説明

起終点交通量算出装置、交通シミュレータ及び起終点交通量算出方法

【課題】OD交通量を算出するのに試行錯誤的な処理を繰り返す必要がなく、精度良く起終点交通量を求めることができる起終点交通量算出装置、交通シミュレータ及び起終点交通量算出方法を提供する。
【解決手段】重み係数決定部18は、起点領域及び/又は終点領域に設置された光ビーコンの設置台数に基づいて重み係数αを決定する。起終点交通量算出部19は、第1交通量取得部12及び第2交通量取得部15で取得した第1の起終点交通量A及び第2の起終点交通量Bを重み係数決定部18で決定した重み係数αで加重平均して起点領域から終点領域への起終点交通量Cを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起点領域から終点領域への車両の起終点交通量を算出する起終点交通量算出装置、該起終点交通量算出装置で算出した起終点交通量を用いる交通シミュレータ及び起終点交通量算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交通規制等による影響を事前に評価する手段として交通シミュレータへの期待が高まっており、様々な技術開発が行われている。このような交通シミュレータは、入力データとして、車両の走行の起点情報及び終点情報を含む起終点交通量(例えば、OD交通量)、車両の走行速度、加速減速特性などの交通情報が所与として取り扱われている。そして、交通シミュレータは、予め車両の移動モデル、すなわち、車両の挙動を模した計算式を内包しており、上述の入力データを当該計算式に当てはめることにより、所要の交通状態量の評価値を出力する。
【0003】
従来、OD交通量を求める方法は主に2通りある。1つは、道路に光ビーコンなどの路上装置を設置しておき、車両からのアップリンク情報を受信し、当該車両の走行軌跡を追跡する。そして、例えば、ある地点で発生し、他の地点で消滅する単位時間当たりの車両台数を求める方法である。他の方法は、国土交通省が数年に一度実施する全国調査である全国道路交通情勢調査の中の自動車起終点調査の結果から間接的に推定する方法である。
【0004】
また、さらに精度良くOD交通量を求める方法として、車載装置と路上装置との間の通信に基づいて求められたOD交通量Q1と、交通量計測により求められたOD交通量Q2との重み付き平均演算を行う。そして、重み付き平均化されたOD交通量(車両台数)を、発生地点(O)から消滅地点(D)まで、最適経路に沿って走行させて、各地点の地点交通量を算出する。算出された地点交通量と、各地点で計測された地点交通量とが所定の誤差以下で一致するように平均演算の重み係数を変更しながら、平均演算を繰り返すことにより、OD交通量Qを求めるOD交通量決定装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−16569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の装置にあっては、重み係数を求めるためには、まず、最初の重み係数を用いてOD交通量Q1、Q2の平均演算を行い、平均演算結果と計測結果との誤差が所定値以下になるまで、重み係数を試行錯誤的に繰り返し変更してその都度平均演算の処理を行う必要がある。このため、重み係数を算出するのに処理負担が増加するという課題があった。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、起終点交通量(OD交通量)を算出するのに試行錯誤的な処理を繰り返す必要がなく、精度良く起終点交通量を求めることができる起終点交通量算出装置、該起終点交通量算出装置で算出した起終点交通量を用いる交通シミュレータ及び起終点交通量算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る起終点交通量算出装置は、アップリンク情報又は自動車起終点調査の少なくとも一方を用いて起点領域から終点領域への車両の起終点交通量を算出する起終点交通量算出装置において、複数の路上装置を介して受信した複数の車両のアップリンク情報に基づく第1の起終点交通量を取得する第1取得手段と、自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量を取得する第2取得手段と、前記起点領域及び/又は前記終点領域に設置された前記路上装置の設置台数に基づいて定まる重み係数を取得する重み係数取得手段と、前記第1取得手段及び第2取得手段で取得した第1の起終点交通量及び第2の起終点交通量を前記重み係数取得手段で取得した重み係数で加重平均して前記起点領域から終点領域への起終点交通量を算出する起終点交通量算出手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る起終点交通量算出装置は、第1発明において、前記重み係数は、前記起点領域及び/又は前記終点領域に設置された前記路上装置の設置密度の大小に応じて大小とするようにしてあり、前記起終点交通量算出手段は