説明

販売データ処理装置およびプログラム

【課題】税率を複数設定する場合に、簡単に対応できないという問題がある。
【解決手段】販売データ処理装置は、商品コード受付手段と、販売登録手段とを備える。商品コード受付手段は、商品の商品コードを受付ける。販売登録手段は、下位の前記商品分類と、前記下位の商品分類を少なくとも1つ含む上位の前記商品分類とによって階層的に分類されている商品分類に対して税率を記憶する税率記憶手段において、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類と、前記商品コードの前記商品が属する前記上位の商品分類との双方に対して前記税率が記憶されている場合には、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類に対する前記税率を前記商品に適用して、前記商品の販売登録を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消費税の税率は一律で定められているため、POS(Point Of Sales)端末はその一律の税率を用いて商品の販売登録を行っている。しかしながら今後、商品の種類や分類によって複数の税率が定められた場合には、各商品に対して適切な税率を選択して販売登録を行う必要が生じる。
【0003】
従来技術としては、商品マスタにおいて商品ごとに税率を設定しておき、商品の販売登録時に、各商品に対応する税率を抽出して読み込む技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、商品数が多い場合にそれぞれの商品に対して逐一消費税を登録する際に手間がかかるという問題がある。従って、税率を複数設定する場合に、簡単には対応できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の販売データ処理装置は、商品コード受付手段と、販売登録手段とを備える。商品コード受付手段は、商品の商品コードを受付ける。販売登録手段は、下位の前記商品分類と、前記下位の商品分類を少なくとも1つ含む上位の前記商品分類とによって階層的に分類されている商品分類に対して税率を記憶する税率記憶手段において、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類と、前記商品コードの前記商品が属する前記上位の商品分類との双方に対して前記税率が記憶されている場合には、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類に対する前記税率を前記商品に適用して、前記商品の販売登録を行う。
【0006】
実施形態のプログラムは、商品の商品コードを受付けるステップと、下位の前記商品分類と、前記下位の商品分類を少なくとも1つ含む上位の前記商品分類とによって階層的に分類されている商品分類に対して税率を記憶する税率記憶手段において、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類と、前記商品コードの前記商品が属する前記上位の商品分類との双方に対して前記税率が記憶されている場合には、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類に対する前記税率を前記商品に適用して、前記商品の販売登録を行うステップと、をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本実施の形態におけるPOSシステムの概略構成図である。
【図2】図2は、ストアサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、商品マスタのデータ構成を示す図である。
【図4】図4は、商品別税率設定マスタのデータ構成を示す図である。
【図5】図5は、分類2税率設定マスタのデータ構成を示す図である。
【図6】図6は、分類1税率設定マスタのデータ構成を示す図である。
【図7】図7は、デフォルト税率設定マスタのデータ構成を示す図である。
【図8】図8は、POS端末の構成を概略的に示した外観斜視図である。
【図9】図9は、POS端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、POS端末が実行する商品の販売登録処理の手順について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態においては、スーパーマーケット等の店舗で用いられるPOS端末に販売データ処理装置を適用する場合について説明する。
【0009】
図1は、本実施の形態におけるPOSシステム1の概略構成図である。POSシステム1は、図1に示すように、販売データ処理装置としての複数台(図では2台)のPOS端末2と、これらのPOS端末2をLAN(Local Area Network)3等のネットワークで接続して集中管理するストアサーバ4とで構成される。
【0010】
ストアサーバ4は、POSシステム1全体の制御を受け持つものである。図2は、ストアサーバ4の機能的構成を示すブロック図である。ストアサーバ4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されるコンピュータ構成の制御部41と、通信I/F43と、I/O機器制御部44とがバス42によって接続されて構成されている。ストアサーバ4は、通信I/F43およびLAN3(図1参照)を介して複数台のPOS端末2との間で相互にオンライン通信する。また、制御部41にはバス42及びI/O機器制御部44を介して、キーボード45、表示器46、プリンタ47及びHDD(Hard Disk Drive)48が接続されている。HDD48は、制御部41のCPUを動作させる各種制御プログラムの他、商品マスタMおよび税率設定データベースDBを格納している。
