説明

超音波圧電アクチュエータのための駆動回路および駆動方法

圧電アクチュエータを駆動するための駆動回路、および圧電アクチュエータを駆動する方法は、圧電アクチュエータに結合されたインピーダンスを利用し、インピーダンスと圧電アクチュエータとは共に、共振周波数を有するタンク回路を形成する。アクチュエータを共振周波数で駆動する第1の回路が提供され、第1の回路を、第1のデューティサイクルでアクチュエータが付勢されるようにする第1のモードと、第2のデューティサイクルでアクチュエータが付勢されるようにする第2のモードとを含む、少なくとも2つの動作モードのうちの1つで選択的に動作させる、第2の回路がさらに提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電歪トランスデューサのための駆動回路に関し、より詳細には、圧電アクチュエータのための駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年11月2日出願の「Control and Integrated Circuit for a Multisensory Apparatus(多感覚装置のための制御および集積回路)」と題された米国特許出願第11/264,952号の一部継続出願であり、米国特許出願第11/264,952号は、2005年5月27日出願の「Active Material Emitting Device(活性物質放出装置)」と題された米国特許出願第11/140,329号の一部継続出願であり、米国特許出願第11/140,329号は、2005年2月3日出願の「Device Providing Coordinated Emission of Light and Volatile Active(光および揮発性活性体の統合放出を提供する装置)」と題された米国特許出願第11/050,242号の一部継続出願であり、米国特許出願第11/050,242号は、2004年2月3日出願の米国仮特許出願第60/541,067号の利益を主張するものであり、さらに、2005年2月3日出願の「Device Providing Coordinated Emission of Light and Volatile Active(光および揮発性活性体の統合放出を提供する装置)」と題された米国特許出願第11/050,169号の一部継続出願であり、米国特許出願第11/050,169号は、2004年2月3日出願の米国仮特許出願第60/541,067号の利益を主張するものであり、さらに、2005年10月11日出願の「Compact Spray Decice(小型スプレー装置)」と題された米国特許出願第11/247,793号の一部継続出願であり、米国特許出願第11/247,793号は、2004年10月12日出願の米国仮特許出願第60/617,950号の利益を主張するものであり、さらに、2006年4月11日出願の「Electronic Aerosol Device(電子エアロゾル装置)」と題された米国特許出願第11/401,572号の一部継続出願である。
連邦政府の支援による研究または開発に関する記載
該当せず。
配列表
該当せず。
【0003】
圧電アクチュエータに有用な働きを実行させるための、圧電アクチュエータに対して有用な駆動回路が開発されている。アクチュエータを、特定の単一周波数で、または周波数の範囲で振動させるための、さまざまな方法が利用されている。さらに、圧電アクチュエータは、単一の、または複数の曲げモード(bending modes)で振動するように設計されることが可能である。
【0004】
WISP(登録商標)の商標の下で、本出願の譲受人によって販売されている製品は、空気清浄化の目的のために揮発性液体を分配する。WISP(登録商標)ブランドの芳香剤ディスペンサは、曲面板に結合された圧電アクチュエータを含み、曲面板は、それを通して延伸する複数の小さなオリフィスを有する。流体の形態の揮発性芳香剤はリフィル容器入りで供給され、リフィル容器は、リフィル容器が芳香剤ディスペンサ内の動作位置に配置された場合に芳香剤を曲面板に搬送する、芯を有する。圧電アクチュエータを周期的に動作させ、それにより、選択可能な放出頻度で芳香剤の液滴の放出を発生させるための、電気回路が提供される。具体的には、電気回路は、スイッチの位置に応答して、一連の放出シーケンスを生じさせ、ここで、連続した放出シーケンスは、スイッチの位置に応じた期間によって時間的に相互に隔てられる。電気回路は、圧電アクチュエータのための駆動電圧を生じさせる特定用途向け集積回路(ASIC)を含み、駆動電圧は、各放出シーケンスの間、予め選択された周波数限界の間の周波数で漸増および漸減させられる。このアプローチは、適切な噴霧化が達成されるように、放出シーケンスの少なくとも一部にわたって、圧電アクチュエータをその共振周波数のうちの1つで駆動することが望ましい、という事実を考慮に入れるために、および、共振周波数はアクチュエータごとに変化するという事実により、利用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
周波数帯の全体にわたって駆動電圧を掃引する必要性は、消費電力の増加をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、圧電アクチュエータのための駆動回路が、圧電アクチュエータに結合されたインピーダンスを含み、インピーダンスと圧電アクチュエータとは共に、共振周波数を有するタンク回路を形成する。第1の回路は、アクチュエータを共振周波数で駆動する。第1の回路は、タンク回路に結合された電流検出器を含み、電流検出器は、回路内の電流の流れを表す電流信号を生じさせる。電流信号を位相シフトさせるために、フィードバックキャパシタが抵抗に結合され、第2の回路は、位相シフトさせられた電流信号とゲート信号とに応答する。第2の回路は、第1の回路を、第1のデューティサイクルでアクチュエータが付勢されるようにする第1のモードと、第1のデューティサイクルよりも大きな第2のデューティサイクルでアクチュエータが付勢されるようにする第2のモードとを含む、少なくとも2つの動作モードのうちの1つで選択的に動作させる。
【0007】
本発明の別の態様によれば、揮発性物質を分配する圧電アクチュエータのための駆動回路が、圧電アクチュエータに結合されたインピーダンスを含み、インピーダンスと圧電アクチュエータとは共に、共振周波数を有するタンク回路を形成する。第1の回路は、アクチュエータを共振周波数で駆動し、第1の回路は、タンク回路に結合された電流検出器を含み、電流検出器は、タンク回路内の電流の流れを表す電流信号を生じさせる。電流信号を位相シフトさせるために、フィードバックキャパシタが抵抗に結合され、第2の回路は、位相シフトさせられた電流信号とゲート信号とに応答して、第1の回路を少なくとも2つの動作モードのうちの1つで選択的に動作させる。第1の動作モードは、第1のレートでアクチュエータが揮発性物質を分配するようにさせ、第2の動作モードは、第1のレートよりも大きな第2のレートでアクチュエータが揮発性物質を分配するようにさせ、第1のモードは、駆動回路の始動時にアクチュエータを自動的に周期的に付勢することを含み、第2のモードは、第2のモードが選択された場合に、第1のモードを一時的に無効にする。
【0008】
本発明のさらに別の態様によれば、圧電アクチュエータを駆動する方法が、圧電アクチュエータにインピーダンスを結合するステップを含み、ここで、インピーダンスと圧電アクチュエータとは共に、共振周波数を有するタンク回路を形成する。この方法は、さらに、アクチュエータを共振周波数で駆動する第1の回路を提供するステップを含み、ここで、第1の回路は、タンク回路に結合された電流検出器を含み、電流検出器は、タンク回路内の電流の流れを表す電流信号を生じさせる。電流信号を位相シフトさせるために、フィードバックキャパシタが抵抗に結合され、そして、位相シフトさせられた電流信号とゲート信号とに応答し、かつ、第1の回路を少なくとも2つの動作モードのうちの1つで選択的に動作させる、第2の回路が提供される。第1の動作モードは、第1のデューティサイクルでアクチュエータが付勢されるようにし、第2の動作モードは、第1のデューティサイクルよりも大きな第2のデューティサイクルでアクチュエータが付勢されるようにする。
【0009】
本発明のその他の態様および利点は、以下の図面および詳細な説明を考慮すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】圧電アクチュエータのための駆動回路の一般化されたブロック図である。
【図2】図1の駆動回路の第1の実施形態の概略図である。
【図3】図1の駆動回路の第2の実施形態の概略図である。
【図4】図1の駆動回路の第3の実施形態の概略図である。
【図5】図1の駆動回路の第4の実施形態の概略図である。
【図6】図1の駆動回路の第5の実施形態の概略図である。
【図6A】図6の駆動回路の動作を示すフローチャートである。
【図7】図1の駆動回路の第6の実施形態のブロック図である。
【図7A】図7の第6の実施形態の例示的な概略図である。
【図8】図1の駆動回路の第7の実施形態の概略図である。
【図8A】個別部品を使用した、図8の実施形態の一部の実装の概略図である。
【図9】図1の駆動回路の第8の実施形態の概略図である。
【図10A】図7Aの回路の動作を示すフローチャートである。
【図10B】図7Aの回路の動作を示すフローチャートである。
【図11】図1の駆動回路の第9の実施形態の概略図である。
