説明

超電導モータ

【課題】超電導線材からなるコイルを効率よく迅速に冷却する。
【解決手段】超電導モータは、回転可能に支持されたロータと、ロータの周囲を覆って設けられ、超電導線材74からなる複数のコイルがステータコア内周部に巻装されているステータと、コイルを冷却する冷却部を有する冷凍機16とを備える。超電導線材74は長手方向にそれぞれ延在する超電導層80および超電導層80の少なくとも一方面を覆って接合された被覆層82を有し、被覆層82は超電導層80よりも熱伝導性が良好な材料で形成されるとともに超電導層80との接触面積が一方面における平面接触の場合よりも大きくなるように凹凸形状接合面に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導モータに関し、特に、超電導線材からなるコイルを冷却する冷凍機を備えた超電導モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍機を備えた超電導モータとして図11に示すものが知られている。この超電導モータ100は、支持台110上に載置されている。超電導モータ100は、ロータシャフト102の両端部が回転可能に支持された円柱状のロータ104と、ロータ104の外周を覆って設けられた略円筒状のステータ106とを備える。ロータ104の外周面には、複数の永久磁石107が周方向に等間隔で配置されている。
【0003】
ステータ104は、略円筒状をなす鉄心であるステータコア108を含む。ステータコア108には、径方向内側へ突出する複数のティース部112が円周方向に等間隔に形成されている。各ティース部112の周囲には、超電導線材を巻回してなるコイル114がそれぞれ配置されている。各コイル114は、2つ置きごとのコイルと直列接続されてU,V,Wの各相コイルを構成する。各相コイルの一方端は、図示しない中性点において互いに接続され、各コイルの他方端は電流導入線115を介して各相電流導入端子116にそれぞれ接続されている。
【0004】
ロータ104およびステータ106を含む超電導モータは、内部が真空状態に保持されるモータケース118内に収容されている。モータケース118には、フランジ部120を介して冷凍機122が連結されている。冷凍機122は、冷媒ガスの圧縮および膨張を行うガス圧縮機124と、ガス圧縮機124からフランジ部120を貫通してモータケース118内へ延伸する段付き柱状の冷却部126とを有する。この冷却部126の先端は、伝熱部材128に接触されている。図5において、伝熱部材128がクロスハッチングにより示されている。
【0005】
伝熱部材128は、熱伝導性が良好な金属材料から好適に形成されることができる。冷凍機122の冷却部126の先端と接触する側とは反対側の伝熱部材128の表面は、円柱状をなすステータコア108の外周面に密着するように凹んだ湾曲面として形成されている。これにより、超電導モータ100の各コイル114は、冷凍機122の冷却部126により、伝熱部材128およびステータコア108を介して所望の極低温まで冷却され、直流電流に対する抵抗が存在しない超電導状態となる。
【0006】
ここで、例えば特開平6−325630号公報(特許文献1)には、酸化物超電導材料からなる導体コアと、この導体コアの周囲に形成された良導電性金属からなる被覆材を有する超電導線材であって、前記被覆材金属に非超電導性金属酸化物を分散した複合材とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−325630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように図11に示す冷凍機を備えた超電導モータでは、冷凍機の冷却部により伝熱部材およびステータコアを介して超電導線材からなるコイルを所望の極低温に冷却する構造になっているため、特に熱容量が大きなステータコアを介してすべてのコイルを目標温度まで冷却するのに時間がかかっていた。また、冷凍機の冷却部に接触された伝熱部材がステータコアの外周面の一部にだけ接触されていることから、この接触部分から径方向に対向する位置にあるステータコアの部分およびそこに配置されたコイルまで一様に冷却するのは容易ではなく、各部の熱伝導率によっては周方向や軸方向について大きな温度勾配が発生することがあった。
【0009】
また、上記特許文献1は、酸化物超電導線材を巻回して形成されるコイルを組み込んだ超電導モータにおいて、コイルをいかに効率よく冷却するかについての具体的方策を提供するものではない。
【0010】
本発明の目的は、超電導線材からなる複数のコイルを所望の極低温に効率よく迅速に冷却することができる超電導モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る超電導モータは、回転可能に支持されたロータと、前記ロータの周囲に設けられ、超電導線材からなる複数のコイルがステータコア内周部に巻装されているステータと、前記コイルを冷却する冷却部を有する冷凍機とを備える超電導モータであって、前記超電導線材は長手方向にそれぞれ延在する超電導層および前記超電導層の少なくとも一方面を覆って接合された被覆層を有し、前記被覆層は前記超電導層よりも熱伝導性が良好な材料で形成されるとともに前記超電導層との接触面積が前記一方面における平面接触の場合よりも大きくなるように構成されていること特徴とする。