【0011】
次に、商品マスタMと、商品マスタMに設定される商品分類(分類)について説明する。図3は、商品マスタMのデータ構成を示す図である。図3に示すように、商品マスタMには、各商品の商品コードに対応付けて、商品名や商品の価格、分類コード(分類1コード、分類2コード)等の商品情報が設定される。
【0012】
商品は複数の分類コードによって分類分けされており、それら複数の分類は階層的に構築されている。
【0013】
即ち、図3に示すように、商品は大まかな分類である分類1(上位の分類)によって複数に分類分けされている。分類1は、例えば図3に示すように、分類1コードが0である「必需品」と、分類1コードが1である「飲料」と、分類1コードが2である「生鮮食品」とに分類分けされている。
【0014】
また、各分類1はより細かな分類である分類2(下位の分類)によってさらに詳細に分類されている。即ち、上位の分類1は、分類1より下位の分類2によって複数に分類分けされており、下位の分類2を少なくとも1つ含んでいる。図3に示す例では、分類1コードが0である「必需品」は、分類2コードが001である「水」と、分類2コードが002である「洗剤」と、分類コードが003である「その他」とにさらに分類分けされている。
【0015】
尚、階層的に構築されているという点では、各商品に付される商品コードを分類2より下位の分類とみなすことができる。即ち、商品コードは、最も詳細な分類、即ち、最下位の分類とみなすことができる。
【0016】
次に、税率設定データベースDBについて説明する。税率設定データベースDBは、上述のように階層的に分類分けされている商品の分類に対して税率を記憶している。また、税率設定データベースDBは、商品に対して税率を記憶している。図2に示すように、税率設定データベースDBは、商品別税率設定マスタD1と、分類1税率設定マスタD2と、分類2税率設定マスタD3と、デフォルト税率設定マスタD4と、を含んでいる。
【0017】
図4は、商品別税率設定マスタD1のデータ構成を示す図である。図4に示すように、商品別税率設定マスタD1は、最下位の商品分類に対する税率として、各商品コードの商品に対する税率を記憶している。尚、商品別税率設定マスタD1においては、全ての商品に対して税率が記憶されていなくてもよい。
【0018】
図5は、分類2税率設定マスタD3のデータ構成を示す図である。図5に示すように、分類2税率設定マスタD3は、各分類2コードの分類2に対する税率を記憶している。
【0019】
図6は、分類1税率設定マスタD2のデータ構成を示す図である。図6に示すように、分類1税率設定マスタD2は、各分類1コードの分類1に対する税率を記憶している。
【0020】
図7は、デフォルト税率設定マスタD4のデータ構成を示す図である。図7に示すように、デフォルト税率設定マスタD4には、税率のデフォルト値として単一の税率を記憶している。例えば、図7では、税率のデフォルト値として1.05が記憶されている。即ち、デフォルト税率設定マスタD4は、最上位の商品分類に対する税率として、全商品に対して一律に定められている単一の税率を記憶している。
【0021】
このように、税率設定データベースDBは、下位の商品分類と、下位の商品分類を少なくとも1つ含む上位の商品分類とによって階層的に分類されている商品分類に対して税率を記憶している。
【0022】
次に、POS端末2について説明する。図8は、本実施の形態におけるPOS端末2の構成を概略的に示した外観斜視図である。POS端末2は、現金等を収容するためのドロワ12の上に載置されており、このドロワ12の引出し12aの開閉を制御する。POS端末2の正面側には、登録、点検、精算、設定などの各種業務モードを選択するためのモードキー14が設けられている。また、POS端末2の正面に設けられたキーボード13には、オペレータ(店員)が、例えば預かり金額などを置数するための置数キーや、1商取引として販売登録が行われた商品の合計出力を指示する現計キーなど、各種操作入力を行うための操作キーが配置されている。
【0023】
さらにPOS端末2には、正面側には店員用ディスプレイ15が、背面側には客用ディスプレイ16が取り付けられている。店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16には、例えば液晶ディスプレイ等が用いられ、販売登録された商品の品名、価格や、1商取引の合計金額、釣銭額などが表示される。POS端末2は、レシート及びジャーナルを印字するプリンタ17を内蔵している。プリンタ17によって印字されたレシートは、POS端末2の正面側に形成されたレシート発行口18から発行される。またPOS端末2には、商品に付与されたバーコードを読取るためのスキャナ19が接続されている。
【0024】
図9は、POS端末2の機能的構成を示すブロック図である。POS端末2は、CPUと、ROMと、RAM等(いずれも不図示)で構成されるコンピュータ構成の制御部21を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶している。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。また、RAMは、商品の販売記録を示す販売データや、店員用ディスプレイ15や客用ディスプレイ16に表示する各種の画面表示データを記憶する。
【0025】
制御部21は、I/O機器制御部24およびバス22を介して、キーボード13、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16、プリンタ17、スキャナ19等のI/O機器を制御する。また、制御部21は、通信I/F23およびLAN3(図1参照)を介してストアサーバ4と相互に通信を行う。
