足温器
【課題】汎用性に優れ、足以外の多様な人体部位の加温にも用いることができると共に、安価に多用な人体部位の加温を行うことができる。
【解決手段】略半円筒形の基体20と、基体20に着脱可能に取り付けられるカバー体30とを備え、基体20は、内周面に沿って面状に設けられる遠赤外線加温部22と、遠赤外線加温部22の動作を制御する制御部23とを有し、カバー体30は、略矩形の第1のカバー領域31と、第1のカバー領域31と隣接して配置され、脚を挿通可能な開口部322が設けられている第2のカバー領域32と、第2のカバー領域32とは反対側で第1のカバー領域31と隣接して配置される第3のカバー領域33とを有し、第1のカバー領域31で基体20の軸方向に延びる両縁21・21間の開放領域を被覆し、第2のカバー領域32で基体20の軸方向の一方端側の開放領域を被覆し、第3のカバー領域33で基体20の軸方向の他方端側の開放領域を被覆する足温器。
【解決手段】略半円筒形の基体20と、基体20に着脱可能に取り付けられるカバー体30とを備え、基体20は、内周面に沿って面状に設けられる遠赤外線加温部22と、遠赤外線加温部22の動作を制御する制御部23とを有し、カバー体30は、略矩形の第1のカバー領域31と、第1のカバー領域31と隣接して配置され、脚を挿通可能な開口部322が設けられている第2のカバー領域32と、第2のカバー領域32とは反対側で第1のカバー領域31と隣接して配置される第3のカバー領域33とを有し、第1のカバー領域31で基体20の軸方向に延びる両縁21・21間の開放領域を被覆し、第2のカバー領域32で基体20の軸方向の一方端側の開放領域を被覆し、第3のカバー領域33で基体20の軸方向の他方端側の開放領域を被覆する足温器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足を温める足温器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、足を温めて血行を良くする足温器が知られている。足温器は、例えば足を収容する木製、樹脂製等の本体と、本体に足を出し入れするために本体に設けられる開口部と、足を本体に入れた際に開口部を密閉する密閉部と、足を加温するために本体内部に設けられる遠赤外線ランプと、本体内部に設けられる光の反射面とから構成され、足首から下の足を温めるようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−51376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記足温器は、足首から下の足を温めるための専用加温器であるが、健康増進や疲労回復を確実に図るためには、足のみならず、下腿、膝、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位を必要に応じて温めて血行を良くすることが求められる。このような足以外の多様な人体部位は、それぞれを専用の加温器で温めることも可能であるが、利用者は多数の専用加温器を揃える必要が生ずるため、非常に高価となってしまう。そのため、足以外の多様な人体部位の加温にも用いることができる足温器が求められている。
【0005】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、汎用性に優れ、足以外の多様な人体部位の加温にも用いることができると共に、安価に多用な人体部位の加温を行うことができる足温器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の足温器は、略半筒形の基体と、前記基体に着脱可能に取り付けられるカバー体とを備え、前記基体は、内面に沿って面状に設けられる加温部と、前記加温部の動作を制御する制御部とを有し、前記カバー体は、少なくとも、略矩形の第1のカバー領域と、前記第1のカバー領域と隣接して配置され、脚を挿通可能な開口部が設けられている第2のカバー領域とを有し、前記第1のカバー領域で前記基体の軸方向に延びる両縁間の開放領域を被覆し、前記第2のカバー領域で前記基体の軸方向の一方端側の開放領域を被覆することを特徴とする。
前記構成では、基体の所要の開放領域をカバー体で被覆することにより、開口部から脚を挿通する利用者の足及び下腿を温めて血行を良くすることができる。また、カバー体を取り外し、略半筒形の基体を下腿のより上側の部分、膝、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位の周囲に配置して、足以外の多様な人体部位の加温に用いることができ、汎用性に優れる。また、足温器で多用な人体部位の加温を行うことができるので、安価に多用な人体部位の加温を行うことができる。
【0007】
また、本発明の足温器は、前記基体を略半円筒形として、前記加温部を内周面に沿って面状に設けると共に、前記カバー体を前記第2のカバー領域とは反対側で前記第1のカバー領域と隣接して配置される第3のカバー領域を有するものとして、前記第3のカバー領域で前記基体の軸方向の他方端側の開放領域を被覆することを特徴とする。
前記構成では、略半円筒形の内周面に沿って面状に設けられる加温部で利用者の足や下腿をより均一に温めて血行を良くすることができる。また、第3のカバー領域による被覆で密閉性を高め、より効率的な加温が可能となる。
【0008】
また、本発明の足温器は、前記加温部として遠赤外線光による遠赤外線加温部を設け、前記第1のカバー領域と前記第2のカバー領域の内面に、若しくは前記第1のカバー領域と前記第2のカバー領域と前記第3のカバー領域の内面に、前記遠赤外線光を反射する反射面を設けることを特徴とする。
前記構成では、各カバー領域の遠赤外線光を反射する反射面により、遠赤外線光をより有効的に活用し、より効率的な加温が可能となる。また、カバー領域と基体の隙間から遠赤外線光が漏出する可能性のあることに対応し、漏出する遠赤外線光の反射する遠赤外線光でカバーすることができる。
【0009】
また、本発明の足温器は、前記開口部に脚を挿通した状態で前記開口部を密閉可能な巾着状の被覆部を設けることを特徴とする。
前記構成では、巾着状の被覆部により密閉性を高め、より効率的な加温が可能となる。また、被覆部を巾着状とすることにより、紐の引き締めやその開口の引き拡げによって利用者が簡単に密閉と密閉解除を行うことができる。
【0010】
