説明

超音波プローブ、及び超音波プローブ用の音響整合媒体補充アダプタ

【課題】 超音波プローブと被検体の体表との間に音響整合媒体を自動的に供給することが可能な超音波プローブを提供する。
【解決手段】 プローブ本体部2を音響整合媒体補充アダプタ3のアダプタ本体部31で囲む。アダプタ本体部31の側面部内には、液状又はゼリー状の音響整合媒体を収容した収容部35と、音響整合媒体をプローブ本体部2と被検体50の体表との間の空間34aに供給する供給部36とが格納されている。供給部36は複数の気孔36aが形成された連続多孔質部材からなる。供給部36は収容部35から音響整合媒体を含浸する。音響整合媒体は連続多孔質媒体からなる供給部36内を移動して空間34aに供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波プローブ、及び超音波プローブに用いられる音響整合媒体補充アダプタに関する。特に、超音波プローブと被検体の体表との間に液体又はゼリー状の音響整合媒体を自動的に供給することが可能な音響整合媒体補充アダプタに関し、さらに、その音響整合媒体補充アダプタを備えた超音波プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波プローブを備えた超音波診断装置を用いて検査を行う場合、超音波プローブと生体との間で効率良く超音波の送受信を行うために、超音波プローブの表面又は被検体の体表に液体又はゼリー状の音響整合媒体を塗布している。この音響整合媒体は、一般的に超音波ゼリー又はカップリング媒体と称され、超音波プローブと被検体の体表との間の空気を排除して、超音波プローブと被検体の体表との音響整合を良好にするために用いられる。
【0003】
従来技術に係る超音波プローブについて図9を参照しつつ説明する。図9は、従来技術に係る超音波プローブの側面図である。例えば、図9(a)に示すように、超音波プローブ100の先端101又は被検体50の体表に液状又はゼリー状の音響整合媒体60を塗布することで、超音波プローブ100はその音響整合媒体60を介して被検体内に超音波を送信し、被検体内からの反射波を受信している。このように音響整合媒体60を介して超音波の送受信を行うことにより、超音波プローブ100と被検体との音響整合を良好にすることが可能となる。
【0004】
しかしながら、超音波プローブ100を被検体50の体表上で動かすことにより、図9(b)に示すように、超音波プローブ100と被検体50の体表との間にある音響整合媒体60が、徐々に超音波プローブ100と被検体50の体表との間から外側に逃げてしまう。その結果、超音波プローブ100の先端101と被検体50の体表との間に空隙が形成され、その空隙に空気が入ることにより、音響整合を良好にすることができなくなる。
【0005】
従って、検査を行っているときに、超音波プローブ100と被検体50の体表との間にある音響整合媒体60の量が少なくなってくると、音響整合を良好にするために、一度、検査を中断し、検査者が手動で超音波プローブ100と被検体50の体表との間に音響整合媒体60を補充する必要がある。
【0006】
従来、音響整合媒体を補充するために、特許文献1に記載されている機構が考えられていた。特許文献1に記載の機構においては、音響整合媒体を充填させた容器を超音波プローブに設置し、検査者が手動でその容器に充填されている音響整合媒体を強制的に容器の外部に押し出すことにより、超音波プローブと被検体の体表との間に音響整合媒体を補充していた。つまり、検査者が音響整合媒体を補充する必要があると考えたときに、手動で音響整合媒体を超音波プローブと被検体の体表との間に補充していた。
【0007】
【特許文献1】特開平2−191443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した超音波プローブ100、及び特許文献1に記載の超音波プローブによると、検査を行っているときに、超音波プローブと被検体の体表との間に音響整合媒体の量が少なくなってくると、一度、検査を中断し、検査者が手動で音響整合媒体を超音波プローブと被検体の体表との間に補充する必要があった。つまり、音響整合媒体は自動的には供給されず、検査者が必ず手動で音響整合媒体を補充する必要があった。このように検査を中断して手動で音響整合媒体60を補充することは、検査者にとっては煩わしい作業であり、効率的な検査を妨げる原因の1つとなっていた。
【0009】
この発明は上記の問題点を解決するものであり、超音波診断装置による検査を中断することなく、音響整合媒体を自動的に供給することが可能な超音波プローブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、先端部を介して超音波振動子により超音波の送信及び受信を行うプローブ本体部と、側面部及び前記側面部で囲まれた中空部を有し、前記中空部に前記プローブ本体部が挿入されることにより、前記側面部で前記プローブ本体部を囲む音響整合媒体補充アダプタと、を備え、前記音響整合媒体補充アダプタは、前記側面部内に、液状又はゼリー状の音響整合媒体と供給部材とを備え、前記供給部材は、前記音響整合媒体を含浸して前記含浸した音響整合媒体を前記中空部内の前記プローブ本体部の先端部に供給するように形成されることを特徴とする超音波プローブである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波プローブであって、前記音響整合媒体補充アダプタは、上面及び底面に開口部が形成され、前記上面から前記中空部に前記プローブ本体部が挿入されることにより、前記側面部で前記プローブ本体部を囲み、前記供給部材は前記底面側に設置され、少なくとも一部分が前記側面部内から前記中空部に露出し、前記音響整合媒体を含浸して前記含浸した音響整合媒体を前記中空部内の前記プローブ本体部の先端部に供給することを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記供給部材は、前記音響整合媒体を含浸して毛細現象により前記含浸した音響整合媒体を前記中空部内に供給することを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記供給部材は、その一部分が前記側面部内から前記中空部に向けて突出して段差部を形成していることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記供給部材は、繊維束又は連続多孔質部材からなることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記供給部材は連続多孔質部材からなり、前記連続多孔質部材の単位体積Vのなかで気孔が占める体積Vの割合(V/V)が、前記音響整合媒体が供給される方向に徐々に小さくなっていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記供給部材は、前記音響整合媒体が供給される方向に徐々に気孔が小さくなるように形成された連続多孔質部材からなることを特徴とするものである。
【0017】
請求項8に記載の発明は、上面及び底面に開口部が形成され、側面部と、前記側面部で囲まれた中空部と、前記側面部内に設けられた液状又はゼリー状の音響整合媒体と、前記側面部内かつ前記底面側に設置され、少なくとも一部分が前記側面部内から前記中空部に露出した供給部材と、を備え、前記上面から前記中空部に超音波プローブが挿入されることにより、前記側面部で前記超音波プローブを囲み、前記供給部材は前記音響整合媒体を含浸して前記含浸した音響整合媒体を前記中空部内に供給することを特徴とする音響整合媒体補充アダプタである。
【発明の効果】
【0018】
この発明によると、供給部材が音響整合媒体を含浸して音響整合媒体補充アダプタの中空部に含浸した音響整合媒体を供給するため、プローブ本体部の先端に音響整合媒体を自動的に供給することが可能となる。また、音響整合媒体がプローブ本体部の先端に徐々に供給される。そのことにより、超音波の検査に適した量の音響整合媒体が自動的に供給され、良好な超音波画像を収集することが可能となる。
【0019】
さらに、供給部材の一部が音響整合媒体補充アダプタの中空部に突出して段差部を形成することで、その段差部に囲まれた空間に音響整合媒体が供給される。そして、超音波プローブを被検体の体表上で動かしても、音響整合媒体はその段差部で囲まれているため、超音波プローブの外側に音響整合媒体が逃げ難くなり、超音波プローブの先端にある音響整合媒体の減少量を減らすことが可能となる。
【0020】
また、多孔度(V/V)を音響整合媒体が供給される方向に徐々に小さくすることにより、良好な超音波画像を得るための適度な量の音響整合媒体を超音波プローブの先端に自動的に供給することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明の実施形態に係る超音波プローブ及び音響整合媒体補充アダプタについて、図1から図8を参照しつつ説明する。
【0022】
この発明の実施形態に係る超音波プローブの概略構成について図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は、この発明の実施形態に係る超音波プローブの概略構成を示す分解斜視図である。図2は、この発明の実施形態に係る超音波プローブの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図のA−A断面図である。超音波プローブはヘッドとケーブルとからなり、図1には超音波プローブのヘッドが示されている。
【0023】
この実施形態に係る超音波プローブ1は、プローブ本体部2と音響整合媒体補充アダプタ3とを備えて構成されている。プローブ本体部2は超音波の送受信を行う。音響整合媒体補充アダプタ3はプローブ本体部2に装着され、プローブ本体部2の先端2aに音響整合媒体を供給する。
【0024】
プローブ本体部2は既知の構成を有している。具体的には、プローブ本体部2は、ヘッド部の筐体25の内部に、背面材21、超音波振動子22、音響整合層23、及び音響レンズ24を備えて構成されている。背面材21、超音波振動子22、音響整合層23、及び音響レンズ24は、プローブ本体部2の先端2aに向かってその順番で配置されている。
【0025】
背面材21には、超音波振動子22から発振された超音波振動や受信時の超音波振動のうち、超音波診断装置の画像抽出にとって必要でない超音波振動成分を減衰吸収する。背面材21には、一般的に、フェライトゴム、エポキシ又はウレタンゴムなどにマイクロバルーンなどを混入した材料が用いられる。
【0026】
