられたときに警報を作動させる警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンテナ内部の物品を防護するための多数のセキュリティ装置が市場に存在する。その中にはRFID(無線周波数識別)をベースとし、泥棒がコンテナを持って店舗から立ち去るのを防止するものがある一方、コンテナを囲み、こうしてコンテナを開けてその中の物品を持ち出すことを防止するセキュリティ装置もある。
【0003】
後者の装置の一例が米国特許第5,722,266号に挙げられている。
【0004】
米国特許第5,722,266号は、箱または類似物の6面全部を取り囲んでロックする複数のワイヤまたはケーブルを含むセキュリティ装置を開示している。ケーブルは、複数の歯を持つ歯車および歯と係合する一方向爪を含むラチェット部材と、基部にスナップ嵌合するファスナを含み、ロックを解除するにはロック解除具を必要とする、ラチェット部材から離れているロック部材との間に延びる。装置は防護すべき物品の様々なサイズの周りに緊締されるように調節可能である。しかし、装置は構造および操作の観点から複雑である。
【0005】
米国特許第5,722,266号のセキュリティ装置の1つの改善として、本特許出願と同一出願人の公開された欧州特許出願第1870547号に記載されているセキュリティラッパ(security wrapper)がある。欧州特許第1870547号のセキュリティラッパは本質的に、回転自在のロック部材と、防護対象物の周りに配置することのできるワイヤの形の保持部材とを備え、よってロック部材は回転により対象物の周囲でワイヤループを緊締するように構成される。回転自在のロック部材のロックは第1および第2主要部分によって達成され、よって歯車部材のラッチ部材は、第2ラッチ部材に配置された歯に固定されるように構成される。こうして防護されたコンテナは、磁気引力によって第2部分の歯からラッチ部材を上昇させる離脱装置によってのみ開けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
市場に出ている現在の技術に対する改善において、セキュリティ装置に外力が加えられた場合に備えて、セキュリティ装置の信頼性をさらに改善することが依然として望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、防護対象物を囲むための締付け部材であって導電性部材を含む締付け部材と、ロック部材および締付け部材がループを形成するように締付け部材に接続されたロック部材であって、ロック部材が歯車部材を含み、歯車部材が突出プロファイルを含み、歯車部材が第1面内に延在し、突出プロファイルが第1面から隆起してなるロック部材と、さらに第1面と平行な第2面内に延在する操作部材であって、操作部材が歯車部材に対して回転自在であり、かつ第1面に向かって偏倚し歯車リングと係合するように構成されたラッチ部材を含み、操作部材の一方向の回転がループの縮小をもたらす一方、ループの拡大を引き起こす反対方向の回転がラッチ部材と突出プロファイルとの係合を介して防止されるように構成された操作部材とを備えたセキュリティ装置がさらに、操作部材の回転がドラムの回転を引き起こしそれによってループの幅の調節が行なわれるように、締付け部材を巻き上げるためのドラムを備え、締付け部材およびロック部材がさらに警報回路の1部分を形成し、それによってロック部材がさらに、警報回路に電気的に接続されかつ弾性要素に隣接配置されたた可動要素を含み、ロック部材が突出プロファイルの要素の1つにロックされた状態で締付け部材に外部引張り力が加えられると、可動要素が弾性要素に向かって移動し、弾性要素が変形し、それによって警報回路が遮断され、警報信号が作動するように構成されたセキュリティ装置を備えたセキュリティ装置によって、この問題を解決する。
【0008】
そのようなセキュリティ装置の利点は、対象物を防護している締付け部材をセキュリティ装置から外に引き出すための引張り力の使用に対するセキュリティの向上に存する。また中程度の引張り力の使用は警報を作動させる。
【0009】
しかし、締付け部材を偶発的に引張っても警報は生じず、したがって誤報が防止される。
【0010】
これらおよびその他の利点は、以下の詳細な説明を検討することからより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るセキュリティ装置の実施形態の側面斜視図を示す。
【図2】本発明に係るロック部材の実施形態の分解組立斜視図を示す。
【図3】図1のロック部材の異なる角度からの分解組立斜視図を示す。
【図4】警報が作動していない状態の本発明に係るロック部材の1部分を示す。
【図5】警報が作動している状態の図3のロック部材の1部分を示す。
【図6】警報が作動していない状態の本発明に係るセキュリティ装置の下から見た断面図を示す。
