説明

貼付剤、貼付剤包装体、及び貼付剤の貼付方法

【課題】貼付部位の形状に適合するとともに、貼付部位の人体の動きに追随することのできる貼付剤、このような貼付剤を得るための誘導表示が設けられている貼付剤、これを梱包した貼付剤包装体、及び貼付剤の貼付方法を提供する。
【解決手段】左手13の親指を切込部11に貫通させ、同時に、左手13の小指を切込部12に貫通させることにより、左手13の手の甲に貼付剤10を密着貼付させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付剤、これを梱包した貼付剤包装体、及び貼付剤の貼付方法に関する。より詳しくは、貼付部位の形状に適合するとともに、貼付部位の人体の動きに追随することのできる貼付剤、このような貼付剤を得るための誘導表示が設けられた貼付剤、これを梱包した貼付剤包装体、及び貼付剤の貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多量の水分を含んだ粘着基剤を有する貼付剤(以下、パップ剤ともいう)は、人体における様々な適用部位に、種々の用途で用いられてきた。このような貼付剤のうち、例えば、化粧用シートとして用いられているフェイスマスク等においては、顔に適合した形状に打ち抜き成形等が行なわれて(特許文献1参照)、市販されている。しかしながら、上記のような特殊用途を除いては、一般的に、貼付剤は長方形の形状で流通している。
【特許文献1】実開平06−6433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これら長方形の貼付剤は、適用する人体部位の形状によっては、その起伏等に沿って貼付面の全体を人体に密着させることが困難な場合があった。また、貼付剤の貼付面に人体に接触しない部分が存在すると、貼付部位の人体の動きに追随することができず、このため、この部分をきっかけとして貼付剤が人体から剥離し、貼付剤を長時間にわたり適用することが困難であった。
【0004】
上記の課題を解決するため、一部の病院等においては、適用部位の人体の形状にあわせて、これら長方形の貼付剤に鋏等によって切込等を設け、その後に患者の適用部位に貼付する方法が採用されている。これにより、貼付剤を貼付部位の形状に適合させるとともに、貼付部位の人体の動きに追随させることが可能となる。
【0005】
しかしながら、適用部位の形状に応じて貼付剤に切込み等を設けるためには、適用部位の人体の形状と、貼付剤に設ける切込位置と、の関係を十分に把握しておく必要があり、これには、ある程度の経験による熟練が必要となる。このため、貼付剤の取り扱い頻度の高い看護師等であればまだしも、貼付剤の取り扱い頻度の低い一般の人々にとっては、適用部位に応じた切込等を貼付剤に設けることは容易なことではない。
【0006】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、貼付部位の形状に適合するとともに、貼付部位の人体の動きに追随することのできる貼付剤、このような貼付剤を得るための誘導表示が設けられている貼付剤、これを梱包した貼付剤包装体、及び貼付剤の貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するため、貼付剤に、所望の貼付部位が有する独特の形状に適合させる切込等を、貼付剤の取り扱い頻度の低い人々でも容易に設けることができるようにする必要がある点に着目して、鋭意研究を重ねた。その結果、貼付剤に切込等を誘導するための表示部を設けることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0008】
(1) 支持体、含水系粘着剤組成物、及び剥離ライナーが、順次積層された貼付剤であって、前記貼付剤は、所望の貼付部位の人体の動きに追随させるための切込部を備えている貼付剤。
【0009】
(1)の貼付剤によれば、所望の貼付部位の人体の動きに追随させるための切込部を備えているため、貼付部位の起伏等に沿って貼付面の全体を人体に密着させることができる。また、切込部の存在により、貼付剤に立体的な自由度を与えることから、貼付部位の人体の動きに追随させることができる。したがって、(1)の貼付剤によれば、貼付剤の人体からの剥離を防止し、長時間にわたって適用することが可能となる。
【0010】
(2) 支持体、含水系粘着剤組成物、及び剥離ライナーが、順次積層された貼付剤であって、前記剥離ライナーには、所望の貼付部位の形状に適合するよう貼付剤の切除変形を誘導するための切取線表示部、及び/又は、所望の貼付部位の人体の動きに追随するよう貼付剤の切込を誘導するための切込線表示部が設けられている貼付剤。
【0011】
(2)の貼付剤によれば、所望の貼付部位の形状に適合するよう貼付剤の切除変形を誘導するための切取線表示部、及び/又は、所望の貼付部位の人体の動きに追随するよう貼付剤の切込を誘導するため切込線表示部が設けられているため、貼付剤の取り扱い頻度の低い一般人であっても、適用部位に応じた貼付剤の切込等を、容易に作成することが可能となる。また、得られた貼付剤は、適用部位に応じた切込等が設けられていることから、上記(1)の効果を奏する。
【0012】
(3) 前記切取線表示部及び/又は切込線表示部は、前記剥離ライナーに印刷されたものである(2)に記載の貼付剤。
【0013】