また、本発明の足温器は、前記加温部として遠赤外線光による遠赤外線加温部を設け、前記被覆部の内面に前記遠赤外線光を反射する反射面を設けることを特徴とする。
前記構成では、被覆部の内面に反射面を設けることにより、遠赤外線光が逃げ易い被覆部の開口近傍において遠赤外線光を有効的に活用し、利用者の下腿を効果的に温めることができると共に、より効率的な加温が可能となる。
【0011】
また、本発明の足温器は、前記基体の両縁の内端間の寸法を30cm〜50cm、前記基体の軸方向の長さを30cm〜50cmとすることを特徴とする。
前記構成では、下腿、膝、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位の周囲に足温器を配置する際に、確実に必要な領域に足温器を配置することができると共に、効果的な人体部位の温めを確実に行うことができる。
【0012】
また、本発明の足温器は、前記第1のカバー領域の幅方向両縁に沿って前記両縁からそれぞれ突出して設けられる第1の取付帯と、前記第2のカバー領域の外周縁に沿って前記外周縁から内方に突出して設けられる第2の取付帯と、前記第3のカバー領域の外周縁に沿って前記外周縁から内方に突出して設けられる第3の取付帯とを有し、前記第1の取付帯を内側、前記第2の取付帯及び前記第3の取付帯を外側にして各端部を重ね合わせ、前記第1の取付帯の前記第2のカバー領域側の端部の外面と前記第2の取付帯の端部の内面とに一対で設けられる第1の着脱部で前記第1の取付帯と前記第2の取付帯とを着脱可能に固着し、前記第1の取付帯の前記第3のカバー領域側の端部の外面と前記第3の取付帯の端部の内面とに一対で設けられる第2の着脱部で前記第1の取付帯と前記第3の取付帯とを着脱可能に固着すると共に、前記カバー体の前記基体への取付状態で、前記第2の取付帯と前記第3の取付帯との間に第4の取付帯を張設することを特徴とする。
前記構成では、第1〜第3の取付帯が基体に重なるようにして基体とカバー体との間の隙間を閉塞するので、密閉性が非常に高い空間を形成することができる。また、第4の取付帯の張設で安定して設置される第2、第3の取付帯の内側に第1の取付帯を設けることで、第1〜第3の取付帯を高い安定性で設置することができ、これにより、基体と第1〜第3のカバー領域とで構成される密閉空間の状態をより安定させることができる。また、端部の着脱部でカバー体との取り付け、取り外しを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の足温器は、汎用性に優れ、足以外の多様な人体部位の加温にも用いることができると共に、安価に多用な人体部位の加温を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による実施形態の足温器の斜視図。
【図2】図1の足温器の基体を示す斜視図。
【図3】図1の足温器のカバー体を示す平面図。
【図4】図3のカバー体の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔実施形態の足温器〕
本発明による実施形態の足温器について図面を参照して説明する。図1は本発明による実施形態の足温器の斜視図、図2は図1の足温器の基体を示す斜視図、図3は図1の足温器のカバー体を示す平面図、図4は図3のカバー体の背面図である。
【0016】
本実施形態の足温器10は、図1に示すように、略半筒形である略半円筒形の基体20と、基体20に着脱可能に取り付けられ、展開した状態では略小判形であるカバー体30とから構成される。
【0017】
基体20は、図2に示すように、樹脂等で略半円筒形に形成され、基体20の軸方向に延びる両縁21・21間の曲面の内周面に沿って、加温部である遠赤外線加温部22が面状に設けられている。本例に於ける遠赤外線加温部22は、遠赤外線の放射効率の高いセラミックス等の遠赤外線放射層を有する面状ヒーターであり、遠赤外線光を人体部位に照射して人体部位を温めることが可能になっている。また、基体20の外周面の所定箇所には、遠赤外線加温部22の動作を制御する制御部23が設けられている。制御部23からは外部の電源に接続する電源コード(図示省略)が導出されていると共に、制御部23には、遠赤外線加温部22を駆動・停止するON/OFFスイッチ(図示省略)と、遠赤外線加温部22の温度レベルを調整する調整スイッチ(図示省略)が設けられている。
【0018】
基体20の寸法は、足、下腿、膝、上腿、腰、腕、肩、頭等の所要の人体部位の外方周囲に配置することが可能であり、且つ遠赤外線加温部22から照射する遠赤外線照射光で各人体部位を効果的に加温可能な寸法であれば適宜であるが、基体20の両縁21・21の内端間を直線的に結ぶ寸法である両縁21・21の内端間の寸法Aを30〜50cm程度、基体20の軸方向の長さを30〜50cm程度とすると好適である。
【0019】
カバー体30は、図3及び図4に示すように、基体20から取り外して展開した略小判形の状態において、略矩形の第1のカバー領域31と、カバー体30の長手方向に於ける第1のカバー領域31の一方側(図示上側)で、第1のカバー領域31と隣接して配置されている略半円形の第2のカバー領域32と、カバー体30の長手方向に於ける第1のカバー領域31の他方側(図示下側)、即ち第2のカバー領域32とは反対側で、第1のカバー領域31と隣接して配置される第3のカバー領域33とを有する。
【0020】
第1のカバー領域31の内面には、遠赤外線光を反射する反射面311が設けられ、遠赤外線加温部22から照射される遠赤外線光を反射可能になっている。カバー体30の基体20への取付時には、第1のカバー領域31は、基体20の軸方向に延びる両縁21・21間の略矩形の開放領域を被覆し、遠赤外線加温部22で照射される遠赤外線光を遠赤外線加温部22と対向する反射面311で反射するようになっている。また、第1のカバー領域31には、その幅方向(図示左右方向)の両縁に沿って、両縁からそれぞれ突出して直線帯状の第1の取付帯312・312が設けられている。第1の取付帯312の両端部の外面側には、それぞれ一方の着脱具313が設けられており、本例では一方の着脱具313としてマジックテープ(登録商標)が設けられている。
【0021】
