説明

赤外線光ファイバ式センサ及びこれを用いた自動水栓

【課題】所要の光ファイバの数を少なくし得、光ファイバ配置のためのスペースを少なくできるとともに、使用者にとって検知エリアを分り易いものとし得る赤外線光ファイバ式センサを提供する。
【解決手段】検知エリア内の検知対象から発せられた赤外線を受光素子33で受光して検知対象を検知するセンサ29において、赤外線及び可視光を導光する光ファイバ31を設けて、検知対象から放射された赤外線を光ファイバ31の先端34に入射させるようになし、光ファイバ31は基端側で分岐させて、分岐した一方の第1分岐31-1を赤外線の受光素子33に、他方の第2分岐31-2を可視光LED32にそれぞれ接続し、光ファイバ31の先端34に入射した赤外線を光ファイバ31を通じて受光素子33に導く一方、可視光LED32からの可視光を同じ光ファイバ31を通じて先端34から検知エリアに向けて照射するようになす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は検知対象から放射された赤外線を光ファイバで導光して受光素子にて受光させ、検知対象を検知する赤外線光ファイバ式センサ及びこれを用いた自動水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、赤外線式のセンサを備え、使用者(検知対象)が手を差し出したときに、センサによる検知に基づいて吐水口から自動的に吐水する形式の自動水栓が公共のトイレや洗面所などに広く用いられている。
この種自動水栓は、近年家庭の洗面所やキッチンなどにも用いられるようになってきている。
【0003】
ここで従来の赤外線式のセンサは発光素子と受光素子とを有し、発光素子から発した赤外線の人体による反射光を受光素子で受光して手などの検知対象を検知する。通常はその受光量が設定したしきい値よりも多いことをもって検知対象有りと判定する。
【0004】
ところで従来の自動水栓では、赤外線を発するLEDなどの発光素子、フォトダイオード,フォトトランジスタなどの受光素子を吐水口周りに配置するとともに、発光素子による発光を行わせる発光駆動回路や、受光素子により受光した光を電気信号に変換し信号処理する光電変換回路を含むセンサ回路を備えたセンサ本体を吐水管の先端部に設けている。
【0005】
しかしながらこれら発光素子,受光素子及びセンサ回路を備えたセンサ本体は形状的に大きなものであって、これに伴い吐水管の先端部が大型化し、ひいては吐水管全体が太く大型化してしまってデザイン性,意匠性を損なってしまう問題があった。
【0006】
これに対し、赤外線を導光する光ファイバの先端を吐水口を備えた吐水管の先端部等に配置する一方、センサ本体を吐水口から離隔した位置の吐水管外部に配置して、光ファイバの基端をセンサ本体の発光素子,受光素子に接続するようになした自動水栓が例えば下記特許文献1,特許文献2に開示されている。
【0007】
しかしながらこれら自動水栓に用いられている赤外線光ファイバ式センサは、光ファイバとして投光用光ファイバと受光用光ファイバとの2本の光ファイバを用い、発光素子から発せられた赤外線を投光用光ファイバで先端まで導いてその先端から検知エリアに照射し、また検知対象で反射された赤外線を受光用光ファイバの先端に入射させて基端側まで導き、受光素子にて受光させるようになしているもので、光ファイバとして投光用と受光用の2本の光ファイバを必要とし、所要部品点数が多くなるとともに、これら2本の光ファイバを吐水管内部に挿通する必要があってそれら光ファイバの吐水管内部への組込作業が面倒となり、更に吐水管内部にそれら2本の光ファイバの挿通空間を確保すべく吐水管が太くなってしまうといった問題がある。
更に赤外線は人の目で見ることのできない光であるため、自動水栓を使用するに際して使用者がどこに手を差し出して良いが分からず、自動水栓の使い勝手が十分でないといった問題があった。
【0008】
以上自動水栓に用いられる赤外線光ファイバ式センサについて問題点を述べたが、このような問題は自動水栓以外の用途に用いられる赤外線光ファイバ式センサにおいて共通に生じ得る問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実公平8−10600号公報
【特許文献2】特開平6−146356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は以上のような事情を背景とし、所要の光ファイバの数を少なくし得、光ファイバ配置のためのスペースを少なくできるとともに、使用者にとって検知エリアを分り易いものとし得る赤外線光ファイバ式センサを提供することを目的としてなされたものである。