、前記第1の起終点交通量×前記重み係数+前記第2の起終点交通量×(1−前記重み係数)により起終点交通量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る起終点交通量算出装置は、第2発明において、前記重み係数は、前記起点領域及び前記終点領域での設置密度が共に所定の密度閾値未満の場合、第1係数値とし、前記起点領域又は前記終点領域の一方の設置密度が所定の密度閾値以上の場合、前記第1係数値より大きい第2係数値とし、前記起点領域及び前記終点領域での設置密度が共に所定の密度閾値以上の場合、前記第2係数値より大きい第3係数値とするように構成してあることを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る起終点交通量算出装置は、第1発明乃至第3発明のいずれか1項において、前記アップリンク情報を車両毎に分けて該車両の起点及び終点を含む走行経路を特定する走行経路特定手段と、前記起点領域内及び終点領域内に前記走行経路特定手段で特定した起点及び終点を含む車両の台数により第1の起終点交通量を算出する第1算出手段とを備え、前記第1取得手段は、前記第1算出手段で算出した第1の起終点交通量を取得するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る起終点交通量算出装置は、第1発明乃至第4発明のいずれか1項において、前記自動車起終点調査の対象領域での交通量と該対象領域に含まれる前記起点領域及び終点領域での交通量との関連を予め定めた関連情報により第2の起終点交通量を算出する第2算出手段を備え、前記第2取得手段は、前記第2算出手段で算出した第2の起終点交通量を取得するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第6発明に係る交通シミュレータは、第1発明乃至第5発明のいずれか1つに係る起終点交通量算出装置で算出した起終点交通量を入力データとして用いることを特徴とする。
【0014】
第7発明に係る起終点交通量算出方法は、アップリンク情報又は自動車起終点調査の少なくとも一方を用いて起点領域から終点領域への車両の起終点交通量を算出する起終点交通量算出装置による起終点交通量算出方法において、複数の路上装置を介して受信した複数の車両のアップリンク情報に基づく第1の起終点交通量を取得するステップと、自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量を取得するステップと、前記起点領域及び/又は前記終点領域に設置された前記路上装置の設置台数に基づいて定まる重み係数を重み係数取得手段により取得するステップと、取得された第1の起終点交通量、第2の起終点交通量及び重み係数で加重平均して前記起点領域から終点領域への起終点交通量を起終点交通量算出手段により算出するステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
第1発明及び第7発明にあっては、複数の路上装置(例えば、光ビーコン)を介して受信した複数の車両のアップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Aを取得するとともに、自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量Bを取得する。アップリンク情報は、例えば、車両が通過した光ビーコンの固有の番号、車両が光ビーコンを通過した通過時刻、車両の識別番号などを含む。また、自動車起終点調査は、国土交通省が数年に一度行う全国道路交通情勢調査(道路交通センサス)の一部であり、運行状況について聞き取り調査した路側OD調査又は自動車の所有者や使用者に対するアンケート調査により得られる。
【0016】
起点領域及び/又は終点領域に設置された路上装置の設置台数に基づいて定める重み係数αを取得し、第1の起終点交通量A及び第2の起終点交通量Bを取得した重み係数αで加重平均して起点領域から終点領域への起終点交通量Cを算出する。例えば、起終点交通量Cは、C=α×A+(1−α)×Bで求めることができる。この場合、路上装置の設置台数が多いほどアップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Aの精度が高くなるので、第1の起終点交通量Aの重み付けを増やすことができる。
【0017】
アップリンク情報を受信する路上装置(例えば、光ビーコン)の起点領域及び/又は終点領域における設置台数に基づいて定まる重み係数を用いるので、重み係数を試行錯誤的に繰り返し計算する必要がなく、処理負担を軽減することができる。また、アップリンク情報に基づく第1の起終点交通量と自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量の両者を加味するので、従来のように一方だけを用いる場合に比べて精度良く起終点交通量を算出することができる。これにより、起終点交通量を算出するのに試行錯誤的な処理を繰り返す必要がなく、精度良く起終点交通量を求めることができる。