【図12】1つ以上のLEDと組み合わせた、本明細書で開示されている任意の実施形態の駆動回路の使用を示す、ブロック図である。
【図13】本発明の第10の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面全体を通して、同様のまたは対応する参照番号は、同様のまたは対応する部分について使用される。
【0012】
本明細書で開示されるのは、圧電アクチュエータを駆動するための回路であって、インダクタなどの1つ以上のインピーダンスがアクチュエータに結合された、回路である。インダクタの目的は、アクチュエータの寄生並列容量と連携して、インピーダンス変換ネットワークとして働くことである。具体的には、圧電アクチュエータは、高電圧と低電流とを必要とし、一方、アクチュエータに結合される駆動回路は、低電圧と高電流とをアクチュエータに提供する。インダクタと寄生容量との組み合わせは、駆動回路の低インピーダンス出力を、アクチュエータの高インピーダンスに、効率的に変換する。
【0013】
インピーダンス変換ネットワークのリアクタンスと圧電トランスデューサとの組み合わせ(その全体はタンク回路を構成する)は、回路が動作する周波数を決定する。
【0014】
WISP(登録商標)ブランドの芳香剤ディスペンサにおいて使用される作動回路と、本明細書で開示される実施形態との間の1つの違いは、インピーダンス変換の、この方法である。WISP(登録商標)ブランドの芳香剤ディスペンサの作動回路は、インピーダンス変換のための変成器を使用するが、トランスデューサの寄生並列容量は利用しない。
【0015】
別の大きな違いは、圧電トランスデューサの、予想されるが未知の実際の共振周波数の周囲の範囲内で周波数を掃引する代わりに、本明細書で開示される実施形態では、トランスデューサの共振周波数を検知し、そしてその周波数においてトランスデューサを作動させるということである。
【0016】
本明細書で開示されるすべての実施形態は、これらの2つのことを、経済的/実際的に行う方法を組み込む。
【0017】
本実施形態のハーフブリッジ/フルブリッジ実装は、ASICのための最も安価な実装であるが、可能な実装はこれらのみではない。例えば、単一トランジスタを使用した、変成器と誘導性および容量性のインピーダンス変換ネットワークとの組み合わせが使用されてもよい。
【0018】
本明細書で開示される回路は、さらに、圧電トランスデューサの正しい共振周波数を検知する方法を実装する。そのような方法としては、以下が挙げられる。
【0019】
1.直接フィードバック方法。独立した発振器をそれ自体では有さず、検知回路もないが、他の回路と組み合わされた場合に、回路全体を発振器に変換する。
【0020】
2.PLLおよび同期発振器。正しいトランスデューサ周波数にロックするために、これらのいずれかが使用されてもよい。
【0021】
3.ディザ方法。独立した発振器を使用し、発振器の周波数を「ふらつかせて(dithers)」、トランスデューサを通る最大電流を見つける。
【0022】
本実施形態では、フィードバック機構は、トランスデューサを通る電流を、例えば、1つ以上の抵抗またはダイオードにわたって生じる値として検知する。抵抗は、独立した抵抗であってもよく、または、駆動トランジスタの寄生抵抗であってもよい。
【0023】
直接フィードバック方法を除き、発振器周波数は、電圧制御されるか、またはデジタル的に合成されてもよい。実施形態における回路の平衡は、すべての回路の適切な動作のために必要とされる供給電圧を生成すること、および、圧電トランスデューサが、いつ、どれだけの期間、作動させられるかを制御するためのユーザインタフェースを提供することという、2つの目的を有する。
【0024】
図1を参照すると、駆動回路120は、圧電アクチュエータ126と1つ以上のリアクティブ部品128とを備えたタンク回路124に結合された、増幅/駆動回路122を含む。部品(1つまたは複数)128は、必要に応じて、または望ましい場合、抵抗性の、および/またはその他の部品を含んでもよい。実線130によって表されるフィードバック経路は、1つ以上の部品128にわたって生じる、または1つ以上の部品128を通して流れる、電力のパラメータを検出し、そして、増幅/駆動回路122の増幅部分に提供されるフィードバック信号を生じさせる。別法として、またはそれに加えて、破線131によって表される第2のフィードバック経路が、圧電アクチュエータ126にわたって生じる、または圧電アクチュエータ126を通して流れる、電力のパラメータを検出して、フィードバック信号を生じさせ、そのフィードバック信号は、増幅/駆動回路122の増幅部分に単独で提供されてもよく、あるいは、ことによるとライン130上のフィードバック信号を含む、1つ以上の他のフィードバック信号と合計されるか、またはその他の方法で組み合わされて、回路122に提供されてもよい。
【0025】
圧電アクチュエータ126は、例えば、芳香剤またはその他の揮発性物質の分配装置の部分である、圧電素子を含んでもよい。例えば、装置は、WISP(登録商標)の商標の下で本出願の譲受人によって販売されている、芳香剤分配装置を含んでもよい。圧電素子は、交換可能な流体リザーバの部分を形成する毛管芯によって伝えられる液体と流体接触して配置された多孔オリフィス板を振動させる。そのような装置は、本出願の譲受人が所有する、2002年5月24日出願のBoticki(ボティッキ)らによる米国特許第6,843,430号明細書で開示されており、この米国特許の開示は参照により本明細書に援用される。あるいは、圧電アクチュエータは、殺虫剤などの、異なる揮発性物質を分配するために使用されてもよく、または、所望に応じて、揮発性物質を分配すること以外の有用な働きをもたらしてもよい。例えば、本発明は、別法として、本出願の譲受人が所有する、2006年6月29日出願の「Apparatus for and Method of Dispensing Active Materials(活性物質を分配するための装置および活性物質を分配する方法)」と題された米国特許出願第11/427,714号明細書、2005年5月18日出願の「Diffusion Device and Method of Diffusing(拡散装置および拡散方法)」と題された米国特許出願第11/131,718号明細書、2005年11月2日出願の「Control and Integrated Circuit for a Multisensory Apparatus(多感覚装置のための制御および集積回路)」と題された米国特許出願第11/264,952号明細書、2006年4月11日出願の「Electronic Aerosol Device(電子エアロゾル装置)」と題された米国特許出願第11/401,572号明細書、2006年7月14日出願の「Diffusion Device(拡散装置)」と題された米国特許出願第11/457,728号明細書で開示されている、任意の装置内で利用されてもよく、これらの米国特許出願の開示は参照により本明細書に援用される。
【0026】
残りの図面は、図1によるさまざまな実施形態を示す。本明細書で開示される実施形態のそれぞれにおいて、リアクティブ部品128は、圧電アクチュエータ126と好ましくは直列に結合されたインダクタL1を含むが、リアクティブ部品の組み合わせ(すなわち、直列および/または並列関係で、ならびに/あるいは、直列および/または並列関係の組み合わせで接続された、インダクタ(1つまたは複数)および/またはキャパシタ(1つまたは複数))、および/または、抵抗性部品、および/または、さらには非線形部品が使用されてもよい。
【0027】
次に、図2を参照すると、増幅/駆動回路122は、ライン132上に生じる調整電圧と接地電位との間にフルブリッジ構成で結合された、4つのトランジスタQ1〜Q4を含む。インダクタL1と圧電アクチュエータ126との直列接続は、トランジスタQ1、Q2およびQ3、Q4のドレイン電極の間の、それぞれ、接合部134、136にわたって結合される。抵抗R1およびR2は、ライン132と、それぞれ、トランジスタQ1およびQ3のゲート電極との間に結合される。キャパシタC1およびC2は、それぞれ、トランジスタQ1、Q2およびQ3、Q4のゲート電極の間に結合される。トランジスタQ2のゲート電極は、第1のNANDゲート138の出力に結合され、トランジスタQ4のゲート電極は、第2のNANDゲート140の出力に結合される。さらに、ダイオードD1およびD2が、それぞれ、トランジスタQ1およびQ3のゲート電極と、ライン132との間に結合される。キャパシタC1とダイオードD1と抵抗R1とは、NANDゲート138からの低電圧信号から、P−FETトランジスタQ1を駆動するための、自己バイアス、DC結合レベルシフタを形成する。同様に、キャパシタC2とダイオードD2と抵抗R2とは、NANDゲート140からの低電圧信号から、P−FETトランジスタQ3を駆動するための、自己バイアス、DC結合レベルシフタを形成する。
【0028】
抵抗R3およびR4の形態の、第1および第2の電流センサは、それぞれ、トランジスタQ3およびQ4のソース電極と、それぞれ、ライン132および接地電位との間に結合される。フィードバックキャパシタC3〜C5は、トランジスタQ3およびQ4のソース電極と、フィードバック経路130を構成するフィードバックライン142との間に結合される。フィードバック信号は、増幅/駆動回路122の適切な動作のために位相シフトさせられる。
【0029】