また本発明の他の目的は、吐水管を小型化でき、意匠性,デザイン性を良好となし得る赤外線光ファイバ式センサを備えた自動水栓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
而して請求項1のものは赤外線光ファイバ式センサに関するもので、検知エリア内の検知対象から放射された赤外線を受光素子で受光して該検知対象を検知するセンサにおいて、前記赤外線及び可視光を導光する光ファイバを設けて、前記検知対象から放射された赤外線を該光ファイバの先端に入射させるようになし、該光ファイバは、基端側で分岐させて分岐した一方の第1分岐を赤外線の前記受光素子に、他方の第2分岐を可視光を発する発光部にそれぞれ接続し、該光ファイバの前記先端に入射した赤外線を該光ファイバを通じて前記基端側の受光素子に導く一方、該基端側の前記発光部からの可視光を同じ光ファイバを通じて前記先端側に導いて赤外線を入射させる該先端から前記検知エリアに向けて照射するようになしたことを特徴とする。
【0012】
請求項2のものは、請求項1において、前記検知対象の有する熱に基づいて該検知対象から発せられ放射される赤外線を前記光ファイバの先端に入射させ、前記受光素子で受光して該検知対象を検知するものとなしてあることを特徴とする。
【0013】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記発光部を、可視光及び赤外線を含む光を発光する発光部とし、若しくは前記光ファイバの前記基端側で更に第3分岐を分岐させて、該第3分岐を赤外線を発する発光部に接続し、前記光ファイバの先端から赤外線を前記検知エリアに向けて照射するようになしたことを特徴とする。
【0014】
請求項4は自動水栓に関するもので、この自動水栓は、請求項1〜3の何れかに記載の赤外線光ファイバ式センサを、前記光ファイバが吐水管内部を挿通して該光ファイバの前記先端が吐水口を備えた該吐水管の先端部に位置する状態に備え、該センサによる前記検知対象の検知に基づいて該吐水口から自動的に吐水するように構成されていることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0015】
以上のように本発明は、赤外線及び可視光を導光する光ファイバを設けて、検知対象から放射された赤外線を光ファイバの先端に入射させるようになし、また光ファイバは基端側で第1分岐と第2分岐とに分岐させて、第1分岐を赤外線の受光素子に、第2分岐を可視光を発する発光部にそれぞれ接続し、光ファイバの先端に入射した赤外線を光ファイバで導いて受光素子にて受光させる一方、発光部からの可視光を同じ光ファイバで先端側に導いて、赤外線を入射させるのと同じ先端から検知エリアに向けて照射するようになしたものである。
【0016】
本発明では、検知対象から放射された赤外線を入射させて受光素子まで導く光ファイバと同じ光ファイバを用いて発光部からの可視光を先端側に導き、検知エリアに照射するようになしている点を一つの特徴としている。
この場合、使用者が例えば手等を差し出したときに、その手等に可視光がスポット状に当ることによって、使用者はどこに手等を差し出せば良いかが分かり、手等を検知させる際の作業が容易となる。
【0017】
しかも本発明では、赤外線を入射させて受光素子まで導く光ファイバと同じ光ファイバを用いて発光部からの可視光を導き、検知エリアに向けて照射するようになしていることから、所要の光ファイバが1つで済み、光ファイバの数を少なくできるとともに、光ファイバ配置のためのスペースを少なくすることができる。
【0018】
加えて可視光がスポット状に強く照射される位置は、とりも直さず検知対象から放射された赤外線が最も効率高く光ファイバの先端に光量多く入射する位置であり、従って使用者が可視光の照射される位置に手等を差し出すことによって、手等から放射される赤外線を効率高く受光素子にて受光させ得、精度高く手等の検知対象を検知できる効果が得られる。
【0019】
本発明では、検知対象の有する熱に基づいて検知対象自身から発せられ放射される赤外線を受光し、検知対象を検知するものとなしておくことができる(請求項2)。
【0020】
人体などの熱を持った検知対象は、その有する温度に応じた波長の赤外線を発する。
請求項2は、その検知対象自身から発せられる赤外線を受光して検知対象を検知するもので、従って例えば赤外線照射用(投光用)の別の光ファイバを用いて検知対象に赤外線照射し、その反射光を受光用の光ファイバを用いて受光し検知対象を検知する場合と異なって、赤外線による検知のための光ファイバとして単一の光ファイバで済み、光ファイバの数を少なく、また光ファイバの占めるスペースを少なくすることができる。
