説明

資格要件を満たす候補者を識別するためのシステム及び方法

【課題】効率的且つ信頼できる方法で複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するためのシステム、方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】システムのコンテクストにおいて、複数の候補者エンティティ及び少なくとも一の要求エンティティについての情報を記憶する連想メモリを備え、候補者エンティティ及び要求エンティティを連想させる属性についての情報を記憶し、さらに、エンティティ間の連想性についての情報を記憶するように構成される。また、システムは、一又は複数の質問語を受信するように構成される受信モジュールを備える。さらに、システムは、質問語、及び連想メモリにより提供される候補者エンティティと少なくとも一の要求エンティティとの間の連想性に基づき、資格要件を満たす候補者を識別するように構成される識別モジュールを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するためのシステム及び方法に関するものであり、さらに具体的には、連想メモリを使用して資格要件を満たす候補者を識別するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の初期の候補者は、次の段階でより詳細に評価されるであろう資格要件を満たす候補者の小集団を識別するために、選抜されなければならないことがよくある。たとえば、特定の仕事への候補者を勧誘するために、求人票などの仕事要求が公表されるかもしれない。その仕事要求に応えて、人事部長又はその仕事のポジションを埋める又はさもなければその仕事のために面接を受ける対象となる最も資格要件を満たす候補者を識別する責任のある別の人物に、複数の候補者が履歴書又は他のレスポンスを提出するかもしれない。最も資格要件を満たす候補者を識別するために、候補者により提供された各々の履歴書又は他のレスポンスは、一般的に再検討されなければならない。
【0003】
時には、多数の候補者が求人票に応答し、その結果、仕事要求により必須である又は優先されるものと識別された資質に対して再検討の対象となる履歴書又は他のレスポンスが多数存在することになるかもしれない。この多数の履歴書又は他のレスポンスの再検討は、かなりの時間がかかり、且つ、退屈であるかもしれない。多数の候補者が履歴書の提出により求人票に応答するという、さもなければ将来の雇用主にとっては有利に思われる状況において、これらの問題は深刻であるかもしれない。この状況で、任意の数の候補者が増加することは、潜在的により資格要件を満たす候補者の大きな集団を作り出してしまう恐れがある。しかしながら、候補者が増加すると、また、さらなる熟考に向け最も資格要件を満たす候補者を選択するために、人事部長又はそのポジションを埋めるのに責任のある他の人物が必要とする時間及び労力も増加してしまうかもしれない。
【0004】
複数の候補者により提出される履歴書を再検討するのに必要とする時間及び労力に加え、多数の初期の候補者の履歴書又は他のレスポンスに基づき、彼らの中からさらに熟考を重ねて最も資格要件を満たす候補者を選択する能力は、人事部長又は履歴書を再検討する責任のある他の人物の経験次第であるかもしれない。この点で、経験の少ない部長よりも経験のある部長の方が、より迅速に複数の履歴書及び他のレスポンスを再検討し、より信頼できる方法で最も資格要件を満たす候補者を識別することができるかもしれない。しかしながら、人事部長又は初期の候補者からの履歴書及び他のレスポンスを再検討する責任のある他の人物が、最も効率的且つ信頼できる方法で最も資格要件を満たす候補者を識別するために必要とされる豊かな経験を持ち合わせているとは限らない。
【0005】
履歴書を再検討する工程で役立てるために、履歴書又は他のレスポンス内のキーワードの識別に基づき、初期の候補者により提出される複数の履歴書及び他のレスポンスに検索条件を追加する自動検索ツールが開発されている。一般的に、キーワードは仕事要求から抽出され、たとえば、必須である又は優先されるスキル、経験又は教育を含むことができる。そのような自動検索ツールは、初期の候補者の集団からの複数の履歴書又は他のレスポンスをより効率的に再検討できるかもしれないが、その一方で、もし仮に人事部長又はその仕事を埋めるのに責任ある他の人物が個人的に履歴書を再検討していたら、潜在的に識別されていたであろう、一又は複数の他の資格要件を満たす候補者を見過ごしてしまう方法で、自動検索ツールは、さらなる再検討のための複数の資格要件を満たす候補者を選択するかもしれない。たとえば、ある履歴書が、仕事要求により表現される必須条件及び優先傾向の各々に合う候補者であることを示す情報を含んでいたかもしれないが、自動検索ツールにより利用される表現とは異なる、たとえば、頭字語や類義語などの表現を利用したかもしれず、その履歴書は、自動選択工程で除外されてしまうだろう。
【0006】
その上、自動検索ツールにより識別される資格要件を満たす候補者は、一般的に、資格要件を満たす候補者間では区別しない方法で提示される。そのため、資格要件を満たすどの候補者が、他の資格要件を満たす候補者よりもマッチしているとみなすかは不明瞭である。それゆえ、最も資格要件を満たす候補者を最終的に識別することを確実にするために、資格要件を満たす候補者各々が、個別に同じレベルで詳しく検討される必要があるかもしれない。
【0007】
求人票などの仕事要求に応じた初期の候補者の集団により提出される履歴書又は他のレスポンスの評価は上述の通りだが、複数の初期の候補者の資質が、たとえば、表彰又は賞の候補者、種々のリーダーシップの役割が想定される候補者、奨学金の候補者及び昇格、昇進又はその他のものの候補者を含む他の目的のために考慮されることもあるかもしれない。これらの又は他の概要の各々で、さらなるに検討のために最も資格要件を満たす候補者を識別するために、初期の候補者の履歴書又は他のレスポンスを再検討する責任のある個人は、効率的且つ信頼できる方法で初期の候補者の資質を徹底的に再検討するために同じように奮闘するかもしれない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
それゆえ、効率的且つ信頼できる方法で複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するための、本開示の実施形態によるシステム、方法及びコンピュータプログラムが提供される。この点で、本実施形態のシステム、方法及びコンピュータプログラムは、候補者と仕事要求などの要求との間に連想性を確立するために連想メモリを利用することができる。これらの連想性に基づいて、時間をかけずに初期の候補者の資質をマニュアル的に再検討することにより提供される方法よりも効率的な方法で、資格要件を満たす候補者を識別することができる。さらに、本開示の実施形態による方法、装置及びコンピュータプログラムは、人事部長又はそうでなければ初期の候補者の選抜に責任のある他の人物の経験レベルにほとんど頼らない方法で、資格要件を満たす候補者を識別することができ、他方で、一般的に、従来の自動検索ツールよりも信頼できる結果をもたらすことができる。それゆえ、人事部長又は最も資格要件を満たす候補者を識別する責任がある他の人物は、本開示の実施形態によるシステム、方法及びコンピュータプログラムが複数の初期の候補者の中から最も資格要件を満たす候補者を識別したと自信を持って、システム、方法及びコンピュータプログラムにより識別された資格要件を満たす候補者の再検討に集中することができる。