【0012】
本発明に係る超電導モータにおいて、前記複数のコイルは複数相のコイルを構成するとともに、前記複数相コイルの各一端部は互いに電気接続される中性点において前記冷凍機の冷却部に接続されてもよい。
【0013】
この場合、前記中性点において、前記複数相コイルの各一端部は直接に接続されておらず、導電性部材である前記冷却部を介して互いに電気接続されてもよい。
【0014】
また、この場合、前記中性点はモータ軸方向に関して前記コイルの軸方向端部であるコイルエンド部に設けられ、前記コイルエンド部において前記複数のコイルの各一端部が前記冷凍機の冷却部に接続されるよう前記冷凍機が配置されてもよい。
【0015】
さらに、この場合、前記コイルについてモータ軸方向端部に位置するコイルエンド部に接触して設けられる環状の伝熱部材を有し、前記冷凍機の冷却部は前記複数のコイルのコイルエンド部において前記伝熱部材を介して前記コイルを構成する超電導線材の被覆層に接触するように配置されてよい。
【0016】
また、本発明に係る超電導モータにおいて、前記超電導層と前記被覆層とが凹凸形状の接合面により接触していてもよいし、あるいは、前記被覆層は前記超電導層の三方面と接触していてもよい。
【0017】
また、本発明に係る超電導モータにおいて、前記超電導線材における前記超電導層と前記被覆層の接触面積が、前記コイルを構成する超電導線材の直線部分よりも前記コイルを構成する超電導線材の曲がり部分の方が大きくなるように形成されていてもよい。
【0018】
さらに、本発明に係る超電導モータにおいて、前記コイルは前記ステータコアの内周部に径方向内方へ突設されている複数のティースに巻装されるとともに、前記複数のティース間にはスロットが形成されており、前記超電導線材における前記超電導層と前記被覆層の接触面積が、前記スロット外に位置する超電導線材の部分よりも前記スロット内に位置する超電導線材の部分の方が大きくなるように形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る超電導モータによれば、被覆層が超電導層と接触する面積は超電導層の一方面における平面接触の場合よりも大きくなるように構成されていることで、コイルを構成する超電導線材の超電導層を熱伝導性が良好な被覆材を介して効率よく迅速に冷却することができる。また、被覆層が超電導層と接触する面積が大きくなることで、超電導層と被覆層との接合強度が大きくなり、超電導線材を曲げたときに超電導層の結晶構造が変化するのを抑制する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態(以下、実施形態という)である超電導モータの軸方向に沿った断面図(一部側面を含む)である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】U相、V相、W相の各相コイルが中性点で電気接続される状態を模式的に示す図である。
【図4A】中性点において各相コイルの各一端部が冷凍機の冷却部に接続される状態を示す図である。
【図4B】図4A中の矢印B方向から見た様子を示す図である。
【図5A】超電導線材において超電導層と被覆層とが三角凹凸形状の接合面により接触する例を示す図である。
【図5B】超電導線材において超電導層と被覆層とが矩形凹凸形状の接合面により接触することにより図5Aに示すものよりも接触面積を大きくした例を示す図である。
【図5C】超電導線材において被覆層が超電導層の三方面と接触する例を示す図である。
【図6A】超電導層と被覆層の接触面積が、直線部分よりも曲がり部分の方が大きくなるように形成されている超電導線材からなるコイルの例を示す図である。
【図6B】超電導層と被覆層の接触面積が、曲がり部分よりも直線部分の方が大きくなるように形成されている超電導線材からなるコイルの例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態である超電導モータの軸方向に沿った断面図(一部側面を含む)である。
【図8】図7に示す超電導モータにおいて、U相、V相、W相の各相コイルが2つの中性点でそれぞれ電気接続される状態を模式的に示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態である超電導モータの軸方向に沿った断面図(一部側面を含む)である。
【図10】本発明の第4の実施形態である超電導モータの軸方向に沿った断面図(一部側面を含む)である。
【図11】冷凍機を備えた超電導モータの従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態である超電導モータ10をその軸方向に沿った断面(一部側面を含む)で示す。また、図2は、図1におけるA−A線に沿った断面図(ステータコアのハッチング省略)である。超電導モータ10は、回転可能に支持されたロータ12と、ロータ12の外周を覆って設けられる略円筒状のステータ14と、超電導モータ10の軸方向一端面に固定された冷凍機16とを備える。ここでの説明において、ロータ12の中心を貫通するロータシャフト18の回転中心軸Xに関し、これに沿う方向を軸方向(モータ軸方向)といい、回転中心軸Xと直交する放射方向を径方向といい、回転中心軸を中心点として描かれる円形に沿う方向を周方向という。
