説明

貝類の選別装置

【課題】貝類を吸引方式によって採取した際に、同時に吸引された石と貝類とを効率よく分離することができる貝類の選別装置を提供する。
【解決手段】ポンプ2と、ポンプ2の吸入口2aに接続された海水吸引用ホース7aと、ポンプ2の排出口2bに接続された海水吐出用ホース7bと、海水吐出用ホース7bの先端に接続されたエジェクター3と、エジェクター3に接続された貝類吸引用ホース7c及び貝類吐出用ホース7dと、貝類吸引用ホース7cの先端に接続された遠心分離容器4と、貝類吐出用ホース7dの先端に接続された回収ネット8とによって、貝類の選別装置1を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引方式によって海底から採取した貝類を、同時に吸引された石と分離するために用いられる貝類の選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
干潟における水産資源(主としてアサリ等の貝類)を保護し、漁場環境の保全、改善を図るための方法の一つとして、天然稚貝を一時的に採取して、効率良く選別、移動させ、適切な環境下において生育させる、という方法がある。
【0003】
この方法を実施するためには、まず、採取地において天然稚貝を効率よく採取する必要があり、そのためには、吸引方式の貝類採取装置(船上に設置したポンプを駆動させて、海底面付近に保持させたパイプから、貝類を、その周辺の底質ごと吸い込んで採取する装置)(特開2004−208591号公報等)を利用することが有効であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−208591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吸引方式の貝類採取装置を用いて貝類を採取した場合、同時に吸引された底質と貝類とを分離(選別)する作業が必要になるところ、この選別作業においては、底質に含まれている石と貝類とを分離することが難しいという問題がある。より具体的には、底質のうち、砂については、適切な目の網或いは篩を通すことによって、採取された稚貝と簡単に分離することができるが、稚貝と同程度の大きさの石(小石)については、網や篩によっては選別することができない。
【0006】
このため、小石については手作業によって選別するほかなく、非常に多くの時間と労力が必要となる。特に、生息密度が低い場所で採取作業を行った場合、沢山の小石の中から僅かな量の稚貝を選別する必要が生じる可能性があり、このような場合、選別作業を手作業で行うことは極めて困難である。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術における課題を解決しようとするものであって、貝類を吸引方式によって採取した際に、同時に吸引された石と貝類とを効率よく分離することができる貝類の選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る貝類の選別装置は、ポンプと、ポンプの吸入口に接続された海水吸引用ホースと、ポンプの排出口に接続された海水吐出用ホースと、海水吐出用ホースの先端に接続されたエジェクターと、エジェクターに接続された貝類吸引用ホース及び貝類吐出用ホースと、貝類吸引用ホースの先端に接続された遠心分離容器と、貝類吐出用ホースの先端に接続された回収ネットと、によって構成され、エジェクターは、への字状に湾曲或いは屈曲した形状のベンド管と、流入口側に対して流出口側の口径が絞られた絞り管とによって構成され、ベンド管は、ベンド角が、40〜60°の範囲内において設定され、内径及び口径が、ポンプの排出口の口径の1〜2倍の範囲内において設定され、絞り管は、流出口が、ベンド管の内壁面において開口し、ベンド管内部と連通するようにベンド管に対して接続され、流出口の口径が、ポンプの排出口の口径の40〜70%の範囲内において設定され、絞り管は、その中心軸線が、ベンド管の後半直状部の中心軸線と一致する向きで、又は、ベンド管の後半直状部の中心軸線と平行になるように、又は、ベンド管の後半直状部の中心軸線に対し、絞り管の中心軸線の傾斜角度が5°以内となる向きで、ベンド管に対して接続され、遠心分離容器は、所定の幅で縦方向に延在する縦長の貫通溝が形成された円筒状或いは逆円錐台形状の容器本体と、貝類吸引用ホースの先端が装着された吸入パイプ及び貫通溝を介して容器本体内に向かって開口する吸引口を有する吸引部と、容器本体内において旋回流を生成させることができるように構成された旋回流生成部とによって構成され、遠心分離容器を海水中に浸けた状態で、ポンプを駆動させると、エジェクターの作用によって、遠心分離容器から貝類吸引用ホース、ベンド管、及び、貝類吐出用ホースを経て、回収ネットへと向かう海水の循環経路が形成されるように構成されていることを特徴としている。
