説明

貨幣取扱装置

【課題】
操作性を犠牲にすることなく安価でありながら、防水機能を保持しうるようにした貨幣取扱装置を提供する。
【解決手段】
紙幣および硬貨の投入を行う貨幣取扱装置であって、垂直面に配置された紙幣投入口およびリジェクト口と、上部にひさし上に配置された操作パネル部により、装置上面からの水滴落下に対し水の進入を防止するレイアウトを特徴とする。また、装置上部を平坦な構造とし、上部へ物を載せられるよう、内部に補強部材等を装填することによって、対荷重性を強化しているとともに、操作パネル部を装置前面側に集中配置することによって、装置上部へ物を載せるスペースを確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等に設置された紙幣および硬貨の投入を行う入金機等の貨幣取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関で使用される現金自動取引装置(ATM)や入金機等で一般的に知られる貨幣処理装置においては、通常、屋内設置を前提としているものが多く、水の進入を防止する機能を具備するものはない。しかし、一般店舗等で売上げ金等を保管する入金機等においては、飲食店の厨房等で使用されることもあり、水跳ね等により装置への水の進入についても考慮しておく必要があり、このような設置環境では防水機能が要求される。
【0003】
特許文献1(特開2003−346213)では、入出金口が外気に接した外壁設置型の現金自動取引装置において、雨水が装置に入らない様、防水シャッタと排出手段を備えているが、高価で操作性が悪くなるという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2003−346213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、操作性を犠牲にすることなく安価でありながら、防水機能を保持しうるようにした貨幣取扱装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、紙幣および硬貨の投入を行う貨幣取扱装置であって、垂直面に配置された紙幣投入口およびリジェクト口と、上部にひさし上に配置された操作パネル部により、装置上面からの水滴落下に対し水の進入を防止するレイアウトを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カバー付き硬貨投入口、シートキーSW、LCD、非接触リーダ/ライタなどの防水性を得やすいパーツを上面に配置し操作性を配慮しつつ、操作パネル全体を手前側にひさし状に張り出し、その操作パネル下の垂直面に防水性を得難い紙幣投入口、リジェクト口を設け、操作パネルにて水進入を阻むレイアウトとすることで垂直面側の機構は特に防水機構を設けず安価で操作性も大きく変えることなく装置としての防水機能を実現することができる。
【0008】
また、上記のような入金機においては、十分に広い設置スペースを確保できない場合も多く、スペースの有効活用の観点から、装置上部に物が載せられることが多いが、装置上部を平坦にして対荷重性を強化するとともに、操作部を手前側に集中配置することによって、装置上部に物を載せるスペースを確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明に係る貨幣取扱装置の外観略図であり、紙幣投入口1およびリジェクト口2は、装置前面の垂直面に配置される。また、操作パネル部3はひさし状に装置前面に突き出し、上部からの水滴落下に対して、上記紙幣投入口1およびリジェクト口2が配置された装置前面の垂直面への水の進入を防止する。また、図1に示すように装置上部を平坦な構造とし、上部へ物を載せられるよう、内部に補強部材等を装填することによって、対荷重性を強化しているとともに、操作パネル部を装置前面側に集中配置することによって、装置上部へ物を載せるスペースを確保する。
【0011】
図2は操作パネル部3を拡大して示す略図であり、操作パネル部3には、非接触リーダ/ライタ4、防水カバー付き硬貨投入口5、LCDパネル6、シートキースイッチ7を配置している。非接触リーダ/ライタ4は磁気カードのようなスリット穴をパネル部に不要とし、装置内部への水進入を防ぐことを可能にしている。防水カバー付き硬貨投入口5は、硬貨投入口上部に手動式のスライドカバーを設け、装置内部への水進入を防ぐことを可能にしている。
【0012】
図3はLCDパネル6およびシートキースイッチ7、保護カバー8の取り付け状態を示している。LCDパネル6は操作パネル上面に保護カバー8を有する。保護カバーは、LCDパネル6より1回り大きく、操作パネル部3に両面テープ(a)9にて貼付けることにより、装置内部への水進入を防ぐことを可能にしている。シートキースイッチ7はシートキースイッチ7付属のフラットケーブル10を操作パネル部3の穴から通し、両面テープ(b)11にて貼付けることにより、装置内部への水進入を防ぐことを可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る貨幣取扱装置の一実施例の外観略図である。
【図2】同実施例の操作パネル部の拡大図である。
【図3】同実施例の操作パネル部の取付詳細図である。
【符号の説明】
【0014】
1 紙幣投入口
2 リジェクト口
3 操作パネル部
4 非接触リーダ/ライタ
5 防水カバー付き硬貨投入口
6 LCDパネル
7 シートキースイッチ
8 保護カバー
9 両面テープ(a)
10 フラットケーブル
11 両面テープ(b)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣および硬貨の投入を行う貨幣取扱装置であって、
装置の垂直面に配置された紙幣投入口およびリジェクト口と、
装置上面部にひさし状に配置された操作パネル部とからなり、
装置上面からの水の進入を防止するよう構成したことを特徴とする貨幣取扱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の貨幣取扱装置であって、
前記操作パネル部は、前記紙幣投入口とリジェクト口とが配置された装置垂直面側に集中配置されていることを特徴とする貨幣取扱装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれかに記載の貨幣取扱装置であって、
前記装置上面部は平坦構造とし、上部からの対荷重性を強化するよう補強部材にて強化されていることを特徴とする貨幣取扱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−114910(P2007−114910A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303833(P2005−303833)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】