説明

走査力顕微鏡

【目的】 原則的に制限なしに微小の試料および1グラムより重い静止試料の表面を検査するのに使用することができる改良自由起立型走査力顕微鏡を提供することを目的とする。
【構成】 この走査力顕微鏡は、流体と接触している試料を走査する能力を持っていて、広い範囲の大きさおよび重量の静止検体を検査するための一体化走査駆動体を備えた改良自由起立型走査力顕微鏡である。また、走査力顕微鏡は、検体へのセンサヘッドの接近の自動化を考慮して試料への光学レバーアームおよびセンサヘッドの接近を操作するためのモータ付き駆動体脚部を有している。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に走査力顕微鏡に関し、より詳細には、静止検体に使用する一体化走査駆動体を備えた走査力顕微鏡用のセンサモジュールに関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】原子力顕微鏡としても知られている走査力顕微鏡は原子ほどの小さい物体の像を形成するのに有用である。この走査力顕微鏡は走査トンネル型顕微鏡およびスタイラスプロフィロメトリ技術に密接に関連されているが、代表的な走査力顕微鏡では、検体の外形をならうプローブの垂直方向の移動によるレーザビームの反射は、プローブを取付けた反射型レザーアームにより増幅される。レーザビームの偏向は代表的には偏向レーザビームの光路において光検出器により監視され、光検出器が試料の垂直位置決めを制御するフィードバックループにより試料の表面に対するプローブの垂直位置を実質的に一定に保ちながら、試料をラスター走査することができるように、試料を三次元においてわずかな距離、移動可能な台に設ける。
【0003】このような走査力顕微鏡は、センサヘッドを静止させ且つ試料を移動させる走査組立体から分離させながら、三次元において移動する試料の像を形成するのに有用である。しかしながら、この従来の設計は、比較的小さいか或いは顕微鏡の走査台上で検査すべきより大きい検体から十分に小さく切断することができる試料だけに有用である。また、このような試料は、代表的には、共振作用によりひずみを引き起こすことなしに比較的高い走査速度に適応するために約1グラムまたはそれ以下の重さでなければならない。自由起立型走査力顕微鏡用の1つの設計は大きい試料を走査するために走査機構およびセンサ要素を有しているが、この設計は操作し難く、且つ多くのポリマーおよび生物学的分子を走査するための顕微鏡の使用を妨げる試料に対してセンサヘッド力を採用している。従って、原則的に制限なしに微小の試料および大きいサイズで且つ1グラムより重い静止試料の表面を検査するために使用することができる改良自由起立型走査力顕微鏡を提供することが望ましい。
【0004】また、特別な流体セルまたは特別なアダプタを用意することなしに流体と接触している試料を走査する能力を有する走査力顕微鏡を提供することが望ましい。この能力は、このような環境が走査条件および機会を著しく変化させ、機器により展開された試料の像の質を向上させることができるので、いくつかの用途で特に有用である。
【0005】従来の走査力顕微鏡では、センサヘッドのフィードバック位置制御が実際になされる前に、試料に急激に接近することによりプローブを損傷してしまう。代表的には、使用者は、試料の表面へのレバーアーム/プローブ組立体の接近を容易に見てプローブの正確な位置決めを確保することはできない。走査力顕微鏡と共に光学顕微鏡を使用して試料を検視する場合でも、走査力顕微鏡とともに光学顕微鏡を配置するのは不利であり且つ不体裁であり、走査力顕微鏡の操作を妨げてしまう。更に、試料へのセンサヘッドの接近工程を自動化するためにフィードバック制御手段により制御することができる試料への光学レバーアームおよびセンサヘッドの接近を操作するためのモータ付き駆動体手段を顕微鏡の基部に設けることが望ましい。本発明はこれらの要求を満たす。
【0006】
【課題を解決する手段】簡単に述べると、一般的に、本発明は、流体と接触している試料を操作する能力を持っていて、比較的広い範囲の大きさおよび重量の静止検体を検査するための一体化操作駆動体と、検体へのセンサヘッドの接近の自動化を考慮して試料への光学レバーアームおよびセンサヘッドの接近を操作するためのモータ付き駆動体手段とを備えていることを特徴とする改良自由起立型走査力顕微鏡を提供する。