(3)の貼付剤は、剥離ライナーに、切取線表示部及び/又は切込線表示部が印刷されたものである。剥離ライナーは、使用に際して剥がされるものであるため、支持体に印刷されている場合と異なり、貼付剤適用時の美観を損ねることがない。
【0014】
(4) 前記切込線表示部及び/又は切込線表示部の付近には、切込線表示部及び/又は切込線表示部に対応する貼付部位を表示するための貼付部位表示部が設けられたものである(2)又は(3)に記載の貼付剤。
【0015】
(4)の貼付剤は、切取線表示部及び/又は切込線表示部のみならず、それらの表示に対応した貼付部位を表示するための貼付部位表示部が同時に設けられたものである。これにより、貼付剤の取り扱い頻度の低い一般の人々であっても、人体のどの部位に適した切取線表示部及び/又は切込線表示部なのかを容易に識別することができ、所望の適用部位に応じた切込等を容易に作成することが可能となる。
【0016】
(5) 前記貼付部位は、手の甲、肩、膝、肘、首、又は足首のいずれかである(1)から(4)のいずれか1項に記載の貼付剤。
【0017】
(5)の貼付剤は、切込線表示部及び/又は切込線表示部に沿って切込等を作成することにより、人体の部位のうち、起伏のある部分であっても適用することができる。すなわち、独特の形状を有する貼付部位であっても、それぞれの部位に適した切込線及び/又は切込線を作成することができ、このため、従来より貼付に苦労していた部位であっても、長時間にわたって適用することが可能となる。
【0018】
(6) 前記切込部及び/又は前記切込は、貼付部位の人体の一部を露出及び/又は貫通させるものである(1)から(5)のいずれか1項に記載の貼付剤。
【0019】
(6)の貼付剤は、切込部及び/又は切込から、貼付部位の人体の一部を露出及び/又は貫通させるものである。これにより、起伏の変化が大きい適用部位であっても、貼付剤を適用することが可能となる。
【0020】
(7) 前記切込部及び/又は前記切込は、親指及び/又は小指を貫通させるものである(1)から(6)のいずれか1項に記載の貼付剤。
【0021】
(7)の貼付剤は、切込部及び/又は切込から、親指及び/又は小指を貫通させるものである。手に貼付剤を適用する際には、指の動きが制限されてしまい、不便を感じることが多い。(7)の貼付剤によれば、貼付剤に設けられた切込部及び/又は切込から、親指及び/又は小指を貫通させるため、指の動きが制限されない。また、指の動きによる貼付剤の剥離を防止することができ、長時間にわたって貼付剤を適用することが可能となる。
【0022】
(8) 前記貼付剤は、医療用である(1)から(7)のいずれか1項に記載の貼付剤。
【0023】
一般に、医療用として用いられる貼付剤には、薬物の皮膚への浸透性等から、皮膚に密着し、人体の動きに追随し、人体からの剥離を防止して長時間にわたる適用が求められる。(8)の貼付剤によれば、上記(1)の効果を奏しているため、これらの要求を満足することができ、医療用として好適に用いることができる。
【0024】
(9) 前記貼付剤は、化粧用である(1)から(7)のいずれか1項に記載の貼付剤。
【0025】
化粧用として用いられる貼付剤には、美白成分、保湿成分等の皮膚への浸透性等から、一定時間の適用が求められる。(9)の貼付剤によれば、上記(1)の効果を奏しているため、化粧用として好適に用いることができる。
【0026】
(10) 前記貼付剤は、冷却用である(1)から(7)のいずれか1項に記載の貼付剤。
【0027】
冷却用として用いられる貼付剤には、炎症等を抑えることを目的とされる場合が多いことから、上記(8)と同様に、皮膚に密着し、人体の動きに追随し、人体からの剥離を防止して長時間にわたる適用が求められる。(10)の貼付剤によれば、上記(1)の効果を奏しているため、これらの要求を満足することができ、冷却用として好適に用いることができる。
【0028】
(11) 前記含水系粘着剤組成物は、薬物を含む(1)から(10)のいずれか1項に記載の貼付剤。
【0029】
(11)の貼付剤は、含水系粘着剤組成物に薬物を含むものである。(11)の貼付剤によれば、治療目的に応じた薬物を選択することにより、様々な治療を施すための製剤とすることが可能となる。
【0030】
(12) 前記薬物は、非ステロイド系鎮痛抗炎症剤、生薬、筋弛緩薬、及び局所麻酔薬からなる群より選ばれる1以上である(11)に記載の貼付剤。
【0031】
(13) (1)から(12)のいずれか1項に記載の貼付剤が、当該貼付剤を梱包するための梱包材に梱包された貼付剤包装体であって、前記梱包材は、貼付部位の形状に適合するための貼付剤の切除変形手段及び/又は貼付部位の人体の動きに追随するための貼付剤の切込手段により、所望の貼付部位に適した貼付剤の貼付を誘導するための表示が付されたものである貼付剤包装体。
【0032】
(13)の貼付剤包装体は、貼付剤を梱包するための梱包材に、貼付部位の形状に適合するための貼付剤の切除変形手段及び/又は貼付部位の人体の動きに追随するための貼付剤の切込手段により、所望の貼付部位に適した貼付剤の貼付を誘導するための表示が付されたものである。梱包材に付された表示により、貼付剤の取り扱い頻度の低い一般の人々であっても、所望の適用部位に応じた切込等を容易に作成し、貼付剤を正しく貼付することが可能となる。
【0033】
(14) (1)から(12)のいずれか1項に記載の貼付剤と、貼付剤の説明書と、が梱包された貼付剤包装体であって、前記説明書は、貼付部位の形状に適合するための貼付剤の切除変形手段及び/又は貼付部位の人体の動きに追随するための貼付剤の切込手段により、所望の貼付部位に適した貼付剤の貼付を誘導するための表示がなされたものである貼付剤包装体。
