足筋のプログラム可能電気刺激
神経筋電気刺激(NMES)を提供するシステム、装置および方法。本装置は、可変周波数、持続時間、強度、勾配時間およびオン−オフサイクルの波形パターンを生成する電気信号発生器を含む。装置は、足筋の上または踝の周囲に配置されかつ信号発生器に取り付けられる表面電極をさらに有する。信号発生器は、足の筋肉および神経を刺激するようにプログラムされる。電極の位置およびプログラミングは、ふくらはぎのひらめ静脈の鬱血を低減し、深部静脈血栓(DVT)を予防するように静脈血流を促進し、血栓後症候群患者の静脈血流を促進し、損傷治癒を促進し、足および踝の神経障害性疼痛、踝および足の慢性筋骨格痛ならびに足および踝の急性術後疼痛を低減し、足筋の筋萎縮を防止するように調整される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して血栓症の予防のためかつ疼痛管理のための筋肉の電気刺激の分野に関し、より詳細には、足の筋肉の電気刺激に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の上に電極を当てることによる筋肉および神経の電気刺激は、目下、血液循環を向上させ血餅を低減するために、かつ疼痛を管理するために脳に達する疼痛信号をかく乱するために使用されている。
【0003】
手術を受けた患者、麻酔がかけられた患者、および長期間ベッドで安静しているかまたは他の状態で動けない患者は、深部静脈血栓すなわちDVTとして知られる状態になり易い。DVTは、下肢または骨盤における静脈血の凝固である。この凝固は、下肢において静脈血を圧送するために必要な筋活動がないこと、末梢血管損傷または凝固亢進状態によって発生する。血餅が肺まで移動すると、状態は生命にかかわる可能性があり、肺塞栓症(PE)または他の心血管系循環への障害をもたらす。より一般的には、静脈血栓塞栓症(VTED)は、整形外科手術後、神経障害により、さらには長期の旅行中および他の種々の状態の間に固定された人々の著しい罹患率および死亡率の原因である。
【0004】
1954年以来、長期の下垂による鬱血(prolonged dependency stasis)、すなわち飛行機の飛行、自動車旅行、およびさらには劇場での鑑賞によって課される状態が、血栓症を引き起こす可能性があることが知られている。1977年、3時間から4時間程度の短い旅行がDVTおよびPEを引き起こす可能性があることが示された。
【0005】
DVTおよび関連する状態を、筋肉における血液循環(静脈還流)を補助することによって制御するかまたは緩和することができる。
【0006】
予防に対する現行の手法には、空気圧迫装置を用いる機械的圧迫、抗凝血薬療法および筋肉の電気刺激が挙げられる。空気圧迫機器は、動ける患者の場合、または長期の旅行中は非常に扱いにくい場合が多い。抗凝血薬療法には出血性合併症の危険があり、この療法は、効力があるためには数日前に開始しなければならない。電気刺激は、予防が必要な時点で開始することができ、DC電源を用いて持運びできるため、他の2つの方法に対して有利である。
【0007】
複数の米国特許が、DVTの予防のためにふくらはぎの筋肉に電気刺激を付与するさまざまな方法を教示している。これらには、Powell,IIIの米国特許第5,358,513号明細書、Tumeyの米国特許第5,674,262号明細書、Dennis,IIIの米国特許第5,782,893号明細書、Katzの米国特許第5,643,331号明細書およびKatzの米国特許第6,002,965号明細書が挙げられる。
【0008】
Unsworthらの米国特許第6,615,080号明細書は、DVT、PE、踝浮腫および静脈鬱血を予防する方法と、単一チャネル逐次神経筋電気刺激(NMES)ユニットを含む装置とを提供する。NMESユニットは、バッテリ式であり、特定の刺激プロファイルを送達するようにプログラムすることができる。患者がNMES装置を適切に適用する能力を簡略化するために、刺激装置は、最適な静脈血流をもたらすように実証された刺激パラメータを用いて二相対称方形波パルスを発生する。刺激プロファイルは、50パルス/秒で固定された刺激周波数、300ミリ秒の刺激時間、2秒間の上昇時間、2秒間の下降時間、ならびに12秒間のオンおよび48秒間のオフでの刺激サイクルセットを含んでいた。医師、製造業者または使用者が前もって設定すると、患者は、刺激強度ダイヤルを用いて、最小限目に見えるかまたは触知できる筋肉収縮をもたらすために必要な程度まで強度を調整する。刺激装置の出力リードは、導体を介して、自己粘着性表面電極を含むさまざまなタイプの電極に取り付けられる。これらの電極は、反対の極性であり、それら自体とそれらを分離する組織との間に電位差をもたらす。患者に印加される電気インパルスの周波数および電気特性は、電気刺激ルーチンと呼ばれる。
【0009】
公開されたが放棄された米国特許出願公開第2006/0085047A号明細書において、Unsworth他の特許の変形は、足または脚の動きの検知に応答して、足底筋の単一チャネルNMESの送達を自動的に制御する方法を提供した。この公開出願では、すべりまたはころびを防止するために、かつ刺激を提供するユニットの電力消費量を低減するために、歩行中または走行中、刺激はオフにされる。
【0010】
図1A、図1B、図1C、図1Dおよび図1Eは、足の底の筋肉を示す。
【0011】
足の底には4層の筋肉がある。足底領域の皮膚および脂肪組織が除去された後、足底筋膜として知られる線維組織の広がりが見える。これもまた取り除かれると、筋肉の第1層が露出し、それは、母趾外転筋(14)、短趾屈筋(18)および小趾外転筋(16)からなる(図1A)。第1層の下に位置する第2層は、固有長趾屈筋(11)および第1趾(12)の腱からなる。足の外側では、長腓骨筋(5)の腱が、屈筋付帯物(20)の下を通っている。層を完成させるために、足底方形筋(副趾屈筋)(20)および虫様筋(19)を挙げなければならない(図1B)。第3足底層は、後脛骨筋(10)の腱、短母趾屈筋(15)、母趾内転筋(21)、短小趾屈筋(17)、および足を横切って伸びる横頭(22)からなる。長腓骨筋鞘(5)および足底靭帯もまた、この層に見られる(図1C)。第4層(図1F)は、3つの骨間筋(23)からなり、1つは第2趾の内側にあり、他は各々、第3趾および第4趾の内側にある。
【0012】
それらは、「中心筋作用線」または「筋作用の線」と呼ばれる中心線XYまで引く。背側面の第1層(図1E)は、後脛骨筋(1)の腱、長母趾伸筋(2)の腱、長趾伸筋(3)の腱および第3腓骨筋(4)からなる。短趾伸筋(13)の筋肉は、長趾伸筋(3)の下を通過した後、4つの腱に分かれ、足指の伸展を助ける。第2層(図1D)は、第2趾、第3趾および第4趾の外側に固定され「中心筋作用線」XYから引く4つの骨間筋(23a)と、線XYまで引く第2趾の内側の1つの骨間筋(23a)とからなる。
【0013】
足の筋肉はまた、足の底に関する足底(内側、外側、中心)と足底筋の後方の筋肉を示す背側との2つの群にも分割される。
【0014】
背側群は以下を含む。
13.短趾伸筋。第1層。
23a.背側骨間筋(4)。第2層。
【0015】
足底群は以下を含む。
14.母趾外転筋。内側第1層。
15.短母趾屈筋。内側第3層。
16.小趾外転筋。外側第1層。
17.短小趾屈筋。外側第3層。
18.短趾屈筋。中心第1層。
19.虫様筋。中心第2層。
20.足底方形筋。中心第2層。
21.母趾内転筋。中心第3層。
22.横頭。中心第3層。
23.底側骨間筋(3)。第4層。
【0016】
各筋肉の位置および機能について以下にさらに述べる。
【0017】
13.短趾伸筋は、踵骨の上部外側から起始し、広がって、前進し第1指趾骨底に付着する4つの腱に分かれる際に、長趾伸筋の下を通過する。その作用は、足指の伸展を助け、長趾伸筋の傾斜の傾向に反作用することである。
【0018】
14.母趾外転筋は、踵骨の内部後方領域から起始し、母趾の第1指趾骨に付着している。その作用は、母趾を足の中心線から離れて身体の中心を形成する想像線まで外転させることである。この作用により、母趾は互いに近づく。