【図7】警報が作動している状態の図5のセキュリティ装置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本特許出願は、先行する欧州特許出願第1870547号に基づく。したがって、欧州特許第1870547号の図と同一の下述する図中の要素については、説明の読み易さを高めるために詳述しない。
【0013】
図1は、締付け部材100、ロック部材200、および支持部材300を備えたセキュリティ装置10の側面斜視図を示す。締付け部材100はロック部材200および支持部材300の両方に固定され、防護されるべき対象物をその中に運び入れることのできるループを形成する。防護対象物の周りのループの幅は、対象物の寸法に適合させ、かつ対象物を緊密に囲むために、ロック部材200を回転させることによって調節することができる。これがいかに達成されるかの詳細は後で説明する。
【0014】
図2は、セキュリティ装置10の1実施形態の第1角度からの分解組立斜視図を示す。
【0015】
この図に示す通り、締付け部材100は、拡大ケーブル端112、114、および122、124を含み、それを介してケーブルがロック部材200に取り付けられる、1つ以上のケーブル110、120を含むことができる。ケーブル110、120はロック部材200と共に電気警報回路を形成するように構成され、それについては後述する。図1〜4の締付け部材100は2つのケーブルを含むが、必要に応じて、単一のケーブルまたは3つ以上のケーブルを含むこともできることは理解できる。
【0016】
図1に示す通り、ロック部材200は第1面内に延びる本質的に環状の歯車部材290を含み、環状歯車部材290の少なくとも1部分は、第1面から突出する環状突出プロファイル291を含む。図1の実施形態では、この突出プロファイルは、歯車部材290の1部分を被覆する鋸歯状プロファイルとして示されている。加えて、歯車部材290はその周縁に、底部295の突出要素内にスナップ嵌合することのできる凹所を含む。
【0017】
さらに、ロック部材200は、歯車部材290に対して回転自在でありかつ第1面と平行な第2面内に配置された、本質的に円形の操作部材220をさらに含む。操作部材220はまた、ケーブル端112、114、および122、124によって防護対象物の周りに形成されるループを調節するときに、歯車部材290に対する操作部材220の回転を容易にするために、ロック部材200から垂直に突出する把持部分222をも含む。
【0018】
さらに、操作部材220は、図2に示す通り、全てロック部材220の把持部222とは反対側に配置された、ラッチ部材231、232、T字状可動要素245、246、および弾性要素247、248を含む。
【0019】
図示した実施形態では、ラッチ部材231、232は、突出プロファイル291の曲率半径と本質的に等しい曲率半径で湾曲する。ラッチ部材231、232は両方とも第2面内で間隔を置いて配置され、第2面から第1面の突出プロファイル292に向かって傾斜する。この方法で、ラッチ部材231、232は、操作部材220が歯車部材290に対して一方向に回転したときに突出プロファイル292の歯の上を滑動し、かつ反対方向に回転したときに突出プロファイル292の歯に係止されるように適応される。さらに、ラッチ部材は、磁気引力によって突出プロファイル292から上昇させることができるようにするために、金属可撓性材料から作られる。この方法で、セキュリティ装置10は、ロック部材200の上に配置しそれによってラッチ部材231、232を突出プロファイル292の歯から分離させることのできる、いわゆる磁気デタッチャ(図示せず)を用いて、対象物からロック解除しかつ離脱させることができる。そのようなデタッチャは欧州出願第1870547号からすでに公知である。
【0020】
他方、T字形可動要素245、246および弾性要素247、248は第2部分210の曲率に追従し、この実施形態では、操作部材220の下面から突出する湾曲溝241、242内に配設される。また、T字形可動要素245、246は弾性要素247、248と接触する。
【0021】
加えて、操作部材210は、作動部材280からの作動突起288、289をその中に受容するように適応された空間243、244を備える。これは図5により明瞭に示される。溝241、242の内面には金属接点249、250が配設され、図5に示すような方法でデフォルト位置でT字形可動要素245、246に電気的に接続される。また、T字形可動要素245、246は、警報の非作動状態で金属接点249、250と電気的に接触し、したがって警報回路の一部をも構成する、導電性のコーティングまたは部分(図示せず)を含む。
【0022】