【0023】
ロータ12は、例えば電磁鋼板を積層してカシメや溶接等により一体に構成される円筒状のロータコア20と、ロータコア20の中心穴を貫通して固定された丸棒鋼材等からなるロータシャフト18とを含む。ロータコア20の外周面には、複数(本実施形態では6つ又は6箇所)の永久磁石22が露出した状態で周方向に等間隔に固定されている。ただし、ロータコア20に設けられる永久磁石は、外周面に露出していなくてもよく、外周面近傍の内部に埋設されてもよい。
【0024】
ロータ12のロータシャフト18は、その両端部19a,19bにおいて、超電導モータ10の軸方向両端面を形成する円盤状のエンドプレート24,26に固定された軸受部材28によって回転可能に支持されている。これにより、ステータ14の内部に回転磁界が形成されると、これに伴ってロータコア20の永久磁石22がひきつけられて、ロータ12が回転駆動されるようになっている。
【0025】
ステータ14は、略円筒状をなす固定子鉄心であるステータコア30を含む。ステータコア30の内周部には、径方向内側へ突出する複数(本実施形態では9つ)のティース部32が周方向に等間隔に形成されており、ティース部32間には軸方向に延伸する空間からなるスロット33が形成いる。ステータコア30は、例えば複数の略円環状の電磁鋼板を軸方向に積層してカシメ、接着、溶接等によって一体に組み付けて構成されることができる。ただし、ステータコア30は、各々1つのティース部を有する9つの分割ステータコアを円環状に連ねて配置してその外側から筒状の締結部材により締め付けることによって構成されてもよい。上記分割ステータコアは、圧粉磁心により形成されることができる。
【0026】
ステータコア30のティース部32には、超電導線材からなるコイル34が巻装されている。超電導線材は、矩形断面形状を有するテープ状のものが好適に用いられる。また、超電導線材を構成する超電導材料は、例えば、イットリウム系超電導材料やビスマス系超電導材料などが好適に用いられる。ただし、超電導材料は、これらに限定されるものではなく、他の公知の超電導材料、あるいは、将来開発される、より高温で超電導特性を発現する超電導材料であってもよい。
【0027】
コイル34は、隣接するティース部32間に形成されるスロット33内に位置する部分35と、ステータコア30の軸方向両端面から外側へそれぞれ突出するコイルエンド部36とを含む。たとえば三相同期型モータである超伝導モータ10の各コイル34は、2つ置きごとのコイル34と直列接続されてU相,V相およびW相の各相コイルを構成する。図3に示すように、各相コイル34U,34V,34Wの各一端部は、中性点70において互いに電気接続され、各相コイル34U,34V,34Wの他端部は各相電流導入端子72U,72V,72Wにそれぞれ接続されている。中性点70の構成、およびコイル34を形成する超電導線材の構造については、後に詳述する。
【0028】
図1,2を再び参照すると、超電導モータ10は、円筒状のモータケース40を有している。モータケース40内に、ロータ12およびステータ14が収容されている。モータケース40の軸方向の両端部は、エンドプレート24,26の外周縁部に気密状態で連結されている。モータケース40およびエンドプレート24,26は、例えばステンレス等の非磁性材料から形成される。なお、モータケース40は、エンドプレート24または26と一体のものとして形成されてもよい。
【0029】
モータケース40内には、各々円筒状をなす内筒部材42および外筒部材44がロータ12と同心上に配置されている。内筒部材42および外筒部材44の軸方向両端部は、エンドプレート24,26の内面に気密状態を保持可能に連結されている。内筒部材42は、磁界の通過を妨げず且つ非導電性である非金属材料により形成されるのが好ましい。一方、外筒部材44は、低熱伝導率材料(例えばFRP等)で形成されるのが好ましく、低熱伝導率の非磁性材料で形成されるのがより好ましい。
【0030】
内筒部材42は、ロータ12のロータコア20よりも若干大きい内径を有し、ロータコア20の外周面との間に周方向に一様な隙間が形成されている。また、内筒部材42と外筒部材44との間には、筒状空間からなる第1真空室46が形成されている。第1真空室46内には、コイル34を含むステータ14が収容されている。ステータ14のステータコア30の外周面が、外筒部材44の内周面上に密着して固定されている。
【0031】
第1真空室46は、後述する冷凍機を含めて超電導モータ10が組み立てられた後に、エンドプレート24,26の少なくとも何れかに形成された図示しない空気抜き穴から真空引きされて、真空状態に維持される。このように、熱伝導率が低い内筒部材42および外筒部材44で区画形成し、かつ、内部を真空とすることで、第1真空室46内に収容されたコイル34を含むステータ14への断熱性を高めることができる。
【0032】