【0007】従って、本発明は静止検体の表面外形を検査するための走査力顕微鏡を提供する。この顕微鏡は好ましくは、検体の検査用の基質に位置決めされるようになっている基部を持つボディと、静止検体に対して三次元で即ち3つの自由度で顕微鏡のセンサプローブを走査するために顕微鏡に一体化された走査駆動体を有する走査手段とを備えている。センサプローブは好ましくは顕微鏡ボディに磁気的に固着される反射性光学レバーアーム手段に取付けられている。センサプローブは好ましくは実質的に一定量の力で検体の表面外形に接触してたどるように顕微鏡の一体化駆動体により制御される。
【0008】また、顕微鏡のボディには、光学レバーアーム手段に当てられてそれにより反射される集束レーザビームを生じるためのレーザ光源手段が設けられており、また、顕微鏡のボディには、反射レーザビームを入力し、光学レバーアーム手段によるレーザビームの反射度を示す出力信号を生じる光検出器手段が設けられている。また、光学レバーアーム、プローブ手段および隣接した検体を見るための手段が設けられている。
【0009】光学レバーアーム手段は好ましくはプローブチップを取付けた自由端部を持つ反射性片持ちばりアームを有しており、光学レバーアーム手段は好ましくはボディに磁気的に固着されている。光検出器手段は好ましくはボディに取付けられた光検出器と、ボディ内に設けられてレーザビームを光学レバーアーム手段から光検出器へ反射させるミラー手段とを有している。また、好ましくは、検体の表面外形に対するプローブ手段の一定力を維持するための制御手段が設けられている。好適な別の実施例では、顕微鏡は液体環境で検体を検査するために検体を収容する液体中に設置し得るシールされた窓を有している。
【0010】
【実施例】走査力顕微鏡は代表的には、共振作用により歪みを引き起こすことなしにこのような顕微鏡の走査速度に適応するために1グラムまたはそれ以下の比較的小さい試料についての使用に制限されている。自由起立型走査力顕微鏡はしばしば、多くのポリマーおよび生物学的分子の検査を禁止している試料ではセンサヘッド力を操作し採用することが困難である。また、このような顕微鏡は代表的には液体環境中で試料を走査する能力を有しておらず、検体を見るための質および機会を制限してしまう。また、走査力顕微鏡は一般に、プローブの正確な位置決めを確保すべく試料の表面へのレバーアーム/プローブ組立体の接近のフィードバック制御を考慮しておらず、急激な接近によりプローブを損傷してしまう。
【0011】図面に示すように、本発明は静止ボディ12を有する改良自由起立型走査力顕微鏡10に実施される。ボディには、下方基部14がねじ又はボルトにより固着されており、顕微鏡のボディを基板13に支持し、顕微鏡のボディを基板13に対して設けられた検体18に対して垂直な次元で移動させるための調節可能なモータ駆動式脚部16a、16b、16cが設けられている。これらのモータ駆動式脚部の各々は後で説明するように制御ユニットに連結された光学符号化スクリュウ駆動モータ17を有しており、制御ユニットは、モータが一致して作動して顕微鏡を一様の昇降させるように光学符号化スクリュウ駆動モータ17からの位置信号に応答して脚部の作動を調整する。検査すべき検体は、実際には、基板の一部であってもよく、従って、原則的に、例えば航空機の羽根またはデスク頂部のような任意の大きさまたは重量のものである。
【0012】顕微鏡の基部は、代表的には矩形ブロックの概形を有しており、好ましくは、センサヘッドが検査すべき検体まで延びるための、および後述のようにセンサヘッドの光学レバーアームへのレーザビームの光路用の中央ボア20を有している。基部のモータ付き調整可能な支持脚部16a、16b、16cは好ましくは数が3つ、三脚台状に配列されるが、矩形基部の隅に配列された例えば4つのような他の数の支持脚部も可能である。基部の低部からの支持脚部の延び長さは好ましくは支持脚部を取付けたスクリュウ駆動モータ22a、22b、22cにより調整可能であり、スクリュウ駆動モータは代表的には支持脚部が基部のボアを通って延びた状態で基部の上側に取付けられる。