説明

貨幣処理装置

【課題】バウチャー等を得るために顧客自らにより機体内に投入された貨幣を金種別に分類収納しておき、必要に応じて出金させることができ、機体内に投入された貨幣をリサイクルすることにより有効活用することができるとともに警備会社の作業員等が機体内に収納された貨幣を回収する回数を少なくすることができる貨幣処理装置を提供する。
【解決手段】貨幣処理装置34は、顧客により入金口130、214に投入され機体内に取り込まれた貨幣の合計金額を算出する制御部170、280と、制御部170、280により算出された貨幣の合計金額に相当する価値を特定可能な情報を記憶または記録した媒体を機体外に投出する媒体投出口142aとを備えている。制御部170、280に与えられた出金指示に基づいて、収納部125、250に収納された貨幣が必要枚数分だけ出金口123a、268aにより機体外に投出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣や硬貨からなる貨幣の処理を行う貨幣処理装置に関し、とりわけ、バウチャー等を得るために顧客自らにより機体内に投入された貨幣を金種別に分類収納しておき、必要に応じて出金させることができる貨幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スーパーマーケット等の店舗にバウチャー発行機を設置することが知られている(例えば、特許文献1等参照)。特許文献1等に開示されるバウチャー発行機は、店舗における入口やカスタマーサービスエリア等に設置されるようになっており、顧客が硬貨を投入すると、投入された硬貨の合計金額に相当する価値を有する金券等のバウチャーを発行するようになっている。このようなバウチャー発行機が設置されている店舗では、顧客はまず手持ちの硬貨をバウチャー発行機に投入してバウチャーを発行させ、その後、店舗で買い物を行う際に精算所でバウチャーを店員に手渡すことにより当該バウチャーと引き換えに商品の精算を行うようになっている。顧客によりバウチャー発行機に投入された硬貨は機体内に収納され、店舗の営業時間後に警備会社の作業員等が機体内の硬貨を手作業で回収するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表平9−512655号公報(WO95/30215A1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等に開示されるバウチャー発行機では、顧客により機体内に投入されて当該機体内に収納された硬貨を出金させることができないため、バウチャー発行機の機体内に収納された硬貨を有効に活用することができないという問題があった。また、店舗側としては、警備会社に支払う料金を低減するために、バウチャー発行機の機体内に収納された硬貨を警備会社の作業員等が回収する回数を少なくすることが望まれている。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、バウチャー等を得るために顧客自らにより機体内に投入された貨幣を金種別に分類収納しておき、必要に応じて出金させることができ、機体内に投入された貨幣をリサイクルすることにより有効活用することができるとともに警備会社の作業員等が機体内に収納された貨幣を回収する回数を少なくすることができる貨幣処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、店舗に設置される貨幣処理装置であって、顧客自らが貨幣を投入可能な入金口と、前記入金口に投入され機体内に取り込まれた貨幣を識別計数する識別部と、前記識別部により識別計数された貨幣が金種別に収納される複数の収納部と、前記識別部による識別結果に基づいて、顧客により前記入金口に投入され機体内に取り込まれた貨幣の合計金額を算出する制御部と、前記制御部により算出された貨幣の合計金額に相当する価値を特定可能な情報を記憶または記録した媒体を機体外に投出する媒体投出口と、貨幣を機体外に投出する出金口と、を備え、前記制御部に与えられた出金指示に基づいて、前記収納部に収納された貨幣が必要枚数分だけ前記出金口により機体外に投出されるようになっていることを特徴とする貨幣処理装置である。
【0007】
このような貨幣処理装置においては、顧客自らが貨幣を投入可能な入金口が設けられており、制御部によって、顧客により入金口に投入され機体内に取り込まれた貨幣の合計金額が算出されるようになっている。また、媒体投出口から、制御部により算出された貨幣の合計金額に相当する価値を特定可能な情報を記憶または記録した媒体、具体的には例えば金券等のバウチャーが投出されるようになっている。さらに、制御部に与えられた出金指示に基づいて、各収納部に収納された貨幣が必要枚数分だけ出金口により機体外に投出されるようになっている。このような貨幣処理装置によれば、バウチャー等を得るために顧客により機体内に投入された貨幣を出金させることができ、貨幣処理装置の機体内に投入された貨幣をリサイクルすることにより有効活用することができるとともに警備会社の作業員等が貨幣処理装置の機体内に収納された貨幣を回収する回数を少なくすることができる。
【0008】
本発明の貨幣処理装置においては、前記媒体は、前記貨幣処理装置が設置された店舗で使用可能なバウチャー、前記貨幣処理装置が設置された店舗以外の企業で使用可能なバウチャー、前記制御部により算出された貨幣の合計金額に係る情報が書き込まれたICカード、前記制御部により算出された貨幣の合計金額に係る情報が書き込まれたホストサーバにおける当該合計金額に対応するシリアル番号が書き込まれたICカード、または前記シリアル番号が記載された紙葉類であってもよい。
【0009】
本発明の貨幣処理装置においては、前記貨幣処理装置が精算所に設けられている場合、前記制御部は、精算処理を行う精算モードと、貨幣を機体内に入金し、入金貨幣の合計金額に相当する価値を特定可能な情報を前記媒体に記憶または記録するチャージモードのうちいずれか一方のモードを実行するようになっており、前記制御部に与えられる前記出金指示は、精算モードにおける釣銭としての貨幣の投出指示であってもよい。
【0010】
この際に、前記制御部に与えられる前記出金指示は、顧客からデビットカードを受け取ったときのキャッシュアウト処理における貨幣の投出指示であってもよい。
【0011】
また、この際に、前記入金口、前記媒体投出口および前記出金口は顧客側にあり、これらに対して顧客自らがアクセス可能となっていてもよい。
【0012】
あるいは、前記貨幣処理装置はカスタマーサービスエリアに設けられており、前記制御部に与えられる前記出金指示は、精算所に設置されたレジシステムに補充されるべき釣銭準備金としての貨幣の投出指示であってもよい。
【0013】
この際に、前記レジシステムおよび前記貨幣処理装置に対してそれぞれ着脱自在となっているインターフェースカセットに対して前記出金口を介して貨幣が出金されるようになっていてもよい。
【0014】
また、前記レジシステムのドロアに対して前記出金口を介して貨幣が出金されるようになっていてもよい。
【0015】
また、前記入金口および前記媒体投出口は顧客側にあり、これらに対して顧客自らがアクセス可能となっており、前記出金口は前記カスタマーサービスエリアのサービスカウンター内にあり、当該出金口に対して顧客がアクセスすることができないようになっていてもよい。
【0016】
本発明の貨幣処理装置においては、前記出金指示は、前記貨幣処理装置が通信接続される上位装置から与えられるようになっていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の貨幣処理装置によれば、バウチャー等を得るために顧客自らにより機体内に投入された貨幣を金種別に分類収納しておき、必要に応じて出金させることができ、機体内に投入された貨幣をリサイクルすることにより有効活用することができるとともに警備会社の作業員等が機体内に収納された貨幣を回収する回数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態による貨幣処理装置が設けられた店舗のレイアウトを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態による貨幣処理装置が設けられた店舗システムの構成を示す構成図である。
