説明

購入履歴情報収集システムおよび個人情報媒体ならびに販売情報収集装置

【課題】 保険料の算定の一要素となる商品について加入者が購入状況を把握できるようにする。
【解決手段】 ICカード1は、制御部2、メモリ3、情報交換部4を備える。メモリ3には、保険加入者情報が記憶されている。コンビニ5(自動販売機9)には販売情報を提供する処理装置6(10)が設けられる。煙草を購入する際にその販売情報を処理装置6から受信し、これを煙草購入履歴情報としてメモリ3に記憶蓄積する。保険の更新に用いる情報として、ICカード1の煙草購入履歴情報と保険加入者情報を、PC14を通じて保険会社端末装置16に送信する。喫煙量の多寡による割引率のきめこまかな算定のデータとして利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険の加入者の保険料の算定に関係する商品の購入情報を取得可能な購入履歴情報収集システムおよび個人情報媒体ならびに販売情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
がん保険などでは、一般に、加入者の健康状態を加味して保険料の割引を行うようにしたサービスがある。「健康状態」のひとつとして、例えば「非喫煙者割引」がある。これは、加入者が喫煙をしていないことで例えば肺がんに罹る確率が低いことで割引率を高くするような利点である。
ところで、このような非喫煙者割引を受けるためには、加入者が非喫煙者であることを提示する必要があるが、これは例えば加入者による自己申告と加入時の医師などによる健康診断によることが一般的である。
【0003】
しかしながら、非喫煙者か喫煙者であるかの区別は、1本でも煙草を吸えば喫煙者であり、その喫煙の程度は問われていない。また、禁煙をした場合でもこれを考慮するようにはなっていない。このことは、保険会社側において加入者ごとの喫煙状態や喫煙量などを継続的に把握することが困難であることに起因するものである。
例えば煙草関しては、購入に際して購入者が未成年者でないことを証明した上で販売を許可するようにしたものが特許文献1に示されている。
【特許文献1】特開2003−6720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に示されるものは、単に煙草の購入時において販売可能な購入者であるか否かを判定する機能を設けたものであって、喫煙者の喫煙状態を認識するといったことについては言及されておらず、したがって、保険会社においては、依然として非喫煙者割引が可能であるか否かの判断をする際においては従来どおりの自己申告や所定の検査あるいは医師による診断などに頼らざるを得ない状況であった。
そして、このことは、保険料の設定が喫煙状態の程度によってきめ細かく設定することができないため、喫煙者にとっては喫煙状態の程度に関わらず一律に課せられることになるため、不公平感を抱いてしまうことになりかねない。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、保険会社などにおいて、加入者がきめ細かなサービスの提供を受けることができるようにするために、保険料の算定の一要素となる商品について加入者が購入状況を把握できるようにし、これによって加入者の健康状態の変化を判断することができるようにした購入履歴情報収集システムおよび個人情報媒体ならびに販売情報収集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、保険会社による保険料の算定の一要素となる商品を、販売店あるいは自動販売機などの販売機関から購入する場合に、その保険会社の保険加入者が個人情報媒体を用いることで、情報取得手段により、販売機関側の情報交換手段と通信を行って商品の購入情報として例えば購入年月日,商品の銘柄,購入個数などを受信し、これを購入履歴情報記憶手段に記憶させる。このような購入履歴情報は上記した商品を購入する都度記憶されていく。そして、これらの購入履歴情報を保険会社の保険料の算定の一要素として提供することで、例えば煙草などの摂取量が保険会社側で認識することができるようになるので、加入者側では購入の都度自動的に記録を残すことができるので、煩わしい手続などを行うことなく正確な情報を保険会社に提供することができるようになる。
【0007】
請求項2の発明によれば、上記発明において、保険会社においては、算定手段により、前記購入履歴情報記憶手段から前記購入情報および前記加入者の個人情報を取得して前記加入者の保険料を算定することができるので、保険会社側では保険料の算定をきめ細かに状態に対応してサービスを提供することができるようになり、加入者も必要かつ十分な保険料で確実なサービスの提供を受けることができるようになる。
【0008】
請求項3の発明によれば、上記各発明において、個人情報媒体として無線タグを使用するので、非接触で情報の授受を確実に行うことができ、また、コンパクトな媒体として加入者が所持することができる。
【0009】