【0019】
15.短母趾屈筋は、足根骨の第2列から起始し、第1指趾骨底に付着している。
【0020】
16.小趾外転筋は、踵骨の外側から起始し、小趾の第1指趾骨の外側に向かって前方に移行する。その作用は、小趾を足の中間線から離れる方向に引くことである。
【0021】
17.短小趾屈筋は、長腓骨筋鞘および第5中足骨底で起始し、小趾の第1指趾骨に付着している。その作用は、小趾を曲げることである。
【0022】
18.短趾屈筋は、踵骨および足底筋膜から、足指を下って引き、4本の足指の第2指趾骨に付着している。
【0023】
19.4本の虫様筋は、4本の足指の内側に付着している。これらの作用は、足指を足の内側に引き込むことである。
【0024】
20.足底方形筋は、踵骨から第2趾、第3趾および第4趾まで延びている。収縮時、長趾屈筋の傾斜に反作用し、したがってこの名前(副趾屈筋)である。
【0025】
21.母趾内転筋は、長腓骨筋鞘ならびに第3中足骨および第4中足骨から起始し、外側の母趾の第1指趾骨に付着している。その作用は、母趾を足の中心線まで内転させる、すなわち引くことである。
【0026】
22.横頭は、足を横切り、母趾の指趾骨に付着している。その機能は、母趾を、「筋作用の線」と呼ばれる足の線まで内転させる、すなわち引くことである。
【0027】
23.3つの足底骨間筋は、内側の足指の骨の間に位置し、中心線まで3つの外側の足指を引く。
【0028】
23a.足の背側面の4つの骨間筋は、足指の骨の外側に位置し、第3趾および第4趾を、筋作用の中心線から離れる方向に引く。第2趾の両側の2つの骨間筋は、足指の軸から離れて足の外側または内側それぞれまで引く。
【0029】
足には2種類の神経、すなわち、皮膚に知覚枝を提供する種類のものと、筋肉に運動印象を与える他の種類のものとが設けられている。後脛骨神経および前脛骨神経は坐骨神経から由来し、前者は、踝の内側まで下行する際に筋肉に分岐する。後脛骨神経は、その後、外側足底神経および内側足底神経に分かれ、それらは足の指および底に枝を与える。前脛骨神経は、脚の外側とともに足の背部に枝を与える。
【0030】
皮膚の下に、特に踵と足指に脂肪体が見られる。
【0031】
足の筋肉は、内在または外在のいずれかとしてさらに分類される。内在筋は、足の内部に位置し、足指の動きをもたらす。これらの筋肉は、足指の屈筋(足底屈筋)、伸筋(背屈筋)、外転筋および内転筋である。いくつかの内在筋はまた、足の足弓の支持にも役立つ。外在筋は、下肢において足の外側に位置している。それらの間に、強力なふくらはぎの筋肉がある。これらの筋肉の大部分が、足の骨に付着し動きを助ける、踝を横切る長い腱を有している。
【0032】
図2は、短趾屈筋を示す。
【0033】
この筋肉は、4つの小さい方の足指を曲げるのに関与している。この筋肉は、足の底の中間の、それが堅固に結合している足底腱膜の中央部分のすぐ上部にある。その深面は、筋膜の薄層によって側部足底血管および神経から分離されている。それは、狭い腱により、踵骨隆起内側突起から、足底腱膜の中心部分から、かつそれと隣接する筋肉との間の筋間中隔から起始する。それは、前方に移行して4つの腱、すなわち4つの小さい方の足指に対して各々1つずつに分かれる。
【0034】
第1層の他の筋肉のうち、小趾外転筋(小趾外転筋、第5趾外転筋)は、足の側縁に沿って位置する筋肉であり、その内側辺縁によって外側足底血管および神経と関連している。その機能は、第5趾(小趾)を曲げかつ外転させることである。第5層の最後の筋肉、すなわち母趾外転筋は、足の内側縁に沿って位置し母趾に連結している以外は、小趾外転筋と同様である。
【0035】
図3Aおよび図3Bは、Unsworthら、米国特許第6,615,080号明細書に開示されている電極の配置を示す。
【0036】
図3Aは、足31の底を示す。図面には、足指32、母趾球33、足弓34および踵35が示されている。電極36a、36bが、足の足底面の内在筋の上、またはそれらに近接した、たとえば足の母趾球33の上または周囲の、かつ踵35の上にまたは近接した部位に位置している。図3Aでは、NMES装置30によって生成される電気インパルスを送達する電極36aおよび36bが配置されている。図3Bは、電気インパルスを送達することができる別の部位36a’を示す。Unsworthの発明のいくつかの実施形態では、電極36aは足の母趾球の部位のみを占有するが、他の実施形態は、足31の長手方向軸に対して垂直な主軸を有する楕円形電極を含む。
【0037】
図3Aおよび図3Bに示すように、Unsworthの登録特許は、踵の上またはそれに近接して一方の電極を付与し、足の足底面の内在筋の上、たとえば足の母趾球の上または周囲に他方の電極を付与する。Unsworthの特許では、必要な電気刺激の強度は、単に、足筋のわずかな目に見える筋痙攣かまたは最小限に目に見えるかあるいは触知できる筋肉収縮をもたらすのに必要な強度である。このように刺激することにより、ふくらはぎの血管における鬱血が防止された。
【0038】
疼痛管理にもまた電気刺激が利用される。疼痛管理に使用される電気刺激の最も一般的な形態は、経皮的神経電気刺激(TENS)療法であり、それは短時間の鎮痛を提供する。神経電気刺激および電熱療法は、背部痛を含むさまざまな状態に関連する疼痛を緩和するために使用される。たとえば、椎間板内高周波熱凝固法(IDET)は、椎間板問題からもたらされる腰痛のある人に対する治療の選択肢である。疼痛管理のためのTENS療法では、小型のバッテリ式装置が、疼痛源の近くに配置された電極を介して皮膚を通して低電圧電流を送達する。電極からの電気は、影響される部位の神経を刺激し、脳に対し通常の疼痛知覚を「かく乱する」信号を送出する。TENSは痛みを伴わず、疼痛を遮断する有効な療法であることが分かっている。
【発明の概要】
【0039】
本発明の態様は、足の筋肉に神経筋電気刺激(NMES)を提供するシステム、装置および方法を提供する。一態様は、可変周波数、持続時間、強度、勾配時間およびオン−オフサイクルの波形パターンを生成する電気信号発生器を含む単一チャネル刺激装置を提供する。刺激装置は、足筋の上に配置されかつ信号発生器に取り付けられる表面電極をさらに有している。信号発生器は、足筋を刺激するようにプログラムされる。プログラミングは、ふくらはぎのひらめ静脈における鬱血を低減し、DVTを予防するように静脈血流を促進し、血栓後症候群患者の静脈血流を促進し、創傷治癒を促進し、足および踝の神経障害性疼痛、踝および足の慢性筋骨格痛ならびに足および踝の急性術後疼痛を低減し、足筋の筋萎縮を予防するように調整される。
【0040】
本発明のいくつかの態様では、電極は、踵と足の中間部または足の足弓とに配置される。この配置は、(1)DVTを予防する静脈血流の促進、(2)血栓後症候群患者の静脈血流の促進および(3)足筋の筋萎縮の予防に寄与する、本発明のシステム、装置および方法に適している。
【0041】
図面の図3Aおよび図3Bが示すように、Unsworthでは、1つの電極が踵に位置し、第2電極が足の母趾球を標的にする。
【0042】
本発明の態様は、第2電極を足弓に配置する。この位置は、短趾屈筋を標的とする。この筋肉は最大筋肉であり、皮膚に近く、外側足底血管および神経から筋膜の薄層によって分離されており、4つの小さい方の足指を曲げることに関与している。それは他の筋肉より大きい筋肉であるため、刺激されるとより循環をもたらし、皮膚により近いため、電極によってよりアクセス可能である。さらに、この筋肉の一端は踵に位置しており、電気パルスを、筋肉およびそれを制御する神経の長さを通して導通させることができる。
【0043】
足の母趾球およびその付近は、脂肪のより厚い層で皮膚から分離されており、皮膚は、概してその部位においてより硬化する。通常の足の足弓は、ほとんど硬化せず、比較的薄い皮膚を有している。さらに、母趾球の下に位置する虫様筋は、より深くかつ皮膚から遠くに位置する足筋の第2層にある。虫様筋は、短趾屈筋よりはるかに小さく、同じ4つの小さい足指を制御する。ただし、虫様筋によって発生する動きは、曲げ運動ほど広くはない内転運動であり、概して、それだけの循環をもたらさない。