【0026】
制御部21は、CPUがROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行することにより、図9に示すように、商品コード受付部25と、税率読込部26と、販売登録部27と、表示制御部28と、印刷制御部29として機能する。
【0027】
商品コード受付部25は、各商品に付されたバーコードがスキャナ19によってスキャンされた場合に、バーコードのデータから商品コードを読み取って受付ける。尚、商品コード受付部25は、キーボード13から入力されたキーにより商品コードの入力を受付けるとしても良い。また、商品コード受付部25は、二次元コードのようなその他のコードシンボルから商品コードを読み取ってその入力を受付けるとしてもよい。
【0028】
税率読込部26は、商品コード受付部25が受付けた商品コードの商品が属する商品分類または商品に対する税率を、税率設定データベースDB(商品別税率設定マスタD1、分類1税率設定マスタD2、分類2税率設定マスタD3、デフォルト税率設定マスタD4)から読み込む。
【0029】
また、税率読込部26は、上述のように階層的に分類分けされている商品に対して、より下位の分類に対して記憶されている税率を優先的に読み込む。即ち、税率設定データベースDBにおいて、商品コード受付部25が受付けた商品コードの商品が属する下位の分類と、当該商品が属する上位の分類との双方に対して税率が記憶されている場合には、当該商品が属する下位の分類に対する税率を読み込む。そして、税率読込部26は、下位の分類に対する税率が税率設定データベースDBに記憶されていない場合には、当該下位の分類を含む上位の分類に対する税率を読み込む。
【0030】
より具体的には、税率読込部26は、商品別税率設定マスタD1から各商品に対して記憶されている税率を最初に読み込む。そして、商品別税率設定マスタD1がその商品コードに対する税率を記憶していない場合には、税率読込部26は、分類1税率設定マスタD2から、その商品が属する分類1コードの税率を読み込む。さらに、分類1税率設定マスタD2がその分類1コードの税率を記憶していない場合には、税率読込部26は、分類2税率設定マスタD3から、その商品が属する分類2コードの税率を読み込む。
【0031】
さらに、税率読込部26は、最上位の分類よりも下位の分類に対する税率が記憶されていない場合、即ち上述の例では、分類2税率設定マスタD3にその分類2コードの税率が記憶されていない場合には、デフォルト税率設定マスタD4から税率のデフォルト値を読み込む。
【0032】
次に、図3ないし図7を参照して、税率読込部26による読込方法の具体例について説明する。一例として、図3において商品コードが00101と設定されている「○○のおいしい水 500mL」という商品のバーコードをPOS端末2が読み取った場合について説明する。商品コード受付部25は、商品コード00101を受付けて、税率読込部26はこの商品コード00101に対する税率の読込処理を開始する。
【0033】
まず、税率読込部26は、商品別税率設定マスタD1(図4参照)を参照して、商品コード00101に対する税率を記憶しているか否かを判定する。図4に示す例では、商品コード00101に対する税率は記憶されていない。この場合に、税率読込部26は、商品コードより1つ上位である分類2に対して記憶されている税率を読み込む。
【0034】
図3に示すように、商品コード00101の商品の分類2コードは001と設定されている。従って、税率読込部26は、分類2税率設定マスタD3(図5参照)を参照して、分類2コードが001である商品に対する税率を記憶しているか否かを判定する。図5に示す例では、分類2コード001に対する税率は記憶されていない。従って次に、税率読込部26は、分類2より1つ上位である分類1に対して記憶されている税率を読み込む。
【0035】
図3に示すように、商品コード00101の商品の分類1コードは0と設定されている。従って、税率読込部26は、分類1税率設定マスタD2(図6参照)を参照して、分類1コードが0である商品に対する税率を記憶しているか否かを判定する。図6に示す例では、分類1コード0に対する税率は「0」と記憶されている。従って、税率読込部26は商品コード00101に対する税率として「0」を読み込む。
【0036】
尚、分類1税率設定マスタD2が当該商品に対する税率を記憶していない場合には、税率読込部26は、分類1より1つ上位であり、POSシステム2における税率のデフォルト値を、デフォルト税率設定マスタD4(図7参照)から読み込む。
【0037】
このように、税率読込部26は、下位の分類に対して税率が記憶されていない場合に、1つ上位の分類に対する税率を検索し、段階的に上位の分類に対する税率を読み込んでいく。これにより、より下位の分類、即ちより細かい分類に対する税率を優先的に読み込むことができる。
【0038】
販売登録部27は、税率読込部26が読み込んだ税率を商品に適用して、当該商品の販売登録を行う。より具体的には、販売登録部27は、商品コード受付部25が受付けた商品コードをストアサーバ4に問合せて、当該商品コードに対して商品マスタMに設定されている商品名や価格を読み込んでその商品の販売登録を行う。また、販売登録部27は、税率読込部26が読み込んだ税率を、商品の価格に適用して税込み価格を計算し、商品の販売価格として登録する。
【0039】