請求項4の発明によれば、保険会社による保険料の算定の一要素となる商品についてこれを販売する自動販売機で、保険会社の保険加入者がその商品を購入する場合に、その保険加入者が所有する個人情報媒体を用いて個人情報を自動販売機側に提供すると、自動販売機側では、受信手段によりこれを受信し、その商品に関する情報および販売日などの商品販売情報を受信した個人情報とともに販売情報記憶手段に記憶する。そして、この販売情報記憶手段に記憶している商品販売情報および個人情報は、提供手段により保険会社に提供することができるので、保険会社においては、その販売履歴情報および保険加入者の個人情報から保険料を算定することができる。これにより、保険会社側では保険料の算定をきめ細かに状態に対応してサービスを提供することができるようになり、加入者も必要かつ十分な保険料で確実なサービスの提供を受けることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、本発明を保険会社が保険料を算定する際に煙草の喫煙量に応じて保険料の割引率を変えるようにした場合の第1の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。なお、この実施形態においては、保険会社による保険料の算定の一要素となる商品として、煙草を対象とする。
【0011】
図1はこのシステムにおける全体構成を概略的に示すもので、個人情報媒体としてのICカード1は、保険加入者が所持するもので、情報の管理をするための制御部2、情報を記憶するための購入履歴情報記憶手段としてのメモリ3、情報取得手段および情報提供手段を兼ねた情報交換部4から構成されている。このICカード1は、あらかじめ保険会社から加入者情報をメモリ3に書き込まれた状態で配布されるものである。
【0012】
また、このICカード1においては、RFIDタグと呼ばれる無線タグを利用しているもので、情報交換部4は、磁気的な信号の授受を行うことができるコイルなどを含んだ構成とされており、外部から非接触状態で給電を受けると共にその電力を用いて通信を行うことができるように構成されている。また、メモリ3は、電源によるバックアップを必要としない不揮発性メモリ素子が使用されている。制御部2は、上記した情報交換部4の通信制御やメモリ3に対する情報の読み書きの制御を行うためのもので、ワンチップマイコンを主体としたものである。
【0013】
販売機関のひとつである例えばコンビニ5には、少なくとも煙草の販売に関してその販売情報を提供する処理装置6が設けられている。この処理装置6は、例えばPOS端末などの機能として設けられる構成でも良い。この処理装置6には、煙草の販売情報を処理するための制御部7および販売情報の伝達を行うための情報交換部8が設けられている。この場合、情報交換部8は、例えば、通信用のICカード1の挿入用スロットを設けた構成、あるいは近接配置して非接触状態で通信が可能な構成が設けられている。
制御部7は、煙草の販売に際して店員による決済処理が行われたときに入力されたデータを元にして販売情報を作成する。情報交換手段としての情報交換部8は、上記したICカード1の情報交換部4を介して制御部7により作成された販売情報を送信できるように構成されている。
【0014】
また、販売機関のひとつとして同様に煙草の自動販売機9がある。この自動販売機9においても、コンビニ5の場合と同様に、販売した商品に関する販売情報を提供するための処理装置10が設けられている。処理装置10には、前述と同様に、制御部11、情報交換手段としての情報交換部12が設けられている。
【0015】
一方、ICカード1に記憶した購入履歴情報を保険会社に提供する場合に用いる構成として、例えば、保険加入者が自宅13に備えるPC(パーソナルコンピュータ)14とICカード1から情報を読み取るための情報読取部15を備える。PC14は、通信網としてのインターネット16を介して保険会社端末装置17に情報を送信することができるように構成されている。
【0016】
次に上記構成の作用について図2〜4も参照して説明する。
図2はICカード1、処理装置6、10、保険会社端末装置17との間のやり取りを示すシーケンス図であり、図3(a)、(b)はICカード1のメモリ3に記憶される情報の内容を示すものである。
まず、ICカード1を所有する加入者は、加入した保険会社からそのICカード1を支給されるが、これには、あらかじめ保険加入時の加入者の情報がメモリ3に書き込まれ、記憶された状態となっている。この加入者情報は、図3(a)に示すような情報である。すなわち、加入者の名前、生年月日、加入者保険番号などのデータである。なお、ここでは代表的な加入者情報として例示しているが、各保険に特有のデータや、その他の必要な項目について加入者情報として記憶させることもある。
【0017】
この処理は、例えば保険会社において端末装置17により書き込み処理がなされ(A1)、ICカード1の制御部2は、情報交換部4を介して受信した情報をメモリ3に書き込み処理を行う(A2)。このような保険加入者情報は、個人情報として記憶されるもので、外部から簡単に読み取ることができないように保護措置が講じられている。
【0018】