【0034】
(14)の貼付剤包装体は、上記の貼付剤と、貼付剤の説明書と、が梱包されたものである。貼付剤の説明書には、貼付部位の形状に適合するための貼付剤の切除変形手段及び/又は貼付部位の人体の動きに追随するための貼付剤の切込手段により、所望の貼付部位に適した貼付剤の貼付を誘導するための表示がなされていることから、貼付剤の取り扱い頻度の低い一般の人々であっても、所望の適用部位に応じた切込等を容易に作成し、正しく貼付することが可能となる。
【0035】
(15) 支持体、含水系粘着剤組成物、及び剥離ライナーが、順次積層された貼付剤の貼付方法であって、前記剥離ライナーには、所望の貼付部位によって、貼付部位の形状に適合するよう貼付剤の切除変形を誘導するための切取線表示部、及び/又は、貼付部位の人体の動きに追随するよう貼付剤の切込を誘導するための切込線表示部が設けられており、前記切取線表示部の表示に沿って貼付剤を切除変形させる切除変形工程、及び/又は、前記切込線表示部の表示に沿って貼付剤に切込を作成する切込工程と、前記切除変形工程及び/又は切込工程が施された貼付剤を、所望の貼付部位に貼付する貼付工程と、を含む貼付剤の貼付方法。
【発明の効果】
【0036】
本発明の貼付剤によれば、所望の貼付部位の人体の動きに追随させるための切込部を備えているため、貼付部位の起伏等に沿って貼付面の全体を人体に密着させることができる。また、切込部の存在により、貼付剤に立体的な自由度を与えることから、貼付部位の人体の動きに追随させることができる。したがって、貼付剤の人体からの剥離を防止し、長時間にわたって貼付剤を適用することが可能となる。
【0037】
また、本発明の貼付剤によれば、所望の貼付部位の形状に適合するよう貼付剤の切除変形を誘導するための切取線表示部、及び/又は、所望の貼付部位の人体の動きに追随するよう貼付剤の切込を誘導するため切込線表示部が設けられているため、貼付剤の取り扱い頻度の低い一般人であっても、適用部位に応じた貼付剤の切込等を、容易に作成することが可能となる。また、得られた貼付剤は、適用部位に応じた切込等が設けられていることから、貼付面の全体を適用部位に密着させるとともに、貼付部位の人体の動きに追随させることができ、このため、長時間にわたる貼付が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。尚、以下、共通する構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略若しくは簡略化する。
【0039】
<第1実施形態(左手の甲用)>
図1は、第1実施形態に係る貼付剤10を、剥離ライナー側から見た図である。第1実施形態に係る貼付剤10は、左手の甲をその適用貼付部位とするもの(左手の甲用)である。
【0040】
[貼付剤の外形]
第1実施形態に係る貼付剤10の外形は、6辺を持つ変形した6角形である。このような形状は、例えば、長方形の外形を有する貼付剤の三隅の角を切り取ることによって得ることができる。勿論、貼付剤の外形がこのような6角形となるよう、打ち抜き加工により得ることも可能である。
【0041】
本発明の貼付剤の外形は、特に限定されるものではない。適用部位が有する形状に応じて、貼付剤を密着貼付することのできる形状となるよう、その外形を適宜選択することが可能である。
【0042】
[切込部]
第1実施形態に係る貼付剤10は、人体の動きに追随させるための切込部11及び12を備える。切込部11は、所定の辺に略平行に設けられた親指貫通用切込であり、切込部12は、切込部11と反対側の角付近に設けられた小指貫通用切込である。切込部11及び12の切込の大きさは、それぞれ、親指及び小指が貫通するのに十分な大きさであれば、特に限定されるものではない。
【0043】
本発明の貼付剤における切込は、貼付部位の人体の一部を露出及び/又は貫通させるものである。露出及び/又は貫通させる貼付部位の人体の一部は、特に限定されるものではないが、貼付剤が平面であるがために立体的な自由度に乏しく、このため、人体と貼付剤とを密着させることが困難であるような起伏の変化の大きい部分に対して、切込を適用することが好ましい。このような起伏の変化の大きい部分を含む貼付部位としては、例えば、手の甲、肩、膝、肘、首、又は足首等を挙げることができる。また、切込部の大きさは、特に限定されるものではなく、適用部位において露出及び/又は貫通させたい人体の一部の形状の大きさの程度にあわせて、適宜選択することができる。
【0044】
[使用状態]
図2は、第1実施形態に係る左手の甲用の貼付剤10(図1)の使用状態を示す図である。図2に示される貼付剤10の使用状態においては、切込部11から親指が貫通し、切込部12から小指が貫通した状態で、貼付剤10が左手13の手の甲に密着している。
【0045】
[作用]
第1実施形態においては、左手13の親指を切込部11に貫通させ、同時に、左手13の小指を切込部12に貫通させることにより、左手13の手の甲に貼付剤10を密着貼付させる。
【0046】
[貼付剤の全体構成]
本発明の貼付剤は、支持体、含水系粘着剤組成物、及び剥離ライナーが、順次積層されたものである。以下に、それぞれの構成について説明する。
【0047】
〔支持体〕
