説明

足踏み式消毒液供給装置

【課題】足踏み式が抱えている課題を解消し、種々の消毒液ボトルを使用しても消毒液ボトルの転倒等を抑制または防止することができる足踏み式消毒液供給装置を提供する。
【解決手段】形態の異なる複数種類の消毒液ボトルBを載置可能なトレイ2と、このトレイに載置された消毒液ボトルBの操作ヘッドを押圧操作するための押圧体6と、この押圧体よりも下方に配設された足踏みペダル7と、この足踏みペダルに加えられる踏み込み動作を前記押圧体の前記操作ヘッドを押圧する動作に変換する動作変換機構とを具備してなるものであって、前記押圧体が、前記操作ヘッドの頂部を押圧する天壁と、前記操作ヘッドの前後左右のうち少なくとも三方への移動を規制する規制壁とを具備してなり、これら規制壁の少なくとも1つに前記操作ヘッドから延出するノズルを挿通させるための開口が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフルエンザ対策等のためにオフィスや公共施設等の玄関や入口に好適に設置される足踏み式消毒液供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、インフルエンザ対策等のためにオフィスや公共施設等の玄関や入口その他種々の場所に消毒液ボトルが設置されていることが少なくない。ところが従来は、机等の上に消毒液ボトルを載置しただけのものが多く、その消毒効果に疑問が持たれることがある。すなわち、このような状況においては、不特定多数の人が消毒前の手で消毒液ボトルの操作ヘッドを押圧操作することになるため、操作ヘッドに触れるのを躊躇する人もあり、なんらかの対策が望まれていた。
【0003】
そのため、足踏み式ペダルを踏み込み操作することによって、消毒液を噴射する方式のものも開発されている(例えば、特許文献1を参照)。ところが特許文献1記載のものは、専用の消毒液ボトルを使用するものであり、消毒液ボトルをこのボトルの形状に合致したボトル入れボックスに差し込んで保持するようになっている。そのため、特定の消毒液ボトルしか使用することができないという不便さがあった。
【0004】
このような不便さを解消するには、消毒液ボトルをボックスに替えて、複数種類の消毒液ボトルを載置可能なトレイにより保持することが考えられる。しかし、このようにすると、操作ヘッドの押圧操作により消毒液ボトルが倒れたり、位置ずれを起こしたりすることがあるという問題が生じやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−229296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した足踏み式が抱えている課題を解消し、種々の消毒液ボトルを使用しても消毒液ボトルの転倒等を抑制または防止することができる足踏み式消毒液供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような構成を採用したものである。すなわち、本発明に係る足踏み式消毒液供給装置は、形態の異なる複数種類の消毒液ボトルを載置可能なトレイと、このトレイに載置された消毒液ボトルの操作ヘッドを押圧操作するための押圧体と、この押圧体よりも下方に配設された足踏みペダルと、この足踏みペダルに加えられる踏み込み動作を前記押圧体の前記操作ヘッドを押圧する動作に変換する動作変換機構とを具備してなるものであって、前記押圧体が、前記操作ヘッドの頂部を押圧する天壁と、前記操作ヘッドの前後左右のうち少なくとも三方への移動を規制する規制壁とを具備してなり、これら規制壁の少なくとも1つに前記操作ヘッドから延出するノズルを挿通させるための開口が設けられていることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、形態の異なる、具体的には形状や大きさの異なる種々の消毒液ボトルを載置することが可能であるため、従来、消毒液ボトルをこのボトルの形状に合致したボトル入れボックスに差し込んで保持するものの場合に生じていたような、特定の消毒液ボトルしか使用することができない、という不便さを解消することができる。さらに、消毒液ボトルがトレイに載置されただけであっても、押圧体が操作ヘッドの前後左右のうち少なくとも三方への移動を規制する規制壁を備えているため、消毒液ボトルの転倒等を好適に抑制または防止することができる。また、規制壁の少なくとも1つに開口が設けられているため、操作ヘッドが規制壁によって囲まれていても、ノズルを外部に表出させることができる。