【0018】
第2発明にあっては、重み係数αは起点領域及び/又は終点領域に設置された路上装置の設置密度の大小に応じて大小とする。例えば、路上装置の設置密度(例えば、単位面積当たりの設置台数)が大きくなれば、重み係数αを大きくする。起終点交通量Cは、第1の起終点交通量A×重み係数α+第2の起終点交通量B×(1−重み係数α)により算出する。すなわち、路上装置の設置密度が大きくなれば、アップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Aの精度が高くなるので重み係数αを大きくして、起終点交通量Cに占める第1の起終点交通量Aの割合を増やす。また、路上装置の設置密度が小さくなれば、アップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Aの精度が低くなるので重み係数αを小さくして、起終点交通量Cに占める第2の起終点交通量Bの割合を増やす。これにより、起終点交通量を算出するのに試行錯誤的な処理を繰り返す必要がなく、精度良く起終点交通量を求めることができる。
【0019】
第3発明にあっては、起点領域及び終点領域での設置密度が共に所定の密度閾値Nth未満の場合、重み係数を第1係数値α1とする。また、起点領域又は終点領域の一方の設置密度が所定の密度閾値Nth以上の場合、重み係数を第1係数値α1より大きい第2係数値α2とする。また、起点領域及び終点領域での設置密度が共に所定の密度閾値Nth以上の場合、重み係数を第2係数値α2より大きい第3係数値α3とする。密度閾値Nthは、例えば、1平方キロメートル当たり2〜10台とすることができる。また、重み係数α1、α2、α3は、それぞれ0.1、0.5、0.9などに設定することができる。これにより、個々の起点領域及び終点領域毎に第1の起終点交通量Aと第2の起終点交通量Bとの重み付けを変えることができるとともに重み係数の試行錯誤的な計算が全く不要となり、精度良く起終点交通量を求めることができる。
【0020】
第4発明にあっては、アップリンク情報を車両毎に分けて該車両の起点及び終点を含む走行経路を特定する。例えば、複数の路上装置(例えば、光ビーコン)で収集された複数の車両のアップリンク情報を車両の識別番号毎にソートすることにより走行経路を特定することができる。ソート結果から、最初に通過した光ビーコンの位置が車両の発生地点(Origin)であり、最後に通過した光ビーコンの位置が車両の消滅地点(Destination)とすることができる。第1の起終点交通量Aは、起点領域内及び終点領域内に特定した起点及び終点を含む車両の台数により算出し、算出した第1の起終点交通量Aを取得する。例えば、起点領域R1から終点領域R2への第1の起終点交通量A12は、起点領域R1内に発生地点があり、かつ終点領域R2内に消滅地点がある車両台数による交通量とすることができる。これにより、アップリンク情報に基づく第1の起終点交通量を求めることができる。
【0021】
第5発明にあっては、第2の起終点交通量Bは、自動車起終点調査の対象領域(例えば、センサスゾーンなど)での交通量と当該対象領域に含まれる起点領域及び終点領域での交通量との関連を予め定めた関連情報により算出し、算出した第2の起終点交通量Bを取得する。例えば、対象領域(センサスゾーン)を複数の領域R1、R2、…に分け、当該領域の対象領域に対する人口割合又は面積割合などにより比率を関連情報として定めておく。そして、領域R1、R2、…を起点とする交通量を、対象領域を起点とする交通量にそれぞれの領域R1、R2、…の比率を乗算(掛け算)することにより求める。同様に領域R1、R2、…を終点とする交通量を、対象領域を終点とする交通量にそれぞれの領域R1、R2、…の比率を乗算(掛け算)することにより求める。これにより、自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量を求めることができる。
【0022】
第6発明にあっては、交通シミュレータは、起終点交通量算出装置で算出した起終点交通量を入力データとして用いる。これにより、精度の高い起終点交通量を用いることができ、所要の交通状態量の評価値を精度良く求めることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、重み係数を試行錯誤的に繰り返し計算する必要がなく、処理負担を軽減することができる。また、アップリンク情報に基づく第1の起終点交通量と自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量の両者を加味するので、従来のように一方だけを用いる場合に比べて精度良く起終点交通量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施の形態に係る起終点交通量算出装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】アップリンク情報の一覧例を示す模式図である。