増幅/駆動回路122は、さらに、第3および第4のそれぞれのNANDゲート144、145を含む。第3のNANDゲート144の第1の入力は、フィードバックライン142上の信号を受け取る。NANDゲート144は、抵抗R27によって線形の動作範囲内にバイアスされる。第3のNANDゲート144の第2の入力は、抵抗R5にわたって生じるゲート信号であって、アトメル(Atmel)社によって製造されているATTINY13マイクロプロセッサ146のピン5によって伝えられる、ゲート信号を受け取る。マイクロプロセッサ146は、さらに、5つの設定のうちの1つに設定されてもよいレートセレクタスイッチ148の設定に応答する。スイッチ148のワイパ150は、スイッチ148の5つのピン2〜6のうちの1つに接続されてもよい。ピン2は、すべての電位源から切り離され、一方、ピン3〜5は、分圧器を形成する3つの抵抗R6〜R8に接続される。ピン6は、接地電位に結合される。スイッチ148の設定は、圧電アクチュエータ126が作動させられないドウェル期間の継続時間を決定する。ドウェル期間は、好ましくは一定の継続時間の、放出シーケンスによって隔てられる。好ましくは、各放出シーケンスの長さは、約12ミリ秒であり、ドウェル期間の長さは、約5.75秒、7.10秒、9.22秒、12.60秒、または22.00秒であるように選択可能である。他の実施形態では、これらのドウェル期間の長さは、約9.22秒、12.28秒、17.92秒、24.06秒、または35.84秒であるように、あるいは、5.65秒、7.18秒、9.23秒、12.81秒、または22.54秒であるように選択可能である。任意の放出シーケンス継続時間と、任意のドウェル期間継続時間とが使用されてもよく、そして、任意の数の、選択可能なドウェル期間継続時間の数と、複数の選択可能な放出シーケンス継続時間とが実装されてもよい。ピン7は、ワイパ150に結合され、さらに、マイクロプロセッサ146のピン8において生じる電圧VPPを受け取るライン152に、抵抗R26によって結合される。マイクロプロセッサ146のピン7は、さらに、キャパシタC27によって接地電位に結合され、そして、ピン7上の電圧は、スイッチ148の設定を読み取るために、マイクロプロセッサ146の内部A/Dコンバータによって検知される。
【0030】
あるいは、ドウェル期間(1つまたは複数)は、12ミリ秒〜30分またはそれ以上の範囲内の任意の値であるように、予め定められてもよい。例えば、大量の芳香剤を放散することが所望される場合の、ブーストモードにおいて、50%のデューティサイクルを達成するために、各放出シーケンスは12ミリ秒であってもよく、かつ、各ドウェル期間の継続時間は12ミリ秒であってもよい。それとは正反対に、揮発性物質分配装置が配置されている部屋が使用されていない場合(動きセンサ、または、例えば以下の実施形態で見られるようなその他のセンサによって検出される)、いくらかの揮発性物質を部屋の中で単に維持するために、30分に1回、12ミリ秒の継続時間にわたって揮発性物質を放出することが望ましい可能性がある。以下でさらに詳しく述べるように、選択可能なレートでの、揮発性物質のこの周期的な放出は、加速されたレートで周期的または非周期的に揮発性物質を放出するためのコマンドによって無効にされてもよい。
【0031】
マイクロプロセッサ146のピン1および3は、それぞれ抵抗R9およびR10によって、ライン152に結合される。マイクロプロセッサ146のピン2は、抵抗R11によって、1本の1.5ボルト単3(AA)アルカリ電池であってもよいバッテリ153に結合される。ピン2は、さらに、抵抗R12によって、接地電位に結合される。キャパシタC6が、抵抗R12の両端に並列に結合される。スイッチ154が、マイクロプロセッサ146のピン6と接地電位との間に結合され、さらに、電力供給の目的のための調整電圧を生じるように機能する、さらなる集積回路156、158に、抵抗R13によって結合される。スイッチ154は、さらに、並列接続されたショットキーダイオードのペアD3、D4と、バッテリのアノードに結合されたインダクタL2と、キャパシタC7との形態の、電力調整回路160に結合される。
【0032】
IC156と、ダイオードD3およびD4と、インダクタL2と、キャパシタC7とは、バッテリ電圧を2.7ボルトに昇圧して調整する、スイッチングレギュレータとして働く。この調整電圧は、NANDゲート144および138に提供される。集積回路158と、電圧調整部品C9〜C11、R14、R15、L3、およびD5とは、共に、好ましくは9.6ボルトの調整電圧を、ライン132上に生成する。
【0033】
バッテリ153によってマイクロプロセッサ146に電力が供給される場合、マイクロプロセッサ146は、ピン5上に、約12ミリ秒のゲート信号を周期的に生じさせる。ゲート信号は、NANDゲート138、140、および144の入力に提供される。この信号は、NANDゲート138、140、144、および145が、抵抗R27およびキャパシタC21とともに、トランジスタQ1〜Q4のゲート電極への駆動信号を提供するようにさせる。これに関して、NANDゲート145は、トランジスタQ1およびQ2がトランジスタQ3およびQ4に対して180度位相がずれて駆動されるように、NANDゲート144の出力を反転させるための、インバータとして働く。すなわち、トランジスタQ1およびQ4が最初にオンにされ、その間、トランジスタQ2およびQ3はオフ状態に保たれ、続いて、トランジスタQ1およびQ4はオフにされ、かつトランジスタQ2およびQ3はオンにされる。好ましくは、トランジスタは、約50%のデューティサイクルで動作させられる。所望される場合、クロスコンダクションを防止するために、1つのトランジスタペアをオフにすることと、もう1つのトランジスタペアをオンにすることとの間に、すべてのトランジスタが一時的にオフにされる期間が介在させられてもよい。いずれの場合も、圧電素子126を通る電流は、タンク回路124のインピーダンスによって決まる、圧電素子126の選択された共振周波数で、各ゲート周期の間(すなわち、ゲート信号が生じさせられる時間の間)、交番する。この発振は、それぞれの約12ミリ秒の放出シーケンスの間、連続的に続き、その後、集積回路146は、そのピン5上のゲート信号を終了させ、それによりトランジスタQ1〜Q4をオフにして、圧電アクチュエータ126による製品のさらなる放出を終了させる。
【0034】
「ブースト」モードと呼ばれる動作の間に、回路120を作動させることをユーザが望む場合、ユーザはスイッチ154を押す。この操作は、マイクロプロセッサ146のピン6上の電圧をローに引き下げて、マイクロプロセッサ146がピン5上にゲート信号を生じるようにさせる。一実施形態では、ゲート信号は、期間中、周期的または非周期的に生じる。例えば、ゲート信号は、毎秒1個の12ミリ秒パルスを含む、揮発性物質の放出を、83秒または84秒にわたって発生させてもよい。別の例として、ゲート信号は、相互に72ミリ秒隔てられた10個の12ミリ秒パルスのグループを含む、揮発性物質の放出であって、相次ぐ、10個の12ミリ秒パルスのグループは、60秒の間隔で起きる、揮発性物質の放出を発生させてもよい。このシーケンスは、任意の時間にわたって続いてもよい。明らかであるように、任意の継続時間の任意の数のパルスが、周期的または非周期的に、任意の所望の頻度で(周期的な場合)、かつ、所望に応じた任意の長さの1つ以上の期間にわたって、放出されてもよい。さらに別の実施形態では、スイッチ154が押されている間ずっと、揮発性物質が連続的に放出されるように、ゲート信号は、スイッチ154が押されている限り生じてもよい。いずれの場合も、アクチュエータ126は、ゲート信号が生じている間ずっと、選択された共振周波数で振動するが、所望される場合、アクチュエータ126は、ゲート信号が生じている間、断続的に作動させられてもよい。
【0035】
次に、図3を参照して、さらなる実施形態について説明する。図2の実施形態と図3の実施形態との間の主な違いは、タンク回路124を通して流れる電流が検知される方法と、以下でさらに詳しく説明するその他の詳細とを含む。以上に加え、図2に示す電圧調整回路と集積回路146とは図3に示されていないが、ライン132上の電圧は、図2に関連して説明した回路と同様の、または同一の回路によって生じ、かつ、上述のゲート信号はライン200上に生じるということが理解される。
【0036】
図3の駆動回路220は、抵抗R4に、および、抵抗R16に結合された、電流検知回路224を含み、抵抗R16は、トランジスタQ2のソース電極と接地電位との間に結合される。電流検知回路224は、トランジスタのペアQ5、Q6と、トランジスタQ5およびQ6のエミッタ電極に結合された抵抗R17、R18と、トランジスタQ5およびQ6のエミッタ電極の間に結合されたさらなる抵抗R19とを含む。抵抗R17およびR18の、抵抗R19とは反対側の端は、ライン200に結合され、その上に生じるゲート信号を受け取る。以上に加え、トランジスタQ6のコレクタ電極は、抵抗R20によって、接地電位に結合される。トランジスタQ6のコレクタ電極と抵抗R20との間の接合部は、キャパシタC12によって、NANDゲート144の1つの入力に結合される。図2の実施形態におけるのと同様に、NANDゲート144の第2の入力は、ライン222上のゲート信号を受け取る。トランジスタQ5およびQ6と、抵抗R16〜R20とは、R16およびR20を通る2つのフィードバック信号を、ライン230上の1つの信号に合成するための、差動−シングルエンド増幅器を形成する。
【0037】
