説明

資産管理サーバ、資産管理システム、資産管理方法、及び資産管理プログラム

【課題】資産管理に際してのユーザ操作性を向上させる。
【解決手段】資産管理システム1を構成する資産管理サーバ20は、ネットワーク2を介した複数のユーザ端末10_1〜10_n各々からの登録要求に応じて、データベース210に、資産に付与された任意の属性情報300と、前記資産の配置位置情報400とを対応付けて登録する。この時、資産管理サーバ20は、データベース210中の一の配置位置情報に対し、一のユーザ端末から要求された属性情報、及び他のユーザ端末から要求された属性情報の両者を対応付けて登録する。また、資産管理サーバ20は、各ユーザ端末10_1〜10_nからの検索要求に応じて、データベース210から、属性情報300又は配置位置情報400の一方を、他方をキーとして検索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資産管理サーバ、資産管理システム、資産管理方法、及び資産管理プログラムに関し、特にIT(Information Technology)機器等の資産を統合管理するサーバ、システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、資産管理は、市販の管理ソフトウェアや表計算ソフトを使用して行われていた。特にIT機器に関しては、責任者がIT機器のレンタル契約番号等を管理する一方、利用者がIT機器の構造情報や設置場所等を管理するといった具合に、管理項目毎に個別の管理者が存在していた。
【0003】
このため、資産管理に際して複数の媒体が併用され、管理者の作業効率が著しく低下してしまうという問題があった。最悪の場合、誰も資産を管理できない状況に陥り、作業の停滞や作業工数の増大等を引き起こす。また、市販の管理ソフトウェアを使用する場合には、当該ソフトウェアをインストールした特定の端末でしか管理者が作業できないという問題もあった。
【0004】
上記の問題に対処し、資産を統合管理するシステムが、例えば特許文献1及び2に記載されている。
【0005】
この内、特許文献1に記載されるシステムは、大略、店舗における商品の棚割りを支援するものである。具体的には、システムを構成する管理装置が、複数の商品に関する商品情報と、各商品を陳列するための複数の陳列棚に関する陳列棚情報とをデータベース上で管理する。棚割りに際し、管理装置は、データベースから、自装置にネットワークを介して接続されたユーザ端末による指定条件(棚割り対象とする陳列棚のID、及び売れ筋商品順位)に合致する商品情報及び陳列棚情報を検索(抽出)する。そして、管理装置は、抽出した商品情報に対応する画像を、抽出した陳列棚情報に対応する画像上に合成し、以て合成画像(棚割り後のイメージ)をユーザ端末にて表示可能にする。
【0006】
一方、特許文献2に記載されるシステムは、大略、エンクロージャ内の複数のスロット各々に対する計算機の収納位置を管理するものである。具体的には、システムを構成する管理サーバが、エンクロージャID及びスロットIDと、計算機IDとを対応付けてメモリに記憶し、以て管理者による、計算機IDをキーとした収納位置の検索、並びにエンクロージャID及びスロットIDをキーとした計算機の検索を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−296419号公報
【特許文献2】特開2004−252800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の特許文献1及び2に記載されるシステムには、ユーザ操作性が低いという課題があった。これは、資産の検索に際し、当該資産に付与された固有情報(上記の陳列棚ID、エンクロージャID、スロットID、及び計算機ID)を使用するためである。この場合、当該固有情報を知らないユーザは、システムに対する操作を何ら実施できない。換言すると、資産を管理できるユーザが、特定のユーザに制限されてしまう。
【0009】
特にIT機器は、保有者、責任者、利用者等の複数のユーザによって管理され、レンタル契約番号、開発コード、名称等のようにユーザ毎に知り得る情報が異なる。このため、特定の情報のみをキーとする検索では、全てのユーザがIT機器を管理することが困難である。
【0010】
従って、本発明は、資産管理に際してのユーザ操作性を向上させることが可能な資産管理サーバ、資産管理システム、資産管理方法、及び資産管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係る資産管理サーバは、データベースと、前記データベースに、資産に付与された任意の属性情報と前記資産の配置位置情報とを対応付けて登録する処理と、前記データベースから、前記属性情報又は前記配置位置情報の一方を他方をキーとして検索する処理と、をネットワークを介した複数のユーザ端末各々からの要求に応じて択一的に実行する処理手段とを備える。
