説明

資産価格変動幅予測支援装置

【課題】特定情報の発表時点における価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成してユーザー端末の画面に表示する。
【解決手段】外部システム4から提供される資産価格の経時的な変動情報及び他の外部システム5から提供される資産価格が変動する特定情報を取り込んで、特定情報の発表時点における価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを蓄積する価格変動幅情報蓄積部6と、価格変動幅情報蓄積部6から読み出した価格変動のデータと平均値のデータとを合成して送出するデータ表示回路部7とを備えて成り、通信ネットワーク2を介してユーザー端末3と接続され、前記特定情報の発表時点における価格変動のデータと、前記価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとをユーザー端末3側に送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投資家等が、例えば外国為替、株価等の資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表された後に当該資産価格が変動する変動幅の予測ができるように支援する資産価格変動幅予測支援装置に関し、詳しくは、或る特定情報が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成してユーザー端末の同一画面に表示する資産価格変動幅予測支援装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、投資家等が、例えば外国為替が変動する可能性のある特定情報(例えば各国の経済指標)が発表された時点から一定時間経過する間に当該外国為替の為替レートが変動することは経験上知っていたとしても、為替レートが刻々と変動する外国為替相場において、複数ある前記特定情報と同様の情報が発表される度に、一定時間経過する間の為替レートの変動幅を記録し統計化する作業は、多くの時間と労力を要するものであった。したがって、前記特定情報が発表された後、統計データを作成するのに多くの時間がかかり、その統計データを参考にして為替取引を行うことは、容易ではないと共に、タイミングを失することもあった。
【0003】
このような状況に対処して、金融証券分野における株価、為替などの時系列データに含まれる特徴を定性的、定量的に求め、また、これを用いて将来動向を予測するための意思決定支援システムが提案されている。この意思決定支援システムは、コンピュータと時系列データベースと登録パターンデータベースと端末装置とから成るシステムにおいて、複数のパターンを登録するステップと、時系列データベースから時系列データを読み込み、既に登録されている複数のパターンとの照合をパターン毎、一定期間毎に行うステップと、登録されたパターン間の出現に関する因果関係を分析するステップと、分析結果を表示するステップとから成っている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような特許文献1に記載の意思決定支援システムでは、指定した時系列パターンと類似な過去の時系列データにおいて、各時間にどのようなパターンがどのくらい含まれているかが定性的、定量的に分かり、時系列データを構成する各パターン成分(パターンの種類)がどのように時間的に推移しているかが定量的に分かり、時系列データに含まれるパターンがどのくらいのスケールで、どのくらいの速さで出現するかが定量的に分かり、その結果、時系列データに含まれる複数のパターン間の因果関係が分かり、時系列データの将来動向を予測する際の参考とすることができる。
【0005】
また、他のシステムとして、様々な投資家等が容易に投資判断できるようにしたデータ判断支援システムが提案されている。このデータ判断支援システムは、外部からの資産価格や経済指標の定量的データ及びニュースなどの定性的データなどを入手したり、システム利用者(例えば投資家)が情報を入力したりする入力部と、これらのデータをデータベースとして蓄積したり、演算処理したりするシステム本体と、演算処理して得られた演算結果を画像表示又は印刷表示などの手段により出力する出力部とを有して成っている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
このような特許文献2に記載のデータ判断支援システムでは、投資などの際の判断対象とする資産価格又は経済指標の推移について、現在及び過去における所望の資産価格又は経済指標の推移を並べて表示すると共に、更に、現在及び過去における定性的データ及び/又は現在及び過去における他の資産価格又は経済指標の推移を表示するので、現在の資産価格(又は経済指標)の推移に定量的に類似する過去の資産価格(又は経済指標)の推移が、本当に定量的に類似しているか又は定性的にも類似しているかについて、数多くの要素を比較して検証することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−204991号公報
【特許文献2】特開2007−87354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、前記特許文献1に記載の意思決定支援システムにおいては、複数のパターンを登録しておき、時系列データベースから時系列データを読み込み、既に登録されている複数のパターンとの照合をパターン毎、一定期間毎に行い、登録されたパターン間の出現に関する因果関係を分析して、その分析結果を表示するものであるが、或る経済指標が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記と同種の経済指標が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記経済指標の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示することはできないものであった。したがって、投資家等が、例えば外国為替、株価等の資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表された直後に当該資産価格が変動する変動幅の予測ができるように支援することは困難であった。