【0009】
一の実施形態では、複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するシステムが提供される。本実施形態のシステムは、複数の候補者エンティティ及び少なくとも一の要求エンティティについての情報を記憶するように構成される連想メモリが含まれる。たとえば、候補者エンティティは、仕事候補者エンティティを含み、要求エンティティは仕事要求エンティティを含むことができる。また、連想メモリは、候補者エンティティ及び要求エンティティを連想させる属性についての情報を記憶するように構成される。また、連想メモリは、エンティティ間の連想性についての情報を記憶するように構成される。また、本実施形態のシステムは、一又は複数の質問語を受信するように構成される受信モジュールを備える。また、システムは、質問語、及び連想メモリにより提供される候補者エンティティと少なくとも一の要求エンティティとの間の連想性に基づき、資格要件を満たす候補者を識別するように構成される識別モジュールを備える。一の実施形態では、識別モジュールは、それぞれの要求エンティティを連想させ、且つ少なくとも一の質問語を含む一又は複数の候補者エンティティを識別することにより、資格要件を満たす候補者を識別するように構成することができる。
【0010】
一の実施形態による識別モジュールは、複数の資格要件を満たす候補者を識別するようにさらに構成することができる。本実施形態では、システムは、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成される順位付けモジュールを含むこともできる。順位付けモジュールは、候補者エンティティの属性に含まれる任意の数の質問語に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成することができる。さらに又は代替的に、順位付けモジュールは、候補者エンティティの属性に含まれる質問語の相対的優先順位に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成することができる。この点で、それぞれの要求エンティティは、質問語のそれぞれの優先順位を定めることができる。
【0011】
別の実施形態では、複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別する方法が提供される。本実施形態の方法は、複数の候補者エンティティ及び少なくとも一の要求エンティティについての情報を記憶する連想メモリを提供する。たとえば、候補者エンティティは、仕事候補者エンティティを含み、要求エンティティは仕事要求エンティティを含むことができる。また、連想メモリは、候補者エンティティ及び要求エンティティを連想させる属性についての情報も記憶する。さらに、連想メモリは、エンティティ間の連想性についての情報を記憶する。また、本実施形態の方法は、一又は複数の質問語を受信し、次いで、質問語、及び連想メモリにより提供される候補者エンティティと少なくとも一の要求エンティティとの間の連想性に基づき、資格要件を満たす候補者を識別する。たとえば、資格要件を満たす候補者の識別は、それぞれの要求エンティティを連想させ、且つ、少なくとも一の質問語を含む一又は複数の候補者エンティティの識別を含むことができる。
【0012】
一の実施形態による方法は、複数の資格要件を満たす候補者を識別し、且つ、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをすることができる。本実施形態において、複数の資格要件を満たす候補者は、候補者エンティティの属性に含まれる任意の数の質問語に基づき、順位付けすることができる。さらに又は代替的に、複数の資格要件を満たす候補者は、候補者エンティティの属性に含まれる質問語の相対的優先順位に基づき、順位付けすることができる。この点で、それぞれの要求エンティティは、質問語の相対的優先順位を定めることができる。
【0013】
さらなる実施形態では、複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するコンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによる実行に応じて、装置に複数の候補者エンティティ及び少なくとも一の要求エンティティについての情報を記憶する連想メモリを提供させる、その内部に記憶されたコンピュータ可読プログラムコード部分を備える。また、連想メモリは、候補者エンティティ及び要求エンティティを連想させる属性についての情報、及びエンティティ間の連想性についての情報も記憶する。さらに、コンピュータ可読プログラムコード部分は、プロセッサによる実行上、装置に一又は複数の質問語を受信させ、質問語、及び連想メモリにより提供される候補者エンティティと少なくとも一の要求エンティティとの間の連想性に基づき、資格要件を満たす候補者を識別させる。たとえば、資格要件を満たす候補者を識別するコンピュータ可読プログラムコード部分は、それぞれの要求エンティティを連想させ、且つ、少なくとも一の質問語を含む一又は複数の候補者エンティティを識別するプログラムコード部分を含むことができる。
【0014】
一の実施形態によるコンピュータ可読プログラムコード部分は、複数の資格要件を満たす候補者を識別するプログラムコード部分及び複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするプログラムコード部分を含むこともできる。この点で、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするコンピュータ可読プログラムコード部分は、候補者エンティティの属性に含まれる任意の数の質問語に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするプログラムコード部分を含むことができる。さらに又は代替的に、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするコンピュータ可読プログラムコード部分は、候補者エンティティの属性に含まれる質問語の相対的優先順位に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするプログラムコード部分を含むことができる。
【0015】