また、基部の矩形ブロックはこれを通って延び、且つ光学レバーアーム、センサヘッドおよび検体の表面が集まる領域に焦点が合う対物レンズ25または電荷結合装置(図示せず)用のボア24を有するのがよい。また、基部にはこれを貫通して第2ボア26が設けられるのがよく、このボア26も、光学レバーアームおよび検体の領域に差し向けられており、検体へのセンサヘッドの接近を光学的に見るために照明をランプ27から例えばこの領域まで差し向けるようになっている。好ましくは、基部の上側には、下方脚部30a、30b、30cを有するスキャナ組立体シェル28がキャク部取付け箇所32a、32b、32cで取付けられている。このスキャナシェル組立体の上端部はレーザ光源/センサヘッド組立体36を有する概ね円筒形の内側センサ組立体すなわちカーネル(kernel) 35のボディ用の枢軸34を取付けるための場所を提供する。
【0013】センサヘッド組立体36は好ましく後で更に説明するように内側センサ組立体のボディに固着された光学レバーアーム40を有しており、また好ましくは内側センサ組立体のボディに固着された磁石44に磁気的に固着された磁性鋼の半体ワッシャ部材42を有している。この半体ワッシャ部材の中央部分には、半体ワッシャ部材の開放中間部分まで延びる一体の片持ちばり支持部材45が取付けられている。この一体の片持ちばり支持部材45の自由端部47には、第1および第2アーム48a、48bから三角形の形状で形成された反射性片持ちばりアーム部46が一端で固着されており、これらのアームはそれらの自由端部50で互いに接合されている。片持ちばりアーム部のアームは代表的には幅が約18ミクロン、長さが約200ミクロン、厚さが約0.6ミクロンであり、一体の片持ちばり支持部材は約120ミクロン離れて固着されている。片持ちばりアーム部の構成材料である窒化珪素材料(バーク・サイエンチフィック・インストルメントから市販されている)が通常、全く剛性であると考えられるが、これらの寸法では、片持ちばりアーム部は、後で更に説明するように、検体に対するプローブチップの力に応答して20°ほど弓状に曲がってレーザビームの反射を増幅する。一体の片持ちばり支持部材および反射性片持ちばりアーム部は非常に小さいので、窒化珪素から殆ど有利にエッチングされるが、エッチング、精密機械加工または集積回路チップを製造する当業者にとって慣れた他のこのような処理を受け易く且つ反射面を構成することができるシリコンのような他の材料も同様に適している。片持ちばりアーム部の自由端部50には、プローブ手段60が取付けられており、このプローブ手段60は検体の表面外形に接触してならうようになっている遠位のニードル状プローブチップを有している。
【0014】ボディの上部分には、反射性片持ちばりアーム部に当てられ、それにより反射される集束レーザビーム72を生じるためのレーザダイオードのようなレーザ光源手段70が関連光学素子を備えて設けられている。市販されている1つの好適なレーザダイオードは670nmの範囲のビームを生じる3ミリワットのレーザダイオードである。レーザビームを片持ちばりアーム部まで通すために、取外し可能な基部には、開口部73が設けられている。好ましくは、ボディに設けられたねじ出入り口76には、レーザ光源の整合および目標を調整するための3つまたはそれ以上の調整ねじ74が設けられている。好ましくは、反射ビーム86を反射レーザビームを受けるためにボディに取付けられた光検出器88へ反射させるために、ボディの内面には、ねじ出入り口84を通る調整ねじ82の遠位端部に平面鏡80のような反射手段が設けられている。光検出器は好ましくは片持ちばりアーム部によりレーザビームの反射度を示す電気出力信号を反射レーザビームに応答して出力する。光検出器はボディの光検出器口94を通る反射レーザビームを受けるように設けられており、代表的には、頂対92aが連合信号を生じるように連結され、底対92bが連合信号を生じるように連結された4つの光検出器列90として構成されている。反射レーザビームは代表的には、光検出器の頂部分と底部との間の中央点に当てられ、これらの部分からの連合信号を処理して、出力信号を発し、これらの出力信号を制御手段110により比較して示差誤差信号を生じる。