【0009】
また、前記特許文献2に記載のデータ判断支援システムにおいては、投資などの際の判断対象とする資産価格又は経済指標の推移について、現在及び過去における所望の資産価格又は経済指標の推移を並べて表示すると共に、更に、現在及び過去における定性的データ及び/又は現在及び過去における他の資産価格又は経済指標の推移を表示するものであるが、前述と同様に、或る経済指標が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記と同種の経済指標が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記経済指標の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示することはできないものであった。したがって、投資家等が、例えば外国為替、株価等の資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表された直後に当該資産価格が変動する変動幅の予測ができるように支援することは困難であった。
【0010】
このような問題点に対処し、本発明が解決しようとする課題は、或る特定情報が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記特定情報の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示する資産価格変動幅予測支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明による資産価格変動幅予測支援装置は、双方向通信可能な通信ネットワークを介してユーザー端末と接続され、資産価格が変動する可能性のある特定情報の発表時の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを前記ユーザー端末側に送出する資産価格変動幅予測支援装置であって、外部システムから提供される資産価格の経時的な変動情報及び他の外部システムから提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報を取り込んで、前記特定情報が発表された時点における価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを蓄積する価格変動幅情報蓄積部と、前記価格変動幅情報蓄積部から読み出した前記価格変動のデータと前記平均値のデータとを合成して送出するデータ表示回路部と、を備えて成るものである。
【0012】
このような構成により、価格変動幅情報蓄積部で、外部システムから提供される資産価格の経時的な変動情報及び他の外部システムから提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報を取り込んで、前記特定情報が発表された時点における価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを蓄積し、データ表示回路部により、前記価格変動幅情報蓄積部から読み出した前記価格変動のデータと前記平均値のデータとを合成して送出する。これにより、或る特定情報が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記特定情報の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示する。
【0013】
また、前記価格変動幅情報蓄積部は、外部システムから提供される資産価格の経時的な変動情報を入力して記憶手段に記憶する価格レート蓄積部と、他の外部システムから提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報を取得する価格変動情報取得部と、前記価格変動情報取得部から送られた特定情報、及び前記価格レート蓄積部から読み出した資産価格の経時的な変動情報、並びに前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値を計算したデータをテーブル化して記憶手段に書き込んで価格変動情報テーブルを作成する変動幅情報生成蓄積部と、を備えて成るものである。
これにより、価格レート蓄積部で、外部システムから提供される資産価格の経時的な変動情報を入力して記憶手段に記憶し、価格変動情報取得部により、他の外部システムから提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報を取得し、変動幅情報生成蓄積部で、前記価格変動情報取得部から送られた特定情報、及び前記価格レート蓄積部から読み出した資産価格の経時的な変動情報、並びに前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値を計算したデータをテーブル化して記憶手段に書き込んで価格変動情報テーブルを作成する。
【0014】
さらに、前記データ表示回路部は、前記価格変動幅情報蓄積部から読み出した前記価格変動のデータと前記平均値のデータとを合成処理するデータ処理部と、このデータ処理部から出力されるデータを一つの表示データとして格納する表示データ格納部とを備えて成るものである。
これにより、データ処理部で、前記価格変動幅情報蓄積部から読み出した前記価格変動のデータと前記平均値のデータとを合成処理し、表示データ格納部により、前記データ処理部から出力されるデータを一つの表示データとして格納する。
【0015】
さらにまた、前記資産価格は、外国為替、株価、債券価格、商品先物価格又は不動産価格のいずれかである。
これにより、外国為替、株価、債券価格、商品先物価格又は不動産価格のいずれかについて、或る特定情報が発表された時点におけるそれらの価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際のそれらの価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記特定情報の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示する。