【0012】
また、本発明の一態様に係る資産管理システムは、複数のユーザ端末と、データベースに、資産に付与された任意の属性情報と前記資産の配置位置情報とを対応付けて登録する処理と、前記データベースから、前記属性情報又は前記配置位置情報の一方を他方をキーとして検索する処理と、をネットワークを介した各ユーザ端末からの要求に応じて択一的に実行するサーバとを備える。
【0013】
また、本発明の一態様に係る資産管理方法は、データベースを有するサーバにおける資産管理方法を提供する。この資産管理方法は、ネットワークを介した複数のユーザ端末各々からの登録要求に応じて、前記データベースに、資産に付与された任意の属性情報と前記資産の配置位置情報とを対応付けて登録し、前記ネットワークを介した各ユーザ端末からの検索要求に応じて、前記データベースから、前記属性情報又は前記配置位置情報の一方を他方をキーとして検索する。
【0014】
さらに、本発明の一態様に係る資産管理プログラムは、データベースを有するサーバに、ネットワークを介した複数のユーザ端末各々からの登録要求に応じて、前記データベースに、資産に付与された任意の属性情報と前記資産の配置位置情報とを対応付けて登録する処理と、前記ネットワークを介した各ユーザ端末からの検索要求に応じて、前記データベースから、前記属性情報又は前記配置位置情報の一方を他方をキーとして検索する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、資産を、各ユーザが個別に付与した属性情報と、各ユーザが共通に認識可能な配置位置情報とを用いて統合管理する。このため、資産の検索に際し、一部のユーザのみが知り得る特定情報の使用は不要となり、以てユーザ操作性を、上記の特許文献1及び2と比較して大幅に向上させること(すなわち、全てのユーザが資産を管理すること)が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る資産管理サーバ及びこれを適用する資産管理システムの構成例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に用いるデータベースの構成例を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に用いるIT機器情報テーブルの構成例を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態に用いるフロアマップの一例を示したグラフ図である。
【図5】本発明の実施の形態に用いるラックの構成例を示したブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に用いるフロア情報テーブルの構成例を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態に用いるアイコン情報テーブルの構成例を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態に用いるデータベースアクセス処理部の構成例を示したブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る資産管理サーバの全体動作例を示したフローチャート図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る資産管理サーバにおけるフロア情報登録処理例を示したフローチャート図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る資産管理サーバにおけるIT機器情報登録処理例を示したフローチャート図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る資産管理サーバにおけるIT機器情報検索処理例を示したフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る資産管理サーバ及びこれを適用する資産管理システムの実施の形態を、図1〜図12を参照して説明する。なお、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0018】
図1に示す本実施の形態に係る資産管理システム1は、複数(この例では"n台")のユーザ端末10_1〜10_n(以下、符号10で総称することがある)と、これらのユーザ端末10_1〜10_nにネットワーク2を介して接続される資産管理サーバ20とで構成される。なお、ネットワーク2は、例えば、ユーザ環境に施設されたネットワークであり、図示の如く各種のネットワーク接続機器3_1〜3_mにより構成されている。或いは、ネットワーク2は、インターネット等の公衆ネットワークであっても良い。