第2のカバー領域32の内面には、遠赤外線光を反射する反射面321が設けられ、遠赤外線加温部22から照射される遠赤外線光を反射可能になっている。カバー体30の基体20への取付時には、第2のカバー領域32は、基体20の軸方向の一方端側の略半円形の開放領域を被覆し、遠赤外線加温部22で照射される遠赤外線光を反射面321で反射するようになっている。また、第2のカバー領域32には、脚を挿通可能な開口部322が形成され、開口部322の外側には開口部322に脚を挿通した際に脚の周囲を被覆する布等の被覆部323が設けられている。被覆部323は、紐324の引き締めで開口を狭められる巾着状であり、開口部322に脚を挿通した状態で開口部322を密閉可能になっている。被覆部323の内面には、遠赤外線光を反射する反射面325が設けられ、遠赤外線加温部22で照射される遠赤外線光を反射面325で反射するようになっている。
【0022】
第2のカバー領域32には、その外周縁に沿って、外周縁から反射面321側である内方に突出して曲線帯状の第2の取付帯326が設けられている。第2の取付帯326の両端部の内面側には、それぞれ他方の着脱具327が設けられており、本例では他方の着脱具327としてマジックテープが設けられている。第1の取付帯312の第2のカバー領域32側の端部外面に設けられている一方の着脱具313と、第2のカバー領域32の端部内面に設けられている他方の着脱具327とは、一対で第1の着脱部を構成しており、カバー体30の基体20への取付時に、第1の取付帯312を内側、第2の取付帯326を外側にして第1の取付帯312の端部と第2の取付帯326の端部を重ね合わせ、前記一対の第1の着脱部である一方の着脱具313と他方の着脱具327とで第1の取付帯312と第2の取付帯326とを着脱可能に固着するようになっている。
【0023】
第3のカバー領域33の内面には、遠赤外線光を反射する反射面331が設けられ、遠赤外線加温部22から照射される遠赤外線光を反射可能になっている。カバー体30の基体20への取付時には、第3のカバー領域33は、基体20の軸方向の他方端側の略半円形の開放領域を被覆し、遠赤外線加温部22で照射される遠赤外線光を反射面331で反射するようになっている。
【0024】
第3のカバー領域33には、その外周縁に沿って、外周縁から反射面331側である内方に突出して曲線帯状の第3の取付帯332が設けられている。第3の取付帯332の両端部の内面側には、それぞれ他方の着脱具333が設けられており、本例では他方の着脱具333としてマジックテープが設けられている。第1の取付帯312の第3のカバー領域33側の端部外面に設けられている一方の着脱具313と、第3のカバー領域33の端部内面に設けられている他方の着脱具333とは、一対で第2の着脱部を構成しており、カバー体30の基体20への取付時に、第1の取付帯312を内側、第3の取付帯332を外側にして第1の取付帯312の端部と第3の取付帯332の端部を重ね合わせ、前記一対の第2の着脱部である一方の着脱具313と他方の着脱具333とで第1の取付帯312と第3の取付帯332とを着脱可能に固着するようになっている。
【0025】
また、第2の取付帯326の中央と端部の中間程度の位置に2本の直線帯状の第4の取付帯34が設けられ、第4の取付帯34の一端が第2の取付帯326の外面に縫い合わせ等で固定されている。第4の取付帯34の他端の内面には一方の着脱具341が設けられ、これに対応して、第3の取付帯332の外面の対応する位置には他方の着脱具334が設けられている。本例では一方の着脱具341、他方の着脱具334としてマジックテープが用いられている。カバー体30の基体20への取付時には、第4の取付帯34の他端を第3の取付帯332まで延ばして一方の着脱具341と他方の着脱具334とを固着して、第2の取付帯326と第3の取付帯332との間に第4の取付帯34を張設し、第2のカバー領域32、第3のカバー領域33及び第1のカバー領域31による開放領域の被覆状態を確実に安定させることができるようになっている。
【0026】
基体20にカバー体30を取り付けて足温器10を構成する際には、第3のカバー領域33上に、基体20の軸方向を上下方向にし且つ基体20の略半円筒形の形状を略半円形の第3のカバー領域33の形状に合わせて載置する。その後、カバー体30を第3のカバー領域33と第1のカバー領域31との間で折り曲げて、第1のカバー領域31で両縁31・31間の略矩形の開放領域を被覆するようにし、更に、カバー体30を第1のカバー領域31と第2のカバー領域32との間で折り曲げて、第2のカバー領域32で基体20の軸方向の一端側の開放領域を被覆する。この際、第2の取付帯326の端部と第3の取付帯332の端部をそれぞれ第1の取付帯31の端部の外側に配置し、一方の着脱具313と他方の着脱具327、一方の着脱具313と他方の着脱具333とを着脱可能に固着する。更に、第4の取付帯34の他端を第3の取付帯332まで延ばして一方の着脱具341と他方の着脱具334とを着脱可能に固着する。これにより、足温器10が完成する。
【0027】
そして、足温器10を使用する際には、利用者が椅子に座った状態等で開口部322及び被覆部323から脚を挿通し、足及び下腿を足温器10内に収容する。この状態で被覆部323の紐324を引き締めて被覆部323の開口を狭めることにより密閉し、足温器10内に密閉された空間を形成する。その後、利用者は、制御部23を操作して遠赤外線加温部22を駆動し、足温器10内で遠赤外線光を放射して利用者の足及び下腿を温める。放射された遠赤外線光は各反射面311、321、331、325で反射されるので、利用者の足及び下腿は非常に効果的に温められる。足温器10の使用を終了する際には、制御部23を操作して遠赤外線加温部22を停止し、紐324を緩めて開口部322及び被覆部323から脚を抜いて終わりとなる。
【0028】
また、足温器10を足及び下腿以外の人体部位の加温に用いる際には、上記と逆の動作で基体20からカバー体30を取り外し、基体20を所要の人体部位の外方周囲に配置し、制御部23を操作して遠赤外線加温部22を駆動し、遠赤外線光を所要の人体部位に照射して温めることができる。これにより、下腿、膝、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位を温めることができる。
【0029】