超音波振動子22は、背面材21の上に設置されている。超音波振動子22には、例えば、チタン酸ジリコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、又はチタン酸鉛(PbTiO)などのセラミック材料が用いられる。また、超音波振動子22の上下両面には電極(図示しない)が設けられている。この実施形態に係る超音波プローブ1には、いわゆる1次元超音波プローブ又は2次元超音波プローブのいずれを用いても良い。例えば、1次元超音波プローブにおいては、超音波振動子22は走査方向に複数に分割されて配列されている。また、2次元超音波プローブにおいては、超音波振動子22はマトリックス状(2次元的)に分割されて配列されている。
【0027】
音響整合層23は、超音波振動子22の上に設置され、走査方向に複数に分割されて配列されている。音響整合層23は、被検体の体表との音響インピーダンスの差分による信号ロスの発生を抑える機能を有する。この音響整合層23には、例えばエポキシ樹脂やプラスチック材などが用いられる。また、音響整合を良好にするために、音響整合層23を複数の層構造としても良い。
【0028】
音響レンズ24は、音響整合層23の上に設置されている。音響レンズ24は、被検体の体表面に接触して超音波の送受信の仲介を行う。この音響レンズ24により、体表より所定の深さにスライス方向(走査方向に直交する方向)の音響的な焦点を結ぶ。
【0029】
上述した背面材21、超音波振動子22、音響整合層23、及び音響レンズ24は、ヘッド部の筐体25内に格納されている。
【0030】
音響整合媒体補充アダプタ3は、プローブ本体部2に装着されることにより側面部でプローブ本体部2を囲み、プローブ本体部2の先端2aに液状又はゼリー状の音響整合媒体を供給するものである。
【0031】
図1の分解斜視図及び図2の断面図に示すように、音響整合媒体補充アダプタ3は、上面に開口部32が形成され、底面に開口部33が形成され、側面部で囲まれた中空部34を有するアダプタ本体部31を備えて構成されている。そのアダプタ本体部31とプローブ本体部2とが嵌合することで、アダプタ本体部31の側面部でプローブ本体部2を囲み、この実施形態に係る超音波プローブ1を成している。つまり、ヘッド部の筐体25の形状と、アダプタ本体部31の中空部34の形状とは、略一致し、アダプタ本体部31の中空部34にプローブ本体部2が挿入されて、アダプタ本体部31とプローブ本体部2とが嵌合するようになっている。
【0032】
ヘッド部の筐体25の形状は、超音波プローブの種類(リニア型、コンベックス型又はセクタ型)によって異なるが、いずれの超音波プローブも、ヘッド部の筐体25はほぼ直方体の形状を成している。コンベックス型の超音波プローブにおいては、プローブ本体部2の先端2aが曲線になっているが、ヘッド部の筐体25の形状はほぼ直方体の形状であると考えても良い。
【0033】
例えばリニア型の超音波プローブの場合、図1の分解斜視図に示すように、ヘッド部の筐体25は略直方体の形状を有している。このようにヘッド部の筐体25の形状が略直方体の場合、アダプタ本体部31の中空部34にヘッド部の筐体25を嵌合させるため、中空部34の形状も略直方体としている。つまり、アダプタ本体部31は、ヘッド部の筐体25の形状と略一致する直方体状の中空部34を有し、その直方体状の中空部34にプローブ本体部2が嵌め込まれて超音波プローブ1を成している。なお、このアダプタ本体部31の外形は略直方体の形状を成しているが、外形については特に限定されず、外形は丸みがあっても構わない。
【0034】
アダプタ本体部31の上面の開口部32は、プローブ本体部2のヘッド部の筐体25が挿入可能な程度の大きさ及び形状を有している。例えば、上面部の開口部32の形状は、ヘッド部の筐体25の形状と略一致する矩形を成し、その横幅及び縦幅は、プローブ筐体25の横幅及び縦幅よりも大きい。そして、上面の開口部32からプローブ本体部2が挿入されて(図1中の矢印Cの方向)、アダプタ本体部31にプローブ本体部2が嵌め込まれるようになっている。この開口部32からプローブ本体部2が挿入されることにより、プローブ本体部2の側面部はアダプタ本体部31によって囲まれることになる。
【0035】
また、底面に形成された開口部33は、プローブ本体部2のヘッド部の筐体25の形状と略一致する矩形を成し、その横幅及び縦幅は、プローブ筐体25の横幅及び縦幅よりも小さくなっている。そのため、上面の開口部32から挿入されたプローブ本体部2は底面の開口部33を通り抜けてアダプタ本体部31を貫通することはない。後述するように、アダプタ本体部31の底面には、音響整合媒体を供給する供給部36の一部がアダプタ本体部31の内側(中空部34の中心方向)に折れ曲って段差部36bを形成しているため、その段差部36bにより底面の開口部33の大きさはヘッド部の筐体25の大きさよりも小さくなる。そのため、上面の開口部32から挿入されたプローブ本体部2は、供給部36の一部で構成されている段差部36bに接触し、その段差部36bで止められるようになっている。
【0036】
プローブ本体部2から送信された超音波は、この開口部33を通って超音波プローブ1の外部、例えば被検体に向けて送信され、また、被検体で反射された超音波は、開口部33を通ってプローブ本体部2に受信される。このように、超音波の送受信を可能にするために、アダプタ本体部31の底面に開口部33が形成されている。なお、底面の開口部33の形状は、上記のように矩形である必要はなく、丸みがあっても構わない。
【0037】