本開示の実施形態によれば、連想メモリの使用により効率的且つ信頼できる方法で複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するために、システム、方法及びコンピュータ可読記憶媒体が提供される。しかしながら、上述のフィーチャ、機能、及び利点は、単独で達成することができ、本発明の種々の実施形態は、他の実施形態において組み合わせることができ、これらの実施形態のさらなる詳細は、詳細な説明及び図面を参照し、見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
上述では本発明の実施形態を一般的な用語で説明したが、後述では添付図面を参照する。これらの図面は、必ずしも正確な縮尺で描かれていない。
【図1】本開示の一実施形態による、複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するシステムを示すブロック図である。
【図2】本開示の一実施形態による、複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するために実行される工程を示すフローチャートである。
【図3】本開示の一実施形態による、連想メモリを使用して、四人の仕事候補者の中から仕事要求のための資格要件を満たす候補者を識別するためのシステムを示す別のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下で、添付図面を参照して本発明の実施形態についてさらに詳細に説明するが、添付図面にはすべての実施形態が示されているわけではない。実際、これらの実施形態は、多くの異なる形式で具現化することができ、本明細書に示された実施形態に限定されるものではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示内容が、適用される法的要件を満足させるように提供されている。全体を通して、類似の参照番号は類似の要素を示している。
【0018】
本開示の例示的実施形態は、複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するシステム、方法及びコンピュータ可読記憶媒体を提供する。以下で述べるように、初期の候補者は、求人票などの仕事要求に応答しているかもしれないし、又は、表彰、賞、リーダーシップの役割、奨学金、昇格、昇進又は同種のものなどのいかなる任意の数の他のポジションに申請しているかもしれない。ここで述べられるように、効率的且つ信頼できる方法で資格要件を満たす候補者を識別することにより、さもなければ初期の候補者からの履歴書又は他のレスポンスを再検討する任務を負うであろう人物が、その代わりに、自身の労力を資格要件を満たす候補者の検討に集中させることができ、最終的には確実に最善の候補者をそのポジションに選択することができる。後述のように、本開示の例示的実施形態のシステムは、ここに記載される各工程を実行するよう構成される任意の数のモジュールを含む、又はそのようなモジュールと通信することができる。別々のモジュールとして示されているが、複数のモジュールにより実行される工程をまとめて、代わりに単一のモジュールにより実行することもできる。また、一のモジュールにより実行される工程を分けて、代わりに複数のモジュールにより実行してもよい。
【0019】
モジュールは、本開示の例示的実施形態の様々な機能性を実施する様々な手段として具現化することができる。例えば、一のモジュールは、任意で、一又は複数のプロセッサ、メモリ素子、入出力(I/O)インターフェース、通信インターフェース、及び/又はユーザインターフェースを含むことができる。プロセッサは、例えば、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、特殊目的集積回路、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、DSP(デジタル信号プロセッサ)、或いは、ハードウェア加速器、処理回路又はその他類似のハードウェアを含む。例示的な一実施形態によれば、プロセッサは、独立して動作する又は協働する複数のプロセッサ、或いは一又は複数のマルチコアプロセッサとすることができる。マルチコアプロセッサは、単一の物理的パッケージ内での多重処理を可能にする。さらに、プロセッサは、複数のトランジスタ、ロジックゲート、クロック(例えば、オシレータ)、その他の回路などから構成されて、本明細書に記載される機能性の実行を助ける。プロセッサは、一又は複数の付属のデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むことができるが、含まなくてもよい。DSPは、例えば、プロセッサから独立して、実時間で実世界信号を処理することができる。同様に、付属ASICは、例えば、汎用プロセッサでは容易に実行できない特殊な機能を実行することができる。幾つかの例示的な実施形態では、プロセッサは、記憶装置に記憶された命令又はそれ以外の方法でプロセッサにアクセスする命令を実行する。プロセッサは、モジュールに、本明細書に記載されている様々な機能性を実行させるように動作するように、特に構成できる。
【0020】
ハードウェア単体として構成されるものであれ、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶された命令を介するものであれ、それらの組み合わせによるものであれ、プロセッサは、しかるべく構成されて、本発明の実施形態によるモジュールを具現化しているか、又はそうでない場合もそのようなモジュールの工程を実行するように構成されている装置である。したがって、プロセッサが、ASIC、FPGAなどとして具現化されているか、又はその一部である例示的実施形態では、モジュールは、本明細書に記載の工程を実行するように具体的に構成されるハードウェアである。別の構成として、プロセッサがコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された命令の実行者として具現化されている例示的実施形態では、これらの命令により、モジュールが、本明細書に記載のアルゴリズムと工程とを実行するように特に構成される。
【0021】
モジュールのメモリ素子は、揮発性及び/又は非揮発性のメモリを含みうる、一又は複数のコンピュータ可読記憶媒体とすることができる。幾つかの例示的実施形態では、メモリ素子は、動的及び/又は静的RAMを含むランダムアクセスメモリ(RAM)、オンチップ又はオフチップのキャッシュメモリなどを含む。さらに、メモリ素子は、組み込み式の及び/又は取り外し可能な非揮発性メモリを含むことができ、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスクドライブ、磁気テープなど)、光ディスクドライブ及び/又は媒体、非揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)などを含みうる。メモリ素子は、データを一時的に記憶するためのキャッシュ領域を含むことができる。これに関して、メモリ素子の少なくとも一部又は全部をモジュールのプロセッサ内に含めることができる。
【0022】