加えて、ロック部材200は、締付け部材100のケーブル110、120が巻き付けられ得る周面261を持つドラム260を含む。ドラム260の周面261にはアパーチャ262、263があり、そこを通してケーブル110、120はドラム260の内部に導かれる。ドラムの内部には、ケーブル端112、122、114、124をドラム260の底面に配置される金属製の接点板224に接続するステーブル(stable)264、265が配置される。接点板224およびステーブル264、265を介して、締付け部材100のケーブル110、120は警報回路を形成する。加えて、警報回路はドラム260の内部に収容されたコンデンサ228を含み、警報回路が遮断した場合に放電して、サウンドチャンバ270の膜に警報音を発生させる。サウンドチャンバ270はまた、サウンドチャンバ270の膜のためのガイドリング226をも含む。
【0023】
また、ドラム260は、作動部材280をその中に受容するための穴266、267を含む。
【0024】
図2〜7の実施形態における作動部材280は形状が本質的に円形であり、作動部材280の片面から突出しかつドラム260の穴266、267内に嵌合するように適合された脚283、284を含む。さらに、作動部材280は、作動部材280の脚283、284とは反対側の面から突出しかつ操作要素220の溝241、242の空間243、244内に嵌合するように適合された作動要素288、289を含む。
【0025】
したがって、作動部材280は、作動要素288、289を空間243、24内に挿入し、かつ脚283、284をドラム260の対応する穴281、282内に挿入することによって、操作部材220に接続することができる。この方法で、操作部材220が歯車部材290に対して非ロック方向に回転されたときに、操作要素220の回転は作動要素280に伝達され、こうしてドラム260にも伝達される。しかし、ロック方向の操作部材220の回転は、歯車部材290の突出部分292の歯におけるラッチ部材232、233の係合のため、停止される。
【0026】
ここで、非ロック回転方向は、ラッチ部材231、232が突出プロファイル292の歯の上を滑動する場合の操作部材220の歯車部材290に対する回転の方向と定義することができる。逆に、ロック回転方向は、操作部材220の回転の結果、ラッチ部材231、232が歯車部材290の突出プロファイル292の歯に係止される方向と定義することができる。
【0027】
加えて、ロック部材200はさらに、図3に示すように、ドラム260の下部に収容されたバッテリ274を含む。また、バッテリはコネクタ227に接続される。
【0028】
警報回路用のバッテリ274の電力状態を示すために、操作部材220の開口を介してLEDダイオード255が配設される。
【0029】
バッテリ274の状態を示すには様々な方法があり、LEDダイオードはその1例にすぎない。当業者はバッテリ状態表示の他の方法を充分承知しているはずであり、したがってこれらについてはこれ以上詳述しない。
【0030】
最後に、ロック部200は、第1および第2平面と平行な第3平面内に配置される本質的平坦部分と平坦部分から隆起する椀形突出部分とを有する環状底部要素295を含み、それは外リング210および操作部材220と共に筐体を形成して、セキュリティ装置10の残りの要素を収容かつ防護するように構成される。さらにロック部200は、底部要素295の底部分に嵌合される底板294のボアホールに取り付けられるように構成された蓋板293を含む。加えて、環状底部要素は開口296、297を含み、そこを介して締付け部材100を支持要素300に移送することができる。
【0031】
支持部材300は次に、筐体部330に配設されたステーブル等内にケーブルの突出部130、180をスナップ嵌合し、かつEASタグを筐体部330に配設することによって組み立てられる。筐体部は、例えばスナップロック嵌合、締付け要素、接着剤接着、溶接等によって筐体部に固定された頂部320によって閉鎖される。筐体部330および頂部は、本発明の実施形態では、ケーブル110、120を嵌合させるように構成された凹部を周側に有する。図示した支持部材300は六角形であるが、任意の適切な形状、例えば円形、長方形等とすることができる。また、EASタグはロック部材200内に収容することもできることを理解されたい。
【0032】
最後に、ケーブル110、120が筐体部330に固定され、筐体部が頂部320によって密閉されるときに、頂部320に対する接着剤接着または溶接等によって頂部320に摩擦層310が設けられる。これはまた別個のプロセスで行なうこともでき、それによって頂部320および摩擦層310は、筐体部に固定される前に組み立てられる。
【0033】
次に、図1〜6に示す実施形態に係るセキュリティ装置10の機能を説明する。
【0034】
最初に、締付け部材を持つセキュリティ装置10は、防護対象物の周りに配置される。それによって支持部材300は、ケーブル112、114の両端を受容し、かつその上面310を防護対象物の底面の下に配置するように適応される。
【0035】