図2のNANDゲート138、140は、図3の実施形態では利用されず、代わりに、NANDゲート145の出力は、トランジスタQ2のゲート電極に直接提供され、かつ、キャパシタC1を介してトランジスタQ1のゲート電極に提供される。さらに、NANDゲート144の出力は、トランジスタQ3およびQ4のゲート電極に直接提供される。ヒステリシスを提供するために、NANDゲート144の入力のうちの1つと、NANDゲート145の出力との間にキャパシタC21が接続され、それにより、不安定なスイッチングが最小にされるか、または回避される。
【0038】
図2に関連して上述した方法でライン200上にゲート信号が生じている場合の、放出シーケンスの間に、NANDゲート144、145はトランジスタQ1〜Q4を、トランジスタQ1およびQ4がオンである場合にトランジスタQ2およびQ3はオフであり、トランジスタQ1およびQ4がオフである場合にトランジスタQ2およびQ3はオンであるような、逆相関係で駆動する(一方のトランジスタペアをオフにすることと、もう一方のトランジスタペアをオンにすることとの間の、すべてのトランジスタがオフである短い期間を、ありうる例外として)。タンク回路124を通して流れる電流の周波数は、やはり上述したように、圧電アクチュエータ126の共振周波数に等しい。(例えば、トランジスタQ1およびQ4がオンである場合に)圧電アクチュエータ126を通していずれかの方向に流れる電流は、ライン200上にゲート信号が生じている場合にアクティブである電流検知回路224によって検知される。具体的には、圧電アクチュエータ126を通していずれかの方向に電流が流れている場合、かつ、ライン200上のゲート信号がオンである間、トランジスタQ5およびQ6はオンであり、それにより、NANDゲート144にキャパシタC12を通して結合されたライン230上に、フィードバック信号が生じさせられる。このフィードバック信号は、図2の実施形態におけるのと同様に、トランジスタQ1〜Q4と連携して働いて、圧電アクチュエータ126を通して流れている電流を、アクチュエータ126の選択された共振周波数であるようにさせる。これに関して、やはり図2の実施形態におけるのと同様に、共振周波数における電流の流れを確立するためにはシステム内のノイズで十分であるという意味で、アクチュエータ126を通して流れる電流は自己共振である。
【0039】
図4は別の実施形態を示し、この図では、簡単にするために、電力調整回路と、ライン200上にゲート信号を生成する集積回路146とは示されていない。この実施形態における電流検知は、トランジスタQ2およびQ4のソース電極と、演算増幅器(オペアンプ)240とに結合された、抵抗R17によって達成される。具体的には、オペアンプ240の反転入力は抵抗R17に結合され、オペアンプ240の非反転入力は、例えば10ミリボルトの、電圧源に結合される。オペアンプ240の出力は、Dフリップフロップ242のクロック入力に結合される。フリップフロップ242のQ(バー)(Q(bar))出力は、そのD入力に結合され、フリップフロップ242のQ出力は、トランジスタQ3およびQ4のゲート電極に結合されて、それらの電極を直接制御する。インバータ244が、さらに、フリップフロップ242のQ出力を受け取り、結果として生じる反転された駆動信号は、トランジスタQ1およびQ2のゲート電極を制御するために、それらの電極に結合される。この場合に、抵抗R17にわたって生じるフィードバック信号は、圧電アクチュエータ126を通して流れる電流の2倍の周波数であり、すなわち、アクチュエータ126を通る電流波形の各半サイクルが、抵抗R17にわたる正の半正弦波を生成する。フリップフロップ242は、この信号の周波数を2で割って、正しい周波数に戻す。代替の回路は、インバータ244を省き、トランジスタQ1およびQ2のゲート電極を、フリップフロップ242のQ(バー)出力に接続するものである。
【0040】
図示されていないが、フリップフロップ242は、セットおよびリセット入力を含み、そのいずれかは、ライン200上に生じるゲート信号を受け取る。前述の実施形態におけるのと同様に、トランジスタQ1およびQ4は共に、トランジスタQ2およびQ3とは180°反対に動作させられ、そして、フィードバック信号がライン246上に生じて、フリップフロップ242を制御するためにそのクロック入力に提供される。前述の実施形態におけるのと同様に、圧電アクチュエータ126を通る電流は、圧電アクチュエータ126の選択された共振周波数に等しい周波数で流れる。さらに、本明細書に記載されている任意の実施形態において、図面に示されているFETは、バイポーラトランジスタなどの、任意のその他の好適なスイッチング素子によって置き換えられてもよく、その場合は、フライバックダイオードが、スイッチング素子の主電流経路電極間に、逆並列関係で結合されてもよい。
【0041】
次に図5を参照すると、圧電アクチュエータ126を通して各方向に流れている電流が、抵抗R17の両端に結合された回路300によって検知される、別の実施形態が示されている。回路300は、放出シーケンスの間にフィードバック信号がライン306上に生じるように、相互に逆相関係で駆動される、第1および第2の制御可能なスイッチ302、304を含む。具体的には、トランジスタQ1およびQ4が導通状態にされている場合、スイッチ302は閉じられ、かつスイッチ304は開かれ、それにより、オペアンプ308はその非反転入力においてハイ状態信号を受け取り、これは、オペアンプ308と、オペアンプの反転入力に結合された関連する抵抗R18およびR19とが、正のユニティゲインを有する増幅器として働くようにさせる。圧電素子126とトランジスタQ1およびQ4とを通して流れる電流を表す、抵抗R17の両端の電圧は、フィードバックライン306およびキャパシタC12を通して、NANDゲート310の1つの入力に、反転されていない形態で渡される。NANDゲート310の第2の入力は、ライン200上のゲート信号を受け取る。NANDゲート310の出力は、トランジスタQ3およびQ4のゲート電極に直接結合され、さらに、インバータ312を通して、トランジスタQ1およびQ2のゲート電極に結合される。
【0042】
NANDゲート310が、トランジスタQ1およびQ4をオフにし、トランジスタQ2およびQ3をオンにする場合、スイッチ302はインバータ312によって開かれ、スイッチ304はNANDゲート310によって閉じられる。この操作は、オペアンプ308と、関連する抵抗R18およびR19とが、負のユニティゲインを有する増幅器として動作するようにさせ、したがって、抵抗R17の両端の電圧は反転されて、NANDゲート310の入力に、キャパシタC12を通して提供される。
【0043】
以上から明らかであるように、電流検知回路は適切な極性のフィードバック信号をライン306に提供するように動作させられ、それにより、発振器と圧電アクチュエータ126との安定した動作が維持される。
【0044】
図6は、図2〜5のフルブリッジトポロジが、トランジスタQ7およびQ8を含むハーフブリッジトポロジによって置き換えられた実施形態を示す。任意選択のキャパシタC14がインダクタL1と直列に結合され、フライバックダイオードD6、D7が、トランジスタQ7、Q8にわたって逆並列関係で結合される。圧電アクチュエータ126の、インダクタL1とは反対側の端は、電流検知ダイオードD8、D9の間の接合部に結合される。圧電アクチュエータの、この第2の端は、さらに、フィードバックライン340によって、フィードバックキャパシタC15と、NORゲート342の第1の入力とに結合される。フィードバック信号は、さらに、抵抗R20とキャパシタC16とを通して、トランジスタQ7のベース電極に供給される。トランジスタQ7のベース電極は、さらに、ダイオードD10と抵抗R21とによって、ライン132に接続される。
【0045】
NORゲート342の第2の入力は、ライン122上のゲート信号を受け取る。NORゲート342の出力は、抵抗R22とキャパシタC17との並列接続によって、トランジスタQ8のベース電極に結合される。
【0046】
前述の実施形態と同様に、増幅/駆動回路122は、圧電素子126内の電流を周期的に逆転させるために、トランジスタQ7、Q8を交番して動作させる。図6の回路は、圧電素子126を通る電流を、圧電素子126の共振周波数で駆動するために機能する。
【0047】
所望される場合、ダイオードD8およびD9は、第1の端がアクチュエータ126とキャパシタC15との間の接合部に結合され、第2の端が接地電位に結合された、電流検知機能を得るための小さな抵抗によって置き換えられてもよい。
【0048】
抵抗R20〜R22と、キャパシタC16およびC17と、ダイオードD10とは、トランジスタQ7およびQ8の適切な動作を得るための、適切なバイアスおよび結合特性を提供するように選択される。
【0049】
ジャンパJP1は、通常の動作中は開かれている。さらに、抵抗R28は、テストの間、NORゲート342をオフに保つプルアップ抵抗であり、その間、IC146のピン5は、電流のシンクのみが可能なオープンドレイン出力であるようにプログラムされる。これにより、マイクロプロセッサのピン5で生じるマイクロプロセッサ出力に対抗することなしに、テストのために外部信号を印加することが可能となる。さらに、電源投入時に、マイクロプロセッサ146が内部リセットされる間、プルアップ抵抗R28は、NORゲート342がオフになることを確実にする。
【0050】