【0044】
電極は、踵と足中間領域または足弓の底部とに位置している。活性電極が足中間領域に位置し、接地電極が踵に位置する。
【0045】
本発明の態様は、(1)創傷治癒の促進、(2)足および踝の神経障害性疼痛の低減、(4)踝および足の慢性筋骨格痛の低減ならびに(5)足および踝の急性術後疼痛の低減に寄与する、システム、装置および方法をさらに提供する。本発明のこれらの態様は、筋肉の間欠的電気刺激からもたらされるタッピング感覚を生成することにより鎮痛を提供する。神経障害性疼痛、慢性筋骨格痛、急性術後疼痛の低減および創傷治癒のために、電極は、内果および外果と呼ばれる主踝骨のレベルに配置される。両電極に対し、接続部位は、踝の真下である。他の適応症の場合、電極は足の底に位置する。
【0046】
本発明の態様は、患者の足の筋肉に電気刺激を送達する装置を提供する。本装置は、1つまたは複数の電源と、電流を発生する信号発生器と、信号発生器と通信する、足に電流を送達するための電極とを備えている。電流は、筋肉を収縮させるためのものであり、電極は、足の踵にかつ足の足弓に位置するように適合されている。
【0047】
本発明の態様は、患者の足の筋肉に電気刺激を送達する装置を提供する。本装置は、1つまたは複数の電源と、電流を発生する信号発生器と、信号発生器と通信する、足に電流を送達するための電極とを備えている。電流は、筋肉により脳に通信される疼痛信号をかく乱するためのものであり、電極は、足の腓骨神経を刺激するように踵の前側に接続される。電極を、後脛骨神経の位置の内側踝、腓腹神経の位置の外側踝、および前脛骨神経の位置の前側踝のうちの2つ以上に位置するように適合させることができる。
【0048】
本発明の態様は、深部静脈血栓を防止するように静脈血流を促進し、血栓後症候群患者の静脈血流を促進し、足筋の筋萎縮を防止する方法を提供する。本方法は、患者の足に電極を接続するステップと、プログラム可能な波形、強度、周波数および持続時間の電流を、電極により足筋に印加するステップとを含む。接地電極が足の踵に接続され、陽極が足の足弓に接続される。
【0049】
本発明の態様は、創傷治癒を促進し、足および踝の神経障害性疼痛を低減し、踝および足の慢性筋骨格痛を低減し、足および踝の急性術後疼痛を低減する方法を提供する。本方法は、患者の足に電極を接続するステップと、プログラム可能な波形、強度、周波数および持続時間の電流を、電極により足筋に印加するステップとを含む。電極は、足の腓骨神経を刺激するように、踝の前側に接続される。電流を、後脛骨神経の内果のすぐ下、腓腹神経の外果、および前脛骨神経の前側踝のうちの2つ以上に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1A】図1Aは、足の底の筋肉を示す。
【図1B】図1Bは、足の底の筋肉を示す。
【図1C】図1Cは、足の底の筋肉を示す。
【図1D】図1Dは、足の底の筋肉を示す。
【図1E】図1Eは、足の底の筋肉を示す。
【図1F】図1Fは、足の底の筋肉を示す。
【図2】図2は、短趾屈筋を示す。
【図3A】図3Aは、Unsworthら、米国特許第6,615,080号によって開示されているような電極の配置を示す。
【図3B】図3Bは、Unsworthら、米国特許第6,615,080号によって開示されているような電極の配置を示す。
【図4】図4は、本発明の態様による、足に電気刺激を提供する装置を示す。
【図5】図5は、本発明の態様による、足への電極の配置を示す。
【図6A】図6Aは、本発明のさらなる態様による、疼痛管理のための足への電極の配置を示す。
【図6B】図6Bは、本発明のさらなる態様による、疼痛管理のための足への電極の配置を示す。
【図6C】図6Cは、本発明のさらなる態様による、疼痛管理のための足への電極の配置を示す。
【図7】図7は、本発明の態様による、循環を増大させる方法のフローチャートを示す。
【図8】図8は、本発明の態様による、疼痛管理の方法のフローチャートを示す。
【図9】図9は、本発明の態様による、足に電気刺激を提供する装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の態様は、足の筋肉に電気刺激を施す、改善されたシステム、装置および方法を提供する。
【0052】
本発明の態様は、筋肉の穏やかな収縮をもたらす穏やかかつ許容できる強度の電流を足の筋肉に送達する、プログラム可能電気パルス発生器を提供する。本発明のさまざまな態様では、収縮を、足の底または踝に表面電極を配置することによって達成することができる。足底に配置される場合、活性表面電極は、皮膚の表面により近い第1層のより大きい筋肉の上に、かつ、足の中間部および足弓部位等、皮膚および脂肪層の硬化が最小限である部位に配置される。接地電極を、踵の上またはそれに近接して配置することができる。このように足筋を刺激することにより、ふくらはぎの静脈の鬱血が防止される。踝の側部または頂部に配置される場合、表面電極は、後脛骨神経、前脛骨神経または腓腹神経を刺激する。踝の周囲に電極を配置することによって末梢神経を刺激することにより、疼痛管理および改善された創傷治癒を達成することができる。
【0053】
図4および図9は、本発明の態様による、足に電気刺激を提供する装置を示す。
【0054】
装置400は、発電機410、接続ワイヤ410ならびに電極430および435を有している。電極は、接続ワイヤを介して発電機に接続されている。発電機410は、プログラム可能電気刺激信号発生装置である。電極430および435は交換可能であってもよく、それらの極性は、発電機410へのそれらの接続に従って確定される。電極は、自己粘着性であるか、または他の方法で皮膚に取付可能である。
【0055】
本発明のさまざまな態様を、靴、靴下およびストッキング等、履物および履物の付属品で実現することができる。それらを、装置の刺激発生部を皮膚の上に配置された電極に接続する導体とともに、履物品のポケットまたはポーチで携行することができる。電極は、形状およびサイズが異なっていてもよく、TENS装置に利用されるタイプの自己粘着性であってもよい。さらに、電極のうちの少なくとも1つが電源を含む場合、電極は、信号発生器に無線で通信することができる。その状況では、信号発生器を、使用者の手および頭部のより近くに配置することができ、それにより、使用者は、刺激の強度および他のパラメータをより容易に調整することができる。無線制御の場合、電極を体外で接続することにより、筋肉を通る閉回路を形成しなければならない。さらに、信号発生器を、患者をモニタリングしている医師によって遠隔でプログラム可能とすることができる。
【0056】
図5は、本発明の態様による、足への電極の配置を示す。
【0057】
電極430および435は、一方の電極が踵に付着し、他方が足の中間部分または大きい足弓に取り付けられるように、足31の上に位置している。足弓部位では、皮膚は硬化せず、皮膚の下の脂肪層は最小限である。一態様では、踵電極430は接地電極であり、足弓電極は活性電極または陽極である。
【0058】
図6A、図6Bおよび図6Cは、本発明の態様による、踝への電極の配置を示す。
【0059】
踝電極の配置は、脚50の後脛骨神経、前脛骨神経および腓腹神経を最適に刺激するように選択される。これにより、疼痛管理に対して最大の治療効果が提供され、創傷治癒が促進され、筋萎縮が防止される。これらの電極を、前脛骨神経とも呼ばれる腓骨運動神経の部位に配置することができる。一態様では、電極は、前脛骨筋の腱のすぐ側方にかつ踝に隣接して配置される。図6Bは、前方電極配置(435)および側方電極配置(430)を示す踝を提供する。図6Cは、前方電極配置(435)および内側電極配置(430)を示す踝の線図を提供する。
【0060】
図7は、本発明の態様による、循環を増大させる方法のフローチャートを示す。