【0016】
また、前記特定情報は、経済活動を数値化して公表される経済指標である。
これにより、経済活動を数値化して公表される或る経済指標が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記経済指標が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記特定情報の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、価格変動幅情報蓄積部で、外部システムから提供される資産価格の経時的な変動情報及び他の外部システムから提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報を取り込んで、前記特定情報が発表された時点における価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを蓄積し、データ表示回路部により、前記価格変動幅情報蓄積部から読み出した前記価格変動のデータと前記平均値のデータとを合成して送出することができる。これにより、或る特定情報が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記特定情報の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示することができる。したがって、投資家等が、例えば外国為替、株価等の資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表された直後に当該資産価格が変動する変動幅の予測ができるように支援することができる。
【0018】
また、請求項2に係る発明によれば、価格レート蓄積部で、外部システムから提供される資産価格の経時的な変動情報を入力して記憶手段に記憶し、価格変動情報取得部により、他の外部システムから提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報を取得し、変動幅情報生成蓄積部で、前記価格変動情報取得部から送られた特定情報、及び前記価格レート蓄積部から読み出した資産価格の経時的な変動情報、並びに前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値を計算したデータをテーブル化して記憶手段に書き込んで価格変動情報テーブルを作成することができる。これにより、前記価格変動情報テーブルを読み出すことで、或る特定情報が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとをユーザー端末の同一画面に表示することができる。
【0019】
さらに、請求項3に係る発明によれば、データ処理部で、前記価格変動幅情報蓄積部から読み出した前記価格変動のデータと前記平均値のデータとを合成処理し、表示データ格納部により、前記データ処理部から出力されるデータを一つの表示データとして格納することができる。これにより、或る特定情報が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記特定情報の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示することができる。
【0020】
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、外国為替、株価、債券価格、商品先物価格又は不動産価格のいずれかについて、或る特定情報が発表された時点におけるそれらの価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際のそれらの価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記特定情報の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示することができる。
【0021】
また、請求項5に係る発明によれば、経済活動を数値化して公表される或る経済指標が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記経済指標が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して、前記特定情報の発表直後にユーザー端末の同一画面に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による資産価格変動幅予測支援装置が適用される資産価格変動幅予測支援システムの全体を示す概要図である。
【図2】前記資産価格変動幅予測支援装置の構成要素である価格変動幅情報蓄積部を示すブロック図であり、(a)はその価格変動幅情報蓄積部の内部構成を示すブロック図、(b)は前記価格変動幅情報蓄積部の構成要素である変動幅情報生成蓄積部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】前記資産価格変動幅予測支援装置の構成要素であるデータ表示回路部の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明による資産価格変動幅予測支援装置を使用する最初の段階において、その装置内の価格変動幅情報蓄積部における準備動作を示すフローチャートである。
【図5】前記価格変動幅情報蓄積部における準備動作が終了して作成された価格変動情報テーブルの内容を示す表である。
【図6】前記資産価格変動幅予測支援装置の使用において、外国為替等の資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表された時の動作を示すフローチャートである。
【図7】資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表された時の動作において作成された価格変動情報テーブルの内容を示す表である。