【図3】図1および図2に示す貨幣処理装置の外観を示す斜視図である。
【図4】図3に示す貨幣処理装置における紙幣処理装置の内部構成を示す構成図であって、(a)は、入金部に紙幣受入ユニットが装着されているときの状態を示す図であり、(b)は、入金部にインターフェースカセットが装着されているときの状態を示す図である。
【図5】図4に示す紙幣処理装置の機能ブロック図である。
【図6】図3に示す貨幣処理装置における硬貨処理装置の内部構成の概略を示す側面図である。
【図7】図6に示す硬貨処理装置の正面図である。
【図8】図6および図7に示す硬貨処理装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図8は、本実施の形態に係る貨幣処理装置およびこの貨幣処理装置を備えた店舗システムを示す図である。
【0020】
まず、本発明の実施の形態による貨幣処理装置が設けられた店舗のレイアウトについて図1を用いて説明する。図1に示すように、スーパーマーケット等の店舗10は、顧客が立ち入り可能なフロント領域12と、顧客が立ち入ることができないバックオフィス50とに区分けされている。フロント領域12は、複数のレジシステム21が設けられた精算所20と、カスタマーサービスエリア30と、商品が展示される商品棚42が複数設けられた商品棚エリア40とから構成されている。顧客は購入すべき商品を商品棚エリア40の商品棚42から取り出し、当該商品について精算所20で精算処理を行うようになっている。精算所20の各レジシステム21には、POS(Point-Of-Sale)レジスター28や貨幣精算装置22が設けられている。図2に示すように、貨幣精算装置22は、紙幣入出金装置24および硬貨入出金装置26から構成されている。また、カスタマーサービスエリア30は店舗10の出入口近傍に設けられており、このカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32には貨幣処理装置34が設置されている。図2に示すように、貨幣処理装置34は、紙幣処理装置36および硬貨処理装置38から構成されている。
【0021】
また、紙幣処理装置36には、後述するインターフェースカセット37が着脱自在に取り付けられるようになっており、このインターフェースカセット37により、カスタマーサービスエリア30の紙幣処理装置36と、精算所20の紙幣入出金装置24やバックオフィス50との間で現金(紙幣)の授受が行われるようになっている。なお、インターフェースカセット37は、紙幣処理装置36や紙幣入出金装置24から離脱しているときには当該インターフェースカセット37内に収納された紙幣を取り出せないようになっている。
【0022】
また、硬貨処理装置38にも、後述する硬貨収納カセット39が着脱自在に取り付けられるようになっており、この硬貨収納カセット39により、カスタマーサービスエリア30の硬貨処理装置38と、精算所20の硬貨入出金装置26やバックオフィス50との間で現金(硬貨)の授受が行われるようになっている。
【0023】
図1に示すような店舗10の店舗システムの構成について、図2を用いて説明する。図2に示すように、バックオフィス50には上位端末52が設けられており、この上位端末52は、精算所20におけるPOSレジスター28および貨幣精算装置22、ならびにカスタマーサービスエリア30における貨幣処理装置34とそれぞれ通信接続されている。このようにして、上位端末52は、精算所20に設けられたPOSレジスター28および貨幣精算装置22、ならびにカスタマーサービスエリア30に設けられた貨幣処理装置34とそれぞれ様々な情報の送受信を行うようになっている。また、バックオフィス50にはPOSサーバ54が設置されており、このPOSサーバ54は上位端末52に通信接続されている。そして、上位端末52は、POSサーバ54とも様々な情報の送受信を行うようになっている。
【0024】
本実施の形態では、カスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32に設置された貨幣処理装置34は、顧客が紙幣や硬貨を投入すると、投入された紙幣や硬貨の合計金額に相当する価値を有する金券等のバウチャーを発行するようになっている。ここで、このような金券等のバウチャーは、貨幣処理装置34が設置された店舗10で使用可能となっている。このため、店舗10に入った顧客はまず手持ちの紙幣や硬貨を貨幣処理装置34に投入してバウチャーを発行し、その後、店舗10内で買い物を行う際に精算所20でバウチャーを店員に手渡すことにより当該バウチャーと引き換えに商品の精算を行うことができるようになっている。なお、顧客により貨幣処理装置34に投入された紙幣や硬貨は機体内に収納される。また、本実施の形態では、貨幣処理装置34内に収納された紙幣や硬貨を出金することができるようになっている。出金された紙幣や硬貨は、精算所20に設置された貨幣精算装置22に釣銭準備金として補充されたり、バックオフィス50に搬送されて回収されたりするようになっている。
【0025】
また、本実施の形態では、図1に示すように、貨幣処理装置34は、サービスカウンター32の内側および外側にそれぞれ向く少なくとも2つの側面を有している。そして、サービスカウンター32の内側を向く側面は、当該サービスカウンター32内にいる店員側の面となり、一方、サービスカウンター32の外側を向く側面は、顧客側の面となる。貨幣処理装置34の入金口は顧客側の面および店員側の面にそれぞれ設けられている。一方、貨幣処理装置34の出金口は店員側の面にのみ設けられている。また、バウチャーを機体外に投出するための印刷物投出口142a(後述)は、貨幣処理装置34における顧客側の面を向いている。
【0026】
以下、貨幣処理装置34の構成の詳細について説明する。
【0027】
本実施の形態における貨幣処理装置34の外観を図3に示す。なお、図3に示す貨幣処理装置34の前面は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の内側、すなわち店員側を向いている。また、図3に示す貨幣処理装置34における紙幣処理装置36の内部構成を図4に示す。ここで、図4(a)は、第1の入金部121に紙幣受入ユニット121aが装着されているときの状態を示す図であり、図4(b)は、第1の入金部121にインターフェースカセット37が装着されているときの状態を示す図である。また、図4に示す紙幣処理装置の機能ブロック図を図5に示す。
【0028】
紙幣処理装置36の構成について図3乃至図5を参照して詳述する。なお、図4に示す紙幣処理装置36における右側の面は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の内側、すなわち店員側を向いており、一方、図4に示す紙幣処理装置36における左側の面は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側、すなわち顧客側を向いている。
【0029】
図3乃至図5に示すように、紙幣処理装置36は、筐体120aと、第1の入金部121と、第2の入金部130と、出金部122とを備えている。ここで、第1の入金部121は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の内側を向いており、店員が紙幣処理装置36へ紙幣を入金する場合に用いられるようになっている。より詳細には、第1の入金部121には、紙幣受入ユニット121aが着脱自在に装着されている。この紙幣受入ユニット121aは、第1の入金部121に装着されたときに紙幣処理装置36の外部から紙幣を受け入れて1枚ずつ筐体120a内に繰り出すようになっている。なお、図4(b)に示すように、第1の入金部121には、紙幣受入ユニット121aの代わりに、インターフェースカセット37を装着することができるようになっている。インターフェースカセット37が第1の入金部121に装着されたときには、このインターフェースカセット37の内部に設けられた繰出機構によりインターフェースカセット37内の紙幣が1枚ずつ筐体120a内に繰り出されるようになっている。一方、第2の入金部130は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側を向いており、顧客自らが紙幣処理装置36へ紙幣を入金する場合に用いられるようになっている。