【0009】
尚、容器本体は、上半部が円筒状に形成され、下半部が逆円錐台形状に形成され、貫通溝が、容器本体の上半部に形成されていることが好ましく、また、吸引部は、吸引口が容器本体の貫通溝と重なる範囲内で上下方向へ移動可能なように構成されていることが好ましい。更に、容器本体内の上半部中央位置に、内側円筒部が配置されていることが好ましく、また、容器本体の底部付近の側壁に、蓋板によって開閉できる石排出用の窓部が形成されていることが好ましい。
【0010】
また、旋回流生成部は、ドライブシャフトと、海水を撹拌して旋回流を生じさせる羽根と、インバーターを有するモータとによって構成されていることが好ましく、更に、旋回流生成部は、羽根の周囲を覆って、貝類或いは石の巻き込みを防止するメッシュガードを有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る貝類の選別装置は、吸引方式の貝類採取装置を用いて採取された貝類を、傷つけることなく、非常に効率よく、底質(同時に吸引された底質、特に小石)と分離(選別)することができ、選別作業の省力化を図ることができる。また、貝類の採取作業を行う作業船上において、採取直後に選別作業を行うことも可能であり、作業効率を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明に係る選別装置1の構成図である。
【図2】図2は、図1に示したエジェクター3の断面拡大図である。
【図3】図3は、図1に示した遠心分離容器4の斜視図である。
【図4】図4は、図1に示した遠心分離容器4の断面斜視図である。
【図5】図5は、図1に示した遠心分離容器4の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明に係る選別装置1の構成図であり、図示されているように、この選別装置1は、ポンプ2、エジェクター3、遠心分離容器4、ストレーナ6、ホース7(海水吸引用ホース7a、海水吐出用ホース7b、貝類吸引用ホース7c、及び、貝類吐出用ホース7d)、回収ネット8、及び、水槽9とによって構成されている。
【0014】
本実施形態においては、ポンプ2として、ガソリンエンジンによって駆動するエンジンポンプ(最大吐出量:540L/min以上、最大定格出力:2.1kw以上)が使用される。ポンプ2の吸入口2aには、海水吸引用ホース7aが接続され、その先端にはストレーナ6が取り付けられている。また、ポンプ2の排出口2b(口径80mm)には、海水吐出用ホース7bが接続され、その先端は、エジェクター3に接続されている。エジェクター3には、貝類吸引用ホース7c、及び、貝類吐出用ホース7dが接続され、貝類吸引用ホース7cの先端は遠心分離容器4に、貝類吐出用ホース7dの先端は回収ネット8に、それぞれ接続されている。
【0015】
エジェクター3は、図2に示すように、「へ」の字状に湾曲(或いは屈曲)した形状のベンド管11と、流入口側に対して流出口側の口径が絞られた絞り管12とによって構成されている。これらのうち、ベンド管11は、吸入口11a側の前半直状部11bと、吐出口11c側の後半直状部11dと、これらの間の湾曲部11eとによって構成され、ベンド角(前半直状部11bの中心軸線CL1に対する後半直状部11dの中心軸線CL2の傾斜角度)は45°に設定されている。
【0016】
絞り管12は、流入口12a側の前半部12bと、流出口12c側の後半部12dと、これらの間の絞り部12eとによって構成され、流出口12cが、ベンド管11の内壁面において開口し、ベンド管11内部と連通するように、かつ、中心軸線CL3が、ベンド管11の後半直状部11dの中心軸線CL2と一致する向きで、ベンド管11に対して接続されている。
【0017】
ベンド管11の吸入口11aには、図1に示すように貝類吸引用ホース7cが接続され、吐出口11cには、貝類吐出用ホース7d(図1参照)が接続される。また、絞り管12の流入口12aには、海水吐出用ホース7b(図1参照)が接続される。
【0018】
尚、本実施形態においては、ベンド管11の吸入口11a、及び、吐出口11cの口径は100mm(ポンプ2の排出口2bの口径の1.25倍)に設定されており、前半直状部11b、後半直状部11d、及び、湾曲部11eの内径も、100mmに設定されている。また、絞り管12の流入口12aの口径は80mm、流出口12cの口径は40mmに設定されている。
【0019】
但し、これらの寸法には限定されず、ベンド管11の口径及び内径については、ポンプ2の排出口2bの口径の1〜2倍の範囲内において、また、絞り管12の流出口12cの口径については、ポンプ2の排出口2bの口径の40〜70%の範囲内において、適宜設定を変更することができる。また、ベンド管11におけるベンド角については、40〜60°の範囲内において、適宜設定を変更することができる。更に、絞り管12については、必ずしも、中心軸線CL3が、ベンド管11の後半直状部11dの中心軸線CL2と一致していなくともよく、これらの中心軸線CL2,CL3が平行となるように、若しくは、ベンド管11の後半直状部11dの中心軸線CL2に対し、絞り管12の中心軸線CL3の傾斜角度が5°以内となるように、絞り管12をベンド管11に対して接続してもよい。