【図8】前記特定情報が発表された際に、通信ネットワークを介してユーザー端末に送られて表示される表示画面の例を示す説明図である。
【図9】前記資産価格変動幅予測支援装置の使用において、外国為替等の資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表されてから一定時間経過後の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明による資産価格変動幅予測支援装置の動作が終了して作成された価格変動情報テーブルの内容を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による資産価格変動幅予測支援装置1が適用される資産価格変動幅予測支援システムの全体を示す概要図である。この資産価格変動幅予測支援システムは、投資家等が、例えば外国為替、株価等の資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表された後に当該資産価格が変動する変動幅の予測ができるように支援するもので、資産価格変動幅予測支援装置1と、通信ネットワーク2と、ユーザー端末3と、価格レート提供システム4と、価格変動情報管理システム5とを備えている。
【0024】
前記通信ネットワーク2は、双方向通信可能なネットワークであり、代表例としてはインターネットがある。ユーザー端末3は、前記通信ネットワーク2に接続可能な装置であればどのようなものであってもよいが、例えばインターネットに接続可能なパーソナルコンピュータ、或いは携帯電話等の携帯端末がある。価格レート提供システム4は、後述の資産価格変動幅予測支援装置1に対して資産価格の経時的な変動情報、例えば外国為替レートを外部から提供するもので、外国為替取引を行う銀行が提供する外国為替レートを受信して送り込むようになっている。また、価格変動情報管理システム5は、後述の資産価格変動幅予測支援装置1に対して資産価格が変動する可能性のある特定情報、例えば各国の経済活動を数値化して公表される経済指標を外部から提供するもので、各国から発表される国内総生産、失業率、景気動向指数、公定歩合等を受信して送り込むようになっている。
【0025】
ここで、資産価格変動幅予測支援装置1は、前記通信ネットワーク2を介してユーザー端末3と接続され、資産価格が変動する可能性のある特定情報の発表時の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを前記ユーザー端末3側に送出するもので、図1に示すように、価格変動幅情報蓄積部6と、データ表示回路部7と、ネットワーク処理部8とを備えている。
【0026】
前記価格変動幅情報蓄積部6は、外部の価格レート提供システム4から提供される資産価格の経時的な変動情報(例えば外国為替レート)及び外部の価格変動情報管理システム5から提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報(例えば経済指標)を取り込んで、前記特定情報が発表された時点における価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを蓄積するもので、図2(a)に示すように、価格レート蓄積部9と、価格変動情報取得部10と、変動幅情報生成蓄積部11とを備えて成る。
【0027】
前記価格レート蓄積部9は、外部の価格レート提供システム4から提供される資産価格の経時的な変動情報、例えば外国為替レートを入力して記憶手段に記憶するもので、データを書き込み、読み出し可能なメモリを有しており、そのデータを変動幅情報生成蓄積部11へ送出したり、そのまま後述のデータ表示回路部7へパスするようになっている。また、価格変動情報取得部10は、外部の価格変動情報管理システム5から提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報、例えば経済指標を取得するもので、受信手段を有しており、そのデータを変動幅情報生成蓄積部11へ送出したり、そのまま後述のデータ表示回路部7へパスするようになっている。
【0028】
そして、変動幅情報生成蓄積部11は、前記価格変動情報取得部10から送られた特定情報、及び前記価格レート蓄積部9から読み出した資産価格の経時的な変動情報、並びに前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値を計算したデータをテーブル化して記憶手段に書き込んで価格変動情報テーブルを作成するもので、図2(b)に示すように、価格レート抽出部12と、価格変動情報テーブル13と、平均値計算部14とを備えて成る。
【0029】
前記価格レート抽出部12は、前記価格レート蓄積部9に記憶された例えば外国為替レートについて、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間(例えば10分間)の外国為替レートの四つの値(特定情報の発表時点の始値と、10分間の最安値及び最高値と、10分後の終値)を抽出して価格変動情報テーブル13へ送出するものである。価格変動情報テーブル13は、前記価格変動情報取得部10から送られた例えば経済指標及び前記価格レート抽出部12から送られた外国為替レートの四つの値をテーブル化して保存するもので、データを表形式で保存可能な記憶手段を有している。平均値計算部14は、前記価格変動情報テーブル13に前記外国為替レートの四つの値が保存されたタイミングで、前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分(最近の発表時を含んで例えば12回分)の平均値を計算して前記価格変動情報テーブル13へ送出するもので、例えば演算手段を有している。
【0030】
なお、前記特定情報が発表されてから一定時間経過における「一定時間」とは、10分間に限られず、1〜60分間程度であってもよい。望ましくは、5〜10分間程度である。また、前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分における「一定回数」とは、12回に限られず、10〜20回程度であってもよい。望ましくは、特定情報が1ヶ月に1回発表されるとして、過去1年分の12回程度である。