【0030】
図4に示すように、紙幣処理装置36の筐体120a内には紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部123が設けられており、この搬送部123の一の端部123aに第1の入金部121が接続されているとともに、搬送部123の他の端部123bには第2の入金部130が接続されている。ここで、紙幣受入ユニット121aやインターフェースカセット37が第1の入金部121に装着されたときに、これらの紙幣受入ユニット121aやインターフェースカセット37から繰り出された紙幣は、搬送部123の一の端部123aを介して当該搬送部123により搬送されるようになっている。一方、顧客により第2の入金部130に挿入された紙幣は、搬送部123の他の端部123bを介して当該搬送部123により搬送されるようになっている。
【0031】
図4に示すように、搬送部123には識別部124が設けられており、この識別部124によって、搬送部123により搬送される紙幣の金種、正損、真偽等の識別を行うようになっている。
【0032】
また、筐体120a内において複数の収納繰出部125が設けられており、各収納繰出部125はそれぞれ搬送部123に接続されている。各収納繰出部125は、紙幣を金種別に収納するようになっている。より詳細には、識別部124による識別結果に基づいて、第1の入金部121や第2の入金部130から搬送部123に繰り出された紙幣は当該搬送部123により各収納繰出部125に金種別に送られるようになっている。また、各収納繰出部125は、当該収納繰出部125に収納された紙幣を1枚ずつ搬送部123に繰り出すことができるようになっている。各収納繰出部125は、図4に示すような紙幣を1枚ずつ一対のテープ間に挟み込んだ状態で当該テープを紙幣とともに巻き取るテープリール式の収納繰出部であってもよく、あるいは、紙幣を積み重ねて収納するスタッカ式の収納繰出部(図示せず)であってもよい。
【0033】
また、筐体120a内には回収部126が設けられており、この回収部126は、収納繰出部125に収納された紙幣を回収する際に用いられるようになっている。より具体的には、回収部126には、紙幣を収納する紙幣収納袋(図示せず)が着脱自在に設置可能となっており、収納繰出部125から搬送部123を経て回収部126に送られた紙幣は紙幣収納袋内に収納されるようになっている。また、各収納繰出部125に割り当てられていない金種の紙幣や、対応する金種の収納繰出部125がフル状態のために収納できないオーバーフロー紙幣も回収部126の紙幣収納袋内に収納されるようになっている。そして、回収部126から紙幣収納袋を取り出すことにより、紙幣処理装置36から紙幣収納袋ごと紙幣の回収を行うようになっている。
【0034】
また、図4に示すように、紙幣処理装置36には、第1の機外リジェクト部127、第2の機外リジェクト部132および機内リジェクト部128がそれぞれ設けられている。第1の機外リジェクト部127や第2の機外リジェクト部132には、第1の入金部121や第2の入金部130により筐体120a内に取り込まれた紙幣のうち識別部124により正常な紙幣ではないと識別された紙幣がリジェクト紙幣として搬送部123から送られるようになっており、これらの第1の機外リジェクト部127や第2の機外リジェクト部132によりリジェクト紙幣を紙幣処理装置36の外部に投出するようになっている。より詳細には、図4に示すように、第1の機外リジェクト部127は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の内側を向いており、第1の入金部121から入金された紙幣の中にリジェクト紙幣があった場合には、この第1の機外リジェクト部127に送られ、店員により回収されるようになっている。また、第2の機外リジェクト部132は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側を向いており、第2の入金部130から入金された紙幣の中にリジェクト紙幣があった場合には、この第2の機外リジェクト部132に送られ、顧客により回収されるようになっている。一方、機内リジェクト部128には、紙幣処理装置36の外部に投出することのできないようなリジェクト紙幣が搬送部123から送られるようになっており、この機内リジェクト部128にリジェクト紙幣を収納するようになっている。そして、顧客や店員等の管理権限のない操作者は機内リジェクト部128内の紙幣を取り出すことはできないようになっている。
【0035】
また、図3および図5に示すように、紙幣処理装置36には操作表示部140が設けられている。この操作表示部140は例えばタッチパネル式のディスプレイ等から構成されており、当該ディスプレイは図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側、すなわち顧客側を向いている。そして、操作表示部140は、顧客が様々な指令を入力したり、当該操作表示部140に表示された情報を顧客が見たりすることができるように構成されている。なお、操作表示部140の向きは自由に変えることができるようになっており、この操作表示部140をカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の内側、すなわち店員側に向け、店員が様々な指示を入力したり、当該操作表示部140に表示された情報を店員が見たりするようになっていてもよい。
【0036】
また、紙幣処理装置36には印字部142が設けられている。この印字部142は例えばプリンタから構成されており、金券等のバウチャーの印字を行うようになっている。また、図4に示すように、印字部142には印刷物投出口142aが設けられており、印字部142により印字が行われたバウチャーは印刷物投出口142aから印字部142の外部に投出されるようになっている。本実施の形態では、印字部142の印刷物投出口142aは、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側を向いている。そして、印刷物投出口142aから印字部142の外部に投出されたバウチャーは、顧客が受け取ることができるようになっている。
【0037】
また、紙幣処理装置36の筐体120a内には、当該紙幣処理装置36の各構成要素の制御を行う制御部170が設けられている。制御部170の構成について図5を用いて説明する。図5に示すように、制御部170は、第1の入金部121、第2の入金部130、出金部122、搬送部123、識別部124、収納繰出部125、回収部126、操作表示部140、印字部142等にそれぞれ接続されている。そして、識別部124による紙幣の識別結果が制御部170に送られるようになっており、また、制御部170から第1の入金部121、第2の入金部、出金部122、搬送部123、収納繰出部125、回収部126、印字部142にそれぞれ指令を送ることによりこれらの構成要素の制御を行うようになっている。また、操作表示部140によって顧客により入力された情報は制御部170に送られるようになっており、また、制御部170から操作表示部140に情報を送ることによりこの操作表示部140で様々な表示を行わせるようになっている。
【0038】
また、図5に示すように、制御部170にはインターフェース172が接続されており、このインターフェース172を介して制御部170は外部装置(具体的には、例えば上位端末52(図2参照))と情報の送受信を行うことができるようになっている。また、制御部170には記憶部174が接続されており、この記憶部174には紙幣処理装置36の様々な設定情報や、各収納繰出部125に収納された紙幣の金種毎の枚数等の収納情報が記憶されるようになっている。
【0039】
次に、このような構成からなる紙幣処理装置36の動作について以下に説明する。なお、以下に示す紙幣処理装置36の動作は、制御部170が紙幣処理装置36の各構成要素を制御することにより行われるようになっている。
【0040】
