説明

貨幣入出金装置及びPOS装置

【課題】貨幣入出金装置において発生する貨幣詰まりを素早く解消できるようにしつつ、貨幣入出金装置に貨幣を保管する上での安全性を高める。
【解決手段】貨幣入出金装置5では、入金された貨幣を収納し、払出指示に応じて収納された貨幣を払い出す貨幣処理機構部5c、5gが、筐体5e、5i内に装着離脱を自在に収納されている。貨幣入出金装置5は、筐体5e、5iからの貨幣処理機構部5c、5gの装着離脱をロックするロック機構6と、そのロックの解除を行うロック解除機構とを備える。貨幣入出金装置5に解除者IDが入力された場合、この解除者IDがキャッシャを特定できる正規なものであるか否かが判定される。この解除者IDが正規なものである場合、貨幣入出金装置5では、ロック解除命令が入力されていることを条件として、ロック機構6のロック解除と、この解除者IDを含むロック解除情報301の記録が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POS(Point Of Sales)端末やECR(Electronic Cash Registar)等の電子機器に接続されて用いられる貨幣入出金装置及びこれを備えるPOS装置(商品販売データ処理装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貨幣入出金装置が接続されているPOS端末やECR等の電子機器(例えば、特許文献1)が小売店等の店舗に導入され、これを用いた商品取引が行われている。貨幣入出金装置は、入金口から入金された貨幣を貨幣収納部に収納し、払出指示に応じて貨幣収納部に収納された貨幣を出金口に向けて払い出す貨幣処理機構部を筐体内に備えている。貨幣処理機構部によって、キャッシャが貨幣収納部や貨幣処理機構部に触れることなく貨幣入出金装置に対し入出金を行うことが可能になる。この点、商品取引の際にキャッシャが貨幣収納部を筐体から引き出して貨幣(紙幣及び硬貨)の入出金作業を行う必要があるドロワと比較すると、貨幣入出金装置に貨幣を収納して保管することは安全であるといえる。
【0003】
ところで、貨幣入出金装置では、貨幣処理機構部に貨幣が滞留する「貨幣詰まり」が発生して機器が使用不能の状態になることがある。そのため、貨幣入出金装置の貨幣処理機構部は筐体に装着離脱自在に収納されており、貨幣入出金装置において貨幣詰まりが発生した場合にもキャッシャが筐体から貨幣処理機構部を引き出して滞留した貨幣を取り除くことができるようになっている。しかし、この貨幣詰まりは滅多に発生することはなく、加えて、貨幣入出金装置を用いた商品取引ではキャッシャが貨幣処理機構部に触れることなく入出金が可能であることから、通常、貨幣入出金装置において筐体からの貨幣処理機構部の装着離脱はロックされている。さらに、貨幣処理機構部の装着離脱のロックを解除するための鍵を店長やフロアマネージャなどの責任者が管理する運用を行うことで、店舗では、より安全に貨幣入出金装置に貨幣を保管することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−192455公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、責任者が鍵を管理する運用がなされている店舗において貨幣入出金装置で貨幣詰まりが発生した場合、キャッシャが貨幣処理機構部に滞留している貨幣を取り除くためには、責任者を呼び出してロックを解除してもらわなければならず、この間、商品取引が中断してしまう。これを解消すべく、店舗においてキャッシャが鍵を管理する運用を行って、貨幣入出金装置で発生する貨幣詰まりをキャッシャが素早く解消できるようにすることも考えられる。しかし、このような運用方法では、キャッシャは貨幣詰まりが発生した場合以外にも硬貨入出金装置の筐体を開けることができるようになってしまい、貨幣入出金装置に貨幣を保管する上での安全性が低くなってしまうという別の問題が発生する。
【0006】
本発明の目的は、貨幣入出金装置で発生する貨幣詰まりを素早く解消できるようにしつつ、貨幣入出金装置に貨幣を保管する上での安全性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の貨幣入出金装置は、入金口から入金された貨幣を貨幣収納部に収納し、払出指示に応じて前記貨幣収納部に収納された貨幣を出金口に向けて払い出す貨幣処理機構部を筐体内に装着離脱自在に収納した貨幣入出金装置であって、前記筐体からの前記貨幣処理機構部の装着離脱をロックするロック機構と、駆動部によって駆動されて前記ロック機構のロック解除を行うロック解除機構と、ロック解除命令を入力するための命令入力手段と、解除者IDを入力するための解除者ID入力手段と、前記解除者ID入力手段から入力された解除者IDがキャッシャを特定できる正規なものであるか否かを判定し、当該解除者IDが正規なものであり、かつ、ロック解除命令が入力されていることを条件として、前記駆動部を駆動して前記ロック機構のロック解除を行うとともに当該解除者IDを含むロック解除情報を記憶部に記憶する手段と、を備える。
【0008】
本発明のPOS装置は、上記の貨幣入出金装置と、前記貨幣入出金装置とデータ通信自在に接続し、各種操作入力を行うための入力部を備え、操作者を特定する操作者IDの指定によってサインオン状態となるPOS端末と、を備え、前記POS端末は、前記入力部からのロック解除命令の入力を判定した場合、サインオンに用いられた前記操作者IDにロック解除権限が付与されていることを条件として、ロック解除命令とともに正規の解除者IDとして前記操作者IDを前記貨幣入出金装置に入力する。
【0009】
また、別の面から見た本発明のPOS装置は、上記の貨幣入出金装置と、前記貨幣入出金装置とデータ通信自在に接続し、各種操作入力を行うための入力部を備え、操作者を特定する操作者IDの指定によってサインオン状態となるPOS端末と、を備え、前記POS端末は、前記入力部からのロック解除命令の入力を判定した場合、ロック解除命令とともにサインオンに用いられた前記操作者IDを前記貨幣入出金装置に入力し、前記貨幣入出金装置は、前記入力された操作者IDにロック解除権限が付与されていることを条件として、正規の解除者IDとして前記操作者IDが入力されたものとする。
【0010】
また、別の面から見た本発明のPOS装置は、上記の貨幣入出金装置と、前記貨幣入出金装置とデータ通信自在に接続し、操作者を特定する操作者IDの指定によってサインオン状態となるPOS端末と、を備え、前記貨幣入出金装置は、ロック解除命令の入力を判定した場合、前記POS端末に解除者IDの入力を要求する要求信号を送信し、前記POS端末は、前記要求信号を受信した場合、サインオンに用いられた前記操作者IDにロック解除権限が付与されていることを条件として、正規の解除者IDとして前記操作者IDを前記貨幣入出金装置に入力する。
【0011】
また、別の面から見た本発明のPOS装置は、上記の貨幣入出金装置と、前記貨幣入出金装置とデータ通信自在に接続し、操作者を特定する操作者IDの指定によってサインオン状態となるPOS端末と、を備え、前記貨幣入出金装置は、ロック解除命令の入力を判定した場合、前記POS端末から当該POS端末のサインオンに用いられた操作者IDを取得し、当該操作者IDにロック解除権限が付与されていることを条件として、正規の解除者IDとして前記操作者IDが入力されたものとする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、貨幣入出金装置ではキャッシャを特定できる正規な解除者IDが入力された場合、ロック解除命令が入力されていることを条件として、筐体からの貨幣処理機構部のロックが解除されるとともに解除者IDを含むロック解除情報が記憶部に記憶されるため、貨幣入出金装置で発生する貨幣詰まりを素早く解消できるようにしつつ、貨幣入出金装置に貨幣を保管する上での安全性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の一形態について、図1ないし図8に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態のPOS装置1で行われる処理の概要を示す模式図である。本実施の形態のPOS装置1は、POS端末2及び貨幣入出金装置5が互いにデータ通信自在に接続されて構成されている。POS装置1の構造の詳細は図2及び図3に基づいて後述する。POS装置1のハードウェア構成の詳細は、図5に基づいて後述する。