【0019】
また、資産管理サーバ20は、データベース(以下、DBと略称することがある)210と、このDB210へアクセスする処理部(以下、DBアクセス処理部と呼称する)220とを備えている。なお、DB210及びDBアクセス処理部220は、図1に点線で示す如く、DBサーバ500及びWebサーバ600に分散設置しても良い。
【0020】
この内、DB210には、管理対象の資産に対して各ユーザが個別に付与した属性情報300と、当該資産の配置位置情報400とが対応付けて記憶される。
【0021】
一方、DBアクセス処理部220は、ユーザ端末10からの要求に応じて、下記の処理(A)又は(B)を択一的に実行する。
【0022】
(A)DB210に、属性情報300と配置位置情報400とを対応付けて登録する処理。
(B)DB210から、属性情報300又は配置位置情報400の一方を、他方をキーとして検索する処理。この処理により得た検索結果は、ネットワーク2を介してユーザ端末10へ通知される。
【0023】
このように、本実施の形態においては、一部のユーザのみが知り得る特定情報を使用すること無く、資産を統合管理することができる。すなわち、全てのユーザが、資産を効率良く管理できる。
【0024】
以下、資産管理サーバ20の具体的な構成及び動作を、IT機器を管理対象として扱う場合を例に取り、図2〜図12を参照して詳細に説明する。
【0025】
図2に示すように、データベース210は、IT機器情報テーブル211、フロア情報テーブル212、及びアイコン情報テーブル213を用いたリレーショナルデータベースとして構築すると好適である。
【0026】
まず、IT機器情報テーブル211は、図3に示す如く、IT機器の属性情報300と、IT機器の配置位置情報400とを対応付けて記憶する。
【0027】
この内、属性情報300には、IT機器のモデル名、ホスト名、製造番号、管理者等の種々の情報が含まれる。ここで、属性情報300はその情報要素数が可変であり、以て複数のユーザが同一のIT機器に対してそれぞれ付与した複数の属性情報を、1つのレコード中に含めることができる。すなわち、IT機器情報テーブル211は、1つの配置位置情報に対して、複数の属性情報を対応付けて記憶する。このため、全てのユーザが同一のIT機器を共通に管理することができる。
【0028】
一方、配置位置情報400には、IT機器を配置するラックの名称(以下、ラック名)と、当該ラックにおけるIT機器の収納位置(以下、ラック内収納位置)とが含まれる。
ここで、ラック名は、ユーザが図4に示す如くフロア毎に設置される各ラックに対して付与した名称である。図示の例では、2FのX座標="150"及びY座標="100"に設置されたラックに対して、ラック名="Rack_1"が付与されている。同様に、X座標="50"及びY座標="150"に設置されたラックに対しラック名="Rack_2"、X座標="100"及びY座標="100"に設置されたラックに対しラック名="Rack_3"がそれぞれ付与されている。
【0029】
また、ラック内収納位置は、Unit番号と、Unit内列番号とで示される。例えば、図5(a)に示す15行のUnitを有するラックの下から5行目にIT機器を収納する場合、そのラック内収納位置700_1を示すUnit番号は"5"である。また、図5(b)に示す10行のUnitを有するラックの下から7〜9行目に亘ってIT機器を収納する場合、そのラック内収納位置700_2を示すUnit番号は"7−9"である。また、図5(c)に示す3行5列のUnitを有するラックの下から2行2列目にIT機器を収納する場合、そのラック内収納位置700_3を示すUnit番号は"2"であり、Unit内列番号は"2"である。なお、図5(a)及び図5(b)にそれぞれ示したラックは1つの行に1つのIT機器を収納する構造であるため、Unit内列番号をそれぞれ"0"とする。
【0030】
次に、フロア情報テーブル212は、図6に示す如く、ラック名を主キーとして有し、ラック名と、ラックを設置したフロア、フロア内の設置場所(図4に示したフロアマップ上のX座標及びY座標)、及びアイコン番号(フロアマップ上に表示するアイコンの識別番号)とを対応付けて記憶する。
【0031】
このように、IT機器情報テーブル211及びフロア情報テーブル212は、ラック名により相互に関係付けられている。従って、資産管理サーバ20は、ユーザ端末10から或るIT機器についての検索要求を受けた際、属性情報が指定されれば対応する配置位置情報及びフロア情報を、配置位置情報及びフロア情報が指定されれば対応する属性情報を提供することができる。