まず、紙幣処理装置36に紙幣を入金するときの動作について説明する。顧客が紙幣を紙幣処理装置36に入金するのは、主に手持ちの紙幣をその店舗で使用可能な金券等に予め換金することによって、店舗から入金額以上のプレミアム付の金券等を得たり、その他のサービスを得たりする場合である。一方、店員が紙幣を紙幣処理装置36に入金するのは、サービスカウンター32での売上金の入金処理と、精算所20における各貨幣精算装置22の紙幣入出金装置24から回収される売上金の紙幣を入金する場合である。顧客が紙幣処理装置36に紙幣を入金する際には、顧客は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側を向いている第2の入金部130に紙幣を投入する。そして、第2の入金部130から筐体120a内に紙幣が1枚ずつ繰り出される。一方、店員が紙幣処理装置36に紙幣を入金するにあたり、紙幣を直接紙幣処理装置36に入金する場合には、紙幣受入ユニット121aを第1の入金部121に装着する。このことにより、紙幣受入ユニット121aは、紙幣処理装置36の外部から紙幣を受け入れて1枚ずつ筐体120a内に繰り出すようになる。一方、インターフェースカセット37に収納された紙幣を紙幣処理装置36に入金する場合には、図4(b)に示すようにインターフェースカセット37を第1の入金部121に装着する。この場合には、インターフェースカセット37が第1の入金部121に装着されたときに、このインターフェースカセット37の内部に設けられた繰出機構によりインターフェースカセット37内の紙幣が1枚ずつ自動的に筐体120a内に繰り出される。
【0041】
第1の入金部121や第2の入金部130により筐体120a内に繰り出された紙幣は搬送部123により搬送され、識別部124により紙幣の識別が行われる。識別部124により正常な紙幣であると識別された紙幣は、金種別に各収納繰出部125に収納される。一方、識別部124により正常な紙幣であると識別されたが、対応する金種の収納繰出部125がフル状態である場合や、各収納繰出部125に割り当てられていない金種の紙幣である場合には、この紙幣は回収部126に送られる。また、識別部124により正常な紙幣ではないと識別された紙幣(例えば、偽券等)や、識別部124により識別を行うことができなかった紙幣は、リジェクト紙幣として第1の機外リジェクト部127、第2の機外リジェクト部132、または設定によっては機内リジェクト部128に送られる。また、制御部170によって、紙幣処理装置36の機体内に取り込まれた紙幣の合計金額が算出される。このようにして、第1の入金部121や第2の入金部130から筐体120a内に紙幣が全て繰り出され、各収納繰出部125や回収部126等に紙幣が全て収納されると、紙幣処理装置36における紙幣の入金処理が終了する。顧客が紙幣処理装置36に紙幣を入金した場合には、紙幣処理装置36における紙幣の入金処理が終了した後、後述するように、印字部142により金券等のバウチャーの印字が行われ、印字が行われたバウチャーは印刷物投出口142aから印字部142の外部に投出される。このようにして、顧客は金券等のバウチャーを受け取ることができるようになる。
【0042】
次に、紙幣処理装置36から紙幣を出金するときの動作について説明する。具体的には、店舗の営業時間前に貨幣精算装置22の紙幣入出金装置24に紙幣の釣銭準備金を補充する際に、紙幣処理装置36において所定のパターンの紙幣の釣銭準備金を作成して出金するようになっている。更に詳細に説明すると、紙幣処理装置36において紙幣の釣銭準備金を作成する際に、インターフェースカセット37を第1の入金部121に装着し、各収納繰出部125から繰り出された紙幣をインターフェースカセット37に収納させるようになっている。この際に、搬送部123の一の端部123aは、紙幣を機体外に投出する出金口としても機能するようになる。紙幣処理装置36において紙幣の釣銭準備金を作成するにあたり、制御部170は、紙幣の釣銭準備金の出金パターン(具体的には、金種毎の紙幣の枚数のパターン)に基づいて、各収納繰出部125から紙幣を繰り出し、繰り出された紙幣を第1の入金部121に装着されたインターフェースカセット37に送るよう、紙幣処理装置36の各構成要素を制御する。ここで、釣銭準備金の出金パターンに係る情報は、記憶部174に予め記憶されていたり、店員等によって操作表示部140により制御部170に入力されたり、あるいは上位端末52からインターフェース172を介して制御部170に送られたりするようになっている。
【0043】
次に、貨幣処理装置34における硬貨処理装置38の構成について図6乃至図8を参照して詳述する。図6は、硬貨処理装置38の内部構成の概略を示す側面図であり、図7は、図6に示す硬貨処理装置38の正面図である。また、図8は、図6および図7に示す硬貨処理装置38の機能ブロック図である。なお、図6に示す硬貨処理装置38における右側の面は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の内側を向いており、一方、図6に示す硬貨処理装置38における左側の面は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側を向いている。
【0044】
図6および図7に示すように、硬貨処理装置38は、略直方体形状の筐体212と、筐体212外から硬貨を受け入れる硬貨受入口214と、硬貨受入口214に受け入れられた硬貨が送られて貯留されるとともに貯留された硬貨を1枚ずつ繰り出す貯留繰出機構230とを備えている。また、筐体212内において、貯留繰出機構230から繰り出された硬貨を1枚ずつ搬送する入金搬送部220が設けられており、この入金搬送部220には、当該入金搬送部220により搬送される硬貨の識別を行う識別部222や、識別部222による硬貨の識別結果に基づいて硬貨の選別を行う選別部224が設けられている。
【0045】
また、図7に示すように、筐体212内において入金搬送部220の下方には左右一対の一時保留部240が設けられており、これらの一時保留部240には、選別部224により選別された硬貨が金種毎に区分けされた状態で一時的に保留されるようになっている。また、一時保留部240の下方には、複数(具体的には8つ)の収納繰出機構250が設けられている。各収納繰出機構250は、一時保留部240に一時的に保留された硬貨が当該一時保留部240から送られて収納されるようになっている。また、各収納繰出機構250は、当該収納繰出機構250に収納された硬貨を1枚ずつ繰り出すようになっている。
【0046】
また、図6および図7に示すように、筐体212内において、各収納繰出機構250の下方には回収ボックス(回収箱)270が設けられている。この回収ボックス270にはドロア272が着脱自在に設けられており、各収納繰出機構250から繰り出された硬貨は、回収ボックス270に装着されたドロア272に、金種毎に区分けされた状態で収納されるようになっている。精算所20のレジシステム21において、硬貨入出金装置26の代わりに、あるいは硬貨入出金装置26に加えてドロア収納庫が用いられる場合には、回収ボックス270に着脱自在に装着されたドロア272を、精算所20のレジシステム21のドロア収納庫に用いることができる。また、ドロア272の代わりに、後述する硬貨収納カセット39が回収ボックス270に装着されるようになっていてもよい。
【0047】
また、硬貨処理装置38の筐体212内には、当該硬貨処理装置38の各構成要素の制御を行う制御部280が設けられている。
【0048】
以下、このような構成からなる硬貨処理装置38の各構成要素の詳細について説明する。
【0049】
図6および図7に示すように、筐体212外から内部に投入された硬貨を受け入れる硬貨受入口214が筐体212の上部に設けられており、硬貨受入口214に受け入れられた硬貨は自重により貯留繰出機構230に送られるようになっている。なお、硬貨受入口214は、筐体212におけるカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側の側面に近い箇所、すなわち顧客側の側面に近い箇所に設けられている。このため、顧客は、カスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32に設置された硬貨処理装置38の硬貨受入口214に硬貨を確実に投入することができるようになっている。また、この硬貨受入口214に硬貨収納カセット39を着脱自在に取り付けることができるようになっている。硬貨収納カセット39が硬貨受入口214に取り付けられたときに、この硬貨収納カセット39に収納された硬貨は硬貨受入口214に送られるようになる。