【0015】
貨幣入出金装置5は、おおまかには、入金口から入金された貨幣(紙幣や硬貨)を貨幣収納部に金種別に収納し、払出指示に応じて貨幣収納部に収納された貨幣を出金口に向けて払い出す貨幣処理機構部(紙幣処理ユニット5c及び硬貨処理ユニット5g)を貨幣入出金装置5の前後の方向にスライドさせて筐体5e、5iに装着離脱自在に収納している機器である。貨幣入出金装置5は、筐体5e、5iに収納された状態のまま引き出しできないようにロックするロック機構6を備える。ロック機構6によるロックは、プルソレノイド23(図4参照)が駆動することによってそのロックが解除され、貨幣収納機構部は筐体5e、5iに対し装着離脱自在となる。ロック機構6の構造の詳細は、図4に基づいて後述する。
【0016】
貨幣入出金装置5は、紙幣入出金装置5a及び硬貨入出金装置5bにより構成されている。紙幣入出金装置5aは、貨幣処理機構部としての紙幣処理ユニット5cと、POS装置1の手前方向にスライドさせて引き出し可能に紙幣処理ユニット5cに接続し紙幣処理ユニット5cを収納する筐体5eと、紙幣処理ユニット5cの一部をなし筐体5eを閉じる蓋材5dとを備える。同様に、硬貨入出金装置5bは、貨幣処理機構部としての硬貨処理ユニット5gと、POS装置1の手前方向にスライドさせて引き出し可能に硬貨処理ユニット5gに接続し硬貨処理ユニット5gを収納する筐体5iと、硬貨処理ユニット5gの一部をなし筐体5iを閉じる蓋材5hとを備える。
【0017】
貨幣入出金装置5を構成する紙幣入出金装置5a及び硬貨入出金装置5bは、貨幣入出金装置5に備わる操作表示部3やPOS端末2に備わる入力部8等の入力手段から解除者ID及びロック解除命令の入力を待機している。解除者IDとは、ロック解除命令を入力する者(キャッシャ)を特定する識別コードであり、その解除者IDによりキャッシャを特定できるものを正規な解除者IDとし、キャッシャを特定できないものを正規でない解除者IDとする。そして、貨幣入出金装置5は、キャッシャを特定できる正規な解除者ID及びロック解除命令の双方の入力を判定した場合、プルソレノイド23を駆動して紙幣入出金装置5aや硬貨入出金装置5bの筐体5e、5iのロック解除を行うとともに、ロック解除情報301をロック解除履歴ファイルFに記憶する。ロック解除履歴ファイルFのデータ構造の詳細については、図6に基づいて後述する。ロック解除情報301は、入力された解除者IDの他、ロック解除命令が入力された時刻等を含む。ロック解除がなされた紙幣入出金装置5aや硬貨入出金装置5bでは、キャッシャが蓋材5d、5hを持って紙幣処理ユニット5cや硬貨処理ユニット5gをPOS装置1の手前方向に引き出して筐体5e、5iを開き、紙幣処理ユニット5cに滞留している紙幣や硬貨処理ユニット5gに滞留している硬貨を取り除くことが可能になる。
【0018】
図2は、POS装置1の外観斜視図である。POS装置1は、POS端末2及び貨幣入出金装置5により構成される。貨幣入出金装置5は、POS端末2を上面に載置し、双方の背面の位置を揃え、貨幣入出金装置5の前方部分に設けられている硬貨投入口15及び操作表示部3が外観に現れる状態に設置される。POS端末2及び貨幣入出金装置5は、それぞれの背面に接続されている接続ケーブルCB(図5参照)によって、互いにデータ通信自在に接続されている。
【0019】
POS端末2は、各部を収納するハウジング7を備える。ハウジング7の上面は、POS端末2の手前側が低くなるように若干傾斜して形成されている。ハウジング7の上面の右側には入力部8が設けられている。入力部8の奥側のハウジング7の上面には、キャッシャ用表示部9が情報表示面を手前側に向けて立設されている。キャッシャ用表示部9のさらに奥側のハウジング7の上面には、客用表示部10が情報表示面を奥側に向けた状態で立設している。ハウジング7の背面には、商品にコードシンボルの態様で貼付されている商品コードを読み取る商品コード入力部としてのコードスキャナ11が接続されている。
【0020】
入力部8は、操作者ID及びロック解除命令などの各種データ入力及び操作入力の際に用いられる。操作者IDは、POS装置1をサインオン状態にする際にPOS装置1の操作者を特定するために用いられ、操作者IDがキャッシャを特定できる正規なものである場合には、この操作者IDは正規な解除者IDとして貨幣入出金装置5に入力される。より詳細には、入力部8から入力された操作者IDは、POS端末2のRAM204(図5参照)に一時記憶された後に、認証のために図示しないストアコントローラや本部サーバに送信される。ストアコントローラや本部サーバは、受信した操作者IDをサインオンテーブルに基づいて認証し、その認証結果をPOS装置1に送信する。この認証結果が認証成功を示すものである場合、POS装置1は、この操作者IDによるPOS装置1の使用が可能になるサインオン状態に移行する。そして、この場合、POS装置1の情報処理部201(図5参照)は、認証が行われた操作者IDを正規の解除者IDとして貨幣入出金装置5に入力する。貨幣入出金装置5を構成する紙幣入出金装置5aは、入力された操作者IDを正規な解除者IDとしてRAM254(図5参照)に記憶する。また、貨幣入出金装置5を構成する硬貨入出金装置5bは、入力された操作者IDを正規な解除者IDとしてRAM274(図5参照)に記憶する。また、入力部8から入力されたロック解除命令は、貨幣入出金装置5を構成する紙幣入出金装置5a及び硬貨入出金装置5bに入力される。
【0021】
貨幣入出金装置5は、紙幣入出金装置5a及び硬貨入出金装置5bが通信機構258、278(図5参照)によってデータ通信自在に接続されて構成されている。紙幣入出金装置5aは貨幣入出金装置5の右側に配置され、硬貨入出金装置5bは貨幣入出金装置5の左側に配置されており、それぞれが有する蓋材5d、5hはPOS装置1の手前側に向けられている。紙幣入出金装置5aの蓋材5dには、入金口としての紙幣挿入口13及び出金口としての紙幣排出口14が、前方に開口した状態で設けられている。硬貨入出金装置5bの蓋材5hには、入金口としての硬貨投入口15、出金口としての硬貨排出口16及び操作表示部3が設けられている。硬貨投入口15は、貨幣入出金装置5の略中央かつ前方に、上方に開口した状態で設けられている。硬貨排出口16は、硬貨投入口15の左側で下方に向いて設けられている。硬貨排出口16の下方には硬貨受皿17が形成されており、硬貨排出口16から払い出された硬貨が蓄積されるようになっている。操作表示部3は、硬貨排出口16の上方に設けられ、紙幣入出金装置5a及び硬貨入出金装置5bに対する操作インターフェイスとしての役割を果たし、解除者ID及びロック解除命令の入力に用いられる。解除者IDの入力及びロック解除命令の入力は、操作表示部3からも可能である。操作表示部3から入力された解除者IDは、正規なものであるか否かが判定され、正規なものである場合にのみ紙幣入出金装置5aのRAM254(図5参照)及び硬貨入出金装置5bのRAM274(図5参照)に記憶される。操作表示部3から入力された解除者IDが正規なものであるか否かの判断は、周知の技術を用いて行うことが可能である。一例として、紙幣入出金装置5aの情報処理部251がPOS装置1や図示しないストアコントローラ、本部サーバ等から正規な解除者IDのみが記憶されている解除者IDファイルを予めダウンロードしておき、操作表示部3から入力された解除者IDがこの解除者IDファイルに含まれていることをもって、入力された解除者IDが正規なものであると判断する。別の一例として、紙幣入出金装置5aの情報処理部251が入力された解除者IDをPOS端末2を介してストアコントローラや本部サーバに送信し、このストアコントローラや本部サーバからこの解除者IDが正規なものであるという認証結果を受信することによって、入力された解除者IDが正規なものであると判断するようにしてもよい。