【図3】車両の起点及び終点を含む走行経路の一例を示す模式図である。
【図4】リンク毎の起終点交通量の一例を示す説明図である。
【図5】領域毎の起終点交通量の一例を示す説明図である。
【図6】自動車起終点調査の対象領域と関連情報の一例を示す説明図である。
【図7】重み係数の決定条件と重み係数との関係を示す説明図である。
【図8】光ビーコンの設置密度の一例を示す説明図である。
【図9】決定された重み係数の一例を示す説明図である。
【図10】第1の起終点交通量及び第2の起終点交通量の一例を示す説明図である。
【図11】重み付けされた起終点交通量の一例を示す説明図である。
【図12】本実施の形態の交通シミュレータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る起終点交通量算出装置、該起終点交通量算出装置で算出した起終点交通量を入力データとして用いる交通シミュレータ及び前記起終点交通量算出装置による起終点交通量算出方法の実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る起終点交通量算出装置100の構成の一例を示すブロック図である。起終点交通量算出装置100は、装置全体を制御する制御部10、入力部11、走行経路特定部13及び第1交通量算出部14などを有する第1交通量取得部12、第2交通量算出部16などを有する第2交通量取得部15、出力部17、重み係数決定部18、起終点交通量算出部19、所定の情報を記憶する記憶部20などを備える。
【0026】
起終点交通量算出装置100は、起点領域から終点領域への車両の起終点交通量Cを算出する。ここで、起点領域は所要の規模の道路網の領域であって車両が発生する領域であり、終点領域は車両が消滅する領域である。起終点交通量Cは、起点領域で発生し、終点領域で消滅する単位時間当たりの車両台数である。
【0027】
入力部11は、起終点交通量算出装置100と外部とのインタフェース機能を有する。入力部11は、例えば、路上に設置された複数の光ビーコン(路上装置)で収集された複数の車両のアップリンク情報を受信する。アップリンク情報は、例えば、車両が通過した光ビーコンの固有の番号、車両が光ビーコンを通過した通過時刻、車両の識別番号などを含む。
【0028】
また、入力部11は、自動車起終点調査を受け付ける。自動車起終点調査は、国土交通省が数年に一度行う全国道路交通情勢調査(道路交通センサス)の一部であり、運行状況について聞き取り調査した路側OD調査又は自動車の所有者や使用者に対するアンケート調査により得られる。
【0029】
第1交通量取得部12は、複数の光ビーコン(路上装置)を介して受信した複数の車両のアップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Aを取得する第1取得手段としての機能を有する。第1交通量取得部12は、走行経路特定部13及び第1交通量算出部14で構成することもできる。
【0030】
走行経路特定部13は、アップリンク情報を車両毎に分けて当該車両の起点(発生地点)及び終点(消滅地点)を含む走行経路を特定する走行経路特定手段としての機能を有する。
【0031】
第1交通量算出部14は、起点領域内及び終点領域内に特定された起点(発生地点)及び終点(消滅地点)を含む車両の台数により第1の起終点交通量Aを算出する第1算出手段としての機能を有する。
【0032】
第1交通量取得部12は、第1交通量算出部14で算出した第1の起終点交通量Aを取得する。なお、第1交通量取得部12は、走行経路特定部13及び第1交通量算出部14を具備しない構成でもよい。この場合には、第1交通量取得部12は、外部から直接第1の起終点交通量Aを取得すればよい。
【0033】
第2交通量取得部15は、自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量Bを取得する第2取得手段としての機能を有する。第2交通量取得部15は、第2交通量算出部16で構成することもできる。
【0034】
第2交通量算出部16は、自動車起終点調査の対象領域(例えば、センサスゾーン)での交通量と当該対象領域に含まれる起点領域及び終点領域での交通量との関連を予め定めた関連情報により第2の起終点交通量Bを算出する第2算出手段としての機能を有する。
【0035】
第2交通量取得部15は、第2交通量算出部16で算出した第2の起終点交通量Bを取得する。なお、第2交通量取得部15は、第2交通量算出部16を具備しない構成でもよい。この場合には、第2交通量取得部15は、外部から直接第2の起終点交通量Bを取得すればよい。
【0036】
重み係数決定部18は、起点領域及び/又は終点領域に設置された光ビーコン(路上装置)の設置台数に基づいて重み係数αを決定する。また、重み係数決定部18は、起点領域及び/又は終点領域に設置された光ビーコン(路上装置)の設置台数に基づいて定まる重み係数を取得する重み係数取得手段としての機能を有する。例えば、路上装置の設置台数に基づいて定まる重み係数を予め計算して記憶部20に記憶しておき、記憶部20から重み係数を取得するようにしてもよい。
