説明

豆ジャッキ

【課題】 豆ジャッキが使用する対象物を支持するための支持面、と豆ジャッキが設置される(位置する)面との間隔が小さい、または狭い場合にも、容易に操作し得る豆ジャッキを提供する。
【解決手段】 一定方向に移動させるための支持手段1,2、および該一定方向に垂直な方向に移動する傾斜(テーパー)を有する部分5の移動により該一定方向の移動を微調整するための微調整手段4,5を有する豆ジャッキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寸法、平行度などを測定するに際し、精度良く測定するための微調整手段を有する豆ジャッキ、あるいは切削加工などの加工を精度良く行なうための、支持具としての豆ジャッキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に豆ジャッキとして、ボルトナット方式により、手動でまたはハンドルを使用することにより上下に昇降させるものが知られている。しかしこの様な手段によっては、豆ジャッキが支持する上面と豆ジャッキが位置する下面の間の間隔が小さい、または狭い場合には、その操作が極めて困難、または実質的に不可能になるという欠点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の様に、従来の豆ジャッキでは、豆ジャッキが使用する対象としての測定物または加工物を支持するための支持面、と豆ジャッキが設置される(位置する)面との間隔が小さい、または狭い場合には、その操作が極めて困難、または実質的に不可能になるという問題があった。
【0004】
本発明は、このような、豆ジャッキの従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、本発明は、操作の手段(および操作方法)を改良することによって、上述の様に、豆ジャッキが使用する対象物を支持するための支持面、と豆ジャッキが設置される(位置する)面との間隔が小さい、または狭い場合にも、容易に操作し得る豆ジャッキを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、一定方向に移動させるための支持手段、および該一定方向に垂直な方向に移動する傾斜(テーパー)を有する部分の移動により該一定方向の移動を微調整するための微調整手段を有する豆ジャッキである。
【0006】
本発明は、通常、該一定方向が鉛直方向である場合に、よく使用される。
【0007】
本発明の豆ジャッキは、該一定方向に垂直な方向(該一定方向が鉛直方向である場合には水平方向)に移動する傾斜(テーパー)を有する部分が必須である。それを欠くと、豆ジャッキの支持面と豆ジャッキが設置される(位置する)面との間隔が小さい、または狭い場合には、手動またはハンドルを使用することによる操作が困難または不可能になる。本発明の豆ジャッキでは、その傾斜(テーパー)を有する部分を有することにより、該一定方向(場合により鉛直方向)への移動の微調整を極めて容易にし得る。
【0008】
該一定方向に移動させるための支持手段としては、通常、ボルトナット方式によるものが使用される。
【0009】
本発明の豆ジャッキの大きさは、限定的ではないが、豆(小さい)ジャッキの趣旨に鑑みると、該一定方向の長さ(大きさ)に於いて、約10cm以下のものが好ましく、約5cm以下のものが好ましい。
【0010】
本発明の豆ジャッキの材質は、特に限定的ではないが、例えば鋼鉄、ステンレス鋼、真ちゅう、などの、十分な強度を有する鋼材を使用するのが好ましい。
【0011】
本発明の豆ジャッキの微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分の長さは、その移動を考慮すると、該垂直方向に好ましくは10〜30mm、さらに好ましくは17〜23mm、の長さを有するものである。
【0012】
本発明の豆ジャッキの微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分は、該垂直方向に、好ましくは0〜20mm、さらに好ましくは0〜10mmの範囲で移動させるものである。その範囲を超えて移動させることは、「微調整」の趣旨に鑑みると、その必要性は少ない。
【0013】
本発明の豆ジャッキの微調整手段は、微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分の傾斜角度が、該垂直方向に対して、好ましくは4〜10°さらに好ましくは5〜7°、最も好ましくは6°である。その範囲を超えると、「微調整」が容易でなくなる。
【0014】
本発明は、一定方向に移動させるための支持手段、および微調整手段の該一定方向に垂直な方向に移動する傾斜(テーパー)を有する部分の両者を含む外殻(円筒枠)を使用した状態で、通常使用される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の豆ジャッキは、その対象としての測定物または加工物を支持するための支持面、と豆ジャッキが設置される面との間隔が小さいまたは狭い場合にも、その操作が容易に可能であり、また特に特殊な工具を必要とせずに、実質的に手動で正確にその微調整をすることが可能であるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図1〜5に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の豆ジャッキの外観図であり、1は支持手段の「ボルト」部分であり、2は支持手段の「ナット」部分である。
【0018】