さらに、モジュールのメモリ素子は、情報、データ、アプリケーション、コンピュータ可読プログラムコード命令などを記憶することができ、これにより、モジュールは、本明細書に記載される本発明の例示的実施形態による様々な機能を実行することができる。例えば、メモリ素子は、モジュールのプロセッサによって処理するために、入力データをバファリングすることができる。これに加えて、又は代えて、メモリ素子は、プロセッサによって実行される命令を記憶することができる。
【0023】
モジュールのI/Oインターフェースは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせに組み込まれて、モジュールのプロセッサを他の回路又はデバイスに結合する何らかのデバイス、回路、又は手段、例えばモジュールの通信インターフェース、及び/又はユーザインターフェースとすることができる。幾つかの例示的実施形態では、プロセッサはI/Oインターフェースを介してメモリ素子と結合する。I/Oインターフェースは、信号及びデータを、プロセッサが理解できる形式に変換することができる。I/Oインターフェースは、入力と出力とのバファリングを行なうことによりプロセッサの動作をサポートすることもできる。幾つかの例示的実施形態によれば、プロセッサ及びI/Oインターフェースは、本発明の例示的な一実施形態の様々な機能性を実行するか、又はモジュールに実行させる単一のチップ又は集積回路上に組み込むことができる。
【0024】
モジュールの通信インターフェースは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせに組み込まれて、各モジュールと通信する一又は複数のネットワーク及び/又はいずれかの他のデバイス又はモジュールとのデータの送受信を行う何らかのデバイス、又は手段とすることができる。通信インターフェースは、任意の数の有線又は無線通信規格のいずれかにより通信を行うことができる。モジュールのプロセッサは、例えば、通信インターフェース内に含まれるハードウェアを制御することにより、通信インターフェースを介した通信を助けることもできる。これに関して、通信インターフェースは、例えば、一又は複数のアンテナ、一の送信機、一の受信機、一のトランシーバ、及び/又は例えば通信を可能にするプロセッサを含む支援ハードウェアを含むことができる。一実施例のモジュールは、通信インターフェースを介して他の様々なネットワーク要素と、デバイストゥデバイス(device−to−device)様式で、及び/又は間接通信により、通信することができる。
【0025】
モジュールのユーザインターフェースは、モジュールのプロセッサと通信することにより、ユーザインターフェースを介してユーザ入力を受け取り、及び/又は、例えば、音響的、視覚的、機械的、又はその他出力形式の指標としてユーザに出力を提示することができる。ユーザインターフェースは、例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック、ディスプレイ(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)、マイクロフォン、スピーカ、又はその他の入出力機構を含む。さらに、プロセッサは、ユーザインターフェースの一又は複数の要素の少なくとも幾つかの機能を制御するように構成されるユーザインターフェース回路を含むか、又はそのようなユーザインターフェース回路と通信することができる。プロセッサ及び/又はユーザインターフェース回路は、プロセッサにアクセス可能なメモリ(例えば、モジュールのメモリ素子)上に記憶されているコンピュータプログラム命令(例えば、ソフトウェア及び/又はファームウェア)により、ユーザインターフェースの一又は複数の要素の一又は複数の機能を制御することができる。幾つかの例示的な実施形態では、ユーザインターフェース回路は、ディスプレイの使用によりモジュールの少なくとも幾つかの機能のユーザ制御を助け、且つユーザ入力に応答するように構成される。プロセッサは、また、モジュールの少なくとも幾つかの機能のユーザ制御を容易にするユーザインターフェースの少なくとも一部、ディスプレイ、及びディスプレイ回路を含むか、或いはそれらと通信することができる。図1及び図2の工程20に示されるように、システムは、複数のエンティティ、それぞれのエンティティを連想させる複数の属性、及びエンティティ間の連想性についての情報を記憶するように構成される連想メモリ10を備える。連想メモリ10は、その中で、名称、アドレス、又は相対位置ではなく、情報コンテンツにより場所が識別され、そこから、エンティティ間の連想性についてのデータなどのデータが検索できる、データ記憶装置である。一の実施形態では、連想メモリ10は多層連想メモリである。
【0026】
Saffron Technology, Inc.,により提供される連想メモリなどの連想メモリ10は、種々のデータを受信することができるが、それらの少なくとも幾つかは体系化されていない。データは、いかなる任意の数のソースによっても提供されうる。連想メモリ10は、データから複数のエンティティ及び属性を識別することができる。連想メモリ10は、種々の技術を利用して、たとえば、正規表現、名簿、意味一般構文解析などを含むエンティティ及び属性を識別することができる。連想メモリ10は、その属性に関してエンティティを示す各々のエンティティのマトリックスを構築することができる。各々のエンティティを連想させる各々の属性について、頻度数、すなわち、属性がそれぞれのエンティティを連想させる回数を判定することができる。各々のエンティティには、たとえば、名簿による方法を含む種々の方法で定められた種々の分野又は種類で、エンティティの分野又はエンティティの種類が割り当てられる。
【0027】
連想メモリ10は、属性の観点からエンティティを示す全てのマトリックスを集める。また、連想メモリ10は、マトリックス間で共通の属性に基づき、マトリックス間の関係又は連想性を判定することができる。この点で、連想メモリ10は、任意の数の共有される属性及び共有される属性の特異性に基づき、関連する又は連想させるマトリックス間の相関関係を判定することができる。この点で、任意の数の共有される属性が増加するにつれ、及び/又は共有される属性の特異性が増加するにつれ、相関関係は一般的に増加する。逆に、任意の数の共有される属性が減少するにつれ、及び/又は共有される属性の特異性が減少するにつれ、相関関係は一般的に減少する。複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するために、一の実施形態による連想メモリ10は、複数の候補者エンティティ及び少なくとも一の要求エンティティについての情報を記憶するように構成される。候補者エンティティのタイプ及び要求エンティティのタイプは、埋められるポジションのタイプ次第で変更可能である。限定はしないが、例として以下に述べられるように、候補者エンティティが仕事候補者エンティティになるように、且つ、要求エンティティが仕事要求エンティティになるように、ポジションは仕事とすることができる。しかしながら、要求エンティティにより示され、且つ候補者エンティティが申請する、又は候補者エンティティが検討されているポジションとは、たとえば、表彰、賞、リーダーシップの役割、奨学金、昇格、昇進などを含む任意の数の他のポジションの任意の一とすることができる。それゆえ、本開示の種々の実施形態のシステム、方法及びコンピュータプログラムは、たとえそれらが主として例示的実施形態とともに以下で述べられるとしても、求人票に応答している仕事候補者の検討に限定されるものではない。