【0009】
トレイ上に設置した消毒液ボトルのノズルの突出方向を変更可能なものとするためには、前記規制壁の少なくとも2つに前記操作ヘッドから延出するノズルを挿通させるための開口がそれぞれ設けられており、前記ノズルを前記開口のいずれかに選択的に挿通させるように構成されていればよい。
【0010】
足踏みペダルの踏み込み動作を操作ヘッドの押圧動作に比較的に簡単に変換するには、前記動作変換機構が、足踏みペダルの踏み込み動作に応動して上下方向に回動する回動アームを備えたものであることが好ましい。また、この回動アームの回動端に前記押圧体を首振動作可能に支持させているものであれば、消毒液ボトルの操作ヘッドに無理な力がかかることを抑制することができる。
【0011】
前記トレイが、前記消毒液ボトルを載置するためのトレイ本体と、このトレイ本体から一方向に延出する延出部とを備えたものであり、このトレイの設置位置を水平方向に変更可能に構成していれば、使用者の要望に応じてトレイの向きを変更することができる。
【0012】
また、前記トレイの設置位置を高さ方向に変更可能に構成していれば、消毒液ボトルの高さ寸法に伴ってトレイの高さを調節することができる。
【0013】
消毒液の噴射量を調整するためには、前記押圧体のストロークを調整するためのストローク調整手段をさらに備えていればよく、このようなものの好適な一例としては、前記動作変換機構が、足踏みペダルの踏み込み動作に応動して上下方向に回動する回動アームを備えたものであり、前記ストローク調整手段が、前記回動アームの回動範囲を変更可能に規制しているものを挙げることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上のような構成であるから、足踏み式が抱えている課題を解消し、種々の消毒液ボトルを使用しても消毒液ボトルの転倒等を抑制または防止することができる足踏み式消毒液供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体斜視図。
【図2】図1におけるX−X線中央側断面図。
【図3】消毒液ボトルを正面向きに設置した本発明の要部を示す斜視図。
【図4】図3におけるY−Y線断面図。
【図5】消毒液ボトルを右側面向きに設置した本発明の要部を示す斜視図。
【図6】図5におけるZ−Z線断面図。
【図7】本実施形態の要部を拡大して示す分解斜視図。
【図8】本発明の他の実施形態の要部を拡大して示す中央側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について述べる。
【0017】
本実施形態は、図1乃至図7に示すように、本発明をスタンドタイプの足踏み式消毒液供給装置に適用した場合のものであり、セットする消毒液ボトルBは専用品ではなく、複数種類の市販の消毒液ボトルBをセット可能に構成されている。
【0018】
すなわち、この足踏み式消毒液供給装置は、図1乃至図7に示すように、自立性のあるスタンド1に組み付けられたもので、形態の異なる複数種類の消毒液ボトルBを載置可能なトレイ2と、このトレイ2に載置された消毒液ボトルBの操作ヘッドB21を押圧操作するための押圧体6と、この押圧体6よりも下方に配設された足踏みペダル7と、この足踏みペダル7に加えられる踏み込み動作を前記押圧体6の前記操作ヘッドB21を押圧する動作に変換する動作変換機構8とを具備してなる。
【0019】
スタンド1は、図1乃至図3、図5及び図7に示すように、ベース11と、このベース11に立設された支柱12とを具備してなる。
【0020】
ベース11は、図1及び図2に示すように、アジャスタ131を有した左右対をなすベースパイプ13と、これらベースパイプ13同士を剛結するビーム14と、このビーム14の中央部から前方に延設したペダル受け金具15とを具備してなるもので、前記ペダル受け金具15に前記足踏みペダル7を踏み込み可能に設けている。ペダル受け金具15は、左右両側縁に起立壁151を有した正面視上向きコ字形のもので、ペダル受け金具15の両起立壁151に足踏みペダル7の基端部を軸152を介して取り付けている。ペダル受け金具15には、踏み込み荷重を床面に支持させるための補助アジャスタ153が設けてある。