【0037】
起終点交通量算出部19は、第1交通量取得部12及び第2交通量取得部15で取得した第1の起終点交通量A及び第2の起終点交通量Bを重み係数決定部18で決定した重み係数αで加重平均して起点領域から終点領域への起終点交通量Cを算出する起終点交通量算出手段としての機能を有する。
【0038】
出力部17は、起終点交通量算出部19で算出した起終点交通量Cを、例えば交通シミュレータへ出力する。
【0039】
次に、本実施の形態の起終点交通量算出装置100の動作について説明する。上述のように、本実施の形態の起終点交通量算出装置100は、第1の起終点交通量A及び第2の起終点交通量Bを予め決定した重み係数αで加重平均して起点領域から終点領域への起終点交通量Cを算出する。そこで、まず、第1の起終点交通量Aの算出方法について説明する。なお、以下の例では、起終点交通量算出装置100が第1の起終点交通量Aを算出する構成であるが、起終点交通量算出装置100が、外部の装置から算出済みの第1の起終点交通量Aを取得する構成であってもよい。
【0040】
図2はアップリンク情報の一覧例を示す模式図である。道路網に設置された複数の光ビーコン(路上装置)は、所定の送信周期において、車両(車載装置)から受信したアップリンク情報(光ビーコンが付与する情報も含むものとする)を不図示のセンター装置へ送信する。センター装置は受信したアップリンク情報を蓄積し、蓄積したアップリンク情報を起終点交通量算出装置100へ送出する。これにより、起終点交通量算出装置100は、アップリンク情報を取得する。
【0041】
図2に示すように、アップリンク情報を一覧として表すと、車両が通過した光ビーコンの固有の番号、車両が光ビーコンを通過した通過時刻、車両の識別コード(識別番号)、車種、前回通過した光ビーコンの固有の番号、前回通過時点からの走行時間などの情報を含む。
【0042】
走行経路特定部13は、アップリンク情報を車両毎に分けて当該車両の起点(発生地点)及び終点(消滅地点)を含む走行経路を特定する。図3は車両の起点及び終点を含む走行経路の一例を示す模式図である。図2に示したアップリンク情報の一覧から車両の同一車両識別コード(例えば、1001)のデータだけを取り出し、取り出したデータを通過した光ビーコンの順に並べることにより、車両が通過した光ビーコンを通過順に特定し、走行経路を特定することができる。そして、最も早い時点で通過し前回通過した光ビーコンが「なし」のフラグが付されている光ビーコンの位置が車両の発生地点を表し、最新の時点に通過した光ビーコンの位置が車両の消滅地点を表す。これにより、車両毎の発生地点及び消滅地点を特定することができるとともに、発生地点から消滅地点への単位時間当たりの車両台数を求めることができる。なお、光ビーコンを交差点付近に設置すれば、交差点間の道路であるリンク別に発生地点及び消滅地点を特定することができる。
【0043】
第1交通量算出部14は、起点領域内及び終点領域内に特定した起点(発生地点)及び終点(消滅地点)を含む車両の台数により第1の起終点交通量を算出する。以下の第1の起終点交通量を算出方法について説明する。
【0044】
図4はリンク毎の起終点交通量の一例を示す説明図である。図4はリンクLi(i=1、2、…)から発生し、リンクLj(j=1、2、…)で消滅する単位時間当たりの車両台数を示す。図4の例では、リンクL1を起点としリンクL3を終点とする車両台数がa台であることを示す。同様に、リンクL1を起点としリンクL4を終点とする車両台数がb台であることを示す。同様に、リンクL2を起点としリンクL3を終点とする車両台数がc台であることを示す。同様に、リンクL2を起点としリンクL4を終点とする車両台数がd台であることを示す。
【0045】
図5は領域毎の起終点交通量の一例を示す説明図である。図5は領域Ri(i=1、2、…)から発生し、領域Rj(j=1、2、…)で消滅する単位時間当たりの車両台数を示す。領域とリンクとの関係は、1つの領域に1又は複数のリンクが含まれる。なお、領域は地域であってもよい。
【0046】
例えば、領域R1がリンクL1、L2からなり、領域R2がリンクL3、L4からなる場合、領域R1を起点とし領域R2を終点とする起終点交通量C12は、a+b+c+dとなる。このようにして、起点領域Ri内及び終点領域Rj内に特定した起点Li(発生地点)及び終点Lj(消滅地点)を含む車両の台数により、起点領域Riから終点領域Rjへの第1の起終点交通量Cijを算出することができる。すなわち、アップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Cを求めることができる。
【0047】