【0061】
本方法は、701で開始する。702において、一方の電極、たとえば接地電極を脚の踵に接続する。703において、他方の電極、たとえば活性電極を、足の中間部または足弓に接続する。704において、取り付けられた電極を介して足の筋肉に電極刺激を与える。705において、方法は終了する。
【0062】
この方法の変形では、電気刺激を、患者からのパラメータの読取に従って、または医師あるいは患者自身の判断に従って、定期的にまたは連続的に調整してもよい。
【0063】
図8は、本発明の態様による疼痛管理方法のフローチャートを示す。
【0064】
本方法は801で開始する。802において、一方の電極、たとえば接地電極を、足の踝の上方に接続する。803において、他方の電極、たとえば活性電極を、足の踝の下方に接続する。804において、電気刺激を、取り付けられた電極を介して足の筋肉に与える。805において、電気刺激を調整する。806において、方法は終了する。
【0065】
本発明は、限定的ではなく例示的であるように意図されている特定の例に関連して説明されており、本発明の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して血栓症の予防のためかつ疼痛管理のための筋肉の電気刺激の分野に関し、より詳細には、足の筋肉の電気刺激に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の上に電極を当てることによる筋肉および神経の電気刺激は、目下、血液循環を向上させ血餅を低減するために、かつ疼痛を管理するために脳に達する疼痛信号をかく乱するために使用されている。
【0003】
手術を受けた患者、麻酔がかけられた患者、および長期間ベッドで安静しているかまたは他の状態で動けない患者は、深部静脈血栓すなわちDVTとして知られる状態になり易い。DVTは、下肢または骨盤における静脈血の凝固である。この凝固は、下肢において静脈血を圧送するために必要な筋活動がないこと、末梢血管損傷または凝固亢進状態によって発生する。血餅が肺まで移動すると、状態は生命にかかわる可能性があり、肺塞栓症(PE)または他の心血管系循環への障害をもたらす。より一般的には、静脈血栓塞栓症(VTED)は、整形外科手術後、神経障害により、さらには長期の旅行中および他の種々の状態の間に固定された人々の著しい罹患率および死亡率の原因である。
【0004】
1954年以来、長期の下垂による鬱血(prolonged dependency stasis)、すなわち飛行機の飛行、自動車旅行、およびさらには劇場での鑑賞によって課される状態が、血栓症を引き起こす可能性があることが知られている。1977年、3時間から4時間程度の短い旅行がDVTおよびPEを引き起こす可能性があることが示された。
【0005】
DVTおよび関連する状態を、筋肉における血液循環(静脈還流)を補助することによって制御するかまたは緩和することができる。
【0006】
予防に対する現行の手法には、空気圧迫装置を用いる機械的圧迫、抗凝血薬療法および筋肉の電気刺激が挙げられる。空気圧迫機器は、動ける患者の場合、または長期の旅行中は非常に扱いにくい場合が多い。抗凝血薬療法には出血性合併症の危険があり、この療法は、効力があるためには数日前に開始しなければならない。電気刺激は、予防が必要な時点で開始することができ、DC電源を用いて持運びできるため、他の2つの方法に対して有利である。
【0007】
複数の米国特許が、DVTの予防のためにふくらはぎの筋肉に電気刺激を付与するさまざまな方法を教示している。これらには、Powell,IIIの米国特許第5,358,513号明細書、Tumeyの米国特許第5,674,262号明細書、Dennis,IIIの米国特許第5,782,893号明細書、Katzの米国特許第5,643,331号明細書およびKatzの米国特許第6,002,965号明細書が挙げられる。
【0008】
Unsworthらの米国特許第6,615,080号明細書は、DVT、PE、踝浮腫および静脈鬱血を予防する方法と、単一チャネル逐次神経筋電気刺激(NMES)ユニットを含む装置とを提供する。NMESユニットは、バッテリ式であり、特定の刺激プロファイルを送達するようにプログラムすることができる。患者がNMES装置を適切に適用する能力を簡略化するために、刺激装置は、最適な静脈血流をもたらすように実証された刺激パラメータを用いて二相対称方形波パルスを発生する。刺激プロファイルは、50パルス/秒で固定された刺激周波数、300ミリ秒の刺激時間、2秒間の上昇時間、2秒間の下降時間、ならびに12秒間のオンおよび48秒間のオフでの刺激サイクルセットを含んでいた。医師、製造業者または使用者が前もって設定すると、患者は、刺激強度ダイヤルを用いて、最小限目に見えるかまたは触知できる筋肉収縮をもたらすために必要な程度まで強度を調整する。刺激装置の出力リードは、導体を介して、自己粘着性表面電極を含むさまざまなタイプの電極に取り付けられる。これらの電極は、反対の極性であり、それら自体とそれらを分離する組織との間に電位差をもたらす。患者に印加される電気インパルスの周波数および電気特性は、電気刺激ルーチンと呼ばれる。
【0009】
公開されたが放棄された米国特許出願公開第2006/0085047A号明細書において、Unsworth他の特許の変形は、足または脚の動きの検知に応答して、足底筋の単一チャネルNMESの送達を自動的に制御する方法を提供した。この公開出願では、すべりまたはころびを防止するために、かつ刺激を提供するユニットの電力消費量を低減するために、歩行中または走行中、刺激はオフにされる。
【0010】
図1A、図1B、図1C、図1Dおよび図1Eは、足の底の筋肉を示す。
【0011】
足の底には4層の筋肉がある。足底領域の皮膚および脂肪組織が除去された後、足底筋膜として知られる線維組織の広がりが見える。これもまた取り除かれると、筋肉の第1層が露出し、それは、母趾外転筋(14)、短趾屈筋(18)および小趾外転筋(16)からなる(図1A)。第1層の下に位置する第2層は、固有長趾屈筋(11)および第1趾(12)の腱からなる。足の外側では、長腓骨筋(5)の腱が、屈筋付帯物(20)の下を通っている。層を完成させるために、足底方形筋(副趾屈筋)(20)および虫様筋(19)を挙げなければならない(図1B)。第3足底層は、後脛骨筋(10)の腱、短母趾屈筋(15)、母趾内転筋(21)、短小趾屈筋(17)、および足を横切って伸びる横頭(22)からなる。長腓骨筋鞘(5)および足底靭帯もまた、この層に見られる(図1C)。第4層(図1F)は、3つの骨間筋(23)からなり、1つは第2趾の内側にあり、他は各々、第3趾および第4趾の内側にある。
【0012】
それらは、「中心筋作用線」または「筋作用の線」と呼ばれる中心線XYまで引く。背側面の第1層(図1E)は、後脛骨筋(1)の腱、長母趾伸筋(2)の腱、長趾伸筋(3)の腱および第3腓骨筋(4)からなる。短趾伸筋(13)の筋肉は、長趾伸筋(3)の下を通過した後、4つの腱に分かれ、足指の伸展を助ける。第2層(図1D)は、第2趾、第3趾および第4趾の外側に固定され「中心筋作用線」XYから引く4つの骨間筋(23a)と、線XYまで引く第2趾の内側の1つの骨間筋(23a)とからなる。
【0013】
足の筋肉はまた、足の底に関する足底(内側、外側、中心)と足底筋の後方の筋肉を示す背側との2つの群にも分割される。
【0014】
背側群は以下を含む。
13.短趾伸筋。第1層。
23a.背側骨間筋(4)。第2層。
【0015】
足底群は以下を含む。
14.母趾外転筋。内側第1層。
15.短母趾屈筋。内側第3層。
16.小趾外転筋。外側第1層。
17.短小趾屈筋。外側第3層。
18.短趾屈筋。中心第1層。
19.虫様筋。中心第2層。
20.足底方形筋。中心第2層。
21.母趾内転筋。中心第3層。
22.横頭。中心第3層。
23.底側骨間筋(3)。第4層。
【0016】
各筋肉の位置および機能について以下にさらに述べる。
【0017】