表示制御部28は、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16に、販売登録部27が登録した各商品の商品名、価格、税込み価格等を表示する。また、表示制御部28は、税率読込部26が読み込んだ各商品に対する税率を店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16に表示する。尚、表示制御部28は、各商品に対する税率または税額を表示するとしてもよい。さらに、表示制御部28は、キーボード13において現計キーが押下された場合に、店員用ディスプレイ15および客用ディスプレイ16に、1取引の合計金額、釣銭額を表示する。
【0040】
尚、表示制御部28が表示する表示内容は、店員用ディスプレイ15および客用ディスプレイ16の双方においてその全てを表示する必要は無く、表示内容は利便性に応じて適宜振り分けて表示されればよい。
【0041】
印刷制御部29は、販売店の店名や連絡先、販売登録部27が登録した各商品の商品名、価格、税込み価格、税率読込部26が読み込んだ各商品に対する税率、1取引の合計金額、釣銭額等を、プリンタ17によってレシート用紙に印刷する。尚、印刷制御部29は、各商品に対する税額をレシートに印刷するとしてもよい。また、印刷制御部29は、印刷したレシートをレシート発行口18から発行する。
【0042】
このように、各商品に対して適用された税率を表示器に表示したり、レシートに印字したりすることによって、店員または客は各商品に対する税率を確認することができる。
【0043】
次に、POS端末2が実行する商品の販売登録処理の手順について説明する。図10は、POS端末2が実行する商品の販売登録処理の手順について説明するフローチャートである。
【0044】
まず、POS端末2において、商品に付されたバーコードがスキャナ19によりスキャンされる。商品コード受付部25は、バーコードのデータから商品コードを読み取って受付ける(ステップS1:Yes)。商品コード受付部25が商品コードの入力を受付けない間(ステップS1:No)は、入力待ちを行う(ステップS1)。
【0045】
次に、税率読込部26は、商品コード受付部25が受付けた商品コードに対する税率を、税率設定データベースDBから読み込む。
【0046】
まず、税率読込部26は、商品コード受付部25が受付けた商品コードに対する税率が、商品別税率設定マスタD1に記憶されているか否かを判定する(ステップS2)。商品コードに対する税率が記憶されている場合(ステップS2:Yes)には、税率読込部26は商品別税率設定マスタD1から商品コードに対する税率を読み込み(ステップS3)、ステップS9に移行する。
【0047】
一方、商品コードに対する税率が記憶されていない場合(ステップS2:No)には、税率読込部26は、その商品コードが属する分類2コードを商品マスタMから読み込む。そして税率読込部26は、読み込んだ分類2コードに対する税率が、分類2税率設定マスタD3に記憶されているか否かを判定する(ステップS4)。その分類2コードに対する税率が記憶されている場合(ステップS4:Yes)には、税率読込部26は分類2税率設定マスタD3からその分類2コードに対する税率を読み込み(ステップS5)、ステップS9に移行する。
【0048】
読み込んだ分類2コードに対する税率が記憶されていない場合(ステップS4:No)には、税率読込部26は、その商品コードが属する分類1コードを商品マスタMから読み込む。そして、税率読込部26は、読み込んだ分類1コードに対する税率が、分類1税率設定マスタD2に記憶されているか否かを判定する(ステップS6)。その分類1コードに対する税率が記憶されている場合(ステップS6:Yes)には、税率読込部26は分類1税率設定マスタD2からその分類1コードに対する税率を読み込み(ステップS7)、ステップS9に移行する。
【0049】
読み込んだ分類1コードに対する税率が記憶されていない場合(ステップS6:No)には、税率読込部26は、デフォルト税率設定マスタD4から税率のデフォルト値を読み込み(ステップS8)、ステップS9に移行する。
【0050】
そして、販売登録部27はステップS1で受付けた商品コードに対する商品名や価格を商品マスタMから読み込んで、その商品の販売登録を行う(ステップS9)。また、販売登録部27は、ステップS3またはステップS5またはステップS7またはステップS8において読み込んだ税率を商品の価格に適用して税込み価格を計算し、商品の販売価格として登録する(ステップS9)。また、表示制御部28は、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16に、販売登録部27が登録した各商品の商品名、価格、税込み価格、税率等を表示する(ステップS10)。
【0051】
次に、POS端末2は、キーボード13において現計キーが押下されたか否かを判定する(ステップS11)。現計キーが押下されていない間(ステップS11:No)は、ステップS1に戻ってステップS1〜S11の処理を全商品の販売登録が終わるまで続ける。現計キーが押下された場合(ステップS11:Yes)には、印刷制御部29は、店名や各商品の品名、価格、税込み価格、各商品に対する税率、1取引の合計金額、釣銭額等をレシートに印刷し、レシート発行口18からレシートを発行する(ステップS12)。そして、店員は会計処理を行って一会計の販売登録処理を終了する。
【0052】
上述のように、本実施の形態によれば、分類ごとに税率を記憶させるため、商品ごとに税率を記憶させずとも複数の税率に対応することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、税率が商品の分類に応じて階層的に記憶されており、税率を読み込む際にも優先順を設けている。従って、その商品またはその商品の下位の分類に対して税率が記憶されていない場合にも、上位の分類の税率を適用することができ、税率の設定抜けを防止することができる。
【0054】