【0022】
なお、操作表示部3の代わりにPOS端末2の入力部8を解除者ID入力手段として機能させ、POS端末2の入力部8から入力された解除者IDが正規なものであるか否かを紙幣入出金装置5aの情報処理部251や硬貨入出金装置5bの情報処理部271が判断するようにしても良い。
【0023】
図3は、硬貨処理ユニット5gが引き出された状態の硬貨入出金装置5bの外観斜視図である。ここでは、貨幣入出金装置5を構成する紙幣入出金装置5a及び硬貨入出金装置5bのうち、硬貨入出金装置5bの内部構造について、図3に基づいて説明する。硬貨入出金装置5bの外観を構成する筐体5iは、硬貨処理ユニット5gを硬貨入出金装置5bの前後方向にスライドさせるスライド機構を有して、硬貨処理ユニット5gを装着離脱自在に収納する構造を有する。硬貨処理ユニット5gは、貨幣収納部としての硬貨収納部と、硬貨搬送経路5jと、搬送機構と、選別機構と、払出機構とにより構成される(硬貨搬送経路5j以外は図示せず)。硬貨収納部は、1円硬貨収納部、5円硬貨収納部、10円硬貨収納部、50円硬貨収納部、100円硬貨収納部及び500円硬貨収納部から構成され、硬貨処理ユニット5gが筐体5iから引き出された状態でもすぐに露出しないように収納蓋5kによって覆われている。硬貨搬送経路5jは、硬貨投入口15から硬貨収納部を経由して硬貨排出口16まで連絡している、硬貨投入口15から入金された硬貨が案内搬送されるための経路である。この硬貨搬送経路5jに沿って、搬送される硬貨を検知し貨幣詰まり(硬貨詰まり)の発生の判定に用いられる検知センサ280(図5参照)が複数配置されている。搬送機構は、モータ279(図5参照)を駆動源として駆動し硬貨搬送経路5jに沿って硬貨を搬送する。選別機構は、搬送される硬貨を金種別に選別して硬貨収納部に収納する。払出機構は、硬貨収納部に収納されている硬貨を貨幣入出金装置5の操作表示部3やPOS端末2から入力される払出指示に応じて硬貨排出口16に向けて払い出す。
【0024】
硬貨入出金装置5bにおいて、硬貨投入口15から投入される硬貨は、硬貨搬送経路5jを経て硬貨収納部に収納され、その後、硬貨排出口16に払い出される。しかし、硬貨入出金装置5bでは、硬貨搬送機構によって硬貨搬送経路5jに沿って硬貨を搬送することが出来ず硬貨処理ユニット5g内に硬貨が滞留する貨幣詰まり(硬貨入出金装置5bにおいては硬貨詰まり)が発生し、硬貨収納部に対する入出金ができずに使用不能の状態に陥ってしまうことがある。このままではキャッシャはPOS装置1を用いた商品取引を行うことができないため、POS装置1を操作するキャッシャは、硬貨処理ユニット5g内に滞留している貨幣を取り除いて硬貨入出金装置5bを再び使用できる状態にする必要がある。
【0025】
硬貨入出金装置5bでは検知センサ280の硬貨の検知結果に基づいて硬貨詰まりの発生が判定されると、硬貨詰まりが発生している旨の報知が行われる。POS装置1の操作者であるキャッシャは、この報知によって硬貨入出金装置5b内で硬貨詰まりが発生していることを認識し、滞留している硬貨を取り除いて素早く硬貨入出金装置5bを通常の状態に復旧するために、硬貨入出金装置5bの筐体5iから硬貨処理ユニット5gを引き出し、硬貨処理ユニット5gから滞留している硬貨を取り除いて硬貨処理ユニット5gを筐体5iに収納する必要がある。そのため、収納蓋5kは、鍵や螺子止めなどにより硬貨処理ユニット5gに固定されているのではなく、キャッシャが何も道具を使わずに取り外しが行えるようになっている。
【0026】
ところで、硬貨処理ユニット5gは硬貨詰まりを素早く解消できるように構成されている必要がある反面、キャッシャの意のままに筐体5iから装着離脱できるようになっていると硬貨入出金装置5bに保管されている硬貨が簡単に盗み出されてしまうおそれがある。そのため、硬貨入出金装置5bは通常、ロック機構6によって筐体5iに収納された状態の硬貨処理ユニット5gの装着離脱がロックされており、このロックが解除されない限り、硬貨処理ユニット5gが筐体5iから硬貨入出金装置5bの手前方向に引き出されて外部に露出されることはない。ロック機構6による筐体5iからの硬貨処理ユニット5gのロックの解除の仕組みについては、図4に基づいて後述する。
【0027】
以上、硬貨入出金装置5bの内部構造について説明した。貨幣入出金装置5を構成する紙幣入出金装置5aの内部構造は、貨幣収納部として紙幣収納部(千円紙幣収納部、二千円紙幣収納部、五千円紙幣収納部及び一万円紙幣収納部)を備える点が異なるが、紙幣処理ユニット5cが筐体5eに収納された状態ではロック機構6によりロックされる点、このロックが解除されると紙幣処理ユニット5cをスライド引き出し可能になる点など、硬貨入出金装置5bの内部構造と同様である。このため、紙幣入出金装置5aの内部構造についての説明は省略する。
【0028】
図4は、ロック機構6の構造を示す模式図である。ここでは、硬貨入出金装置5bに備わるロック機構6の構造について、図4に基づいて説明する。なお、紙幣入出金装置5aに備わるロック機構6は、硬貨入出金装置5bに備わるものと同様の構造であるため、説明は省略する。ロック機構6は、硬貨処理ユニット5gに設けられ、可動体としてのロックレバー21と、嵌合部22と、スプリング26とを含んでいる。ロックレバー21は、長手方向を硬貨入出金装置5bの手前から奥に向かう方向に向けて配置され、硬貨処理ユニット5gの内側の右側壁24に接続点25を中心に揺動自在に接続されている。ロックレバー21のうち硬貨入出金装置5bの奥側の先端には、下方向に突出する先端部21aが形成されている。嵌合部22は、図4(a)ないし(c)に示すように、硬貨処理ユニット5gに開口している第1嵌合孔22a及び筐体5iに開口している第2嵌合孔22bにより構成され、ロックレバー21の先端を嵌合させる形状に形成されている。スプリング26は、ロックレバー21のうち硬貨入出金装置5bの手前側に位置する後端部21bに接続して上向きに付勢している。スプリング26の付勢によって先端部21aは下方に落ち込み、第1嵌合孔22aを貫通して第2嵌合孔22bにも嵌合し、筐体5iからの硬貨処理ユニット5gの装着離脱をロックする(図4(a))。すなわち、ロック機構6は、ロックレバー21の先端部21aが嵌合部22に嵌合することで、筐体5iからの硬貨処理ユニット5gの装着離脱をロックする。
【0029】
ロックレバー21の後端部21bには、情報処理部271(図5参照)の制御に応じて上下に進退する駆動部としてのプルソレノイド23も接続されている。プルソレノイド23は、駆動していない通常時では、図示しない内部付勢機構によって付勢されて、上方に進出している(図4(a))。そして、プルソレノイド23は駆動すると、下方に退避し、ロックレバー21を揺動させて、筐体5iに対する硬貨処理ユニット5gのロックを解除する(図4(b))。すなわち、プルソレノイド23は、ロック機構6のロックを解除するロック解除機構を構成する。