第1の起終点交通量Cを算出する場合、光ビーコンとの通信機能を有する車載機の搭載率βを考慮することもできる。搭載率βは領域Ri内の光ビーコンが受信したアップリンク情報の数(光ビーコンと通信した車両台数)を、当該光ビーコンで通過を感知した車両台数の合計で除算することにより求めることができる。すなわち、搭載率βの逆数を第1の起終点交通量Cに乗算(掛け算)することにより、搭載率βを加味した第1の起終点交通量Cを求めることができる。なお、複数の光ビーコンで検知した搭載率が異なる場合には、各光ビーコンで検知した搭載率の平均値を採用することもでき、あるいは、最も搭載率の大きい値を採用してもよい。
【0048】
次に、第2の起終点交通量Bの算出方法について説明する。第2交通量算出部16は、自動車起終点調査の対象領域(例えば、センサスゾーン)での交通量と当該対象領域に含まれる起点領域及び終点領域での交通量との関連を予め定めた関連情報により第2の起終点交通量Bを算出する。
【0049】
図6は自動車起終点調査の対象領域と関連情報の一例を示す説明図である。自動車起終点調査、すなわち、道路交通センサスOD調査では、ゾーン体系(ゾーンの種類)として、例えば、都府県又は支庁で区分される都府県又は支庁ゾーン、概ね市群区程度の大きさに相当する集約Bゾーン(例えば、ブロック単位の幹線道路網など)、概ね市区町村程度の大きさに相当するBゾーン(例えば、都道府県又は生活圏単位の幹線道路網など)、Bゾーンを分割したCゾーン(例えば、市区内の街路網など)などがある。本実施の形態での対象領域は、これらのゾーンのいずれでもよいが、以下ではBゾーンを想定して説明する。なお、新たにゾーンが設定された場合、かかるゾーンも対象領域として採用することができる。
【0050】
図6の例では、センサスBゾーン(対象領域)を6つの領域R1〜R6に区分けしている。なお、領域の数は図6の例に限定されない。そして、各領域R1〜R6のセンサスBゾーン(対象領域)に対する人口割合又は面積割合などにより比率を関連情報として定めておく。図6の例では、人口割合により比率を定め、例えば、領域R1は10%、領域R2は5%などの如くである。
【0051】
領域R1〜R6を起点とする交通量を、センサスBゾーンを起点とする交通量にそれぞれの領域R1〜R6の比率を乗算(掛け算)することにより求める。例えば、センサスBゾーンで発生する車両台数を1000台とすると、領域R1で発生する車両台数を100台とすることができる。また、同様に領域R2で発生する車両台数を50台とすることができる。
【0052】
また、領域R1〜R6を終点とする交通量を、センサスBゾーンを終点とする交通量にそれぞれの領域R1〜R6の比率を乗算(掛け算)することにより求める。例えば、センサスBゾーンで消滅する車両台数を800台とすると、領域R1で消滅する車両台数を80台とすることができる。また、同様に領域R2で消滅する車両台数を40台とすることができる。これにより、自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量Bを求めることができる。
【0053】
なお、時間帯毎の第2の起終点交通量Bは、以下のようにして求めることができる。すなわち、当該時間帯の第1の起終点交通量Aを1日の合計の第1の起終点交通量Aで除算して時間帯配分係数を求める。そして、1日の第2の起終点交通量Bに時間帯配分係数を乗算(掛け算)して当該時間帯の第2の起終点交通量Bを求めることができる。
【0054】
次に、重み係数の決定方法について説明する。図7は重み係数αの決定条件と重み係数αとの関係を示す説明図である。重み係数αは起点領域及び/又は終点領域に設置された光ビーコン(路上装置)の設置密度の大小に応じて大小とする。例えば、光ビーコンの設置密度(例えば、単位面積当たりの設置台数)が大きくなれば、重み係数αを大きくする。
【0055】
図7に示すように、起点領域及び終点領域での光ビーコンの設置密度が共に所定の密度閾値Nth(例えば、1平方キロメートル当たりの設置台数などで閾値を設定することが可能であり、その台数の閾値は、例えば2〜10台程度の範囲で定めることが望ましい)未満の場合、重み係数αを第1係数値α1(例えば、0.1など)とする。また、起点領域又は終点領域の一方のみで光ビーコンの設置密度が所定の密度閾値Nth以上の場合、重み係数αを第1係数値α1より大きい第2係数値α2(例えば、0.5など)とする。また、起点領域及び終点領域での光ビーコンの設置密度が共に所定の密度閾値Nth以上の場合、重み係数αを第2係数値α2より大きい第3係数値α3(例えば、0.9)とする。
【0056】
また、起点領域又は終点領域のいずれか一方の光ビーコンの設置台数がゼロである場合、重み係数αをゼロとする。また、起点領域と終点領域とが同一の領域である場合、重み係数αをゼロとする。
【0057】
これにより、個々の起点領域及び終点領域毎に第1の起終点交通量Aと第2の起終点交通量Bとの重み付けを変えることができるとともに重み係数の試行錯誤的な計算が全く不要となり、精度良く起終点交通量Cを求めることができる。
【0058】
図8は光ビーコンの設置密度の一例を示す説明図である。図8に示すように、領域R1での光ビーコンの設置密度は7台/1平方キロメートルであり、領域R2での光ビーコンの設置密度は2台/1平方キロメートルであり、領域R3での光ビーコンの設置密度は3台/1平方キロメートルであり、領域R4での光ビーコンの設置密度は5台/1平方キロメートルであるとする。