【0032】
最後に、アイコン情報テーブル213は、図7に示す如く、アイコン番号を主キーとして有し、アイコン番号と、図4に示したフロアマップ上に表示するラック上面アイコン(データ)、図5(a)〜図5(c)に示したラック構造をユーザ端末10にて表示させるためのラック側面アイコン(データ)、及びラック内のUnit情報(Unit番号及びUnit内列番号の定義情報)とを対応付けて記憶する。
【0033】
このように、フロア情報テーブル212及びアイコン情報テーブル213は、アイコン番号により相互に関係付けられている。従って、資産管理サーバ20は、ユーザ端末10に検索キーを指定させる場合、及びユーザ端末10に対して検索結果を提供する場合の両者において、配置位置情報、フロア情報、及びアイコン情報をユーザ端末10にて可視表示可能な情報として提供することができる。このため、全てのユーザがIT機器を容易に管理することができる。
【0034】
また、図8に示すように、DBアクセス処理部220は、図1に示したネットワーク2とのインタフェースとして機能するネットワークI/F221と、このI/F221を制御するプロセッサ222と、このプロセッサ222により作業領域として使用されるメモリ等の記憶媒体223とで簡易に構成すると好適である。
【0035】
この場合、記憶媒体223に、Web処理アプリケーションプログラム810、GUI(Graphical User Interface)処理アプリケーションプログラム820、及びDBサーバ処理アプリケーションプログラム830を予め格納しておく。なお、これらのプログラム810〜830は、一般的なネットワークサーバへのプラグインとして提供することもできる。
【0036】
プロセッサ222は、記憶媒体223から上記のプログラム810〜830を必要に応じて読出し、Web処理アプリケーション910、GUI処理アプリケーションプログラム920、及びDBサーバ処理アプリケーション930として実行する。
【0037】
この内、Web処理アプリケーション910は、HTTPS(Hypertext Tranfer Protocol Security)に則して、ユーザ端末10と資産管理サーバ20の間の通信を暗号化する。図1に点線で示したようにデータベース210及びDBアクセス処理部220をDBサーバ500及びWebサーバ600に分散設置する場合、Web処理アプリケーション910は、DBサーバ500とWebサーバ600の間の通信も暗号化する。
【0038】
これにより、管理情報の漏洩を防止できる。なお、暗号化プロトコルに他の各種プロトコルを採用した場合も同様の効果が得られる。但し、HTTPSを採用した場合には、ユーザ端末10の構成を簡易化できるという更なる効果が得られる。これは、一般的なWebブラウザがHTTPSに対応しており、ユーザ端末10への特別なアプリケーションのインストールが不要となるためである。
【0039】
また、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して、データベース210へのアクセスに使用する種々の操作GUIを提供する。なお、GUI処理アプリケーションプログラム920は、ユーザ端末10に対し、図7に示したアイコンデータを作成するためのGUIを提供することもできる。
【0040】
また、DBサーバ処理アプリケーション930は、実際にデータベース210へのアクセスを行う。なお、データベース210及びDBアクセス処理部220をDBサーバ500及びWebサーバ600に分散設置する場合、DBサーバ処理アプリケーション930は、DBサーバ500との通信により、データベース210にアクセスする。
【0041】
次に、資産管理サーバ20の動作例を、図9〜図12を参照して説明する。
【0042】
図9に示すように、ユーザ端末10からの接続要求を受けると、資産管理サーバ20内のプロセッサ222は、Web処理アプリケーション910を起動し、以てユーザ端末10と資産管理サーバ20の間のHTTPS接続を確立させる(ステップS1)。
【0043】
そして、プロセッサ222は、GUI処理アプリケーション920を起動する。GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して作業選択画面の表示を指示する(ステップS2)。ユーザ端末10は、ユーザにより作業選択画面上で選択された作業種別を、GUI処理アプリケーション920へ返信する。
【0044】
GUI処理アプリケーション920は、作業種別が"作業終了"を示さない場合、作業種別を判定する(ステップS3及びS4)。
【0045】