さらに、外筒部材44とモータケース40との間には、筒状空間からなる第2真空室48が形成されている。第2真空室48もまた、第1真空室46と同様に真空状態になっている。これにより、第1真空室46内に収容されたコイル34を含むステータ14が第2真空室48によってモータ外部と隔てられることで、コイル34を含むステータ14に対する断熱効果をより一層高めることができる。
【0033】
超電導モータ10において、軸方向の一端側に位置するエンドプレート24には冷凍機16が設けられている。冷凍機16は、気密状態を確保しつつエンドプレート24の貫通穴の周囲に固定された筒状のブラケット50を介して取り付けられている。
【0034】
冷凍機16は、シリンダ52内でピストン54が直線的に往復移動して冷媒ガス(例えば、Heガス)の圧縮および膨張を繰り返し行うガス圧縮機56をそれぞれ有する。また、冷凍機16は、筒状のブラケット50内からエンドプレート24の貫通穴を介して第1真空室46まで延伸した段付き円柱状外形を有する冷却部58を備える。冷却部58の平坦な先端面は、伝熱部材60を介してコイルエンド部36に接触している。ここで、コイルエンド部36と伝熱部材60との間、および、伝熱部材60と冷却部58との間の少なくともいずれか一方に絶縁紙等の絶縁部材を介在させて、コイル34と冷凍機16間の電気絶縁が確保されてもよい。
【0035】
冷凍機16は、超電導線材からなるコイル34が超電導特性を発現する所望の極低温(例えば、約70K)まで冷却可能な冷却性能を有し、ピストン54のストロークを制御することによって冷却温度を調節することができる。超電導モータ10が電気自動車等の電動車両に走行用動力源として搭載される場合、設置スペースの制約や車両重量の軽量化のため冷凍機16は小型で軽量のものであることが好ましい。例えば、冷凍機16には、フリー・ピストン・スターリング・クーラ(FPSC)が好適に用いられる。一方、設置スペースおよび重量の制約が緩い場合、例えば、超電導モータ10が電車や船舶等の大型の移動体の動力源として、あるいは、設置位置が固定された機械の動力源として用いられる場合には、上記のような冷却性能を有する冷凍機であれば、体格が大きくて重い冷凍機であっても構わない。
【0036】
冷凍機16の冷却部58の軸方向先端面が接触する伝熱部材60は、例えば熱伝導性が良好な金属板で形成され、周方向に連なった円環状をなして軸方向一方側に位置する全てのコイルエンド部36に接触している。一方、軸方向他方側に位置するコイルエンド部36にも、同様の伝熱部材60が配置されている。このように軸方向両端のコイルエンド部36に円環状の伝熱部材60がそれぞれ接触配置されていることで、周方向に配置される複数のコイル34を迅速かつ均等に冷却するのに有効である。
【0037】
伝熱部材60のコイル対向面には、コイルエンド部36が嵌合する凹部または溝が形成されている。このようにすることで、コイルエンド部36と伝熱部材60との接触面積が増加し、コイル34の冷却効率を上げることができる。
【0038】
また、伝熱部材60は、絶縁性樹脂材料を成型することによってコイルエンド部36に一体に形成されてもよい。これにより、コイル34と冷凍機16の冷却部58間の電気絶縁性がより向上する。この場合、伝熱部材60の熱伝導性を良好にするために、金属製の粒子または粉末を上記絶縁性樹脂材料に分散させるのが好ましい。
【0039】
次に、図4A,4Bを参照して、上記中性点70の構造および上記超電導線材について説明する。図4Aは、中性点70において各相コイル34U,34V,34Wを構成する超電導線材74の各一端部74U,74V,74Wが冷凍機16の冷却部58に接続される状態を示す図であり、図4Bは図4A中の矢印B方向から見た様子を示す図である。
【0040】
上記各相コイル34U,34V,34Wの各一端部74U,74V,74Wは、コイル34の軸方向一方側端部であるコイルエンド部36に引き出されている。そして、超電導線材74の各一端部74U,74V,74Wは、伝熱部材60に形成された開口部61を貫通して、冷凍機16の冷却部58の端部に形成された3つの嵌合穴59にそれぞれ圧入されている。嵌合穴59は、冷却部58の端面上に正三角形の三辺に略相当する位置に形成されている。また、上記各一端部74U,74V,74Wが嵌合穴59内にそれぞれ挿入された後に冷却部58をかしめる等によって接続状態を強固にして、超電導線材74が冷却部58から抜け出るのを防止するのが好ましい。
【0041】
さらに、上記各相コイル34U,34V,34Wの各一端部74U,74V,74Wは、直接には電気接続されておらず、導電性部材である例えば銅製の冷却部58を介して互いに電気接続されて中性点70を構成している。三相交流モータにおいて三相コイルが互いに電気接続される中性点の電位は通常ではゼロであることから、上記のように導電性の冷却部58を介して超電導線材74の各一端部74U,74V,74Wを互いに電気接続しても冷却部58およびガス圧縮機56に電流が流れることはない。ただし、例えばインバータのスイッチング素子のオープン故障等に起因してモータ電流に乱れが生じた場合に中性点電位がゼロでなくなることもあり得るので、そのようなときに冷却部58からガス圧縮機56へ電流が流れるのを阻止するための絶縁部材または絶縁構造を設けてもよい。