【0021】
本発明では、検知対象の有する熱に基づいて検知対象から発せられる赤外線を受光すると否とに拘らず、上記の発光部を、可視光とともに赤外線を併せて発光する発光部とし、若しくは光ファイバを基端側で更に第3分岐を分岐させて、第3分岐を赤外線を発する発光部に接続し、同一の光ファイバを用いてその先端から可視光とともに赤外線を検知エリアに向けて照射するようになしておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、検知対象からの反射光によって光ファイバの先端に入射される赤外線の光量を効果的に多くし得て、検知精度を高めることができる。
【0022】
この場合において、検知対象の有する熱に基づいて検知対象から発せられる赤外線、及び検知対象からの赤外線の反射光を光ファイバの先端に入射させ、受光素子で受光させるときには、光ファイバを通じて照射する赤外線の波長を、検知対象から発せられる赤外線の波長に合せておくことが望ましい。
【0023】
通常の体温の下で人体から発せられる赤外線の波長は6〜14μm程度の波長であり、従って人体から発せられる赤外線を併せて受光し検知を行う場合には、光ファイバを通じて照射する赤外線の波長を6〜14μm、望ましくはこの波長域を含む0.8〜14μm程度の波長としておくのが良い。
【0024】
この請求項3では、光ファイバを用いて検知対象から反射させるための赤外線を照射するようになしているにも拘らず、赤外線の照射用(投光用)の光ファイバ,受光用の光ファイバ,更には可視光の照射用の光ファイバが全て同一の光ファイバであり、単一の光ファイバを用いて赤外線の照射(投光),受光,可視光の照射の全てを行うことができる。
【0025】
次に請求項4は、上記センサを自動水栓に適用し、光ファイバを吐水管内部に挿通して、その先端を吐水口を備えた吐水管の先端部に配置し、検知対象の検知に基づいて吐水口から自動的に吐水する自動水栓を構成したもので、この請求項4では、吐水管の先端部に大形状のセンサ本体を設ける必要が無いため、吐水管を細く小型に構成でき、自動水栓の理想的なデザインを実現しながら自動水栓機能を付加することができるのに加えて、光ファイバを吐水管内部に挿通するに際しても、光ファイバの占めるスペースが少なくて済むため、吐水管を細く構成でき、その意匠性,デザイン性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態の赤外線光ファイバ式センサを備えた自動水栓の全体概略図である。
【図2】図1の自動水栓を使用状態で示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態の図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に本発明の赤外線光ファイバ式センサを自動水栓に適用した場合の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
尚この実施形態において、赤外線光ファイバ式センサとしては熱型赤外線センサ,量子型赤外線センサの何れも使用可能である。
【0028】
図1において、10は自動水栓12における吐水管で、ここでは湾曲した略逆L字状をなしている。
14は水槽で、16は水槽14における鉢部、18はカウンタ部で、このカウンタ部18の上面から吐水管10が起立する状態に設けられている。
吐水管10の内部には、内側に給水路20を形成する可撓性の給水チューブ22が挿通され、その先端が吐水管10の先端の吐水口24に位置させられている。
ここで吐水口24は吐水管10の先端面で開口している。
【0029】
給水路20上には、吐水管10の外部において電磁弁26が設けられており、この電磁弁26が制御部28に電気的に接続されている。
電磁弁26は、制御部28の制御の下に開閉動作する。そして電磁弁26の開動作によって吐水口24から吐水が行われ、また閉動作によって吐水停止即ち止水が行われる。
【0030】
29は赤外線光ファイバ式センサ(以下単にセンサとする)で、赤外線及び可視光を導光する単一の(1本の)光ファイバ31と、赤外線の受光素子33及びセンサ回路を備えたセンサ本体30と、可視光を発する可視光LED(発光部)32とを有している。
【0031】
光ファイバ31は吐水管10内部に挿通され、その先端34が手洗等のために差し出された検知対象(ここでは人の手とする)を検知するための検知エリアに向けて吐水管10の先端に位置させられている。
また基端側は分岐器(光カプラ)36にて第1分岐31-1と第2分岐31-2とに二股に分岐させられている。