【0028】
検討中の特定の種類のポジションにかかわらず、要求エンティティは、一般的に、たとえば、ポジションの必須条件及びそのポジションへの優先傾向などを含む、埋められるべきポジションを定義する。一の例では、必須とされる経験、教育、スキルなどの資質、及び優先される資質を定める、求人票又は仕事一覧表などの要求は、開発することができる。求人票又は仕事一覧表などの要求は、データストア12に記憶される。連想メモリ10は、次に、データストア12にアクセスすることができ、連想メモリにより記憶された要求エンティティについての情報は、データストア内に記憶されていた求人票又は仕事一覧表などの要求から抽出され、さもなければ要求により提供される。データストア12により記憶された要求、及び連想メモリ10により記憶された要求エンティティは、たとえば、要求番号、要求タイトル又はその他のものを含む種々の方法で参照することができる。
【0029】
複数の初期の候補者からの複数の履歴書、又は複数の初期の候補者についての応募フォーム又は資質一覧表などの他の情報は、求人票又は仕事一覧表などの要求に応じて提出されたのかもしれない。この点において、履歴書又は他の情報は、候補者又は別の人物、すなわち、候補者が昇進又は賞の検討対象となる場合の部長、候補者が奨学金などの検討対象となる場合のスポンサーなどの別の人物により、提出されたのかもしれない。さらに又は代替的には、複数の候補者についての複数の履歴書又は他の情報は、雇用主になるかもしれない人物による事前の仕事検索についてなどのように、以前に収集されファイルに保存されていたものであるかもしれない。履歴書又は他の情報の起源にかかわりなく、複数の初期の候補者からの履歴書又は複数の初期の候補者についての他の情報は、要求を記憶する同一のデータストア又は別のデータストアである、データストア12に記憶することもできる。また、連想メモリ10は、データストア12により記憶される初期の候補者についての履歴書又は他の情報にアクセスし、初期の候補者についての履歴書又は他の情報から抽出される又はさもなければそれらにより提供される候補者エンティティについての情報を記憶するようにも構成される。
【0030】
また、連想メモリ10は、候補者及び要求エンティティを連想させる属性についての情報を記憶するようにも構成される。連想メモリ10は、多様な種類の属性についての情報を記憶するように構成することができる。たとえば、仕事要求エンティティについて、属性は、年数の観点及び以前のポジション、スキル、学位などの観点からの経験のレベルなど必須である又は優先されるものとして、求人票又は仕事一覧表などの要求により定義される資質を含むことができる。仕事候補者エンティティについて、属性は、経験年数、候補者が保持する以前のポジション、候補者に与えられる学位、候補者が所持するスキルなどの候補者の履歴書から抽出される種々のファクトを含むことができる。
【0031】
また、連想メモリ10は、たとえば、候補者エンティティと少なくとも一の要求エンティティとの間などのエンティティ間の連想性についての情報を記憶するようにも構成される。これらの連想性は、候補者エンティティを連想させる属性と要求エンティティの属性とのマッチングに基づき、連想メモリ10によって確立されうる。例として、仕事要求エンティティの属性により反映された仕事の必須条件及び優先傾向は、候補者エンティティ及びそれぞれの要求エンティティが連想される場合に、候補者エンティティの資質とマッチングすることができる。しかしながら、連想メモリは、減少アルゴリズム又は規則を使用せずに、エンティティ間での連想性を識別するように構成できる。
【0032】
また、システムは、一又は複数のプロセッサ、一又は複数のI/Oインターフェース、一又は複数の通信インターフェース、一又は複数のユーザインターフェース又はその他のものにより具現化される受信モジュール14を備え、一又は複数の質問語を受信するように構成される。図2の工程22を参照されたい。この点で、質問語は、ユーザによって提供されてもよく、求人票のようなそれぞれの要求についてユーザに最も重要又は意味のある特定の語を表すことができる。この点で、受信モジュール14は、質問語を受信するだけではなく、要求番号や要求タイトルなど、質問語が関係する、要求の指示も受信するように構成することができる。
【0033】
また、システムは、一又は複数のプロセッサなどにより具現化でき、質問語、及び連想メモリ10により提供される候補者エンティティと少なくとも一の要求エンティティとの間の連想性に基づき、資格要件を満たす候補者を識別するように構成される識別モジュール16を備える。図2の工程24を参照されたい。識別モジュール16は、種々の方法で資格要件を満たす候補者を識別するように構成することができる。しかしながら、一の実施形態では、識別モジュール16は、連想メモリ10によりすでに定義されたように、初期の段階で、それぞれの要求エンティティを連想させる候補者エンティティを識別する。それぞれの要求エンティティを連想させる候補者エンティティのうち、識別モジュール16は、これらの候補者エンティティのどれが一又は複数の質問語も含んでいるかを判定するように構成することができる。例示的実施形態の識別モジュール16は、次いで、それぞれの要求エンティティを連想させ、また、質問語のうちの少なくとも一を資格要件を満たす候補者として含む各々の候補者エンティティを識別するように構成できる。
【0034】
識別モジュール16は幾つかの例の中で単独の資格要件を満たす候補者を識別することができる一方で、他の実施形態の識別モジュールは、それぞれの要求エンティティを連想させる複数の候補者エンティティが少なくとも一の質問語も含んでいる場合のように、複数の資格要件を満たす候補者を識別するように構成することができる。識別モジュール16が複数の資格要件を満たす候補者を識別するように構成される実施形態において、システムは、図2の工程26で示されるように、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成される順位付けモジュール18も備えることができる。順位付けモジュール18は、一又は複数のプロセッサなどにより具現化することができ、種々の方法で資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成することができる。しかしながら、一の実施形態では、順位付けモジュール18は、資格要件を満たす候補者を連想させる候補者エンティティの属性内に含まれる任意の数の質問語を判定するように構成することができ、次いで、任意の数の質問語に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをすることができる。本実施形態において、連想性のある候補者エンティティの属性に含まれる任意の数の質問語の順に、もっとも大きい数の質問語を含む資格要件を満たす候補者は、第一番目、又は最も高く順位付けされ、他の資格要件を満たす候補者たちはその後に順位付けされる。