次に、保険加入者が煙草を購入する場合の説明をする。保険加入者がICカード1を持参して販売機関であるコンビニ5あるいは自動販売機9で煙草を購入する場合について説明をする。この場合には、購入する煙草(商品)の支払いをすると、コンビニ5では、レジあるいはPOS端末などで決済処理がなされて販売情報が処理装置6に提供され、自動販売機9では、販売制御装置によって販売した煙草(商品)について販売情報が処理装置10に提供される。
【0019】
処理装置6、10においては、販売情報として例えば販売年月日、銘柄、個数、本数などのデータを作成し、これをICカード1の情報交換部4を通じて送信する(A3)。ICカード1では、制御部2により、情報交換部4で受信した販売情報を保険加入者が煙草を購入した購入情報として作成しこれをメモリ3に記憶する(A4,A5)。このような購入情報の作成は、別のコンビニあるいは自動販売機にて購入した場合においても同様にして作成されメモリ3に購入情報として追加記憶されていく(A6〜A8)。
【0020】
上記のようにして煙草を購入する毎に購入情報が記憶されていくので、例えばメモリ3内には、図3(b)に示すようにして煙草購入履歴情報が蓄積されていく。このようにして保険加入者が購入する煙草については、購入した保険加入者自らが喫煙により消費することを前提として、保険会社はこの煙草購入履歴情報により得られた情報を喫煙量として算定するデータとする。
【0021】
次に、保険加入者は、加入している保険について更新する時期あるいは指定された時期がくると、ICカード1に蓄積している煙草購入履歴情報を保険会社に転送する処理を行う。ここでは、自宅13に備えたPC14により転送処理をすることを例にとって説明する。
まず、PC14に接続されている情報読取部15に、ICカード1を装着するか、あるいは読み取り可能な状態に配置し、ネットワークに接続する処理を行う(A9)。インターネット16を介して保険会社端末装置17からネットワーク接続受付の応答があると(A10)、ICカード1の制御部2は、メモリ3に記憶している保険加入者情報および煙草購入履歴情報を読み出して送信する(A11、A12)。保険会社端末装置16は、これらの情報を受信すると(A13)一旦データベースに蓄積すると共に、受信した煙草購入履歴情報に基づいて保険料の更新に必要な危険度算定処理を実行する(A14)。
【0022】
これにより、保険加入者が提供した煙草購入履歴情報に基づいて実際の喫煙量に対応した状況を反映させるように保険料の算定をすることができるようになる。この危険度算定処理については、保険会社によりさまざまな計算式やデータに基づいてなされるが、その一例として、図4に示すような原理でなされる。
【0023】
保険会社端末装置17における危険度の判定は、判定用データとして(1)年齢別危険度、(2)銘柄別危険度、(3)煙草吸引量別危険度の3項目について判定処理を行い、これらの結果から判断するようになっている。上記項目のうち、(1)の年齢別危険度は、例えばA1〜Anのn段階に設定されており、保険加入者の生年月日のデータから現在の年齢を計算し、この年齢と年齢別に割り振られた判定レベルのデータとの関係をあらかじめ作成されたテーブルから読み取って判定する。あるいは、計算式に基づいて判定を行う。
【0024】
(2)の銘柄別危険度は、例えばB1〜Bmのm段階に設定されており、煙草の銘柄のデータから判定する。銘柄別の判定をするのは、ニコチンやタールなどの含有量の相違による違いを判定に組み入れるためで、あらかじめ銘柄別に判定レベルを割り振って作成されたテーブルから読み取って判定する。ただし、この銘柄については一種類の煙草だけを喫煙しているとは限らないので、異なる銘柄を購入している場合には、購入個数に応じた重み付け処理などを行った上で最終的な判断をする。
【0025】
(3)の煙草吸引量別危険度は、C1〜Ckまでのk段階に設定されており、吸引量つまり喫煙量を購入した煙草の本数により判定するものである。これも、本数に応じた判定レベルがあらかじめテーブルに作成されており、該当するものを判断することになる。この場合においても、異なる銘柄を混ぜて喫煙していることが想定される場合には、何らかの重み付けを行って標準的な本数に換算する処理を行って最終的な判断をする。
【0026】
各危険度の判定レベルが得られると、これらを合計して危険度として判断する。この場合、危険度が大きいことは、保険料の料率が高くなることを意味しており、換言すれば、危険度が大きいことは、割引率が低くなることを意味している。
【0027】
このようにして、更新の都度、それまでの期間の喫煙量に相当する情報を得て保険料の算定をするので、全体として、保険加入者の健康状態を判断する一要素である煙草の喫煙量にもきめ細かくその状態を判断して算定することができるようになる。保険会社にとっては、喫煙量が少ない加入者の保険料を低減することでよりサービスの向上を図ることができ、加入者にとっては、正確な喫煙量の申告をICカード1を用いて自動的に簡単且つ迅速に行うことができるようになる。
また、ICカード1のように無線タグ(RFIDタグ)を用いたコンパクトな個人情報媒体を携帯していれば良いので、保険加入者の大きな負担となることなく情報の収集を行うことができるようになる。