【0059】
図9は決定された重み係数の一例を示す説明図である。図9の例では、密度閾値Nthを5と設定しているが、密度閾値Nthは5に限定されるものではない。図8及び図9で示すように、例えば、起点領域をR1及び終点領域をR2とする場合の重み係数は、起点領域R1及び終点領域R2のうち起点領域R1のみで光ビーコンの設置密度が所定の密度閾値Nth(例えば、5)以上であるので、重み係数αは、α2となる。また、例えば、起点領域をR1及び終点領域をR4とする場合の重み係数は、起点領域R1及び終点領域R4の両方で光ビーコンの設置密度が所定の密度閾値Nth以上であるので、重み係数αは、α3となる。また、起点領域をR2及び終点領域をR3とする場合の重み係数は、起点領域R1及び終点領域R4の両方で光ビーコンの設置密度が所定の密度閾値Nth未満であるので、重み係数αは、α1となる。以下、同様に重み係数が決定される。
【0060】
このように、アップリンク情報を受信する路上装置(例えば、光ビーコン)の起点領域及び/又は終点領域における設置台数に基づいて定まる重み係数を用いるので、重み係数を試行錯誤的に繰り返し計算する必要がなく、処理負担を軽減することができる。
【0061】
起終点交通量算出部19は、第1の起終点交通量A及び第2の起終点交通量Bを決定した重み係数αで加重平均して起点領域から終点領域への起終点交通量Cを算出する。例えば、起終点交通量Cは、C=α×A+(1−α)×Bで求めることができる。この場合、光ビーコンの設置台数が多いほどアップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Aの精度が高くなるので、第1の起終点交通量Aの重み付けを増やすことで起終点交通量Cの精度を高めることができる。
【0062】
図10は第1の起終点交通量A及び第2の起終点交通量Bの一例を示す説明図であり、図11は重み付けされた起終点交通量の一例を示す説明図である。図10に示すように、起点領域をR1とし終点領域をR2とするアップリンク情報による起終点交通量(第1の起終点交通量A)をA12とし、起点領域をR1とし終点領域をR2とする自動車起終点調査による起終点交通量(第2の起終点交通量B)をB12とする。この場合、図11に示すように、起点領域をR1とし終点領域をR2とする重み付けされた起終点交通量C12は、C12=α2×A12+(1−α2)×B12で算出することができる。他の領域を起終点とする場合も同様である。なお、起終点領域が同一である場合、重み係数αはゼロなので、自動車起終点調査による起終点交通量(第2の起終点交通量B)はそのまま重み付けされた起終点交通量Cとなる。
【0063】
このように、アップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Aと自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量Bの両者を加味するので、従来のように一方だけを用いる場合に比べて精度良く起終点交通量を算出することができる。これにより、起終点交通量を算出するのに試行錯誤的な処理を繰り返す必要がなく、精度良く起終点交通量を求めることができる。
【0064】
また、起終点交通量Cは、第1の起終点交通量A×重み係数α+第2の起終点交通量B×(1−重み係数α)により算出する。すなわち、光ビーコンの設置密度が大きくなれば、アップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Aの精度が高くなるので重み係数αを大きくして、起終点交通量Cに占める第1の起終点交通量Aの割合を増やす。また、光ビーコンの設置密度が小さくなれば、アップリンク情報に基づく第1の起終点交通量Aの精度が低くなるので重み係数αを小さくして、起終点交通量Cに占める第2の起終点交通量Bの割合を増やす。これにより、起終点交通量を算出するのに試行錯誤的な処理を繰り返す必要がなく、精度良く起終点交通量を求めることができる。
【0065】
図12は本実施の形態の交通シミュレータ200の構成例を示すブロック図である。交通シミュレータ200は、本実施の形態の起終点交通量算出装置100で算出した起終点交通量Cを入力データとして用い、所要の交通状態量の評価値を算出して出力データとして出力する。
【0066】
交通シミュレータ200は、車両の移動モデルを表す計算式に基づいて演算を行うシミュレータエンジン部201、起終点交通量算出装置100で算出した起終点交通量Cに基づいて任意のリンクでの発生交通量及び消滅交通量を算出する交通量算出部202、交通量算出部202で算出された交通量に基づいて交通状態量の評価値を算出する評価値算出部203などを備える。
【0067】
これにより、精度の高い起終点交通量を用いることができ、所要の交通状態量の評価値を精度良く求めることができる。
【0068】