本発明の貼付剤に用いられる支持体としては、特に限定されるものではなく、貼付剤として通常使用される支持体を用いることが可能である。例えば、織布、不織布、編布等の布帛、樹脂フィルム、紙、及びこれらの積層体を用いることができる。
【0048】
織布、不織布、編布等の布帛や樹脂フィルムを用いる場合には、その材質は特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、レイヨン、綿、ポリウレタン、ウレタン−塩ビ共重合体等を挙げることができる。また、これらは、単独でも、また2種以上の混合物であってもよい。これらの中では、薬剤が吸着しにくく、且つ、入手も容易であることから、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。更に、ポリエチレンテレフタレートからなる不織布が、コストの観点から特に好ましい。
【0049】
また、樹脂フィルムを用いる場合には、白色、肌色等の塗料をフィルムに印刷したり、あるいは、樹脂フィルム材料に着色剤を練り込むことによって、着色が施されたり文字等が表示されたフィルムを用いることができる。更に、粘着剤組成物の投錨性を上げる目的で、ポリウレタン等のプライマー処理や、艶消し処理、コロナ処理、エンボス処理、編布の積層等を施したものを使用することも可能である。
【0050】
〔含水系粘着剤組成物〕
本発明の貼付剤に用いられる含水系粘着剤組成物としては、特に限定されるものではなく、貼付剤として通常使用される含水系粘着剤組成物を用いることが可能である。例えば、ポリアクリル酸及び/又はその塩、水、水溶性高分子化合物、界面活性剤、粘着付与剤、無機粉体、酸化防止剤、防腐剤、色素、pH調整剤、架橋剤、架橋コントロール剤等、通常の貼付剤の基剤として使用される各種の化合物を適宜選択して用いることが可能である。
【0051】
本発明の貼付剤に用いられる含水系粘着剤組成物には、薬物が含有されることが好ましい。用いられる薬物としては、特に限定されるものではなく、その治療目的に応じて適宜選択することが可能であり、全身性薬物、局所用薬物のいずれを用いても良い。また、1種のみならず、2種類以上を併用することも可能である。尚、薬物の配合量は、薬物の種類、薬効、及び投与目的によって適宜設定することができる。
【0052】
本発明の貼付剤の含水系粘着剤組成物に薬物を配合する場合には、皮膚面上に滞留するものではなく、皮下若しくは血中まで浸透して局所作用若しくは全身作用を発揮する経皮吸収可能な薬物を使用することができる。そのような薬物としては、例えば、ステロイドホルモン、非ステロイド系鎮痛抗炎症剤、生薬、筋弛緩薬、精神安定剤、抗高血圧薬、虚血性心疾患治療薬、抗ヒスタミン薬、抗喘息薬、抗パーキンソン薬、脳循環改善薬、制吐薬、抗うつ薬、抗不整脈薬、抗凝固薬、抗痛風薬、抗真菌薬、抗痴呆薬、シェーングレン症候群治療薬、麻薬性鎮痛薬、局所麻酔薬、ベータ遮断薬、β1作動薬、β2作動薬、副交感神経作動薬、抗腫瘍薬、利尿薬、抗血栓薬、ヒスタミンH1レセプター拮抗薬、ヒスタミンH2レセプター拮抗薬、抗アレルギー薬、禁煙補助薬等を挙げることができる。これらの中では、非ステロイド系鎮痛抗炎症剤、生薬、筋弛緩薬、及び局所麻酔薬からなる群より選ばれる1以上を用いることが好ましい。また、本発明の貼付剤において、含水系粘着剤組成物に薬物を配合する場合には、薬物溶解剤を同時に用いてもよい。
【0053】
また、本発明の貼付剤においては、含水系粘着剤組成物に、美白剤、保湿剤、清涼化剤等を任意に配合することも可能である。これにより、化粧用あるいは冷却用等の貼付剤を得ることが可能となる。
【0054】
〔剥離ライナー〕
本発明の貼付剤に用いられる剥離ライナーとしては、特に限定されるものではない。貼付剤に通常用いられる剥離ライナーを用いることが可能であり、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、上質紙等を挙げることができる。また、剥離を容易とする目的で、これらにシリコン処理等を施したものであってもよい。
【0055】
〔貼付剤の製造方法〕
本発明の貼付剤は、従来公知の方法によって製造することができる。例えば、含水系粘着剤組成物を支持体上に塗工し、その後、剥離ライナーと貼り合わせる方法が挙げられる。また、含水系粘着剤組成物を剥離ライナーに展延し、その後、支持体を貼り合わせる方法を採用することも可能である。
【0056】
<第1実施形態の変形例(右手の甲用)>
図3は、第1実施形態の変形例に係る貼付剤20を、剥離ライナー側から見た図である。貼付剤20は、右手の甲をその適用貼付部位とするもの(右手の甲用)である。
【0057】
[貼付剤の外形]
第1実施形態の変形例に係る貼付剤20の外形は、第1実施形態の貼付剤10と略対称となる変形した6角形である。
【0058】
[切込部]
貼付剤20は、第1実施形態の貼付剤10の切込部11及び12と略対称となる位置に、親指貫通用切込となる切込部22、及び小指貫通用切込となる切込部21を備える。
【0059】
[作用]
第1実施形態の変形例(右手の甲用)においては、第1実施形態の作用と同様に、右手の親指を切込部22に貫通させ、同時に、右手の小指を切込部21に貫通させることにより、右手の手の甲に貼付剤20を密着貼付させる。
【0060】
<第2実施形態>