【0015】センサヘッドをラスター走査する機構は、好ましくは、ほぼゼロ〜200ミクロンの範囲である低解像度または大規模のX/Yラスター走査移動可能に互いに対して直角に水平に配向されたスキャナシェル組立体に配置された一対の積層圧電駆動体100と、対応する対向コイル圧縮ばね102とを有している。運動の大きい水平圧電駆動体100および対向コイルばねは、これらの両者の一端を収容して固着するプッシュロッド室98を有するプッシュロッド96に内側スキャナ組立体とスキャナシェルとの間に設けられている。ほぼゼロ〜20ミクロンの垂直すなわちZ次元におけるセンサヘッド組立体の大規模の運動は、例えば当業界で周知である種類のエポキシのような接着剤により、圧電管駆動体108の一部に設けられ、好ましくはコーニング社からマカー(MACOR)の商品名で市販されているもののような絶縁セラミックで形成されたホルダ106に垂直に設けられた積層圧電駆動体104により制御される。圧電駆動体104の上端部は好ましくはエポキシのような接着剤で固着されており、圧電駆動体104の下端部は好ましくはマカー(MACOR)のような絶縁セラミックで形成されたセンサヘッド取付けブロック109にエポキシのような接着剤で固着されており、センサヘッド取付けブロック109には、センサヘッド組立体の磁石が固着されている。積層圧電駆動体の運動範囲はもちろん選択した圧電材料および圧電積層体の長さにより決まる。圧電管駆動体108はセンサヘッド組立体の小規模のX、Y、Z運動を行うように内側センサ組立体のボディの下端部に取付けられている。圧電管駆動体で達成可能な小規模の運動は、センサヘッド組立体の片持ちばりアームの大きさにより、垂直方向すなわちZ方向ではほぼゼロ〜5ミクロンの範囲であり、水平方向すなわちXおよびY方向ではほぼゼロ〜10ミクロンの範囲であり、代表的には、原子解像度が垂直方向ではほぼ0.02ほどであり水平方向ではほぼ0.03ほどである。
【0016】また、走査手段は好ましくは、検体の表面に対するプローブ手段の実質的に一定の力を維持するために、プローブチップが検体の外形を横切るときに圧電管を垂直方向に駆動するためのフィードバック制御手段110を有している。この制御手段は、好ましくは、光学レバーアーム手段からのレーザビームの反射を示す出力信号を受け、検体表面に対するプローブチップの一定量の力からの分散を示す誤差信号を発生させるために線113により光検出器手段に電気的に接続されたマイクロプロセッサ手段112を備えている。この制御手段は、検体に対してセンサヘッド組立体を昇降させてプローブチップの力を増減させて検体表面に対するプローブチップの実質的に一定量の力を維持し、XおよびY方向において水平平面でセンサヘッド組立体をラスター走査するために、制御線114a〜114cにより圧電駆動体に電気的に接続されている。モータ駆動式脚部の光学的符号化スクリュウ駆動モータ17も制御線116により制御手段110に接続されており、それにより、制御手段は駆動モータから光学的符号化位置信号を受け、顕微鏡を昇降させる際に駆動モータの作動を一様に調整することができる。
【0017】別の好適な一実施例では、管状圧電セラミック駆動体120には、中間の検視管124を有する端部片すなわちキャップ122が嵌合されており、検視管124はその上端部126でキャップに固着され、そこから下方に延びている。検視管は、圧電管を液体中に設置し得るために、薄い板ガラスのような窓130によりその下端部128でシールされている。圧電管には、センサヘッド組立体の大きな垂直方向移動用の積層圧電駆動体131が固着されており、この圧電駆動体の下端部には、好ましくはマカー(MACOR)のような絶縁セラミックで形成されたセンサヘッド取付けブロック135がエポキシのような接着剤により固着されている。この取付けブロックは磁石ホルダ132を有しており、光学レバーアーム134は好ましくは先の実施例におけるように、この磁石ホルダ132に磁気的に固着される。かくして、磁石には、磁性鋼製の半体ワッシャ部材136が磁気的に固着され、片持ちばりアーム140を支持するために一体の片持ちばり支持部材138が半体ワッシャ部材の途中から延びている。プローブチップ142は、好ましくは水、プロパノール、エタノール等のような液体環境148中で基質146に設けられた検体144と接触状態に置かれるように片持ちばりアームの下側から延びている。この別の実施例における走査力顕微鏡の構造の残部は先の実施例のものと実質的に同じである。かくして、静止検体を走査するためにセンサヘッド組立体を液体環境に沈めることができる。