【0035】
資格要件を満たす候補者を連想させる候補者エンティティの属性に含まれる任意の数の質問語を検討することに加え、又は資格要件を満たす候補者を連想させる候補者エンティティの属性に含まれる任意の数の質問語を検討する代わりに、順位付けモジュール18は、資格要件を満たす候補者を連想させる候補者エンティティの属性に含まれる質問語の相対的優先順位に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成することができる。たとえば、幾つかの質問語が高い優先順位を付けられ、それゆえに他の質問語より重要又は意味のあるものになるように、種々の質問語にウェートを置くことができる。質問語が仕事要求の必須条件及び優先傾向を表す例として、仕事要求の必須条件に基づいている質問語は、仕事要求の優先傾向に基づいている質問語よりもウェートを置くことができ、ゆえに高い優先順位を有することができる。それゆえ、高い優先順位の質問語をより多く含む候補者エンティティを連想させる資格要件を満たす候補者が、優先順位の低い質問語をほとんど含まない候補者エンティティを連想させる他の資格要件を満たす候補者よりも高く順位付けがされるように、順位付けモジュール18は、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成することができる。
【0036】
例として、順位付けモジュール18は、資格要件を満たす候補者を連想させる候補者エンティティの属性に含まれる各々の質問語を連想させる幾つかのウェート又は優先順位に基づく各々の資格要件を満たす候補者のスコアを判定するように構成することができる。この点で、最も高いスコアを有する資格要件を満たす候補者は、スコア順に、最も高い順位付けがされ、低いスコアを有する他の資格要件を満たす候補者はその後に順位付けられることが可能になる。高いウェートが置かれるように幾つかの属性を必須条件と定め、且つ、軽いウェートが置かれるように他の属性を優先傾向と定めるそれぞれの要求エンティティに含まれる種々の方法で、質問語の相対的優先順位が定められる。代替的には、質問語を提供するユーザは、それらの間の相対的優先順位を明確に定めるために、各々の質問語を連想させるウェートも提供することができる。
【0037】
識別モジュール16などのシステムは、資格要件を満たす候補者を表示させるように構成することができる。順位付けモジュール18を含む実施形態では、資格要件を満たす候補者は、それぞれの順位付けの順番で表示可能となる。この点で、下位に順位付けられる他の資格要件を満たす候補者に対して最も高く順位付けられる資格要件を満たす候補者をユーザが迅速に判定できるように、資格要件を満たす候補者は、相対的順付けによる方法で識別することができる。資格要件を満たす候補者間での相対的順位付けが種々の方法で表示される一方で、識別モジュール16及び/又は順位付けモジュール18は、資格要件を満たす候補者の順番一覧表を提示させることができる。さらに又は代替的に、一の実施形態による順位付けモジュール18は、所定の優先順位を、たとえば所定の優先順位1.0などの最も高く順位付けられた資格要件を満たす候補者に割り当てることができる。本実施形態の順位付けモジュール18は、次いで、最も高く順位付けされた資格要件を満たす候補者の所定の優先順位に対して他の資格要件を満たす候補者の優先順位を判定することができる。たとえば、順位付けモジュール18が、資格要件を満たす候補者を連想させる候補者エンティティの属性に含まれる質問語の相対的優先順位に基づき、各々の資格要件を満たす候補者にスコアを割り当てる場合、資格要件を満たす候補者を連想させる優先順位は、いったんスコアが0から、たとえば、最も高く順位付けされた資格要件を満たす候補者の1.0などの所定の優先順位の値まで測定されると、資格要件を満たす候補者のスコアを表示することができる。
【0038】
識別、及び幾つかの実施形態においては、資格要件を満たす候補者の順位付けに基づき、人事部長などのユーザは、候補者、すなわち、効率的且つ信頼できる方法での更なる検討に値する、資格要件を満たす候補者を効率的に判定することができる。さらに、一の実施形態で順位付けモジュール18により資格要件を満たす候補者に割り当てられた相対的優先順位により、細部の同じレベルで資格要件を満たす全ての候補者を初期段階で検討することとは対照的に、ユーザが、少なくとも初期段階では、最も高く順位付けされた資格要件を満たす候補者のさらなる検討に時間を費やすことが可能になり、これにより工程全体がさらに効率的になるだろう。
【0039】
別の例として、図3の実施形態を参照されたい。本例示的実施形態では、仕事要求、すなわち、要求番号00459ABは、コーディング、メンターリング及びアドミニストレイティングを含む在庫管理チームの技術的優位機能を満たすためにウェブ開発者用に公表されたものである。仕事要求は、データストア12で記憶することができる。さらに、四人の初期の候補者からの履歴書、すなわち、ジョン・スミスからの履歴書1、トム・ロバーツからの履歴書2、ジェーン・ハリスからの履歴書3及びロバート・トーマスからの履歴書4が受信され、且つ、データストア12に記憶される。連想メモリ10はデータストア12へアクセスし、四人の初期の候補者各々の候補者エンティティ及び仕事要求の要求エンティティを作り出すことができる。また、連想メモリ10は、候補者エンティティ及び要求エンティティを連想させる属性を記憶することもできる。この例の仕事要求について、それを連想させる属性は、たとえば、ソフトウェア工学、製造、経験、ASP、ソフトウェア、開発者、5年以上、学位、修士課程、工学及びASP開発者などを含む仕事の必須条件及び優先傾向を含むことができる。候補者エンティティに対して、属性は、たとえば、ジョン・スミスからの履歴書1については、ASP開発者、4年、学士課程、ASP、アリゾナ大学、アナリスト、開発者、修士課程、経験及び大学、トム・ロバーツからの履歴書2については、ASP開発者、学士課程、製造、Java、ASP、6年、開発者、ソフトウェア工学、修士課程、経験、ソフトウェア、デザイン及び8年、ジェーン・ハリスからの履歴書3については、4年、学士課程、アナリスト、C++、ソフトウェア工学、開発者、ソフトウェア、経験、大学及び工学、及び、ロバート・トーマスからの履歴書4については、学士課程、製造、Java、アクティブサーバページプログラマ、8年及びプログラマなどの、仕事の必須条件及び優先傾向に対する、少なくともこれらの資質を含むことができる。
【0040】
さらに、連想メモリ10は、一又は複数の候補者エンティティと仕事要求エンティティとの間の属性のマッチングに基づく属性などの、エンティティ間での属性に関する情報を判定及び記憶することができる。この点で、連想メモリ10は、頭字語や類義語などの、一致はしないかもしれないが、対応する表現である属性のマッチングに基づき規定される属性を認めるために、同じ概念を表現するための代替的な表現だけではなく、頭字語や類義語を認識するように構成することができる。