本実施形態の足温器10は、利用者の足及び下腿を温めて血行を良くすることができる。また、下腿、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位の周囲に配置して、足以外の多様な人体部位の加温に用いることができ、汎用性に優れると共に、安価に多用な人体部位の加温を行うことができる。また、略半円筒形の内周面に沿って面状に設けられる遠赤外線加温部22で利用者の足や下腿をより均一に温めて血行を良くすることができる。また、カバー領域31、32、33による被覆及び巾着状の被覆部232で密閉性を高め、より効率的な加温が可能となる。また、反射面311、321、331、325により、遠赤外線光をより有効的に活用し、より効率的な加温が可能となる。また、被覆部323の内面に反射面325を設けることにより、遠赤外線光が逃げ易い被覆部323の開口近傍において遠赤外線光を有効的に活用し、利用者の下腿を効果的に温めることができる。また、被覆部323を巾着状とすることにより、紐324の引き締めやその開口の引き拡げによって利用者が簡単に密閉と密閉解除を行うことができる。また、取付帯312、326、332が基体20の外側に重なるようにして基体20とカバー体30との間の隙間を閉塞するので、密閉性が非常に高い空間を形成することができる。
【0030】
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明には、各発明や実施形態等の構成の他に、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれ、下記のような変形例も包含される。
【0031】
例えば第1の着脱部である一方の着脱具313と他方の着脱具327、第2の着脱部である一方の着脱具313と他方の着脱具333、或いは一方の着脱具341と他方の着脱具334、の各一対で構成される着脱部は、マジックテープ以外にも着脱可能で固着できるものであれば適宜であり、例えばボタンとその嵌め込み部、鉤状の掛止フックとその引っ掛け部等とすることが可能である。また、第4の取付帯34を設ける位置、その本数は必要に応じて適宜である。また、反射面311、321、331、325は抗菌性の銀を含む素材とすると好適である。また、反射面311、321、331、325について必要に応じて所要のものだけを設ける構成、或いは反射面311、321、331、325を設けない構成とすることも可能である。
【0032】
また、基体20には略半円筒形以外の略半筒形のものを用いることが可能である。また、加温部には遠赤外線加温部22以外の人体部位を温め可能な適宜のものを用いることができる。また、第3のカバー領域33を設けずに、第1のカバー領域31と第2のカバー領域32だけを設け、相互の重なり端部で固着して取り付ける構成とすることも可能である。また、被覆部323には巾着状以外の密閉可能な構成のものを用いることが可能である。また、カバー体30を基体20に取り付けて固定する構成は、取付帯312、326、334、34以外の構成とすることも可能であり、例えばカバー領域31、32、33に突条等の係合部を設け、基体20の縁の対応する位置に凹溝等の被係合部を設ける構成等とすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、足を温めて血行を良くする足温器として利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
10…足温器 20…基体 21…両縁 22…遠赤外線加温部 23…制御部 30…カバー体 31…第1のカバー領域 311…反射面 312…第1の取付帯 313…一方の着脱具 32…第2のカバー領域 321…反射面 322…開口部 323…被覆部 324…紐 325…反射面 326…第2の取付帯 327…他方の着脱具 33…第3のカバー領域 331…反射面 332…第3の取付帯 333、334…他方の着脱具 34…第4の取付帯 341…一方の着脱具 A…基体20の両縁内端間の寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、足を温める足温器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、足を温めて血行を良くする足温器が知られている。足温器は、例えば足を収容する木製、樹脂製等の本体と、本体に足を出し入れするために本体に設けられる開口部と、足を本体に入れた際に開口部を密閉する密閉部と、足を加温するために本体内部に設けられる遠赤外線ランプと、本体内部に設けられる光の反射面とから構成され、足首から下の足を温めるようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−51376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記足温器は、足首から下の足を温めるための専用加温器であるが、健康増進や疲労回復を確実に図るためには、足のみならず、下腿、膝、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位を必要に応じて温めて血行を良くすることが求められる。このような足以外の多様な人体部位は、それぞれを専用の加温器で温めることも可能であるが、利用者は多数の専用加温器を揃える必要が生ずるため、非常に高価となってしまう。そのため、足以外の多様な人体部位の加温にも用いることができる足温器が求められている。
【0005】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、汎用性に優れ、足以外の多様な人体部位の加温にも用いることができると共に、安価に多用な人体部位の加温を行うことができる足温器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の足温器は、略半筒形の基体と、前記基体に着脱可能に取り付けられるカバー体とを備え、前記基体は、内面に沿って面状に設けられる加温部と、前記加温部の動作を制御する制御部とを有し、前記カバー体は、少なくとも、略矩形の第1のカバー領域と、前記第1のカバー領域と隣接して配置され、脚を挿通可能な開口部が設けられている第2のカバー領域とを有し、前記第1のカバー領域で前記基体の軸方向に延びる両縁間の開放領域を被覆し、前記第2のカバー領域で前記基体の軸方向の一方端側の開放領域を被覆することを特徴とする。
前記構成では、基体の所要の開放領域をカバー体で被覆することにより、開口部から脚を挿通する利用者の足及び下腿を温めて血行を良くすることができる。また、カバー体を取り外し、略半筒形の基体を下腿のより上側の部分、膝、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位の周囲に配置して、足以外の多様な人体部位の加温に用いることができ、汎用性に優れる。また、足温器で多用な人体部位の加温を行うことができるので、安価に多用な人体部位の加温を行うことができる。