【0021】
支柱12は、図1乃至図7に示すように、前面121に取り付け溝122を有した中空体状のもので、例えば、アルミ押出材等により作られており、前記ベース11のビーム14上に立設されている。ビーム14は下方に開口するチャンネル状をなす部材である。ビーム14の上壁141の前記支柱12に対応する部位には、リンク挿通孔142が形成されている。また、ビーム14の前壁143には、アーム挿通孔144が形成されている。
【0022】
トレイ2は、図1乃至図3、図5及び図7に示すように、前記消毒液ボトルBを載置するためのトレイ本体21と、このトレイ本体21から一方向に延出する延出部22とを備えたものであり、このトレイ2の設置位置を水平方向及び高さ方向に変更可能に構成している。具体的に説明すれば、このトレイ2は、前記支柱12に上下方向にスライド可能に装着された棚板3に着脱可能に取り付けられたもので、その取り付け態様を変更することにより、設置位置を水平方向に変えることができるようになっている。
【0023】
すなわち、前記棚板3は、図1乃至図3、図5及び図7に示すように、平板状のものであり、前後方向及び左右方向に一定間隔をあけて穿設された4つのビス孔31を備えており、トレイ2の底面211には、このビス孔31に対応する4つのねじ孔212が設けてある。そのため、前記ビス孔31に挿通させたビス32を前記トレイ2の底面211に設けたねじ孔212に螺着することにより、トレイ2を棚板3に固定することができるが、トレイ2を水平方向に90度単位で回転させても、同じ態様で棚板3に取り付けることができるようになっている。棚板3は、棚受金具4とともにロック機構5を介して前記支柱12の取り付け溝122に上下方向に位置変更可能に取り付けられている。
【0024】
具体的には、棚受金具4は、図1乃至図3、図5及び図7に示すように、棚板3の下方に延出させた左右対をなす鉛直板部42と、これら鉛直板部42の後縁部421を連結する後板部43とを具備してなるもので、前記後板部43は板金素材を折曲げ成形することにより前記棚板3と一体に構成されている。前記後板部43の背面には、支柱12を包持する包持部44が剛結されている。
【0025】
ロック機構5は、図2及び図7に示すように、前記支柱12の取り付け溝122内に上下方向にスライド可能に収容されたスライドプレート51と、このスライドプレート51の前面に突設され前記後板部43及び包持部44を貫通するボルト52と、このボルト52の突出端に螺着された蝶ナット53とを具備してなる。すなわち、この蝶ナット53を締め付けると、前記スライドプレート51と前記蝶ナット53とにより前記棚板3を支持する前記棚受金具4の後板部43と包持部44と、支柱12の取り付け溝122の前方両側に位置する支柱12の壁前面121とが挟圧され、前記棚板3がその位置に固定される。前記蝶ナット53をゆるめると、その挟圧状態が解除され、前記棚板3及び棚受金具4の後板部43と包持部44とを上下方向に移動することが可能になる。
【0026】
このようにしてなるトレイ2のトレイ本体21は、市販の消毒液ボトルBが載置できるための十分な面積を有している。ここでいう消毒液ボトルBとは、図1、図3及び図5に示すように、消毒液を貯留するボトル本体B1と、このボトル本体B1に装着され最上端に位置する操作ヘッドB21が押圧されることにより前記ボトル本体B1内の消毒液を前記操作ヘッドB21の周面に突設されたノズルB23から吐出させるためのポンプ部B2とを備えたものである。
【0027】
押圧体6は、図1乃至図6に示すように、前記トレイ2上に載置された消毒液ボトルBの操作ヘッドB21の頂部B22を押圧する天壁61と、前記操作ヘッドB21の前後左右のうち少なくとも三方への移動を規制する規制壁62、63、64、69とを具備してなる。すなわち、この実施形態の押圧体6は、前記操作ヘッドB21の前方への移動を規制する前の規制壁62と、前記操作ヘッドB21の左右側方への移動を規制する左右の規制壁63、64と、前記操作ヘッドB21の後方への移動を規制する後の規制壁69とを備えており、これらの規制壁62、63、64、69を前記天壁61の縁から下方に延出して設けたものである。
【0028】