【0042】
続いて、図5A〜5Cを参照して、コイル34を構成する超電導線材74について説明する。また、図5A〜5Cはいずれも、超電導線材を形成する超電導層80と被覆層82との接触面積を平面接触の場合よりも大きくした例を示す。
【0043】
図5Aを参照すると、超電導線材74は、上述したように矩形断面形状を有するテープ状または帯状の超電導線材であり、基材76、中間層78、超電導層80および被覆層82をこの順序で積層して形成されている。
【0044】
基材76には、例えばハステロイ製テープ基材が好適に用いられる。この基材76を長手方向に一定速度で搬送しながら上記中間層78、超電導層80および被覆層82が順次に積層および接合されていく。
【0045】
基材76の表面には、例えばイオンビームアシスト蒸着法によって酸化物(例えば、Gd2Zr27)からなる中間層78が成膜される。次いで中間層78の表面に、例えばイットリウム系酸化物またはビスマス系酸化物からなる超電導材料をパルスレーザ蒸着法によって成膜することにより超電導層80が形成される。そして、超電導層80の表面に、例えばレーザ加工によって三角状横断面の複数の溝81を長手方向に沿って形成する。最後に、上記溝81が形成された超電導層80の表面に、例えば銀またはその合金をスパッタリングにより成膜して被覆層82が形成される。図5Aに示す例では、被覆層82は超電導層80の一方側の表面だけを覆って形成されている。被覆層82は、超電導層80を覆って保護する機能を有するとともに、コイルエンド部36において伝熱部材60と接触する表面を構成する。
【0046】
なお、本発明における超電導線材を構成する各層の材質および積層方法は、上述したものに限定されず、公知の又は今後開発されるどのような材質および積層方法であってもよい。
【0047】
上記のような溝81を形成した超電導層80の表面に被覆層82を形成することで、超電導層80と被覆層82とが三角凹凸形状の接合面で接触することとなり、超電導層80の一方面における平面接触の場合よりも超電導層80と被覆層82との接触面積が大きくなる。また、被覆層82は超電導材料よりも熱伝導性が良好な金属材料である銀または銀合金で形成されている。これにより、本実施形態の超伝導モータ10では、冷凍機16の冷却部58に接続された各相コイル34U,34V,34Wのコイル34について、熱容量が大きいステータコア30や、クライオスタット、ベアリング、ロータ等の他のモータ構成部材に冷却を分散させてしまうことなく、熱伝導性が良好な被覆材82を介して超電導層82を直接的に、効率よく、且つ迅速に冷却することができる。そのため、超電導モータ10の始動時間の短時間化、および、冷凍機16の消費電力の低減を図れる。
【0048】
また、本実施形態の超電導モータ10では、各相コイル34U,34V,34Wはほぼ同一長さの超電導線材74によって構成されることから、各相コイル34U,34V,34Wを中性点70から冷却することによって均等に冷却することができる。これにより、三相コイルのうちいずれか一相コイルの温度をセンサで検出して監視すれば、各相コイルの超電導状態を簡易に把握することができる。
【0049】
さらに、本実施形態の超電導モータ10では、冷凍機16の冷却部58に接触した環状の伝熱部材60が周方向に均等配置された複数のコイル34のコイルエンド部36に接触して設けられているので、これによっても各コイル34を均等に且つ迅速に冷却する効果が向上する。
【0050】
さらにまた、本実施形態の超電導モータ10では、被覆層82が超電導層80と接触する面積が大きくなるよう構成したことで、超電導層80と被覆層82との接合強度が大きくなり、コイル34として巻くために超電導線材70を曲げたときに超電導層82の結晶構造が変化してしまうのを抑制することもできる。
【0051】
図5Bは、超電導線材74において超電導層80と被覆層82とが矩形凹凸形状の接合面により接触することにより図5Aに示すものよりも接触面積をより大きくした例を示す。上記のような矩形凹凸形状の接合面は、超電導層80の表面に矩形横断面を有する溝81をレーザ加工等によって形成した後、超電導層80上に被覆層82を積層することによって形成されることができる。
【0052】
ただし、上記のような凹凸形状の接合面とするための溝81の横断面形状は、三角形や矩形に限定されるものではなく、例えば半円状等の他の形状であってもよい。また、凹凸形状の接合面は、超電導層80の表面に溝81を形成すること以外の方法、例えば超電導層80を形成した後にその表面に小さい凹凸を多数形成して粗面化する加工を施すことによって実現されてもよい。この場合、粗面化の程度を異ならせることによって超電導層と被覆層との接触面積を変えることができる。
【0053】
図5Cは、超電導線材74において被覆層82が超電導層80の三方面、すなわち図中の上面と両側面とに接触する例を示す。このように超電導層80に溝加工を施すことなく超電導層80と被覆層82との接触面積を大きくしてもよい。図5Cに示す例では、被覆層82が、基材76、中間層78および超電導層80からなる積層体の四方周囲を被覆して形成されている。このように被覆材82を形成することで、超電導層80と被覆層82との接触面積を大きくするだけでなく、被覆材形成材料である銀または銀合金の強度によって超電導線材74を曲げ変形に対して強い構造とすることができる。