【0007】
また、本発明の足温器は、前記基体を略半円筒形として、前記加温部を内周面に沿って面状に設けると共に、前記カバー体を前記第2のカバー領域とは反対側で前記第1のカバー領域と隣接して配置される第3のカバー領域を有するものとして、前記第3のカバー領域で前記基体の軸方向の他方端側の開放領域を被覆することを特徴とする。
前記構成では、略半円筒形の内周面に沿って面状に設けられる加温部で利用者の足や下腿をより均一に温めて血行を良くすることができる。また、第3のカバー領域による被覆で密閉性を高め、より効率的な加温が可能となる。
【0008】
また、本発明の足温器は、前記加温部として遠赤外線光による遠赤外線加温部を設け、前記第1のカバー領域と前記第2のカバー領域の内面に、若しくは前記第1のカバー領域と前記第2のカバー領域と前記第3のカバー領域の内面に、前記遠赤外線光を反射する反射面を設けることを特徴とする。
前記構成では、各カバー領域の遠赤外線光を反射する反射面により、遠赤外線光をより有効的に活用し、より効率的な加温が可能となる。また、カバー領域と基体の隙間から遠赤外線光が漏出する可能性のあることに対応し、漏出する遠赤外線光の反射する遠赤外線光でカバーすることができる。
【0009】
また、本発明の足温器は、前記開口部に脚を挿通した状態で前記開口部を密閉可能な巾着状の被覆部を設けることを特徴とする。
前記構成では、巾着状の被覆部により密閉性を高め、より効率的な加温が可能となる。また、被覆部を巾着状とすることにより、紐の引き締めやその開口の引き拡げによって利用者が簡単に密閉と密閉解除を行うことができる。
【0010】
また、本発明の足温器は、前記加温部として遠赤外線光による遠赤外線加温部を設け、前記被覆部の内面に前記遠赤外線光を反射する反射面を設けることを特徴とする。
前記構成では、被覆部の内面に反射面を設けることにより、遠赤外線光が逃げ易い被覆部の開口近傍において遠赤外線光を有効的に活用し、利用者の下腿を効果的に温めることができると共に、より効率的な加温が可能となる。
【0011】
また、本発明の足温器は、前記基体の両縁の内端間の寸法を30cm〜50cm、前記基体の軸方向の長さを30cm〜50cmとすることを特徴とする。
前記構成では、下腿、膝、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位の周囲に足温器を配置する際に、確実に必要な領域に足温器を配置することができると共に、効果的な人体部位の温めを確実に行うことができる。
【0012】
また、本発明の足温器は、前記第1のカバー領域の幅方向両縁に沿って前記両縁からそれぞれ突出して設けられる第1の取付帯と、前記第2のカバー領域の外周縁に沿って前記外周縁から内方に突出して設けられる第2の取付帯と、前記第3のカバー領域の外周縁に沿って前記外周縁から内方に突出して設けられる第3の取付帯とを有し、前記第1の取付帯を内側、前記第2の取付帯及び前記第3の取付帯を外側にして各端部を重ね合わせ、前記第1の取付帯の前記第2のカバー領域側の端部の外面と前記第2の取付帯の端部の内面とに一対で設けられる第1の着脱部で前記第1の取付帯と前記第2の取付帯とを着脱可能に固着し、前記第1の取付帯の前記第3のカバー領域側の端部の外面と前記第3の取付帯の端部の内面とに一対で設けられる第2の着脱部で前記第1の取付帯と前記第3の取付帯とを着脱可能に固着すると共に、前記カバー体の前記基体への取付状態で、前記第2の取付帯と前記第3の取付帯との間に第4の取付帯を張設することを特徴とする。
前記構成では、第1〜第3の取付帯が基体に重なるようにして基体とカバー体との間の隙間を閉塞するので、密閉性が非常に高い空間を形成することができる。また、第4の取付帯の張設で安定して設置される第2、第3の取付帯の内側に第1の取付帯を設けることで、第1〜第3の取付帯を高い安定性で設置することができ、これにより、基体と第1〜第3のカバー領域とで構成される密閉空間の状態をより安定させることができる。また、端部の着脱部でカバー体との取り付け、取り外しを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の足温器は、汎用性に優れ、足以外の多様な人体部位の加温にも用いることができると共に、安価に多用な人体部位の加温を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による実施形態の足温器の斜視図。
【図2】図1の足温器の基体を示す斜視図。
【図3】図1の足温器のカバー体を示す平面図。
【図4】図3のカバー体の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔実施形態の足温器〕
本発明による実施形態の足温器について図面を参照して説明する。図1は本発明による実施形態の足温器の斜視図、図2は図1の足温器の基体を示す斜視図、図3は図1の足温器のカバー体を示す平面図、図4は図3のカバー体の背面図である。
【0016】
本実施形態の足温器10は、図1に示すように、略半筒形である略半円筒形の基体20と、基体20に着脱可能に取り付けられ、展開した状態では略小判形であるカバー体30とから構成される。
【0017】
基体20は、図2に示すように、樹脂等で略半円筒形に形成され、基体20の軸方向に延びる両縁21・21間の曲面の内周面に沿って、加温部である遠赤外線加温部22が面状に設けられている。本例に於ける遠赤外線加温部22は、遠赤外線の放射効率の高いセラミックス等の遠赤外線放射層を有する面状ヒーターであり、遠赤外線光を人体部位に照射して人体部位を温めることが可能になっている。また、基体20の外周面の所定箇所には、遠赤外線加温部22の動作を制御する制御部23が設けられている。制御部23からは外部の電源に接続する電源コード(図示省略)が導出されていると共に、制御部23には、遠赤外線加温部22を駆動・停止するON/OFFスイッチ(図示省略)と、遠赤外線加温部22の温度レベルを調整する調整スイッチ(図示省略)が設けられている。
【0018】