コネクタ350は、マイクロプロセッサ146のピン3に結合され、さらに、抵抗R10を通して、IC156によって生じる調整電圧に結合される。以下で説明する図7Aの光センサ707などの、光センサが、任意選択で、コネクタ350に結合されてもよい。光センサは、使用される場合、図7A、図10A、および図10Bに関連して以下に述べる方法で、図6の回路の平衡と連携して働いて、動き、および/または部屋の使用、および/または同様のものを検出し、それにより、ドウェルおよび/または放出シーケンスの継続時間が、そのような検出された活動に基づいて調節される。
【0051】
図6Aは、図6のマイクロプロセッサ146によって実行されるプログラミングを示す。制御は、例えば、バッテリホルダ(図示せず)の向かい合ったバッテリ端子のペア内にバッテリ153が挿入された場合の、回路の始動時に、ブロック360において開始される。ブロック360は、連続動作空気清浄化モード(continuous action air freshing mode)(CAAF)における動作を実施し、このモードでは、アクチュエータ126は、12ミリ秒の噴出がドウェル期間によって隔てられるように周期的に作動させられる(それぞれの継続時間は上述のようにスイッチ148の設定によって決定される)。ブロック362で、スイッチ154の状態が監視され、そのようなスイッチが押されていない限り、制御はブロック360に留まり、それにより、CAAFモードにおける動作が継続される。他方、ブロック362で、スイッチ154が押されていると判定された場合、ブロック364で、ブーストタイマが初期化されて始動される。好ましい実施形態では、ブーストタイマは、7秒などの、予め定められた期間を計時する。次に、ブロック366で、ブーストモードでの動作が開始され、このモードでは、アクチュエータ126の動作のデューティサイクルが、約14%などの、特定のレベルに増加させられる。各デューティサイクルは、約12ミリ秒の作動と、それに続く、約72ミリ秒のドウェル期間とを含む。これらの値は、必要に応じて、または望ましい場合、変更されてもよい。ブロック368で、ブーストタイマがタイムアウトになっているかどうかが調べられて判定される。ブーストタイマがタイムアウトになっていない場合、制御はブロック366に留まる。それ以外の場合、制御はブロック360に戻され、それにより、動作はCAAFモードに戻る。
【0052】
図7は、トランジスタQ1〜Q4と、インダクタL1と、圧電アクチュエータ126とが位相ロックループ(PLL)400によって動作させられる、さらに別の実施形態を示す。PLL400は、抵抗R23、R24の両端に結合された、それぞれ、第1および第2の位相検出回路402、404を含む。抵抗R23は、トランジスタQ1のドレイン電極と、ライン122との間に結合され、一方、抵抗R24は、トランジスタQ2のソース電極と、接地電位との間に結合される。位相検出回路402、404は、トランジスタQ1およびQ4を通して電流が流れている場合に位相検出回路402がライン406上に位相フィードバック信号を提供し、トランジスタQ2およびQ3を通した電流の流れが発生している場合に位相検出回路404がライン408上に位相フィードバック信号を提供するように、交互に動作可能である。電圧制御発振器(VCO)410は、ライン406および408上に生じる位相フィードバック信号と、ゲート信号とに応答して、駆動ロジック回路412、414に供給される発振器信号を生じさせ、駆動ロジック回路412、414は、次に、トランジスタQ1〜Q4を、上述の方法で動作させる。以下の図8の実施形態におけるのと同様に、アクチュエータ126を通して流れる電流は、アクチュエータ126の選択された共振周波数において発生する。
【0053】
図8は、ハーフブリッジトランジスタトポロジを、位相ロックループと組み合わせて利用する、駆動回路120のさらなる実施形態を示す。図8の実施形態は、好ましくは、特定用途向け集積回路(ASIC)500によって実装される。バッテリ502は、キャパシタC18とインダクタL4とに電力を供給し、バッテリ電圧は、ASIC500の部分を形成するブーストコンバータ504によって、増加した電圧に昇圧される。ブーストコンバータ504は、ブロック506によって生じる電圧基準に応答し、そして、昇圧された電圧は、トランジスタQ9のソース電極に印加されるブーストされた電圧VDDHVとして、ダイオードD11を通してキャパシタC19に提供される。トランジスタQ9のドレイン電極は、トランジスタQ10のドレイン電極に結合され、トランジスタQ10のソース電極は、接地電位に結合される。インダクタL1と圧電アクチュエータ126との直列接続の第1の端は、トランジスタQ9およびQ10のドレイン電極に結合され、インダクタL1と圧電アクチュエータ126との直列接続の第2の端は、電流検知抵抗R25に結合される。圧電アクチュエータ126と抵抗R25との間の接合部は、PLL510の位相比較器580を通して結合される。位相比較器508は、さらに、駆動ロジック回路514に結合された出力を有するVCO512に結合される。駆動ロジック回路514は、さらに、デジタルコントローラ560の出力に応答し、デジタルコントローラ560は、複数のスイッチ518と、センサ520によって検出された調整点(point of regulation)(POR)における電力のパラメータとに応答する。所望される場合、個別のスイッチ518は、図2のスイッチ148によって置き換えられてもよく、そして、いずれの場合も、スイッチ(1つまたは複数)は、任意選択で、上述のように、放出シーケンスの間の選択可能なドウェル期間を提供するように動作させられてもよい。あるいは、前述の実施形態のうちのいくつかにおけるのと同様に、アクチュエータ126による揮発性物質の、選択可能な周期的放出を無効にし、増加した放出を発生させるために、ブーストボタンが作動させられてもよい。さらに、端子VSS1およびVSS2は接地電位に結合され、端子VDDは、ASIC500によって使用されるエネルギーを蓄積するために、キャパシタC20に結合される。放出シーケンスの間に圧電アクチュエータ126を通して流れる電流が、圧電アクチュエータ126の選択された共振周波数と等しい周波数であるように、スイッチQ9およびQ10を動作させるために、デジタルコントローラ516は、駆動ロジック514への制御信号を、VCO512によって生じる発振器信号とともに提供する。
【0054】
図9は、駆動FETのQ1〜Q4のオン抵抗がフィードバック要素として使用される、さらに別の実施形態を示す。具体的には、トランジスタQ11およびQ12が、インダクタL1とアクチュエータ126との直列接続の一方の端に結合され、トランジスタQ13およびQ14が、インダクタL1とアクチュエータ126との直列接続のもう一方の端に結合される。トランジスタQ11とQ12との間、およびトランジスタQ13とQ14との間の接合部は、トランジスタQ11〜Q14によって検知された電圧を約1.5ボルト増加させる電圧バイアス回路600、602に結合される。オペアンプ604は、回路600、602によって生じた信号のための比較器として働き、結果として生じる比較信号は、キャパシタC24によって、インバータ606、608に提供される。ゲート606は、NANDまたはNORゲートなどの2入力素子(入力のうちの一方はゲート信号を受け取り、もう一方の入力はキャパシタC24によって伝えられる信号を受け取る)によって置き換えられてもよい。抵抗R29は、インバータ606の両端に結合される。インバータ60によって生じる信号は、トランジスタQ12のゲート電極に提供される。インバータ608によって生じる信号は、トランジスタQ1、Q2、およびQ11のゲート電極に提供される。インバータ608からの信号は、さらに、別のインバータ610によって、トランジスタQ3、Q4、Q13、およびQ14のゲート電極に提供される。図9の実施形態は、前述の実施形態におけるのと同様に、アクチュエータ126を通して流れる電流を、アクチュエータ126の選択された共振周波数にさせるように動作する。この実装は、より少ない部品を必要とし、電力効率はより高い。フィードバックは、2つの下側の駆動FETのQ2およびQ4のみにわたって生じる。
【0055】
回路は、代わりに、Q1およびQ3にわたってフィードバックを生じるように配置し直されてもよい。フィードバックFETは、Q2がオンの場合に、Q2をオフセット回路と比較器とに接続し、Q2がオフの場合に、オフセット回路と比較器とを接地に接続する。同様に、フィードバックFETは、Q4がオンの場合に、Q4をオフセット回路と比較器とに接続し、Q4がオフの場合に、オフセット回路と比較器とを接地に接続する。これは、外部抵抗(1つまたは複数)またはダイオードの代わりに、FETのオン抵抗をフィードバックのために使用する、図3と図5との一種の組み合わせである。
【0056】
DCバイアスの目的のためには、バイアス回路600、602によって生じるオフセット電圧、またはDC結合キャパシタC24の、いずれかが必要とされる。DCバイアスのためには、両方が必要なわけではないが、本明細書で開示されているほとんどの実装では、ハイパス/位相シフトネットワーク、およびDC結合/バイアス回路として、キャパシタC24が抵抗R28とともに使用される。
【0057】
図示されていないが、同期発振器は、もう1つの実装である。1つの回路内で、同期発振器は、発振器およびPLLの機能を結合する。そのような実装は、所望されるもの以外のアクチュエータ共振モードおよび/または周波数で回路が動作することができないように、制限されたキャプチャレンジを有するように容易に設計されることが可能である。
【0058】