【0031】
図1において、前記価格変動幅情報蓄積部6の後段には、データ表示回路部7が設けられている。このデータ表示回路部7は、前記価格変動幅情報蓄積部6から読み出した前記特定情報が発表された時点における価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成して送出するもので、図3に示すように、データ処理部15と、表示データ格納部16とを備えて成る。
【0032】
前記データ処理部15は、前記価格変動幅情報蓄積部6から読み出した前記価格変動のデータと、前記平均値のデータとを合成処理するもので、例えばデータプロセッサを有している。表示データ格納部16は、前記データ処理部15から出力されるデータを一つの表示データとして格納するもので、例えば表示メモリを備えて成る。
【0033】
また、図1において、前記データ表示回路部7の後段には、ネットワーク処理部8が設けられている。このネットワーク処理部8は、前記通信ネットワーク2を介してユーザー端末3との間で、或る特定情報が発表された時点における資産価格の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを合成したデータを送受信するものである。
【0034】
なお、前記資産価格は、例えば外国為替相場における外国為替、株価相場における株価、債券相場における債券価格、商品先物相場における商品先物価格又は不動産相場における不動産価格のいずれかであるが、これらに限られず、有価証券価格、貴金属地金、非鉄地金、原油価格等であってもよい。
【0035】
また、前記特定情報は、例えば経済活動を数値化して公表される経済指標であり、その具体例としては、各国から発表される国内総生産、失業率、景気動向指数、公定歩合、長期金利、鉱工業生産指数、消費者物価、国際機関の経済見通し等であるが、これらに限られず、各種の経済活動を数値化したもの、或いは各国政府又は各国中央銀行等の要人の発言であってもよい。
【0036】
次に、このように構成された資産価格変動幅予測支援装置1の動作について、図4、図6及び図9のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、資産価格としては外国為替を例として取り上げ、外国為替レートが変動する状態について説明する。
まず、本発明による資産価格変動幅予測支援装置1を使用する最初の段階においてその装置が動作するように準備する段階について、図4を参照して説明する。この段階では、図1に示す資産価格変動幅予測支援装置1内の価格変動幅情報蓄積部6における準備動作となる。
【0037】
まず、図1に示す外部システムとしての価格変動情報管理システム5より、これから発表される特定情報の基本データを取り込む(図4のステップS1)。前記価格変動情報管理システム5は、前述のように、資産価格が変動する可能性のある特定情報、例えば各国の経済活動を数値化して公表される経済指標を外部から提供するものであるが、各国から発表される国内総生産、失業率、景気動向指数、公定歩合等を受信して蓄積している。この蓄積された特定情報のうち、これから発表される特定情報の基本データとして、経済指標の内容(例えば失業率)、発表国(例えば米国)、発表日時、予想指標(例えば予想失業率)等を取り込む。
【0038】
次に、同じく価格変動情報管理システム5より、過去に発表された特定情報のデータを取り込む(ステップS2)。ここでは、今回の発表時より前に発表された過去の特定情報の基本データ及び変動データを取り込む。なお、変動データとは、前記予想指標に対して実際に発表された指標の数値(例えば発表された失業率)である。
そして、前記ステップS1とステップS2で取り込まれたそれぞれのデータは、図2(a)に示す価格変動幅情報蓄積部6内の価格変動情報取得部10へ一旦蓄えられる。
【0039】
前記ステップS1と並行して、図1に示す外部システムとしての価格レート提供システム4より、過去の特定情報の発表から例えば10分間の外国為替レートの前記四つの値(発表時点の始値と、最安値、最高値、10分後の終値)を抽出する(ステップS3)。前記価格レート提供システム4は、前述のように、資産価格の経時的な変動情報、例えば外国為替レートを外部から提供するものであるが、外国為替取引を行う銀行が提供する為替レートを受信して蓄積している。この蓄積された外国為替レートのうち、通貨ペアが例えばドル/円、ユーロ/円、ポンド/円等の為替レートを取り込む。この取り込まれた為替レートの四つの値は、図2(a)に示す価格変動幅情報蓄積部6内の価格レート蓄積部9へ一旦蓄えられる。
【0040】
次に、前記抽出した為替レートの四つの値を、価格変動幅情報蓄積部6内の価格変動情報テーブルへ書き込む(ステップS4)。このとき、図2(a)において、価格レート蓄積部9へ一旦蓄えられた為替レートの四つの値は、該価格レート蓄積部9から読み出されて変動幅情報生成蓄積部11へ送られ、図2(b)に示すように、その変動幅情報生成蓄積部11内の価格レート抽出部12を介して価格変動情報テーブル13へ送られ、その内部にテーブル化して書き込まれる。
【0041】
次に、前記価格変動情報テーブル13に書き込まれた為替レートの四つの値について、過去一定回数分の平均値を計算する(ステップS5)。このとき、図2(b)に示す平均値計算部14により、前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の為替レートの四つの値を取り出し、過去一定回数分(最近の発表時を含んで例えば12回分)の平均値を計算して、前記価格変動情報テーブル13へ送り出す。
【0042】
次に、これから発表される特定情報の基本データと、過去の特定情報のデータ(基本データ及び変動データ)と、前記計算した為替レートの平均値とを、前記価格変動情報テーブル13に保存する(ステップS6)。このとき、図2(b)において、前記価格変動情報取得部10より、これから発表される特定情報の基本データと、過去の特定情報のデータとが価格変動情報テーブル13に送られて該当する欄に書き込まれると共に、前記平均値計算部14で計算された為替レートの平均値が価格変動情報テーブル13に送られて該当する欄に書き込まれ、テーブル化して保存される。これにより、図1に示す資産価格変動幅予測支援装置1内の価格変動幅情報蓄積部6における準備動作が終了する。