基体20の寸法は、足、下腿、膝、上腿、腰、腕、肩、頭等の所要の人体部位の外方周囲に配置することが可能であり、且つ遠赤外線加温部22から照射する遠赤外線照射光で各人体部位を効果的に加温可能な寸法であれば適宜であるが、基体20の両縁21・21の内端間を直線的に結ぶ寸法である両縁21・21の内端間の寸法Aを30〜50cm程度、基体20の軸方向の長さを30〜50cm程度とすると好適である。
【0019】
カバー体30は、図3及び図4に示すように、基体20から取り外して展開した略小判形の状態において、略矩形の第1のカバー領域31と、カバー体30の長手方向に於ける第1のカバー領域31の一方側(図示上側)で、第1のカバー領域31と隣接して配置されている略半円形の第2のカバー領域32と、カバー体30の長手方向に於ける第1のカバー領域31の他方側(図示下側)、即ち第2のカバー領域32とは反対側で、第1のカバー領域31と隣接して配置される第3のカバー領域33とを有する。
【0020】
第1のカバー領域31の内面には、遠赤外線光を反射する反射面311が設けられ、遠赤外線加温部22から照射される遠赤外線光を反射可能になっている。カバー体30の基体20への取付時には、第1のカバー領域31は、基体20の軸方向に延びる両縁21・21間の略矩形の開放領域を被覆し、遠赤外線加温部22で照射される遠赤外線光を遠赤外線加温部22と対向する反射面311で反射するようになっている。また、第1のカバー領域31には、その幅方向(図示左右方向)の両縁に沿って、両縁からそれぞれ突出して直線帯状の第1の取付帯312・312が設けられている。第1の取付帯312の両端部の外面側には、それぞれ一方の着脱具313が設けられており、本例では一方の着脱具313としてマジックテープ(登録商標)が設けられている。
【0021】
第2のカバー領域32の内面には、遠赤外線光を反射する反射面321が設けられ、遠赤外線加温部22から照射される遠赤外線光を反射可能になっている。カバー体30の基体20への取付時には、第2のカバー領域32は、基体20の軸方向の一方端側の略半円形の開放領域を被覆し、遠赤外線加温部22で照射される遠赤外線光を反射面321で反射するようになっている。また、第2のカバー領域32には、脚を挿通可能な開口部322が形成され、開口部322の外側には開口部322に脚を挿通した際に脚の周囲を被覆する布等の被覆部323が設けられている。被覆部323は、紐324の引き締めで開口を狭められる巾着状であり、開口部322に脚を挿通した状態で開口部322を密閉可能になっている。被覆部323の内面には、遠赤外線光を反射する反射面325が設けられ、遠赤外線加温部22で照射される遠赤外線光を反射面325で反射するようになっている。
【0022】
第2のカバー領域32には、その外周縁に沿って、外周縁から反射面321側である内方に突出して曲線帯状の第2の取付帯326が設けられている。第2の取付帯326の両端部の内面側には、それぞれ他方の着脱具327が設けられており、本例では他方の着脱具327としてマジックテープが設けられている。第1の取付帯312の第2のカバー領域32側の端部外面に設けられている一方の着脱具313と、第2のカバー領域32の端部内面に設けられている他方の着脱具327とは、一対で第1の着脱部を構成しており、カバー体30の基体20への取付時に、第1の取付帯312を内側、第2の取付帯326を外側にして第1の取付帯312の端部と第2の取付帯326の端部を重ね合わせ、前記一対の第1の着脱部である一方の着脱具313と他方の着脱具327とで第1の取付帯312と第2の取付帯326とを着脱可能に固着するようになっている。
【0023】
第3のカバー領域33の内面には、遠赤外線光を反射する反射面331が設けられ、遠赤外線加温部22から照射される遠赤外線光を反射可能になっている。カバー体30の基体20への取付時には、第3のカバー領域33は、基体20の軸方向の他方端側の略半円形の開放領域を被覆し、遠赤外線加温部22で照射される遠赤外線光を反射面331で反射するようになっている。
【0024】
第3のカバー領域33には、その外周縁に沿って、外周縁から反射面331側である内方に突出して曲線帯状の第3の取付帯332が設けられている。第3の取付帯332の両端部の内面側には、それぞれ他方の着脱具333が設けられており、本例では他方の着脱具333としてマジックテープが設けられている。第1の取付帯312の第3のカバー領域33側の端部外面に設けられている一方の着脱具313と、第3のカバー領域33の端部内面に設けられている他方の着脱具333とは、一対で第2の着脱部を構成しており、カバー体30の基体20への取付時に、第1の取付帯312を内側、第3の取付帯332を外側にして第1の取付帯312の端部と第3の取付帯332の端部を重ね合わせ、前記一対の第2の着脱部である一方の着脱具313と他方の着脱具333とで第1の取付帯312と第3の取付帯332とを着脱可能に固着するようになっている。
【0025】
また、第2の取付帯326の中央と端部の中間程度の位置に2本の直線帯状の第4の取付帯34が設けられ、第4の取付帯34の一端が第2の取付帯326の外面に縫い合わせ等で固定されている。第4の取付帯34の他端の内面には一方の着脱具341が設けられ、これに対応して、第3の取付帯332の外面の対応する位置には他方の着脱具334が設けられている。本例では一方の着脱具341、他方の着脱具334としてマジックテープが用いられている。カバー体30の基体20への取付時には、第4の取付帯34の他端を第3の取付帯332まで延ばして一方の着脱具341と他方の着脱具334とを固着して、第2の取付帯326と第3の取付帯332との間に第4の取付帯34を張設し、第2のカバー領域32、第3のカバー領域33及び第1のカバー領域31による開放領域の被覆状態を確実に安定させることができるようになっている。
【0026】
基体20にカバー体30を取り付けて足温器10を構成する際には、第3のカバー領域33上に、基体20の軸方向を上下方向にし且つ基体20の略半円筒形の形状を略半円形の第3のカバー領域33の形状に合わせて載置する。その後、カバー体30を第3のカバー領域33と第1のカバー領域31との間で折り曲げて、第1のカバー領域31で両縁31・31間の略矩形の開放領域を被覆するようにし、更に、カバー体30を第1のカバー領域31と第2のカバー領域32との間で折り曲げて、第2のカバー領域32で基体20の軸方向の一端側の開放領域を被覆する。この際、第2の取付帯326の端部と第3の取付帯332の端部をそれぞれ第1の取付帯31の端部の外側に配置し、一方の着脱具313と他方の着脱具327、一方の着脱具313と他方の着脱具333とを着脱可能に固着する。更に、第4の取付帯34の他端を第3の取付帯332まで延ばして一方の着脱具341と他方の着脱具334とを着脱可能に固着する。これにより、足温器10が完成する。