13.短趾伸筋は、踵骨の上部外側から起始し、広がって、前進し第1指趾骨底に付着する4つの腱に分かれる際に、長趾伸筋の下を通過する。その作用は、足指の伸展を助け、長趾伸筋の傾斜の傾向に反作用することである。
【0018】
14.母趾外転筋は、踵骨の内部後方領域から起始し、母趾の第1指趾骨に付着している。その作用は、母趾を足の中心線から離れて身体の中心を形成する想像線まで外転させることである。この作用により、母趾は互いに近づく。
【0019】
15.短母趾屈筋は、足根骨の第2列から起始し、第1指趾骨底に付着している。
【0020】
16.小趾外転筋は、踵骨の外側から起始し、小趾の第1指趾骨の外側に向かって前方に移行する。その作用は、小趾を足の中間線から離れる方向に引くことである。
【0021】
17.短小趾屈筋は、長腓骨筋鞘および第5中足骨底で起始し、小趾の第1指趾骨に付着している。その作用は、小趾を曲げることである。
【0022】
18.短趾屈筋は、踵骨および足底筋膜から、足指を下って引き、4本の足指の第2指趾骨に付着している。
【0023】
19.4本の虫様筋は、4本の足指の内側に付着している。これらの作用は、足指を足の内側に引き込むことである。
【0024】
20.足底方形筋は、踵骨から第2趾、第3趾および第4趾まで延びている。収縮時、長趾屈筋の傾斜に反作用し、したがってこの名前(副趾屈筋)である。
【0025】
21.母趾内転筋は、長腓骨筋鞘ならびに第3中足骨および第4中足骨から起始し、外側の母趾の第1指趾骨に付着している。その作用は、母趾を足の中心線まで内転させる、すなわち引くことである。
【0026】
22.横頭は、足を横切り、母趾の指趾骨に付着している。その機能は、母趾を、「筋作用の線」と呼ばれる足の線まで内転させる、すなわち引くことである。
【0027】
23.3つの足底骨間筋は、内側の足指の骨の間に位置し、中心線まで3つの外側の足指を引く。
【0028】
23a.足の背側面の4つの骨間筋は、足指の骨の外側に位置し、第3趾および第4趾を、筋作用の中心線から離れる方向に引く。第2趾の両側の2つの骨間筋は、足指の軸から離れて足の外側または内側それぞれまで引く。
【0029】
足には2種類の神経、すなわち、皮膚に知覚枝を提供する種類のものと、筋肉に運動印象を与える他の種類のものとが設けられている。後脛骨神経および前脛骨神経は坐骨神経から由来し、前者は、踝の内側まで下行する際に筋肉に分岐する。後脛骨神経は、その後、外側足底神経および内側足底神経に分かれ、それらは足の指および底に枝を与える。前脛骨神経は、脚の外側とともに足の背部に枝を与える。
【0030】
皮膚の下に、特に踵と足指に脂肪体が見られる。
【0031】
足の筋肉は、内在または外在のいずれかとしてさらに分類される。内在筋は、足の内部に位置し、足指の動きをもたらす。これらの筋肉は、足指の屈筋(足底屈筋)、伸筋(背屈筋)、外転筋および内転筋である。いくつかの内在筋はまた、足の足弓の支持にも役立つ。外在筋は、下肢において足の外側に位置している。それらの間に、強力なふくらはぎの筋肉がある。これらの筋肉の大部分が、足の骨に付着し動きを助ける、踝を横切る長い腱を有している。
【0032】
図2は、短趾屈筋を示す。
【0033】
この筋肉は、4つの小さい方の足指を曲げるのに関与している。この筋肉は、足の底の中間の、それが堅固に結合している足底腱膜の中央部分のすぐ上部にある。その深面は、筋膜の薄層によって側部足底血管および神経から分離されている。それは、狭い腱により、踵骨隆起内側突起から、足底腱膜の中心部分から、かつそれと隣接する筋肉との間の筋間中隔から起始する。それは、前方に移行して4つの腱、すなわち4つの小さい方の足指に対して各々1つずつに分かれる。
【0034】
第1層の他の筋肉のうち、小趾外転筋(小趾外転筋、第5趾外転筋)は、足の側縁に沿って位置する筋肉であり、その内側辺縁によって外側足底血管および神経と関連している。その機能は、第5趾(小趾)を曲げかつ外転させることである。第5層の最後の筋肉、すなわち母趾外転筋は、足の内側縁に沿って位置し母趾に連結している以外は、小趾外転筋と同様である。
【0035】
図3Aおよび図3Bは、Unsworthら、米国特許第6,615,080号明細書に開示されている電極の配置を示す。
【0036】
図3Aは、足31の底を示す。図面には、足指32、母趾球33、足弓34および踵35が示されている。電極36a、36bが、足の足底面の内在筋の上、またはそれらに近接した、たとえば足の母趾球33の上または周囲の、かつ踵35の上にまたは近接した部位に位置している。図3Aでは、NMES装置30によって生成される電気インパルスを送達する電極36aおよび36bが配置されている。図3Bは、電気インパルスを送達することができる別の部位36a’を示す。Unsworthの発明のいくつかの実施形態では、電極36aは足の母趾球の部位のみを占有するが、他の実施形態は、足31の長手方向軸に対して垂直な主軸を有する楕円形電極を含む。
【0037】
図3Aおよび図3Bに示すように、Unsworthの登録特許は、踵の上またはそれに近接して一方の電極を付与し、足の足底面の内在筋の上、たとえば足の母趾球の上または周囲に他方の電極を付与する。Unsworthの特許では、必要な電気刺激の強度は、単に、足筋のわずかな目に見える筋痙攣かまたは最小限に目に見えるかあるいは触知できる筋肉収縮をもたらすのに必要な強度である。このように刺激することにより、ふくらはぎの血管における鬱血が防止された。
【0038】
疼痛管理にもまた電気刺激が利用される。疼痛管理に使用される電気刺激の最も一般的な形態は、経皮的神経電気刺激(TENS)療法であり、それは短時間の鎮痛を提供する。神経電気刺激および電熱療法は、背部痛を含むさまざまな状態に関連する疼痛を緩和するために使用される。たとえば、椎間板内高周波熱凝固法(IDET)は、椎間板問題からもたらされる腰痛のある人に対する治療の選択肢である。疼痛管理のためのTENS療法では、小型のバッテリ式装置が、疼痛源の近くに配置された電極を介して皮膚を通して低電圧電流を送達する。電極からの電気は、影響される部位の神経を刺激し、脳に対し通常の疼痛知覚を「かく乱する」信号を送出する。TENSは痛みを伴わず、疼痛を遮断する有効な療法であることが分かっている。
【発明の概要】
【0039】
本発明の態様は、足の筋肉に神経筋電気刺激(NMES)を提供するシステム、装置および方法を提供する。一態様は、可変周波数、持続時間、強度、勾配時間およびオン−オフサイクルの波形パターンを生成する電気信号発生器を含む単一チャネル刺激装置を提供する。刺激装置は、足筋の上に配置されかつ信号発生器に取り付けられる表面電極をさらに有している。信号発生器は、足筋を刺激するようにプログラムされる。プログラミングは、ふくらはぎのひらめ静脈における鬱血を低減し、DVTを予防するように静脈血流を促進し、血栓後症候群患者の静脈血流を促進し、創傷治癒を促進し、足および踝の神経障害性疼痛、踝および足の慢性筋骨格痛ならびに足および踝の急性術後疼痛を低減し、足筋の筋萎縮を予防するように調整される。
【0040】
本発明のいくつかの態様では、電極は、踵と足の中間部または足の足弓とに配置される。この配置は、(1)DVTを予防する静脈血流の促進、(2)血栓後症候群患者の静脈血流の促進および(3)足筋の筋萎縮の予防に寄与する、本発明のシステム、装置および方法に適している。
【0041】
図面の図3Aおよび図3Bが示すように、Unsworthでは、1つの電極が踵に位置し、第2電極が足の母趾球を標的にする。
【0042】
本発明の態様は、第2電極を足弓に配置する。この位置は、短趾屈筋を標的とする。この筋肉は最大筋肉であり、皮膚に近く、外側足底血管および神経から筋膜の薄層によって分離されており、4つの小さい方の足指を曲げることに関与している。それは他の筋肉より大きい筋肉であるため、刺激されるとより循環をもたらし、皮膚により近いため、電極によってよりアクセス可能である。さらに、この筋肉の一端は踵に位置しており、電気パルスを、筋肉およびそれを制御する神経の長さを通して導通させることができる。