【0030】
さらに、ロック機構6を構成するロックレバー21の後端部21bには、蓋材5hに設けられた鍵穴18を形成している鍵シリンダ27によって、ロック解除が可能な構造を有している(図4(c))。より詳細には、鍵19が鍵穴18に挿入されていない状態では、スプリング26がロックレバー21を付勢することでロックレバー21の先端部21aは嵌合部22に嵌合し、筐体5iからの硬貨処理ユニット5gの装着離脱をロックしているロック状態を形成している(図4(a)参照)。鍵19が鍵穴18に挿入され図4(b)における反時計回りの方向に回動されると、鍵19の回動に伴って鍵シリンダ27から突出するピン28がロックレバー21の硬貨入出金装置5bの後端部21bに縦長楕円形状に開口しているピン挿入孔21cの内壁の下側面を押し下げる(図4(c))。その結果、ロックレバー21は揺動し、先端部21aが嵌合部22から退避して、ロック状態が解除される。
【0031】
なお、硬貨処理ユニット5gを収納する筐体5iの内壁29には、光センサ30が設置されている。光センサ30は反射型であり、筐体5iに収納された状態の硬貨処理ユニット5gを検知するが(図4(a))、筐体5iから引き出された状態の硬貨処理ユニット5gは検知しない(図4(b))。なお、図示はしないが、紙幣入出金装置5aにおいても、上記と同様のロック機構6が備わっている。
【0032】
図5は、POS装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。POS装置1を構成する2及び貨幣入出金装置5は、接続ケーブルCBによってデータ通信自在に接続されている。
【0033】
POS端末2は、情報処理を実行する情報処理部201を備える。情報処理部201は、POS端末2の各部を集中的に制御するCPU202と、固定データを格納するROM203と、可変データを書き換え自在に記憶する記憶部であるRAM204とから構成される。情報処理部201には、各種プログラム及びデータを記憶する記憶部としてのHDD206、LANインターフェイス207及び外部機器インターフェイス210がバス接続されている。さらに、情報処理部201には、図示しない入出力回路を介して、入力部8、キャッシャ用表示部9、客用表示部10及びコードスキャナ11もバス接続されている。LANインターフェイス207は、上位機としての図示しないストアコントローラや本部サーバとPOS端末2との間のデータ通信を実現する。外部機器インターフェイス210は、接続ケーブルCBを介してのPOS端末2と貨幣入出金装置5との間のデータ通信を実現する。POS端末2の情報処理部201は、HDD206に格納されているプログラムの記述に従って、LANインターフェイス207を介して接続する時刻サーバから適宜現在時刻を取得する処理を実行し、また、情報処理部201が把握している現在時刻を貨幣入出金装置5に送信することにより、POS装置1を構成する機器全体での現在時刻の同期を図る。
【0034】
貨幣入出金装置5を構成する紙幣入出金装置5aは、情報処理を実行する情報処理部251を備える。情報処理部251は、紙幣入出金装置5aの各部を集中的に制御するCPU252とROM253とRAM254とから構成される。情報処理部251には、記憶部としてのフラッシュメモリ256、外部機器インターフェイス257及び通信機構258がバス接続されている。フラッシュメモリ256には、ロック解除履歴ファイルFが格納されている(図6も参照)。さらに、情報処理部251には、図示しない入出力回路を介して、モータ259、検知センサ260、ブザー回路262、光センサ30及びプルソレノイド23もバス接続されている。通信機構258は、紙幣入出金装置5aと硬貨入出金装置5bとの間のデータ通信を実現する。ブザー回路262は、情報処理部251の制御に応じて所定のブザー音を出力する。
【0035】
貨幣入出金装置5を構成する硬貨入出金装置5bは、情報処理を実行する情報処理部271を備える。情報処理部271は、硬貨入出金装置5bの各部を集中的に制御するCPU272とROM273とRAM274とから構成される。情報処理部271には、記憶部としてのフラッシュメモリ276、外部機器インターフェイス277及び通信機構278がバス接続されている。フラッシュメモリ276には、ロック解除履歴ファイルFが格納されている(図6も参照)。さらに、情報処理部271には、図示しない入出力回路を介して、モータ279、検知センサ280、プルソレノイド23、ブザー回路282、光センサ30及び操作表示部3もバス接続されている。通信機構278は、紙幣入出金装置5aと硬貨入出金装置5bとの間のデータ通信を実現する。ブザー回路282は、情報処理部271の制御に応じて所定のブザー音を出力する。
【0036】
図6は、ロック解除履歴ファイルFのデータ構成を示す模式図である。ロック解除履歴ファイルFは、ロック解除情報301を追記可能に記憶する。ロック解除情報301は、
個々のロック解除情報301を識別可能にするためのユニークコードであるデータコード302と、記録時刻303と、解除者ID304とを格納できるデータ構造を有している。このロック解除履歴ファイルFは、フラッシュメモリ256及びフラッシュメモリ276の両方に分散されて記憶されていてもよいし、この両者のいずれか一方にのみ記憶されていてもよく、また、POS端末2に備わるHDD206に記憶されていてもよい。
【0037】
上記のような構成を備える貨幣入出金装置5では、エラー報知処理(図7参照)及びロック解除情報記憶処理(図8参照)が実行される。これらの処理は、紙幣入出金装置5aの情報処理部251及び硬貨入出金装置5bの情報処理部271のそれぞれが独自に行う。そこで、以下の説明において、紙幣入出金装置5aにおいて行われるエラー報知処理及びロック解除情報記憶処理について説明する。硬貨入出金装置5bにおいて行われるこれらの処理は、紙幣入出金装置5aにおいて行われる処理と同一であるため、説明は省略する。
【0038】
図7は、エラー報知処理の流れを示すフローチャートである。紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、機器の起動中、紙幣処理ユニット5cで貨幣詰まり(紙幣詰まり)が発生しているか否かを判定する(ステップS101)。一例として、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、紙幣処理ユニット5cに形成されている紙幣搬送経路(図示せず、硬貨入出金装置5bにおける硬貨搬送経路5jに相当)に沿って配置される複数の検知センサ260のうち一の検知センサ260が所定時間以上連続して貨幣(紙幣)を検出していることをもって、紙幣処理ユニット5c内で貨幣詰まり(紙幣詰まり)が発生していると判定する。また、別の一例として、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、一の検知センサ260が貨幣(紙幣)を検知してから所定時間以内に紙幣搬送経路の下流側に位置する隣の検知センサ260が貨幣(紙幣)を検知しないことをもって、紙幣処理ユニット5cで貨幣詰まり(紙幣詰まり)が発生していると判定する。
【0039】
貨幣詰まり(紙幣詰まり)が発生していると判定した場合(ステップS101のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、エラー報知処理を実行する(ステップS102)。エラー報知処理は、一例として、紙幣入出金装置5aの情報処理部251が、ブザー回路262を制御して所定のブザー音を鳴らしたり、貨幣入出金装置5に接続されているPOS端末2に対して、POS端末2に備わるキャッシャ用表示部9に貨幣(紙幣)詰まりエラーが発生している旨の表示を行うためのコマンドを送信したりする処理である。