【0050】
貯留繰出機構230は、鉛直方向に対して所定角度で傾斜しており傾斜姿勢で回転させられる回転円盤232と、この回転円盤232の表面との間に硬貨を貯留する硬貨貯留空間233を形成するカバー部材234と、を備えている。回転円盤232には回転軸(図示せず)が取り付けられており、この回転軸を中心として回転円盤232は鉛直方向に対して所定角度で傾斜した状態で回転するようになっている。また、回転円盤232における硬貨貯留空間233側の表面には複数の突起部材(図示せず)が設けられている。これらの突起部材は、回転円盤232の縁部近傍の位置においてこの縁部に沿って等間隔で設けられている。そして、各突起部材が回転円盤232の表面上で硬貨を引っ掛けることにより、回転円盤232の下部領域にある硬貨を当該回転円盤232の回転によってこの回転円盤232の上部領域に搬送するようになっている。
【0051】
また、貯留繰出機構230において回転円盤232の上部領域には搬送ベルト(図示せず)が設けられている。この搬送ベルトは、突起部材により回転円盤232の下部領域から上部領域に搬送された硬貨を硬貨貯留空間233の外方に搬送するようになっている。具体的には、搬送ベルトにより、硬貨は貯留繰出機構230内の硬貨貯留空間233から入金搬送部220に送られるようになっている。
【0052】
貯留繰出機構230から繰り出された硬貨は、入金搬送部220により1枚ずつ搬送されるようになっている。図6に示すように、入金搬送部220は、略水平方向に沿って延びる上部搬送部分220aと、上部搬送部分220aから送られた硬貨を搬送し、この際に硬貨の搬送方向を逆方向に変える折り返し搬送部分220bと、上部搬送部分220aの下方に設けられ、略水平方向に沿って延び、折り返し搬送部分220bから送られた硬貨を搬送する下部搬送部分220cとを有している。そして、貯留繰出機構230から繰り出された硬貨は上部搬送部分220a、折り返し搬送部分220b、下部搬送部分220cの順に搬送されるようになっている。また、上部搬送部分220aには識別部222が設けられており、この識別部222は、貯留繰出機構230から繰り出された硬貨の金種や真偽等の識別を行うようになっている。また、上部搬送部分220aおよび下部搬送部分220cには、識別部222による硬貨の識別結果に基づいて硬貨の選別を行う選別部224がそれぞれ複数設けられている。
【0053】
上部搬送部分220aに設けられた各選別部224は、識別部222による硬貨の識別結果に基づいて、この上部搬送部分220aにより搬送される硬貨を選別して後述するリジェクト部247やオーバーフローボックス249、または一時保留部240に送るようになっている。
【0054】
また、本実施の形態の硬貨処理装置38においては、左右一対の一時保留部240が設けられている(図7参照)。各一時保留部240にはそれぞれ硬貨が金種別に区分けされて一時的に保留されるようになっている。各一時保留部240に一時的に保留された硬貨は、返却箱248または各収納繰出機構250に選択的に送られるようになっている。返却箱248は筐体212の内部から外部に引き出し可能となるよう構成されており、返却箱248を筐体212の外部に引き出すことによって操作者は返却箱248内の硬貨を取り出すことができるようになっている。このように、返却箱248は、一時保留部240に一時的に保留された硬貨を筐体212の外部に返却するためのものとして使用されるようになっている。各一時保留部240は、図7における実線で示すような第1の位置と図7における二点鎖線で示すような第2の位置との間でそれぞれ移動自在となっている。そして、各一時保留部240が第1の位置にあるときには当該一時保留部240は各選別部224により選別された硬貨を受けるようになっている。また、各一時保留部240が第1の位置から第2の位置に移動すると、当該一時保留部240に一時的に保留された硬貨が各収納繰出機構250に送られるようになっている。
【0055】
より詳細には、図7に示すように、各一時保留部240は、頂部および底部がそれぞれ開口した枠体242およびこの枠体242の底部の開口を選択的に塞ぐ底板243を有している。そして、これらの枠体242および底板243は、それぞれ図7における実線で示すような第1の位置と、図7における二点鎖線で示すような第2の位置との間で互いに独立して移動自在となっている。図7に示すように、第1の位置にある枠体242の真下の位置には返却箱248が設けられている。一方、第2の位置にある枠体242の真下の位置には複数のシュート246が設けられており、これらのシュート246はそれぞれ対応する金種の各収納繰出機構250に連通している。
【0056】
そして、枠体242および底板243がそれぞれ第1の位置にあるときには、一時保留部240は、入金搬送部220の各選別部224により選別されシュート226を介して送られた硬貨を枠体242の頂部の開口を介して受けるようになっている。この際に、枠体242の底部の開口は底板243により塞がれているため、一時保留部240に送られた硬貨は当該一時保留部240において一時的に保留されるようになる。そして、底板243が第1の位置に維持されたまま枠体242が第1の位置から第2の位置に移動すると、一時保留部240に一時的に保留された硬貨は、一時保留部240の底部の開口を通過して自重により落下し、各シュート246を介して各収納繰出機構250に金種別に送られる。一方、枠体242が第1の位置に維持されたまま底板243が第1の位置から第2の位置に移動すると、一時保留部240に一時的に保留された硬貨は返却箱248に送られる。
【0057】
図6および図7に示すように、各収納繰出機構250は、硬貨の繰り出しを行う繰出部251と、各一時保留部240から送られた硬貨を収納するとともに収納された硬貨を繰出部251に搬送する搬送部260とを有している。各収納繰出機構250の繰出部251は、鉛直方向に対して所定角度で傾斜しており傾斜姿勢で回転させられる回転円盤252と、この回転円盤252の表面との間に硬貨を収納する硬貨収納空間253を形成するカバー部材254と、を有している。回転円盤252の表面には、当該表面から突出する複数の突起部材(図示せず)が設けられている。そして、回転円盤252の回転時において、突起部材がカバー部材254との間で硬貨を1枚ずつ保持して回転円盤252の下部領域から上部領域に拾い上げ、収納繰出機構250の投出口(図示せず)へ向けて押し出すようになっている。
【0058】
また、各収納繰出機構250における搬送部260は、略水平方向に延びる無端状の搬送ベルト262を有している。そして、各一時保留部240から送られた硬貨は搬送ベルト262上に集積されるようになっている。そして、搬送ベルト262が図7における矢印方向に循環移動することにより、搬送ベルト262上に集積された硬貨の山が崩されて、硬貨は繰出部251における回転円盤252とカバー部材254との間に形成された硬貨収納空間253に送られるようになっている。ここで、搬送部260における搬送ベルト262と繰出部251における回転円盤252は同期して動作されるようになっている。
【0059】
各収納繰出機構250から繰り出された硬貨は、当該収納繰出機構250に対応するシュート268を介して、回収ボックス270(後述)に装着されたドロア272や硬貨収納カセット39に収納されるようになっている。
【0060】
図6および図7に示すように、硬貨処理装置38の筐体212の下部には回収ボックス270(回収箱)が着脱自在に設けられている。図6の矢印に示すように、この回収ボックス270は筐体212におけるカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の内側の側面、すなわち店員側の側面から図6の右方に引き出し可能となっている。このようにして回収ボックス270が筐体212から引き出されると、この回収ボックス270からドロア272や硬貨収納カセット39が取り出され、その後、ドロア272や硬貨収納カセット39は店員等によって精算所20に搬送される。そして、硬貨収納カセット39に収納された硬貨は、貨幣精算装置22の硬貨入出金装置26に釣銭準備金として手動で収納される。