【0027】
そして、足温器10を使用する際には、利用者が椅子に座った状態等で開口部322及び被覆部323から脚を挿通し、足及び下腿を足温器10内に収容する。この状態で被覆部323の紐324を引き締めて被覆部323の開口を狭めることにより密閉し、足温器10内に密閉された空間を形成する。その後、利用者は、制御部23を操作して遠赤外線加温部22を駆動し、足温器10内で遠赤外線光を放射して利用者の足及び下腿を温める。放射された遠赤外線光は各反射面311、321、331、325で反射されるので、利用者の足及び下腿は非常に効果的に温められる。足温器10の使用を終了する際には、制御部23を操作して遠赤外線加温部22を停止し、紐324を緩めて開口部322及び被覆部323から脚を抜いて終わりとなる。
【0028】
また、足温器10を足及び下腿以外の人体部位の加温に用いる際には、上記と逆の動作で基体20からカバー体30を取り外し、基体20を所要の人体部位の外方周囲に配置し、制御部23を操作して遠赤外線加温部22を駆動し、遠赤外線光を所要の人体部位に照射して温めることができる。これにより、下腿、膝、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位を温めることができる。
【0029】
本実施形態の足温器10は、利用者の足及び下腿を温めて血行を良くすることができる。また、下腿、上腿、腰、腕、肩、頭など多用な人体部位の周囲に配置して、足以外の多様な人体部位の加温に用いることができ、汎用性に優れると共に、安価に多用な人体部位の加温を行うことができる。また、略半円筒形の内周面に沿って面状に設けられる遠赤外線加温部22で利用者の足や下腿をより均一に温めて血行を良くすることができる。また、カバー領域31、32、33による被覆及び巾着状の被覆部232で密閉性を高め、より効率的な加温が可能となる。また、反射面311、321、331、325により、遠赤外線光をより有効的に活用し、より効率的な加温が可能となる。また、被覆部323の内面に反射面325を設けることにより、遠赤外線光が逃げ易い被覆部323の開口近傍において遠赤外線光を有効的に活用し、利用者の下腿を効果的に温めることができる。また、被覆部323を巾着状とすることにより、紐324の引き締めやその開口の引き拡げによって利用者が簡単に密閉と密閉解除を行うことができる。また、取付帯312、326、332が基体20の外側に重なるようにして基体20とカバー体30との間の隙間を閉塞するので、密閉性が非常に高い空間を形成することができる。
【0030】
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明には、各発明や実施形態等の構成の他に、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれ、下記のような変形例も包含される。
【0031】
例えば第1の着脱部である一方の着脱具313と他方の着脱具327、第2の着脱部である一方の着脱具313と他方の着脱具333、或いは一方の着脱具341と他方の着脱具334、の各一対で構成される着脱部は、マジックテープ以外にも着脱可能で固着できるものであれば適宜であり、例えばボタンとその嵌め込み部、鉤状の掛止フックとその引っ掛け部等とすることが可能である。また、第4の取付帯34を設ける位置、その本数は必要に応じて適宜である。また、反射面311、321、331、325は抗菌性の銀を含む素材とすると好適である。また、反射面311、321、331、325について必要に応じて所要のものだけを設ける構成、或いは反射面311、321、331、325を設けない構成とすることも可能である。
【0032】
また、基体20には略半円筒形以外の略半筒形のものを用いることが可能である。また、加温部には遠赤外線加温部22以外の人体部位を温め可能な適宜のものを用いることができる。また、第3のカバー領域33を設けずに、第1のカバー領域31と第2のカバー領域32だけを設け、相互の重なり端部で固着して取り付ける構成とすることも可能である。また、被覆部323には巾着状以外の密閉可能な構成のものを用いることが可能である。また、カバー体30を基体20に取り付けて固定する構成は、取付帯312、326、334、34以外の構成とすることも可能であり、例えばカバー領域31、32、33に突条等の係合部を設け、基体20の縁の対応する位置に凹溝等の被係合部を設ける構成等とすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、足を温めて血行を良くする足温器として利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
10…足温器 20…基体 21…両縁 22…遠赤外線加温部 23…制御部 30…カバー体 31…第1のカバー領域 311…反射面 312…第1の取付帯 313…一方の着脱具 32…第2のカバー領域 321…反射面 322…開口部 323…被覆部 324…紐 325…反射面 326…第2の取付帯 327…他方の着脱具 33…第3のカバー領域 331…反射面 332…第3の取付帯 333、334…他方の着脱具 34…第4の取付帯 341…一方の着脱具 A…基体20の両縁内端間の寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略半筒形の基体と、前記基体に着脱可能に取り付けられるカバー体とを備え、
前記基体は、内面に沿って面状に設けられる加温部と、前記加温部の動作を制御する制御部とを有し、
前記カバー体は、少なくとも、略矩形の第1のカバー領域と、前記第1のカバー領域と隣接して配置され、脚を挿通可能な開口部が設けられている第2のカバー領域とを有し、
前記第1のカバー領域で前記基体の軸方向に延びる両縁間の開放領域を被覆し、
前記第2のカバー領域で前記基体の軸方向の一方端側の開放領域を被覆することを特徴とする足温器。
【請求項2】
前記基体を略半円筒形として、前記加温部を内周面に沿って面状に設けると共に、