【0041】
本実施形態において、図3のコンピュータ30などの受信モジュール14は、一又は複数の質問語をユーザから受信することができる。たとえば、質問語は、ASP開発者、修士課程及びソフトウェア工学とすることができる。本実施形態の識別モジュール16は、次いで、連想メモリ10により提供される候補者エンティティと少なくとも一の要求エンティティとの間の連想性に基づき、資格要件を満たす候補者を識別することができる。この点で、識別モジュール16は連想メモリ10により仕事要求エンティティを連想した候補者エンティティを検討し、次いで、これらの候補者エンティティのうちのどれが一又は複数の質問語を含むのかを判定することができる。この判定を行う際に質問語及び属性が一致はしないが頭字語や類義語などの対応する表現である場合に、質問語が候補者エンティティの属性とマッチングされるように、同じ概念を表現するための他の代替的な表現と同様に、アクティブサーバページ(Active Server Page)のASP、修士課程(Master’s)のMS、学士課程(Bachelor’s)のBSなどの頭字語、及び開発者及びプログラマなどの類義語を認識するように、識別モジュール16を構成することもできる。
【0042】
前述の例において、各々の候補者エンティティは、仕事要求エンティティと共通の属性を有するので、連想メモリ10は四人の候補者エンティティの各々が要求エンティティを連想させると判定する。さらに、候補者エンティティの各々は、一又は複数の質問語とマッチする属性を有する。そのようなものとして、識別モジュール16は、四人の候補者エンティティの各々を資格要求を満たすエンティティとみなすであろう。
【0043】
しかしながら、本例示的実施形態では、順位付けモジュール18は、たとえば、候補者エンティティの属性とマッチする任意の数の質問語及びこれらのマッチする質問語の相対的優先順位に基づき、資格要求を満たす候補者間で相対的な順位付けを判定することができる。この点で、仕事要求により必須であると識別される仕事の資質は、優先されると識別される仕事の資質よりも高い優先順位を有する。前述の例において、質問語であるASP及び修士課程は、ソフトウェア工学という質問語よりも高いウェートが置かれたが、これは、仕事要求が、候補者にASPウェブ開発者であり、且つ、修士課程を有していることを必須条件としているが、修士課程がソフトウェア工学であることは優先傾向と表示しているにすぎないからである。それゆえ、トム・ロバーツからの履歴書2は、質問語の各々を含んでいるので、最も高く順位付けされた履歴書である。さらに、ロバート・トーマスの履歴書4及びジョン・スミスの履歴書1は、それぞれ、第2番目、及び第3番目に順位付けられる履歴書である、というのは、履歴書4及び1は、二つの最も高い優先順位を付けられた質問語(すなわち、ASP開発者及び修士課程)の変形を含んでいるが、ソフトウェア工学という質問語が不足しているからである。さらに、それらは同じ質問語を含んでいるが、履歴書4が仕事要求(すなわち、5年位上の仕事経験及び製造分野)により表現される他の優先傾向を含んでいるのに対し、履歴書1は含んでいないので、履歴書4は履歴書1よりも高く順位付けされる。最終的に、ジェーン・ハリスの履歴書3は、二つの高い優先順位が付けられた質問語を含んでおらず、その代わりに、最も優先順位の低いソフトウェア工学という質問語のみを含んでいるので、第4番目に順位付けされる。
【0044】
資格要件を満たす候補者の順位付けに基づき、人事部長又は仕事のポジションを埋める責任のある他の人物は、一般的に履歴書が順位付けられる順番で、資格要件を満たす候補者の履歴書を再検討し、次いで、面接などのさらなる再検討のために一又は複数の資格要件を満たす候補者を選択することができる。人事部長などの個人は、資格要件を満たす候補者の識別に続いて、最も資格要件を満たす候補者を実際に選択することに従事するが、本開示の実施形態のシステム、方法及びコンピュータプログラムは、効率的且つ信頼できる方法で初期の候補者の集団から一又は複数の資格要件を満たす候補者を識別し、これにより初期の候補者の履歴書の再検討に要する時間を短縮し、他方で、連想メモリ10により定義される連想性に基づき、信頼できる結果をもたらすことができる。
【0045】
図1から図3は、例示的実施形態による例示的なシステム、方法、及び/又はコンピュータプログラムのブロック図である。ブロック図の各モジュール又はブロック、及び/又はブロック図内のモジュール又はブロックの組み合わせは、様々な手段により実施することができると理解できるだろう。ブロック図のモジュール又はブロック、ブロック図内のモジュール又はブロックの組み合わせ、或いは本明細書に記載する例示的実施形態のその他の機能性を実施する手段には、ハードウェア、及び/又は、一又は複数のコンピュータプログラムコード命令、プログラム命令、又は実行可能なコンピュータ可読プログラムコード命令を内部に記憶する、(伝搬信号を表すコンピュータ可読伝送媒体とは対照的な)非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラムが含まれる。これに関して、図1及び図3のモジュール及び図2のブロックの工程及び機能、及び本明細書に記載される他の部分を実行するプログラムコード命令は、例示的装置のメモリ素子に記憶されてプロセッサにより実行される。言うまでもなく、任意のそのようなプログラムコード命令を、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ又はその他のプログラム可読装置(例えば、プロセッサ、メモリ素子など)に読み込み、特定のマシンを作製することができ、この特定のマシンが、ブロック図のモジュール及びブロックに特定される機能の実施手段となる。
【0046】
また、これらのプログラムコード命令はコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、この記憶媒体は、コンピュータ、プロセッサ、又はその他のプログラマブル装置を特定の方式で機能させることにより特定のマシン又は特定の製造品を生成することができる。コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令は製造品を生産することができ、この製造品はブロック図のモジュール又はブロックに特定された機能を実施する手段となる。プログラムコード命令をコンピュータ可読記憶媒体から取り出してコンピュータ、プロセッサ、又はその他のプログラム可読装置に読み込むことにより、コンピュータ、プロセッサ、又はその他のプログラム可読装置上で実行される、又はコンピュータ、プロセッサ、又はその他のプログラム可読装置により実行される工程を実行するコンピュータ、プロセッサ、又はその他のプログラム可読装置を構成することができる。プログラムコード命令の取り出し、読み込み、及び実行は、一の命令の取り出し、読み込み、及び実行を一度に行いながら、連続して行われる。幾つかの例示的実施形態では、複数の命令をまとめて取り出し、読み込み、及び/又は実行しながら、取り出し、読み込み、及び/又は実行が並行して行われる。プログラムコード命令の実行により、コンピュータで実施可能なプロセスが生成され、コンピュータ、プロセッサ、又はその他のプログラム可読装置が実行する命令によってブロック図のモジュール又はブロックに特定される機能を実施する工程が提供される。