【0020】
遠心分離容器4は、図3及び図4に示すように、容器本体41と、内側円筒部42と、吸引部20と、旋回流生成部43とによって構成されている。これらのうち、容器本体41は、上半部が円筒状に形成され、下半部は逆円錐台形状(下方の底部へ向かって半径が次第に小さくなるコニカル状)に形成されている。尚、容器本体41の上半部には、図5に示すように、所定の幅で縦方向に延在する(容器本体41の上半部の上層から下層まで達する)縦長の貫通溝41aが形成されている。また、容器本体41の底部付近のコニカル状の側壁には、蓋板によって開閉できる窓部(貫通穴)(図示せず)が形成されている。
【0021】
内側円筒部42は、容器本体41よりも直径が小さく(容器本体41の直径の1/2〜1/3程度)、全体が逆円錐台形状に形成され、容器本体41内空間の上半部中央位置において、容器本体41と同軸的に配置され、図示しない支持部材によって保持固定されている。
【0022】
吸引部20は、吸入パイプ21と、中央に貫通孔22a(吸引口)を有する縦長板状のスライド板22とによって構成されている。この吸引部20の吸入パイプ21の上端(ホース取付口21a)には、図1に示すように、貝類吸引用ホース7cの先端が装着される。また、この吸引部20は、スライド板22が容器本体41の貫通溝41aを閉塞するとともに、貫通孔22aが貫通溝41aを介して容器本体41内に向かって開口する位置において、容器本体41の外周面側に取り付けられており、かつ、容器本体41の外周面に沿って、所定の範囲内(貫通孔22aが、容器本体41の貫通溝41aと重なる範囲内)で上下方向へ摺動可能なように構成されている。
【0023】
旋回流生成部43は、容器本体41内空間の中央位置において、容器本体41と同軸的に配置されたドライブシャフト43aと、その下端(容器本体41の底部付近)に取り付けられ、容器内の海水を撹拌して旋回流を生じさせる羽根43bと、羽根43bの周囲を覆って、貝類或いは石の巻き込みを防止するメッシュガード43cと、ドライブシャフト43aに回転駆動力を与えるモータ43dとによって構成されている。
【0024】
ここで、本実施形態の選別装置1の使用方法と作用について説明する。図1に示すように、まず水槽9内に、遠心分離容器4、エジェクター3、ストレーナ6、ホース7、回収ネット8を配置して、水槽9内に海水を貯める。
【0025】
次に、この状態でポンプ2を駆動させる。そうすると、ストレーナ6から水槽9内の海水が連続的に吸引され、この吸引された海水は、海水吸引用ホース7aを通って吸入口2aからポンプ2内に流入するとともに、排出口2bから排出され、海水吐出用ホース7bを通ってエジェクター3の絞り管12へと流下する。絞り管12は、流入口12a側に対して流出口12c側の口径が絞られているため、その分だけ流速が増加し、ジェット噴流となって流出口12cから流出する。
【0026】
絞り管12の流出口12cから流出した海水のジェット噴流は、ベンド管11の後半直状部11d内に流入する。このとき、ベンド管11の内径は、ポンプ2の排出口2bの口径の1.25倍、絞り管12の流出口12cの口径の2.5倍の大きさに設定されているため、ベンド管11の後半直状部11d内において負圧が生じることになる。この負圧によって、ベンド管11の吸入口11aからベンド管11内へ向かって吸引力が生じ、この吸引力によって、貝類吸引用ホース7cの先端に接続されている吸引部20の吸入パイプ21から、遠心分離容器4の容器本体41内の海水が連続的に吸引され、ベンド管11内に流入する。
【0027】
絞り管12の流出口12c、及び、ベンド管11の吸入口11aからベンド管11内に流入した海水は、吐出口11cから排出され、貝類吐出用ホース7dを通って回収ネット8へと流下し、水槽9内へ放出される。このように、ポンプ2を駆動させると、エジェクター3の作用によって、遠心分離容器4から貝類吸引用ホース7c、ベンド管11、及び、貝類吐出用ホース7dを経て、回収ネット8へと向かう海水の循環経路(選別貝類の移送経路)が、水槽9内において形成される。
【0028】
一方、遠心分離容器4において、モータ43dを駆動させることによりドライブシャフト43aを回転させると、容器本体41の底部の上方において羽根43bが回転して、容器本体41の底部付近の海水が撹拌され、容器本体41内において旋回流が生じる。この旋回流が生じている遠心分離容器4内に、吸引方式の貝類採取装置による吸引採取物(貝類と石の混合物)を投入すると、貝類と石とが分離され、吸引採取物から貝類のみを取り出すことができる。