そして第1分岐31-1がセンサ本体30における受光素子33に接続され、また第2分岐31-2が上記可視光を発する可視光LED32に接続されている。
【0032】
センサ本体30及び可視光LED32は、制御部28に電気的に接続されており、センサ29による検知信号が制御部28に信号入力され、また可視光LED32の発光が制御部28にて制御されるになっている。
【0033】
この実施形態において、センサ29は検知エリア内に使用者の手(検知対象)が差し出されたとき、その手の有する熱に基づいて手から発せられる体温に応じた波長の赤外線を光ファイバ31の先端34に入射させ、これを光ファイバ31にて基端側に導いて、第1分岐31-1を通じセンサ本体30の受光素子33にて受光させる。
【0034】
センサ29は、受光素子33による赤外線の受光に基づいて手を検知し、検知信号を制御部28に伝送する。制御部28はこれに基づいて電磁弁26を開動作させ、吐水口24から吐水させる。
【0035】
この実施形態ではまた、可視光LED32から発せられた可視光が、赤外線を導くのと同じ光ファイバ31を通じて先端側へと導かれ、そして赤外線を入射させるのと同じ先端34から検知エリアに向けて可視光が照射される。
【0036】
このような可視光が照射されていない場合、使用者は光ファイバ31の先端34の位置がどこにあるかが分からないことも加わって、手をどこに差し出せば良いか分からず、自動水栓12の使い勝手が悪くなってしまうが、ここでは光ファイバ31の先端34から可視光が検知エリアに向けて照射されるため、光ファイバ31の先端34の位置が分かり易いとともに、手を差し出すと照射された可視光が手にスポット状に当るために、手を差し出すべき位置が分かり易く、自動水栓12の使い勝手が良好である。
【0037】
この実施形態において、図2に示しているように使用者が光ファイバ31の先端34から検知エリアに照射される可視光を手にスポット状に受けるように手を差し出したとき、その手に対して可視光がスポット状に当っている部分は、そこから発せられた赤外線が最も効率高く即ち光量多く光ファイバ31の先端34に入射する位置ともなる。
従って使用者が可視光を手の中心に受けるように手を差し出すことによって、手から発せられる赤外線が効率高く光ファイバ31の先端34に入射された上、受光素子33にて受光され、差し出された手が精度高く検知される。
【0038】
この実施形態では、上記のように使用者が手を差し出したときに、その手に可視光がスポット状に当ることによって、使用者はどこに手を差し出せば良いかが分かり、手を検知させる際の作業が容易となる。
【0039】
しかも本実施形態では、赤外線を入射させて受光素子33まで導く光ファイバ31と同じ光ファイバ31を用いて可視光LED32からの可視光を導き、検知エリアに向けて照射するようになしていることから、赤外線の受光用及び可視光の照射用として所要の光ファイバが1つで済み、光ファイバの数を少なくできるとともに、光ファイバ31配置のためのスペースを少なくすることができる。
【0040】
加えて可視光が手からの赤外線を入射させるのと同じ光ファイバ31の先端34から照射されるため、使用者が可視光の照射される位置に手を差し出すことによって、センサ29により手を精度高く検知させることができる。
【0041】
またこの実施形態では、吐水管10の先端部に大形状のセンサ本体30を設ける必要が無いため、吐水管10を細く小型に構成でき、自動水栓12の理想的なデザインを実現しながら自動水栓機能を付加することができるのに加えて、光ファイバ31を吐水管10内部に挿通するに際しても、光ファイバ31の占めるスペースが少なくて済むため、吐水管10を細く構成でき、その意匠性,デザイン性をより一層高めることができる。
【0042】
以上は検知対象としての手に対して赤外線を照射してその反射光を受光するのではなく、本来手の有する熱によってそこから発せられる赤外線を受光して手を検知する場合の例であるが、本発明ではセンサ29を、検知エリアに赤外線を照射して手からの反射光(赤外線)を受光して手を検知するように構成することもできる。
【0043】
図3はその具体例を示している。
この例では、単一の(1本の)光ファイバ31を基端側で分岐器37により上記の第1分岐31-1と第2分岐31-2に加えて、第3分岐31-3を分岐させ、そして第3分岐31-3を例えばセンサ本体30に設けた赤外線を発光する赤外線LED(赤外線の発光部)38に接続し、赤外線LED38から発せられた赤外線を、赤外線受光用及び可視光照射用と同じ光ファイバ31を通じて先端側まで導き、そこから手に向けて赤外線を照射するようになしている。
【0044】