図2は、本発明の、一定方向に移動させるための支持手段の凹部(「ナット」部分2)を示す図であり、この凹部は上記「ボルト」部分を受けると同時に、その下部は、微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分の移動に適合する様に加工されている。
【0019】
図3は、本発明の、一定方向に移動させるための支持手段および微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分の両者を含む外殻(円筒枠)を示した正面図であり、その上方には上記支持手段の固定ネジ用の穴3が設けられており、その下方には微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分を操作するためのボルト部分のための穴4が設けられている。
【0020】
図4は、本発明の、微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分5を示した図であり、その傾斜角度が、その部分を移動させる方向(通常水平方向)に対してαであることを示す。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、操作の手段(および操作方法)を改良すぅることによって、豆ジャッキがその対象物を支持するための支持面、と豆ジャッキが設置される(位置する)面との間隔が小さい、または狭い場合にも、容易に操作し得る豆ジャッキを提供し、またその結果、寸法、平行度などを測定するに際し、精度良く測定する、あるいは切削加工などの加工を精度良く行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の豆ジャッキの外観図である。
【図2】本発明の、一定方向に移動させるための支持手段の凹部を示した正面図である。
【図3】本発明の、一定方向に移動させるための支持手段および微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分の両者を含む外殻(円筒枠)を示した正面図である。
【図4】本発明の、微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分を示した図である。
【符号の説明】
【0023】
1 支持手段の「ボルト」部分
2 支持手段の「ナット」部分
3 支持手段の固定ネジ用の穴
4 微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分を操作するためのボルト部分のための穴
5 微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定方向に移動させるための支持手段、および該一定方向に垂直な方向に移動する傾斜(テーパー)を有する部分の移動により該一定方向の移動を微調整するための微調整手段を有する豆ジャッキ。
【請求項2】
該一定方向が鉛直方向である請求項1に記載の豆ジャッキ。
【請求項3】
該一定方向に移動させるための支持手段が、ボルトナット方式によるものである請求項1または2に記載の豆ジャッキ。
【請求項4】
微調整手段が、水平方向に移動する傾斜(テーパー)を有する部分の移動により、鉛直方向の移動を微調整するものである請求項2に記載の豆ジャッキ。
【請求項5】
該一定方向に移動させるための支持手段および該一定方向に垂直な方向に移動する傾斜(テーパー)を有する部分が、外殻を有するものである請求項1または2に記載の豆ジャッキ。
【請求項6】
微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分が、該垂直方向に10〜30mmの長さを有するものである請求項1または2に記載の豆ジャッキ。
【請求項7】
微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分が、該垂直方向に17〜23mmの長さを有するものである請求項1または2に記載の豆ジャッキ。
【請求項8】
微調整手段が、傾斜(テーパー)を有する部分を該垂直方向に0〜20mmの範囲で移動させるものである請求項1または2に記載の豆ジャッキ。
【請求項9】
微調整手段が、傾斜(テーパー)を有する部分を該垂直方向に0〜10mmの範囲で移動させるものである請求項1または2に記載の豆ジャッキ。
【請求項10】
微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分の傾斜角度が、該垂直方向に対して4〜10°である請求項1または2に記載の豆ジャッキ。
【請求項11】
微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分の傾斜角度が、該垂直方向に対して5〜7°である請求項1または2に記載の豆ジャッキ。
【請求項12】
微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分の傾斜角度が、該垂直方向に対して6°である請求項1または2に記載の豆ジャッキ。
【請求項13】
微調整手段の傾斜(テーパー)を有する部分が、該垂直方向に17〜23mmの長さを有し、その部分を該垂直方向に0〜10mmの範囲で移動させるものであり、その部分の傾斜角度が、該垂直方向に対して5〜7°である請求項1または2に記載の豆ジャッキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−127204(P2008−127204A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339167(P2006−339167)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(506416802)