前記前の規制壁62には、図1乃至図5に示すように、前記操作ヘッドB21から延出するノズルB23を挿通させるための上下に長い長孔状の開口66が設けられている。また、図1乃至図6に示すように、左右の規制壁63、64には、前記操作ヘッドB21から延出するノズルB23を挿通させるための上下に長く、かつ下方に開放された開口67、68がそれぞれ設けられている。そして、前記ノズルB23を前記開口66、67、68のいずれかに選択的に挿通させるようになっている。
【0029】
消毒液ボトルBを前向きにセットする場合には、図4に二点鎖線で示すように、まず消毒液ボトルBを後傾させてそのノズルB23を押圧体6の下面側から前の規制壁62の開口66に内側から挿入し、徐々にその消毒液ボトルBを起立させることにより、図4に実線で示すように、トレイ2上にセットすることができる。消毒液ボトルBを横向きにセットする場合には、図6に示すように、適宜な操作によりノズルB23を押圧体6の左右の規制壁63、64の開口67、68のいずれかに下方から挿入し、消毒液ボトルBをトレイ2上に起立させることによりセットが完了する。この際、図5に示すように、トレイ2の延出部22がノズルB23の方向を向くようにして、トレイ2を棚板3に取り付けるようにしておくのが好ましい。なお、前記天壁61の上面には、前後方向を向く取り付けブラケット65が固設されている。
【0030】
足踏みペダル7は、図1及び図2に示すように、下方に開口する扁平箱形のもので、前記ペダル受け金具15に被せるようにして配置されており、一端部71が支軸152を介して前記ペダル受け金具15に軸着されている。そして、他端部72側を足踏み操作することにより上下方向に回動し得るようになっている。
【0031】
動作変換機構8は、図2に示すように、足踏みペダル7の踏み込み動作に応動して上下方向に回動する回動アーム81を備えたものであり、この回動アーム81の回動端811に前記押圧体6を首振動作可能に支持させている。具体的には、前記回動アーム81は、中間部812を前記支柱12に取り付けたガイド金具125に枢支された支軸813を介して支柱12に回動可能に支持させている。この回動アーム81の一方の回動端811には、前記押圧体6の取り付けブラケット65が連結軸814を介して取り付けられている。前記支軸813の軸心及び前記連結軸814の軸心は、左右水平方向に配向されており、前記押圧体6は、前後方向に首振動作し得るようになっている。動作変換機構8の全体を詳述すれば、次のようである。
【0032】
すなわち、この動作変換機構8は、図2に示すように、前記押圧体6を保持する回動アーム81と、足踏みペダル7の踏み込み動作に伴って回動する下部リンク要素82と、この下部リンク要素82の動きを前記回動アーム81に伝達する中間リンク要素83とを具備してなる。
【0033】
回動アーム81は、図2に示すように、前述したように中間部812を支軸813に枢着されたもので、前端部815に押圧体6が保持されている。回動アーム81の後端部816は、支柱12内に位置しており、この回動アーム81の後端部816と支柱12のトップカバー123との間には、回動アーム81の前端部815側を上方に付勢するための圧縮コイルバネ124が介在させてある。
【0034】
下部リンク要素82は、図2に示すように、中間部821をベース11のビーム14に軸822を介して回動可能に枢着されたもので、その前端部823側は、ビーム14のアーム挿通孔144を通して足踏みペダル7内に延出させてある。そして、下部リンク要素82の前端部823に設けたベアリング824を足踏みペダル7の下面に転接させている。下部リンク要素82の後端部825側は、ビーム14内に位置させてある。
【0035】
中間リンク要素83は、図2に示すように、支柱12の内部に配設されたもので、上端部831を前記回動アーム81の後端部816に軸817を介して枢着するとともに、下端部832を前記下部リンク要素82の後端部825に軸826を介して枢着している。
【0036】
このような構成のものであれば、消毒液ボトルBの前方に立ち、足踏みペダル7を踏み込むだけで消毒液ボトルBの操作ヘッドB21が押圧操作され、ノズルB23から消毒液が供給される。すなわち、足踏みペダル7を踏み込み操作すると、下部リンク要素82の前端部823側が押し下げられ、後端部825側が上昇する。下部リンク要素82の後端部825側が上昇すると、その上昇動作が中間リンク要素83を介して回動アーム81の後端部816側に伝達され、この回動アーム81の後端部816側が圧縮コイルバネ124の付勢力に抗して上昇し、回動アーム81の前端部815側が下降する。その結果、押圧体6が降下し、消毒液ボトルBの操作ヘッドB21を押圧操作することになる。したがって、使用者は、直接消毒液ボトルBの操作ヘッドB21に手を触れることなく、衛生的に手を消毒することができる。
【0037】
この実施形態では、回動アーム81の後端部816と支柱12のトップカバー123との間に圧縮コイルバネ124を介在させているので、必要以上に踏み込み操作を行った場合には、反発力が大きくなる。そのため、消毒液を出し過ぎることを抑制することができる。
【0038】
なお、消毒液の出し過ぎは、棚板3の高さ位置を微妙に調整して、初期段階における消毒液ボトルBの操作ヘッドB21と押圧体6の天壁61とのクリアランスを適正にすることによって達成することもできるが、一般ユーザには必ずしも容易な調整ではない。
【0039】
そのため、前記押圧体6のストロークを調整するためのストローク調整手段をさらに備えたものにしてもよい。すなわち、図8は、ストローク調整手段の好適な一例を示すものである。この実施形態は、前記回動アーム81の回動範囲を変更可能に規制するものであり、詳述すれば、前記支柱12のトップカバー123の前端部を支柱12の前面121よりも前方に延出させ、その延出端部123aに螺着した調整ボルト9により回動アーム81の上動範囲を規制したものである。さらに具体的には、調整ボルト9の頭部91を回動操作して該調整ボルト9を上下方向に螺合進退させることにより回動アーム81の回動上限位置を適宜調整することができる。したがって、セットした消毒液ボトルBの種類に応じて適切な消毒液の吐出量を決定することができる。
【0040】
以上に述べたように、本実施形態に係る足踏み式消毒液供給装置は、形態の異なる複数種類の消毒液ボトルBを載置可能なトレイ2と、このトレイ2に載置された消毒液ボトルBの操作ヘッドB21を押圧操作するための押圧体6と、この押圧体6よりも下方に配設された足踏みペダル7と、この足踏みペダル7に加えられる踏み込み動作を前記押圧体6の前記操作ヘッドB21を押圧する動作に変換する動作変換機構8とを具備してなるものであり、前記押圧体6が、前記操作ヘッドB21の頂部B22を押圧する天壁61と、前記操作ヘッドB21の前後左右への移動を規制する規制壁62、63、64、69とを具備してなり、これら規制壁62、63、64、69のうち前の規制壁62に前記操作ヘッドB21から延出するノズルB23を挿通させるための開口66が設けられているため、 形状や大きさの異なる種々の消毒液ボトルBをトレイ2上に載置することが可能であり、特定の消毒液ボトルBしか使用することができない、という不便さを解消することができる。さらに、消毒液ボトルBがトレイ2に載置されただけであっても、押圧体6が操作ヘッドB21の前後左右の全方向への移動を規制する規制壁62、63、64、69を備えているため、消毒液ボトルBの転倒等を好適に抑制または防止することができる。また、後の規制壁69以外の三方の規制壁62、63、64にそれぞれに開口66、67、68が設けられているため、操作ヘッドB21が規制壁62、63、64、69によって囲まれていても、ノズルB23を外部に表出させることができる。
【0041】
また、開口66、67、68が複数設けられているため、ノズルB23を前方向だけでなく横方向へ延出させてトレイ2上にセットさせることもできる。本実施形態にかかる足踏み式消毒液供給装置は、足踏み動作で消毒液を吐出させるようにしているため、吐出量の加減がわかりにくい。そのため、足踏みペダル7の踏み込み量によっては、使用者側に消毒液が勢いよく飛び出してトレイ2や手では受けきれず、衣服や床面を汚してしまう可能性がある。しかしながら、ノズルB23が左右方向を向くように消毒液ボトルBを設置することが可能であり、併せてトレイ2の延出部22も前記ノズルB23の方向に延出するようにセットすれば、勢いよく飛び出した消毒液によって少なくとも使用者の衣服を汚してしまうという問題を解消することができる。
【0042】
また、トレイ2の設置位置を高さ方向に変更可能に構成しているので、消毒液ボトルBの高さ寸法に伴ってトレイ2の高さを調節することができ、種々の消毒液ボトルを設置することができる。また、このようにトレイ2の設置位置を高さ方向に調整することで、天壁61と操作ヘッドB21との間のクリアランスを調節することも可能である。したがって、このような方法でも、押圧体6のストロークを調整することができ、消毒液の噴射量を調整することも可能である。