図2の断面図に示すように、アダプタ本体部31の内部には、液体又はゼリー状の音響整合媒体を収容する収容部35と、音響整合媒体をプローブ本体部2の先端2aに供給する供給部36とが格納されている。これら収容部35と供給部36は、プローブ本体部2を囲むようにアダプタ本体部31の全ての側面部内に格納されていても良く、一部の側面部内のみに格納されていても良い。
【0038】
収容部35は、音響整合媒体を収容する容器からなり、供給部36と接する面は図示しないが開口されている。この収容部35は、音響整合媒体を収容できれば良く、その材料及び形成は限定されない。例えば、収容部35にはプラスチックなどの容器が用いられる。
【0039】
音響整合媒体は、超音波プローブ1と被検体の体表との音響整合を良好にして、効率良く超音波の送受信を行うための物質である。この音響整合媒体は、超音波診断装置を用いた検査に用いられる既知の物質であり、液状又はゼリー状の物質からなる。なお、音響整合媒体は、一般的に、「超音波ゼリー」又は「カップリング媒体」などと称されている。
【0040】
また、収容部35に接して供給部36が設けられている。この供給部36は、収容部35に収容されている音響整合媒体を含浸してアダプタ本体部31の底面に音響整合媒体を供給する。この供給部36の上面は収容部35に接し、底面はアダプタ本体部31から露出している。また、供給部36の下部はアダプタ本体部31の内側(中空部34の中心方向)に折れ曲り、その折れ曲った部分で段差部36bを形成している。図2の断面図に示すように、供給部36はその一部分がアダプタ本体部31の内側に折れ曲ることによりL字型の形状を有して、折れ曲った部分で段差部36bを形成している。プローブ本体部2がアダプタ本体部31の中空部34に挿入されると、供給部36の一部で形成されている段差部36bにプローブ本体部2の先端2aが接触することにより、その段差部36bでプローブ本体部2が止められ、プローブ本体部2がアダプタ本体部31を貫通することはない。
【0041】
供給部36には、例えば、連続多孔質部材又は繊維束などが用いられるが、これら以外の物であっても良い。音響整合媒体を含浸できる物資であれば供給部36に用いることができる。例えば、布切れや紙やスポンジなどであっても音響整合媒体を含浸することができるため、供給部36に用いることができる。
【0042】
ここで、連続多孔質部材について詳しく説明する。連続多孔質部材は、多数の気孔36aが形成された固体物質である。この実施形態に係る供給部36に用いられる連続多孔質部材の気孔36aは、気孔36a同士が繋がっている。つまり、気孔36a同士の壁に小さな孔が開いていることで、気孔36a同士が繋がっている。従って、連続多孔質部材は、液体又はゼリー状の音響整合媒体を吸い込むことができる。また、連続多孔質部材は、毛細現象により音響整合媒体を通過させることも可能である。
【0043】
この実施形態に用いられる連続多孔質部材の各気孔36aの大きさは互いに同じ大きさであっても良く、互いに異なる大きさであっても良い。説明を簡便にするために、図2においては気孔36aを模式的に示し、その形状を球としているが、どのような形状であっても構わない。連続多孔質部材には、不規則な気孔の構造を有するものや、連続多孔質部材のなかで気孔36aの大きさに分布があるものが存在する。また、規則的な気孔の構造を有するものもある。また、気孔36aの大きさは、数nm〜数μmとなっている。連続多孔質部材として、例えば、発泡・熱可塑性ポリウレタン、脱炭カル・熱可塑性ポリウレタン、湿式焼結・熱可塑性ポリウレタン、脱炭カル・ポリオレフィン、nbrゴムスポンジ(二トリルゴム系スポンジ)、塩ビペーストの機械発泡体などが挙げられる。
【0044】
また、この実施形態に係る供給部36を構成する連続多孔質部材の多孔度は、供給部36内でほぼ均一となっている。この多孔度は、連続多孔質部材の単位面積Vのなかで気孔が占める体積Vの割合「V/V」で定義される。従って、供給部36を構成する連続多孔質部材は、気孔36aが占める体積の割合「V/V」が供給部36内で均一となっている。なお、供給部内で多孔度が不均一となる例については、後述する変形例で説明する。
【0045】
(作用)
次に、この発明の実施形態に係る超音波プローブの作用及び効果について図3及び図4を参照しつつ説明する。図3は、この発明の実施形態に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図のA−A断面図である。図4は、この発明の実施形態に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図の矢印Bの方向(底面方向)から見た平面図である。ここでは、供給部36に連続多孔質部材を用いた例について説明する。
【0046】
超音波プローブ1を用いて超音波検査を行うときには、図3に示すように、プローブ本体部2をアダプタ本体部31の開口部32から挿入して、プローブ本体部2とアダプタ本体部31とを嵌合させ、そのことにより、プローブ本体部2に音響整合媒体補充アダプタ3を装着させる。アダプタ本体部31の底面には、供給部36の一部分がアダプタ本体部31の内側(中空部34の中心方向)に向かって折れ曲って段差部36bを形成しているため、プローブ本体部2の先端2aはその段差部36bに接触し、プローブ本体部2はアダプタ本体部31の中空部34内で止められることになる。
【0047】