【0043】
図5は、前記価格変動幅情報蓄積部6における準備動作が終了して作成された価格変動情報テーブル13の内容を示す表である。この価格変動情報テーブル13は、例えば、「米国」から経済指標として「失業率」が発表された際の過去の経済指標(失業率)のデータと、その発表日時に対応する例えばドル/円の為替レートの過去一定回数分の平均値のデータと、これから発表される経済指標(失業率)の基本データとが書き込まれている。なお、この例では、現在の時点は「2010/3/5 22:30」の発表日時より前であるとする。
【0044】
過去の経済指標が発表された際のデータとしては、発表日時が「2010/1/8 22:30」のときのデータと、「2010/2/5 22:30」のときのデータとがある。それらの発表日時に対応する経済指標(失業率)のデータとして、経済指標(失業率)の「予想」と、その「結果(数値)」とがある。また、為替レートのデータとして、経済指標が発表されてから一定時間(例えば10分間)における発表時点の「始値」と、10分後の「終値」と、10分間の「最高値」と、「最安値」と、始値より終値が高い上昇相場又は始値より終値が低い下降相場を表す「上昇/下降」と、終値の例えば過去12回分の平均値を表す「終値平均」と、最高値又は最安値の例えば過去12回分の平均値を表す「最高/最安値平均」とがある。
そして、これから発表される経済指標の基本データとしては、経済指標として「失業率」、発表国として「米国」、発表日時として「2010/3/5 22:30」、失業率の予想として「9.8%」が書き込まれている。それ以外のデータについては、この段階では空欄となっている。
【0045】
次に、本発明による資産価格変動幅予測支援装置1の使用において、外国為替等の資産価格が変動する可能性のある特定情報(例えば失業率)が発表された時の動作について、図6を参照して説明する。この段階では、図1に示す資産価格変動幅予測支援装置1内の価格変動幅情報蓄積部6及びデータ表示回路部7における動作となる。
【0046】
まず、図1に示す外部システムとしての価格変動情報管理システム5より、今回の特定情報の発表時の変動データを取り込む(図6のステップS11)。このとき、前記価格変動情報管理システム5より、今回米国から発表された特定情報の変動データとして、例えば失業率の結果(数値)データを取り込む。この失業率の結果(数値)データは、図2(a)に示す価格変動情報取得部10を介して変動幅情報生成蓄積部11へ送られ、図2(b)に示す内部の価格変動情報テーブル13へ書き込まれる。
【0047】
図7は、前記特定情報(例えば失業率)が発表された時の動作において作成された価格変動情報テーブル13の内容を示す表である。ここでは、今回の発表日時としての「2010/3/5 22:30」の欄において、経済指標(失業率)の結果(数値)として「9.7%」が書き込まれている。それ以外のデータについては、この段階においてもまだ空欄となっている。
【0048】
次に、前記価格変動幅情報蓄積部6内の価格変動情報テーブル13にて、今回発表の特定情報(失業率)と同一指標のデータを検索する(図6のステップS12)。例えば、図7に示す価格変動情報テーブル13において、経済指標としての「失業率」に付された指標コード「A0001」と同一の指標コードを有する経済指標を検索する。
【0049】
次に、前記価格変動情報テーブル13より、過去の特定情報(失業率)の発表から例えば10分間の為替レート(ドル/円)の過去一定回数分の平均値のデータを抽出する(ステップS13)。例えば、図7に示す価格変動情報テーブル13において、発表日時が「2010/2/5 22:30」の欄にて上昇相場の終値平均「+0.39」及び最高値平均「+0.96」、並びに発表日時が「2010/1/8 22:30」の欄にて下降相場の終値平均「−0.41」及び最安値平均「−0.79」を抽出して保持しておく。
【0050】
前記ステップS11と並行して、図1に示す外部システムとしての価格レート提供システム4より、今回の特定情報の発表時(2010/3/5 22:30)の為替レートのデータを取り込む(ステップS14)。このとき、前記価格レート提供システム4より、今回米国から発表された特定情報の発表時点の為替レートとして、例えばドル/円=94.50円のデータを取り込んで、図2(a)に示す価格レート蓄積部9に保持しておく。
【0051】
次に、図1に示すデータ表示回路部7により、今回の特定情報の発表時の為替レートのデータと、前記発表から10分間の為替レートの過去一定回数分の平均値のデータを合成して、出力する(ステップS15)。このとき、前記価格レート蓄積部9から今回の特定情報の発表時の為替レートのデータが送り出され、また、図2(a)に示す変動幅情報生成蓄積部11内の価格変動情報テーブル13より前記発表から10分間の為替レートの過去一定回数分の平均値のデータが送り出されて、データ表示回路部7へ入力して合成される。
【0052】
前記データ表示回路部7で合成されて出力されたデータは、図1においてネットワーク処理部8へ送られて、通信ネットワーク2へ送受信するための処理が行われる。そして、前記合成したデータを、通信ネットワーク2を介してユーザー端末3に送り、各顧客のユーザー端末3に表示する(ステップS16)。
【0053】
そして、図8は、前記合成されたデータが、通信ネットワーク2を介してユーザー端末3に送られて、各顧客のユーザー端末3に表示される表示画面17の例を示す説明図である。この表示画面17は、今回の特定情報の発表時(2010/3/5 22:30)に、図1に示す価格レート提供システム4から送られた現在のドル/円の為替レートが「現在レート:94.50」であると表示し、現在のドル/円=94.50円の為替レートに至るまでの過去の為替レートの変化曲線Cをいわゆる「ローソク足」の並びで表示し、前記ステップS13で抽出した、発表から例えば10分間の為替レートの過去一定回数分の平均値のデータを図8において左下の枠F内に表示している。この左下の枠F内には、為替レートの上昇相場の最高値平均「+0.96」として「高値平均 +96pips」、終値平均「+0.39」として「終値平均 +39pips」、及び下降相場の終値平均「−0.41」として「終値平均 −41pips」、最安値平均「−0.79」として「安値平均 −79pips」のように表示している。