【0018】従って、本発明の走査力顕微鏡では、取扱容易であり且つ顕微鏡に装着容易である顕微鏡プローブの取付けが向上することを実証した。この顕微鏡の一体化光学素子により、使用者は試料の表面へのレバーおよびプローブ組立体の接近を見て検体近くでのプローブの安全且つ正確な位置決めを確実に行うことができる。また、この走査力顕微鏡は流体環境で検体を走査する能力を有しており、これにより機器により生じられた検体の像の質を著しく向上させることができる。
【0019】以上から、本発明の特定な形態を図示し且つ説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなしに、種々の変更例を行うことができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】検査用基質に設置された本発明の走査力顕微鏡の概略側面図である。
【図2】本発明の走査力顕微鏡の切取り頂平面図である。
【図3】本発明の走査力顕微鏡の基部の底平面図である。
【図4】図2の線4−4に沿った本発明の走査力顕微鏡の横断面立面図である。
【図5】図2の線5−5に沿った本発明の走査力顕微鏡の部分拡大横断面立面図である。
【図6】本発明の走査力顕微鏡の主要素の空間関係を示す概略分解斜視図である。
【図7】本発明の走査力顕微鏡の光学レバーアーム組立体の取付けを示す拡大分解図である。
【図8】本発明の光学レバーアーム組立体の一体の支持部材、片持ちばりアームおよびプローブチップの拡大斜視図である。
【図9】液体環境中の検体を検視するための走査力顕微鏡の圧電管内にシールされた検視管を有する本発明の走査力顕微鏡の別の実施例の拡大部分断面図である。
【符号の説明】
10 自由起立型走査力顕微鏡
12 不動ボディ
13 基質
14 下方基部
16a、16b、16c 調整可能なモータ駆動式脚部
17 光学的符号化スクリュウ駆動モータ
18 検体
20 中央ボア
22a、22b、22c スクリュウ駆動モータ
24 ボア
25 対物レンズ
27 ランプ
30a、30b、30c 下方脚部
34 枢軸
35 内側センサ組立体
36 レーザ光源/センサヘッド組立体
40 光学レバーアーム部
42 半体ワッシャ部材
44 磁石
45 片持ちばり支持部材
48a、48b 第1および第2アーム
60 プローブ手段
62 プローブチップ
70 レバー光源手段
72 集束レーザビーム
74 調節ねじ
80 平面ミラー
88 光検出器
100 圧電駆動体
102 コイル圧縮ばね
110 フィードバック制御手段
112 マイクロプロセッサ手段
122 キャップ
130 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】 静止検体の表面外形を検査するための走査力顕微鏡において、イ)上記検体に対して基質上に位置決めされるようになっている基部を有するハウジングと、ロ)上記ハウジングにこれに対して移動可能に取付けられたセンサ手段とを備え、該センサ手段は光学レバーアーム手段、反射面、および上記光学レバーアーム手段に連結されたプローブチップを有しており、上記プローブチップは実質的に一定な量の力で検体の表面外形に接触してこれらの外形をたどるようになっており、ニ)上記ハウジングに取付けられ、上記光学レバーアーム手段に当てられてこれにより反射される集束レーザビームを生じるためのレーザ光源と、ホ)上記光学レバーアーム手段により反射された上記レーザビームを受け、上記光学レバーアーム手段による上記レーザビームの偏向度を示す出力を発生させるための光検出器手段とを備え、上記光検出器手段は上記ハウジング内に設けられており、ヘ)上記ハウジングに対して3つの自由度で上記検体に対して上記センサ手段を移動させるための走査手段と、ト)上記検体の上記表面外形に対する上記プローブチップの一定の力を維持するための制御手段とを備えていることを特徴とする走査力顕微鏡。
【請求項2】 上記光学レバーアームは自由端部を持つ反射性片持ちばりアーム部を有していることを特徴とする請求項1に記載の走査力顕微鏡。