【0043】
また、トップカバー123の延出端部123aに設けられた調整ボルト9を調整することで押圧体6のストロークを調整するようにすれば、使用者等が比較的操作しやすい位置で簡単に消毒液の噴射量を調整することができる。
【0044】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
【0045】
たとえば、本発明の変形例として、押圧体6の前後左右いずれか一方向の規制壁62、63、64、69を有しないものであってもよい。また、各規制壁62、63、64に設ける開口66、67、68は、下端が開放されているものであっても、開放されていない長孔状のものであってもよい。
【0046】
また、この足踏み式消毒液供給装置は、トレイ上に設置されたボトル内の消毒液を供給するものに限られない。たとえば、公衆浴場などに設けられ、不特定多数の人が使用するシャンプーやリンス、ボディソープ等のボトル内の液体を供給する場合にも適用することができる。さらに、このような場合に限られず、様々な液体を供給するための適宜のシチュエーションに適用することが可能である。
【0047】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0048】
B…消毒液ボトル
B21…操作ヘッド
B22…頂部
B23…ノズル
2…トレイ
21…トレイ本体
22…延出部
6…押圧体
61…天壁
62、63、64、69…規制壁
66、67、68…開口
7…足踏みペダル
8…動作変換機構
81…回動アーム
82…回動端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形態の異なる複数種類の消毒液ボトルを載置可能なトレイと、
このトレイに載置された消毒液ボトルの操作ヘッドを押圧操作するための押圧体と、
この押圧体よりも下方に配設された足踏みペダルと、
この足踏みペダルに加えられる踏み込み動作を前記押圧体の前記操作ヘッドを押圧する動作に変換する動作変換機構とを具備してなるものであって、
前記押圧体が、前記操作ヘッドの頂部を押圧する天壁と、前記操作ヘッドの前後左右のうち少なくとも三方への移動を規制する規制壁とを具備してなり、
これら規制壁の少なくとも1つに前記操作ヘッドから延出するノズルを挿通させるための開口が設けられていることを特徴とする足踏み式消毒液供給装置。
【請求項2】
前記規制壁の少なくとも2つに前記操作ヘッドから延出するノズルを挿通させるための開口がそれぞれ設けられており、前記ノズルを前記開口のいずれかに選択的に挿通させるように構成されている請求項1記載の足踏み式消毒液供給装置。
【請求項3】
前記動作変換機構が、足踏みペダルの踏み込み動作に応動して上下方向に回動する回動アームを備えたものであり、この回動アームの回動端に前記押圧体を首振動作可能に支持させている請求項1または2記載の足踏み式消毒液供給装置。
【請求項4】
前記トレイが、前記消毒液ボトルを載置するためのトレイ本体と、このトレイ本体から一方向に延出する延出部とを備えたものであり、
このトレイの設置位置を水平方向に変更可能に構成している請求項1、2または3記載の足踏み式消毒液供給装置。
【請求項5】
前記トレイの設置位置を高さ方向に変更可能に構成している請求項1、2、3または4記載の足踏み消毒液供給装置。
【請求項6】
前記押圧体のストロークを調整するためのストローク調整手段をさらに備えている請求項1、2、3、4または5記載の足踏み消毒液供給装置。
【請求項7】
前記動作変換機構が、足踏みペダルの踏み込み動作に応動して上下方向に回動する回動アームを備えたものであり、前記ストローク調整手段が、前記回動アームの回動範囲を変更可能に規制する請求項6記載の足踏み消毒液供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−110252(P2011−110252A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270025(P2009−270025)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】