【0040】
図8は、ロック解除情報記憶処理の流れを示すフローチャートである。紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、機器の起動中、紙幣処理ユニット5cが引き出されているか否かの判定(ステップS201)と、ロック解除命令が入力されているか否かの判定(ステップS203)とを行って、処理を待機している(ステップS201のN、S203のN)。
【0041】
紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、紙幣処理ユニット5cが引き出されて筐体5eに設けられている光センサ30が紙幣処理ユニット5cを検知しないことをもって、紙幣処理ユニット5cが引き出されていると判定する。紙幣処理ユニット5cが引き出されていると判定した場合(ステップS201のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、管理者の管理下に置かれている鍵19により筐体5eからの紙幣処理ユニット5cのロックが解除されたものとして、解除者IDとして管理者を示すコード(例:「9999」)に設定し(ステップS202)、処理を後述するステップS207に進める。
【0042】
一方、ロック解除命令が入力されていると判定した場合(ステップS203のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、既に貨幣入出金装置5の操作表示部3やPOS端末2の入力部8から解除者IDが入力されていてRAM254に記憶されているか否かを判定する(ステップS204)。解除者IDは、前述したように、POS端末2の入力部8や貨幣入出金装置5の操作表示部3から入力され、キャッシャを特定できる正規なものである場合に限りRAM254に記憶されている。そのため、ステップS204の処理が行われる前に正規ではない解除者IDが入力されたり、そもそも解除者IDが入力されていなかったりするなどの理由により、RAM254に正規な解除者IDが記憶されていない場合(ステップS204のN)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、解除者ID入力処理を実行する(ステップS205)。解除者ID入力処理は、キャッシャに解除者IDの入力を促すための処理であり、この処理の一例として、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、ブザー回路262を制御して所定のブザー音を出力したり、POS端末2に対しキャッシャ用表示部9に解除者IDを入力するよう促す表示を行うためのコマンドを送信したりする。紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、解除者ID入力処理において、POS端末2の入力部8や貨幣入出金装置5の操作表示部3から入力された解除者IDが正規のものであるか否かを判定し、正規のものである場合に限りRAM254に記憶して、解除者ID入力処理(ステップS205)を終了し、処理をステップS206に進める。
【0043】
ステップS204のY又はS205に続く処理として、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、プルソレノイド23を駆動して筐体5eからの紙幣処理ユニット5cのロックを解除する(ステップS206)。より詳細には、プルソレノイド23が駆動していない通常時では、ロックレバー21はスプリング26によって付勢され、ロックレバー21の先端部21aが嵌合部22に嵌合し、キャッシャが筐体5eから紙幣処理ユニット5cを引き出そうとしても先端部21aが筐体5eに開口している第2嵌合孔22bの内側面に干渉する。そのため、プルソレノイド23が駆動していない通常時では、筐体5eからの紙幣処理ユニット5cの装着離脱はロックされていることになる。ここで、紙幣入出金装置5aの情報処理部251がプルソレノイド23を駆動すると(ステップS206)、プルソレノイド23は下方に退避し、プルソレノイド23が接続しているロックレバー21の後端部21bは、プルソレノイド23の退避とともに下方に揺動し、これに伴ってロックレバー21の先端部21aは上方に揺動して、先端部21aが嵌合部22から脱離する。結果として、嵌合部22に嵌合していたロックレバー21の先端部21aの嵌合が外れて、筐体5iに対する硬貨処理ユニット5gの装着離脱が自在となる。
【0044】
ステップS202又はステップS206に続く処理として、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、ロック解除履歴ファイルFにロック解除情報を記憶する処理を実行して(ステップS207)、ロック解除記録処理を終了する。ステップS207の処理において、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、RAM254に記憶されている解除者IDと現在時刻とを対応付けてロック解除情報を構成し、このロック解除情報をロック解除履歴ファイルFの最終レコードに追記する。ロック解除履歴ファイルFでは、現在時刻は記録時刻303に、RAM254に記憶されていた解除者IDは解除者ID304にそれぞれ格納され、ロック解除履歴ファイルF内に既に記憶されているロック解除情報301との識別ができるように新たなデータコード302が付される。このようにしてロック解除情報301が蓄積されたロック解除履歴ファイルFは、紙幣入出金装置5aの情報処理部251が行う処理によって、POS端末2に送信されてキャッシャ用表示部9に表示されたり、POS端末2を介して図示しないストアコントローラや本部サーバに送信されたり、貨幣入出金装置5と接続する図示しないプリンタから表の形式で出力されたりする。
【0045】
このように、本実施の形態の貨幣入出金装置5によれば、貨幣入出金装置5ではキャッシャを特定できる正規な解除者IDが入力された場合、ロック解除命令が入力されていることを条件として、筐体5e、5iからの貨幣入出金装置5のロックが解除されるとともに解除者IDを含むロック解除情報が記憶部としてのフラッシュメモリ256、276に格納されているロック解除履歴ファイルFに記憶される。そのため、本実施の形態の貨幣入出金装置5を用いることにより、鍵19を管理する管理者を呼び出すことなく商品取引を行っているキャッシャ自身で貨幣入出金装置5において発生する貨幣詰まりを素早く解消できるという商品取引の迅速化が図られるとともに、貨幣処理機構部(紙幣処理ユニット5c及び硬貨処理ユニット5g)の装着離脱のロックが解除された際にロック解除履歴ファイルFに記憶されるロック解除情報の内容を確認してロック解除を行ったキャッシャを特定することが可能になり、このことが犯罪の抑止力に繋がるため、貨幣入出金装置5に貨幣を保管する上での安全性を高めることができる。
【0046】
また、本実施の形態の貨幣入出金装置5によれば、筐体5e、5i内部で貨幣詰まり等のエラーが発生した際にはエラー報知処理が実行されるため、キャッシャは貨幣入出金装置5の紙幣処理ユニット5c及び硬貨処理ユニット5gの装着離脱のロックの解除を行うタイミングを的確に図ることができる。
【0047】
さらに、本実施の形態の貨幣入出金装置5の筐体5e、5iは、鍵19によるロック解除も可能な構造であるため、キャッシャが操作しているPOS装置1の近辺に鍵19を持ち合わせている管理者がいる場合には、キャッシャは貨幣入出金装置5の操作表示部3やPOS端末2の入力部8から正規の解除者ID及びロック解除命令を入力するまでもなく、素早く紙幣処理ユニット5c及び紙幣処理ユニット5cの装着離脱のロックを解除して、滞留している貨幣を取り除くことができる。