【請求項3】 上記プローブチップは上記片持ちばりアーム部の上記自由端部に取付けられていることを特徴とする請求項2に記載の走査力顕微鏡。
【請求項4】 上記光学レバーアームは上記ハウジングに磁気的に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の走査力顕微鏡。
【請求項5】 上記センサ手段は磁性部分を有しており、上記光学レバーアームは上記センサ手段の上記磁性部分に磁気的に固着される磁性鋼部材を有しており、上記片持ちばりアームは上記磁性鋼部材に取付けられていることを特徴とする請求項2に記載の走査力顕微鏡。
【請求項6】 上記光学レバーアームは自由端部を有しており、上記プローブチップは上記光学レバーアームの上記自由端部に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の走査力顕微鏡。
【請求項7】 上記光検出器手段は上記ハウジングに取付けられた光検出器を有しており、更に上記光学レバーアーム手段からの上記レーザビームを上記光検出器に反射させるように上記ハウジング内に設けられたミラー手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の走査力顕微鏡。
【請求項8】 上記走査手段は、上記ハウジングに隣接して配置された複数の圧電駆動部材を有しており、これらの圧電駆動部材は上記光学レバーアーム手段およびこれに固着された上記プローブチップを上記検体の上記表面外形に対して3つの自由度で移動させるように上記制御手段に作動的連結されていることを特徴とする請求項1に記載の走査力顕微鏡。
【請求項9】 上記ハウジングは上記基質からの上記基部分の距離を調整する手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の走査力顕微鏡。
【請求項10】 距離を調整する上記手段は、上記基部に取付けられ、上記基質に接触するようになっている複数の調整可能なフット部材と、これらのフット部材および上記ハウジングに連結されて上記複数のフット部材を上記基部に対して個々に伸張させたり引っ込めたりするためのフット部材駆動手段とよりなり、上記フット部材駆動手段は上記制御手段に作動的に連結されていることを特徴とする請求項9に記載の走査力顕微鏡。
【請求項11】 上記基部は上記検体を受け入れるための室を有していることを特徴とする請求項1に記載の走査力顕微鏡。
【請求項12】 上記制御手段は、上記光検出器手段に連結され、上記光学レバーアーム手段からの上記レーザビームの反射を示す上記出力信号を入力するための手段と、上記検体表面に対する上記プローブチップの上記一定量の力の分散を示す誤差信号を発生させるための手段と、上記誤差信号に応答し、上記検体表面に対する上記プローブチップの力を増減させて上記検体表面に対する上記プローブチップの実質的に一定の力を維持するために上記検体を上記プローブチップに対して昇降させるための電気駆動手段とよりなることを特徴とする請求項1に記載の走査力顕微鏡。
【請求項13】 上記調整可能なフット部材駆動手段は、上記フット部材と関連し、上記基部に取付けられ、上記顕微鏡を昇降させるために上記フット部材を駆動するための複数の対応する光学的に符号化されたスクリュウ駆動モータよりなり、これらの駆動モータは関連したフット部材の位置を示す位置信号を発生させるようになっており、上記制御装置は上記位置信号を入力し、上記駆動モータの作動を制御して上記顕微鏡を上記基質に対して一様に昇降させるために上記複数の駆動モータに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の走査力顕微鏡。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図8】
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【図1】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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