次に図7Aを参照すると、図7の実施形態を実装するための例示的な回路が示されている。図7Aの回路図において、FET素子Q1〜Q4は、インダクタL1とアクチュエータ126との直列接続の両端に結合された、バイポーラトランジスタQ15、Q16、およびQ17、Q18によって置き換えられている。フライバックダイオードD12、D13が、トランジスタQ15、16の主電流経路電極間に逆並列関係で結合され、フライバックダイオードD14、D15が、トランジスタQ17、Q18の主電流経路電極間に逆並列関係で結合される。トランジスタQ17のエミッタ電極は、抵抗R30によってライン132に結合され、さらなる抵抗R31が、トランジスタQ18のエミッタ電極と接地電位との間に結合される。電流検知信号が接合部J1およびJ2において生じ、電流検知信号は、キャパシタC24〜C26とフィードバックライン700とを通して、フィリップス(Philips)社、テキサスインスツルメンツ(Texas Instruments)社、フェアチャイルド(Fairchild)社、またはナショナルセミコンダクタ(National Semiconductor)社から入手可能なCD4046マイクロパワー(Micropower)PLL IC702のピン14に提供される。信号VCO_OUTが、IC702のピン4において生じ、抵抗R32を介して、NANDゲート704の第1の入力に結合される。NANDゲート704の第2の入力は、IC146のピン5において生じたゲート信号を受け取る。NANDゲート704の出力は、接合部J3に結合され、接合部J3は、さらに、ライン700上のフィードバック信号を、抵抗R33を介して受け取る。合計された信号が接合部J3において生じ、その信号は、キャパシタC27、C28と、抵抗R34、R35と、ダイオードD16とを含む結合およびバイアス部品によって、トランジスタQ17、Q18のベース電極に提供される。
【0059】
NANDゲート704の出力は、さらに、インバータとして働くさらなるNANDゲート706の入力に結合される。NANDゲート706の出力は、キャパシタC29、C30と、抵抗R36、R37と、ダイオードD17とを含む結合およびバイアス部品によって、トランジスタQ15、Q16のベース電極に結合される。
【0060】
ゲート信号が、マイクロプロセッサ146によって、ピン5において生じた場合、図7に関連して上述したように、アクチュエータ126は、その選択された共振周波数で駆動される。バイポーラトランジスタQ15〜Q18の使用を示したのは、図7に示すFET以外の、異なるスイッチング素子が使用されてもよいということを単に説明するためである。
【0061】
抵抗R38〜R41と、キャパシタC31およびC32とは、IC702の適切な動作のために、その適切なピンに結合される。IC702のピン16は、ライン132に結合され、さらに、キャパシタC33によって接地電位に結合され、そして、IC702のピン8は接地に結合され、それにより、IC702は適切に電力を供給される。
【0062】
スイッチ154によってもたらされるブースト特徴に加えて、光ダイオードまたは光電セル707の形態の光センサがコネクタ350に接続される。光ダイオードまたは光電セル707は、動きセンサとして働く。キャパシタC34、C35と、抵抗R42、R43と、トランジスタQ19とは、マイクロプロセッサ146のピン3に結合される。トランジスタQ19は、光センサの出力に利得を提供し、抵抗R42、R43は、バイアスを提供し、キャパシタC34、C35は、部分的にはバイアスを提供し、そして部分的には、非常に速いまたは遅い光の変化によるトリガを防止するための、ローパス/ハイパスフィルタを提供する。(キャパシタC34、C35と、抵抗R42、R43と、トランジスタQ19とは、図6の実施形態で光ダイオードまたは光電セル707が使用される場合、その実施形態で使用されてもよい。)
図7および図7Aの実施形態は、スイッチ148によって選択可能なドウェル期間の間に周期的な放出シーケンスが介在させられる、前述の実施形態に関連して述べた方法で、自動的に動作する。任意の時に、ユーザは、ブーストモードでの動作を発生させるために、スイッチ154を押してもよい。光ダイオードまたは光電セル707は、図7Aの回路が使用されている装置の付近での動きを検出して、上記で一般的に説明した、かつ以下でより具体的に説明する方法で動作を変化させる。
【0063】
所望される場合、ブーストモードを実施するためのスイッチ154の作動は、さらに、LEDまたはその他の素子が付勢されるようにしてもよい。具体的には、図12を参照すると、図7Aの実施形態、または本明細書で開示された駆動回路120の実施形態のうちの任意のものは、タンク回路124を駆動してもよいだけでなく、さらに、1つ以上のLED709を駆動してもよい。LEDには、上記で参照により援用された、2005年11月2日出願の「Control and Integrated Circuit for a Multisensory Apparatus(多感覚装置のための制御および集積回路)」と題された米国特許出願第11/264,952号明細書で開示された方法で、LEDが明滅しているように見えるようにさせ、それによりLEDがロウソクを模倣するようにさせる、付勢波形が提供されてもよい。
【0064】
図10Aおよび図10Bは、図7Aの実施形態におけるマイクロプロセッサ146の動作を示す。最初に図10Aを参照すると、主プログラムルーチンが回路の電源投入時に開始され(ブロック720)、ブロック722で、ボタン350が押されているかどうかが調べられて判定される。ボタン350が押されていないと判定された場合、ブロック724で、1分間のスタートアップ噴出タイマが有効にされ、光センサの検出が無効にされ、15分間のセンサロックアウトタイマが有効にされる。ブロック726で、次に、連続動作空気清浄化(CAAF)モードの動作が実行され、このモードでは、アクチュエータ126は、スイッチ148の位置によって決定されるドウェル期間によって隔てられた、12ミリ秒間の噴出にわたって作動させられる。その後、ブロック728で、バッテリよって生じる電圧と、スイッチ154の位置とを検出するための、図10Bで示されるルーチン730が実行される。ブロック732で、次に、1分間のスタートアップ噴出タイマがタイムアウトになっているかどうかが調べられて判定される。スタートアップ噴出タイマがタイムアウトになっていない場合、制御はブロック726に戻される。それ以外の場合、制御はブロック734に渡され、ブロック734では、ピン5において3秒間の継続時間のゲート信号が生じさせられ、それにより、揮発性物質の3秒間の噴出が放出される。
【0065】
ブロック734に続いて、ブロック736で、バッテリよって生じる電圧と、スイッチ154の位置とを調べるための、ルーチン730が再び起動される。ブロック738で、次に、15分間のセンサロックアウトタイマがタイムアウトになっているかどうかが調べられて判定される。センサロックアウトタイマがまだタイムアウトになっていない場合、制御はブロック736に戻される。他方、ブロック736で、センサロックアウトタイマがタイムアウトになっていると判定された場合、ブロック740で、光センサの検出が有効にされ、ブロック742で、装置の付近での動きが検出されるかどうかが判定される。動きが検出されない場合、ブロック744で、15分間のセンサロックアウトタイマが無効にされ、マイクロプロセッサは、12ミリ秒間の放出シーケンスが2分間ごとに実行される、「ゴースト」動作モードで動作する。ブロック746で、バッテリ電圧と、スイッチ154の位置とを調べるための、ルーチン730が再び起動され、制御はその後、ブロック742に戻される。
【0066】
ブロック742で、装置の付近での動きが検出された場合、ブロック750で、光センサの検出が無効にされ、15分間のセンサロックアウトタイマが有効にされて再初期化され、CAAFモードでの動作が開始され、揮発性物質の即座の3秒間の噴出が生じさせられる。制御は、次に、ブロック136に戻される。
【0067】
ブロック722で、ボタン154が押されていると判定された場合、ブロック752で、光センサの検出が有効にされ、ブロック754で、動きが検出されているかどうかが調べられて判定される。動きが検出されている場合、制御はブロック750に渡される。それ以外の場合、制御はブロック724に渡される。
【0068】
図10Bに示されているように、ルーチン730は、バッテリ電圧が一定のレベル未満に低下しているかどうかを判定する、ブロック760において開始される。バッテリ電圧が一定のレベル未満に低下していると判定された場合、マイクロプロセッサ146はアイドル状態に置かれる。それ以外の場合、ブロック762で、ボタン154が押されているかどうかが調べられて判定される。ボタン154が押されていない場合、制御は、主プログラム内の適切な点に戻される。それ以外の場合、ブロック764で、ボタン154が押されている時間の長さに応じた継続時間のゲート信号が生じさせられる。ボタン154が押されている時間の長さが1秒未満の場合、3秒間のゲート信号が生じさせられる。ボタン154が押されている時間の長さが1秒よりも長い場合、ボタン154が押されている時間の長さに等しい継続時間のゲート信号が生じさせられる。制御は、次に、主プログラム内の適切な点に戻される。
【0069】