【0054】
次に、図6A,6Bを参照して、コイル34を構成する超電導線材74において、直線部分と曲がり部分とで超電導層80と被覆層82との接触面積を異ならせる態様について説明する。
【0055】
コイル34は、絶縁紙等の絶縁部材を介在させながら超電導線材74を巻型の周囲に巻回することによって形成されることができ、そのとき超電導線材74は被覆層82が外側を向くようにして巻回される。図6Aに示す例では、コイル34を構成する超電導線材74は、ステータコア30のティース部32にコイル34が装着されたとき、スロット33内に位置することとなる直線部分84と、スロット33外でコイルエンド部35を構成することとなる直線部分86と、各直線部分84,86に連続する4つの曲がり部分88とを含む。
【0056】
図6Aに示す例では、超電導線材74における超電導層80と被覆層82の接触面積が、コイル34を構成する超電導線材74の直線部分84,86よりも、コイル34を構成する超電導線材74の曲がり部分88の方が大きくなるように形成されている。具体的には、上記直線部分84,86では図5Aに示す接合面形状とし、上記曲がり部分88では図5Bに示す接合面形状となるように、予め超電導線材74を製造しておく。このように曲がり部分88に相当する超電導線材74の部分で超電導層80と被覆層82との接触面積を局部的に大きくすることで、曲げ変形によって超電導層80の結晶組織状態が変化することにより交流電流通電時に発生する損失(以下、AC損失という)が大きくなるのを抑制することができる。
【0057】
一方、図6Bに示すコイル34では、超電導線材74における超電導層80と被覆層82の接触面積が、スロット33外に位置してコイルエンド部36を構成する曲がり部分88よりもスロット33内に位置する超電導線材74の直線部分84の方が大きくなるように形成されている。ここでは、例えば、曲がり部分88では図5Aに示す接合面形状とし、上記直線部分84では図5Bに示す接合面形状となるように、予め超電導線材74を製造しておく。また、曲がり部分88は、できるだけ曲がり具合を緩やかにしてAC損失を抑制するため、ティース部32の幅に相当する直径で描かれる半円状に曲げ変形させるのが好ましい。
【0058】
スロット33内は、コイル34が互いに隣接して位置しており、且つ、ほぼ軸方向の両端でのみ開口する狭い空間であるため放熱性が悪く、AC損失によるコイル34の発熱が磁路となるティース部32を含むステータコア30に伝熱して温度が上昇すると鉄損を生じさせることとなる。したがって、上記のように、スロット33内に位置する超電導線材74の直線部分84について超電導層80と被覆層82の接触面積をより大きくすることで、特にスロット33内でのAC損失および発熱を抑制することでき、ステータコア30での鉄損を抑制することができる。
【0059】
なお、上記の超電導モータ10では、各相コイル34U,34V,34Wの各一端部74U,74V,74Wを中性点70において冷凍機16の冷却部58に接続して各コイル34を中性点70側から冷却する構成と、冷凍機16の冷却部58に接触する環状の伝熱部材60を介して各コイル34をコイルエンド部36から冷却する構成の両方を備えるものとして説明したが、本発明に係る超電導モータはこれに限定されるものではなく、いずれか一方の構成によって各コイル34を冷却するものとしてもよい。すなわち、中性点70側から冷却する構成のみとすれば伝熱部材60が省略されてもよく、他方、伝熱部材60により冷却する構成のみとすれば各相コイル34U,34V,34Wの各一端部74U,74V,74Wが互いに電気接続される中性点を冷凍機16の冷却部58から離れた位置に設けてもよい。
【0060】
次に、図7,8を参照して、本発明の第2の実施形態である超電導モータ10aについて説明する。ここでは、上述した第1の実施形態の超電導モータ10と異なる構成およびその作用効果について主として説明することとし、同一構成要素には同一符合を付して重複することとなる説明を援用により省略する。
【0061】
図7は、本実施形態の超電導モータ10aの軸方向に沿った断面図(一部側面を含む)であり、図8は図7に示す超電導モータ10aにおいて、U相、V相、W相の各相コイル34が2つの中性点70a,70bでそれぞれ電気接続される状態を模式的に示す図である。
【0062】
本実施形態の超電導モータ10aは、冷凍機(以下、第1の冷凍機という)16に加えて、もう1つの冷凍機(以下、第2の冷凍機)17を備えている。第2の冷凍機17は、軸方向の他端側に位置するエンドプレート26に、第1の冷凍機16と同様の構成で取り付けられている。
【0063】
第1および第2の冷凍機16,17は、各ピストン54の移動方向が同一直線上となるように対向配置されている。すなわち、第1および第2の冷凍機16,17は、軸方向に対向して設けられている。そして、第1および第2の冷凍機16,17では、各ピストン54が互いに反対方向に移動するようにガス圧縮機56を駆動する。換言すれば、第1および第2の冷凍機16,17において、ピストン54bによる圧縮ストロークと膨張ストロークとを互いに同期するように駆動される。このような配置および駆動にすることで、ピストン54の移動によって第1および第2の冷凍機16,17が超電導モータ10に及ぼす回転モーメントが相殺されて、振動や騒音を抑制できる。