【0043】
足の母趾球およびその付近は、脂肪のより厚い層で皮膚から分離されており、皮膚は、概してその部位においてより硬化する。通常の足の足弓は、ほとんど硬化せず、比較的薄い皮膚を有している。さらに、母趾球の下に位置する虫様筋は、より深くかつ皮膚から遠くに位置する足筋の第2層にある。虫様筋は、短趾屈筋よりはるかに小さく、同じ4つの小さい足指を制御する。ただし、虫様筋によって発生する動きは、曲げ運動ほど広くはない内転運動であり、概して、それだけの循環をもたらさない。
【0044】
電極は、踵と足中間領域または足弓の底部とに位置している。活性電極が足中間領域に位置し、接地電極が踵に位置する。
【0045】
本発明の態様は、(1)創傷治癒の促進、(2)足および踝の神経障害性疼痛の低減、(4)踝および足の慢性筋骨格痛の低減ならびに(5)足および踝の急性術後疼痛の低減に寄与する、システム、装置および方法をさらに提供する。本発明のこれらの態様は、筋肉の間欠的電気刺激からもたらされるタッピング感覚を生成することにより鎮痛を提供する。神経障害性疼痛、慢性筋骨格痛、急性術後疼痛の低減および創傷治癒のために、電極は、内果および外果と呼ばれる主踝骨のレベルに配置される。両電極に対し、接続部位は、踝の真下である。他の適応症の場合、電極は足の底に位置する。
【0046】
本発明の態様は、患者の足の筋肉に電気刺激を送達する装置を提供する。本装置は、1つまたは複数の電源と、電流を発生する信号発生器と、信号発生器と通信する、足に電流を送達するための電極とを備えている。電流は、筋肉を収縮させるためのものであり、電極は、足の踵にかつ足の足弓に位置するように適合されている。
【0047】
本発明の態様は、患者の足の筋肉に電気刺激を送達する装置を提供する。本装置は、1つまたは複数の電源と、電流を発生する信号発生器と、信号発生器と通信する、足に電流を送達するための電極とを備えている。電流は、筋肉により脳に通信される疼痛信号をかく乱するためのものであり、電極は、足の腓骨神経を刺激するように踵の前側に接続される。電極を、後脛骨神経の位置の内側踝、腓腹神経の位置の外側踝、および前脛骨神経の位置の前側踝のうちの2つ以上に位置するように適合させることができる。
【0048】
本発明の態様は、深部静脈血栓を防止するように静脈血流を促進し、血栓後症候群患者の静脈血流を促進し、足筋の筋萎縮を防止する方法を提供する。本方法は、患者の足に電極を接続するステップと、プログラム可能な波形、強度、周波数および持続時間の電流を、電極により足筋に印加するステップとを含む。接地電極が足の踵に接続され、陽極が足の足弓に接続される。
【0049】
本発明の態様は、創傷治癒を促進し、足および踝の神経障害性疼痛を低減し、踝および足の慢性筋骨格痛を低減し、足および踝の急性術後疼痛を低減する方法を提供する。本方法は、患者の足に電極を接続するステップと、プログラム可能な波形、強度、周波数および持続時間の電流を、電極により足筋に印加するステップとを含む。電極は、足の腓骨神経を刺激するように、踝の前側に接続される。電流を、後脛骨神経の内果のすぐ下、腓腹神経の外果、および前脛骨神経の前側踝のうちの2つ以上に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1A】図1Aは、足の底の筋肉を示す。
【図1B】図1Bは、足の底の筋肉を示す。
【図1C】図1Cは、足の底の筋肉を示す。
【図1D】図1Dは、足の底の筋肉を示す。
【図1E】図1Eは、足の底の筋肉を示す。
【図1F】図1Fは、足の底の筋肉を示す。
【図2】図2は、短趾屈筋を示す。
【図3A】図3Aは、Unsworthら、米国特許第6,615,080号によって開示されているような電極の配置を示す。
【図3B】図3Bは、Unsworthら、米国特許第6,615,080号によって開示されているような電極の配置を示す。
【図4】図4は、本発明の態様による、足に電気刺激を提供する装置を示す。
【図5】図5は、本発明の態様による、足への電極の配置を示す。
【図6A】図6Aは、本発明のさらなる態様による、疼痛管理のための足への電極の配置を示す。
【図6B】図6Bは、本発明のさらなる態様による、疼痛管理のための足への電極の配置を示す。
【図6C】図6Cは、本発明のさらなる態様による、疼痛管理のための足への電極の配置を示す。
【図7】図7は、本発明の態様による、循環を増大させる方法のフローチャートを示す。
【図8】図8は、本発明の態様による、疼痛管理の方法のフローチャートを示す。
【図9】図9は、本発明の態様による、足に電気刺激を提供する装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の態様は、足の筋肉に電気刺激を施す、改善されたシステム、装置および方法を提供する。
【0052】
本発明の態様は、筋肉の穏やかな収縮をもたらす穏やかかつ許容できる強度の電流を足の筋肉に送達する、プログラム可能電気パルス発生器を提供する。本発明のさまざまな態様では、収縮を、足の底または踝に表面電極を配置することによって達成することができる。足底に配置される場合、活性表面電極は、皮膚の表面により近い第1層のより大きい筋肉の上に、かつ、足の中間部および足弓部位等、皮膚および脂肪層の硬化が最小限である部位に配置される。接地電極を、踵の上またはそれに近接して配置することができる。このように足筋を刺激することにより、ふくらはぎの静脈の鬱血が防止される。踝の側部または頂部に配置される場合、表面電極は、後脛骨神経、前脛骨神経または腓腹神経を刺激する。踝の周囲に電極を配置することによって末梢神経を刺激することにより、疼痛管理および改善された創傷治癒を達成することができる。
【0053】
図4および図9は、本発明の態様による、足に電気刺激を提供する装置を示す。
【0054】
装置400は、発電機410、接続ワイヤ410ならびに電極430および435を有している。電極は、接続ワイヤを介して発電機に接続されている。発電機410は、プログラム可能電気刺激信号発生装置である。電極430および435は交換可能であってもよく、それらの極性は、発電機410へのそれらの接続に従って確定される。電極は、自己粘着性であるか、または他の方法で皮膚に取付可能である。
【0055】
本発明のさまざまな態様を、靴、靴下およびストッキング等、履物および履物の付属品で実現することができる。それらを、装置の刺激発生部を皮膚の上に配置された電極に接続する導体とともに、履物品のポケットまたはポーチで携行することができる。電極は、形状およびサイズが異なっていてもよく、TENS装置に利用されるタイプの自己粘着性であってもよい。さらに、電極のうちの少なくとも1つが電源を含む場合、電極は、信号発生器に無線で通信することができる。その状況では、信号発生器を、使用者の手および頭部のより近くに配置することができ、それにより、使用者は、刺激の強度および他のパラメータをより容易に調整することができる。無線制御の場合、電極を体外で接続することにより、筋肉を通る閉回路を形成しなければならない。さらに、信号発生器を、患者をモニタリングしている医師によって遠隔でプログラム可能とすることができる。
【0056】
図5は、本発明の態様による、足への電極の配置を示す。
【0057】
電極430および435は、一方の電極が踵に付着し、他方が足の中間部分または大きい足弓に取り付けられるように、足31の上に位置している。足弓部位では、皮膚は硬化せず、皮膚の下の脂肪層は最小限である。一態様では、踵電極430は接地電極であり、足弓電極は活性電極または陽極である。
【0058】
図6A、図6Bおよび図6Cは、本発明の態様による、踝への電極の配置を示す。
【0059】
踝電極の配置は、脚50の後脛骨神経、前脛骨神経および腓腹神経を最適に刺激するように選択される。これにより、疼痛管理に対して最大の治療効果が提供され、創傷治癒が促進され、筋萎縮が防止される。これらの電極を、前脛骨神経とも呼ばれる腓骨運動神経の部位に配置することができる。一態様では、電極は、前脛骨筋の腱のすぐ側方にかつ踝に隣接して配置される。図6Bは、前方電極配置(435)および側方電極配置(430)を示す踝を提供する。図6Cは、前方電極配置(435)および内側電極配置(430)を示す踝の線図を提供する。