【0029】
この点について具体的に説明すると、旋回流が生じている容器本体41内に石を投じた場合、旋回流の流速が十分に大きければ(海水中において石等に作用する重力よりも大きい遠心力が作用するほど旋回流の流速が大きい場合には)、石は、容器本体41の内壁面に沿って旋回することになるが、旋回流の流速が小さい場合(旋回によって作用する遠心力が、作用する重力よりも小さい場合)には、石は容器本体41の底部まで沈降し、底部に沿って旋回し、或いは、流速が極めて小さい場合には、容器本体41の底部上において静止状態となる。
【0030】
これに対し貝類は、比重が海水よりも大きいものの、その比重差は僅かであるため、旋回流が生じている容器本体41内に投じると、その旋回流の流速が小さい場合であっても、底部まで沈降せず、容器本体41の上半部(下半部よりも半径が大きい)の内壁面に沿って旋回することになる。
【0031】
従って、容器本体41内において生じる旋回流の流速を、モータ43dに内蔵或いは付設されているインバーターにより、石が沈降する程度に調節することにより、容器本体41内に投入した吸引採取物のうち、貝類のみを、容器本体41の上半部の内壁面に沿って旋回させることができる。
【0032】
上述の通り、ポンプ2を駆動させると、エジェクター3の作用によって、遠心分離容器4(容器本体41、及び、吸引部20)から貝類吸引用ホース7c、ベンド管11、及び、貝類吐出用ホース7dを経て、回収ネット8へと向かう海水の循環経路が、水槽9内において形成されることになり、容器本体41の上半部の内壁面に沿って旋回している貝類は、循環する海水とともに容器本体41の貫通溝41aから吸引部20の吸入パイプ21内へ流入し、貝類吸引用ホース7c、ベンド管11、及び、貝類吐出用ホース7dを経て、回収ネット8へと移送される。
【0033】
尚、本実施形態においては、容器本体41に形成されている貫通溝41aが、図4及び図5に示すように、容器本体41の上半部の上層から下層まで達しているほか、スライド板22の貫通孔22aが貫通溝41aと重なる範囲内で、吸引部20が上下方向へ移動可能なように構成されているため、容器本体41内において旋回する貝類が、容器本体41の上半部内における上層、中層、下層のいずれに分布している場合であっても、吸引部20を上下に適宜スライドさせて、貫通孔22aの高さ位置を変更することにより、吸入パイプ21内へ円滑に流入させることができる。
【0034】
一方、石は、選別作業の進行に伴って、容器本体41の底部付近に次第に累積していくことになる。容器本体41の底部付近に、ある程度の石が溜まったら、容器本体41の底部付近の側壁に形成されている窓部(通常は、蓋板により閉じられている)(図示せず)を開放し、モータ43dを駆動させて羽根43bを回転させる。これにより、石を容器本体41の外に放出することができる。
【0035】
尚、本実施形態においては、この貝類の選別装置1を、陸上で使用することを前提として、遠心分離容器4、エジェクター3、ストレーナ6、ホース7、及び、回収ネット8を、海水を貯めた水槽9内に設置しているが、これらを直接海中に設置したり、或いは、舷側から吊して海水中に浸けて使用することもできる。これらの場合には、水槽9を省略することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、旋回流生成部43が、ドライブシャフト43a、羽根43b、メッシュガード43c、及び、モータ43dによって構成されているが、容器本体41の外側から供給される海水を、容器本体41の内壁面の接線方向へ向かって噴出させるノズル、又は、容器本体41の内壁面に沿って勢いよく流入させる手段を、容器本体41の側壁、或いは、容器本体41の内壁面付近に配置して、容器本体41内において旋回流が生成されるように構成してもよい。
【0037】
また、本実施形態においては、容器本体41は、上半部が円筒状、下半部が逆円錐台形状となっているが、全体を円筒状に形成してもよく、また、全体を逆円錐台形状に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る貝類の選別装置は、調査用器材の一部として利用することができる。例えば、アサリの稚貝の斃死を防ぐ目的で、稚貝の一部を一時的に採取して、効率良く選別、移動させ、適切な環境下においてアサリを生育させるような場合に利用することができ、漁場環境の保全、修復を図ることができる。また、漁業(アサリ漁等)において、作業の省力化が必要となる場合には、漁獲用器材の一部として利用することもできる。
【符号の説明】
【0039】
1:選別装置、
2:ポンプ、
2a:吸入口、
2b:排出口、
3:エジェクター、
4:遠心分離容器、
6:ストレーナ、
7:ホース、
7a:海水吸引用ホース、