【0064】
また、超電導モータ10aは、図8に示すように、2つの中性点70a,70bを有している。すなわち、各相コイル34U,34V,34Wが2つのグループに分けられて並列に接続されており、一方のグループの各相コイル34U,34V,34Wが第1の中性点70aにおいて互いに電気接続され、他方のグループの各相コイル34U,34V,34Wが第2の中性点70bにおいて互いに電気接続されている。そして、第1の中性点70aは上述した第1実施形態の超伝導モータ10における中性点70に対応し、第2の中性点70bは軸方向他端側のコイルエンド部36に設けられて第2の冷凍機17の冷却部58によって冷却されるようになっている。その他の構成は、上記超電導モータ10と同様である。
【0065】
このように本実施形態の超電導モータ10aでは、2つの冷凍機16,17によって、熱容量が大きいステータコア30等を介在させることなく、各相コイル34U,34V,34Wのコイル34を軸方向両側の中性点70a,70bから効率よく迅速に所望の極低温まで冷却することができる。そのため、超電導モータ10aの始動時間の短時間化、および、冷凍機の消費電力の低減を図れる。
【0066】
また、超電導モータ10aでは、第1および第2の冷凍機16,17は、各ピストン54の移動方向が同一直線上となるように配置され、かつ、各ピストン54が互いに反対方向に移動するようにガス圧縮機56が駆動されることで、ピストン54の移動によって第1および第2の冷凍機16,17が超電導モータ10に及ぼす回転モーメントが相殺されて振動や騒音を抑制できる。
【0067】
次に、図9を参照して第3の実施形態の超電導モータ10bについて説明する。本実施形態の超電導モータ10bは、上述した第2の実施形態の超電導モータ10aと冷凍機16,17の配置が異なるだけであるため、その相違点のみについて説明することとし、他の同一構成については同一符号を付して重複する説明を援用により省略する。
【0068】
超電導モータ10bでは、第1および第2の冷凍機16,17のガス圧縮機56がモータケース40の外周側壁上に取り付けられ、各ガス圧縮機56からそれぞれ延伸する冷媒ガス流路管62が各冷却部58にそれぞれ接続されている。この場合においても、第1および第2の冷凍機16,17の各ピストン54は互いに反対方向に移動するように駆動される。これ以外の構成は、上記超電導モータ10aと同様である。
【0069】
本実施形態の超電導モータ10bによれば、上記第2の実施形態の超電導モータ10と同様の作用効果を奏するのに加えて、軸方向のモータ幅を小さくすることができ、車両搭載性を向上させることができる。
【0070】
次に、図10を参照して第4の実施形態である超電導モータ10cについて説明する。本実施形態の超電導モータ10cは、上述した第2の実施形態の超電導モータ10aと冷凍機16,17の配置が異なるだけであるため、その相違点のみについて説明することとし、他の同一構成については同一符号を付して重複する説明を援用により省略する。
【0071】
超電導モータ10cでは、第1および第2の冷凍機16,17が、14ステータの径方向に対向する位置に配置されると共に、各ピストン54が互いに同一方向に移動するようにガス圧縮機56が駆動されるようになっている。この場合でも、第1および第2の冷凍機16,17内の各ピストン54は、上記超電導モータ10aのように同一直線上ではないものの、軸方向に沿って往復移動する。これ以外の構成は、上記超電導モータ10aと同様である。
【0072】
より詳細には、超電導モータ10cでは、第1の冷凍機16が、第2の冷凍機17に対して周方向に180度ずれた位置において第2の冷凍機17と対向して設けられている。この場合、第1の冷凍機16のピストン54が圧縮ストロークで図中右側へ移動するときには第2の冷凍機17のピストン54が膨張ストロークで図中右側へ移動し、第1の冷凍機16のピストン54が膨張ストロークで図中左側へ移動するときには第2の冷凍機17のピストン54が圧縮ストロークで図中左側へ移動するというように、各ピストン54が互いに同一方向に移動する。このように第1および第2の冷凍機16,17のガス圧縮機56が駆動されることで、ピストン54の移動によって第1および第2の冷凍機16,17が超電導モータ10bに及ぼす回転モーメントが相殺または減殺されて振動や騒音を抑制できる。
【0073】
さらに、超電導モータ10cでは、第1および第2の冷凍機16,17が径方向に対向する位置に設けられていることで、各冷却部58もまた径方向に対向する位置(すなわち周方向に180度ずれた位置)で中性点70a,70bをそれぞれ構成するとともに伝熱部材60に接触している。これにより、上記第2の実施形態の超電導モータ10aに比べて、周方向に配列された複数のコイル34全体を所望の極低温まで一様に冷却するのに要する時間をより短縮することが可能になる。
【0074】