さらに、複数の税率が導入された当初であっても、初めは大まかな分類(上位の分類)に対する税率でカバーしておき、個別の税率や細かい分類(下位の分類)の税率を徐々にデータベースに導入することが可能となる。
【0055】
以上のように、本実施の形態によれば、税率を複数設定する場合に簡単に対応できるという効果を奏する。
【0056】
なお、本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0057】
さらに、本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0058】
本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムは、上述した各部(商品コード受付部25、税率読込部26、販売登録部27、表示制御部28、印刷制御部29)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、商品コード受付部25、税率読込部26、販売登録部27、表示制御部28、印刷制御部29が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0059】
尚、商品の分類分けについては、商品マスタMに設定されている現状の分類分けに即しても良いし、税率に対して新たに分類分けを行っても良い。
【0060】
また、上述ではストアサーバ4に商品マスタM、税率設定データベースDBを格納するとしたが、格納場所はこれに限定されるものではない。POS端末2に商品マスタM、税率設定データベースDBを格納するとしてもよいし、その他のデータサーバに格納するとしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 POSシステム
2 POS端末
3 LAN
4 ストアサーバ
M 商品マスタ
DB 税率設定データベース
D1 商品別税率設定マスタ
D2 分類1税率設定マスタ
D3 分類2税率設定マスタ
D4 デフォルト税率設定マスタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2005−242664公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の商品コードを受付ける商品コード受付手段と、
下位の前記商品分類と、前記下位の商品分類を少なくとも1つ含む上位の前記商品分類とによって階層的に分類されている商品分類に対して税率を記憶する税率記憶手段において、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類と、前記商品コードの前記商品が属する前記上位の商品分類との双方に対して前記税率が記憶されている場合には、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類に対する前記税率を前記商品に適用して、前記商品の販売登録を行う販売登録手段と、
を備えることを特徴とする販売データ処理装置。
【請求項2】
前記下位の商品分類に対する前記税率が前記税率記憶手段に記憶されていない場合には、前記下位の商品分類を含む前記上位の商品分類に対する前記税率を読み込む税率読込手段をさらに備え、
前記販売登録手段は、前記税率読込手段が読み込んだ前記税率を前記商品に適用して、前記商品の販売登録を行うこと、
を特徴とする請求項1記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記税率記憶手段には、最下位の商品分類に対する前記税率として、前記商品に対する前記税率が記憶され、
前記税率読込手段は、前記税率記憶手段から、前記商品に対する前記税率を最初に読み込むこと、
を特徴とする請求項2記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
前記税率記憶手段には、前記上位の商品分類に対する前記税率として、全商品に対して一律に定められている単一の前記税率が記憶され、
前記税率読込手段は、前記税率記憶手段が、前記下位の前記商品分類に対して前記税率を記憶していない場合には、前記税率記憶手段から、前記全商品に対して一律に定められている単一の前記税率を読み込むこと、
を特徴とする請求項2または3に記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
前記税率読込手段が読み込んだ前記税率を表示器に表示する表示制御手段をさらに備えること、を特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の販売データ処理装置。
【請求項6】
販売データ処理装置において、
商品の商品コードを受付けるステップと、
下位の前記商品分類と、前記下位の商品分類を少なくとも1つ含む上位の前記商品分類とによって階層的に分類されている商品分類に対して税率を記憶する税率記憶手段において、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類と、前記商品コードの前記商品が属する前記上位の商品分類との双方に対して前記税率が記憶されている場合には、前記商品コードの前記商品が属する前記下位の商品分類に対する前記税率を前記商品に適用して、前記商品の販売登録を行うステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−108652(P2012−108652A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255915(P2010−255915)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】