【0061】
また、本実施の形態の硬貨処理装置38においては、当該硬貨処理装置38の各構成要素の制御を行う制御部280が設けられている。図8は、図6および図7に示す硬貨処理装置38の機能ブロック図である。図8を参照して、制御部280の構成について説明する。
【0062】
図8に示すように、制御部280は、入金搬送部220、識別部222、貯留繰出機構230、各一時保留部240、収納繰出機構250における繰出部251や搬送部260等に接続されており、これらの構成要素に対して信号の送受信を行うようになっている。より詳細には、識別部222による硬貨の識別結果に係る信号が制御部280に送られるようになっている。また、制御部280は、入金搬送部220、貯留繰出機構230、一時保留部240、収納繰出機構250における繰出部251や搬送部260等に制御信号を送り、これらの各構成要素の制御を行うようになっている。
【0063】
また、制御部280には記憶部286が接続されており、硬貨処理装置38の様々な設定や当該硬貨処理装置38による硬貨の処理結果等の情報が記憶部286に記憶されるようになっている。具体的には、入金搬送部220に設けられた各選別部224により選別される硬貨の金種の設定に係る情報や、各収納繰出機構250に収納されている硬貨の金種毎の枚数や金額等の情報が記憶部286に記憶されるようになっている。
【0064】
また、制御部280にはインターフェース288が接続されており、このインターフェース288を介して制御部280は硬貨処理装置38の外部装置(例えば上位端末52)に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
【0065】
次に、このような構成からなる硬貨処理装置38の動作について説明する。硬貨処理装置38においては、基本的に入金を行うのは顧客となっており、紙幣処理装置36の場合と同様に、主に手持ちの硬貨をその店舗で使用可能な金券等に予め換金することによって、店舗から入金額以上のプレミアム付の金券等を得たり、その他のサービスを得る場合である。なお、以下に示す硬貨処理装置38の動作は、制御部280が硬貨処理装置38の各構成要素を制御することにより行われるようになっている。
【0066】
顧客が硬貨処理装置38の硬貨受入口214に硬貨を投入すると、この硬貨は自重により落下して貯留繰出機構230に送られる。そして、貯留繰出機構230において回転円盤232が図6における時計回りの方向に回転することにより、硬貨貯留空間233で貯留され回転円盤232の下部領域にある硬貨は、回転円盤232の表面上で各突起部材(図示せず)に引っ掛けられることにより、回転円盤232の回転によってこの回転円盤232の上部領域に1枚ずつ搬送される。そして、回転円盤232の上部領域に搬送された硬貨は当該貯留繰出機構230から繰り出される。
【0067】
貯留繰出機構230から繰り出された硬貨は入金搬送部220の上部搬送部分220aにより搬送され、この際に識別部222により硬貨の金種や真偽等の識別が行われる。そして、上部搬送部分220aに設けられた各選別部224により、識別部222による硬貨の識別結果に基づいて、この上部搬送部分220aにより搬送される硬貨が選別されてリジェクト部247やオーバーフローボックス249、または一時保留部240に送られる。
【0068】
ここで、上部搬送部分220aにおいて各選別部224により選別されなかった硬貨は、折り返し搬送部分220bに送られる。そして、折り返し搬送部分220bにおいて、硬貨は自重による落下によって上部搬送部分220aから下部搬送部分220cに搬送される。
【0069】
下部搬送部分220cにおいて、硬貨は図6における左方向に搬送される。そして、下部搬送部分220cにより搬送される硬貨は、各選別部224によりシュート226を介して一時保留部240に金種別に送られる。そして、各一時保留部240に硬貨が一時的に保留された後、顧客が操作表示部140により入金確定の指令を制御部280に与えると、一時保留部240の枠体242が第1の位置(図7における実線)から第2の位置(図7における二点鎖線)に移動する。この際に、底板243は第1の位置(図7における実線)に維持されたままとなる。このことにより、一時保留部240に一時的に保留された硬貨は、底部の開口(図示せず)を介して自重により下方に落下し、各シュート246を介して各収納繰出機構250に金種別に送られるようになる。一方、各一時保留部240に硬貨が一時的に保留された後、顧客が操作表示部140により硬貨の返金の指令を制御部280に与えると、一時保留部240の底板243が第1の位置(図7における実線)から第2の位置(図7における二点鎖線)に移動する。この際に、枠体242は第1の位置(図7における実線)に維持されたままとなる。このことにより、一時保留部240に一時的に保留された硬貨は、自重により下方に落下し返却箱248に送られる。そして、顧客は、返却箱248を筐体212から手前側に引き出すことにより、返却された硬貨を受け取ることができるようになる。
【0070】
各一時保留部240から各収納繰出機構250に金種別に送られた硬貨は、搬送部260における搬送ベルト262上に集積される。そして、搬送ベルト262が図7における矢印方向に循環移動することにより、搬送ベルト262上に集積された硬貨の山が崩されて、硬貨は繰出部251における回転円盤252とカバー部材254との間に形成された硬貨収納空間253に送られる。このようにして、各収納繰出機構250に硬貨が収納されるようになる。また、この際に、制御部280によって、硬貨処理装置38の機体内に取り込まれた硬貨の合計金額が算出される。顧客が硬貨処理装置38に硬貨を入金した場合には、硬貨処理装置38における硬貨の入金処理が終了した後、紙幣処理装置36の印字部142により金券等のバウチャーの印字が行われ、印字が行われたバウチャーは印刷物投出口142aから印字部142の外部に投出される。このようにして、顧客は金券等のバウチャーを受け取ることができるようになる。
【0071】
次に、硬貨処理装置38から硬貨を出金するときの動作について説明する。具体的には、紙幣処理装置36の場合と同様に、店舗の営業時間前に貨幣精算装置22の硬貨入出金装置24に硬貨の釣銭準備金を補充する際に、硬貨入出金装置24において所定パターンの硬貨の釣銭準備金を作成して出金するようになっている。また、硬貨入出金装置24内に硬貨が増えすぎた場合には回収するための出金動作が行われるようになっている。店員が硬貨処理装置38から硬貨を出金または回収する際には、出金または回収すべき硬貨の金種に対応する収納繰出機構250から、収納された硬貨を繰り出して回収ボックス270に取り付けられたドロア272や硬貨収納カセット39に硬貨を収納させる。具体的には、硬貨処理装置38から硬貨の出金処理を行いたい場合には、回収ボックス270にドロア272や硬貨収納カセット39を取り付けた状態で回収ボックス270を筐体212に装着する。
【0072】
そして、収納繰出機構250において回転円盤252が回転することにより、硬貨収納空間253で貯留され回転円盤252の下部領域にある硬貨は、回転円盤252の表面上で各突起部材(図示せず)に引っ掛けられることにより、回転円盤252の回転によってこの回転円盤252の上部領域に1枚ずつ搬送される。そして、回転円盤252の上部領域に搬送された硬貨は当該収納繰出機構250から繰り出され、シュート268内で自重により落下し、回収ボックス270に取り付けられたドロア272や硬貨収納カセット39に収納されるようになる。この際に、シュート268の下端部268aは、硬貨を機体外に投出する出金口として機能するようになる。その後、図6の矢印に示すように、回収ボックス270を、筐体212におけるカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の内側の側面、すなわち店員側の側面から図6の右方に引き出す。このようにして回収ボックス270が筐体212から引き出されると、この回収ボックス270からドロア272や硬貨収納カセット39が取り出され、その後、ドロア272や硬貨収納カセット39は店員等によって精算所20に搬送される。そして、硬貨収納カセット39に収納された硬貨は、貨幣精算装置22の硬貨入出金装置26に釣銭準備金として収納される。