【0047】
したがって、ブロック図のモジュール又はブロックの工程に関連付けられた命令をプロセッサが実行すること、或いはブロック図のモジュール又はブロックに関連付けられた命令をコンピュータ可読記憶媒体に記憶することは、特定の機能を実行するための工程の組み合わせを支持する。さらに、ブロック図の一又は複数のモジュール又はブロック、及びブロック図内のモジュール又はブロックの組み合わせは、特定の機能を実行する特殊目的ハードウェアに基づくコンピュータシステム及び/又はプロセッサ、或いは特殊目的ハードウェアとプログラムコード命令との組み合わせによって実施することができる。
【0048】
本明細書において説明した多数の修正例及び他の実施形態は、上述の説明及び添付図面に提示された教示の恩恵を有する、これらの実施形態が関連する分野の当業者であれば想起するであろう。したがって、実施形態は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正例及び他の実施形態は特許請求の範囲に含まれる。たとえば、初期の候補者は、上述したように、求人票などの仕事要求に応答しているかもしれないが、一方では、表彰、賞、リーダーシップの役割、奨学金、昇格、昇進又は同種のものなどのいかなる任意の数の他のポジションに申請しているかもしれない。さらに、上述の説明及び添付図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的組み合わせの中から例示的実施形態を説明しているが、特許請求の範囲から逸脱せずに、別の実施形態によって要素及び/又は機能の異なる組み合わせを提供することができる。これに関して、例えば、要素及び/又は機能の、上述に明記したものとは異なる組み合わせも、特許請求の範囲の一部に記載されるように熟考される。本明細書では具体的な用語を使用しているが、それらは、一般的及び説明的な意味でのみ使用されているのであって、限定を目的として使用されているのではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別するシステムであって、
複数の候補者エンティティ及び少なくとも一の要求エンティティ、候補者エンティティ及び要求エンティティを連想させる属性、及びエンティティ間の連想性についての情報を記憶するように構成される連想メモリ、
一又は複数の質問語を受信するように構成される受信モジュール、及び
質問語、及び連想メモリにより提供される候補者エンティティと少なくとも一の要求エンティティとの間の連想性に基づき、資格要件を満たす候補者を識別するように構成される識別モジュールを備えるシステム。
【請求項2】
識別モジュールは、複数の資格要件を満たす候補者を識別するようにさらに構成され、且つ、システムは、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成される順位付けモジュールをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
順位付けモジュールは、候補者エンティティの属性に含まれる任意の数の質問語に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
順位付けモジュールは、候補者エンティティの属性に含まれる質問語の相対的優先順位に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
それぞれの要求エンティティは、質問語の相対的優先順位を定める、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
識別モジュールは、それぞれの要求エンティティを連想させ、且つ、少なくとも一の質問語を含む一又は複数の候補者エンティティを識別することにより資格要件を満たす候補者を識別するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
候補者エンティティは、仕事候補者エンティティを含み、且つ、要求エンティティは仕事要求エンティティを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
複数の初期の候補者の中から資格要件を満たす候補者を識別する方法であって、
複数の候補者エンティティ及び少なくとも一の要求エンティティ、候補者エンティティ及び要求エンティティを連想させる属性、及びエンティティ間の連想性についての情報を記憶する連想メモリを提供するステップ、
一又は複数の質問語を受信するステップ、及び
質問語、及び連想メモリにより提供される候補者エンティティと少なくとも一の要求エンティティとの間の連想性に基づき、資格要件を満たす候補者を識別するステップを含む方法。
【請求項9】
複数の資格要件を満たす候補者を識別するステップ、及び複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするステップは、候補者エンティティの属性に含まれる任意の数の質問語に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするステップは、候補者エンティティの属性に含まれる質問語の相対的優先順位に基づき、複数の資格要件を満たす候補者の順位付けをするステップを含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
各要求エンティティは、質問語の相対的優先順位を定める、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
資格要件を満たす候補者を識別するステップは、各要求エンティティを連想させ、且つ、少なくとも一の質問語を含む一又は複数の候補者エンティティを識別するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
候補者エンティティは、仕事候補者エンティティを含み、且つ、要求エンティティは仕事要求エンティティを含む、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−77300(P2013−77300A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−212376(P2012−212376)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.JAVA
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company