この結果、作業種別が"フロア情報登録要求"である場合、GUI処理アプリケーション920は、DBサーバ処理アプリケーション930との協調動作により、図6に示したフロア情報テーブル212への登録処理(以下、フロア情報登録処理と呼称する)を実行する(ステップS5)。
【0046】
作業種別が"IT機器情報登録要求"である場合、GUI処理アプリケーション920は、DBサーバ処理アプリケーション930との協調動作により、図3に示したIT機器情報テーブル211への登録処理(以下、IT機器情報登録処理と呼称する)を実行する(ステップS6)。
【0047】
作業種別が"IT機器情報検索要求"である場合、GUI処理アプリケーション920は、DBサーバ処理アプリケーション930との協調動作により、IT機器情報テーブル211からの検索処理(以下、IT機器情報検索処理と呼称する)を実行する(ステップS7)。
【0048】
上記のステップS5〜S7に示した処理のいずれかが終了した場合、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して作業選択画面の再表示を指示し(ステップS8)、上記のステップS3に戻る。この結果、ユーザにより"作業終了"が選択された場合、Web処理アプリケーション910は、ユーザ端末10と資産管理サーバ20の間のHTTPS接続を切断し、全ての処理を終了する(ステップS9)。
【0049】
以下、フロア情報登録処理、IT機器情報登録処理、及びIT機器情報検索処理の各例を、図10〜図12を参照して順に説明する。
【0050】
[フロア情報登録処理例]
図10に示すように、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して、図4に示したフロアマップ及び図7に示したアイコン情報を送信し、以てフロア情報の入力を要求する(ステップS11)。
【0051】
ユーザ端末10は、まず受信したフロアマップを表示する。次いで、ユーザ端末10は、ユーザにより選択されたフロア及びラックの設置場所(X座標及びY座標)を取得すると共に、GUI処理アプリケーション920から受信したラック名の入力フォーム(図示せず)を表示する。次いで、ユーザ端末10は、ユーザにより入力されたラック名を取得すると共に、アイコンデータ一覧(アイコン情報)を表示する。次いで、ユーザ端末10は、ユーザにより選択されたアイコンデータに対応するアイコン番号を取得する。最後に、ユーザ端末10は、取得したフロア、設置場所、ラック名、及びアイコン番号を、フロア情報としてGUI処理アプリケーション920へ送信する。
【0052】
GUI処理アプリケーション920は、フロア情報を受信すると(ステップS12)、DBサーバ処理アプリケーション930を起動する(ステップS13)。DBサーバ処理アプリケーション930は、受信したフロア情報を用いてフロア情報テーブル212を更新する(ステップS14)。
【0053】
この後、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して、フロア情報を連続して登録するか否かを問い合わせる(ステップS15)。この結果、ユーザ端末10から連続登録の実行が必要である旨の応答を受信した場合(ステップS16)、GUI処理アプリケーション920は、上記のステップS11に戻る。一方、連続登録の実行が不要である旨の応答を受信した場合には、GUI処理アプリケーション920は、フロア情報登録処理を終了する。
【0054】
[IT機器情報登録処理例]
図11に示すように、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して、図4に示したフロアマップ、図6に示したフロア情報、及び図7に示したアイコン情報を送信し、以てIT機器情報の入力を要求する(ステップS21)。
【0055】
ユーザ端末10は、まずGUI処理アプリケーション920から受信した属性情報300の入力フォーム(図示せず)を表示する。次いで、ユーザ端末10は、ユーザにより入力された属性情報300を取得すると共に、フロアマップを表示する。次いで、ユーザ端末10は、ユーザによりIT機器の配置先として選択されたラックのラック名を取得すると共に、ラック名に対応するラック側面アイコンを表示する。次いで、ユーザ端末10は、ユーザによりラック内収納位置として選択されたUnit番号及びUnit内列番号を取得する。最後に、ユーザ端末10は、取得した属性情報300、並びに取得したラック名及びラック内収納位置から成る配置位置情報400を、GUI処理アプリケーション920へ送信する。
【0056】
GUI処理アプリケーション920は、属性情報300及び配置位置情報400を受信すると(ステップS22)、DBサーバ処理アプリケーション930を起動する(ステップS23)。DBサーバ処理アプリケーション930は、受信した属性情報300及び配置位置情報400を用いてIT機器情報テーブル211を更新する(ステップS24)。
