説明

超音波送信器

【課題】開放型超音波送受波器において送信音圧を高めるために共振子を大型、軽量化することが望ましい。しかし従来より使用されているアルミニウム合金製共振子などでこれを実現するには、より薄い材料を使用することになり強度不足から耐久性の低下につながっていた。
また、超音波送信器として広帯域の超音波を送信する際に、送信波の帯域内に共振子の固有振動数が存在するとその振動数において共振子の歪みが大きくなるため共振子の固有振動数は超音波送信器の第一共振周波数を中心とする使用帯域外にあることが望まれる。
【解決手段】本発明は、超音波送信器の共振子の素材としてマグネシウムあるいはマグネシウム合金を使用することにより共振子の剛性を高めつつ軽量化を実現し、特に広帯域の超音波を送信する際の共振子の耐久性を向上させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波周波数帯の送信を行う超音波送信器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の開放型超音波送信器において共振子の素材としてアルミニウムおよびアルミニウム合金を使用するのが一般的であった。
【非特許文献1】富川義朗著 「超音波エレクトロニクス振動論―基礎と応用」 朝倉書店 1998年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
超音波送信器の基本的な性能である送信音圧を高めるためには振動面の大面積化および大振幅化が必要となる。すなわち、共振子を備える開放型超音波送受波器においては共振子の大型化および軽量化が求められる。しかし、従来より使用されているアルミニウム合金においてこれを実現するには、より薄い材料を使用することになり共振子の強度不足から耐久性の低下につながっていた。
また、超音波送信器として広帯域の超音波を送信する際に、送信波の帯域内に共振子の固有振動数が存在するとその振動数において共振子の歪みが大きくなるため必要とする破壊強度も大きくなる。このため共振子の固有振動数は超音波送信器の第一共振周波数を中心とする使用帯域外にあることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、超音波送信器の共振子の素材としてマグネシウムあるいはマグネシウム合金を使用することにより共振子の剛性を高めつつ軽量化を実現し、共振子の耐久性を向上させた。また、剛性を高めることにより共振子の共振周波数を超音波送信器の第一共振周波数より充分高くし、広帯域の超音波を送信する際の耐久性を向上させた。
【発明の効果】
【0005】
共振子の軽量・高剛性化により超音波送受波器の超音波送信音圧を高めることが可能となった。また、広帯域の超音波を送信するときの超音波送信器の耐久性を向上することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
組成比率の80%以上がマグネシウムである材料により製作した共振子を有する超音波送信器。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態に関わる超音波センサの側面図
【符号の説明】
【0008】
1 共振子
2 導波板
3 PZT
4 電極引き出し線
5 モールド
6 電極ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波送信器の共振子の素材としてマグネシウムあるいはマグネシウム合金を用いることにより耐久性を向上させたことを特徴とする超音波送信器。

【図1】
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【公開番号】特開2007−88886(P2007−88886A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276022(P2005−276022)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000229081)日本セラミック株式会社 (129)
【Fターム(参考)】