【0060】
図7は、本発明の態様による、循環を増大させる方法のフローチャートを示す。
【0061】
本方法は、701で開始する。702において、一方の電極、たとえば接地電極を脚の踵に接続する。703において、他方の電極、たとえば活性電極を、足の中間部または足弓に接続する。704において、取り付けられた電極を介して足の筋肉に電極刺激を与える。705において、方法は終了する。
【0062】
この方法の変形では、電気刺激を、患者からのパラメータの読取に従って、または医師あるいは患者自身の判断に従って、定期的にまたは連続的に調整してもよい。
【0063】
図8は、本発明の態様による疼痛管理方法のフローチャートを示す。
【0064】
本方法は801で開始する。802において、一方の電極、たとえば接地電極を、足の踝の上方に接続する。803において、他方の電極、たとえば活性電極を、足の踝の下方に接続する。804において、電気刺激を、取り付けられた電極を介して足の筋肉に与える。805において、電気刺激を調整する。806において、方法は終了する。
【0065】
本発明は、限定的ではなく例示的であるように意図されている特定の例に関連して説明されており、本発明の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の足の筋肉に電気刺激を送達する装置において、
1つまたは複数の電源と、
電流を発生する信号発生器と、
前記信号発生器と通信する、前記足に前記電流を送達するための電極と、
を具備し、
前記電流が、前記筋肉を収縮させるためのものであり、
前記電極が、前記足の踵にかつ前記足の足弓に位置するように適合されることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
当該装置をプログラムするための入力パラメータを受け取り、現パラメータを使用者に反響させる入出力インタフェースと、
前記入力パラメータに従って前記信号発生器によって生成される前記電流を制御するプロセッサと、
前記プロセッサおよび前記入出力インタフェースと通信する、前記入力パラメータを格納する記憶媒体と、
をさらに具備することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
前記入力パラメータを、前記使用者から、前記患者をモニタリングするモニタリング装置から、前記患者から、または任意の組合せから受け取ることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置において、
前記入力パラメータが、深部静脈血栓を防止するように静脈血流を促進し、血栓後症候群患者の静脈血流を促進し、足筋の筋萎縮を防止するように調整されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、
前記1つまたは複数の電源が、前記信号発生器に近接しており、
前記電極と前記信号発生器との間に結合された、前記信号発生器から前記電極に前記電流を送達する導体
をさらに具備することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、
前記信号発生器が、単一チャネル逐次神経筋電気刺激(NMES)装置であることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、
前記送達される電流が、二相対称方形波の形態であり、
前記方形波が、50パルス/秒に実質的に等しい周波数を有し、
前記送達される電流が、最大20ミリアンペアの強度を有することを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、
前記電流が、実質的に2秒間に等しい上昇時間と実質的に2秒間に等しい下降時間とを有するパルスの形態であることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、
前記信号発生器と通信する加速度計
をさらに具備し、
前記信号発生器が、前記加速度計が前記患者の動きを通信すると前記電流の発生を終了し、事前にプログラムされた患者による無活動の期間が前記加速度計によって通知されると電流の発生を再開することを特徴とする装置。
【請求項10】
患者の足の筋肉に電気刺激を送達する装置において、
1つまたは複数の電源と、
電流を発生する信号発生器と、
前記信号発生器と通信する、前記足に前記電流を送達するための電極と、
を具備し、
前記電流が、前記筋肉により脳に通信される疼痛信号をかく乱するためのものであり、
前記電極が、前記足の腓骨神経を刺激するように踵の前側に接続されることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、
前記電極が、後脛骨神経の位置の内側踝、腓腹神経の位置の外側踝、および前脛骨神経の位置の前側踝のうちの2つ以上に位置するように適合されることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置において、
当該装置をプログラムするための入力パラメータを受け取り、前記入力パラメータを使用者に反響させる入出力インタフェースと、
前記入力パラメータに従って前記信号発生器によって生成される前記電流を制御するプロセッサと、
前記プロセッサおよび前記入出力インタフェースと通信する、前記入力パラメータを格納する記憶媒体と、
をさらに具備することを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、
前記入力パラメータを、前記使用者から、前記患者をモニタリングするモニタリング装置から、前記患者から、または組合せから受け取ることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、
前記入力パラメータが、創傷治癒を促進し、踝および足の慢性筋骨格痛を低減し、足および踝の急性術後疼痛を低減するように調整されることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項10に記載の装置において、
前記1つまたは複数の電源が、前記信号発生器に近接しており、
前記電極と前記信号発生器との間に結合された、前記信号発生器から前記電極に電流を送達する導体
をさらに具備することを特徴とする装置。
【請求項16】
深部静脈血栓を防止するように静脈血流を促進し、血栓後症候群患者の静脈血流を促進し、足筋の筋萎縮を防止する方法において、
患者の足に電極を接続するステップと、
プログラム可能な波形、強度、周波数および持続時間の電流を、前記電極により前記足筋に印加するステップと、
を含み、
接地電極が前記足の踵に接続され、
陽極が前記足の足弓に接続されることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記電流が、前記患者の状態に応じて調整されることを特徴とする方法。
【請求項18】
創傷治癒を促進し、足および踝の神経障害性疼痛を低減し、踝および足の慢性筋骨格痛を低減し、足および踝の急性術後疼痛を低減する方法において、
前記患者の足に電極を接続するステップと、
プログラム可能な波形、強度、周波数および持続時間の電流を、前記電極により前記足筋に印加するステップと、
を含み、
前記電極が、前記足の腓骨神経を刺激するように、前記踝の前側に接続されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記電流が、前記患者の状態に応じて調整されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、
前記電極が、後脛骨神経の内果のすぐ下、腓腹神経の外果、および前脛骨神経の前側踝のうちの2つ以上に接続されることを特徴とする方法。