この場合、赤外線LED38から発せられる赤外線の波長を、手から発せられる赤外線と異なった波長としておいて、主として手から反射された赤外線を光ファイバ31を通じて赤外線の受光素子33に受光させ、手を検知させるようになすことも可能であるが、ここでは赤外線LED38からの赤外線の波長を、手から発せられる赤外線と同じ波長域の赤外線としておく。
【0045】
従ってこの実施形態では、手の有する熱に基づいて手から発せられる赤外線に加えて、手に向けて照射された赤外線の反射光が併せて光ファイバ31の先端34に入射し、そして光ファイバ31を伝って受光素子33に受光され、その受光に基づいて検知エリア内の手が検知される。
この場合受光素子33により受光される赤外線の強度が大となるため、手の検知精度を高めることができる。
【0046】
尚この実施形態では、光ファイバ31を1つの分岐器37を用いて3つに分岐させているが、2つの分岐器を用いて段階的に3つの分岐を得るようにすることも可能である。
図4はその具体例を示したものである。
図4(A)の例は、第1分岐31-1から分岐器40にて更に第3分岐31-3を分岐させて、これを赤外線LED38に接続している。
一方図4(B)の例は、第2分岐31-2から分岐器42にて更に第3分岐31-3を分岐させて、これを赤外線LED38に接続している。
【0047】
その他、図3及び図4で示す例とは別に、可視光LED32に代えて可視光だけでなく赤外線と可視光とを含む光を発する発光部を設けて、第2分岐31-2から可視光と赤外線とを併せて光ファイバ31の先端に送るようにし、第3分岐31-3及び赤外線LED38を省略した形でセンサ29を構成するといったことも可能である。
【0048】
図3及び図4に示す実施形態では、光ファイバ31を用いて手から反射させるための赤外線を照射するようになしているにも拘らず、赤外線の照射用(投光用)の光ファイバ,受光用の光ファイバ,更には可視光の照射用の光ファイバが全て同一の光ファイバ31である。
【0049】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態は本発明のセンサを自動水栓に適用した場合の例であるが、本発明のセンサは自動水栓以外の用途に適用することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 吐水管
12 自動水栓
24 吐水口
29 赤外線光ファイバ式センサ
31 光ファイバ
31-1 第1分岐
31-2 第2分岐
31-3 第3分岐
32 可視光LED(発光部)
33 受光素子
38 赤外線LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知エリア内の検知対象から放射された赤外線を受光素子で受光して該検知対象を検知するセンサにおいて、
前記赤外線及び可視光を導光する光ファイバを設けて、前記検知対象から放射された赤外線を該光ファイバの先端に入射させるようになし、
該光ファイバは、基端側で分岐させて分岐した一方の第1分岐を赤外線の前記受光素子に、他方の第2分岐を可視光を発する発光部にそれぞれ接続し、該光ファイバの前記先端に入射した赤外線を該光ファイバを通じて前記基端側の受光素子に導く一方、該基端側の前記発光部からの可視光を同じ光ファイバを通じて前記先端側に導いて赤外線を入射させる該先端から前記検知エリアに向けて照射するようになしたことを特徴とする赤外線光ファイバ式センサ。
【請求項2】
前記検知対象の有する熱に基づいて該検知対象から発せられ放射される赤外線を前記光ファイバの先端に入射させ、前記受光素子で受光して該検知対象を検知するものとなしてあることを特徴とする請求項1に記載の赤外線光ファイバ式センサ。
【請求項3】
前記発光部を、可視光及び赤外線を含む光を発光する発光部とし、若しくは前記光ファイバの前記基端側で更に第3分岐を分岐させて、該第3分岐を赤外線を発する発光部に接続し、前記光ファイバの先端から赤外線を前記検知エリアに向けて照射するようになしたことを特徴とする請求項1,2の何れかに記載の赤外線光ファイバ式センサ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の赤外線光ファイバ式センサを、前記光ファイバが吐水管内部を挿通して該光ファイバの前記先端が吐水口を備えた該吐水管の先端部に位置する状態に備え、該センサによる前記検知対象の検知に基づいて該吐水口から自動的に吐水する自動水栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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