なお、上記各実施形態の超電導モータ10a,10b,10cにおいては、2つの冷凍機16,17を用いて超電導線材からなるコイル34を軸方向両側から冷却する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上の冷凍機を用いてコイルを軸方向両側から冷却するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10,10a,10b,10c 超電導モータ、12 ロータ、14 ステータ、16,17 冷凍機、18 ロータシャフト、19a,19b 端部、20 ロータコア、22 永久磁石、24,26 エンドプレート、72U,72V,72W 各相電流導入端子、28 軸受部材、30 ステータコア、32 ティース部、33 スロット、34 コイル、34U,34V,34W 各相コイル、35 スロット内に位置するコイル部分、36 コイルエンド部、40 モータケース、42 内筒部材、44 外筒部材、46 第1真空室、48 第2真空室、50 ブラケット、52 シリンダ、54 ピストン、56 ガス圧縮機、58 冷却部、59 嵌合穴、60 伝熱部材、62 冷媒ガス流路管、70,70a,70b 中性点、74 超電導線材、74U,74V,74W 各相コイルの一端部、76 基材、78 中間層、80 超電導層、81 溝、82 被覆層、84,86 直線部分、88 曲がり部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に支持されたロータと、前記ロータの周囲に設けられ、超電導線材からなる複数のコイルがステータコア内周部に巻装されているステータと、前記コイルを冷却する冷却部を有する冷凍機とを備える超電導モータであって、
前記超電導線材は長手方向にそれぞれ延在する超電導層および前記超電導層の少なくとも一方面を覆って接合された被覆層を有し、前記被覆層は前記超電導層よりも熱伝導性が良好な材料で形成されるとともに前記超電導層との接触面積が前記一方面における平面接触の場合よりも大きくなるように構成されていること特徴とする超電導モータ。
【請求項2】
請求項1に記載の超電導モータにおいて、
前記複数のコイルは複数相のコイルを構成するとともに、前記複数相コイルの各一端部は互いに電気接続される中性点において前記冷凍機の冷却部に接続されていることを特徴とする超電導モータ。
【請求項3】
請求項2に記載の超電導モータにおいて、
前記中性点において、前記複数相コイルの各一端部は直接に接続されておらず、導電性部材である前記冷却部を介して互いに電気接続されることを特徴とする超電導モータ。
【請求項4】
請求項2または3に記載の超電導モータにおいて、
前記中性点はモータ軸方向に関して前記コイルの軸方向端部であるコイルエンド部に設けられ、前記コイルエンド部において前記複数のコイルの各一端部が前記冷凍機の冷却部に接続されるよう前記冷凍機が配置されていることを特徴とする超電導モータ。
【請求項5】
請求項2に記載の超電導モータにおいて、
前記コイルについてモータ軸方向端部に位置するコイルエンド部に接触して設けられる環状の伝熱部材を有し、前記冷凍機の冷却部は前記複数のコイルのコイルエンド部において前記伝熱部材を介して前記コイルを構成する超電導線材の被覆層に接触するように配置されることを特徴とする超電導モータ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の超電導モータにおいて、
前記超電導層と前記被覆層とが凹凸形状の接合面により接触していることを特徴とする超電導モータ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の超電導モータにおいて、
前記被覆層は前記超電導層の三方面と接触していることを特徴とする超電導モータ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の超電導モータにおいて、
前記超電導線材における前記超電導層と前記被覆層の接触面積が、前記コイルを構成する超電導線材の直線部分よりも前記コイルを構成する超電導線材の曲がり部分の方が大きくなるように形成されていることを特徴とする超電導モータ。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の超電導モータにおいて、
前記コイルは前記ステータコアの内周部に径方向内方へ突設されている複数のティースに巻装されるとともに、前記複数のティース間にはスロットが形成されており、前記超電導線材における前記超電導層と前記被覆層の接触面積が、前記スロット外に位置する超電導線材の部分よりも前記スロット内に位置する超電導線材の部分の方が大きくなるように形成されていることを特徴とする超電導モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−244536(P2011−244536A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112147(P2010−112147)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】