上述の実施の形態では、路上装置として光ビーコンを例に挙げて説明したが、路上装置は、光ビーコンに限定されるものではなく、車両からアップリンク情報を取得することができるものであれば、電波ビーコンなど他の装置であってもよい。
【0069】
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
10 制御部
11 入力部
12 第1交通量取得部
13 走行経路特定部
14 第1交通量算出部
15 第2交通量取得部
16 第2交通量算出部
17 出力部
18 重み係数決定部
19 起終点交通量算出部
20 記憶部
100 起終点交通量算出装置
200 交通シミュレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アップリンク情報又は自動車起終点調査の少なくとも一方を用いて起点領域から終点領域への車両の起終点交通量を算出する起終点交通量算出装置において、
複数の路上装置を介して受信した複数の車両のアップリンク情報に基づく第1の起終点交通量を取得する第1取得手段と、
自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量を取得する第2取得手段と、
前記起点領域及び/又は前記終点領域に設置された前記路上装置の設置台数に基づいて定まる重み係数を取得する重み係数取得手段と、
前記第1取得手段及び第2取得手段で取得した第1の起終点交通量及び第2の起終点交通量を前記重み係数取得手段で取得した重み係数で加重平均して前記起点領域から終点領域への起終点交通量を算出する起終点交通量算出手段と
を備えることを特徴とする起終点交通量算出装置。
【請求項2】
前記重み係数は、
前記起点領域及び/又は前記終点領域に設置された前記路上装置の設置密度の大小に応じて大小とするようにしてあり、
前記起終点交通量算出手段は、
前記第1の起終点交通量×前記重み係数+前記第2の起終点交通量×(1−前記重み係数)により起終点交通量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の起終点交通量算出装置。
【請求項3】
前記重み係数は、
前記起点領域及び前記終点領域での設置密度が共に所定の密度閾値未満の場合、第1係数値とし、
前記起点領域又は前記終点領域の一方の設置密度が所定の密度閾値以上の場合、前記第1係数値より大きい第2係数値とし、
前記起点領域及び前記終点領域での設置密度が共に所定の密度閾値以上の場合、前記第2係数値より大きい第3係数値とするように構成してあることを特徴とする請求項2に記載の起終点交通量算出装置。
【請求項4】
前記アップリンク情報を車両毎に分けて該車両の起点及び終点を含む走行経路を特定する走行経路特定手段と、
前記起点領域内及び終点領域内に前記走行経路特定手段で特定した起点及び終点を含む車両の台数により第1の起終点交通量を算出する第1算出手段と
を備え、
前記第1取得手段は、
前記第1算出手段で算出した第1の起終点交通量を取得するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の起終点交通量算出装置。
【請求項5】
前記自動車起終点調査の対象領域での交通量と該対象領域に含まれる前記起点領域及び終点領域での交通量との関連を予め定めた関連情報により第2の起終点交通量を算出する第2算出手段を備え、
前記第2取得手段は、
前記第2算出手段で算出した第2の起終点交通量を取得するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の起終点交通量算出装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の起終点交通量算出装置で算出した起終点交通量を入力データとして用いることを特徴とする交通シミュレータ。
【請求項7】
アップリンク情報又は自動車起終点調査の少なくとも一方を用いて起点領域から終点領域への車両の起終点交通量を算出する起終点交通量算出装置による起終点交通量算出方法において、
複数の路上装置を介して受信した複数の車両のアップリンク情報に基づく第1の起終点交通量を取得するステップと、
自動車起終点調査に基づく第2の起終点交通量を取得するステップと、
前記起点領域及び/又は前記終点領域に設置された前記路上装置の設置台数に基づいて定まる重み係数を重み係数取得手段により取得するステップと、
取得された第1の起終点交通量、第2の起終点交通量及び重み係数で加重平均して前記起点領域から終点領域への起終点交通量を起終点交通量算出手段により算出するステップと
を含むことを特徴とする起終点交通量算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−221960(P2011−221960A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93337(P2010−93337)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】