【0073】
上述のような紙幣処理装置36および硬貨処理装置38からなる貨幣処理装置34において、顧客が手持ちの紙幣や硬貨を金券等のバウチャーに交換する際には、紙幣処理装置36の第2の入金部130に紙幣を投入したり、硬貨処理装置38の硬貨受入口214に硬貨を投入したりする。ここで、本実施の形態では、紙幣処理装置36の第2の入金部130や、硬貨処理装置38の硬貨受入口214は、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側を向いている。そして、顧客によって機体内に投入された紙幣や硬貨は、紙幣処理装置36の各収納繰出部125や硬貨処理装置38の各収納繰出機構250にそれぞれ金種別に収納される。この際に、紙幣処理装置36の制御部170や硬貨処理装置38の制御部280によって、機体内に取り込まれた紙幣や硬貨の合計金額が算出される。そして、制御部170や制御部280により算出された紙幣や硬貨の合計金額と同じ金額の金券等のバウチャーが印字部142により印字され、印字された金券等のバウチャーは印刷物投出口142aから印字部142の外部に投出される。本実施の形態では、印字部142の印刷物投出口142aは、図1に示すカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の外側を向いている。このため、印刷物投出口142aから印字部142の外部に投出されたバウチャーは、顧客が確実に受け取ることができるようになる。
【0074】
一方、本実施の形態の貨幣処理装置34では、紙幣処理装置36の各収納繰出部125に収納された紙幣や硬貨処理装置38の各収納繰出機構250に収納された硬貨をリサイクル利用することができる。具体的には、精算所20に設けられた貨幣精算装置22の紙幣入出金装置24や硬貨入出金装置26に釣銭準備金としての紙幣や硬貨を補充する際には、店員等は、紙幣処理装置36の各収納繰出部125に収納された紙幣や硬貨処理装置38の各収納繰出機構250に収納された硬貨をこれらの紙幣処理装置36や硬貨処理装置38から出金させる。より詳細には、紙幣処理装置36において、第1の入金部121にインターフェースカセット37を装着し、制御部170に与えられた出金指示に基づいて、各収納繰出部125から繰り出された紙幣をインターフェースカセット37に収納させる。その後、インターフェースカセット37は店員等によって精算所20に搬送され、貨幣精算装置22の紙幣入出金装置24に釣銭準備金として収納される。また、硬貨処理装置38において、回収ボックス270にドロア272や硬貨収納カセット39を取り付けた状態で回収ボックス270を筐体212に装着し、制御部280に与えられた出金指示に基づいて、各収納繰出機構250に収納された硬貨をこれらの収納繰出機構250から繰り出して回収ボックス270に取り付けられたドロア272や硬貨収納カセット39に収納させる。その後、図6の矢印に示すように、回収ボックス270を、筐体212におけるカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32の内側の側面、すなわち店員側の側面から図6の右方に引き出す。このようにして回収ボックス270が筐体212から引き出されると、この回収ボックス270からドロア272や硬貨収納カセット39が取り出され、その後、ドロア272や硬貨収納カセット39は店員等によって精算所20に搬送される。そして、硬貨収納カセット39に収納された硬貨は、貨幣精算装置22の硬貨入出金装置26に釣銭準備金として手動で収納される。
【0075】
以上のように本実施の形態の貨幣処理装置34によれば、顧客自らが紙幣や硬貨を投入可能な第2の入金部130や硬貨受入口214が設けられており、また、紙幣処理装置36の制御部170や硬貨処理装置38の制御部280によって、顧客により第2の入金部130や硬貨受入口214に投入され機体内に取り込まれた紙幣や硬貨の合計金額が算出されるようになっている。また、印字部142の印刷物投出口142aから、制御部170、280により算出された紙幣や硬貨の合計金額と同じ金額の金券等のバウチャーが投出されるようになっている。さらに、制御部170、280に与えられた出金指示に基づいて、各収納繰出部125や各収納繰出機構250に収納された紙幣や硬貨が必要枚数分だけ、搬送部123の一の端部123aやシュート268の下端部268a(出金口)により機体外に投出されるようになっている。このことにより、バウチャーを得るために顧客により機体内に投入された紙幣や硬貨を出金させることができ、貨幣処理装置34の機体内に投入された紙幣や硬貨をリサイクルすることにより有効活用することができるとともに警備会社の作業員等が貨幣処理装置34の機体内に収納された紙幣や硬貨を回収する回数を少なくすることができる。
【0076】
また、前述したように、本実施の形態の貨幣処理装置34はカスタマーサービスエリア30に設けられており、制御部170、280に与えられる出金指示は、精算所20に設置されたレジシステム21の貨幣精算装置22に補充されるべき釣銭準備金としての紙幣や硬貨の投出指示である。
【0077】
また、本実施の形態の貨幣処理装置34では、貨幣精算装置22の紙幣入出金装置24および紙幣処理装置36に対してインターフェースカセット37がそれぞれ着脱自在になっており、紙幣処理装置36においてインターフェースカセット37に対して搬送部123の一の端部123a(出金口)を介して紙幣が出金されるようになっている。また、レジシステム21にドロア収納庫が設けられている場合には、硬貨処理装置38において、このドロア収納庫で用いられるドロア272に対してシュート268の下端部268a(出金口)を介して硬貨が出金されるようになっている。
【0078】
また、本実施の形態の貨幣処理装置34では、第2の入金部130、硬貨受入口214、印字部142の印刷物投出口142aは顧客側にあり、これらに対して顧客自らがアクセス可能となっており、一方、搬送部123の一の端部123a(出金口)に隣接する第1の入金部121はカスタマーサービスエリア30のサービスカウンター32内にあり、第1の入金部121や搬送部123の一の端部123aに対して顧客がアクセスできないようになっている。
【0079】
また、本実施の形態の貨幣処理装置34では、紙幣処理装置36の制御部170や硬貨処理装置38の制御部280に与えられる出金指示は、店員等が操作表示部140により与えてもよく、あるいは、貨幣処理装置34が通信接続される上位端末52から与えられるようになっていてもよい。
【0080】
なお、本発明による貨幣処理装置は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
【0081】
例えば、精算所20のレジシステム21に設けられた貨幣精算装置22が以下のような構成となっていてもよい。すなわち、貨幣精算装置22の紙幣入出金装置24や硬貨入出金装置26が、顧客自らが紙幣や硬貨を投入可能な入金口と、顧客により入金口に投入され機体内に取り込まれた紙幣や硬貨の合計金額を算出する制御部と、制御部により算出された紙幣や硬貨の合計金額と同じ金額の金券等のバウチャーを機体外に投出する印刷物投出口とを備えていてもよい。また、このような貨幣精算装置22では、入金口、媒体投出口および出金口は全て顧客側にあり、これらに対して顧客自らがアクセス可能となっている。すなわち、このような貨幣精算装置22が設けられたレジシステム21は、セミセルフ形式となり、店員はスキャナにより商品のスキャンを行うのみとなり、顧客は精算処理において貨幣精算装置22への紙幣や硬貨の入金を自ら行うとともに、釣銭として出金された紙幣や硬貨を貨幣精算装置22の出金口から顧客自らが取り出すようになる。
【0082】
そして、このような貨幣精算装置22において、当該貨幣精算装置22の制御部に与えられた出金指示に基づいて、機体内に収納された紙幣や硬貨が必要枚数分だけ出金口により機体外に投出されるようになっている。このような貨幣精算装置22でも、カスタマーサービスエリア30に設けられた貨幣処理装置34と同様に、バウチャーを得るために顧客により機体内に投入された紙幣や硬貨を出金させることができ、貨幣精算装置22の機体内に投入された紙幣や硬貨をリサイクルすることにより有効活用することができるとともに警備会社の作業員等が貨幣精算装置22の機体内に収納された紙幣や硬貨を回収する回数を少なくすることができる。