図4(a)及び図4(b)は、第2実施形態に係る貼付剤30及び40を、剥離ライナー側から見た図である。図4(a)に示される貼付剤30は、左手の甲をその適用貼付部位とするもの(左手の甲用)であり、図4(b)に示される貼付剤40は、右手の甲をその適用貼付部位とするもの(右手の甲用)である。第2実施形態の貼付剤30及び40に、本発明の貼付剤の貼付方法における切除変形工程及び切込工程を施すことにより、第1実施形態の貼付剤10、及び第1実施形態の変形例の貼付剤20を得ることができる。
【0061】
[切取線表示部及び/又は切込線表示部]
第2実施形態に係る貼付剤30の剥離ライナー(図4(a))には、左手の甲の形状に適合するよう、貼付剤の三隅を切り取ることを誘導するための切取線表示部31、32、33が印刷表示されている。
【0062】
同時に、親指貫通用切込を誘導するための切込線表示部34及び小指貫通用切込を誘導するための切込線表示部35が印刷表示されている。切込線表示部34及び35の表示の大きさは、それぞれ、切込線表示部に沿って切込を作成した際に、親指及び小指が貫通するに十分な大きさであれば、特に限定されるものではない。
【0063】
同様に、第2実施形態に係る貼付剤40の剥離ライナー(図4(b))には、右手の甲の形状に適合するよう貼付剤の三隅を切り取ることを誘導するための切取線表示部41、42、43が印刷表示されている。同時に、親指貫通用切込を誘導するための切込線表示部45及び小指貫通用切込を誘導するための切込線表示部44が印刷表示されている。
【0064】
本発明の切取線表示部は、所望の貼付部位の形状に適合するよう貼付剤の切除変形を誘導するための表示部である。すなわち、切取線表示部は、貼付剤の貼付に際し、切取線表示に沿って、貼付適用部位に応じた切除変形を行うために利用される表示である。
【0065】
また、本発明の切込線表示部は、所望の貼付部位の人体の動きに追随するよう貼付剤の切込を誘導するための表示部である。すなわち、切込線表示部は、貼付剤の貼付に際し、切込線表示に沿って、貼付適用部位に応じた切込を作成するために利用される表示である。
【0066】
切込線表示に沿って作成した切込は、貼付部位の人体の一部を露出及び/又は貫通させるものである。このとき、露出及び/又は貫通させる貼付部位の人体の一部は、特に限定されるものではないが、貼付剤が平面であるがために立体的な自由度に乏しく、このため、人体と貼付剤とを密着させることが困難であるような起伏の変化の大きい部分に対して、切込を適用することが好ましい。このような起伏の変化の大きい部分を含む貼付部位としては、例えば、手の甲、肩、膝、肘、首、又は足首等を挙げることができる。
【0067】
〔切取線表示部及び/又は切込線表示部の表示設置方法〕
本発明において、剥離ライナーに設けられる切取線表示部及び/又は切込線表示部の表示設置方法は、切取線及び切込線が明示されるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、シールによる貼付表示、印刷による表示等を挙げることができる。本発明においては、剥離ライナーに印刷することにより設けられる方法が好ましい。
【0068】
〔切取線表示部及び/又は切込線表示部の表示位置・大きさ〕
本発明の切取線表示部の表示位置は、特に限定されるものではない。切取線表示に沿って貼付剤の切除変形を行なった後の貼付剤の外形が、適用部位が有する形状に応じて、密着貼付することのできる形状となるよう、表示位置を適宜設定することが可能である。
【0069】
また、本発明の切込線表示部の表示位置は、特に限定されるものではない。貼付剤の適用部位が有する起伏に応じて、貼付剤に自由度を与える位置に切込を誘導できるよう、表示位置を適宜選択することができる。また、切込線表示部の大きさは、特に限定されるものではなく、適用部位において露出及び/又は貫通させたい人体の一部の形状の大きさの程度にあわせて切込が作成できるよう、表示部の大きさを適宜設定することができる。
【0070】
〔切取線表示部及び/又は切込線表示部の複数個所設置〕
本発明において、剥離ライナーに設けられる切取線表示部及び/又は切込線表示部は、同一の貼付部位に対して、大人用及び子供用等、使用者の貼付部位の大きさに合わせて、複数の表示部を設けてもよい。
【0071】
また、異なる貼付部位用に、複数種類の切取線表示部及び/又は切込線表示部が設けられていてもよい。尚、この場合には、適用部位ごとに、表示部に表示される線の色を異なる色とする等により、使用者に貼付部位の識別性を向上させることも可能である。
【0072】
[貼付部位表示部]
第2実施形態に係る貼付剤30の剥離ライナー(図4(a):左手の甲用)には、切込線表示部34の付近に、貫通部位である「(親指)」と表示された貼付部位表示部36が印刷表示されている。また、切込線表示部35の付近には、貫通部位である「(子指)」と表示された貼付部位表示部37が印刷表示されている。
【0073】
また、第2実施形態に係る貼付剤40の剥離ライナー(図4(b):右手の甲用)には、切込線表示部45の付近に、貫通部位である「(親指)」と表示された貼付部位表示部47が印刷表示されている。また、切込線表示部44の付近には、貫通部位である「(子指)」と表示された貼付部位表示部46が印刷表示されている。
【0074】
本発明においては、切込線表示部及び/又は切込線表示部の付近に、切込線表示部及び/又は切込線表示部に対応する「親指」「小指」「肩」「膝」「肘」「首」「足首」等の貼付部位又は貫通部位を表示するための貼付部位表示部が設けられることが好ましい。これにより、貼付剤の使用者に、それぞれの切込線表示部及び/又は切込線表示部が、どの適用部位に相当するものなのかを容易に判断させることが可能となる。