7b:海水吐出用ホース、
7c:貝類吸引用ホース、
7d:貝類吐出用ホース、
8:回収ネット、
9:水槽、
11:ベンド管、
11a:吸入口、
11b:前半直状部、
11c:吐出口、
11d:後半直状部、
11e:湾曲部、
12:絞り管、
12a:流入口、
12b:前半部、
12c:流出口、
12d:後半部、
12e:絞り部、
20:吸引部、
21:吸入パイプ、
21a:ホース取付口、
22:スライド板、
22a:貫通孔、
41:容器本体、
41a:貫通溝、
42:内側円筒部、
43:旋回流生成部、
43a:ドライブシャフト、
43b:羽根、
43c:メッシュガード、
43d:モータ、
CL1,CL2,CL3:中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプと、ポンプの吸入口に接続された海水吸引用ホースと、ポンプの排出口に接続された海水吐出用ホースと、海水吐出用ホースの先端に接続されたエジェクターと、エジェクターに接続された貝類吸引用ホース及び貝類吐出用ホースと、貝類吸引用ホースの先端に接続された遠心分離容器と、貝類吐出用ホースの先端に接続された回収ネットと、によって構成され、
前記エジェクターは、への字状に湾曲或いは屈曲した形状のベンド管と、流入口側に対して流出口側の口径が絞られた絞り管とによって構成され、
前記ベンド管は、ベンド角が、40〜60°の範囲内において設定され、内径及び口径が、ポンプの排出口の口径の1〜2倍の範囲内において設定され、
前記絞り管は、流出口が、ベンド管の内壁面において開口し、ベンド管内部と連通するようにベンド管に対して接続され、流出口の口径が、ポンプの排出口の口径の40〜70%の範囲内において設定され、
前記絞り管は、その中心軸線が、ベンド管の後半直状部の中心軸線と一致する向きで、又は、ベンド管の後半直状部の中心軸線と平行になるように、又は、ベンド管の後半直状部の中心軸線に対し、絞り管の中心軸線の傾斜角度が5°以内となる向きで、ベンド管に対して接続され、
前記遠心分離容器は、所定の幅で縦方向に延在する縦長の貫通溝が形成された円筒状或いは逆円錐台形状の容器本体と、前記貝類吸引用ホースの先端が装着された吸入パイプ及び前記貫通溝を介して前記容器本体内に向かって開口する吸引口を有する吸引部と、前記容器本体内において旋回流を生成させることができるように構成された旋回流生成部とによって構成され、
前記遠心分離容器を海水中に浸けた状態で、前記ポンプを駆動させると、前記エジェクターの作用によって、前記遠心分離容器から前記貝類吸引用ホース、前記ベンド管、及び、前記貝類吐出用ホースを経て、前記回収ネットへと向かう海水の循環経路が形成されるように構成されていることを特徴とする貝類の選別装置。
【請求項2】
前記容器本体は、上半部が円筒状に形成され、下半部が逆円錐台形状に形成され、前記貫通溝が、容器本体の上半部に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の貝類の選別装置。
【請求項3】
前記吸引部は、吸引口が前記容器本体の貫通溝と重なる範囲内で上下方向へ移動可能なように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の貝類の選別装置。
【請求項4】
前記容器本体内の上半部中央位置に、内側円筒部が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の貝類の選別装置。
【請求項5】
前記容器本体の底部付近の側壁に、蓋板によって開閉できる石排出用の窓部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の貝類の選別装置。
【請求項6】
前記旋回流生成部が、ドライブシャフトと、海水を撹拌して旋回流を生じさせる羽根と、インバーターを有するモータとによって構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の貝類の選別装置。
【請求項7】
前記旋回流生成部が、前記羽根の周囲を覆って、貝類或いは石の巻き込みを防止するメッシュガードを有していることを特徴とする、請求項6に記載の貝類の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−99257(P2013−99257A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243510(P2011−243510)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(501168814)独立行政法人水産総合研究センター (103)
【出願人】(511240140)日本アスピー株式会社 (2)
【出願人】(511240151)有限会社前興 (2)
【Fターム(参考)】