図8Aは、内部駆動ロジック514と、トランジスタQ9、Q10と、フィードバック抵抗R25と、PLLブロック510とが、個別部品によって置き換えられているということを除き、図8の実施形態と同様の実施形態を示す。図7Aの実施形態におけるのと同様に、CD4046 IC702が、抵抗R32とR38〜R41、およびキャパシタC31〜C33とともに利用される。さらに、IC702のピン5は、電圧源800に結合される。
【0070】
バイポーラトランジスタのペアQ20、Q21と、それらと逆並列関係で結合された関連するフライバックダイオードD18、D19とが、インダクタL1とアクチュエータ126とに結合され、アクチュエータ126は、ここでは、キャパシタC36、C37と、抵抗R44と、インダクタL6とを含むインピーダンスによって表される。第1および第2の電流検知ダイオードD20およびD21の直列接続は、それらの第1の端において、アクチュエータ126に結合され、さらに、それらの第2の端において、トランジスタQ21のエミッタ電極と接地とに結合される。フィードバック信号は、キャパシタC38によって、IC702のピン14に結合される。
【0071】
IC702のピン3および4は、抵抗R45とキャパシタC39とを通して、トランジスタQ21のベース電極に結合される。ピン3および4は、さらに、キャパシタC40によって、トランジスタQ20のベース電極に結合される。ダイオードD22が、トランジスタQ20のベースと、ライン132との間に結合される。さらに、抵抗R46が、キャパシタC38と、IC702のピン3および4との間に結合される。前述の実施形態におけるのと同様に、図8Aの構成要素は、ゲート信号に応答して、トランジスタQ20およびQ21を、アクチュエータ126の選択された共振周波数で動作させる。
【0072】
図11は、印加される周波数をふらつかせて(dithers)、選択された共振周波数でアクチュエータ126を動作させる、さらなる実施形態を示す。この図は、周波数を制御するためのカウンタに応答するデジタル/アナログコンバータ(DAC)からの、アナログ入力を有する、アナログ発振器を示す。この回路は、別法として、DACなしにカウンタから直接制御されるマスタクロックからの、デジタル合成された周波数を使用してもよい。さらに、図11の回路はフルブリッジトポロジを利用するが、回路は、代わりに、ハーフブリッジトポロジまたは単一トランジスタなどの、任意のその他の駆動回路を使用してもよい。
【0073】
具体的には、トランジスタQ1〜Q4と、インダクタL1と、アクチュエータ126とは、電流検知抵抗R47に結合される。第1および第2の、ローパスとサンプルアンドホールド(S/H)回路との組み合わせ900、902は、電流検知抵抗R47に結合される。第1の回路900は、抵抗R48と、スイッチ904と、キャパシタC41と、オペアンプ906とを含む。第2の回路902は、抵抗R48と、スイッチ908と、キャパシタC42と、オペアンプ906とを含む。スイッチ904およびスイッチ908は、オペアンプ906の、それぞれ、非反転および反転入力に結合される。ロジック回路910は、オペアンプ906によって生じた出力信号を、カウンタ912のためのカウンタ制御信号に変換する。DAC914は、カウンタ出力をアナログカウンタ信号に変換し、VCO916は、DAC914に応答して、トランジスタQ3およびQ4を駆動する発振器信号を生じさせる。インバータ918は、VCO916の出力を反転させて、トランジスタQ1およびQ2を制御する。
【0074】
スイッチ904、908は、500マイクロ秒の導通時間のために、それぞれ50%のデューティサイクルで、逆相関係で動作させられ、オペアンプ906は、サンプルアンドホールドされた電圧を比較して、比較信号を生じさせる。カウンタ912がカウントアップすべきかカウントダウンすべきかを判定するために、比較信号は、ロジック回路910によって検知される。アクチュエータ126を通る電流は、このディザリングアプローチを使用して、選択された共振周波数に維持される。
【0075】
所望される場合、タンク回路と直列に結合された電流検知変成器などの、フィードバック信号を生じさせるその他の手段が使用されてもよい。
【0076】
図13は、図2および図7Aの実施形態の態様を組み込んだ、別の実施形態を示す。特に、図13は、図7Aの光電セル707、およびそれに関連する抵抗R42、R43と、キャパシタC34、C35と、トランジスタQ19とを含む回路と組み合わせて、図2の回路を、抵抗R9と集積回路156、158とに結合されたダイオードD23、およびNANDゲート138と144とに結合されたキャパシタC43とともに含む。この実施形態のマイクロプロセッサ146は、図10Aおよび図10Bのルーチンを実施するようにプログラムされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本明細書で開示された実施形態は、圧電アクチュエータの共振周波数における駆動電流を、圧電アクチュエータに提供するように動作可能である。共振周波数における動作は、そのような付勢のために電力を供給する電源に対するエネルギー需要を減少させ、それにより、電源の寿命を増加させ、かつ/または、ことによると、所与の製品寿命のために必要とされる電源の数を減少させる。
【0078】
本発明の多数の修正が、上記の説明に鑑みて、当業者には明らかであろう。したがって、本説明は、例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、当業者が本発明を作成および使用することを可能にし、かつ、本発明を実施する最良の形態を教示するという目的のために提示されている。添付の特許請求の範囲に含まれるすべての修正に対する排他的な権利が保有される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電アクチュエータのための駆動回路であって、
前記圧電アクチュエータに結合されたインピーダンスであって、前記インピーダンスと前記圧電アクチュエータとは共に、共振周波数を有するタンク回路を形成する、インピーダンスと、
前記アクチュエータを前記共振周波数で駆動する第1の回路であって、前記第1の回路は、前記タンク回路に結合された電流検出器であって、前記回路内の電流の流れを表す電流信号を生じさせる、電流検出器と、前記電流信号を位相シフトさせるための、抵抗に結合されたフィードバックキャパシタとを含む、第1の回路と、
前記位相シフトさせられた電流信号とゲート信号とに応答する第2の回路であって、前記第2の回路は、前記第1の回路を、第1のデューティサイクルで前記アクチュエータが付勢されるようにする第1のモードと、前記第1のデューティサイクルよりも大きな第2のデューティサイクルで前記アクチュエータが付勢されるようにする第2のモードとを含む、少なくとも2つの動作モードのうちの1つで選択的に動作させる、第2の回路とを含む、圧電アクチュエータのための駆動回路。
【請求項2】
前記第1のモードは、前記駆動回路の始動時に前記アクチュエータを自動的に周期的に付勢することを含む、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記第2のモードは、前記第2のモードが選択された場合に、前記第1のモードを一時的に無効にする、請求項2に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記第2のモードは、ブーストモードの動作を含む、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項5】
前記第1のモードでの動作は、第1のレートで前記アクチュエータが揮発性物質を分配するようにさせ、前記第2のモードでの動作は、前記第1のレートよりも大きな第2のレートで前記アクチュエータが前記揮発性物質を分配するようにさせる、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項6】
前記第2の回路は、動きの検出に応答して、第3の動作モードで前記第1の回路を動作させる、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項7】
前記第1の回路は、スイッチの設定に応答して、前記アクチュエータの相次ぐ付勢の間のドウェル期間を確立する、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項8】
前記第1の回路は、フルブリッジトポロジを有する、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項9】
前記第1の回路は、ハーフブリッジトポロジを有する、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項10】
前記電流検出器は、前記アクチュエータを通して流れる電流を検出するための電流検知抵抗を含む、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項11】
前記電流検出器は、前記アクチュエータを通して流れる電流を検出するための電流検知ダイオードを含む、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項12】
前記第1の回路は、前記アクチュエータに結合された少なくとも1つのトランジスタを含み、さらに、前記アクチュエータを通して流れる電流を検出するために前記少なくとも1つのトランジスタのオン抵抗を検出する回路を含む、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項13】