前記カバー体を前記第2のカバー領域とは反対側で前記第1のカバー領域と隣接して配置される第3のカバー領域を有するものとして、前記第3のカバー領域で前記基体の軸方向の他方端側の開放領域を被覆することを特徴とする請求項1記載の足温器。
【請求項3】
前記加温部として遠赤外線光による遠赤外線加温部を設け、
前記第1のカバー領域と前記第2のカバー領域の内面に、若しくは前記第1のカバー領域と前記第2のカバー領域と前記第3のカバー領域の内面に、前記遠赤外線光を反射する反射面を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の足温器。
【請求項4】
前記開口部に脚を挿通した状態で前記開口部を密閉可能な巾着状の被覆部を設けることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の足温器。
【請求項5】
前記加温部として遠赤外線光による遠赤外線加温部を設け、
前記被覆部の内面に前記遠赤外線光を反射する反射面を設けることを特徴とする請求項4記載の足温器。
【請求項6】
前記基体の両縁の内端間の寸法を30cm〜50cm、前記基体の軸方向の長さを30cm〜50cmとすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の足温器。
【請求項7】
前記第1のカバー領域の幅方向両縁に沿って前記両縁からそれぞれ突出して設けられる第1の取付帯と、
前記第2のカバー領域の外周縁に沿って前記外周縁から内方に突出して設けられる第2の取付帯と、
前記第3のカバー領域の外周縁に沿って前記外周縁から内方に突出して設けられる第3の取付帯とを有し、
前記第1の取付帯を内側、前記第2の取付帯及び前記第3の取付帯を外側にして各端部を重ね合わせ、
前記第1の取付帯の前記第2のカバー領域側の端部の外面と前記第2の取付帯の端部の内面とに一対で設けられる第1の着脱部で前記第1の取付帯と前記第2の取付帯とを着脱可能に固着し、
前記第1の取付帯の前記第3のカバー領域側の端部の外面と前記第3の取付帯の端部の内面とに一対で設けられる第2の着脱部で前記第1の取付帯と前記第3の取付帯とを着脱可能に固着すると共に、
前記カバー体の前記基体への取付状態で、前記第2の取付帯と前記第3の取付帯との間に第4の取付帯を張設することを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載の足温器。
【請求項1】
略半筒形の基体と、前記基体に着脱可能に取り付けられるカバー体とを備え、
前記基体は、内面に沿って面状に設けられる加温部と、前記加温部の動作を制御する制御部とを有し、
前記カバー体は、少なくとも、略矩形の第1のカバー領域と、前記第1のカバー領域と隣接して配置され、脚を挿通可能な開口部が設けられている第2のカバー領域とを有し、
前記第1のカバー領域で前記基体の軸方向に延びる両縁間の開放領域を被覆し、
前記第2のカバー領域で前記基体の軸方向の一方端側の開放領域を被覆することを特徴とする足温器。
【請求項2】
前記基体を略半円筒形として、前記加温部を内周面に沿って面状に設けると共に、
前記カバー体を前記第2のカバー領域とは反対側で前記第1のカバー領域と隣接して配置される第3のカバー領域を有するものとして、前記第3のカバー領域で前記基体の軸方向の他方端側の開放領域を被覆することを特徴とする請求項1記載の足温器。
【請求項3】
前記加温部として遠赤外線光による遠赤外線加温部を設け、
前記第1のカバー領域と前記第2のカバー領域の内面に、若しくは前記第1のカバー領域と前記第2のカバー領域と前記第3のカバー領域の内面に、前記遠赤外線光を反射する反射面を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の足温器。
【請求項4】
前記開口部に脚を挿通した状態で前記開口部を密閉可能な巾着状の被覆部を設けることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の足温器。
【請求項5】
前記加温部として遠赤外線光による遠赤外線加温部を設け、
前記被覆部の内面に前記遠赤外線光を反射する反射面を設けることを特徴とする請求項4記載の足温器。
【請求項6】
前記基体の両縁の内端間の寸法を30cm〜50cm、前記基体の軸方向の長さを30cm〜50cmとすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の足温器。
【請求項7】
前記第1のカバー領域の幅方向両縁に沿って前記両縁からそれぞれ突出して設けられる第1の取付帯と、
前記第2のカバー領域の外周縁に沿って前記外周縁から内方に突出して設けられる第2の取付帯と、
前記第3のカバー領域の外周縁に沿って前記外周縁から内方に突出して設けられる第3の取付帯とを有し、
前記第1の取付帯を内側、前記第2の取付帯及び前記第3の取付帯を外側にして各端部を重ね合わせ、
前記第1の取付帯の前記第2のカバー領域側の端部の外面と前記第2の取付帯の端部の内面とに一対で設けられる第1の着脱部で前記第1の取付帯と前記第2の取付帯とを着脱可能に固着し、
前記第1の取付帯の前記第3のカバー領域側の端部の外面と前記第3の取付帯の端部の内面とに一対で設けられる第2の着脱部で前記第1の取付帯と前記第3の取付帯とを着脱可能に固着すると共に、
前記カバー体の前記基体への取付状態で、前記第2の取付帯と前記第3の取付帯との間に第4の取付帯を張設することを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載の足温器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2010−284238(P2010−284238A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138845(P2009−138845)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(504324811)ダイヤ技研株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(504324811)ダイヤ技研株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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