【0028】
(第2の実施形態)
図5ないし図7は本発明の第2の実施形態を示すもので、以下、第1の実施形態と異なるところについて説明する。この実施形態では、保険加入者側が所持するICカードに煙草の購入履歴情報を記憶させるのではなく、販売した装置側で販売情報として保険会社に提供する方式である。
【0029】
概略構成を示す図5において、個人情報媒体としてのICカード18は、制御部19、メモリ20および情報交換部21を備えている。このICカード18では、メモリ20には、図7(a)に示すように、前述と同様の保険加入者情報が記憶されている。制御部19は、メモリ20に記憶している保険加入者情報を読み出して情報交換部21により送信する機能を備えている。
【0030】
煙草の自動販売機22は、煙草の販売機能に加えて販売履歴情報を蓄積記憶するための構成として販売情報収集装置としての処理装置23が備えられている。この処理装置23には、煙草の販売情報を処理するための制御部24、販売情報を記憶するための販売情報記憶手段としてのメモリ25、販売時に購入者の情報を受信するための受信手段としての情報交換部26が設けられている。また、メモリ25に記憶した販売情報を外部に送信するための通信部27を備えている。
【0031】
この場合、情報交換部26は、煙草の販売時にICカード18を挿入したりあるいは近接させたりすることで情報を受信することができるように構成されている。提供手段としての通信部27は、前述の通信網としてのインターネット16を介して保険会社端末装置17にアクセス可能に設けられている。
なお、実際には、上記したような自動販売機22と同様な処理装置23を備えた煙草の自動販売機28、29など多数のものが随所に設けられ、保険加入者がどこの自動販売機で煙草を購入する場合でもその保険加入者についての販売情報が最終的に保険会社端末装置17に集積するようになっている。
【0032】
次に、上記構成の作用について図6、7も参照して説明する。
図6はICカード18、処理装置22、保険会社端末装置17との間のやり取りを示すシーケンス図であり、図7(a)はICカード1のメモリ20に記憶される情報の内容、図7(b)は処理装置23のメモリ25に記憶される情報の内容を示すものである。
【0033】
まず、ICカード18を所有する加入者は、前述同様に、加入した保険会社から図7(b)に示すような保険加入者情報がメモリ20に記憶された状態でそのICカード18を支給されている。この加入者情報は、図7(a)に示すように、加入者の名前、生年月日、加入者保険番号などのデータである。
【0034】
この処理は、例えば保険会社において端末装置17により書き込み処理がなされ(B1)、ICカード1の制御部19は、情報交換部21を介して受信した情報をメモリ20に書き込み処理を行う(B2)。このような保険加入者情報は、個人情報として記憶されるもので、外部から簡単に読み取ることができないように保護措置が講じられている。
【0035】
次に、保険加入者が煙草を購入する場合の説明をする。保険加入者がICカード18を持参して自動販売機22で煙草を購入する場合の説明をする。この場合には、保険加入者によりICカード18が情報交換部26により受信可能な状態に配置あるいは装着されると、販売が可能な状態となる。購入する煙草(商品)の料金が投入されると、商品を排出して販売情報を作成する。
【0036】
このとき、ICカード18は、メモリ20に記憶している保険加入者情報を読み出して情報交換部21から処理装置の情報交換部26を介して送信する(B3)。処理装置23は、保険加入者情報を受信すると、販売情報と共に販売履歴情報としてメモリ25に記憶させる(B4、B5)。処理装置23は、他の保険加入者が煙草(商品)を購入する場合にも、同様にして加入者情報を受信して販売履歴情報を記憶させる(B6〜B8)。
【0037】
このようにして、さまざまな購入者つまり保険加入者に対して煙草を販売した際の販売情報を蓄積記憶し、例えば、図7(b)に示すようなデータを作成している。
次に、自動販売機22(28、29)の処理装置23は、メモリ25に蓄積している煙草販売履歴情報を保険会社に転送する処理を行う。処理装置23の制御部24は、通信部27を介してネットワークに接続する処理を行う(B9)。インターネット16を介して保険会社端末装置17からネットワーク接続受付の応答があると(B10)、メモリ25に記憶している煙草販売履歴情報を読み出して送信する(B11)。保険会社端末装置16は、これらの情報を受信すると(B12)一旦データベースに蓄積すると共に、受信した煙草販売履歴情報に基づいて、保険加入者別に購入履歴情報を作成して保険料の更新に必要な危険度算定処理を実行する(B13)。
【0038】
これにより、保険加入者が提供した煙草購入履歴情報に基づいて実際の喫煙量に対応した状況を反映させるように保険料の算定をすることができるようになる。この危険度算定処理については、第1の実施形態と同様の処理もしくは保険会社によりさまざまな計算式やデータに基づいてなされる。
【0039】