【0048】
次いで、別の実施の一形態を図9ないし図11に基づいて説明する。この場合、図1ないし図8に基づいて説明した実施の形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0049】
図9は、POS装置1の外観斜視図である。本実施の形態の貨幣入出金装置5には、個人を特定する個人特定情報を入力するための手段としての指紋認証端末31が接続されている。指紋認証端末31は、上面に載置された人間の指の指紋を画像データとして読み取り、画像データから指紋の特異点を抽出し、抽出した特異点の情報を貨幣入出金装置5に入力する。
【0050】
図10は、認証テーブルGのデータ構成を示す模式図である。本実施の形態のフラッシュメモリ256には、図示しないストアコントローラや本部サーバからPOS端末2を介してダウンロードされた認証テーブルGが格納されている。認証テーブルGは、個人特定情報としての特異点情報305と解除者ID306とを対応付けて記憶している。
【0051】
図11は、個人特定情報入力処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態の紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、指紋認証端末31からの特異点情報の入力を待機している(ステップS301)。特異点情報が入力された場合(ステップS301のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、認証テーブルGを検索して(ステップS302)入力された特異点情報と一致する特異点情報が含まれているかどうかを判定する(ステップS303)。一致する特異点情報が含まれている場合(ステップS303のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、ロック解除命令が入力されたものとする処理を実行し(ステップS303a)、入力された特異点情報に対応する解除者IDを正規の解除者IDとしてRAM254に記憶し(ステップS304)、続いてロック解除情報記憶処理を実行して(ステップS305、図8参照)、処理を終了する。これに対し、入力された特異点情報が認証テーブルGに含まれていない場合(ステップS303のN)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、ブザー回路262を制御して所定の警告音を鳴らしたり、POS端末2に対しキャッシャ用表示部9にエラーメッセージを表示するためのコマンドを送信したりするなどの警告処理を実行して(ステップS306)、処理を終了する。
【0052】
本実施の形態の貨幣入出金装置5によれば、個人を特定する個人特定情報を入力するための手段としての指紋認証端末31を備え、個人特定情報としての指紋の特異点情報の入力によって解除者IDが特定されキャッシャを確実に特定できるため、貨幣入出金装置に貨幣を保管する上での安全性がさらに高まる。
【0053】
さらに、本実施の形態の貨幣入出金装置5によれば、個人特定情報としての指紋の特異点情報の入力によってロック解除の操作及びロック解除情報の記録を同時に行うことができるため、キャッシャ自身で貨幣入出金装置5において発生する貨幣詰まりをさらに素早く解消することができる。
【0054】
なお、本実施の形態において、個人を特定する個人特定情報を入力するための手段としては、指紋の特異点を入力するための指紋認証端末31の他、掌紋認証端末や網膜認証端末などの生体認証端末を利用するようにしてもよい。また、認証テーブルGに予め貨幣入出金装置5のロック解除が許可された店員コードを格納しておき、テンキーパッドを用いてキャッシャが自身に割り当てられた店員コードを入力し、認証テーブルGに入力された店員コードが存在する場合にロック解除情報記憶処理(図8参照)を実行するようにしてもよい。
【0055】
次いで、別の実施の一形態を図12ないし図16に基づいて説明する。この場合、図1ないし図8に基づいて説明した実施の形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。本実施の形態のPOS装置1では、POS端末2にサインオン操作を行う際に用いられた操作者IDに対して筐体5e、5iからの貨幣処理機構部としての紙幣処理ユニット5cや硬貨処理ユニット5gの装着離脱のロック解除権限が付与されている場合にのみ、その操作者IDを正規な解除者IDとするロック解除情報記憶処理(図8参照)が実行され、ロック解除権限が付与されていない操作者IDを用いてPOS端末2にサインオン操作がなされている場合にはロック解除情報記憶処理は行われない。
【0056】
図12は、権限テーブルHのデータ構成を示す模式図である。権限テーブルHは、POS装置1からデータアクセスが可能な記憶領域に記憶されている。一例として、権限テーブルHは、POS端末2のHDD206、紙幣入出金装置5aのフラッシュメモリ256、硬貨入出金装置5bのフラッシュメモリ276、POS端末2とネットワークを介して接続されている図示しないストアコントローラや本部サーバに備わる記憶媒体に記憶されている。権限テーブルHは、操作者ID307及び権限情報308を対応付けて予め記憶されている。権限情報308は、対応する操作者ID307により特定される者が、貨幣入出金装置5の筐体5e、5iからのロック貨幣機構処理部としての紙幣処理ユニット5cや硬貨処理ユニット5gのロックを解除することが認められているロック解除権限を有するか否かを示すものである。一例として、権限テーブルHは、ロック解除権限を有することを示す場合には権限情報308に「管理者」というコードを記憶し、ロック解除権限を有さないことを示す場合には権限情報308に「一般」というコードを記憶している。例えば、図12に示す例では、権限テーブルHは、操作者ID307=「○○○○」により特定される者はロック解除権限を有さず、操作者ID307=「□□□□」により特定される者はロック解除権限を有していることを示している。
【0057】
本実施の形態のPOS装置1では、POS端末2及び貨幣入出金装置5の間で各種のデータ通信が行われて、ロック解除情報記憶処理(図8参照)が実行される。この処理の流れとしては、少なくとも、図13ないし図16に示す形態がある。
【0058】
図13は、POS装置1で行われる処理の第1の態様の流れを示すフローチャートである。POS端末2の情報処理部201は、機器の起動中、入力部8からのロック解除命令の入力を待機している(ステップS301)。ロック解除命令の入力を判定した場合(ステップS301のY)、POS端末2の情報処理部201は、権限テーブルHを検索してPOS端末2のサインオンに用いられた操作者IDに対応する権限情報308を取得し(ステップS302)、サインオンに用いられた操作者IDにロック解除権限が付与されているか否かを判定する(ステップS303)。サインオンに用いられた操作者IDにロック解除権限が付与されていると判定した場合(ステップS303のY)、POS端末2の情報処理部201は、貨幣入出金装置5に対し、サインオンに用いられた操作者ID及びロック解除命令を入力して(ステップS304)、処理を終了する。貨幣入出金装置5では、サインオンに用いられた操作者ID及びロック解除命令が入力されると、入力された操作者IDを正規な解除者IDとして適用したロック解除情報記憶処理が実行される。これに対し、ステップS303において、サインオンに用いられた操作者IDにロック解除権限が付与されていないと判定した場合(ステップS303のN)、POS端末2の情報処理部201は、キャッシャ用表示部9に、サインオンに用いられた操作者IDにはロック解除権限が付与されておらずロック解除を行うことが出来ない旨を示すメッセージ表示を行い(ステップS305)、処理を終了する。