【0057】
この後、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して、IT機器情報を連続して登録するか否かを問い合わせる(ステップS25)。この結果、ユーザ端末10から連続登録の実行が必要である旨の応答を受信した場合(ステップS26)、GUI処理アプリケーション920は、上記のステップS21に戻る。一方、連続登録の実行が不要である旨の応答を受信した場合には、GUI処理アプリケーション920は、IT機器情報登録処理を終了する。
【0058】
[IT機器情報検索処理例]
図12に示すように、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して、属性情報300及び配置位置情報400のいずれを検索キーとするのか問い合わせる(ステップS31)。
【0059】
この結果、検索キーとして属性情報300が指定された場合(ステップS32)、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して、属性情報300の入力を要求する(ステップS33)。
【0060】
ユーザ端末10は、まずGUI処理アプリケーション920から受信した属性情報300の入力フォーム(図示せず)を表示する。次いで、ユーザ端末10は、ユーザにより入力された属性情報300を取得すると共に、取得した属性情報300をGUI処理アプリケーション920へ送信する。
【0061】
GUI処理アプリケーション920は、属性情報300を受信すると(ステップS34)、DBサーバ処理アプリケーション930を起動する(ステップS35)。DBサーバ処理アプリケーション930は、IT機器情報テーブル211から、受信した属性情報300に対応する配置位置情報400を検索する(ステップS36)。
【0062】
一方、上記のステップS32で検索キーとして配置位置情報400が指定された場合、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して、図4に示したフロアマップ、図6に示したフロア情報、及び図7に示したアイコン情報を送信し、以て配置位置情報400の入力を要求する(ステップS37)。
【0063】
ユーザ端末10は、まずGUI処理アプリケーション920から受信したフロアマップを表示する。次いで、ユーザ端末10は、ユーザにより検索対象として選択されたラックのラック名を取得すると共に、ラック名に対応するラック側面アイコンを表示する。次いで、ユーザ端末10は、ユーザにより検索対象として選択されたラック内収納位置(Unit番号及びUnit内列番号)を取得する。最後に、ユーザ端末10は、取得したラック名及びラック内収納位置から成る配置位置情報400を、GUI処理アプリケーション920へ送信する。
【0064】
GUI処理アプリケーション920は、配置位置情報400を受信すると(ステップS38)、DBサーバ処理アプリケーション930を起動する(ステップS39)。DBサーバ処理アプリケーション930は、IT機器情報テーブル211から、受信した配置位置情報400に対応する属性情報300を検索する(ステップS40)。
【0065】
そして、GUI処理アプリケーション920は、上記のステップS36又はS40の検索結果(配置位置情報400又は属性情報300)を、ユーザ端末10へ送信する(ステップS41)。
【0066】
この後、GUI処理アプリケーション920は、ユーザ端末10に対して、IT機器情報を連続して検索するか否かを問い合わせる(ステップS42)。この結果、ユーザ端末10から連続検索の実行が必要である旨の応答を受信した場合(ステップS43)、GUI処理アプリケーション920は、上記のステップS31に戻る。一方、連続検索の実行が不要である旨の応答を受信した場合には、GUI処理アプリケーション920は、IT機器情報検索処理を終了する。
【0067】
このように、ユーザ毎に知り得る情報が異なるIT機器であっても、その管理を全てのユーザが行うことができる。
【0068】
なお、上記の実施の形態によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。資産管理サーバ20が、IT機器に限らず、種々の資産を管理対象として扱えるのは言うまでも無い。資産管理サーバ20は、例えば、棚卸し作業のような用途にも適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 資産管理システム
2 ネットワーク
3_1〜3_m ネットワーク接続機器