【0075】
[使用状態及び作用]
第2実施形態の貼付剤30及び40の使用状態及び作用は、第1実施形態の貼付剤10及び第1実施形態の変形例の貼付剤20と同様となる。
【0076】
[貼付方法]
本発明の貼付剤の貼付方法を説明する。本発明の貼付剤の貼付方法は、切除変形工程及び/又は切込工程と、貼付工程を含むものである。
【0077】
{切除変形工程}
切除変形工程とは、本発明の貼付剤の貼付にあたり、剥離ライナーに設けられた切取線表示部の表示に沿って貼付剤の周辺部等を切取削除し、貼付剤を変形させる工程である。本発明の貼付剤の貼付方法においては、所望の貼付部位によって、当該貼付部位用として表示されている切取線表示部の表示に沿って切取削除を行なうことにより、適用箇所に独特の貼付剤の形状を容易に得ることができる。
【0078】
第2実施形態に係る貼付剤30においては、印刷表示されている切取線表示部31、32、33に沿って、貼付剤30の三隅を切取削除し、貼付剤30の外形を変形させる。
【0079】
{切込工程}
切込工程とは、本発明の貼付剤の貼付にあたり、剥離ライナーに設けられた切込線表示部の表示に沿って貼付剤に切込を作成する工程である。本発明の貼付剤の貼付方法においては、所望の貼付部位によって、当該貼付部位用として表示されている切込線表示部の表示に沿って切込を行なうことにより、貼付部位が有する独特の人体の形状にあわせた貼付剤を容易に得ることができる。
【0080】
第2実施形態に係る貼付剤30においては、印刷表示されている、親指貫通用切込を誘導するための切込線表示部34及び小指貫通用切込を誘導するための切込線表示部35の表示に沿って、貼付剤30に2箇所の切込を行なう。
【0081】
{貼付工程}
貼付工程とは、切除変形工程及び/又は切込工程が施された貼付剤を、所望の貼付部位に貼付する工程である。貼付剤は、切除変形工程による貼付部位に適した外形、及び/又は、切込工程による貼付部位に適した切込を有しているため、貼付部位の形状と、貼付剤の外形及び/又は切込の位置と、を調整しつつ、貼付部位に貼付剤を貼付する。
【0082】
第2実施形態においては、左手の親指を切込部34に貫通させ、同時に、左手の小指を切込部35に貫通させることにより、左手の甲に貼付剤30を密着貼付する。
【0083】
<第2実施形態の変形例1>
図5は、第2実施形態の変形例である貼付剤50を、剥離ライナー側から見た図である。第2実施形態の変形例に係る貼付剤50の剥離ライナーの中央部には、切込を誘導するための切込線表示部51が印刷表示されている。
【0084】
また、貼付剤50の切込線表示部51の付近には、切込線表示に従って切込を作成された後の貼付剤の適用部位となる「(肩、膝、肘)」と表示された貼付部位表示部52が印刷表示されている。
【0085】
[切込工程]
第2実施形態の変形例に係る貼付剤50においては、印刷表示されている切込線表示部51の表示に沿って、貼付剤50に切込51’を作成し、貼付剤50’を得る。
【0086】
[使用状態]
図6(a)〜図6(c)は、第2実施形態の変形例に係る貼付剤50(図5)から得られた切込を備える貼付剤50’の使用状態を示す図である。図6(a)は、人体53の肩部に、肩の頂部が切込51’から露出する状態で、貼付剤50’が貼付された使用状態を示す図である。また、図4(b)は、人体53の膝部に、膝小僧の頂部が切込51’から露出する状態で、貼付剤50’が貼付された使用状態を示す図である。さらに、図6(c)は、人体53の肘部に、肘の屈曲部が切込51’から露出する状態で、貼付剤50’が貼付された使用状態を示す図である。
【0087】
<第2実施形態の変形例2>
図7は、第2実施形態の別の変形例に係る貼付剤60を、剥離ライナー側から見た図である。第2実施形態の変形例に係る貼付剤60の剥離ライナーの長手方向中心線上の両端部には、切込を誘導するための切込線表示部61及び62が印刷表示されている。
【0088】
また、貼付剤60の切込線表示部61及び62の付近には、切込線表示に従って切込を作成された後の貼付剤の適用部位となる「(首)」と表示された貼付部位表示部63及び64が印刷表示されている。
【0089】
[切込工程]
第2実施形態の変形例に係る貼付剤60においては、印刷表示されている切込線表示部61及び62の表示に沿って、貼付剤60に2箇所の切込61’及び62’を作成し、貼付剤60’を得る。
【0090】
[使用状態]
図8は、第2実施形態の変形例に係る貼付剤60(図7)から得られた切込を備える貼付剤60’の使用状態を示す図である。図8は、人体65の首部に、2箇所の切込61’及び62’から肩の頂部が露出するように、貼付剤60’が貼付された使用状態を示す図である。
【0091】
<第2実施形態の変形例3>
図9は、第2実施形態の別の変形例に係る貼付剤70を、剥離ライナー側から見た図である。第2実施形態の変形例に係る貼付剤70の剥離ライナーの短手方向中心線上の両端部には、切込を誘導するための切込線表示部71及び72が印刷表示されている。
【0092】
また、貼付剤70の切込線表示部71及び72の付近には、切込線表示に従って切込を作成された後の貼付剤の適用部位となる「(膝、肘)」と表示された貼付部位表示部73及び74が印刷表示されている。
【0093】
[切込工程]
第2実施形態の変形例に係る貼付剤70においては、印刷表示されている切込線表示部71及び72の表示に沿って、貼付剤70に2箇所の切込71’及び72’を作成し、貼付剤70’を得る。