【0059】
図14は、POS装置1で行われる処理の第2の態様の流れを示すフローチャートである。POS端末2の情報処理部201は、機器の起動中、入力部8からのロック解除命令の入力を待機している(ステップS401)。ロック解除命令の入力を判定した場合(ステップS401のY)、POS端末2の情報処理部201は、貨幣入出金装置5に対し、サインオンに用いられた操作者ID及びロック解除命令を入力して(ステップS402)、処理を終了する。
【0060】
貨幣入出金装置5を構成する紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、機器の起動中、POS端末2からの操作者ID及びロック解除命令の入力を待機している(ステップS403)。入力があった場合(ステップS403のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、第1の態様においてPOS端末2の情報処理部201が実行するステップS302及びS303の処理と同様に、入力された操作者IDに対応する権限情報308を権限テーブルHから取得し(ステップS405)、この操作者IDに付与された権限情報308の内容を判定する(ステップS406)。操作者IDにロック解除権限が付与されていると判定した場合(ステップS406のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、入力された操作者IDを正規な解除者IDとして(ステップS407)、ロック解除情報記憶処理を実行して(ステップS408、図8参照)、処理を終了する。これに対し、ステップS406において、操作者IDにロック解除権限が付与されていないと判定した場合(ステップS406のN)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、POS端末2のサインオンに用いられた操作者IDにはロック解除権限が付与されておらず貨幣入出金装置5のロック解除を行うことが出来ない旨を報知する警告処理を行い(ステップS409)、一連の処理を終了する。この警告処理は、一例として、紙幣入出金装置5aの情報処理部251がブザー回路262を制御して所定のエラー音を鳴らしたり、POS端末2に対しキャッシャ用表示部9にメッセージを表示するためのコマンドを送信したりする処理である。
【0061】
図15は、POS装置1で行われる処理の第3の態様の流れを示すフローチャートである。貨幣入出金装置5を構成する紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、機器の起動中、操作表示部3からのロック解除命令の入力を待機している(ステップS501)。ロック解除命令の入力があった場合(ステップS501のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、POS端末2に対し、ロック解除情報記憶処理を行う際に解除者IDとして用いる操作者IDを要求する要求信号を送信する(ステップS502)。
【0062】
POS端末2の情報処理部201は、貨幣入出金装置5から送信される要求信号の受信を待機している(ステップS503)。要求信号を受信した場合(ステップS503のY)、POS端末2の情報処理部201は、第1の態様におけるステップS302、S303と同様の処理を行い(ステップS504、S504a)、サインオンに用いられた操作者IDにロック解除権限が付与されていると判定した場合(ステップS504aのY)、貨幣入出金装置5に対し、サインオンに用いられた操作者IDを入力して(ステップS505)、処理を終了する。これに対し、ステップS504aにおいて、サインオンに用いられた操作者IDにロック解除権限が付与されていないと判定した場合(ステップS504aのN)、POS端末2の情報処理部201は、第1の態様におけるステップS305と同じ処理を行い(ステップS506)、貨幣入出金装置5に対し処理中止信号を送信して(ステップS507)、処理を終了する。
【0063】
紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、ステップS502の処理を実行した後、POS端末2からの操作者ID及び処理中止信号のいずれかの入力を待機している(ステップS508、S509)。操作者IDの入力を判定した場合(ステップS508のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、入力された操作者IDを正規な解除者IDとし(ステップS510)、ロック解除情報記憶処理を実行して(ステップS511、図8参照)、処理を終了する。これに対し、処理中止信号が入力された場合(ステップS509のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、実行中の一連の処理を中止する。
【0064】
図16は、POS装置1で行われる処理の第4の態様の流れを示すフローチャートである。貨幣入出金装置5を構成する紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、機器の起動中、操作表示部3からのロック解除命令の入力を待機している(ステップS601)。ロック解除命令の入力があった場合(ステップS601のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、POS端末2に対し、ロック解除情報記憶処理を行う際に解除者IDとする操作者IDを要求する要求信号を送信する(ステップS602)。
【0065】
POS端末2の情報処理部201は、貨幣入出金装置5から送信される要求信号の受信を待機している(ステップS603)。要求信号を受信した場合(ステップS603のY)、POS端末2の情報処理部201は、POS端末2のサインオンに用いられた操作者IDを貨幣入出金装置5に入力して(ステップS604)、処理を終了する。
【0066】
紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、ステップS602の処理を実行した後、POS端末2からの操作者IDの入力を待機している(ステップS605)。操作者IDの入力を判定した場合(ステップS605のY)、紙幣入出金装置5aの情報処理部251は、第2の態様におけるステップS405〜S409と同様の処理に、入力された操作者IDに対応する権限情報308を取得して(ステップS606)、この操作者IDに付与された権限情報308の内容を判定し(ステップS607)、操作者IDにロック解除権限が付与されていると判定した場合には(ステップS607のY)入力された操作者IDを正規な解除者IDとしてロック解除情報記憶処理を実行して一連の処理を終了し(ステップS608、S609、図8参照)、操作者IDにロック解除権限が付与されていないと判定した場合(ステップS607のN)、警告処理を行って(ステップS610)、一連の処理を終了する。
【0067】
このように、本実施の形態のPOS装置1では、図13ないし図16に基づいて説明したいずれの態様の処理によっても、POS端末2のサインオンに用いられた操作者IDにロック解除権限が付与されている場合にのみロック解除命令の操作入力を行うことで即座に筐体5e、5iからの紙幣処理ユニット5cや硬貨処理ユニット5gの装着離脱のロックの解除を行うことができるため、貨幣収納部に貨幣を保管する上での安全性がさらに高まり、これに加えて、サインオンを実行しPOS装置1で作業を行っているキャッシャは改めて解除者IDの入力を行うことなくロック解除を行うことができるので、貨幣入出金装置5において発生する貨幣詰まりをさらに素早く解消できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】POS装置で行われる処理の概要を示す模式図である。