10, 10_1〜10_n ユーザ端末
20 資産管理サーバ
210 データベース
211 IT機器情報テーブル
212 フロア情報テーブル
213 アイコン情報テーブル
220 DBアクセス処理部
221 ネットワークI/F
222 プロセッサ
223 記憶媒体
300 属性情報
400 配置位置情報
500 DBサーバ
600 Webサーバ
700_1〜700_3 ラック内収納位置
810 Web処理アプリケーションプログラム
820 GUI処理アプリケーションプログラム
830 DBサーバ処理アプリケーションプログラム
910 Web処理アプリケーション
920 GUI処理アプリケーション
930 DBサーバ処理アプリケーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースと、
前記データベースに、資産に付与された任意の属性情報と前記資産の配置位置情報とを対応付けて登録する処理と、前記データベースから、前記属性情報又は前記配置位置情報の一方を他方をキーとして検索する処理と、をネットワークを介した複数のユーザ端末各々からの要求に応じて択一的に実行する処理手段と、
を備えた資産管理サーバ。
【請求項2】
請求項1において、
前記処理手段が、前記データベース中の一の配置位置情報に対し、一のユーザ端末から要求された属性情報、及び他のユーザ端末から要求された属性情報の両者を対応付けて登録することを特徴とした資産管理サーバ。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記配置位置情報が、前記ユーザ端末で可視表示可能な、前記資産の三次元的な配置位置を示すことを特徴とした資産管理サーバ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、
前記処理手段が、予め定めた暗号化プロトコルに則して、前記要求及び前記検索の結果を前記ユーザ端末と自サーバの間で伝送することを特徴とした資産管理サーバ。
【請求項5】
請求項4において、
前記暗号化プロトコルが、HTTPS(Hypertext Tranfer Protocol Security)であることを特徴とした資産管理サーバ。
【請求項6】
複数のユーザ端末と、
データベースに、資産に付与された任意の属性情報と前記資産の配置位置情報とを対応付けて登録する処理と、前記データベースから、前記属性情報又は前記配置位置情報の一方を他方をキーとして検索する処理と、をネットワークを介した各ユーザ端末からの要求に応じて択一的に実行するサーバと、
を備えた資産管理システム。
【請求項7】
データベースを有するサーバにおける資産管理方法であって、
ネットワークを介した複数のユーザ端末各々からの登録要求に応じて、前記データベースに、資産に付与された任意の属性情報と前記資産の配置位置情報とを対応付けて登録し、
前記ネットワークを介した各ユーザ端末からの検索要求に応じて、前記データベースから、前記属性情報又は前記配置位置情報の一方を他方をキーとして検索する、資産管理方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記データベース中の一の配置位置情報に対し、一のユーザ端末から要求された属性情報、及び他のユーザ端末から要求された属性情報の両者を対応付けて登録することを特徴とした資産管理方法。
【請求項9】
請求項7又は8において、
前記配置位置情報として、前記ユーザ端末で可視表示可能な、前記資産の三次元的な配置位置を示す情報を用いることを特徴とした資産管理方法。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項において、
予め定めた暗号化プロトコルに則して、前記要求及び前記検索の結果を前記ユーザ端末と前記サーバの間で伝送することを特徴とした資産管理方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記暗号化プロトコルとして、HTTPSを用いることを特徴とした資産管理方法。
【請求項12】
データベースを有するサーバに、
ネットワークを介した複数のユーザ端末各々からの登録要求に応じて、前記データベースに、資産に付与された任意の属性情報と前記資産の配置位置情報とを対応付けて登録する処理と、
前記ネットワークを介した各ユーザ端末からの検索要求に応じて、前記データベースから、前記属性情報又は前記配置位置情報の一方を他方をキーとして検索する処理と、
を実行させるための資産管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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