また、供給部36がアダプタ本体部31の内側(中空部34の中心方向)に向かって折れ曲って段差部36bを形成しているため、プローブ本体部2の先端2aと被検体50の体表との間に空間34aが形成される。そして、供給部36から供給された音響整合媒体が、この空間34aに補充されることになる。また、その空間34aは供給部36の一部分で形成された段差部36bで囲まれているため、その空間34aから音響整合媒体が外部に逃げ難くい構造となっている。
【0048】
収容部35に収容されている音響整合媒体は連続多孔質部材からなる供給部36に吸収され、供給部36内を図3中の矢印の方向に徐々に移動し、供給部36の先端から染み出して空間34aに自動的に供給される。これにより、プローブ本体部2と被検体50の体表との間に音響整合媒体が自動的に補充されることになる。
【0049】
また、プローブ本体部2はアダプタ本体部31により囲まれているため、図4(a)の平面図に示すように、四方(図4(a)中の矢印の方向)から音響整合媒体が空間34aに供給される。また、供給部36がアダプタ本体部31の一部の側面部内に格納されている場合は、図4(a)に示すように四方から音響整合媒体は供給されず、図4(b)に示すように、一部の側面部から音響整合媒体が供給されることになる(図4(b)中の矢印の方向)。
【0050】
この状態で、超音波プローブ1を被検体50の体表上で動かしても、音響整合媒体が補充される空間34aは供給部36の一部分で形成された段差部36bで囲まれているため、その空間34aにある音響整合媒体は外部に逃げ難くなる。さらに、供給部36から音響整合媒体が、徐々にプローブ本体部2と被検体50の体表との間にできた空間34aに供給されるため、プローブ本体部2の先端2aと被検体50との間の空間34aに、従来技術に係る超音波プローブのように空隙ができ難くなる。
【0051】
さらに、供給部36は、多数の気孔36aが形成された連続多孔質部材からなるため、供給部36から一気に音響整合媒体がプローブ本体部2の先端2aに供給されることはなく、徐々に染み出して供給されることになる。そのことにより、良好な画像を得るために必要以上に音響整合媒体が供給されることなく、適度な量の音響整合媒体が自動的に供給されることになる。
【0052】
また、連続多孔質部材以外に、繊維束を供給部36に用いても、連続多孔質部材を用いた場合と同じ作用及び効果を奏することが可能となる。つまり、繊維束に音響整合媒体が染み込み、徐々にプローブ本体部2の先端2aに音響整合媒体が自動的に供給される。これにより、良好な画像を得るために適度な量の音響整合媒体がプローブ本体部2の先端2aに自動的に供給されることになる。
【0053】
さらに、連続多孔質部材又は繊維束以外に、布切れや紙やスポンジなどを用いた場合も、音響整合媒体を吸い込んで、徐々にプローブ本体部2の先端2aに音響整合媒体を供給することが可能である。
【0054】
以上のように、供給部36に連続多孔質部材や繊維束などを用いることにより、プローブ本体部2の先端2aと被検体50の体表との間に音響整合媒体を徐々に供給することが可能となる。
【0055】
また、供給部36に連続多孔質部材又は繊維束などを用いることで、自動的に音響整合媒体がプローブ本体部2の先端2aに供給されるため、検査者が収容部35から音響整合媒体を強制的にプローブ本体部2の先端2aに押し出す必要がない。
【0056】
さらに、超音波プローブ1を逆さまにして、プローブ本体部2の先端2aが上を向いた状態であっても、毛細現象により、プローブ本体部2の先端2aに音響整合媒体を供給することが可能となる。
【0057】
(変形例)
次に、この発明の実施形態に係る超音波プローブの変形例について説明する。変形例に係る超音波プローブでは、アダプタ本体部31内に格納されている供給部の構成が、上述した実施形態に係る供給部36の構成と異なる。上述した実施形態に係る供給部36を構成する連続多孔質部材の多孔度は、供給部36内でほぼ均一であったが、この変形例に係る供給部を構成する連続多孔質部材の多孔度は、アダプタ本体部31の底面(プローブ本体部2の先端2a)に向かうほど小さくなっている。つまり、連続多孔質部材の多孔度は、音響整合媒体が供給される方向に向かって徐々に小さくなっている。
【0058】
多孔度が異なることで、音響整合媒体の供給量が異なる。つまり、多孔度が大きい連続多孔質部材ほど、音響整合媒体を含浸する量が多くなり、供給する量も多くなる。一方、多孔度が小さい連続多孔質部材ほど、音響整合媒体を含浸する量が少なくなり、供給量も少なくなる。連続多孔質部材の多孔度を、アダプタ本体部31の底面(プローブ本体部2の先端2a)に向かうほど小さくすることにより、アダプタ本体部31の底面に向かうほど、音響整合媒体の供給量を徐々に少なくすることができる。これにより、空間34aの直前までは音響整合媒体は連続多孔質部材内をスムーズに移動するが、直前になって供給量が減少するため、音響整合媒体は空間34aに一気に供給されずに徐々に供給されることになる。そのことにより、良好な画像を得るために必要以上に音響整合媒体が供給されることなく、適度な量の音響整合媒体が自動的に供給され続けることになる。
【0059】
次に、供給部を構成する連続多孔質部材の多孔度を異ならしめる具体的な構成を、変形例1及び変形例2として説明する。
【0060】
(変形例1)
この発明の実施形態に係る超音波プローブの変形例1について図5を参照しつつ説明する。図5は、この発明の変形例1に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図のA−A断面図である。