前記第2のレートは、約14パーセントのデューティサイクルであり、かつ約7秒間の継続時間を有する、請求項5に記載の駆動回路。
【請求項14】
前記第2のレートは、約50パーセントのデューティサイクルであり、かつブーストスイッチが作動させられている時間の長さによって決定される継続時間を有する、請求項5に記載の駆動回路。
【請求項15】
前記第1の回路は、位相ロックループをさらに含む、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項16】
前記第2の回路は、ふらついた発振器信号を生じさせる発振器をさらに含む、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項17】
付勢波形によって駆動される少なくとも1つのLEDをさらに含む、請求項1に記載の駆動回路。
【請求項18】
揮発性物質を分配する圧電アクチュエータのための駆動回路であって、
前記圧電アクチュエータに結合されたインピーダンスであって、前記インピーダンスと前記圧電アクチュエータとは共に、共振周波数を有するタンク回路を形成する、インピーダンスと、
前記アクチュエータを前記共振周波数で駆動する第1の回路であって、前記第1の回路は、前記タンク回路に結合された電流検出器であって、前記タンク回路内の電流の流れを表す電流信号を生じさせる、電流検出器と、前記電流信号を位相シフトさせるための、抵抗に結合されたフィードバックキャパシタとを含む、第1の回路と、
前記位相シフトさせられた電流信号とゲート信号とに応答する第2の回路であって、前記第2の回路は、前記第1の回路を、第1のレートで前記アクチュエータが揮発性物質を分配するようにさせる第1のモードと、前記第1のレートよりも大きな第2のレートで前記アクチュエータが揮発性物質を分配するようにさせる第2のモードとを含む、少なくとも2つの動作モードのうちの1つで選択的に動作させ、前記第1のモードは、前記駆動回路の始動時に前記アクチュエータを自動的に周期的に付勢することを含み、前記第2のモードは、前記第2のモードが選択された場合に前記第1のモードを一時的に無効にする、第2の回路とを含む、圧電アクチュエータのための駆動回路。
【請求項19】
前記第2の回路は、動きの検出に応答して、第3の動作モードで前記第1の回路を動作させる、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項20】
前記第1の回路は、スイッチの設定に応答して、前記アクチュエータの相次ぐ付勢の間のドウェル期間を確立する、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項21】
前記第1の回路は、フルブリッジトポロジを有する、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項22】
前記第1の回路は、ハーフブリッジトポロジを有する、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項23】
前記電流検出器は、前記アクチュエータを通して流れる電流を検出するための電流検知抵抗を含む、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項24】
前記電流検出器は、前記アクチュエータを通して流れる電流を検出するための電流検知ダイオードを含む、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項25】
前記第1の回路は、前記アクチュエータに結合された少なくとも1つのトランジスタと、前記アクチュエータを通して流れる電流を検出するために前記少なくとも1つのトランジスタのオン抵抗を検出するための回路とを含む、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項26】
前記第2の回路は、位相ロックループをさらに含む、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項27】
前記第2の回路は、ふらついた発振器信号を生じさせる発振器をさらに含む、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項28】
付勢波形によって駆動される少なくとも1つのLEDをさらに含む、請求項18に記載の駆動回路。
【請求項29】
圧電アクチュエータを駆動する方法であって、
前記圧電アクチュエータにインピーダンスを結合するステップであって、前記インピーダンスと前記圧電アクチュエータとは共に、共振周波数を有するタンク回路を形成する、ステップと、
前記アクチュエータを前記共振周波数で駆動する第1の回路を提供するステップであって、前記第1の回路は、前記タンク回路に結合された電流検出器であって、前記タンク回路内の電流の流れを表す電流信号を生じさせる、電流検出器と、前記電流信号を位相シフトさせるための、抵抗に結合されたフィードバックキャパシタとを含む、ステップと、
前記位相シフトさせられた電流信号とゲート信号とに応答する第2の回路を提供するステップであって、前記第2の回路は、前記第1の回路を、第1のデューティサイクルで前記アクチュエータが付勢されるようにする第1のモードと、前記第1のデューティサイクルよりも大きな第2のデューティサイクルで前記アクチュエータが付勢されるようにする第2のモードとを含む、少なくとも2つの動作モードのうちの1つで選択的に動作させる、ステップとを含む、方法。
【請求項30】
前記第1のモードは、駆動回路の始動時に前記アクチュエータを自動的に周期的に付勢することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2のモードは、前記第2のモードが選択された場合に、前記第1のモードを一時的に無効にする、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のモードは、ブーストモードの動作を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のモードでの動作は、第1のレートで前記アクチュエータが揮発性物質を分配するようにさせ、前記第2のモードでの動作は、前記第1のレートよりも大きな第2のレートで前記アクチュエータが前記揮発性物質を分配するようにさせる、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記第2のレートは、約14パーセントのデューティサイクルであり、かつ約7秒間の継続時間を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2のレートは、約50パーセントのデューティサイクルであり、かつブーストスイッチが作動させられている時間の長さによって決定される継続時間を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の回路は、動きの検出に応答して、第3の動作モードで前記第1の回路を動作させる、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の回路は、スイッチの設定に応答して、前記アクチュエータの相次ぐ付勢の間のドウェル期間を確立する、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の回路は、フルブリッジトポロジを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の回路は、ハーフブリッジトポロジを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
前記電流検出器は、前記アクチュエータを通して流れる電流を検出するための電流検知抵抗を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記電流検出器は、前記アクチュエータを通して流れる電流を検出するための電流検知ダイオードを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の回路は、前記アクチュエータに結合された少なくとも1つのトランジスタを含み、さらに、前記アクチュエータを通して流れる電流を検出するために前記少なくとも1つのトランジスタのオン抵抗を検出する回路を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の回路は、位相ロックループをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の回路は、ふらついた発振器信号を生じさせる発振器をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項45】
付勢波形によって駆動される少なくとも1つのLEDをさらに含む、請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−500865(P2010−500865A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524639(P2009−524639)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/017858
【国際公開番号】WO2008/021281
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】