【0054】
なお、前記枠F内の為替レートの平均値の表示において、「pips」とは為替レートを表示するときの最小有効桁の1単位を表すもので、ドル/円の場合は、1pips=1/100円を意味する。例えば、ドル/円の為替レートにおいて「115.15-20」という表記は、売値が「115.15円」で、買値が「115.20円」であることを表しており、0.15円を「15pips」と表し、0.20円を「20pips」と表して、この場合は「5pips」の差で取引されていることを意味する。また、ユーロ/ドルの場合は、1pips=1/10000ドルを意味する。例えば、ユーロ/ドルの為替レートにおいて「1.1851」から「1.1951」まで相場が上昇したときには、「100pips」上がったことを意味する。
【0055】
また、図8において左下の枠F内に表示された、前記発表から例えば10分間の為替レートの過去一定回数分の平均値(四つ)のデータは、過去から現在に至る時間軸に対する為替レートの変化グラフにおいて、現在の為替レート「94.50」を中心値として、「終値平均 +39pips」は実線の直線L1で表示され、「高値平均 +96pips」は破線の直線L2で表示され、「終値平均 −41pips」は一点鎖線の直線L3で表示され、「安値平均 −79pips」は二点鎖線の直線L4で表示される。
【0056】
このようなユーザー端末3の表示画面17の表示により、各顧客は、今回の特定情報(例えば失業率)が発表された時点における現在の為替レートの数値、例えば「94.50」と、過去に前記特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値(四つの直線L1,L2,L3,L4)のデータとを、前記特定情報の発表直後に同一画面上で同時に見ることができる。これにより、投資家等が、過去に同種の特定情報が発表された際の価格変動の過去一定回数分の平均値を参照して、今回の資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表された直後に当該資産価格が変動する変動幅の予測を行うことができる。したがって、投資家等は、特定情報の発表から一定時間経過後の資産価格の変動幅を予測しながら外国為替相場、株価相場、債券価格相場等における取引を行うことができる。
【0057】
次に、本発明による資産価格変動幅予測支援装置1の使用において、外国為替等の資産価格が変動する可能性のある特定情報が発表されてから一定時間経過後の動作について、図9を参照して説明する。この段階では、図1に示す資産価格変動幅予測支援装置1内の価格変動幅情報蓄積部6における動作となる。
【0058】
まず、図1に示す外部システムとしての価格変動情報管理システム5より、次回発表される特定情報の基本データを取り込む(図9のステップS21)。前記価格変動情報管理システム5に蓄積された特定情報のうち、次回発表される特定情報の基本データとして、経済指標の内容(例えば失業率)、発表国(例えば米国)、発表日時、予想指標(例えば予想失業率)等を取り込む。この取り込まれた特定情報の基本データは、図2(a)に示す価格変動幅情報蓄積部6内の価格変動情報取得部10へ一旦蓄えられる。
【0059】
前記ステップS21と並行して、図1に示す外部システムとしての価格レート提供システム4より、今回の特定情報の発表(2010/3/5 22:30)から例えば10分間の外国為替レートの前記四つの値(発表時点の始値と、最安値、最高値、10分後の終値)を抽出する(ステップS22)。前記価格レート提供システム4に蓄積された外国為替レートのうち、通貨ペアが例えばドル/円の為替レートを取り込む。この取り込まれた為替レートの四つの値は、図2(a)に示す価格変動幅情報蓄積部6内の価格レート蓄積部9へ一旦蓄えられる。
【0060】
次に、前記抽出した為替レートの四つの値を、価格変動幅情報蓄積部6内の価格変動情報テーブルへ追加する(ステップS23)。このとき、図2(a)において、価格レート蓄積部9へ一旦蓄えられた為替レートの四つの値は、該価格レート蓄積部9から読み出されて変動幅情報生成蓄積部11へ送られ、図2(b)に示すように、その変動幅情報生成蓄積部11内の価格レート抽出部12を介して価格変動情報テーブル13へ送られ、その内部にテーブル化して書き込まれる。
【0061】
次に、前記価格変動情報テーブル13に追加して書き込まれた為替レートの四つの値を含めて、過去一定回数分の平均値を計算する(ステップS24)。このとき、図2(b)に示す平均値計算部14により、今回及び過去に特定情報が発表されてから一定時間経過後の為替レートの四つの値を取り出し、過去一定回数分(今回の発表時を含んで例えば12回分)の平均値を計算して、前記価格変動情報テーブル13へ送り出す。
【0062】
次に、次回発表される特定情報の基本データと、前記計算した為替レートの平均値とを、前記価格変動情報テーブル13に保存する(ステップS25)。このとき、図2(b)において、前記価格変動情報取得部10より、次回発表される特定情報の基本データが価格変動情報テーブル13に送られて該当する欄に書き込まれると共に、前記平均値計算部14で計算された為替レートの平均値が価格変動情報テーブル13に送られて該当する欄に書き込まれ、テーブル化して保存される。これにより、図1に示す資産価格変動幅予測支援装置1内の価格変動幅情報蓄積部6における動作が終了する。
【0063】
図10は、本発明による資産価格変動幅予測支援装置1の動作が終了して作成された価格変動情報テーブル13の内容を示す表である。この価格変動情報テーブル13は、例えば、「米国」から経済指標として「失業率」が発表された際の今回及び過去の経済指標(失業率)のデータと、その発表日時に対応する例えばドル/円の為替レートの今回及び過去一定回数分の平均値のデータと、次回発表される経済指標(失業率)の基本データとが書き込まれている。