【0061】
この変形例1では、アダプタ本体部31内に格納されている供給部37の構成が、上述した実施形態に係る供給部36と異なる。上述した実施形態に係る供給部36は、1種類の連続多孔質部材で構成されていたが、この変形例1では、供給部37は2種類の異なる連続多孔質部材で構成されている。
【0062】
この変形例1に係る供給部37は、収容部35と接して設置された第1の供給部38と、その第1の供給部38に接し、一部分がアダプタ本体部31から露出している第2の供給部39とを備えて構成されている。第2の供給部39は、その一部分がアダプタ本体部31の内側(中空部34の中心方向)に折れ曲って段差部39bを形成している。プローブ本体部2の先端2aはその段差部39bに接触することで、アダプタ本体部31の中空部34内に停止させられている。
【0063】
第1の供給部38及び第2の供給部39は、ともに連続多孔質部材で構成されているが、気孔の大きさが異なる。第1の供給部38を構成する連続多孔質部材の気孔38aは、第2の供給部39を構成する連続多孔質部材の気孔39aよりも、その大きさが大きい。このように連続多孔質部材の気孔の大きさを変えることにより、各連続多孔質部材の多孔度を異ならしめている。例えば、気孔の大きさを大きくすることで、気孔が占める体積Vの割合「V/V」を大きくし、気孔の大きさを小さくすることで、気孔が占める割合「V/V」を小さくする。この実施形態においては、第1の供給部38を構成する連続多孔質部材の気孔38aの大きさを、第2の供給部39を構成する連続多孔質部材の気孔39aの大きさよりも大きくすることにより、第1の供給部38を構成する連続多孔質部材の多孔度を、第2の供給部39を構成する連続多孔質部材の多孔度よりも大きくしている。
【0064】
連続多孔質部材の気孔の大きさが異なって多孔度が異なることにより、音響整合媒体の吸収量及び供給量は、第1の供給部38と第2の供給部39とで異なる。気孔の大きさを大きくして多孔度が大きくなるほど、音響整合媒体の吸収量及び供給量が多くなり、気孔の大きさを小さくして多孔度が小さくなるほど、音響整合媒体の吸収量及び供給量が少なくなる。この変形例1に係る超音波プローブ1は、この現象を利用したものである。この変形例1では、アダプタ本体部31の底面、つまりプローブ本体部2の先端2aに向かうほど、大きさが小さい気孔を有する供給部を設置している。つまり、アダプタ本体部31の底面(プローブ本体部2の先端2a)に向かって、収容部35、第1の供給部38、第2の供給部39の順番で各部を設置している。このように各部を設置することで、第1の供給部38は収容部35から音響整合媒体を吸収し、第2の供給部39に音響整合媒体を供給する。第2の供給部39は、第1の供給部38から供給された音響整合媒体をプローブ本体部2の先端2aに供給する。この場合、第2の供給部39の一部分で形成された段差部39bによって囲まれた空間34aに音響整合媒体を供給する。
【0065】
このように各部を設置することで、収容部35から第1の供給部38に吸い込まれる音響整合媒体の量(吸収量)は多くなるが、第1の供給部38から第2の供給部39に吸い込まれる音響整合媒体の量(吸収量)は少なくなる。これにより、段差部39bによって囲まれた空間34aの直前までは音響整合媒体は連続多孔質部材内をスムーズに移動するが、直前になって供給量が減少するため、音響整合媒体は空間34aに一気に供給されずに徐々に供給されることになる。そのことにより、良好な画像を得るために必要以上に音響整合媒体が供給されることなく、適度な量の音響整合媒体が自動的に供給され続けることになる。
【0066】
なお、この変形例1では、2種類の連続多孔質部材を用いた例について説明したが、この発明はこの例に限定されることはない。3種類以上の連続多孔質部材を供給部に用いても良い。3種類以上の連続多孔質部材を用いた場合も、超音波プローブ1の先端に向かうほど、気孔の小さい連続多孔質部材を設置する。
【0067】
また、この変形例1に係る超音波プローブであっても、供給部37に連続多孔質部材又は繊維束など用いているため、上述した実施形態に係る超音波プローブのように、プローブ本体部2の先端2aと被検体50の体表との間に形成された空間34aに音響整合媒体が自動的に供給されるため、従来技術のように検査を中断して検査者が手動で音響整合媒体を供給する必要がない。
【0068】
(変形例2)
次に、この発明の実施形態に係る超音波プローブの別の変形例について図6を参照しつつ説明する。図6は、この発明の変形例2に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図のA−A断面図である。
【0069】
変形例2では、アダプタ本体部31内に格納されている供給部40の構成が、上述した実施形態に係る供給部36、及び変形例1に係る供給部37と異なる。この変形例2に係る供給部40は、大きさが異なる気孔が連続して形成された1つの連続多孔質部材で構成されている。
【0070】