このような第2の実施形態によっても第1の実施形態と同様に、保険加入者の健康状態を判断する一要素である煙草の喫煙量にもきめ細かくその状態を判断して算定することができ、保険会社および加入者の双方にとってリーズナブルな保険料の設定をすることができるようになる。また、加入者による情報の提供も、煩わしい処理を一切必要としないので、ICカード18を用いて自動的に簡単且つ迅速に行うことができるようになる。
【0040】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形また拡張できる。
第1の実施形態では、保険加入者が所有するPC14側から煙草購入履歴情報を送信する構成としたが、これに代えて、あるいはこれに加えて、保険会社端末装置17に情報読取部を接続した構成とし、保険加入者が保険会社に出向いたときに、その情報読取部を介して直接データを転送するようにしても良い。
【0041】
ICカード1あるいは18を利用して行う構成として示したが、これ以外にも、個人情報媒体として携帯電話や携帯情報端末などを利用するようにしても良い。
購入履歴情報や販売情報の授受を無線あるいは電気的に行う例として示したが、これ以外にも、例えば、情報を光学的に読み取ることができる形態、例えばQRコードやバーコードなどの光学的読み取り情報に加工して提供し、これを読み取ることで情報交換するようにしても良い。
上記実施形態では、煙草の場合で説明したが、これ以外にも、酒類の購入について取り扱っても良いし、その他保険会社が保険料の算定に関与する商品であれば適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すシステム構成図
【図2】処理の流れを示すシーケンス図
【図3】データの内容を示す図
【図4】危険度算定処理の内容を示す図
【図5】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】図3相当図
【符号の説明】
【0043】
図面中、1,18はICカード(個人情報媒体)、3はメモリ(購入履歴情報記憶手段)、4は情報交換部(情報取得手段、情報提供手段)、5はコンビニ(販売機関)、6、10は処理装置、8、12は情報交換部(情報交換手段)、9は自動販売機(販売機関)、14はPC、15は情報読取部、17は保険会社端末装置、20はメモリ、21は情報交換部、22,28,29は自動販売機、23は処理装置(販売情報収集装置)、25はメモリ(販売情報記憶手段)、26は情報交換部(受信手段)、27は通信部(提供手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険会社による保険料の算定の一要素となる商品についてこれを販売する販売機関に設けられその商品の販売情報を通信により提供する情報交換手段と、
前記保険会社の保険の加入者が前記販売機関で前記商品の購入をする際に使用する個人情報媒体と
からなる購入履歴情報収集システムであって、
前記個人情報媒体は、前記情報交換手段と通信を行って前記物品の販売情報を取得する情報取得手段と、この情報取得手段により取得した前記物品の販売情報を購入日の情報と共に購入情報として記憶する購入履歴情報記憶手段とを備え、前記購入履歴情報記憶手段に記憶した前記購入情報を前記加入者の個人情報と共に前記保険会社に対して提供可能な情報提供手段とを備えていることを特徴とする購入履歴情報収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載の購入履歴情報収集システムにおいて、
前記保険会社に設けられ前記購入履歴情報記憶手段から前記購入情報および前記加入者の個人情報を取得して前記加入者の保険料を算定する算定手段を設けたことを特徴とする購入履歴情報収集システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の購入履歴情報収集システムにおいて使用される個人情報媒体であって、
前記情報取得手段は、前記販売機関の情報交換手段との間で無線通信を行う無線タグにより構成されていることを特徴とする個人情報媒体。
【請求項4】
保険会社による保険料の算定の一要素となる商品についてこれを販売する自動販売機に設けられその商品の販売情報を収集する販売情報収集装置であって、
前記商品の販売に際して前記保険会社の保険加入者が所有する個人情報媒体から個人情報を受信する受信手段と、
前記商品の販売をしたときに、その商品に関する情報および販売日などの商品販売情報を前記受信手段により受信した前記個人情報とともに記憶する販売情報記憶手段と、
この販売情報記憶手段に記憶している前記商品販売情報および前記個人情報を前記保険会社に提供する提供手段とを備えたことを特徴とする販売情報収集装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−41787(P2007−41787A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224313(P2005−224313)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)