【0064】
過去の経済指標が発表された際のデータとしては、前述したように、発表日時が「2010/1/8 22:30」のときのデータと、「2010/2/5 22:30」のときのデータとがある。
また、今回の経済指標が発表された際のデータとしては、発表日時が「2010/3/5 22:30」のときのデータがある。今回の発表日時に対応する経済指標(失業率)のデータとして、失業率の「予想」と、その「結果(数値)」とがある。また、為替レートのデータとして、経済指標が発表されてから一定時間(例えば10分間)における発表時点の「始値」と、10分後の「終値」と、10分間の「最高値」と、「最安値」と、始値より終値が高い上昇相場又は始値より終値が低い下降相場を表す「上昇/下降」と、終値の例えば過去12回分の平均値を表す「終値平均」と、最高値又は最安値の例えば過去12回分の平均値を表す「最高/最安値平均」とがある。
【0065】
そして、次回発表される経済指標の基本データとしては、経済指標として「失業率」、発表国として「米国」、発表日時として「2010/4/2 21:30」、失業率の予想として「10.8%」が書き込まれている。それ以外のデータについては、この段階では空欄となっている。
【0066】
この状態で、図1に示す価格変動幅情報蓄積部6の動作が終了し、本発明による資産価格変動幅予測支援装置1の動作が終了する。なお、図9のフローチャートで示す動作は、図4のフローチャートで示す準備動作に対してステップS2に対応する手順が無い点が異なるだけでその他は基本的に同じであり、次回の特定情報の発表に対する準備動作となるものである。したがって、図9に示す動作が終了して図10に示す価格変動情報テーブル13が作成された段階で、次回の特定情報の発表に対する準備が完了する。これにより、次回の特定情報の発表時には、図6に示すフローチャートの動作から開始し、図9に示すフローチャートの動作で終了することになる。
【0067】
なお、以上の説明においては、資産価格を「外国為替」とし、その資産価格が変動する可能性のある特定情報を「失業率」としたが、本発明はこれに限られず、他の資産価格及び他の特定情報であっても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1…資産価格変動幅予測支援装置
2…通信ネットワーク
3…ユーザー端末
4…価格レート提供システム
5…価格変動情報管理システム
6…価格変動幅情報蓄積部
7…データ表示回路部
8…ネットワーク処理部
9…価格レート蓄積部
10…価格変動情報取得部
11…変動幅情報生成蓄積部
12…価格レート抽出部
13…価格変動情報テーブル
14…平均値計算部
15…データ処理部
16…表示データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向通信可能な通信ネットワークを介してユーザー端末と接続され、資産価格が変動する可能性のある特定情報の発表時の価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを前記ユーザー端末側に送出する資産価格変動幅予測支援装置であって、
外部システムから提供される資産価格の経時的な変動情報及び他の外部システムから提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報を取り込んで、前記特定情報が発表された時点における価格変動のデータと、過去に前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値のデータとを蓄積する価格変動幅情報蓄積部と、
前記価格変動幅情報蓄積部から読み出した前記価格変動のデータと前記平均値のデータとを合成して送出するデータ表示回路部と、
を備えて成ることを特徴とする資産価格変動幅予測支援装置。
【請求項2】
前記価格変動幅情報蓄積部は、外部システムから提供される資産価格の経時的な変動情報を入力して記憶手段に記憶する価格レート蓄積部と、他の外部システムから提供される資産価格が変動する可能性のある特定情報を取得する価格変動情報取得部と、前記価格変動情報取得部から送られた特定情報、及び前記価格レート蓄積部から読み出した資産価格の経時的な変動情報、並びに前記特定情報が発表されてから一定時間経過後の価格変動の過去一定回数分の平均値を計算したデータをテーブル化して記憶手段に書き込んで価格変動情報テーブルを作成する変動幅情報生成蓄積部と、を備えて成ることを特徴とする請求項1記載の資産価格変動幅予測支援装置。
【請求項3】
前記データ表示回路部は、前記価格変動幅情報蓄積部から読み出した前記価格変動のデータと前記平均値のデータとを合成処理するデータ処理部と、このデータ処理部から出力されるデータを一つの表示データとして格納する表示データ格納部とを備えて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の資産価格変動幅予測支援装置。
【請求項4】
前記資産価格は、外国為替、株価、債券価格、商品先物価格又は不動産価格のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の資産価格変動幅予測支援装置。
【請求項5】
前記特定情報は、経済活動を数値化して公表される経済指標であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の資産価格変動幅予測支援装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−221885(P2011−221885A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92006(P2010−92006)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(503421117)FXプライム株式会社 (3)
【出願人】(510103831)株式会社マスチューン (2)