【0094】
[使用状態]
図10(a)及び(b)は、第2実施形態の変形例に係る貼付剤70(図9)から得られた切込を備える貼付剤70’の使用状態を示す図である。図10(a)は、人体75の肘部に、肘の屈曲部を貼付剤70’で包み込みように、貼付剤70’が貼付された使用状態を示す図である。さらに、図10(b)は、人体75の肘部に、膝小僧の頂部を貼付剤70’で包み込むように、貼付剤70’が貼付された使用状態を示す図である。
【0095】
<第2実施形態の変形例4>
図11は、第2実施形態の別の変形例に係る貼付剤80を、剥離ライナー側から見た図である。図11に示される貼付剤80は、足首をその適用貼付部位とするものである。第2実施形態の変形例に係る貼付剤80の剥離ライナーには、切込を誘導するための切込線表示部81及び82が印刷表示されている。
【0096】
また、貼付剤80の切込線表示部81及び82の付近には、切込線表示に従って切込を作成された後の貼付剤の適用部位となる「(足首)」と表示された貼付部位表示部83及び84が印刷表示されている。
【0097】
[切込工程]
第2実施形態の変形例に係る貼付剤80においては、印刷表示されている切込線表示部81及び82の表示に沿って、貼付剤80に切込81’及び82’のいずれか一方を作成し、貼付剤80’を得る。
【0098】
[使用状態]
図12(a)及び(b)は、第2実施形態の変形例に係る貼付剤80(図11)から得られた切込を備える貼付剤80’の、左足首への使用状態を示す図である。図12(a)は、左足首を外側(小指側)から見た図であり、図12(b)は、左足首を内側(親指側)から見た図である。
【0099】
[作用]
第2実施形態の変形例に係る貼付剤80(図11)から得られた切込を備える貼付剤80’は、切込工程によって設けられた切込から踵を露出させる状態で、貼付剤80’を足首に沿って周回させつつ貼付する。
【0100】
切込線表示部81に沿って切込81’を作成し、得られた貼付剤80’左足首に貼付剤を適用した場合には、貼付剤の合わせ目は、足首の内側(親指側)となる。逆に、切込線表示部82に沿って切込82’を作成し、左足首に適用した場合には、貼付剤の合わせ目は、足首の外側(小指側)となる。本実施形態においては、適用する側の足首、また貼付剤で包み込みたい足首の部分に応じて、81又は82のいずれの切込線表示部に沿って切り込みを作成するかを適宜選択することができる。
【0101】
<貼付剤包装体>
図13(A)は、本発明の貼付剤包装体の実施形態(A)を示す図である。貼付剤包装体の実施形態(A)は、上記の少なくとも1形態の貼付剤91が、当該貼付剤91を梱包するための梱包材92に梱包されたものである。
【0102】
この梱包材92には、貼付部位の形状に適合するための貼付剤の切除変形手段及び/又は貼付部位の人体の動きに追随するための貼付剤の切込手段により、所望の貼付部位に適した貼付剤の貼付を誘導するための表示95が付されている。
【0103】
貼付剤91を梱包した梱包材92に表示された内容によれば、貼付剤の使用頻度の低い人であっても、所望の貼付部位に応じた切除変形及び/又は切込手段を実施することができ、これにより、貼付剤を正しく貼付することがより確実となる。
【0104】
また、図13(B)は、本発明の貼付剤包装体の実施形態(B)を示す図である。貼付剤包装体の実施形態(B)は、上記の少なくとも1形態貼付剤91と、貼付剤の説明書93と、が梱包材94に梱包された貼付剤包装体である。
【0105】
説明書93には、貼付部位の形状に適合するための貼付剤の切除変形手段及び/又は貼付部位の人体の動きに追随するための貼付剤の切込手段により、所望の貼付部位に適した貼付剤の貼付を誘導するための表示96がなされている。
【0106】
梱包された説明書93の内容に沿えば、たとえ貼付剤の使用頻度の低い人であっても、所望の貼付部位に応じた切除変形及び/又は切込手段を実施することができ、これにより、貼付剤を正しく貼付することがより確実となる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の貼付剤によれば、貼付剤の取り扱い頻度の低い一般人であっても、貼付面の全体を適用部位に密着させるとともに、貼付部位の人体の動きに追随させる使用が可能となり、このため、長時間にわたる貼付が可能となる。したがって、例えば、薬物を長時間にわたって皮膚に適用することが可能となることから、医療用として用いることができる。また、美白剤、清涼化剤や保湿剤等を配合した含水系粘着剤組成物とすれば、化粧用や冷却用、スポーツ用等の貼付剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】第1実施形態に係る貼付剤を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る貼付剤の使用状態を示す図である。
【図3】第1実施形態の変形例に係る貼付剤を示す図である。
【図4】第2実施形態に係る貼付剤を示す図である。
【図5】第2実施形態の変形例1に係る貼付剤を示す図である。
【図6】第2実施形態に変形例1係る貼付剤の使用状態示す図である。
【図7】第2実施形態の変形例2に係る貼付剤を示す図である。
【図8】第2実施形態に変形例2係る貼付剤の使用状態示す図である。
【図9】第2実施形態の変形例3に係る貼付剤を示す図である。