【請求項1】
患者の足の筋肉に電気刺激を送達する装置において、
1つまたは複数の電源と、
電流を発生する信号発生器と、
前記信号発生器と通信する、前記足に前記電流を送達するための電極と、
を具備し、
前記電流が、前記筋肉を収縮させるためのものであり、
前記電極が、前記足の踵にかつ前記足の足弓に位置するように適合されることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
当該装置をプログラムするための入力パラメータを受け取り、現パラメータを使用者に反響させる入出力インタフェースと、
前記入力パラメータに従って前記信号発生器によって生成される前記電流を制御するプロセッサと、
前記プロセッサおよび前記入出力インタフェースと通信する、前記入力パラメータを格納する記憶媒体と、
をさらに具備することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
前記入力パラメータを、前記使用者から、前記患者をモニタリングするモニタリング装置から、前記患者から、または任意の組合せから受け取ることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置において、
前記入力パラメータが、深部静脈血栓を防止するように静脈血流を促進し、血栓後症候群患者の静脈血流を促進し、足筋の筋萎縮を防止するように調整されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、
前記1つまたは複数の電源が、前記信号発生器に近接しており、
前記電極と前記信号発生器との間に結合された、前記信号発生器から前記電極に前記電流を送達する導体
をさらに具備することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、
前記信号発生器が、単一チャネル逐次神経筋電気刺激(NMES)装置であることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、
前記送達される電流が、二相対称方形波の形態であり、
前記方形波が、50パルス/秒に実質的に等しい周波数を有し、
前記送達される電流が、最大20ミリアンペアの強度を有することを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、
前記電流が、実質的に2秒間に等しい上昇時間と実質的に2秒間に等しい下降時間とを有するパルスの形態であることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、
前記信号発生器と通信する加速度計
をさらに具備し、
前記信号発生器が、前記加速度計が前記患者の動きを通信すると前記電流の発生を終了し、事前にプログラムされた患者による無活動の期間が前記加速度計によって通知されると電流の発生を再開することを特徴とする装置。
【請求項10】
患者の足の筋肉に電気刺激を送達する装置において、
1つまたは複数の電源と、
電流を発生する信号発生器と、
前記信号発生器と通信する、前記足に前記電流を送達するための電極と、
を具備し、
前記電流が、前記筋肉により脳に通信される疼痛信号をかく乱するためのものであり、
前記電極が、前記足の腓骨神経を刺激するように踵の前側に接続されることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、
前記電極が、後脛骨神経の位置の内側踝、腓腹神経の位置の外側踝、および前脛骨神経の位置の前側踝のうちの2つ以上に位置するように適合されることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置において、
当該装置をプログラムするための入力パラメータを受け取り、前記入力パラメータを使用者に反響させる入出力インタフェースと、
前記入力パラメータに従って前記信号発生器によって生成される前記電流を制御するプロセッサと、
前記プロセッサおよび前記入出力インタフェースと通信する、前記入力パラメータを格納する記憶媒体と、
をさらに具備することを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、
前記入力パラメータを、前記使用者から、前記患者をモニタリングするモニタリング装置から、前記患者から、または組合せから受け取ることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、
前記入力パラメータが、創傷治癒を促進し、踝および足の慢性筋骨格痛を低減し、足および踝の急性術後疼痛を低減するように調整されることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項10に記載の装置において、
前記1つまたは複数の電源が、前記信号発生器に近接しており、
前記電極と前記信号発生器との間に結合された、前記信号発生器から前記電極に電流を送達する導体
をさらに具備することを特徴とする装置。
【請求項16】
深部静脈血栓を防止するように静脈血流を促進し、血栓後症候群患者の静脈血流を促進し、足筋の筋萎縮を防止する方法において、
患者の足に電極を接続するステップと、
プログラム可能な波形、強度、周波数および持続時間の電流を、前記電極により前記足筋に印加するステップと、
を含み、
接地電極が前記足の踵に接続され、
陽極が前記足の足弓に接続されることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記電流が、前記患者の状態に応じて調整されることを特徴とする方法。
【請求項18】
創傷治癒を促進し、足および踝の神経障害性疼痛を低減し、踝および足の慢性筋骨格痛を低減し、足および踝の急性術後疼痛を低減する方法において、
前記患者の足に電極を接続するステップと、
プログラム可能な波形、強度、周波数および持続時間の電流を、前記電極により前記足筋に印加するステップと、
を含み、
前記電極が、前記足の腓骨神経を刺激するように、前記踝の前側に接続されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記電流が、前記患者の状態に応じて調整されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、
前記電極が、後脛骨神経の内果のすぐ下、腓腹神経の外果、および前脛骨神経の前側踝のうちの2つ以上に接続されることを特徴とする方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2013−517049(P2013−517049A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548933(P2012−548933)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053351
【国際公開番号】WO2011/087539
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512180045)チク,エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】CHKU,LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053351
【国際公開番号】WO2011/087539
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512180045)チク,エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】CHKU,LLC
【Fターム(参考)】
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