図6に示す例においては、供給部40は、3種類の気孔40a、40b及び40cが形成された連続多孔質部材で構成されている。これらの気孔のうち、気孔40aの大きさが最も大きく、次に、気孔40bが大きく、気孔40cは3つの気孔の中で最も小さい。アダプタ本体部2の底面(プローブ本体部2の先端2a)に向かうほど、小さい気孔が形成されている。この変形例2では、収容部35に近い位置には最も大きい気孔40aが形成され、アダプタ本体部31の底面(プローブ本体部2の先端2a)に向かうにつれて、次に大きい気孔40bが形成され、アダプタ本体部31の底面(プローブ本体部2の先端2a)付近では、気孔40cが形成されている。このようにアダプタ本体部31の底面(プローブ本体部2の先端2a)に向かうにつれて徐々に気孔の大きさを小さくすることにより、連続多孔質部材の多孔度は、アダプタ本体部31の底面(プローブ本体部2の先端2a)に向かうにつれて徐々に小さくなっていく。これにより、アダプタ本体部31の底面(プローブ本体部2の先端2a)に向かうほど、音響整合媒体の供給量を徐々に少なくすることが可能となる。
【0071】
以上のように、アダプタ本体部31の底面(プローブ本体部2の先端2a)に向かうにつれて、気孔の大きさを小さくして多孔度を小さくすることにより、空間34aの直前までは音響整合媒体は連続多孔質部材内をスムーズに移動するが、直前になって音響整合媒体の供給量が減少するため、音響整合媒体は空間34aに一気に供給されずに徐々に供給されることになる。そのことにより、良好な画像を得るために必要以上に音響整合媒体が供給されることなく、適度な量の音響整合媒体が自動的に供給され続けることになる。
【0072】
また、この変形例2に係る超音波プローブであっても、供給部40に連続多孔質部材又は繊維束などを用いているため、上述した実施形態に係る超音波プローブのように、プローブ本体部2の先端2aと被検体50の体表との間に形成された空間34aに音響整合媒体が自動的に供給されるため、従来技術のように検査を中断して検査者が手動で音響整合媒体を供給する必要がない。
【0073】
(変形例3)
次に、この発明の実施形態に係る超音波プローブの更に別の変形例について図7を参照しつつ説明する。図7は、この発明の変形例3に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す断面図である。
【0074】
変形例3では、アダプタ本体部31内に格納されている供給部41の形状が、上述した供給部36、供給部37、及び供給部40と異なる。この変形例3では、供給部41の一部分は中空部34内に突出しておらず、従って、上記実施形態及び変形例と異なり、中空部34内で段差部が形成されていない。このような構成を有する音響整合媒体補充アダプタ3であっても、供給部41に連続多孔質部材又は繊維束を用いることにより、音響整合媒体を中空部34内、特にプローブ本体部2の先端2aに自動的に供給することが可能となる。
【0075】
また、供給部41に連続多孔質部材を用いる場合、変形例1に係る供給部37のように2種類以上の連続多孔質部材を用いても良く、また、変形例2に係る供給部40のように、大きさが異なる気孔が連続して形成された1つの連続多孔質部材を用いても良い。
【0076】
(変形例4)
次に、この発明の実施形態に係る超音波プローブの更に別の変形例について図8を参照しつつ説明する。図8は、この発明の変形例4に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す断面図である。
【0077】
この変形例4に係る超音波プローブにおいては、収容部42の上面に開口部42aが形成され、その開口部42aに加圧板43が挿入されている。この加圧板43は検査者によって上下方向に移動可能に設置されている。つまり、加圧板43は収容部42内で上下に移動可能となっている。そして、その加圧板43をアダプタ本体部31の底面側に押下することで、加圧板43により収容部42に収容されている音響整合媒体を強制的に供給部36側に押し出す。これにより、供給部36による音響整合媒体の吸収が速くなる。例えば、検査の開始時に加圧板43を押下して強制的に音響整合媒体を供給部36に吸収させ、供給部36からプローブ本体部2の先端2aに供給する。検査の開始時においては、多量の音響整合媒体が必要となるため、このように強制的に音響整合媒体を押し出すことで、検査の開始時に必要な音響整合媒体をプローブ本体部2の先端2aに供給することが可能となる。
【0078】
また、検査を行っている最中は、上述した実施形態及び変形例1から変形例3に係る超音波プローブのように、供給部から自動的に音響整合媒体がプローブ本体部2の先端2aに徐々に供給される。そのため、検査を行っている最中においては、加圧板43を押下しなくても、検査に適した量の音響整合媒体が徐々に供給されることになる。なお、検査の最中に多量の音響整合媒体が必要となった場合は、必要に応じて加圧板43を押下して強制的に音響整合媒体を供給することもできる。
【0079】
なお、この変形例4では、上記実施形態に係る供給部36を備えた超音波プローブの例について説明したが、変形例1から変形例3に係る供給部を備えた超音波プローブに加圧板を設置しても、上述した作用及び効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】この発明の実施形態に係る超音波プローブの概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】この発明の実施形態に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図のA−A断面図である。
【図3】この発明の実施形態に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図のA−A断面図である。