次いで、操作部材220の把持要素222を使用して、それを非ロック方向に回すと、ケーブル110および120によって形成されるループは、締付け部材のケーブル110、120が対象物を緊密に囲むように、かつ支持部材300が対象物の底面と緊密に係合するように、ループの外周が物体の外周に適応するまで縮小される。この位置で、対象物は防護されているとみなされる。ラッチ部材231、232は、突出要素の歯に沿って滑動するために、歯車部材290の突出プロファイル292に向かって傾斜するように構成されるので、歯車部材290に対する操作要素220の非ロック方向の回転によってロック作用は達成されない。
【0036】
対象物を防護するために支持部材300は必要ないと言ってもよい。これは依然として、防護対象物を緊密ループ内に緊密に囲む締付け部材100とロック部材220の組合せのみにより達成することができる。このループは、操作部材220に固定された締付け部材100の2つの端部を含むことができる。より高度のセキュリティを達成するために、締付け部材のケーブル110、120は外側の高摩擦層、例えばゴムで被覆するかまたはそれを備えることができる。
【0037】
ここで、ループの縮小は、操作要素220から作動要素280へ回転が伝達され、それが今度は歯車部材290に対するドラム260の回転をもたらすことから達成されることを付け加えることができる。操作部材220のこの回転は、ドラム260の周面261の周りにケーブル110、120を効果的に巻回させる。
【0038】
固定位置で、ラッチ部231、232は、突出プロファイル292が配置される平面の方向に傾斜するため、突出プロファイル292の歯内に係止される。したがって、操作部材の把持部分222の使用を試みることによってケーブルループを拡張することは不可能になる。前述の通り、ケーブルループの拡張は、磁気デタッチャを使用することによって可能になる場合がある。
【0039】
このように防護された対象物を強引に、例えばケーブル110、120の1つを切断しようと試みることによって、解放しようとすると、即座に警報回路が遮断され、コンデンサ228が放電され、放電電流がサウンドチャンバ270に供給されて警報音を発生することによって、警報が作動する。
【0040】
しかし、本発明に係るセキュリティ装置は、締付け部材のケーブル110、120の1つ以上を第2主要部分260の開口262、263から引き出そうとする試みをも防止する。これは次のように達成される。締付け部材のケーブル110、120が防護対象物の周りに緊締されているときに、図5の上部に隣接して矢印によって示される外部引張り力が締付け部材のケーブル110、120に加えられると、引張り力は図5の中央部分の矢印の方向に作動要素288、289の変位を引き起こし、それによって図5の下部の矢印の方向にT字形可動要素245、246の変位が生じる。引張り力が充分に強力である場合図5および7に示すように、警報接点249、250から遠ざかる方向のT字形可動要素の変位および弾性要素247、248の収縮が生じる。しかし、警報接点249、250およびT字形可動要素245、246は図4および6に示す状況で電気的に接触していたが、この接触は遮断されるので、外部引張り力の使用は警報回路を遮断し、警報信号を作動させる。T字形可動部材288、289無しでセキュリティ装置10を実現することが可能であることにも触れる必要がある。
【0041】
この場合、作動部材280は、作動要素288、289の少なくとも1部分が警報接点249、250と電気的に接触するように、かつ作動部材280が警報回路の1部分をも形成するように、構成することができる。次いで、外部引張り力がケーブル110、120に加えられると、作動部材280の作動要素288、289は弾性要素247、248の方向に変位し、作動要素288、289と警報接点249、250との間の電気的接触は遮断され、警報信号が作動する。
【0042】
こうして、締付け部材100のケーブル110、120によって防護された物体を、引張り力を用いて該ケーブルによって形成されたループを拡張することによって、取り出そうとする試みは安全に防止される。締付け部材100は、セキュリティを高めるために、可撓性でありかつ同時に引張り力に対し弾力的であるようにすることができる。
【0043】
誤報を回避するために、弾性要素247、248の材料は、締付け部材100のケーブル110、120の1つが偶発的に引張られたときに、収縮しないように選択することができる。しかし、中程度の引張り力がケーブル110、120に働いたときに、弾性要素247、248が収縮し、それによって警報信号が作動するように、材料を選択することもできる。
【0044】
また、弾性要素247、248は、ゴム管のようなゴム要素、弾塑性要素、またはばね要素の形で存在することもできる。T字形可動要素247、248は好ましくは剛性であり、かつ部分的に塑性材料から、かつ部分的に導電性材料から作成することができる。その場合、導電性側は「非警報」状態で警報接点249、250に接続していることができる。