【図2】POS装置の外観斜視図である。
【図3】硬貨処理ユニットが引き出された状態の硬貨入出金装置の外観斜視図である。
【図4】ロック機構の構造を示す模式図である。
【図5】POS装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】ロック解除履歴ファイルのデータ構成を示す模式図である。
【図7】エラー報知処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】ロック解除情報記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】POS装置の外観斜視図である。
【図10】認証テーブルのデータ構成を示す模式図である。
【図11】個人特定情報入力処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】権限テーブルのデータ構成を示す模式図である。
【図13】POS装置で行われる処理の第1の態様の流れを示すフローチャートである。
【図14】POS装置で行われる処理の第2の態様の流れを示すフローチャートである。
【図15】POS装置で行われる処理の第3の態様の流れを示すフローチャートである。
【図16】POS装置で行われる処理の第4の態様の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1…POS装置、2…POS端末、3…操作表示部(命令入力手段、解除者ID入力手段)、5…貨幣入出金装置、5c…紙幣処理ユニット(貨幣処理機構部)、5e…筐体、5g…硬貨処理ユニット(貨幣処理機構部)、5i…筐体、6…ロック機構、8…入力部(命令入力手段、解除者ID入力手段)、13…紙幣挿入口(入金口)、14…紙幣排出口(出金口)、15…硬貨投入口(入金口)、16…硬貨排出口(出金口)、19…鍵、23…プルソレノイド(ロック解除機構)、31…指紋認証端末(個人特定情報を入力するための手段)、256…フラッシュメモリ(記憶部)、276…フラッシュメモリ(記憶部)、301…ロック解除情報、304…解除者ID、305…特異点情報(個人特定情報)、306…解除者ID、G…認証テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入金口から入金された貨幣を貨幣収納部に収納し、払出指示に応じて前記貨幣収納部に収納された貨幣を出金口に向けて払い出す貨幣処理機構部を筐体内に装着離脱自在に収納した貨幣入出金装置であって、
前記筐体からの前記貨幣処理機構部の装着離脱をロックするロック機構と、
駆動部によって駆動されて前記ロック機構のロック解除を行うロック解除機構と、
ロック解除命令を入力するための命令入力手段と、
解除者IDを入力するための解除者ID入力手段と、
前記解除者ID入力手段から入力された解除者IDがキャッシャを特定できる正規なものであるか否かを判定し、当該解除者IDが正規なものであり、かつ、ロック解除命令が入力されていることを条件として、前記駆動部を駆動して前記ロック機構のロック解除を行うとともに当該解除者IDを含むロック解除情報を記憶部に記憶する手段と、
を備える貨幣入出金装置。
【請求項2】
前記ロック機構は、鍵によるロック解除が可能な構造を有する、請求項1記載の貨幣入出金装置。
【請求項3】
前記貨幣処理機構部でエラーが発生しているか否かを判定する手段を備え、
エラーが発生したと判定した場合、エラー報知処理を実行する、
請求項1又は2記載の貨幣入出金装置。
【請求項4】
前記解除者ID入力手段は、個人を特定する個人特定情報を入力するための手段と、解除者ID及び個人特定情報を対応付けて記憶する認証テーブルとを含み、
前記個人特定情報を入力するための手段から入力された個人特定情報が前記認証テーブルに含まれているか否かを判定し、含まれていると判定した場合、当該個人特定情報に対応する解除者IDが正規な解除者IDとして入力されたものとする、
請求項1から3のいずれか一に記載の貨幣入出金装置。
【請求項5】
前記入力された個人特定情報が前記認証テーブルに含まれていると判定した場合、ロック解除命令も入力されたものとする、請求項4記載の貨幣入出金装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一に記載の貨幣入出金装置と、
前記貨幣入出金装置とデータ通信自在に接続し、各種操作入力を行うための入力部を備え、操作者を特定する操作者IDの指定によってサインオン状態となるPOS端末と、
を備え、
前記POS端末は、前記入力部からのロック解除命令の入力を判定した場合、サインオンに用いられた前記操作者IDにロック解除権限が付与されていることを条件として、ロック解除命令とともに正規の解除者IDとして前記操作者IDを前記貨幣入出金装置に入力する、
POS装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一に記載の貨幣入出金装置と、
前記貨幣入出金装置とデータ通信自在に接続し、各種操作入力を行うための入力部を備え、操作者を特定する操作者IDの指定によってサインオン状態となるPOS端末と、
を備え、
前記POS端末は、前記入力部からのロック解除命令の入力を判定した場合、ロック解除命令とともにサインオンに用いられた前記操作者IDを前記貨幣入出金装置に入力し、
前記貨幣入出金装置は、前記入力された操作者IDにロック解除権限が付与されていることを条件として、正規の解除者IDとして前記操作者IDが入力されたものとする、
POS装置。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一に記載の貨幣入出金装置と、
前記貨幣入出金装置とデータ通信自在に接続し、操作者を特定する操作者IDの指定によってサインオン状態となるPOS端末と、
を備え、
前記貨幣入出金装置は、ロック解除命令の入力を判定した場合、前記POS端末に解除者IDの入力を要求する要求信号を送信し、
前記POS端末は、前記要求信号を受信した場合、サインオンに用いられた前記操作者IDにロック解除権限が付与されていることを条件として、正規の解除者IDとして前記操作者IDを前記貨幣入出金装置に入力する、
POS装置。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一に記載の貨幣入出金装置と、
前記貨幣入出金装置とデータ通信自在に接続し、操作者を特定する操作者IDの指定によってサインオン状態となるPOS端末と、
を備え、
前記貨幣入出金装置は、ロック解除命令の入力を判定した場合、前記POS端末から当該POS端末のサインオンに用いられた操作者IDを取得し、当該操作者IDにロック解除権限が付与されていることを条件として、正規の解除者IDとして前記操作者IDが入力されたものとする、
POS装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−140013(P2009−140013A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312608(P2007−312608)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】