【図4】この発明の実施形態に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図の矢印Bの方向(底面方向)から見た平面図である。
【図5】この発明の変形例1に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図のA−A断面図である。
【図6】この発明の変形例2に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す図であり、図1に示す分解斜視図のA−A断面図である。
【図7】この発明の変形例3に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す断面図である。
【図8】この発明の変形例4に係る超音波プローブに設置されている音響整合媒体補充アダプタの概略構成を示す断面図である。
【図9】従来技術に係る超音波プローブの概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 超音波プローブ
2 プローブ本体部
3 音響整合媒体補充アダプタ
21 背面材
22 超音波振動子
23 音響整合層
24 音響レンズ
25 ヘッド部の筐体
31 アダプタ本体部
32 上面の開口部
33 底面の開口部
34 中空部
35、42 収容部
36、37、40 供給部
38 第1の供給部
39 第2の供給部
36a、38a、39a、40a、40b、40c 気孔
36b、39b、40d 段差部
43 加圧板
50 被検体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部を介して超音波振動子により超音波の送信及び受信を行うプローブ本体部と、
側面部及び前記側面部で囲まれた中空部を有し、前記中空部に前記プローブ本体部が挿入されることにより、前記側面部で前記プローブ本体部を囲む音響整合媒体補充アダプタと、を備え、
前記音響整合媒体補充アダプタは、
前記側面部内に、液状又はゼリー状の音響整合媒体と供給部材とを備え、
前記供給部材は、前記音響整合媒体を含浸して前記含浸した音響整合媒体を前記中空部内の前記プローブ本体部の先端部に供給するように形成されることを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】
前記音響整合媒体補充アダプタは、上面及び底面に開口部が形成され、前記上面から前記中空部に前記プローブ本体部が挿入されることにより、前記側面部で前記プローブ本体部を囲み、
前記供給部材は前記底面側に設置され、少なくとも一部分が前記側面部内から前記中空部に露出し、前記音響整合媒体を含浸して前記含浸した音響整合媒体を前記中空部内の前記プローブ本体部の先端部に供給することを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記供給部材は、前記音響整合媒体を含浸して毛細現象により前記含浸した音響整合媒体を前記中空部内に供給することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記供給部材は、その一部分が前記側面部内から前記中空部に向けて突出して段差部を形成していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記供給部材は、繊維束又は連続多孔質部材からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記供給部材は連続多孔質部材からなり、前記連続多孔質部材の単位体積Vのなかで気孔が占める体積Vの割合(V/V)が、前記音響整合媒体が供給される方向に徐々に小さくなっていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記供給部材は、前記音響整合媒体が供給される方向に徐々に気孔が小さくなるように形成された連続多孔質部材からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波プローブ。
【請求項8】
上面及び底面に開口部が形成され、側面部と、前記側面部で囲まれた中空部と、前記側面部内に設けられた液状又はゼリー状の音響整合媒体と、前記側面部内かつ前記底面側に設置され、少なくとも一部分が前記側面部内から前記中空部に露出した供給部材と、を備え、
前記上面から前記中空部に超音波プローブが挿入されることにより、前記側面部で前記超音波プローブを囲み、
前記供給部材は前記音響整合媒体を含浸して前記含浸した音響整合媒体を前記中空部内に供給することを特徴とする音響整合媒体補充アダプタ。
【請求項9】
前記供給部材は、前記音響整合媒体を含浸して毛細現象により前記含浸した音響整合媒体を前記中空部内に供給することを特徴とする請求項8に記載の音響整合媒体補充アダプタ。
【請求項10】
前記供給部は、繊維束又は連続多孔質部材からなることを特徴とする請求項8又は請求項9のいずれかに記載の音響整合媒体補充アダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−14606(P2007−14606A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−200281(P2005−200281)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】