【0045】
上記の説明を読んだ当業者には妥当と思われる本発明の多くの他の実施形態が存在することは理解されるであろう。最終的に、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の表現によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防護されるべき対象物を囲むための締付け部材(100)であり、導電性部材を含む締付け部材と、
ロック部材(200)と
を備え、
前記ロック部材は、該ロック部材(100)および前記締付け部材(200)がループを形成するように前記締付け部材に接続されている、セキュリティ装置(10)であって、
前記ロック部材が、
第1平面内に延在し、前記第1平面から隆起した突出プロファイル(292)を含む歯車部材(290)と、
前記第1平面と平行な第2平面内に延在し、前記歯車部材(290)に対して回転自在であり、かつ前記第1平面に向かって偏倚して前記歯車部材(290)と係合するように構成されたラッチ部材(231、232)を含む操作部材(220)であり、該操作部材(220)が一方向に回転すると前記ループが縮小される一方、前記ループの拡張をもたらす反対方向の回転が、前記ラッチ部材(231、232)と前記突出プロファイル(292)との係合を介して防止されるように構成された、操作部材(220)と、
を含み、
当該セキュリティ装置(10)が、前記締付け部材(100)を巻回するためのドラム(260)をさらに備え、前記操作要素(220)の回転が前記ドラム(260)の回転を引き起こし、それによって前記ループの幅が調節されるように構成され、かつ前記締付け部材(100)および前記ロック部材(220)が警報回路の1部分を形成するように構成された、セキュリティ装置において、
前記ロック部材が、前記警報回路に電気的に接続されかつ弾性要素(247、248)に隣接配置された可動要素(245、246)をさらに含み、
前記ロック部材(200)が、前記突出プロファイル(292)の要素の1つに係止された状態で、外部引張り力が前記締付け部材(100)に加えられると、前記可動要素(245、246)が前記弾性要素(247、248)に向かって移動し、前記弾性要素を変形させ、それによって前記警報回路が遮断され、警報信号が作動することを特徴とする、セキュリティ装置。
【請求項2】
前記ロック部材(200)が、前記ドラム(260)および前記操作部材(220)と係合するように構成された作動部材(280)をさらに含み、前記締付け部材(100)に働く外部引張り力が前記作動部材(280)に前記可動要素(245、246)を移動させ、それによって前記弾性要素(247、248)を変形させるように構成された、請求項1に記載のセキュリティ装置。
【請求項3】
前記操作要素(220)が前記可動要素(245、246)および前記弾性要素(247、248)を収容する溝(241、242)を含み、前記溝(241、242)が前記作動部材(280)の作動要素(283、284)を受容するように設けられた空間(243、244)をさらに含み、外部引張り力が前記締付け部材(100)に働いたときに、前記作動部材(280)が前記可動要素(245、246)を移動させ、それによって前記弾性要素(247、248)を変形させるように構成された、請求項1または2に記載のセキュリティ装置。
【請求項4】
前記可動要素(245、246)が、前記ロック部材(200)に配設された警報接点(249、250)と電気的に接触した導電性部分を含む、請求項1または2に記載のセキュリティ装置。
【請求項5】
前記可動要素(245、246)が剛性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセキュリティ装置。
【請求項6】
前記弾性要素(247、248)がゴム要素、発泡体、塑性体または弾性ばねの1つを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセキュリティ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−528759(P2011−528759A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519094(P2011−519094)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056184
【国際公開番号】WO2010/009916
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(507253358)エム ダブリュー セキュリティ アクチボラゲット (3)