【図10】第2実施形態に変形例3係る貼付剤の使用状態示す図である。
【図11】第2実施形態の変形例4に係る貼付剤を示す図である。
【図12】第2実施形態に変形例4係る貼付剤の使用状態示す図である。
【図13】本発明の貼付剤包装体を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
10、20、30、40、40、60、70、80 貼付剤
11、12、21、22 切込部
13 左手
31、32、33、41、42、43 切取線表示部
34、35、44、45、51、61、62、71、72、81、82 切込線表示部
53、65、75、85 人体
91 貼付剤
93 説明書
92、94 梱包材
95、96 表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体、含水系粘着剤組成物、及び剥離ライナーが、順次積層された貼付剤であって、
前記貼付剤は、所望の貼付部位の人体の動きに追随させるための切込部を備えている貼付剤。
【請求項2】
支持体、含水系粘着剤組成物、及び剥離ライナーが、順次積層された貼付剤であって、
前記剥離ライナーには、所望の貼付部位の形状に適合するよう貼付剤の切除変形を誘導するための切取線表示部、及び/又は、所望の貼付部位の人体の動きに追随するよう貼付剤の切込を誘導するための切込線表示部が設けられている貼付剤。
【請求項3】
前記切取線表示部及び/又は切込線表示部は、前記剥離ライナーに印刷されたものである請求項2に記載の貼付剤。
【請求項4】
前記切込線表示部及び/又は切込線表示部の付近には、切込線表示部及び/又は切込線表示部に対応する貼付部位を表示するための貼付部位表示部が設けられたものである請求項2又は請求項3に記載の貼付剤。
【請求項5】
前記貼付部位は、手の甲、肩、膝、肘、首、又は足首のいずれかである請求項1から4のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項6】
前記切込部及び/又は前記切込は、貼付部位の人体の一部を露出及び/又は貫通させるものである請求項1から5のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項7】
前記切込部及び/又は前記切込は、親指及び/又は小指を貫通させるものである請求項1から6のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項8】
前記貼付剤は、医療用である請求項1から7のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項9】
前記貼付剤は、化粧用である請求項1から7のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項10】
前記貼付剤は、冷却用である請求項1から7のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項11】
前記含水系粘着剤組成物は、薬物を含む請求項1から10のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項12】
前記薬物は、非ステロイド系鎮痛抗炎症剤、生薬、筋弛緩薬、及び局所麻酔薬からなる群より選ばれる1以上である請求項11に記載の貼付剤。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の貼付剤が、当該貼付剤を梱包するための梱包材に梱包された貼付剤包装体であって、
前記梱包材は、貼付部位の形状に適合するための貼付剤の切除変形手段及び/又は貼付部位の人体の動きに追随するための貼付剤の切込手段により、所望の貼付部位に適した貼付剤の貼付を誘導するための表示が付されたものである貼付剤包装体。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の貼付剤と、貼付剤の説明書と、が梱包された貼付剤包装体であって、
前記説明書は、貼付部位の形状に適合するための貼付剤の切除変形手段及び/又は貼付部位の人体の動きに追随するための貼付剤の切込手段により、所望の貼付部位に適した貼付剤の貼付を誘導するための表示がなされたものである貼付剤包装体。
【請求項15】
支持体、含水系粘着剤組成物、及び剥離ライナーが、順次積層された貼付剤の貼付方法であって、
前記剥離ライナーには、所望の貼付部位によって、貼付部位の形状に適合するよう貼付剤の切除変形を誘導するための切取線表示部、及び/又は、貼付部位の人体の動きに追随するよう貼付剤の切込を誘導するための切込線表示部が設けられており、
前記切取線表示部の表示に沿って貼付剤を切除変形させる切除変形工程、及び/又は、前記切込線表示部の表示に沿って貼付剤に切込を作成する切込工程と、
前記切除変形工程及び/又は切込工程が施された貼付剤を、所望の貼付部位に貼付する貼付工程と、を含む貼付剤の貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−20830(P2007−20830A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206332(P2005−206332)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000174622)埼玉第一製薬株式会社 (31)
【Fターム(参考)】