【0083】
また、この場合には、貨幣精算装置22の制御部は、精算処理を行う精算モードと、紙幣や硬貨を機体内に入金し、入金された紙幣や硬貨の合計金額と同じ金額の表示をバウチャーに印刷するチャージモードのうちいずれか一方のモードを実行するようになっている。この場合、制御部に与えられる出金指示は、精算モードにおける釣銭としての紙幣や硬貨の投出指示となる。
【0084】
また、貨幣精算装置22の制御部に与えられる出金指示は、顧客からデビットカードを受け取ったときのキャッシュアウト処理における紙幣や硬貨の投出指示であってもよい。ここで、キャッシュアウト処理とは、例えば20ドル分の商品を顧客が購入する際に、デビットカードから100ドルを引き落とすとともに、80ドル分の紙幣や硬貨を貨幣精算装置22から出金し、出金された80ドル分の紙幣や硬貨を顧客に渡すような処理のことをいう。
【0085】
また、本発明による貨幣処理装置では、当該貨幣処理装置に入金された紙幣や硬貨の合計金額と同じ金額の金券等のバウチャーを印刷物投出口から投出するような構成に限定されることはない。他の態様として、貨幣処理装置が設置された店舗以外の企業で使用可能なバウチャーが印刷物投出口から投出され、顧客はこのバウチャーを受け取ることができるようになっていてもよい。また、更に他の態様として、貨幣処理装置に入金された紙幣や硬貨の合計金額に係る情報が書き込まれたICカードが当該貨幣処理装置の機体外に投出され、顧客はこのICカードを受け取ることができるようになっていてもよい。また、更に他の態様として、貨幣処理装置に入金された紙幣や硬貨の合計金額に係る情報が書き込まれたPOSサーバ54等のホストサーバにおける当該合計金額に対応するシリアル番号が書き込まれたICカードが貨幣処理装置の機体外に投出され、顧客はこのICカードを受け取ることができるようになっていてもよい。また、このようなシリアル番号が記載された紙等の紙葉類が貨幣処理装置の機体外に投出され、顧客はこの紙葉類を受け取ることができるようになっていてもよい。ここで、貨幣処理装置が精算所20に設けられている場合には、制御部において上述のチャージモードが実行されるときに、入金貨幣の合計金額に相当する価値を特定可能な情報がバウチャーやICカード等の媒体に記憶または記録されるようになる。
【符号の説明】
【0086】
10 店舗
12 フロント領域
20 精算所
21 レジシステム
22 貨幣精算装置
24 紙幣入出金装置
26 硬貨入出金装置
28 POSレジスター
30 カスタマーサービスエリア
32 サービスカウンター
34 貨幣処理装置
36 紙幣処理装置
37 インターフェースカセット
38 硬貨処理装置
39 硬貨収納カセット
40 商品棚エリア
42 商品棚
50 バックオフィス
52 上位端末
54 POSサーバ
120a 筐体
121 第1の入金部
122 出金部
123 搬送部
123a 一の端部
123b 他の端部
124 識別部
125 収納繰出部
126 回収部
127 第1の機外リジェクト部
128 機内リジェクト部
130 第2の入金部
132 第2の機外リジェクト部
140 操作表示部
142 印字部
142a 印刷物投出口
170 制御部
172 インターフェース
174 記憶部
212 筐体
214 硬貨受入口
220 入金搬送部
220a 上部搬送部分
220b 折り返し搬送部分
220c 下部搬送部分
222 識別部
224 選別部
226 シュート
230 貯留繰出機構
232 回転円盤
233 硬貨貯留空間
234 カバー部材
240 一時保留部
242 枠体
243 底板
246 シュート
247 リジェクト部
248 返却箱
249 オーバーフローボックス
250 収納繰出機構
251 繰出部
252 回転円盤
253 硬貨貯留空間
254 カバー部材
260 搬送部
262 搬送ベルト
268 シュート
268a 下端部
270 回収ボックス
272 ドロア
280 制御部
286 記憶部
288 インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置される貨幣処理装置であって、
顧客自らが貨幣を投入可能な入金口と、
前記入金口に投入され機体内に取り込まれた貨幣を識別計数する識別部と、
前記識別部により識別計数された貨幣が金種別に収納される複数の収納部と、
前記識別部による識別結果に基づいて、顧客により前記入金口に投入され機体内に取り込まれた貨幣の合計金額を算出する制御部と、
前記制御部により算出された貨幣の合計金額に相当する価値を特定可能な情報を記憶または記録した媒体を機体外に投出する媒体投出口と、
貨幣を機体外に投出する出金口と、
を備え、
前記制御部に与えられた出金指示に基づいて、前記収納部に収納された貨幣が必要枚数分だけ前記出金口により機体外に投出されるようになっていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項2】
前記媒体は、前記貨幣処理装置が設置された店舗で使用可能なバウチャー、前記貨幣処理装置が設置された店舗以外の企業で使用可能なバウチャー、前記制御部により算出された貨幣の合計金額に係る情報が書き込まれたICカード、前記制御部により算出された貨幣の合計金額に係る情報が書き込まれたホストサーバにおける当該合計金額に対応するシリアル番号が書き込まれたICカード、または前記シリアル番号が記載された紙葉類であることを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項3】
前記貨幣処理装置が精算所に設けられている場合、前記制御部は、精算処理を行う精算モードと、貨幣を機体内に入金し、入金貨幣の合計金額に相当する価値を特定可能な情報を前記媒体に記憶または記録するチャージモードのうちいずれか一方のモードを実行するようになっており、前記制御部に与えられる前記出金指示は、精算モードにおける釣銭としての貨幣の投出指示であることを特徴とする請求項1または2記載の貨幣処理装置。
【請求項4】
前記制御部に与えられる前記出金指示は、顧客からデビットカードを受け取ったときのキャッシュアウト処理における貨幣の投出指示であることを特徴とする請求項3記載の貨幣処理装置。
【請求項5】
前記入金口、前記媒体投出口および前記出金口は顧客側にあり、これらに対して顧客自らがアクセス可能となっていることを特徴とする請求項3または4記載の貨幣処理装置。
【請求項6】
前記貨幣処理装置はカスタマーサービスエリアに設けられており、前記制御部に与えられる前記出金指示は、精算所に設置されたレジシステムに補充されるべき釣銭準備金としての貨幣の投出指示であることを特徴とする請求項1または2記載の貨幣処理装置。
【請求項7】
前記レジシステムおよび前記貨幣処理装置に対してそれぞれ着脱自在となっているインターフェースカセットに対して前記出金口を介して貨幣が出金されるようになっていることを特徴とする請求項6記載の貨幣処理装置。
【請求項8】
前記レジシステムのドロアに対して前記出金口を介して貨幣が出金されるようになっていることを特徴とする請求項6記載の貨幣処理装置。
【請求項9】
前記入金口および前記媒体投出口は顧客側にあり、これらに対して顧客自らがアクセス可能となっており、
前記出金口は前記カスタマーサービスエリアのサービスカウンター内にあり、当該出金口に対して顧客がアクセスすることができないようになっていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
【請求項10】
前記出金指示は、前記貨幣処理装置が通信接続される上位装置から与えられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−73346(P2013−73346A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210814(P2011−210814)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】